※鬱注意 寝落ちしとった、すまん
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/eromog2/1190473875/l50 オレは、とぼとぼと自転車を引いて帰った。
自転車に乗って帰れば直ぐの距離だったけれど、明るい部屋に帰りたくなかった。
オレは多分、大きな失敗をしたんだと思う。どうして怒らせた?
阿部くんはまだ、不安定だ。負担をかけるようなことをしちゃいけない。
オレは、阿部くんに元に戻って欲しい、戻る望みが薄くとも だ。
単にそれだけ、深く考えてはいなかった。
オレは、この時まで、別人に見えても阿部くんは阿部くんだと思っていた。
なんて浅はかだったんだろうな、オレは取り返しのつかない事をしていた。
家に明かりが点いている、今日はお母さんがいる日なんだよな。
オレは沈んだ気持ちのまま玄関を開けた。
タダイマ・・多分消え入るような声しか出ていなかったと思う。
お母さんが台所から声をかけてくる。
「お帰りなさい、あら阿部君に会わなかった? ついさっきまでここに来ていたのよ」
「ううん 会わなかった よ」
「もう少しで戻るわよ、待っていたら?って言ったんだけど、
いないなら、いいですって、帰っちゃったのよ」
そう、オレは荷物を引きずりながら自分の部屋に上がろうとする。お母さんは続ける。
「阿部君、随分よくなったのねぇ、驚いちゃったわ
お仕事不規則で大変ですね、なんていわれちゃってね
明日夜勤こなしたら今月はもうないの、しょっちゅうある事じゃないんだけれど
って レン、ご飯は?」
「う、食べる よ」
変だ、何か変だ。オレは阿部くんに会っていた事をお母さんに話さなかった。
いい足りない事でもあったか? それ、多分違う。
オレは阿部くんの携帯に電話をかけた。携帯の電源は切られていた。