書いてみたけど、エロまで行くのに時間かかりそう。
家政婦協会に登録して一年。
三ヶ月毎に派遣先を移転して、今度が5軒目だ。
この辺の三橋っていったら、あのでかい家だよとコンビニのおっさんに言われて駅から徒歩10分。
ほんとにでかい家だった。
豪邸ってわけではないが、手入れされた大きな庭と家のまわりを囲む生垣は年収800万程度ではまかなえないだろう。
二階建ての大きな家の玄関先まで進み、インターフォンを鳴らした。
家の奥からピンポーンと間延びした音がして、どたどたと階段を下りてくる音がする。
俺は少し落胆する。
家政夫を雇うくらいの家だと、わりとハイソな奥様なんかが多いからだ。
どうやらここは違うらしいな。
ちょっとだけこの先3ヶ月が長く感じる。
まあ3ヵ月たてば、こっちが断れば自動的に更新はされないから、3ヶ月の辛抱だ。
俺好みの貞淑な若奥様でないことを残念に思いつつ、仕事は仕事で全うしようと俺は気合を入れて笑顔を作った。
小さくドアが開き、サンダルの足が見える。
白い、が…男の足だった。
「こ、こんに、ちは…」
紛れもなく男だった。中学生くらいの細い男の子が上目遣いで俺を見上げてきた。
「…かっかせいふ、さん……?」
「あ、すみません、協会から派遣されてきた俺と申します。はい、これ」
俺は家政婦協会から支給されている証明書を見せる。
その子はそれを受け取ってしげしげと眺めると、ふひひと不気味な笑い声をあげた。
「お、男のひと、なのに、家政婦、さん…」
全然おもしろくねえよ、それ。
まあいいか。
俺はその子に招き入れられて、営業スマイルを振りまいた。