阿部「三橋!虎穴に入らずんば虎児を得ず!」

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70エロゲな三橋
なんとなくつづけたくてつづけてみた。前のはwikiを。

それからしばらくたったある日。

帰るの遅くなっちったなあ、なんて思いながら俺は便所で用を足していた。すっかり日が短くなっていて夕方だというのに暗くなり始めていた。夕暮れの学校は何だか物悲しい。てか怖い。俺、帰宅部なのになにやってんの。早く帰らなくっちゃ。
便所の蛍光灯がチカチカついたり消えたりしてちょっと怖いんですけど。そんなことを思いながら尿をきっていたら、奥の個室からカタンと物音が聞こえた。
そういえば、奥だけ扉が閉まっている。入ってきたときは気にしてなかったけど、こんな時間にまだ残っている生徒がいたのか。

やべ。何、トイレの花子さん? 後ろの日本人形? 赤巻紙青巻紙黄巻紙? やっべー思い出しちった。 超こええの。
便器の中から手がにゅっと手がでてきて、「赤の紙がいいか、青がいいか、黄色がいいか」って聞かれるんだけど、赤を選ぶと血だらけで死ぬ。青を選ぶと溺死。黄色は・・・狂気の国に連れてかれる。何だよ、狂気の国って何だよ。超こええ。

カタン。

また物音がした。
「……ゃん…」
「…バカ! シッ」
くぐもった人の声らしき音も聞こえる。あれ。あぁあ、あれか! 何だよ!
俺はこの間便所で目撃してしまったホモカップルのセックスを思い出した。
またあいつらだな! くそう、またはめっこしやがってるんだな、きっと。何だよ。怖がって損した!

俺は物音がお化けの類いでなくて生身の人間である確信がもてて、心から安堵した。よ〜し、そうと決まればあまさず出歯亀してやる。どうせあいつら見られたいんだろ。ギャラリーになってやろう。
だって前回、向こうから個室の扉あけてきたんだぜ。何たる変態。輝いているを通り越して超シャイニー。もう、今日はいっそ堂々と向かっていこう。
そう思った俺は個室の前まで歩いた。そしてノックをしてやった。

コンコンコン
中で笑い声が聞こえる。低い声。それと高くてすすり泣いているような声もする。
ギギギと個室の扉がゆっくりと開いた。