阿部「三橋！三橋じゃないか！」

夜中にふと目が覚めて、中途半端に寝付けなくなった。
せっかくなので珍しくこの時間帯にコンビニに行ってみることにする。
目当てはもちろん三橋の姿を拝む、もしくは接触することだ。
夜中だからもしかしたら三橋一人、ってこともあるかもしれない。
なんて淡い期待を胸に浮かべながら。

結論から言うと、三橋はいた。
店に出て、もぞもぞと商品棚の整理をしてた。
しかし残念ながらレジの方には垂れ目の男が立っていたので、オレはそれ以上のことを諦め、かといってこれといって欲しいものもなかったので適当にアイスだけ買っていくことに。
今月は財布の中身がちょっと隙間風吹き荒ぶ程度には荒れていたので、一番安い当たり棒付のやつにした。
「384円になります」
なんだか値段が少し高いような気がするが、気のせいだろう。

帰り道、ぼんやりアイスを食いながら街灯の下を歩く。
最後の一口を食べ終えたところで、オレはアイスの棒になにやら文字が書いてあることに気付いた。
スタンダードに『当たり』の文字が書いてあるとそう思っていたんだが。

『※おしりに入れるものではありません』

……どうなってるんだあのコンビニ。