迷子になってた俺お帰り。
授業が終わり、部活が終わり、今日は時間が物凄く速く流れている気がした。
あの時間が来るまでは。
「い、やだ……」
小動物みたいにビクつく三橋を俺はじっ、と見た。
そうか、俺の計画は全て失敗に終わったのか。
計画も台無しになってしまってるならいっそ俺は―…
「おい、俺。どうするんだよ」
「…める」
「え?」
「俺はもうやめるんだ!…こんなことやってて、馬鹿らしくねーのかよ!」
言い切った。
もう後戻りできない。
手が、足が、震えてる。
「お前さ、本気で言ってんのか…?」
畠がじりっと俺の前に寄ってくる。
「…ああ、本気だ」
そう言いながらも後退る度に俺の中の恐怖が膨れ上がる。
「だ、だめっ!俺…君は……か、関係ない…」
突然、何を思ってか三橋は俺を庇いにでた。
「うるせえ!もとはと言えばお前がマウンド叶に譲らねーのが悪いんだ!」
畠は怒りをあらわにして三橋の胸倉を掴む。
「ひっ……ご、ごめんなさいぃ…」
泣きじゃくりながら三橋はただひたすら謝ってた。