阿部「三橋!虎穴に入らずんば虎児を得ず!」

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92fusianasan
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そう思ったけど、結局言えたのは、もう帰る時になってからだった。
河川敷を歩きながら、三橋の方を見ないようにする。顔を見たら、きっと何も言えなくなる。
「三橋は、さ」
「うん」
「俺のこと、嫌いじゃ、ないの」
「嫌いじゃ、ないよ」
「憎いとか、思わない?」
「もう、思ってない」
「じゃあ」
「じゃあ?」
「それじゃあ、どう思ってるの」
三橋が立ち止まった。
「水谷くんは?」
聞き返されるなんて、思ってなかった。質問に質問で返すのは、ずるいと思う。
違うか。ずるいのは俺か。
「好きだよ」
こんな事いうの、もう4回目だ。一生に一度しか言えないと思ってたのに。
ヤケになってもう一回言う。
「ずっと好きだよ、高1の夏から今までずっと。忘れようと思って大学で彼女作ってみたけど、だめだった。他に好きな人いるのにバカにすんなって、言われた」
一息で言い切って、覚悟決めて三橋の顔見る。
「三橋は、どうなの」