「……や、やだよ、本当に、もう、や、やめっ、う……………、え、ん…
……っだぁあああああああああああああ!!」
深夜、部室から響く凄まじい悲鳴。
三橋の声だ。
一人残って練習をしていた俺は、突然の事にビビって動けなかった。
「い、いやぁああああああああああああああああああ!!!!!!」
なんだ、なにがあったんだ。
まさか誰かにイジメられてるのか!?
俺は震える足を叱咤して、全力で部室まで走っていった。
「三橋!!」
無言。
しかも中は真っ暗だ。これじゃ何も見えやしない。
俺は舌打ちして壁にあるはずの電気スイッチを手探りで探そうとする。
「…………俺、くん!?」
「三橋?」
声が聞こえた方を見ると、青白い光にぼんやりと浮かぶ人影が見えた。
「痛えッ!」
俺はぎりぎりと腕を掴まれる。あまりの力の強さに叫んでしまった。
誰だ?こいつは三橋じゃない。
そいつはニヤリと笑って顔をあげる。
「な、中村!」
「ホイットニー・ヒューストンを知ってるか?」