922 :
潔癖症:
エビフリャのあとでごめん。
あとSOSの俺、ネタ勝手に使って正直すまんかった。
※嘔吐・虐待描写注意
(空白)
授業が終って部活の時間。いつもと変わらずマウンドに立つ。
顔を上げると、阿部君がキャッチャーマスクを下ろしているところだった。こっちを見て、持っていたボールを投げる。左手のグローブでキャッチする。掌や指の肉を打ち、骨を震わせる心地好い衝撃に小さく息を吐いた。
この瞬間。やっぱり、野球が好きなんだと実感する。野球をしてる間だけはイヤなことを忘れられた。いや、忘れられるというより、考えられなくなる感じ。
どうすれば打たれない球を投げられるとか、ピッチャーの所為で負けたらどうしようとか、阿部君の配給を自分なりに考えてみてぐるぐるしたりとか。
頭の中、それしかなくなる。集中できてるんだと思う。
足元の土をスパイクで踏み均して、息一つ整えようとするだけで心臓の音が早くなる。指先に血が巡り、手がすごく熱くなったみたいだ。
阿部君から投球の指示が出る。
グローブから右手にボールを持ち変える。左足を胸に引き寄せるみたく直角に上げ、引いた右腕を肩上くらいの高さからストライクゾーンに目掛け、肘を使い、力を入れずに重力で振り下ろす――――その時だ。