阿部「三橋のキンタマは石鹸の香り」

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317fusianasan
レンズ(ホラーってほどでもないが、一応注意)

三日目。
ロッカーを開けるとまた写真が入っていた。
今度は、部室で着替えている写真だった。背中を向けて、シャツを脱いでいるところだ。
三橋は震えながら写真を取り出す。
(誰、誰が一体撮ってるの・・?)
「なあ、また入ってたの?」
横で着替えていた田島が心配そうに声をかけてきた。
三橋は力なく頷いて、今日入っていた写真を見せた。
それを見た田島の顔が途端に険しくなる。
急いでユニフォームを着ると、部室中、何かを探すようにして歩き回りだした。
「ど、どうしたの?」
「盗撮カメラ探してんの。どう考えてもそれ、ここの部室内で撮られたんだろ。
撮ったのは俺達じゃないだろうし、どっかの変態が設置したんじゃねえの。」
「と、とうさ、つ!?」
それを聞いていた他のチームメイト達も心配して、練習が始まるまでの間隠しカメラを探すのを手伝った。
部活後も1時間ほど探したが、結局それらしいものは見つからなかった。
得体の知れない恐怖に怯えながら、仕方なく三橋は制服に着替えようと手を伸ばす。

はらり、何かが服の隙間から落ちた。

なんだろう、そう思い拾い上げる。
「うああっ!」
思わず悲鳴を上げてしまった。ゾッとする。
それは、写真だった。昨日捨てたはずの田島と三橋が肩を組んでいる写真。
その右腕のところには、黒い指、だけではなかった。
昨日は確かに指だけだったのに、今日は手首まで映っている。