阿部「三橋!三橋じゃないか!」

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603fusianasan
西広先生×三橋。前どこかわかんね。
先生西広先生、三橋にオレのものになれ発言。三橋は西広と一緒にいることを選びました。

「帰ろうか」
気がつけば、まわりはもう真っ暗だった。
手を差し出すと、三橋はオレの手を握る。もう、戸惑った様子は見えなかった。
自転車を止めた高架橋の脇まで、手を繋いだまま歩いてく。不意に三橋が立ち止まった。
「阿部くん、怒る よね」
小さな声で呟いて、三橋は俯いた。
「そうだね」
多分、もう怒ってると思うけど。
「怖い?」
聞くと、三橋がこくんと頷く。オレは握った手に力こめた。
「明日、話そう」
阿部は怒ってるだろうけど、今からそんな面倒な話しする時間なんかない。
これ以上遅くなったら三橋の親だって心配するだろうし。
三橋が顔上げた。不安そうな目がオレを見てる。
「大丈夫、なんとかする」
できるかどうか分からなかったけど、これ以上三橋を不安にさせたくなくて、オレは言った。
「うん」
もう一度、三橋が頷いたのを見て、手を離す。
「送るね」
そこまでする必要なんかないのかもしれないけど、今日だけは一人で帰したくなかった。
考えすぎだと思うけど、三橋の家で阿部が待ってるかもしれないし。
断られるかもしれないと思ってたけど、三橋も不安だったのか、うんって頷く。
三橋の家まで送って行ったけど、阿部はいなかった。