全部書いてから投下しようと思ったけど、いつまでたっても書きあがらないので投下する。
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「おーい三橋ー、刈った草を焼却炉に運ぶぞー」
「う、うん!」
長雨の後のグラウンドでは、西浦野球部が総出でグラウンド整備を行っていた。
雨で運ばれた種が、雨雲の切れ間から時折差し込む太陽によりあちこちで芽吹くのだ。
今回の雨は1週間近く降り続いたため、篠岡一人ではどうにもできないほど大量の雑草が育ってしまっていた。
「三橋! お前は軽いのにしろ!」
三橋が纏めた雑草を持ち上げようとすると、阿部の声がいつものごとく割り込んでくる。
阿部はうるせーなーと泉が隣でぼやいているのが聞こえたが、三橋はにんまりしてしまう。
阿部が自分を大事にしてくれるからこそ言ってくれることに、先日気がついたからだ。
俺は大事にしてもらえる、だから役に立つエースにならなくちゃ、という思考が最近では三橋の脳内の大半を占めている。
三橋は小さめの束に持ち替え、前を歩く阿部の背中を追いかけた。