2 :
fusianasan:2006/09/10(日) 11:28:06
あちゃー立てちゃった・・・
3 :
fusianasan:2006/09/10(日) 11:28:10
梅
シンジカモーン
6 :
fusianasan:2006/09/11(月) 11:47:35
おしまい
まだまだ続くわよ〜
9 :
ラ王:2006/09/13(水) 11:46:47
お前の力はその程度か?
前スレの1001て誰が書いたの?
11 :
fusianasan:2006/09/13(水) 12:17:32
お前そんな事もしらねーで 良く生きてられるなw
シンジを信じろ
13 :
fusianasan:2006/09/13(水) 17:32:10
削除理由 : 5.掲示板・スレッドの趣旨とは違う投稿
投稿主の長編ストーリを待つスレッドだったが
半年以上の不在状態が続いているにもかかわらず
投稿主不在状態で新たに立てられた為
まだまだ〜
13
解った
やっとく
16 :
fusianasan:2006/09/15(金) 14:43:13
りゃんすーち8
17 :
fusianasan:2006/09/15(金) 23:00:02
ハサカサハ
18 :
fusianasan:2006/09/18(月) 17:19:33
信じます
19 :
fusianasan:2006/09/19(火) 11:00:38
シンジ氏に何があったんだ?またオロナミン飲みながら読みたいよぉ
うふ〜ん
ミサト
ほしゅ
まだ〜
耐えて待つ
25 :
fusianasan:2006/09/27(水) 22:47:36
耐えがたきを耐え偲びがたきを偲び(ry
ほしゅ
シンジ新世紀
信じなさい
待ってるよ
保守
待ってるよ…
32 :
fusianasan:2006/10/11(水) 00:31:20
そろそろシンちゃん復活!
33 :
fusianasan:2006/10/11(水) 22:05:08
保守新党
35 :
fusianasan:2006/10/18(水) 09:58:37
シンジ氏の…情景が…早く続きを…読みたい!
が、まるで貞元のエヴァみたいだな。
いつまで待てばいいのか?
37 :
fusianasan:2006/10/20(金) 16:36:40
もうちょい]
わからないまま時はなが〜れて
たぶんも〜すぐ
保守
もう終わり?
42 :
シンジ:2006/11/03(金) 15:09:44
やあ!
43 :
シンジ:2006/11/03(金) 15:11:01
おてぃんてぃんもっきもっきぶびゅびゅびゅびゅぅぅwwww
44 :
fusianasan:2006/11/11(土) 08:55:22
あげてみる
もう無理なのか?
46 :
fusianasan:2006/11/15(水) 23:09:36
連載休止から一年たった?
シンジは死んじまったの?
48 :
シンジ:2006/11/19(日) 10:04:39
生きてるよ
保守
二年の終わり
師匠の竹山さんは留年が決定した。留年を機に就活をする事にしたそうだ。
ミサネェは入社式の後すぐに始まる企業研修を東京で受け、その後はそのまま東京勤務か大阪に配属されるとの事だった。
それでもエアラインを諦めた訳ではないらしく、中途採用や第二新卒採用の募集がある限り応募するとの事だった。
僕とエリカのクラスはまた三人辞める事になった。
ハルホはというと年上の彼氏とはつかず離れずの関係のままで新たにバイトを始めたそうだった。イトーガーデン近くのケーキ屋で週に三回のバイトだとの事だった。世話好きの中学時代の友達がわざわざ教えてくれた。
「ジャンコクトーの個展が大丸ミュージアムであるよ。チケット貰ったからシンジ君行こうよ」
「うん、それじゃ土曜日に学校がハネたら行こうか」
学校の帰り道にエリカと約束をする。
「それと関係副詞がわかんないんだよ、今度見てよ」
「エッ。私も文法を解説するのは苦手だよ。なんでって説明出来るかなぁ?でも、頑張ってみるね」
その後…何故か立花ハジメやショコラータ、高木完やミロの話になり中川比佐子は微妙だが、甲田美也子は本物だって話になった。
エリカを送り届けてから僕は家に帰り、図書館で借りてた本を返しに行かなくてはならない事を思い出し…エリカに電話した。
「図書館で借りてた本、もう返した?」
「ううん、まだだよ。明後日迄だよね?」
「もう読んだ?読んだんなら返しに行こうか?ちょうど今から返しに行く所だから、寄ってくよ」
「いいの?うれしいけど、寒いよ。」
「ベスパだったらすぐだから。それじゃ直ぐに行くね」
僕は電話を切るとコートを羽織り、ベスパのキーと本を入れたリュック、ヘルメットを持って階段を降りた。
母親に図書館に行く事を伝えるとビゴの店でバゲットを買って来るように頼まれた。
ガレージでベスパにキックを入れる。何度目かのキックでエンジンが掛かる。シャッターを開け、僕はベスパを押しだした。
寒気が容赦なく僕の頬を突き刺す…勇気がないとエリカの家に行くのさえ諦めそうになる。
数分後エリカの家の前に着くと同時にエリカが玄関から出て来た。
「シンジ君ありがとうね、一緒に行かなくていいの?」
「走ってついてくる根性があるんだ?」
エリカは頭を横に振った。
「寒いから早く部屋に戻りなよ」
「うん、気をつけてね。」
僕は本を受け取るとエリカが風邪を引かない為にも直ぐにベスパを走らせた。
国道二号線を過ぎ、阪神打出駅近くのバイパスを抜け図書館に行く。途中で左に折れてから43号線を渡る。一瞬左手に見えるケーキ屋をチラッと見た。女の子が店番してるのは判ったが、その子がハルホかどうかはわからなかった。そのまま直進して僕は図書館に向かった。
図書館に着いて本を返却すると僕は急いでベスパに戻った。
−何でアッチの道なんか使ったんだろう…。−
そんな事が頭を過ぎったが、気にしない事にして図書館近くのビゴの店に向かった。
バゲットをリュックに突き刺して僕はベスパに跨がった。
−今度は真っ直ぐに帰ろう−
僕は芦屋川沿いに家に戻った。家に着いた僕はエリカに電話をした。エリカはココアの準備をして待っててくれていたみたいだった。部屋が暖まるのを待ってコートを脱いだ僕はステレオをつけた。CDを入れる。
とりあえず晩御飯まで課題をする事にする。
夜遅くにミサネェからのベルが鳴った。少し考えたけど番号に電話を掛ける。
「シンちゃん、久しぶりだね。」
「あっ…はい。…ですね。」
「今ねぇ、荷造りしてたのよ。それで要らない服とか沢山あるからエリカちゃんにあげようかなって思って。」
「……。」
「…シンちゃん、聞いてる?」
「あっ…はい。聞いてます。めっちゃ喜びますよ」
僕は…複雑な気持ちだったが、そう答えた。
「さすがに社会人になったら着る機会がなくなるとか…あるんですね」僕の精一杯の返事だった。
「まぁねぇ研修中や勤務中はスーツになるからねぇ。それに髪とかも大胆にイジレないだろうからね」
「いつ出発なんですか?」
「20日過ぎに一度出てガイダンスと入社式があって1日から研修があるからそれまでに一旦戻って来るよ」
「……。」
「シンちゃん淋しい?」
「そ…そりゃ淋しいですよ」
「でも…ホントはホッとするでしょ?」
本当は…本当にホッとする筈…なんてなかった。
「いや、本当ですよ!……って」その先が続かなかった。
ミサネェの事が嫌いな訳なかった。多分。好きだった…しかし、好きの種類が違う気がした。…自分で自分に違うと思い込ませていたのかも知れなかったけど、よくわからなかった。
「それにゴールデンウイークには帰省するよ。予定ないし。まぁ配属が東京に決まれば、それこそ荷物を纏めなきゃならないしね」
「なんだか淋しいですね」
「環境が変わる、変えるのもいいかも。私自身が決めた事だしね。それにシンちゃんが東京の大学に行って私が大阪勤務になったらまた離れちゃうし。」ミサネェは明るい口調で話した。
「シンちゃんは保守的になったのかな?それともおセンチさんになっちゃった?」
「どうかな?自分ではわからないです。正直…自分の事で精一杯だし、自分勝手な言い草ですね。」
「…でも、淋しいです。」
ミサネェは少しの沈黙の後、
「もう少しなら…待てるよ。」
「えっ?」
「そうそう、途中だった!荷造りしなきゃ。」ミサネェはそう言うと明日か明後日の晩に不要品を僕の部屋に届けると言って電話を切った。
−もう少しなら…−僕は心の中で何度もミサネェの言葉を反芻した。
次の日の学校帰りにエリカにミサネェがエリカに不要品をくれるって話をした。
「ホントに貰ってもいいのかなぁ?シンジ君はどう思う?甘えちゃってもいいのかな?」
「うん、ミサネェの事だからホントに鍋のふたとか押し付けるかもよ」
僕の話を聞いたエリカは少し間をおき、笑い出した。
「ミサさんはセンスいいからホントに鍋の蓋とか…って!」
「…うん。」
「ミサさん…いなくなると淋しくなるね。シンジ君のよき理解者なのにね」
「ミサさんにお礼も含めて何かプレゼントしなきゃね。何がいいかな?」
「仕事で使えそうなのか…暇つぶしになるものか…」
僕もエリカも社会人に必要な物って何なのかわからなかった。そもそも社会人の意味がわからなかった。
「万年筆とか?」
「うーん、万年筆はミサさんは使わないよ、ハンカチ?スカーフ?」
「それいいかも!」
「社会人になる事が大人になるって事じゃないよね?」
「うん…多分、違うと思う。シンジ君は?」
「わかんないよ。でも、まだまだ僕は子供なんだって事だけはわかるよ」僕の言葉を聞いたエリカはそっと僕の手を握ってくれた。
エリカの手は暖かく、そして優しかった。
「でも…少し…寂しいね。」エリカは…そう呟いた。
大人になる事って得る物も多いけど、棄てる物も…多い。選択をする事が大切なんだと思った。僕はエリカに…そう伝えた。
「シンジ君が大人になる為に私を捨てたら淋しいな…」
「いや、有り得ないよ。それだけは有り得ん」
「一緒に大人になれば大丈夫だよね?」
僕は頷いた。頷いたけど内心−大人になれないのは僕だ−そう思った。
結局…その日はミサネェへのプレゼントは決まらなかった。
こ…これは…
キターの…か……(ノ_<。)ビェェン
おぉ!
信じてたよ!
ぜっ…絶対にアゲルなよ!シンジさんが書き込みしやすい環境を整えよう
58 :
fusianasan:2006/11/27(月) 15:13:39
ネ申が降臨されました!
キタ━━━━(゜∀゜)━━━━!!!
ktkr
61 :
シンジ:2006/11/27(月) 22:40:50
偽物は卒業します・・・ワーイ!
これほど待ちわびた事は今まで一度も無かった。
シンジ、お帰り。
63 :
fusianasan:2006/11/28(火) 00:03:29
rebuild of シンジ君
シ
ン
ジ、帰還
2007夏、公開
なんか涙が出てきそう・・・・
おかえり!
焦らずに続けて書いて欲しい。
ゆっくりでいいから。
あげる
次回はまた1年後ですか?
69 :
性器末覇者:2006/11/30(木) 15:01:49
やっぱり本物は違うね。うれしい。今まで、餃子を絶っていたけどやと大好物の餃子が食べられる。
クリスマスにエンディング書いて欲しいな。
ミサネェの送別会には50人以上集まった。勿論、留年が決まった竹山さんも就活の帰りらしくスーツ姿で駆け付けた。
僕とエリカも大人たちのパワーに圧倒されていた。
「ミサさんは人気者だから神戸からいなくなると寂しいね」
「そうだね…でも世界が終わるわけでもないし、ミサネェが死んじゃう訳でもないからね」
僕は多分、…自分に言い聞かせていた。
「…シンジ君は特に寂しいんじゃない?」
「だって、お姉さんだもんね
僕は一瞬自分の心が見透かされているのかも知れないって思った。
僕とエリカが端の方でしんみりしていると竹山さんがやってきた。
「おいシンジ!淋しいな?そう思わん?」
「えぇ…淋しいっすね」
「エリカちゃん、それはミサへの餞別?それとも留年した俺へのプレゼント?」エリカが膝の上で大事そうに抱えているプレゼントを見て竹山さんが笑いながら話しかけた。
「あっ…ミサさんへの餞別です」
「あっそう?そんじゃ渡しておいで。シンジは預かってるから。ミサはもう酔ってるから早くしないと渡せないよ」
エリカは竹山さんに促されて慌ててプレゼントを持って人込みの中へ飛び込んでいった。
竹山さんは笑顔でエリカが向かった方向を見ながら僕に話しかけた。
「やっぱ東京に行くんか?」
「…まだ確定してませんし…でもそのつもりです」
「俺な…」
「…」
竹山さんはミサネェに再度アタックをした事、答えが聞けずじまいだった事、自分を見失って学校に行かずに留年した事なんかを端的に話した。
僕はといえば聞く事しか出来なかった。
「お前…ミサと…」竹山さんはその後の言葉を飲み込んだ。
暫く沈黙が続いた。エリカが赤い顔をして戻ってくるまで沈黙は続いた。
時計を見ると11時だった。僕は竹山さんにエリカを連れて帰る事を伝え、二人でミサネェのいる所へ挨拶に行った。
ミサネェは僕らに笑顔で戴き物のカラーの束から2本抜きとって僕らにプレゼントしてくれた。
「エリカちゃんもシンちゃんもありがとね♪エリカちゃん、シンちゃんを……ね」
喧騒の中、僕もエリカも最後まで聞き取れなかった。
「ミサネェも頑張って下さい。じゃぁ帰ります、また連絡下さい。」
僕とエリカは他の連中にも挨拶しながら輪から外れた。最後に振り返るとミサネェが一気飲みをしていた。
「大丈夫だね、ミサさん」
「うん。楽しみの方が大きいよ、きっと」
僕らは手を繋ぎながら中華街を抜けて元町駅に向かった。
「綺麗な花。真っすぐで…まるでミサさんみたい」
エリカはそう言いながらカラーを眺めていた。
僕の貰ったカラーは…グネッと曲がっていた。
ミサネェからの連絡がポケベルに入ったのは三月も終わりの時だった。
春休みは連日エリカと僕の部屋で受験勉強をしていた。陽射しが暖かい時は芦屋浜の図書館に本を借りに行き夕方までテトラポッドで本を読んだりウォークマンでスネークマンショーを聞いたりしていた。
エリカは伊武雅刀の「急いで口で吸え」が好きらしく、何度も聞いていた。
ミサネェからのベル…すぐに受話器をとり電話をかけた。
「あっ、シンちゃん。よかったぁ。明日には東京なのよ」
「あっ、そうなんですか?」
「なにソレ?なんだかつれない返事ね」
「いや…そんなんじゃないです」
僕は動揺していた。
「荷物がかなりあるのよ」
「はい?」
「エリカちゃんにあげようっと思って。とりあえず今から車でほうり込みに行くからね」
「あっ…すいません」
僕は電話を切った後…時計を見た。まだエリカの家に電話を掛けても怒られない時間だった。
………。
僕はエリカに電話をする代わりに簡単に部屋の片付けをした。
30分程で車の音が聞こえた。窓から覗くとミサネェの車だった。急いで階段を下りて玄関を開ける。
ミサネェは窓を開けるとトランクを指差した。
トランクを開けるとゴミ袋が五つもあった。
「とりあえずゴミ袋だけど勘弁してね」
僕とミサネェはゴミ袋を抱えて二階に運んだ。
「シワになるから袋から出すよ。」
僕が下に荷物を取りに下りてるとミサネェは声をかけて荷解きを始めた。
僕はミサネェが荷解きをしている間に甘めのカフェオレを作った。
「暫く服買わなくて済むんじゃない?」
「いいんですか?こんなに?」
「趣味じゃないのや着れないのはフリマで捌いてよ」
「いや…めちゃくちゃ喜びますよ」
キテル━━━━━!!!!
「エリカちゃんに着て貰いたいのよ。ライバルだしね」
ミサネェは少しだけ淋しそうな顔を見せたが、すぐに陽気に
「まぁ着こなすには時間がかかるかも知れないけどね」
その時の僕はどんな顔をしていたのだろう…押し潰されるような気持ちだった。
「ねぇシンちゃん、ドライブ行こう」
「い…今からですか?」
「いや?」
「嫌じゃないです。でも明日…早いんじゃないですか?」
「大丈夫♪襲ったりしないから」
ミサネェは嬉しそうな表情で笑いながら…そう言った。
「ちょい待ってて下さい。」僕は部屋にパーカーを取りに戻った。
ミサネェはもう階下に下りていた。
鍵を閉めて車に向かうとミサネェはエンジンをかけた。
「海、山…どっち?」
「うーん、山で」エリカとよく海に行ってるからか、山を選択した。
「オケー、芦有にしよう」
ミサネェは静かに車を出し、芦屋川沿いに車を登らせた。
カーステからマーヴィン ゲイが流れる。
僕は必死に言葉を探したけど…見つからなかった。
シエン
恐らくミサネェも言葉を探していたに違いなかった。
僕とミサネェは無言のまま…芦有に入った。
テープが終わりB面に切り替わる。ジャネット ケイのシリーゲームがかかる。明るい曲調なのに悲しい歌に聞こえる。
何かを話さなきゃいけないのに言葉が見つからない…もどかしい筈なのにミサネェが話しかけるのを待っていた。
車を展望台に停め、僕はコーヒーを買いに自販機に走る。
「シンちゃんありがとうね」
「いえ、外はまだ寒いですよ」
ミサネェはエンジンを止め、コーヒーのプルタブを引いた。
僕はミサネェがコーヒーを飲むのを見ていた。
「…シンちゃんも三年生になるのよねぇ」
「えぇ、まぁ」
「そりゃ私も年をくうはずだわ」
「そんな事ないっすよ。ミサネェは充分若いです」
僕みたいなガキを相手にしてるから…だと思った。
ミサネェはコーヒーを飲んだ。
言葉が見つからない…多分、ミサネェも言葉を探していた筈だった。
「神戸の空気吸わなきゃ」ミサネェはそう言うとドアを開け車の外に出た。
僕も慌てて車を降りた。ミサネェは欄干に肘をつき、夜景を眺めている。僕は少しだけ距離をおき横に立った。
「シンちゃん、背が伸びたねぇ」
「一年で10センチぐらい伸びました」
「いつの間にか追い越されてしまってたね」
そう言うとミサネェは自然な仕草で僕に寄り掛かるようにした。
「シンちゃんと私のコンビも悪くない筈なんだけどなぁ…」
「……」
ミサネェは明るい声で話しかけるが、僕は答える事が出来なかった。
「でもエリカちゃんがいるからなぁ…二番だわ」
「そんなのに一番も二番もないんじゃないですか?」
「シンちゃんは私の事、嫌い?」
「嫌いな筈ないじゃないですか!」
「私は好きよ。シンちゃんが好き」
「なんなら今すぐ東京に連れていって私が面倒見てもいいよ」
僕は何も言えなかった。
「でもね、私はエリカちゃんも好き。かわいらしいし、何よりもシンちゃんの事を大切に思ってるから」
「…」
「エリカちゃんの前の彼女…名前、なんだっけ?どうしてる?」
「ケーキ屋さんにいますよ」
「そうじゃない、完全に切れたの?」
「そう…だと思います」
「だったらいいけど…」
「優柔不断ですね、僕」
「そこがシンちゃんの優しさでもあり、悪い所だね」
「シンちゃん…二番は許すけど三番は許さないからね。それにエリカちゃんを泣かせたらダメ。泣かせるぐらいなら嫌われなさいよ」
ミサネェが本当に言いたい事が痛い程に胸に突き刺さった。
「そろそろ帰ろうか?明日は朝一だしね」
「はい…」
本当は帰りたくなかった。ミサネェに突き刺された刺を抜きたかった。
僕がミサネェを見た時、ミサネェの目から大粒の涙が溢れていた。
「泣いてもいいですか?」
「いいぞ、思う存分泣きたまえ…少年」ミサネェは僕をギュッと抱きしめて…答えるのが早いか大声で泣きだした。
「シンちゃんゴメン、ごめんね」
僕は声には出せなかったけど激しく泣いた。そしてミサネェを抱きしめた。
「僕の方こそごめんなさい」
ひとしきり泣いた後、ミサネェと僕は笑いだした。
「バイバイのキスは?」
僕はミサネェの背中に手をまわし、深いキスをした。
………。
………。
「シンちゃん、キスがうまくなったね」
「そんな事ないです」
帰りの車の中はそれまでの沈黙が嘘のように、二人で話をした。ミサネェの会社の事、僕の受験の事。受験の時は二人ともミサネェの家に泊めて貰う事を約束したりした。
ミサネェに家まで送ってもらい、別れ際にミサネェが
「ゴールデンウイークに一度帰るから。その時はセックスしよ」
「はいはい。必ず帰ってきて下さいよ。待ってますから」僕は軽くミサネェの頬にキスをして車を降りた。
ミサネェの車が見えなくなるまで…僕はミサネェを見送った。
−もしかしたら、もう逢えない−漠然とだけど。そんな気がした。
玄関を開け、部屋に入ると…ミサネェのコロンの匂いがした。居間のドアを開け、エリカへのプレゼントを眺める。
ほとんどの服に見覚えがあった。それだけミサネェと僕が過ごした時間は短くないって事だった。
そして台所の所に洗った後のコーヒーカップと手紙が二通おいてあるのに気が付いた。
一通はエリカへ、もう一通は僕に対してだった。
僕への手紙を開いた。便箋に簡単にだけど優しい字で、エリカを大切にするようにと書いてあった。
その夜はなかなか寝付けなかった…
再開嬉しすぎる
81 :
fusianasan:2006/12/01(金) 17:07:27
なんだろう…シンジ氏の文章には独特のドライブ感があるのかな、引き込まれていくよ。
まったくだ。本物はやはりちがうな。
別にエロいシーンだったわけでもないのに読んで勃起したよw
いつの間にか眠っていたらしい…時計を見ると8時前を指していた。
ぼんやりとした意識の中で−起きなきゃ−と、もう一人の僕が呼びかける。部屋を出て洗面所に向かい、いつものように顔を洗う。
いつものように台所に向かい、そこでエリカへの手紙を見つけた。
僕は寝室の横の部屋に向かい、現実を直視した。解ってはいたけど…その部屋は喪失感でいっぱいだった。
僕はパジャマを着替え、朝食をとりに降りた。父親が出掛けた後らしく、食卓には乱雑に新聞が置いてあった。新聞を広げていると母親が
「目玉焼きとバゲットでいい?それともお餅?」と聞いてきたので、僕は餅を選択した。母親は目玉焼きの方が楽だと言う…
−だったら選択させるなよ−そう思ったが、僕は母親に黙って従った。
程なくして紅茶の優しい香とバゲットに塗ったバターの香ばしい匂い、そしてベーコンを焼く音が僕の脳みそを刺激した。
食事をしながらもミサネェの事は頭から離れなかったが、今の僕には何も出来ないし、何もしてはいけない…もう一人の僕が警告していた。
食事を終えて片付けをしていると母親が芝居を観に行くとの事で、慌てて用意をしていた。僕は片付けが終わると母親に頼まれた洗濯物を干す作業に従事した。
終わる頃に母親にインターホン越しにご飯を7時にセットしておくようにと言われた。
出掛けたのを確認して、僕は時計を確認した。9時を少し過ぎている、受話器を取りエリカに電話した。
電話でミサネェが昨夜遅くにエリカに服を届けてくれた事を伝える。エリカはびっくりしていたが、片付けしてからすぐに来る事になった。
僕はエリカが来るまで…ベッドで横になっていた。
ドキドキ
ゆっくりでいいから、今後も続けて欲しい。
邪魔するやつが気づかないうちにうちに頑張ってかききってください。
ひょうたんの餃子食って待ってます。
88 :
fusianasan:2006/12/05(火) 00:42:00
おれ再開して泣いたんだぜ?キショイよ、おれは。 シンジ氏が描く世界とは程遠い青春を送ってたおれにとっては痛く切なく、そして、あたたかい。
10時過ぎにエリカは急いでやってきた。
「ごめんね、遅くなって。コレ。電話をくれた時はちょうど焼いていたから遅くなっちゃったの」エリカはクッキーを焼いて持ってきてくれていた。
「あっ…うん。ありがとう、慌てる事ないのに…」僕はなんだかバツが悪い気分になりながら、クッキーの袋を受け取った。袋は温かかった。
「紅茶にしようか?コーヒー?」
「あっ…いいよ。私がするよ」
「ううん、エリカは服を見に行っておいで。暖房入ってるし」
「うん。ありがとう。じゃぁオーレで」
僕は台所へ、エリカは居間へ向かった。僕がポットを手にとるまでに向こうから小さな悲鳴が聞こえてきた。もちろん嬉しい悲鳴に違いなかった。
そして間髪入れずにこっちに走ってくる足音が聞こえた。
「大変だよシンジ君!あんなにたくさん貰えないよ」
僕はカフェオレを作りながら「ミサネェからエリカに手紙だよ」と台所の小さなテーブルを指した。
エリカは小さく頷くと手紙を読み始めた。ほんの数行だったらしくすぐに読み終えたエリカは手紙を持って僕のそばに来た。
「なんて?なんて書いてあった?」
「うん。読むね。」
TOエリカ
シンちゃんは私が育ててきた秘蔵っ子です。途中で手放す事になっちゃったけどエリカちゃんなら大丈夫だと思います。もしもシンちゃんが迫ってきたりしたら連絡下さい。
すぐにお仕置きします。
それと要らなくなったら教えて下さい、その時は責任を持って再教育します。
服は要らないのは遠慮なしに捨てて下さい。選別する時間がなかったからとりあえず詰めてしまいました。
(後略)
エリカは読み終えると嬉しそうに僕からマグカップを受け取り、僕に手紙を渡した。
「シンジ君に変な事されたらミサさんにチクるもんね。」
僕はさっと目を通したけど、胸が痛かった。
台所は寒いのでカフェオレとクッキーを持って僕の部屋に入った。エリカはカフェオレを飲みながらもそわそわしてるので、「服を見に行っていいよ」と言うと…嬉しそうに飲みかけのカフェオレをおいて向こうに行った。
僕はCDを聞きながらクッキーを食べた。
「クッキー美味しいよ!」
「そう?よかったぁ♪」着替えに夢中らしく…遠くから返事が聞こえるようだった。暫くしてエリカが入ってきた。
「どう?シンちゃん?お姉さんイケてる?」エリカはミサネェの口まねをしながら部屋に入ってきた。
服を着ているのはエリカだったが、大人びた子供がそこにいるようだった。僕は少し吹き出すような仕草をした。
エリカはすぐに部屋に着替えに戻った。
何度も何度も着替えては僕に見せにくる。エリカは嬉しそうだった。ただ、僕の心はエリカの嬉しそうな表情とは裏腹に痛かった。
苦しい程に切なかったが…エリカには言えなかった。
暫くしてエリカが部屋に持ってきた。
「シンちゃん…お姉さんがキスしてあげようか?」
僕は心が見透かされてるような気になった。
そのままエリカが横に座ったので僕はエリカの頬にキスをした。
「早くミサネェみたいにカッコよく着こなさなきゃね」
「気にする事ないよ…」
「ううん…なんだか…ミサさんが本気になったらシンジ君を簡単に取られそうだもん」
「……」
僕はなんて声をかけていいかわからなかった。
「本当はミサさん。シンジ君の事を好きだったんだよ。シンジ君もミサさんの事が好きだったんだよ」
「そ…そんな事ないよ…」僕はそう返事する事でいっぱいいっぱいだった。
「早くシンジ君が夢中になるくらいのカッコイイ女の子にならなきゃ…」
「いや、そんな…十分だよ今で。エリカはエリカだし。気にするなよ」
「うん。ありがとうね」
僕は僕でせいいっぱいだったしエリカもいっぱいいっぱいだったみたいだった。エリカの本当の気持ちはわからないけど…多分複雑だったんだと、思った。
僕にはエリカを抱きしめる事しか出来なかったし、エリカも僕を強く抱きしめた。
僕はエリカを通してミサネェを追い掛けてたのかも知れないし、エリカは僕を通してミサネェを見ていたのかも知れなかった…。果たしてミサネェは…ミサネェは僕らを…どう見ていたのだろう…
その日、初めてエリカの方から…僕を求めてきた…
新学期が始まった。
本来なら受験一色の筈だが、僕らのクラスは気持ちのいい程にのんびりしていた。
卒業後に留学する者、推薦で進学する者が多いせいかも知れなかった。僕は予備校に通う気にはならなかったが、それでもかなり真面目に受験に取り組んでいた。
それでも普通科の受験クラスの連中を見るとシフトチェンジする必要があった。
春休みはほとんどをエリカと過ごしたが、一日だけ千秋達とお花見をした。
芦屋川沿いですると学校の目があり、お酒も飲めないので、夙川でお花見を敢行した。
進学期が始まり暫く経った頃、僕は三ノ宮で偶然にもハルホと遭った。
僕はレコードを買いに行った帰りで、ハルホはバイト帰りだった。彼女はどうやら学校を辞めて雑貨屋で働き出していたようだった。髪を伸ばし、少しパーマをかけていた。大人っぽい雰囲気に最初はハルホだと気付かなかった。
「アレから学校つまらなくなったし…クラブ辞めたら居場所なんてないしね。幸いにも学校が二年までの履修を全部認めてくれたから、大検は受けるし大学には行くつもり。」
アレとは入院の事をさしていて、クラブを辞めた後は例の大学生と遊んでいた…それが悪い噂になって学校にも行きにくい雰囲気だった…らしい。
「そっかぁ…うまく言えないけど。勉強止めるなよ」
「うん。まだ申請してないけど多分受験は4教科か5教科だから。今年で無理でも来年には受かるし。それに一浪したって思えばいいんだしね」
「大検って考えた事ないけど、ハルホが決めたんなら頑張ってほしいよ」
帰りの電車の中、お互いの近況を語った。僕はエリカの事はあまり話さないようにして…ハルホも彼氏の事は話さないようにしていた。それに…お互いそこには触れないようにしていた。
お互い沈黙が怖いらしく隙間を埋めるように…だけど気を使いながら…話をしていた。ただ、二人の関係は遠い昔の過去の話のようだった。
程なくして芦屋駅に着いたけど、僕らはさようならを言い出せなかった。僕は何故かハルホを家まで送って行った。
駅を出てからは電車内の会話が嘘のように二人は無言に近かった。
彼女の家の近くに着いた時、ハルホは
「たまに…勉強教えてくれない?やっぱ…無理だよね」
「えっ?あぁ…無理じゃないけど。教えられるかどうか…」
「嫌ならいいけど…わかんない所、聞く人いないから…」
「あ…俺でよければ…」
頑張れと言った手前、突き放す事も出来ないし…断る理由も見つからなかった。
そんな僕の様子を知ってか知らずかハルホは
「お人形さん…あのキレイな子。元気にしてる?」
「あ…うん。まぁ。元気だよ」
「そっかぁ…」
ハルホはそこまで言うと走りだし、
「送ってくれてありがとう!すぐ電話するね」と電話をかける降りをしながら家に入って行った。
僕はハルホが家に入るのを見届けると、もう一度駅に向かって歩きだしだ。
歩きながら町並みをみていると、少し見ない間に街の雰囲気が変わった気がした。僕の背が伸びたから目線が変わったのか…僕が変わったからなのかはわからなかった。
駅に戻り、今度は自宅に向かった。いつもの町並みは僕を安心させた。少し寄り道をしてエリカの家の前を通る。エリカの部屋に明かりがついていたので、僕は小石を拾い窓に向かって投げた。
コツンと音がしてすぐにエリカが窓から顔を出した。僕は手を降った。
「どうしたの?」
「うん…ちょっと顔が見たくなっただけだよ」
「待っててね…」エリカは窓を閉めるてすぐに玄関から出て来た。
「おかえり、レコードあった?」
「あっ…うん。ゆっくり見てたら遅くなっちゃったよ」
それから玄関先で少しだけ話をして、電柱の陰でそっとキスをして…エリカと別れた。
家に帰り一人分だけ残してあった晩御飯を平らげて僕は部屋に戻った。
買ったレコードは聞く気になれず、そのまま棚にしまい僕は参考書を広げた。
意識しないつもりだったが、久しぶりに会ったハルホの事が頭に浮かんできた。
頭では自分のせいではないと分かっていても、心のどこか片隅では責任を感じていた。
本当は責任を感じても…無駄な事だったし、無意味な事とは分かっているつもりだったが、それでも重かった。
優柔不断な自分を呪い、自分勝手な事を責める事しか出来ないと分かっていても…どこかで逃げ出そうとしている自分がいた。
−いいじゃないか!逃げたいなら逃げ出すのも−
−いつも逃げてばかりで、それでいいのか?−
考えるのは怖かったが、考えない方がもっと怖かった。
ベスパを出して山に行き、叫ぶか?−怠いし、その上ミサネェの事までのしかかるような気がする−
オナニーでもしようか?−必ず自己嫌悪に陥る−
結局僕はとことん悩む事にした。
…それも自分。まずは認めよう、話はそれからだ…
僕はタバコに火をつけて煙りを深く吸い込んだ…。
リアルタイムで支援。あー!至福の時間、私だけがシンジさんを占有しているような……
赤満の餃子…好きです。この前久しぶりに妻と吉兵衛と赤満を梯子しました。
ちなみに妻のマックは吉兵衛のカツ丼がデスクトップになっています。
私事ではありますが、予定よりも大変遅れてしまい申し訳ありません。
想定外の事が重なり、また気力が失くなりかけた事も原因の一つです。
理由をお話出来る機会が訪れるかどうかはわかりませんが、私やエリカ、ミサネェやハルホ、竹山さんのその後まで本人の迷惑にならない範囲でお知らせ出来ればと思います。
頼むぜ大将!
ずっとエリカちゃんとシンジ君が幸せになる話だと思ってたけど、ミサネェとシンジ君って線もあるかも…
ドキドキします。土曜日にセンター街地下にカツ丼を食べに行きます。そういえば大将?マスター?ヒゲを剃られましたね?
シンジ氏の奥様は…?????
スピンオフ作品でエリカチャンのシンジ君と付き合う迄が読みたいけど、物語じゃないからなぁ
シンジさんありがとう!
しかし切ない‥(つД`)
ずっと最初から読んでて私がミサネェ寄りの読者だから
何だかエリカちゃん一人がズルく思えてくるよ。
エリカちゃんはエリカちゃんなりにシンジさんを想ってるのは
すごくわかるんだけどね。
102 :
fusianasan:2006/12/06(水) 00:04:58
私もミサネェ派かな?なんだかエリカちゃんが海外留学になってしまい自然消滅。ハルホちゃんとは親友になり、陰で支えたミサネェとシンジ君が結ばれるって流れのような予感。
10年ぐらいして外国人と結婚したエリカちゃんが一次帰国。それでエリカちゃんと再会したシンジ君が想い出を書き始めたって。
四円
高三になって最初の模試は現役組には厳しいとは聞いていたが、E判定とD判定しか出なかった。
それでもD判定が出ただけマシな方だった。エリカは英語は満点に近い数字を出していたが現代文はともかく古典は壊滅状態だった。
「あさきゆめみしでも読んでみようかしら?」
「それもアリだけど意味ないよ、きっと」
まぁエリカの場合は帰国子女な上に推薦狙いだったから評定平均を少しでも上げる事に主眼を置けばよかった。同じ大学に入る為には僕の方が努力をしなくてはならなかった。
ゴールデンウイークは一日だけと決めて、エリカと白浜のアドベンチャーワールドにパンダを見に行った。パンダもそうだが、エリカは象に乗れた事がとても嬉しかったみたいで、
「象って意外と毛深いね」なんて言っていた。お土産を買い、特急の中で食べる釜飯を買って待合室に着いた時は少し寂しい気持ちになった。
「もう一度…夏に来たいね」
「うん、夏休みは駅員さんが皆アロハ着ているらしいし。」
「エリカの水着…見たいし」
「……」
エリカは少し俯き加減になり、僕の手をギュッと握った。
「とりあえず、夏休みに来れるように頑張るよ」
僕はそう言ってエリカの手を握りしめた。
電車が来て乗り込み、釜飯を食べると…エリカはすぐに寝てしまった。朝6時に家を出たのだから無理もなかった。
僕は窓に映るエリカの横顔を眺めながら幸せに浸っていた。
新大阪に特急が止まると僕らは東海道線に乗り換えた。エリカは直前まで熟睡していて、起こすのに苦労した。
芦屋駅に着いたのは11時前だった。
ゆっくりと坂道を登り、帰途につく。
「シンジ君ごめんね、帰りはずっと寝てしまっちゃって」
「いや、気にしないで。エリカが眠ってる間…ずっとオッパイ触ってたから」僕がそう答えるとエリカは顔を真っ赤にした。
「…ほんと?」
「ホンマ、ホンマ。エリカも気持ちいい顔してたよ」
エリカは顔を手で覆い、首を激しく左右に振った。
「いや、冗談だよ。嘘。ずっと寝顔を見ていただけだよ」
「…それも恥ずかしいよ」エリカは少し安心したのか手を離した。でもまだ恥ずかしいらしく俯いたままだった。
僕はエリカの腰に手をまわして側に引き寄せた。
コンビニに寄り、僕はオロナミンをエリカはハチミツレモンを買った。少しだけ公園による事にする。
「ラッコもかわいかったしオルカもヌルッとしてたね」
「うん、ライオンもカッコよかったね。乗り物は…だったけど」
「今度は迷路に入ってみたいわ」
…時計を見ると12時前になっていた。
「帰りたくないなぁ…」
「うん、僕も帰したくないよ」
僕はエリカを抱き寄せ何時間ぶりかのキスをした。
……。
エリカを家に送り届けて僕はひとり…家に帰った。
部屋に戻りシャツを脱いだ時に電話のベルが鳴った。電話に出るとエリカだった。
「うん?どうかした?」
「…ううん、少し…声が聞きたかったの」
「いいよ。僕だって…いつだってエリカと一緒にいたいよ」
僕はエリカと取り留めのない会話をした。
「朝…夜が明けたら…そっちに行ってもいい?」
「いいよ、もちろん。ホントは今すぐにでも抱きしめたい」
電話を切った後、僕は下に降りてお袋にお土産を渡した。
シャワーを浴びて眠ろうとした時にまた電話が鳴った。
「久しぶり、今、大丈夫?」
ハルホからだった。
「ああ、大丈夫。シャワー浴びようかと思ってた所。」
電話の内容は大検の受験科目だった。英語と簿記と政経は決めていたようだが理科の選択で迷っていたみたいだった。
「センターを受けるなら物理、化学が楽だと思うけど」
「まさか!ホントは小学校の先生になりたいんだけどね。教育大は難しいから幼稚園の先生か中学の先生になりたいのよ」
「だったら社会は日本史にして理科は1番簡単なのにすれば?」
「そして受験は英語、国語、日本史にすればいいんじゃない?」
「そっかぁ、ありがとうね」それからハルホと受験の話や近況を話し合った。
僕はエリカについては話さなかったし、当然だがハルホも聞いてはこなかった。
僕の中で−受験の事なら経験者の彼氏に聞けばいいのに?−という疑問はあったが、そこには触れないようにした。
「シンジに相談してよかったよ。ねぇ、…もしよかったら…暇な時に。シンジの暇な時でいいから勉強見てくれない?」
僕は一瞬…ほんの一瞬だが答えに迷った。
「あっ…うん。いいよ、僕でよければね」
電話を切ると僕はシャワーを浴びた。
ゴールデンウイークはあっという間に終わったけどミサネェは帰って来なかった。いや、帰ってはきてたのかも知れないけど…僕に連絡はなかった。
僕もミサネェの事を…ゴールデンウイークが終わるまで忘れていた。
新展開の予感的支援
わくわく
最初から読みたいけど前スレにいけない(ToT)
111 :
fusianasan:2006/12/08(金) 14:57:46
>>109 110さんの置いてくれたアドから単語検索でシンジって入れたら見れますよ。
再開後のシンジ氏…エロがないのと淡々と話が進むのが…
引き込まれていくのだが、寂しい結末に向かっているようで怖い。
全員が幸せになってハッピーエンドにならないのはイビツな人間関係からわかるが(シンジ氏が千石イエスなら別だけど)あまりにも悲しい結末なら…少しだけ明るい結末に変えて欲しい。
特にミサネェが…
114 :
fusianasan:2006/12/10(日) 05:13:36
保守
115 :
fusianasan:2006/12/11(月) 12:38:19
セックル
待ち待ち〜
117 :
fusianasan:2006/12/15(金) 11:13:01
週末のみの書き込みでいいし、もしくは次回予告して頂けるとありがたい。日に2、3回チェックしてるんで。天才肌っぽいから気が乗った時にって感じだろうから、あくまで願望です。
おーい次回はまた1年後か
止めちまえ!
最近の子は待つことを知らない
120 :
fusianasan:2006/12/17(日) 18:26:39
長い話で引っ張った挙句に姿をくらまし
更新といったら信者のキモいレスしかないとなるとねえ
121 :
fusianasan:2006/12/19(火) 04:20:05
のだめカンタービレ…見てて思った。
シンジさんはのだめ…気分が乗れば凄い文章を書くのに…気分がのらないと放置。に…似ている!
我々はMではないのに放置プレー…シンジ読者はマゾにされる。
江口寿に西村しのぶや貞本義行…つかこうへいなんかもそうだけど。天才か変態かはわからないけどシンジファンは不安で仕方ない。
ここらでそろそろエロが欲しい
123 :
fusianasan:2006/12/21(木) 05:27:05
うん
124 :
シンジ:2006/12/22(金) 01:56:05
エリカ?・・・ああ・・・あいつなら今錦糸町のピンサロで働いてるよ
クリスマスプレゼント待ってます、シンジさん。
続き楽しみにしていますね。
年末待ち
あけおめウプよろしく〜
129 :
!dana!omikuji:2007/01/02(火) 15:32:51
あけおめ
130 :
fusianasan:2007/01/08(月) 11:50:30
最後の書き込みは1ヶ月前か……… 一年くらい待ったからなんともおもわないや
131 :
fusianasan:2007/01/08(月) 22:17:56
黒
132 :
fusianasan:2007/01/09(火) 00:23:35
シンジ待ち
4が付く日は、シンジの日。
待ってるよ
待ち待ち
待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ待つ
138 :
fusianasan:2007/01/21(日) 23:49:09
萌えコピからきたのですが、途中で話が飛んでいるような…
どなたか完全板を読める所教えていただけないでしょうか…?
マッチング
俺は信じて保守し続ける!
∩___∩
| ノ ヽ/⌒) おしっこじゃーwwwwwwwwwwwwwwwwww
/⌒) (゚) (゚) | .| ? ? ?????■??〓?? ? ? … .
/ / ( _●_) ミ/ .??■? ? ? ?¨ ∵? ? ・
.( ヽ |∪| / ???? ¨???????■■〓????
\ ヽノ / ? ?????????■〓?? ?? ∴ ? .
/ / ?????????? ? ∴ ….? ? ??
| _つ??????????????? ? ??????
| /ω\ \ ? ¨ ???■??? ? ? ∴‥
| / ) )
∪ ( \
\_)
オナニーして待っているのだが、いつ射精できるのだね?
もうすぐバレンタイン。現れてくれますかな・・・。
保シュ
早く現れてね。
バレンタインデーキッス
ほしゅ
待ってるよ、シンジ
シンジタイ
しんじ〜
151 :
ねる:2007/02/26(月) 22:45:54
age
152 :
fusianasan:2007/02/28(水) 19:42:13
冨樫とどっちが先に再開するのか
続き書いてくれなんて贅沢は言わないよ。
せめて、「もう書かない」って宣言してくれ…
今年度中に再開
155 :
fusianasan:2007/03/07(水) 23:49:59
連絡先知らない女からの電話待ってる気分だわ
もっとエリカとのセックスを描写してほしい。
保守本流
158 :
fusianasan:2007/03/22(木) 07:50:21
age
159 :
シンジ:2007/03/24(土) 12:32:38
あーあーーあああーーーあーーあああ・・・
皆さんさようなら
おチンチンよ永遠に・・・
160 :
シンジ:2007/03/24(土) 15:09:52
作者ムカつくな
ここ建てたスレ主もムカつくな
ここの住人の粘着ぶりも更にムカつくな
結局妄想だったんだな
補習
162 :
fusianasan:2007/04/04(水) 15:10:48
2007/04/04(水)
163 :
fusianasan:2007/04/05(木) 14:54:34
結末だけでいいよ。5分あればできるじゃないか。それでいいでしょ。
地震でエリカとハルホが他界、残った補欠のミサネェと婚約。
嫉妬したカンニングと対決し敗北、ミサネェを賭けていたため約束通り寝取られる。
途方にくれるシンジの心を癒したのは靴下占いの女だった。
その後、靴下占いの女とできちゃった結婚。
よく尽くす良妻なのでこんなところで名前は晒せない。
チンコのヌルヌルもすっかり渇きました。
test
チンコですね
待つわ
ほしゅ
170 :
fusianasan:2007/05/04(金) 20:47:01
171 :
fusianasan:2007/05/16(水) 03:07:01
ミサネェ 「シンジ君、書きなさい。私達はシンジ君に夢や希望を託しているわ。もちろん、それが身勝手な事だってみんなが理解しているわ」
ハルホ 「ねぇシンジ。今ここで死ぬより、書いてから死になさい。その後を知りたい読者はたくさんいるのよ!」
エリカ 「書かない事も選択よ。シンジ君は何が願いなの?」
竹山 「とりあえず書けって!」
チアキ 「シンジ君、頑張ってよ。みんなで鈴木商店のモナカ食べようよ」
シロウ 「俺がシンジの代わりに書いてやるって!馬場さんより元子さんが怖いって事ですよ、覇!」
竹山 「シロウって誰だ?その口調は…テメェは越中詩郎だな!」
騙された…なんでエッチューが出てくるの?ワロタ
173 :
fusianasan:2007/05/16(水) 22:36:34
上がってるから期待したのに…
174 :
fusianasan:2007/06/01(金) 21:04:59
_gadad
Σ( ̄□ ̄;)!!ぉ…俺の事か……
リトルマンコ
あは〜ん
178 :
あなたが欲しい:2007/06/08(金) 14:39:36
あがってるから期待してきたけど。。。
カカト見ているかい?
シンジ待ち
期待
182 :
fusianasan:2007/07/06(金) 00:40:35
シンジ!
183 :
fusianasan:2007/07/21(土) 07:54:07
hoshu
いい加減、再開するなり
書かない宣言するなり
はっきりしてくれ!
なあ、カカト?そう思うだろう?
暑いな
186 :
fusianasan:2007/08/23(木) 17:00:15
また寒くなる頃に戻ってくるのかな。
187 :
fusianasan:2007/09/25(火) 19:32:58
はらへった
188 :
fusianasan:2007/10/02(火) 22:23:01
あきらめない
189 :
fusianasan:2007/10/03(水) 20:39:49
まだ待つ
190 :
fusianasan:2007/10/12(金) 15:39:41
ねむい
そろそろかな…
いい加減、続き書いてください
うふ〜ん
194 :
fusianasan:2007/11/28(水) 13:15:18
前回の書き込みから約一年か。
195 :
fusianasan:2007/11/28(水) 14:39:38
ヽ( ^ω^ ^ω^)ノサクセス!
待ちわびる
197 :
fusianasan:2007/12/26(水) 21:04:12
シンジ
来年こそは!
今年こそは!
200 :
fusianasan:2008/01/28(月) 11:50:56
shinji!
早く!
202 :
.:2008/01/31(木) 19:00:08
一年以上も書き込みが無いじゃんw
もう終了でいいだろ
シンジはやめへんで〜
204 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/04(月) 02:28:51
皆さん、お久しぶりです。
僕の入院から始まった書き込みですが、途中に何度も書くのを止めてしまい大変ご迷惑をおかけしました。
やっと心の整理がつきました。
今までは思い出すのも辛く、自分の過去を振り返る勇気さえ持てませんでした。
ただ、この中断期間は本当にただ生きているだけで…死ねたらどれだけ楽なんだろう…そんな日々を送っておりました。
そのような状況で続きを書けるか心配でしたが、一人でも待っていてくれた方がいるので少しずつですが、思い出を綴っていきたいと思います。
待ってたよ!
206 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/04(月) 04:34:03
ゴールデンウイークも終わり早々の模試でも感触というか手応えを掴んだ僕は少しだけ余裕が出来た。
千秋達も進路を決めたらしく、僕達は学校帰りに図書館やモスで勉強をするようになった。
今までは勉強会とは名ばかりで集中力が持続せずにすぐに世間話に花が咲いていたが、最近はオン、オフが
しっかり出来るようになってきた。
木曜日
久しぶりにエリカと学校帰りに三宮にくり出した。電車の中で今日は時間がないからテキパキ行動
しようと予定を話し合った。
「晩ご飯、何食べる?」
「シンジ君の食べたいのがいいよ」
「じゃぁ、エリカ定食。大盛りで!」
「な…何を言うのよ…」エリカは少し俯き加減で頬を赤く染めた。
「吉兵衛やったらすぐに行かないと間に合わないし、ラーメンは?」
「うん。ラーメンでいいよ」
「天竺園で五目焼そばか天一軒でトリとラーメン、それかもっこすか三馬力か」
「どこでもいいよ」
「うーん、じゃぁ早く用事が済んだらハーディーかラブダブでも行く?」
「それもいいかもね」
207 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/04(月) 04:35:45
エリカは久しぶりの外食だし、僕と出かけるのも久しぶりだから何しても嬉しいって言ってくれた。
僕も、多分…僕もそうだった。だからいつもより少しおしゃべりだった。
三宮に着き、ジャンクショップやナイロン、タイガー等のショップを見ながら僕らは雑貨屋に入った。
その雑貨屋はハルホが働いている店だった。先に気付いたのはハルホだった。
僕とエリカは暫くの間、ハルホに気付かなかった。
「このバレッタ可愛いね。」
「うん。」
「でも、私の髪の毛じゃ無理だな」そう言ってそっと戻すエリカ。
「そうかな?」
結局、エリカは小さなピン留を選んでレジに持っていった。
エリカが財布を開いてお金を出している時に店員さんがハルホだと…その時、僕は気付いた。
ハルホはとっくに気付いているようだったが敢えて気付かないフリをしていた。
エリカは全く気付いていなかった。
「また、お二人でいらして下さいね」ハルホは笑顔でエリカに商品を入れた小さな袋を手渡した。
僕はどんな顔をしていたんだろう?滑稽なまでに引き攣っていたのは間違いなかった。
208 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/04(月) 04:37:02
「……、ねぇ?」
「!?」
「大丈夫?さっきから上の空で…気分でも悪いの?」エリカが僕を覗き込むようにして話しかけてきた。
僕は慌てて現実に戻り
「あ、あぁゴメン。何か買い忘れがないか考えてた。」と、とってつけたような嘘をついた。
エリカは僕の単純な嘘に気付いたのか、気付かなかったのか…少し心配そうな表情を見せ、そして僕に笑いかけた。
「手、つないでもいい?」
「つないでるよ」怪訝そうな顔をする僕。
「うん。でも、言いたかったの」
結局、天竺園に行き水餃子に五目焼そばに五目焼き飯(エビ抜き)を食べたのだが、味はよく覚えていなかった。
帰りの電車の中、エリカは小さなピン留を取り出した。
「これ、似合うかな?」髪の分け目に合わせて僕に伺うように見せた。
「似合っているよ、かわいい」本当にかわいいと思った。
「よかった。あのお店かわいいね。また一緒に行ってくれる?」
「うん、もちろんだよ。」僕はそう答えるとさりげなく話題を変えた。
駅に着き、帰り道の途中いつもの公園に立ち寄り僕達はベンチに腰掛け、そしてキスをした。
エリカを送り届け、僕は自己嫌悪に陥りながら帰途についた。
209 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/04(月) 04:38:33
土曜の午後
学校が終わるとそのままエリカと僕はそのまま僕の家に帰った。
エリカにオーレを用意し、僕はオロナミンを飲んだ。
少し雑談をし、僕はエリカをベッドに呼んだ。
部屋は明るかったが僕はカーテンを閉じる事なくエリカの唇を貪った。
エリカは少し驚いたようだったが、すぐに乱暴なキスを咎める事なく…僕に合わせようとしてくれた。
「う…うん」
「……」
僕はキスをしながらエリカのブラウスをのボタンを外し、少し乱暴に脱がした。
「ち、ちょっと待って。お願い、カーテンと電気…消して」エリカはやっとの思いで僕のキスから逃れ、懇願するような目で訴えた。
「ダメ…今日はダメだよ」僕はエリカのブラを上に持ち上げ少し乱暴に乳首にむしゃぶりついた。
「恥ずか…しい…よ」エリカは目をつぶりかすかな抵抗とイヤイヤの素振りを見せた。
エリカを布団でくるみ、僕はエリカの胸を揉みしだき首筋に舌を這わせた。
「う…うん…うぅ…」固く目を閉じながらもエリカの甘い吐息が漏れてくる。
僕はエリカにキスをしながらスカートを脱がせた。少しだけ腰を浮かして協力するエリカ…に僕は激しく欲情した。
「エリカも欲しいん…でしょ?」僕の声は残酷だったかも知れなかった。
「ち…違うよ…違うもん…」エリカの顔は真っ赤に染まった。
エリカの大切な部分に指を這わせる。…そこは既にヌルヌルに濡れていた。
恥ずかしそうに僕を見つめるエリカはその先は言わないでって目で僕に訴えかけていた。
そんなエリカを僕は壊したくて堪らなかった…。
キタ*・゜゚・*:.。..。.:*・゜(゚∀゚)゚・*:.。. .。.:*・゜゚・*!!!!
待ってたよ〜
211 :
fusianasan:2008/02/04(月) 12:44:32
おかえりなさい
シンジて待ってたよ!
お帰り(涙
うそー!また期待してるよ。
でも辛いってことはエリカちゃんとは別れちゃったのか・・・
214 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:26:04
僕は大切な物を壊したくなる衝動に駆られていたんだと思う。
エリカの事は何よりも大切だし好きだった。それなのに…僕は焦っていたのだと思う。
焦りの原因はわかっていた。
要は自分が子供なだけだった…ミサネェの事も頭の片隅から離れないし、ハルホにしたってそうだった。
全ては僕の独りよがりだった…。
「う…うん。…ち、ちょっと…待って」
僕が無言でグラインドを繰り返していた時にエリカは吐息混じりに僕に訴えかけた。
「…シ…ンジ、シンジ君…怖いよ」エリカの訴えを僕は無視して抽送を繰り返した。
「…うっ…… 」
エリカのお腹に果てた後、僕はエリカの横に倒れ込んだ。
横を向いたエリカの肩が小刻みに震え、エリカの鳴咽が洩れてきた。
次第に冷静を取り戻してきた僕は1番大切な物、宝物を傷付けた事に気付いた。
215 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:27:48
少しの静寂が僕達を包み込んだ後、エリカは意を決したようにスクッと立ち上がり、服を着始めた…。
僕はエリカにどう声を掛けていいのかわからなかった。
服を着終えるとエリカは
「今日のシンジ君は少し恐かったよ」
おそらく出来る限りの笑顔で振り向きながら、そう言った。
「今日は帰るね…さようなら」
エリカの目には涙が溢れていた。
僕には追い掛ける勇気もなかったし、その時はそんな気持ちも沸かなかった…。
その日、エリカから電話はなかった。
次の日は一緒に勉強をしようと約束していたが、エリカは約束の時間になってもこなかった。
月曜日の朝、エリカは普段と変わらない笑顔で僕を迎えに来た。
僕はといえば、戸惑いの表情を隠しきれずに…階段を慌てて下りた。
学校への途中、土曜、日曜の事には敢えて触れずに会話は進んだ。
中間テストも無事終わり、期末テストの直前まで僕達の関係にそれ程の変化はなかった。
手を繋ぐのは当たり前だったし、時にはキスもした。ただ、僕もそれ以上は求めなかったし…彼女もそうならないように…していたのだと思う。
216 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:29:34
期末試験の直前になりハルホから英語を教えて欲しいと電話があった。
「関係代名詞と関係副詞の…」
美誠社の問題集で僕も持っていたし解説もあったので電話で説明していた。
「電話だとわかりずらいね、…えぇっとこの後に主語が…」
「…あぁ、そうだな。なんならCopyして、それからCopyついでに持って行こうか?」
「それならノートとプリント貸してくれるとありがたいな。悪いからすぐに私が取りに行くから」
電話を切ると僕はノートをチェックして、使わなくなった構文集とか現代文の問題集とかを紙袋に詰めた。
要返却の袋と返却不要の袋に分けてマジックで書いていると玄関のチャイムが鳴った。
ドアを開けてハルホを中に招いて二階に上がる。
「おじゃましま〜す」と言いながらハルホは上がってきた。
「テキトーに座っててよ。何飲む?」
「あーお構いなく。でも、お言葉に甘えてオロナミン」
僕は冷蔵庫からオロナミンを二本取りだし、ハルホに一本差し出した。
ハルホはサンキューって言いながら、さっそくノートをめくっていた。
「少し勉強するなら付き合うよ。そこは僕もやってて損ないし。」
「ルーズリーフとシャーペン貸して」
僕は先にシャーペンを渡し机からルーズリーフを取り出した。
217 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:31:28
小一時間程説明をし、逆に僕の方が頭に叩きこまれたような気がしたので
「なぁ、俺が何もわからん中学生やと思って説明してみてくれへん?その方がえぇかも」
ハルホは最初、要領を得なかったようだったが僕に説明をしだした。説明する事によりハルホも自分で理解を深めていったようだった。
暫くして
「完璧や!シンジのおかげやな」
「いや、やっぱりハルホは頭がええねん」
「そう言えばこの前シンジの彼女がお店に来たよ。カチューシャと…なんだったかな買っていったよ」
「そうなん?ふーん」
「なんか不思議やね、こんな風に話しが出来るんやから」
ハルホは笑顔で話していた。
「そうやな。不思議やな」
「ノート、明日にでもポストでオケーかな?」
「いつまでもって訳にはいかんけど慌てんでええよ」
「また、教えてくれる?」
「わかる事ならな」
それからハルホはバイト代は大学の学費に充てるつもりだとか今年の受験は諦めて来年の受験を目指している事などを話して帰っていった。
ハルホが帰った後、僕はシャワーを浴びて…それから苦手科目の日本史に取り掛かった。
218 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:34:27
期末試験が終わり夏休み迄の五日間、僕は知り合いの喫茶店でアルバイトをする事にした。エリカとお盆休みに出掛ける資金が欲しかった。
エリカとは相変わらず仲はよかったがエリカ自身が僕を避けているのか夏休みの勉強会はほとんど千秋達も参加する事になった。
千秋にお盆休みまではほとんど連日勉強会で勉強会がない時は学校の補習か模試というスケジュールを組まれた。
ハルホはたまに夜遅くにオロナミンを差し入れてくれ、一緒に勉強をした。
受験生の夏…のんびりとはしていたが、そんな感じだった。
219 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 02:51:10
八月に入って二週目、千秋達が補習で遅れて午後遅くに来る日僕とエリカは午前中にプールに行く予定をしていた。
しかし、あいにくの雨でプールは断念して僕の部屋で寛ぐ事にした。
エリカはモスでナゲットとハンバーガーを差し入れてくれた。
「毎日勉強ばかりだけど、それはそれで楽しいね」
「遊びたいけど、来年遊べるから我慢だね」
「受験に失敗したら…考えたくないわ」
エリカは頭をぶるぶる振りながら大袈裟に言った。
「エリカちゃん、こっちおいで」
エリカは小さく頷くとベッドに凭れかけている僕の横に腰を下ろした。
「本当はもっと早く謝るつもりだった」
「…」エリカは何の事かわかっていたらしく、小さく頷いた。
「嫌われて当然だと思っていた」
「…うん」
「あの時、僕はどうかしていた…」
エリカは思い出したのか俯き、涙が頬を伝っていた。
「1番大切なエリカを傷付けるような事をしてしまって…」
エリカは首を横に振り
「あの時のシンジ君、恐かった」
「でもね、それからのシンジ君は暖かいよ」
僕はエリカの手を握った。エリカは…強く握り返してくれた。
暫くの間、蝉の鳴き声だけが遠くに響き部屋の中は沈黙が続いた。
ただ、その沈黙は優しい沈黙だった。
しえん♪
221 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 03:04:35
エリカが僕の肩に頭を凭れかけ、ゆっくり眠りに落ちていく…僕の手を握る力も弱まり…完全に眠りに落ちた。
僕はエリカが凭れかかってない方の腕を伸ばしタオルケットを取り、膝にかけてあげた。
半分は僕の膝にかける。僕は多少窮屈な姿勢だったが、エリカの手を握りつつ千秋達が来るまで昼寝をする事にした。
一時間もすると僕の身体はあちこちが悲鳴を上げていた。無理な姿勢を維持していたからだった。
そっとエリカを寝かせタオルケットをかけて僕はベッドに上がった。
次に僕が起きた時、横にはエリカが寝ていて…僕はエリカを腕枕していた。
そして僕の右腕は完全に死んでいた。
痛みを堪えながら腕を抜き、身体を起こして時計を見た。机の上は綺麗に片付けられていた。
千秋達が来るまで一時間程あった。
僕はそっとエリカを抱き締めた。
C
223 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/05(火) 03:25:05
「そういえばミサさんから連絡ないの?」
お盆前の最後の勉強会の後、みんなで何故か木馬館にアイスココアを飲みに行った帰りに唐突にエリカが尋ねた。
「ないなぁ、やっぱ忙しいんだろうかね?」
ミサネェの友達や竹山さんに聞けばわかる筈だったが、僕は意識的に彼等を避けていた。
漠然とだが、ミサネェの話題になるのが恐かったからだった。
「ゴールデンウイークも帰ってこなかったからお盆には帰ってくるかもね?」
「そうだよなぁ…」
「お洋服のお礼もキチンと言えてないし、ミサさんが帰ってきたら会いたいな」
僕は無意識のうちにミサネェの存在を記憶の片隅に追いやっていた事に気付いた。
エリカは仕方ないよね…という諦めの表情で
「なんだか、もう会えないような気がするよ」って呟いた。
僕はそれには応えなかった…
エリカを送っていき、エリカの両親に挨拶をして僕は自分の家に戻った。
「今年は巨人がブッチギリで相手は西武か近鉄やな」居間に入ると親父はナイターを見ながら僕に話し掛けてきた。
暫く親父と桑田と斎藤のどちらがピッチング技術が上か、とか話しをした。僕はそれ程野球には詳しくなかったが、その日は晩御飯を食べてからも親父のナイター観戦に付き合った。
224 :
fusianasan:2008/02/05(火) 03:34:04
シンジさん支援
この頃のシンジさんグラグラですね。ミサとはこのままなのかしら?雰囲気的にはハルホと…みたいな予感も♪
中断期間に100回は保守した俺が、支援。
おかえり
待ってたよ。
自分のペースでゆっくり進んでくれ
シンジさん本当にありがとう。
前スレのどこかにも書いたけど、女から見たらやはり
エリカは苦手だ‥
シンジを信じる
228 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/07(木) 14:00:46
文化祭直前
お盆の後に伯父さんからアメリカ留学の提案があった。
伯父さんはシアトルにある日本の企業の支社長を務めていて、伯父さんの提案は日本の大学に合格した後に決めてもいいが、大学を休学してアメリカの大学に留学してみたらどうかとの事だった。
伯父さんの家から通える範囲の大学を選択してもいいし、違う場所で寮に入るのもいいのではないか?との事だった。
僕はエリカとの事もあったが、そのつもりはなかった。両親は以前から伯父さんとコンタクトを取っていたらしく受け入れ体制は出来ているとの事だった。
エリカには内緒で何度も家族会議が行われ、文化祭の前にはアメリカ領事館にI-20の申請についてのヒアリングやTOEFL受験、G-MATの対策も受け始めていた。
結論として、あくまでも日本の大学に合格したら短期で語学留学もしくは春休みのホームステイをする。
その後、日本の大学を卒業するかアメリカの大学を卒業するかを決める…そういう事になった。
僕自身は日本の大学に進学し、卒業と同時にエリカと結婚する…漠然とだが、そのつもりだった。
しかし伯父さんから
「早く家庭を持ちたいのなら、英語力という能力を身につけているのも悪くない。彼女も帰国子女なら将来は二人でアメリカで暮らすのもいいぞ」
と言われ、僕は悩んだ。
229 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/07(木) 14:05:52
僕の中で結論が出た訳ではなかったが、一応考えがまとまったのでエリカに話した。
エリカの方も推薦で東京の大学を受けるのと一般で神戸の大学を受けるので悩んでいた。
エリカは推薦では大丈夫だったが、一般受験は厳しいものがあった。
「シンジ君の人生だから、シンジ君が決める事だと思う。」
「エリカはどうなの?」
「わからない」
「わからない?」
「……」
少し間をおいてエリカは話しだした。
このまま二人で同じ大学に進んで、同棲して卒業して結婚するのは理想だし…そう、望んではいるが。
果たして、それで二人の視野は狭くならないのだろうか?僕の可能性をSpoilする事にならないのだろうか?
「エリカは二人でいたくないの?」
「ううん…例え一分でも離れていたくはないわ」
僕としては最短で春のホームステイ、最長でも一年を予定していたが、予想に反してエリカは僕にアメリカ留学を勧めた。
それは僕にとってチャンスであり離れるのは一生のうちのほんの少しの期間だから、との事だった。
「一年で帰ってきてシンジ君の卒業が一年遅れても…私の卒業の時に結婚して下さい。私が頑張って一年間は面倒みるから」
笑いながらだったが、エリカが僕にプロポーズした瞬間だった。
僕が驚いているのを見て、エリカも発言の意味を再認識したのだろう…顔を真っ赤にしていた。
「エリカがプロポーズしてくれるなんて…」
230 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/07(木) 14:10:19
以降の僕は文字通り寝る間を惜しんで受験勉強と英会話の勉強に励んだ。
もちろん英会話の先生はエリカだったりクラスメートだったりした。
エリカは推薦で東京の大学に合格した。
合格はしたが、一般で地元の大学も受験をしたいとの事で受験勉強は継続した。
その年はクリスマスイブと大晦日だけ二人で過ごした。遊びに流れるのが怖かったのもあったが、時間が足りないのに焦っていたからだった。
大晦日のカウントダウンイベントで僕は久しぶりに竹山さんと再会した。
「お久しぶりです、竹山さん。就活はどうでした?」
「どうもこうも。一応メーカーに決まったけど。音楽も捨てきれないから暫くは二足の草鞋やな」
「卒業…大丈夫ですか?」
「いや、それが心配なんやけどな…」
それから僕は近況報告をして、進路が流動的な事も話した。
ひとしきり話しをした後、自然と話題はミサネェの事になった。
六月と九月に一泊ずつこっちに帰ってきたそうだが、相変わらず忙しそうだとの事だった。
「今日も帰ってきてへんし、正月過ぎに帰ってくるみたいやけどな」
竹山さんはメモ帳からミサネェの連絡先を書き写し
「東京で受験が済んだら飯でも行ってこいや。あいつもシンジが東京に来てるならいくら忙しくても飯ぐらい付き合うやろ」
僕はメモを受け取ったが、多分連絡はしないだろう…そんな気がした。
231 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/07(木) 14:22:28
カウントダウンイベントが終わり、生田神社をお参りした後、終夜運行の電車で僕とエリカは僕の部屋に戻った…。
電車の中、僕は竹山さんから聞いたミサネェの近況を話したが、ミサネェの連絡先を貰った事については話さなかった。
その日、僕は久しぶりに脳ミソがとろける程のセックスをした。
朝までエリカと裸で抱き合いながら僕は熟睡した。
久しく、そんな夜はなかった。
朝早くに物音がして目覚めるとエリカが風呂を沸かしてくれていた。
「おはよう。元旦だからお父様やお母様に後で挨拶にこなきゃ」
「今何時?」
「7時だよ」
僕はエリカを抱き寄せキスをせがんだ。
何度もキスを重ねるとエリカは頬を染めながら
「お昼過ぎに挨拶に来るね」
「夕方でもいいよ、それか迎えにいこうか?僕も挨拶に行かなきゃね」
「それじゃお昼過ぎに一度電話するね」
エリカは僕にもう一度キスをすると寝かしつけるようにして帰っていった。
そろそろ起きなきゃ…そう思いながらも僕は二度寝した。
232 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/07(木) 15:00:59
二月に入りいよいよ試験日が近づいてきた。
ハルホも正月に天満宮に参拝をして、僕にお守りを持ってきてくれていた。
「これ、シンジはもう持ってるかも知れないけど。」
「えっ?いいの?」
「忙しいのに何度も勉強を教えてくれたお礼やから」
「そのかわり、受かったら東京に行くまで勉強を見てな。それと一回だけ…一回だけデートして」
ハルホはアイススケートに行ってみたいと僕に言った。
「あぁ、うん。受かったらな」
ハルホは玄関先で僕にお参りを渡すとすぐに帰っていった。
試験の二日前、僕は品川のホテルに泊まった。エリカは自分の両親に許可を貰い…僕についてくる、僕の世話がしたいと言ったが、それは僕が断った。
ホテルに着いて僕はミサネェに連絡しようか一瞬だけ迷ったが…連絡先を書いたメモは財布にしまったままにした。
試験の前日は会場の下見をして、それから最後に過去問のおさらいで費やした。
親からはルームサービスで食事をしてもいいと言われていたが、あまりの高さに…僕は近くのトンカツ屋にて食事を済ませた。
試験当日は緊張もせずに、手応えを感じる事が出来た。終わってみて、何か感動みたいなものが沸くかと思ったが、まだ受験も残ってたし淡々としたものだった。
試験終了して早々に東京を後にした。
新大阪に着いたらエリカが迎えに来ていてくれていた。
新大阪から東海道線に乗り換え試験の感想をエリカに報告する。
エリカは僕の話を聞いてホッとしたようだった。
家に着いた時は調度晩御飯の時間でエリカも一緒に鍋をつついた。
エリカが片付けを手伝いっている間、僕は父親に試験の報告と領収書を渡した。
「なんや素泊まりやったんか?」
「あっ、うん。値段見たら高いし気分転換したかったから」
「それなら…」親父は財布を取り出そうとしたから、まだ受験費用かかるし飯代とか浮いてるから大丈夫、そう答えた。
片付けも一段落ついてエリカがお茶の用意を持ってきた。
四人で受かるといいね、とか浪人したらどうする?とか…そんな話を暫くして9時を過ぎた頃に僕はエリカを送って行く事にした。
エリカを送って行く途中、僕はエリカを背中越しに抱きしめた。
「ありがとうな」
「うん…」エリカは僕の腕をギュッと握りしめた。
大好き
何読んでも切ない。
235 :
fusianasan:2008/02/07(木) 22:46:56
エリカさんとシンジ…切ないなぁ。
ハルホやミサの態度もかなり切ない。
決してハッピーエンドではないんだろうな。
236 :
fusianasan:2008/02/08(金) 02:11:35
支援
スレコテが帰ってきたのなら
田代も出所してきてもいい筈だ
238 :
fusianasan:2008/02/09(土) 13:22:09
今日は雪が舞っていますね、シンジとエリカの世界は雪が似合います。
239 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 18:13:35
三月
受験も終わり、卒業式も終わった。
僕とエリカ、それに千秋達もそれぞれ進路が決まった。
結論から言えば僕は失恋してしまった。
僕は東京の大学に合格はしたが、関西の大学の受験には失敗した。
全ての受験に失敗した訳ではなく、関西での第一志望の学部に落ちたのだが、元々は東京の大学を志望していたのだから気にもならなかった。
「シンジ君、これから言う事は私のわがままです。」合格発表が全て終わり、僕の部屋でエリカと東京に行く日程とかの話しをしていた時だった。
数日前からエリカの様子がおかしいとは思っていたが、あまりにも唐突にエリカは話し始めた。
「ごめんなさい。私は東京の大学には行きません」エリカはそれだけ言うと俯き、顔を押さえた。
僕は…あまりにも突然過ぎるエリカの告白に言葉を失ってしまっていた。
暫くの間、僕の部屋はエリカの鳴咽だけがかすかに響いた。
「どういう事…かな?」僕はなんとか…やっとの思いで言葉を搾り出した。
エリカは時々詰まりながらも、これからの二人の為には時間を開けるべきだと説明した。エリカの為に頑張っている僕は…エリカの望んでいる僕ではなくて、これからは自分の為に頑張って欲しい…との事だった。
240 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 18:15:08
その時の僕は容易に理解出来なかったし、受け入れ難い話だった。
エリカと幸せになる為に努力をする事は無駄な事…そのようにしか聞こえなかった。
エリカは続けた。
「私は神戸の大学に進学するつもりです。そしてシンジ君とはお友達に戻りたい…」エリカはそれだけ言うと、鳴咽から……。
「それは決定した事?僕の意見とかは…」そこまで言いかけた時に
「ごめんなさい。最後の…わがままです」と、エリカの言葉が僕を遮った。
本来なら腹立たしい筈なのに…エリカの話を聞いた後、僕は混乱した。
「今日は帰ります、わがままでごめんなさい」エリカはそう言うと立ち上がった。
「あっ…お、送っていくよ…」僕も立ち上がろうとしたが、エリカは僕を制した。
「大丈夫。一人で帰りたいから」
エリカが帰った後、エリカのつけていたコロンの香りだけが残り…その香りが僕を締め付けた。
241 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 18:17:05
何時間が過ぎたのだろう?エリカは午前中に帰り、今は…外が暗くなっていた。
結局、僕は自分勝手な人間で誰一人として幸せに出来なかったし、関わった全ての人を傷付けただけだった。
進路を東京の大学に決定した僕は学校に報告すると同時に英文の成績証明を請求した。
電話の線を引き抜き、インターホンの電源も切った。
親と叔父さんの提案通り、僕はアメリカに行く事にした。親には東京の大学の学費は無駄になるから入学は必要ないと言ったが、親はそれを聞き入れなかった。
僕は卒業式の予行練習にも卒業式にも出なかった。もちろん、クラスだけの謝恩会にも出なかった。エリカと顔を合わすのが辛かったし、今更何を話すのか…そんな気分だった。
全てを…早く終わらせたかった。逃げ出したかった。
卒業式の日もエリカは僕を迎えにきたが、母親が応対してくれていた。
失恋のショックというよりも虚脱感が僕を支配していた。
242 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 18:20:14
三月の終わりから僕はシアトルの叔父さんの所で過ごし、
四月二日から始まるボストン大学のブリッジスクールに入学する事になった。
日程的にギリギリだったが、六月からの入学よりは精神的にマシだった。
そして荷造りが終わった後、僕はハルホとの約束を思い出した。久しぶりに電話の線を繋ぎハルホに電話をする。
「久しぶり、ゴメン。連絡が遅れて。」
「何度か電話したし、家にも寄ったんだよ。ピンポン押しても返事がなかったから…」
僕は合格した事とアメリカ行きの話をした。
「シンジ!おめでとう!でも、急な話ね?何かあった?」
「ありがとう。特に何もないよ」
それから僕はアイススケートの話を切り出した。
「明日しかないけど、よかったら…明後日には成田から出発だから」
ハルホはすぐにかけ直すと言い、電話を切った。
10分ほどで電話が鳴り、朝の10時に店を開けに行かないと行けなくて引継が11時になるから、店か駅で待ち合わせを出来ないか?との事だった。
「仕事、大丈夫?」
「交代してくれたから大丈夫。それに無理って言われたら辞めるつもりだったから」ハルホは笑いながら話していた。
電話を切った後僕は今まで使っていた参考書や資料を段ボールに詰めて、ハルホ宛てに送る準備をして…風呂に入った。
243 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 20:22:12
出発前日、僕はハルホと待ち合わせ場所であった三宮駅に向かった。
10時半少し前に着いた僕は柱に凭れかかって待っていたハルホをすぐに見つけた。
「シンジ、めちゃくちゃ痩せたやん!?どないしたん?」
「そうかな?多分、受験疲れと準備に忙しかったからだよ」
「手袋持ってきた?」
「あっ!忘れてた」ハルホはニコニコ笑いながら僕に手袋を差し出した。
「忘れてるやろうって、店からギッてきたよ」
「えぇの?」
「えぇよ」ポートライナーに乗りながら僕とハルホはアメリカの話をした。
駅に着き、何組かのカップルや家族連れが降りる。
「私達もカップルに見えるかな?」
「…かもな」
「なんや、つれないやん。せっかくの最後のデートやのに」ハルホは笑顔のまま、少し怒ったそぶりを見せた。
「ほんまやな…」ハルホの優しさに改めて気付いた。
「アカン、シンジ!手を離したらアカンて!」
やっとバーを片手に立つ事が出来るようになったハルホはもう一方の手で僕の腕を掴んだ。
「それ、危ないから。手を貸せって」
僕はハルホの手を握りしめて少しずつ引っ張り、ハルホを誘導した。
元々運動神経抜群のハルホだから1時間もすれば普通に滑り、止まれるようになった。
「ちょっと手を離して滑ろうか?」
「イヤ、絶対イヤ!」手を離したら、その瞬間に僕が消えそうだと…ハルホは突然泣き出した。
244 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 20:23:27
「消えないって、大丈夫」僕はハルホに微笑みかけた。
「だって!シンジ…今日のシンジ、めちゃくちゃ優しいやん」
「意味不明や」
「えぇねん。そんなんどうでも。絶対に手は離せへん」
「トイレどうするん?」
「男子トイレ、一緒についてく」
「ほんならハルホは?俺は片手でもなんとか出来るけどな」
ハルホは顔を赤らめてシッコ…我慢するもん」と言った。なんとか泣き止んでくれて、今度は笑顔になった。
それから僕達は手を繋いだまま暫く滑ったが、ハルホ自身が自分の成長を試したくなったようで
「ちょい一人で滑ってみるから。シンジはぴったりくっついててや」
絶対に側にいろ!離れたら殺す!なんて物騒な言葉を言いながらもハルホは転ばずにリンクを一周出来た。そうすれば現金なもので、ハルホは僕を待たせたまま何周も上手にリンクを滑ってみせた。
暫く滑った後、お腹が空いたので僕達は三宮に戻る事にした。時計を見ると3時を過ぎていた。
更衣室を出た後、自然にハルホは僕の手を握りしめた。エリカと違う手の感触に僕は少し戸惑った。
「吉兵衛に行こ」ハルホと久しぶりのかつ丼だった。七席のカウンターはいっぱいで行列は続いていた。
245 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 20:25:14
二人が食べ終わったら四時を過ぎていた。
「今日は何時頃まで大丈夫なん?」
「一応、8時迄には帰らんとアカンねん」
「わかった。ほんならそれまでに帰すから」
そう言うとハルホは僕を引っ張るように北野の方にハンター坂を上り始めた。
「恥、かかせないでよ」それだけ言うとハルホは下を向きながらホテルの玄関をくぐった。
適当に部屋を選び点滅している矢印に沿って部屋に入った。
靴を脱ごうとした瞬間、僕の唇はハルホの柔らかな唇で塞がれた。
……。
多分、僕もハルホのキスに応えた…。
部屋に入り、ハルホは僕を押し倒し…僕の唇を貪り続けた。
暫くしてハルホは服を脱ぎ捨て、下着姿のまま…僕の服を脱がせた。
僕もハルホの気持ちに応えるように、ハルホを抱きしめた。ブラジャーのホックを外し、胸を露出させる。僕はハルホの胸を撫で回し、乳首に唇を這わせた。
吐息とともに喘ぎ声が漏れ始める。僕は容赦しなかった。
内モモに手を侵入させてもハルホは決して足を開こうとはしなかった。僕はハルホを愛撫しながら…何度も足を開こうとした。
喘ぎながらこっちを振り返ったハルホは…
「笑わんとって…」それだけ言うと怖ず怖ずと足を開いた。
ハルホのそこはグショグショに濡れていた。僕はそっとパンティを脱がせると指を宛がった。
246 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 20:38:01
容易にクリトリスを見つけだし、僕はそっと擦り始めた。ハルホの身体が震え、ダメ!…そう小さく叫ぶとハルホの身体は痙攣し始めた。
「イッちゃった…」ハルホが顔を赤らめながら僕に訴えかけたが、僕はそれを無視してハルホの気持ちいい場所を触り続けた。
暫く触り続けるとハルホは僕の大きくなったモノをそっと握り、感触を確かめるように全体に指を這わせた。
「欲しい…」そう言うとハルホは身体を起こして僕のモノにキスをした。
暫くしてハルホが懇願するのを無視して、僕はハルホの大切な所を舐め続け、ジュースを飲み続けた。
「お願い…少しだけ…少しだけでいいからシンジのオチンチンが欲しい」ハルホがそう言うのを聞いて僕はハルホの大切な部分に宛がった。
そして、征服の証のようにハルホのジュースを塗り付けるように僕のモノを擦りつけた。ハルホは早くきて!と小さく何度も叫び、僕の腰に手を回して引き寄せるようにした。
限界まで大きくなった僕は…少しずつハルホに埋め込んでいった。
「…うっ、い…痛い」メリメリと埋め込んでいくにつれ、ハルホの顔が苦痛に歪んでいく。
「痛いなら…抜こうか?」ハルホはイヤイヤをしながら涙を流した。
ハルホは何度もイキ、肩で大きく息をしながら
「シンジ、シンジ…愛してる」と繰り返した。僕はそれには答えずに何度も深く抽送を繰り返した。
そしと僕がイキそうになりハルホの中から引き抜くと…ハルホは身体を起こし僕のモノから射た精液を飲み干した。
そのまま僕を横に寝かし、ハルホは僕の足の間に入り…僕のモノを食べ続けた。僕の身体がピクピクするのを無視して吸い上げ、硬さが増し始めるとおもむろにハルホは自分の中に埋め込んだ。
「ダメだよ…」僕は力なくそう、ハルホに訴えかけた。
「もう少しだけ、下さい」ハルホはそう言うと僕にキスをしてきた。二人とも汗でぐっしょりだった。
二回目が終わった後…時計を見ると7時を少し過ぎていた。ハルホは僕にシャワーを促したが、ハルホは入らないと言う。
「もう暫く、シンジに包まれていたいから」…僕もシャワーを止め、軽くタオルで汗を拭き取った。
精算を済ませ、二人で坂を下る。ハルホは鍵を受け取るから駅迄遅れない。明日も仕事だから…見送りは出来ない。そう言い…僕の手をギュッと握りしめながら、真っ直ぐ海の方を見つめていた。
北野坂を下りきり…最後にハルホは
「手紙ちょうだい。頑張ってね!私も頑張って来年は逢いに行くから!」そう言って僕に駅に向かうように促した。
僕が交差点を渡りきり、ハルホのいた場所を振り返ると…ハルホはうずくまり泣いているようだった。
僕は交差点を戻りたかったが…後戻りする苦しさをハルホに…与えたくはなかった。
247 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/10(日) 20:56:55
切符を買い、電車に乗り込むと…僕はハルホの言葉を噛み締めた。
重い足取りで芦屋に着くと僕はベスパをキックして…家路についた。
部屋に戻り、軽く顔を洗いうがいをして一階におりると鍋の用意が出来ていた。僕が席に着くと台所から楽しげな話し声がした。振り向くと母親とエリカがそこに立っていた。
……。驚きの表情の僕を見た母親は間髪入れずに 「私が呼んだのよ。エリカちゃん、びっくりしてたわよ!日程も教えてなかった…」僕には母親の声が届かなかった。
エリカはエリカで…僕の姿を見て、一気に泣き出してしまった。
鍋が始まるまで…暫く時間が掛かった。
「シンジ君、ごめんなさい」父親が皆に席につこうと言い、エリカを促した。
何の鍋を食べたのか、食事中…何を話したなか、僕は一切覚えていなかった。
それでも食事の時間は流れ、いつしか食事は終わった。
「エリカちゃん、食事の後片付けはいいからシンジの荷物をチェックしてくれる?」
「はい…」
僕とエリカは部屋を出て、2階に向かった。
「ごめんな、多分…無理に呼び寄せたんでしょ?」
「ううん、…あの日からシンジ君と逢えなくて。何度もお母様とお話ししてたから」
その後…暫く、沈黙が続いた。ヒーターで部屋が暖かくなりつつあるのに、僕は寒気を感じた。
「何か飲む?」
「あ…うん。私が…」エリカも重い沈黙に堪えられなかったのか、台所に向かい…そして二人分のコーヒーを入れてくれた。
エリカがコーヒーを用意している間、僕はふと…ハルホの言葉を思い出した。
248 :
fusianasan:2008/02/10(日) 23:37:56
支援
シンジさんには悪いけど、やっぱりエリカはムカつく。
自分だけいいもんになろうとするのは無意識下で
なんだろうけど、それだから余計に。
シンジ君を通してのエリカちゃんだから、フィルターがかかってるのは仕方ない。
それにしてもかなり切ないな。ハルホちゃんには幸せになって欲しいな。
251 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 00:54:42
ハルホがスケートリンクから三宮に戻る途中に言った言葉が蘇ってきた。
「シンジの事、無理に忘れなくてえぇやんね?」
「……」
「人間は忘れる事が出来る動物や、って先生が前に言ってた」
「うん」
「ほっといても忘れるんやったら…シンジとの思い出、わざわざ忘れる必要ないもんな」
「……」
「なんか、辛い事も多かったけど幸せやったもん。楽しい思い出…絶対に忘れたくないもん」
僕はハルホに何も言えなかった。ただ、ポートライナーの進行方向に目を向けただけだった。
「湿っぽいんは似合わんな、シンジが向こうにいる間になんとか頑張ってえぇ女になるわな」
僕はハルホに段ボールを送った事を伝え、僕のベスパを貰ってくれるように言った。
「キック、馴れるまで大変やけどな。置いておいたら錆だらけで死ぬし、オイルもそのままやから。明日以降、お袋にキーを預けておくから」
「そんなん貰えんって!」
「それなら帰ってくるまで預けとく」
程なくしてポートライナーは三宮に着いた。
252 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 00:56:53
エリカがコーヒーを持って部屋に戻ってきた。僕の前にマグカップを一つ起き、エリカは正面に座ろうとして一瞬躊躇して…少し間隔を開けて僕の隣に座った。
静寂が部屋を支配する。マグカップから立ち上る湯気だけが、自己主張をしていた。マグカップに手を伸ばすのさえ僕は躊躇した。
マグカップに手を伸ばしてコーヒーを飲めば、会話を始めなければならなくなる…僕にはそれが堪えられなかった。
「シンジ君を傷つけてしまって…」
「いいよ。大丈夫」
エリカの「シンジ君の事が好き、だけど…これ以上好きになれないような気がする…」って言葉が僕の脳みそをグルグル回りだした。
「本当に…ごめんなさい、シンジ君の気持ち…」
「いいって!」僕は少しだけボリュームを上げてエリカの言葉を制した。
「本当、意味わからんし。もう、考える時間もないし考えても何も変わらないよ」
エリカは黙ってしまった。
「エリカが悪い訳ではないよ。最終的にアメリカに渡る事にしたのは僕だし。当初の目的がアメリカに渡る前に消えてしまったのは誤算だけどね」
「本当に…」
「本当だよ。ピエロやん」
「でも、僕も向こうに行く限りは少しでも成長したいし、何かをつかみ取りたいから。帰ってきて、チャンスがあるなら彼氏候補にしてくれる?」
エリカは両手で顔を押さえて泣き出した。
「泣きたいのはこっちなんだから。エリカが泣く事はないから」僕は…僕も涙が溢れてきていた。
253 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 00:58:39
エリカが落ち着くのを待ち、僕は努めて明るく…
「まぁ、たまには手紙をちょうだいよ。それに彼氏が出来たらちゃんと報告してな」
「シンジ君以外に好きになれる人はいません…」
「今更、それは無し。僕が辛いし」
それから僕は話を逸らして…エリカを送って行く事にした。
暫く、いや…多分、これが最後なんだろうなって。本当の本当にそれで終わりなんだって思った。
「手…繋いでもいい?」エリカはそう言うと、僕の返事も聞かずに手を握りしめた。僕も少しだけ握り返した。
エリカの手を握ると昼間のハルホの手の感触を思い出した。
エリカの家まで…何度も往復した、この道を僕は目に焼き付けるようにして歩いた。ゆっくりと歩みを進めているのに…後ほんの少しでエリカの家だった。
「手紙、出すから。元気でな」
「シンジ君も…」
エリカは今にも泣き出しそうだったが、僕は一度だけギュッとエリカを抱きしめて、さよならと言った。
「さようなら」おそらくエリカに対して…初めての言葉だった。
エリカは何かを言い出したかったようだが、僕は無視して後ろ向きに手を振り…来た道を戻った。
エリカがどうして別れを切り出したのか、いまいち把握できない。
難しいね。
255 :
fusianasan:2008/02/11(月) 01:21:10
>>254 これからでしょう。シンジさん、わざと書いてないようだし。
これで終わりじゃないと思う。
256 :
fusianasan:2008/02/11(月) 01:24:58
黙って支援。
アメリカ編
東京編
結婚編
それと近況編…と続けて欲しい。
ゆっくりでいいから、ね。
それとシンジさん、ハルホさんとのセックスは切なかったっす。変則鬱勃起しますた。
エリカちゃんなりの…
やさしさ、なのかな?
すれ違う気持ちって、せつないね
258 :
fusianasan:2008/02/11(月) 01:53:14
泣けてきたよ…
259 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 03:21:30
部屋に戻りコートを脱いだ僕はリビングに戻った。
親父はソファに座ってウィスキーを飲んでいた。
「お前も寝酒に一杯どうだ?」
「あぁ…うん」
母親が台所にツマミを用意しに行き、父親はサイドボードからウィスキーグラスを取り出した。
アイスペールから氷を取り、グラスに移す。ウィスキーを注ぎ…
「ロックか?水割りか?」
「じゃぁロックで」父親がウィスキーを注ぐのを見ていた。
「とりあえず乾杯」父親がグラスを僕のグラスに合わせた。
「あ、ありがとう。色々と…」
「あぁ、まぁアレだ。お前はお前なりに頑張ったんだ。胸を張ればいい」
いつの間にか母親もツマミを用意して僕の隣りに座った。
「まだまだ子供だと思ってたけど、それなりに大人になったのね」僕がウィスキーを流し込むのを見て、そう言ったのか違う意味なのか…僕にはわからなかった。
明日は両親が空港まで送ってくれる事になっていた。当面の荷物はスーツケースに詰めたが、住む所が決まったら他の荷物を送って貰う事になっていた。
「段ボールは番号順に送って欲しい。あと、足りない物があれば電話するから」
僕はそう言うと荷物チェックの為に2階に上がった。
2階に上がる途中どポケットにベスパのキーがある事を思い出し、僕は時間を確認して…ハルホに電話した。
ハルホにまだ起きてるならベスパを持って行くから…そう伝えた。
「いいの?」
「泣かないか?」
「さっきまで泣いて、涙は涸れたから大丈夫だよ」
僕はモッズコートを羽織ると、メットとサングラスを持ち…階段をおりた。
母親に少し出るとだけ伝え僕はベスパにキックした。
260 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 03:23:25
坂を下り15分程でハルホの家に着いた。
僕がハルホの家に着いた時にはハルホは外で待っていた。
僕は一度エンジンを切り、ハルホにチェンジとエンジンのかけかたを説明した。
何度か失敗したが、すぐにエンジンはかかるようになった。ハルホが少し走りたいと言うので、僕がハルホのスクーターでハルホの後を着いて行く事にした。
「重いし遅いね。カッコイイけど」
「まぁな、たまにはエンジンかけてやってよ。それと必ず車輪に鍵をしないとエンジンキーないからパクられるよ」
僕はその後、混合給油を教える為にガススタンドにハルホを連れて行った。
「ここのスタンドならベスパの混合給油の事をほとんど知ってるから」僕はそう言うとハルホに給油を教えた。
給油を終えた後ハルホの家の前まで行き、僕はコートとヘルメット、そしてサングラスを丸めてハルホに渡した。
「これはワンセットだから」
「シンジみたいにカッコよく乗れるかな」
「そんなカッコよくないし、それに…無理して乗らなくてもいいから」
ハルホはコートを羽織ると悪戯っぽくサングラスをかけた。サングラス越しにもハルホの目に涙が溜まってきているのがわかった。
僕はハルホが送るというのを振り切って二号線からタクシーに乗る事にした。
暫く待った後、タクシーが止まり僕は行き先を告げた。時計を見たら2時を過ぎていた。
261 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 03:34:39
部屋に戻り、僕には小さくなったダッフルやセーターやマフラーを紙袋にほうり込んだ。
そして紙袋にエリカとだけ書き、そして僕は布団に入った。
今日一日で色々な事があった上に明日から新しい生活が始まる…身体は疲れている筈だったが、全く眠れなかった。
どうせ飛行機の中で眠れるし…僕はそう考えて、身体だけでも休める事にした。
朝になりインターホンが鳴る。僕は風呂に入り朝食を取りに下に降りた。簡単に朝ご飯を食べ、
スーツケースを下ろしたら、部屋の片付けはお母さんがするから。そう言われ、僕はとりあえずパスポートやI-20、それにトラベラーズチェックや現金があるのを確認した。
確認をしている最中に母親がエリカに電話しなくていいのか?と聞いてきたが、僕は必要ない…そう答えた。
父親が車を出し、ガスを入れて帰って来たと思ったらエリカを連れて帰ってきた。…父親はエリカを迎えに行っていたようだった。
本当は嬉しかったが、僕は素直になれなかった。それに別れるのが辛くなりそうだった。
父親が黙って荷物をトランクにほうり込むと僕に後部座席に座るように促し、エンジンをかけたまま母親を呼びに行った。
「……」
「これ、お守り」エリカは白い紙袋に入ったお守りを僕に手渡した。
「あっ、あぁ。ありがとうな」僕は動揺を隠すように明るい口調で返事をした。
エリカがそっと僕の手を握った。僕は…握り返すのを躊躇った。
両親が車に戻り、伊丹空港に向けて車は走りだした。
母親は陽気に八月には遊びに行くからそれまでに英語を話せるようになっておくように、とかエリカに僕の部屋の掃除を手伝うように…とか。まるで僕が振られた事などお構いなしだった。
「サクラ…まだ咲いてないね」
「うん…今年は見れなかったな。暫くは見れないんだろうね」
車が夙川を通り過ぎる時に…今度見るサクラはどんなサクラなんだろう、僕はそんな事を思った。
暫くして車が伊丹空港に着くとサッと荷物を下ろし、両親は車を預けに行った。僕とエリカは荷物をチェックインさせ、JALのカウンターに向かった。
僕はエリカの本当の気持ちが知りたかったし、聞きたかったが、聞いた所でどうする事も出来なかった。
エリカも何かを言いたそうだったが、ぐっと堪えているようだった。
両親が合流して。搭乗開始まで少しだけ時間があったので、お茶を飲む事にした。
話が複雑になりそう…まさか海外ドラマのようにシーズン1とかシーズン2とか…
エリカちゃんはお互いの進路をもうちょっと恋愛と独立して決めたいと思うのもあって、
くっつきすぎるよりは距離を置こうと思ったのだろうか。
今までの話だけでは分からないけど、
自分は若い頃、障害と思わなくていいことを前提に変な決心をすることがあったなあと思い出した。
264 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 11:05:28
コーヒーを飲みながら僕はエリカに何が言いたかったのだろう?…そんな事をぼんやり考えていた。
おそらく残された時間はほとんどなかった。
愛してる…僕が言いたかった言葉は多分、そうだったんだと思う。
もちろん両親の前で、しかも旅立ちな朝に…そんな言葉を発する事は許されなかったし、あまりにも無責任に投げっぱなしになる。
いよいよロスタイムに突入、僕達は席を立ち、母親がトイレに行き父親が会計を済ませている間のほんの一瞬だけ、二人の時間が与えられた。
僕はエリカの耳元でそっと
「次、帰って来た時に…その時は必ず…必ず今、言えない言葉を伝えるから」と呟いた。
「うん…待ってます」エリカは少しだけ目を潤ませていたけど、笑顔を見せてくれた。
父親が店から出て来て僕のロスタイムは終了した。出来る事なら時間を止めたかったが、僕にはそんな裏技はなかった。
カウンターに移動し始め、母親が合流した。僕はいよいよ別れる時がきたんだと…両親に挨拶をし、エリカと握手をした。
僕が手荷物検査を通過して一瞬振り返った時、エリカは泣き崩れていて母親も泣いていた。
戻りたい気持ちもあったが、僕は大きく手を振ってからエスカレーターを降りた。
気持ちを切り替えよう、こんな気持ちで…僕は旅立ちたくはなかった。
成田に着き、乗り換えの間に少し時間があったので僕は自宅に電話をした。父親が出て、エリカと母親が部屋の掃除をしに2階にいると教えてくれたので、僕は2階に電話をかけ直した。
265 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/11(月) 11:08:11
2階に電話するとすぐにお袋が電話に出た。
「あんたの部屋、見られたら困る物ないよね?エリカちゃんが掃除を手伝ってくれてるんだけど」
僕はエリカに電話を代わってもらい紙袋の服やその他、使える物は全て持って帰って欲しい…そう、伝えた。
「見送り、ありがとうな」
「…うん。身体に気をつけてね」
僕は少しの沈黙をおいて電話を切った。
そして財布からミサネェの連絡先の書いてある、竹山さんから貰ったメモを取り出した。
このタイミングなら気持ちが揺らぐ事もないし、どうする事も出来なかった。
ダイヤルをプッシュした。暫く呼び出しが続いた後、電話は留守電に繋がった。
一年ぶりに聞くミサネェの声は、どこか懐かしかった。
「あの…シンジです。お久しぶりです。えっと。留学する事になりました。今、成田です。本当はキチンと挨拶したかったのですが…」ここで電話が切れた。
もう一度電話をかけ直す。
「シンジです。すみません、電話が切れました。次、日本に帰ったらまた連絡します。ミサネェも元気に頑張って下さい。それでは」電話を切って…やり残した事はなくなった。
ラウンジで座っていると、僕の乗る便がアナウンスされ…僕は飛行機に乗り込んだ。
席に座り…すぐにアメリカに着くし叔父さんが迎えに来てくれているから問題なしだな。そう思うと飛行機が飛び立ってすぐに眠りに落ちた。
続きが気になる。
おひさ
あ…旅立っちゃった…(ノД`)シクシク
支援
270 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/17(日) 03:35:26
空港に降り立ちバゲージクレームで荷物を受け取った僕は出口に迎えに来てくれていた叔父さんとすぐに合流する事が出来た。
そこから数日は叔父さん叔母さんとその娘さん、僕の従姉妹にあたるサエちゃんに街を案内して貰ったり買い物や銀行口座を開く手順を聞いたりして過ごした。
大学の新学期は九月からだったけど、四月二日にプレースメントテストを受けて、大学の授業についていく為の語学研修と何単位かは授業を取れるのでそれを選択する為に四月一日にボストンに移動した。
ボストンにはサエちゃんがついてきてくれ、寮に入る迄の煩雑な手続きを手伝ってくれるとの事だった。
四月一日の昼にローガン空港に降り立った僕とサエちゃんはキャブに乗り大学のアドミッションオフィスのあるビルの住所まで向かった。
「シアトルよりは暖かいけど、こっちも寒いねぇ」
「あぁ、そうですね。確かに寒いです。それにローラースケート履いてるようなアメリカ人も見掛けませんね」
「そんなティピカルなアメリカ人は映画の中かシスコにしか棲息してないわよ」サエちゃんはそれからボストニアンはスノッブで閉鎖的だと教えてくれた。
暫くしてアドミッションオフィスに着き、サエちゃんに引き連れられて入学と入寮の手続きを取った。
もちろん、自分では満足に手続きが出来ないのでサエちゃんに手伝って貰ったのだが…入学は問題なかったが、入寮には問題があった。
僕には理解できなかったのでサエちゃんにヘルプを頼んだ。かなりのやり取りを交わした後にサエちゃんは暫く考え込んで…僕に
「シニアの寮が一つ改装工事していて、フレッシュマンの寮が一つシニアに使われているらしいの」…僕には意味不明だった。
「それで、今は予約していた一人用の空き部屋がなくて相部屋しかないそうなんだけど、それも空き待ちらしいのよ」
「僕はどうなるんですか?」
「それで有料のホームステイ先を探して貰うか、寮があくまでマンスリーアパートかホテルとマンスリー契約するしかないのよ」
僕にはサエちゃんの説明している事の意味がわからなかったが、大ピンチって事は内容と表情から理解出来た。
ちょっと待ってて、と僕をそこに残してサエちゃんは電話を掛けに行った。
その間に受付のおばさんは僕に申し訳なさそうに話しかけていた。僕は必死に聞き取ろうとしたが、ちょっと待ってて!って言われた事しか理解出来なかった。
ポツンと一人残された僕は…大変な状況になったな…と思った。
サエちゃんが戻るよりも早くにおばさんが上司らしきおじさんを連れてきた。
二人で何事かを説明するが、僕には理解出来ず…筆談にしてくれ、と頼んだ。
上司がメモに鉛筆で、現時点で僕を受け入れるのは無理だが、九月の新学期には必ずドミトリーに入寮させる。と書いてくれた。
僕は九月まで日本に帰るのか?と書いた。
二人がノー、ノーと言い、上司がメモを取った時にサエちゃんが帰ってきた。
そこからサエちゃんと上司のやり取りが始まった。
どうやら責任の所在について交渉しているようだった。
271 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/17(日) 04:19:36
結局、僕は入寮出来ないけど個室が空き次第に入寮出来る事になり、デポジットはアパートを借りたらそこで敷金がかかるから大学にはデポジットを払わないでいい事になった。
それとクォーターセメスター有効のミールクーポンを無料で発行してくれる事になり、残りの手続きを進める事になった。
「ハーバードスクェアやクインシーマーケットに行きたかったのに、明日はアパート捜しになるわね」
僕とサエちゃんはその日ミドルクラスのホテルに部屋を取った。
「シンジは明日の9時からプレースメントテストがあるから昼までは私が一人で部屋捜しをしているわ」
サエちゃんはあさっての昼にシアトルに戻る予定だったのだけど、一日延期して僕の部屋捜しと必需品の買い出しに付き合ってくれる事になった。
「何から何まですいません。」
「いや、シンジが悪いんじゃないし。私も五日から授業だしフォローしきれないから、ごめんね」
それからサエちゃんはノートにチェック表を書き始めた。
アパートを決める、水道、電気、ガス、電話の手続きをする。私書箱を開く、口座を開く、買い物をする…買い出し品目…
サエちゃんが楽しそうにノートに書きこみを始めてる横で僕は英会話集を必死に読んでいた。
その日の晩御飯は僕がサエちゃんの分もオーダーする事にトライした。
次の日、僕は一人でプレースメントテストを受けに行った。
教室には色々な国の人が来ていた。まぁ語学習得が目的なのだから、当然アメリカ人は皆無だった。中には日本人の姿もチラホラ見掛けて…少し安心した。
グラマーとリーディング、リスニングにインタビューのテストが終わった時には1時を過ぎていた。
テストが終わった後に日本人の年上の男性から声を掛けられ簡単に自己紹介を兼ねて挨拶を交わした。
彼は一ヶ月前に一度受付に来ていたらしく、その時は寮に空き部屋があったらしく寮の名前と部屋番号を教えてくれた。
クラス分けが終わった後に一度食事をする約束をした。
それからホテルに戻り、暫くしてサエちゃんが部屋に戻ってきた。
「試験どうだった?それより部屋、あったよ。予算を少しオーバーするけど了承済み。後はシンジが気に入るかどうかだけ」
3時に不動産屋とアポを取ったそうなので、それまでPizza屋で昼食を取り待ち合わせのアパートまで向かった。
そこは大学から徒歩10分ぐらいだった。同じようなアパートが立ち並び、バークレーの学生が奏でるフルートやピアノの音色が聞こえてきた。
3時少し前に着いたら既に不動産屋のセールスレディーは到着していた。
軽く挨拶を済ませた後、彼女の案内で部屋を見た。所謂Studioで日本のワンルームに風呂、台所とは別に小部屋兼クローゼットが付いた割りと新しい部屋だった。
僕は猫足のバスタブを生で初めて見たが、サエちゃんはそれよりも屋上にジムがあるのが便利なのとスーパーやコンビニが近くにある事を気に入っていた。
僕に断る勇気も権利もなかったし、理由は皆無だった。
契約日は来週からだったが、サエちゃんがネゴしてくれて今日から荷物を運び込むという名目で入居する事が出来た。
2100ドルの出費は痛かったが、まぁ仕方がなかった。
272 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/17(日) 04:48:42
「さて、とホテルに荷物を取りに行き、ベッドや必需品を買いに行くわよ」
各種手続きは明日申し込む事にして、不動産屋から貰った申し込み用紙に後で記入する事にした。
二人で家具屋に行きベッドを選んだが、どれもかなりの値段がしたのでマットだけを購入して上にシーツと毛布、掛け布団を買う事にする。
「ベッドは次の仕送りで買いに行きなさい、それかガレージセールで買うといいわ」
二人でセミダブルのマットと布団を抱えて部屋に持ち帰り、すぐに雑貨を買いに行く。
日用品と簡単な食料は最後に後回しにして、何度か店と部屋を往復したら晩御飯の時間になった。
マーケットでパンとハムとチーズを買い、サエちゃんはサンドイッチを作ってくれた。
「大学に入ったらすぐにフェイクIDを作らなきゃね、でなきゃお酒もバーにもディスコにも行けないよ」
サエちゃんはまだ二十歳なので、僕にフェイクIDを見せてくれた。
「シンジなら大丈夫だと思うけど、お金や物の貸し借りはやめなさい。それとドラッグには手を染めない事。」
日本人コミュニティーとは適度に距離をおくこと、授業はサボらないこと…色々とアドバイスをしてくれた。
それから交代で風呂に入り、久しぶりにサエちゃんと同じベッドに寝る事になった。僕はベッドに入ってすぐに眠たくなったが、サエちゃんを見たら既に寝ていた。
次ね日は8時前に起こされて、僕達はすぐに用意をして口座の解説と電話の申し込みを済ませた。
その後、昨日買い忘れていた細々とした買い物を済ませ…一度大学に行き、クラス分けの発表を見てから案内やカリキュラムを貰い、教科書を買いに行った。
「教科書はユーズドでいいから」その他、色々なアドバイスをメモを取りながら聞いた。
「最後にジョンハンコックビルの展望台に行こう」サエちゃんの荷物を取りに部屋に戻り、僕達はジョンハンコックビルに向かった。
展望台から見える景色は全てが新鮮だった。
その後、僕はサエちゃんを空港まで見送りに行った。
「六月には遊びに行くから、それまでに少しは話せるようにするんだよ」サエちゃんはそう言うと、機上の人となった。
僕は空港から叔父さんに電話をして、サエちゃんが乗った便を伝えた。そして御礼の言葉を伝えて電話を切った。
電話を切った瞬間に僕は淋しさと不安でいっぱいになった。
−エリカに電話したいな−
そう思ったが、まだ国際電話をかける程アメリカには慣れてはいなかった。
リアルタイム支援
復活してくれて嬉しいよ。
当時江坂からしえんしてた俺は横浜に引っ越した。今も支援。
多分俺、シンジ君と同じくらいの時期にJFK/UMASSの駅の近くにいたよ。
275 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/17(日) 17:13:45
空港からストロードライブを経由してニューベリーストリートとエグゼターストリートの交差点にタクシーで向かう。
そこはボストンマラソンのゴール近くだった。
オレンジが溢れるように置いてあるグロサリーで果物やパン、ハム等を買う。ストア24でタバコを注文するがどうにも通じない。
結局、挫けてセーラムをオーダーするが、…サレムと中東系の店員に発音を直された。
「なんでサレムやねん」文句を言う術を持たない僕は笑顔で店を出た後、愚痴た。
30分程歩いて、頭に叩き込んだ地図を頼りに部屋に辿り着く。
それから授業が始まるまで、毎日アドミッションオフィスに顔を出し、紹介して貰ったチューターを相手に英会話の練習に励んだ。
授業が始まって暫くは自分の発音の悪さに辟易するが、ミー・ツゥー、セイムワン・プリーズという武器を手に入れる。
要はカフェやドームで前に並んでいる客や隣の客の注文する物と同じ食べ物をオーダーするのだが、一発で注文出来た。
但し、前の客がベジタリアンであったりカフェイン抜きのコーヒーをオーダーしたり…時にはめちゃくちゃな量が出てきたり。そんな弊害があった。
それでも二週間もすれば、それなりに適応出来るようになった。
勉強の方は相変わらず語学研修と大学の授業との並行でかなり厳しい物があり、休日は復習で追われ…予習する余裕もなかった。
六月は試験が終わると二週間の休みがあり、大半の学生はそのまま夏休みに入るのだが。僕は帰省を諦めサマーセメスターを受講する事にした。それでもサマーセメスターは金曜、土曜、日曜が休みなので少しは余裕が出来そうだった。
276 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/17(日) 17:15:47
六月に入り、僕はサマーセメスター迄の二週間の前半を一人旅に充てる事にして計画を立てた。
両親やエリカ、その他のクラスメートや竹山さん、ミサネェやハルホとは手紙のやり取りをしていた。
竹山さんは僕がアメリカにいる間にレコードを買いに行くから、早く英語をマスターするように、そんな内容の励ましの手紙をくれた。
実際、淋しさや不安な気持ちを彼らの手紙が吹き飛ばしてくれていたし、僕も彼らにどこか縋っていたような気がした。
試験期間に入り、その日の試験が終わってからクラスメートと昼食を終え。アパートに帰っているとアパートの玄関前にスーツケースを置いてその上に座っている女の人が僕の方に向かって手を降っていた。
アレ?誰か帰省するのかな?…そう思いながら近付くと…ミサネェだった。
僕はミサネェを確認した瞬間…走り出していた。
涙が溢れていた…
わふる
278 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 01:01:08
ミサネェもスーツケースが倒れるのも無視して、僕の方に走り出してきた。
僕とミサネェは人目も憚らずに抱き合った。僕はギュッと…ミサネェを抱きしめた。
お互いに声が出なかったが…暫くして。
「きちゃった…」ミサネェが照れ臭そうに、僕を見上げながら優しく呟いた。
……。僕はもう一度ミサネェを抱きしめた。強く、強く抱きしめた。
「おぉ、シンちゃん、アメリカナイズされてんじゃん大胆にも抱きしめたりして…」
「ミサネェ…ミサネェの東京弁、微妙っすよ」
とりあえず二人で落ち着こうと…ゆっくり深呼吸した。僕が興奮するのはサプライズだから当たり前だったが、ミサネェが落ち着こうとしている意味がわからなかった。
僕は自分の鞄をミサネェに預けて、ミサネェのバッグとスーツケースを部屋に運んだ。
「ごめんなさい、まだ何もなくて。」僕は一つしかない椅子をミサネェに勧めて、冷蔵庫から取り出したペリエを差し出した。
ミサネェはペリエを一気に飲み干し、部屋が寒いとヒーターをつけるように言った。
一年半ぶりの再会だったし、話したい事は沢山あったが僕はとりあえず…
「試験があるので明後日の昼迄は大人しくして下さい、お願いします。」と言った。
ミサネェはキョトンとしていたが、僕のアサイメントの量や試験範囲を見て納得したようで
「わかった。明後日までシンちゃんの邪魔はしないよ。そのかわりに試験が終わる迄は身の回りの世話をさせてね。それと試験が終わったらお姉さんをたっぷり愛してね」
ミサネェはそう言うと荷解きを始めた。スーツケースの中はほとんどが食料品で、僕への差し入れだった。僕は感謝しながらも机に向かった。
「ねぇ、シンちゃん。」僕が振り向くとミサネェは下着、それもかなりセクシーな下着を床に並べていた。それは見ないように
「はい?」ミサネェはニューベリーストリートからコンランズの場所を僕に聞いてきた。
「マスアベ沿いからタワーレコードが見えますからそこから真っ直ぐに行って下さい。」
簡単な地図を書いて渡した。ついでにサクスフィフスやニーマンマーカスの場所も教えた。
「6時半にスターマーケットの入口の前に迎えに行きますから。そこでご飯を食べましょう。」
279 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 01:03:16
ミサネェは時計をチラッと見て嬉しそうに頷いた。
僕はミサネェにクローゼットの棚はガラガラだから使ってくれていいし、僕の部屋にあるものは何でも自由に使ってくれていい、そう言ってスペアキーを渡した。
ミサネェは僕の机の回りには近付かないようにしながら暫く部屋の中を小まめに見て、そっと出掛けた。
少し冷たいかな…そう思ったが、明後日はともかく明日の試験だけは落とせなかった。明日の試験を落とせば追試があり、休みがかなり減る事になるからだった。
6時迄3時間近くあったので僕は1時間を試験対策に充て、残りを模試と解答に充てる事にした。
とりあえず試験勉強を終えて時計を見たら6時前だったので、簡単に片付けて部屋を出る事にした。
花屋に寄ってカラーの花を数本買って、僕は約束の時間の少し前についた。ミサネェは大きな袋を一つ抱えるようにして持っていた。
「久しぶりのデートだから」僕はカラーの花束をミサネェに渡した。
ミサネェは涙目になりながら、
「デートらしいデート、した事ないじゃん」と憎まれ口をききながら嬉しそうに花束を受け取った。
「花瓶、あるでしょうね?」テレビすらないのに花瓶なんてある筈なかったので、パスタ入れを代用する事を提案した。
僕はミサネェの荷物を持つとタクシーを拾い、クインシーマーケットに行くように頼んだ。
「何を買ったのですか?」ミサネェはカーテンないし、クッションないし。タオルとかもないし…と、日用品を買い揃えてくれていた。
クインシーマーケットについて、外れのパスタビーノに行くかマーケットの屋台で適当に食べるか相談をし、ミサネェはマーケットの屋台を選択した。
オイスターショットを二人で頼み、蠣を食べホットドッグやサブマリンサンド、クラムチャウダーでお腹を満たした。
その後はミサネェの希望でビル全体がランジェリーのランジェリーショップに行き、ミサネェは僕を挑発した。
「シンちゃんはこっちのGストリングとこっちのスケスケ、どっちが好みかな?」
「どっちもミサネェには早いんじゃないですか?」僕達は軽口をたたき合った。
それから土産物屋や服屋を覗いた後にカフェでお茶をして帰る事にした。
280 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 01:04:34
カフェでレモネードとホットチョコレートを頼んだ後、ミサネェが。
「本当は怖かったんだよ。」昨日、シカゴに到着して、今日の朝シャトルでボストンに到着したんだそうだ。僕が既に誰かと暮らしているんじゃないか…ミサネェの事を忘れているんじゃないか?
いきなり押しかけて嫌われないか?飛行機の中でネガティブな事ばかり考えてしまっていた。そう言った。
「僕がミサネェを嫌うような事、ある筈ないじゃないですか!ただ、かなりびっくりしましたけどね」
それから明後日で試験が終わった後の旅行について話した。
「アムトラックでニューヨークに行こうと思ってたんです。チェルシーホテルに泊まってみたかったけど部屋が取れなくて」
ミサネェはニューヨークは行くとして、後半はレンタカーでカナダに行く事を提案したが、僕は免許取り立てだったし免許を取ってからまだ車を運転した事がなかったからそれは却下した。
とりあえず二泊三日のニューヨーク行きは決定した。
時計を見ると10時前だったので、そろそろアパートに戻ろうとカフェを後にした。
僕はタクシーの中でボストンは軽犯罪の発生率が高いから移動は出来るだけタクシーか電車を使うようにお願いした。いつもなら茶化すミサネェが珍しく素直に頷いて、僕に凭れかかった。
部屋についてすぐに僕はミサネェに指示されてカーテンを付ける作業におわれた。
その後すぐにミサネェは風呂に入ると言うので、僕は風呂の湯の入れ方を教えた。
ミサネェが風呂に入ってる時に僕は声をかけた
「なぁに?シンちゃんも一緒に入る〜?」
「いえ、ちょっとコンビニへ。鍵閉めておきますからゆっくり入ってて下さい。」
「オケー」
僕は上着を取って、部屋を出た。鍵を閉めてスーパーに向かった。
シリアルやべーグル、ハム類やチーズ、ミネラルやジュース、果物をカートにほうり込んでレジに向かった。
帰り道…タバコを吸いながら僕はミサネェがなぜ僕の所に来たのかを考えていた。
ダンキンドーナツの前で、ミサネェにお土産を…そう思いドーナツをオーダーしたら閉店前だったから二個しか頼んでないのに1ダース入りの箱いっぱいのドーナツをサービスしてくれた。
部屋に戻るとミサネェは短パンにTシャツ姿で髪を乾かしていた。
「お帰り〜」
僕はドーナツを大量に貰った話をしながら冷蔵庫や棚に買ってきた物をほうり込んだ。
「へぇ、やったじゃん」ミサネェはそう言うとドーナツを一個取り出し、食べ出した。僕が差し出したペリエを受け取ると椅子を机がわりにクッションに座った。
281 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 01:13:19
「ミサネェは疲れたでしょ?長旅だったし、今日も一日中動いていたから。先にゆっくり休んで下さいね。」
「うん。そうさして貰うね。本当はシンちゃんに抱っこして貰いたいけど我慢するよ」
僕が風呂から上がるとミサネェはクッションを枕に床で寝ていた。
「風邪をひきますよ」僕は声を掛けてからミサネェを引きずるようにマットに運んだ。
「このベッド、女の子で寝るのは私が初めてよね?」
「起きてたんですか?残念、サエちゃんが最初です」もちろん誤解がないように従姉妹のサエちゃんが最初に面倒を見てくれた事を説明した。
「わかったぁ〜納得。それじゃおやすみのチュー」
僕はそっとミサネェにキスをした。一年半ぶりのキスは甘くて懐かしいキスだった。そして、何よりも優しいキスだった。
時計を見ると零時を回っていたので、僕はもう少しだけ試験対策をしてから寝る事にした。
勉強を終えてミサネェの横にそっと潜り込む、僕もすぐに深い眠りに落ちた。
本当なら興奮する筈だったが、二週間以上の試験勉強疲れは僕を強制的に眠らせた。
7時のアラームで起きると僕は横で眠っているミサネェを起こさないようにベッドを抜け出し、洗顔を済ませてシリアルで朝食を済ませた。
ボストン便利帳を机の上に置き、ボストン美術館までの道順をメモに書いた。
昼前には帰ります。そう書き添えた。
そっとドアを閉め、僕は学校に向かった。教室に入り時間があったのでクラスメートと明日のフェアウェルパーティーの話をした。
日本人は日本人でパーティーをするらしく、外国人は外国人でパーティーをするそうで…僕は両方から誘われていたから両方に出席する予定だった。
それぞれの幹事に連れが一人増えた事を伝えると、レバノン人の幹事はゲストは多い方がいいと歓迎し、日本人の幹事は少し顔をしかめた…。
本当はみんな仲良くすればいいのに…そんな事を考えていたら試験が始まった。
試験は過去問とたいして変わりはなく、及第点は確実に取れたような気がした。日本人の割りに頑張った…そう言われるのが悔しかったから、出来る限りの努力をしたつもりだった。
本当なら週末毎にあるパーティーやクラブ、飲み会にも顔を出したかったが…最年少の僕には余裕がなかった。殆どの日本人は大学を卒業してから来ていたり、三回を終えて来ていたり…社会人研修で来ていたりしていた。
僕はそうじゃなかったから、本当に余裕がなかった。
試験が終わり皆に挨拶をして僕は早々に引き上げた。
282 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 03:28:20
試験が終わり部屋に戻るとミサネェが帰ってなかった。
机の上に置き手紙があった。
−散歩してたらコインランドリーを見つけたから洗濯してきます、コップに入ってる小銭を借りるね−
僕は一応、地下のランドリーまで降りてミサネェがいないのを確認してから角のコインランドリーにボードで向かった。
店の外からミサネェがゲーム機と格闘しているのが見えた。
僕が店に入るとミサネェは
「ダメだよ、シンちゃん!あんなに洗濯物を溜め込んだら」口調は怒っていたが、笑顔で僕に言った。
確かに10日以上洗濯していなかった。
「シンちゃんのパンツ見てたらムラムラしてきて、お姉さん困っちゃった」ミサネェはボストンでは僕達が外国人なのをいいことに恥ずかしげもなく大きな声でエッチな事を言う。
「シンちゃん、背が伸びたよね、シンちゃんのオチンチンはアレ以上大きくなってないよね?」ミサネェは僕が顔を赤らめてるのを楽しそうに眺めた。
「そのまま変な癖をつけて日本に帰ったら恥、かきますよ」
そういえばミサネェはいつまで滞在するのか、聞いていなかった。
「帰んないよ。だってシンちゃんのお嫁さんになるもん」
「いや、マジで。スケジュール聞いておかないと…」
「七月の始めに帰るよ。でも、もしかしたら九月から同級生になるかも」
「いや、仕事は?」
「それはまた後で話そうよ」そう言うとミサネェは手際よく乾燥機から洗濯物を取り出した。
もちろん僕も畳むのを手伝った。
「シンちゃんはタオルを畳んで。私はパンツを畳むから。アラ、前の所が伸びてるわよ。シンちゃん…デカクなってるじゃん」ミサネェはニヤリと笑った。
283 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 03:29:39
ミサネェ…久しぶりに逢ったらおやじ入ってるよ。僕は首を横に振った。
洗濯物を畳み終えるとミサネェは慎重に僕のボードに洗濯物を重ねて置いていった。無謀過ぎる考えだとは思ったが、結果的に崩れる事なくキャリーがわりに使えた。
「牛浜でランチしませんか?」僕はミサネェに提案をし、二人で牛の照り焼き定食を頼んだ。
ランチを食べている最中、ミサネェはさすがに日本食レストランという事もあり、下品な話はしなかった。
ランチを食べ終えてミサネェに明日、パーティーの梯子をするから一緒に来て欲しいと言うとミサネェは照れ臭そうにハニカミながら了承した。
「今から何します?ホェールウォッチングにでも行きます?」ミサネェは鯨を見に行きたいと言ってたのを思い出した。
「シンちゃん、試験は?」
「明日はインタビューと試験結果が返ってくるだけですよ」
「じゃ、鯨は明日か明後日にしない?」結局、ミサネェとボストンコモンまで歩きレッドラインに乗ってハーバードスクエアにある家具屋に向かい、安いテーブルと椅子のキットを買う事になった。
帰り道の途中、吉野屋により、日本食材を買い揃えてからタクシーに乗り込んだ。家具の代金は僕が出すと言ってもミサネェは聞かなかった。
284 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 03:34:35
部屋に戻り、僕が机を作り始めるとミサネェは買い物に出掛けた。
机が出来、椅子を一脚作った所で電話が鳴った。
「シンちゃん。シンちゃんの服のサイズって幾つだった?」
「38です。シャツも同じですよ。それか大きめならS、普通ならMです」ミサネェはサクスフィフスからスロープ伝いにマリオット、そしてモールとニーマンマーカスの近くの公衆電話から電話してきていた。
「あと一つ椅子を作ったら迎えに行きますから」
1時間後にウェスティンのオウボンパンで待ち合わせた。
僕はそそくさと椅子を作るとジャケットとパンツに着替えミサネェを迎えに行った。
僕がカフェに着いた時、ミサネェが同じタイミングで店に入ってきた。
「何にします?ハニークロワッサンは秀逸ですよ」ミサネェは私を太らせるつもり?と笑いながらもハニークロワッサンとアメリカンと言った。
「アメリカでアメリカン…ありませんよ。」僕はそう言いながらハニークロワッサンとコーヒー、そしてガス入りのミネラルをオーダーした。
ミサネェとクロワッサンを分け合いながら話しをした。
「もしも本格的に住むとしたらニューベリーストリートの店舗上のアパートとか住みたいな」
「少し高いけどエグゼタータワーとかグリーンハウスとかもいいみたいです」
「車買って郊外の一軒家に住むのは?」
「大学、遠いし」ミサネェは本気でこっちに住むつもりなのだろうか?僕はまだ聞き出せなかった。
285 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 03:36:22
「シンちゃん、私がずっとシンちゃんの側にいたら迷惑かな?」僕は迷惑なんてとんでもないけど、授業の選択や学部によってトランスファーする可能性もあるし、実際に転校も考えてる事を話した。
「シンちゃんが私を邪魔に思うなら日本に帰るけどね」
「それじゃずっと一緒って事になりますよ。」
「私ね、エリカちゃんから手紙を貰ったの。シンちゃんと別れたって内容の…」僕はミサネェと手紙のやり取りは二回したが、僕はエリカと別れた話はしていなかった。
「で、エリカちゃんは今でもシンちゃんの事が大好きみたい。私もシンちゃんが好きって宣戦布告しちゃった」ミサネェはアメリカに来る前に神戸に戻り、エリカと会ったと話した。
僕は動揺を隠せなかった。エリカの存在が僕のプレッシャーにならないようにとの気持ちで彼女が別れを切り出していたのはその時の僕には理解出来ていた。しかし、僕の気持ちはまだエリカにあったのも事実だった。
「シンちゃん。シンちゃんが最終的にエリカちゃんを選んだら、私はシンちゃんを諦めるわ」ミサネェは今は答えを出す必要はないわ…そう付け加えた。
僕も正直にエリカに対する想いと戸惑い、そしてミサネェに対する想いについて話した。
「ミサネェの事は大好きです。でも、正直…僕。ミサネェを傷つけてしまうかも知れませんよ。これまでもミサネェを傷つけてきましたし」
「うん。覚悟してるわ。シンちゃんには一回フラれてるしね」ミサネェはそう言うと晩御飯はミサネェが作るからと言い、スーパーで肉と野菜を買い込んで部屋に貰った。
ミサネェが晩御飯の支度をしている間、僕はホェールウォッチングの時間を調べたり、ニューヨークで泊まるホテルの予約をしたりして過ごした。
286 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 03:37:23
ミサネェは鍋でご飯を炊き、肉野菜炒めと即席の味噌汁、そして加島屋の鮭瓶を新しく出来た食卓に並べた。
「さぁ、召し上がれ」僕はいただきます、と言うが早いか加島屋の瓶に手を出した。
「いきなりソレか!」ミサネェのツッコミは衰えていなかった。食事の間、ミサネェの仕事の話を色々聞いた。ミサネェの作った肉野菜炒めは本当に旨く、ご飯も絶妙な硬さに仕上がっていた。
食事が終わりミサネェが片付けをしようとするのを僕が制止して、僕が洗いものをした。デザートにチェリーを冷蔵庫から出すとミサネェは摘んで口にほうり込んだ。
「ねぇシンちゃん。一緒にお風呂に入らない?」ミサネェは唐突に言った。
「えっ!無理ですよ狭いし…」多分、僕の顔は真っ赤に染まっていた。ミサネェは先に風呂に入るねと言うと着替えを持って風呂場に消えていった。
僕はミサネェが風呂に入っている間、インターバル期間のアサイメントに手をつけた。ミサネェが風呂から上がるとアラームをセットして僕もシャワーを浴びた。風呂から上がるとミサネェは僕に氷入りのグラスにペリエを注いで差し出した。
僕はミサネェにありがとうと言い、タバコに火をつけた。続けて二本のタバコを灰にした後、バスルームで歯を磨いた。
ミサネェは僕の後にバスルームを使い、部屋に戻ると
「さぁ、セックスして寝るか!」照れ隠しで…言ったつもりなのだろうが顔が真っ赤だった。
僕はミサネェに手を引かれながらベッドに入った。
キター
288 :
fusianasan:2008/02/18(月) 14:22:17
ミサとシンジが結婚?
てっきり荒らしが
スレ消費してるかと思ったよwww
290 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 21:23:42
ベッドに入るとミサネェの鼓動が僕に伝わってきた。
「手、握ってもいいですか?」僕がそう言うとミサネェは右手で僕の左手を探し、キュッと握った。
僕の左手からミサネェに緊張が伝わる…
僕達はお互いに黙ったまま、時間が流れるままに負かせていた。
「キス、してもいいかな?」僕はそう言うとミサネェに被さるような感じでミサネェにキスをした。
ミサネェは目を閉じたまま、僕に身を任せる。僕は右手でミサネェの肩を抱くようにして、左手で頭を抱えるように…キスをした。
親しむを絡め、唾液を交換するような激しいキスを延々と続け…僕の右手はミサネェの胸をまさぐった。
少しばかり乱暴に乳房を揉み、指先で乳首を転がす。ミサネェの口から甘い吐息が漏れるが、それは全部僕が飲み込んだ。
首筋に唇を這わせながら次第に肩を舐め…そして僕の唇がミサネェの乳首に到達する頃にはミサネェは荒い息をしていた。
僕の左手がミサネェの身体を抱えるようにし、唇で乳首を甘噛みし…右手はミサネェの細い腰から大事な所へ向かっていった。
僕はねちっこい愛撫を繰り返しミサネェの1番感じる場所に触れようとしたが、ミサネェは頑なに足を閉じたまま…イヤイヤをする。
「恥ずかしいよ…」ミサネェは頬を赤らめながら僕に訴えかけてきた。
「ミサネェのジュースが飲みたい」キスをしながら…そう言うとミサネェの身体から力が抜けた。
やっとの思いでミサネェの1番大切な所に指先が辿り着くと、そこはありえないぐらいに濡れていた。そっと腰に手を回し短大パンと一緒にパンティも脱がせる。彼女はそっと腰を浮かせて僕に協力した。
291 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/18(月) 21:26:16
僕の指先がミサネェの大切な所を触れるか触れないかのような感じで上下して、指先がミサネェのもっとも敏感な突起に触れた瞬間…ミサネェの身体は痙攣をした。
「ハゥッ…うぅ…」ミサネェは身体をバタつかせ、肩で大きく息をする。目を閉じたまま横を向いているが、涙がうっすらと伝わっていた。
ミサネェの息が整うまでの間に僕は服を脱ぎ捨てた。彼女を抱き寄せ、キスを繰り返す。ミサネェも舌を…今度は積極的に絡めてくる。僕は自分の分身が異常な程に勃起しているのを自覚していた。
わざとキスや愛撫をしながらミサネェのふとももの辺りに勃起した分身を載せる。僕の分身はダラダラと涎を流していた。
何も言わずに僕はミサネェの大切な場所を刺激する。指を潜り込ませるとミサネェは顔を少し歪めた。
「シ…シンちゃん…シンジ…イジメないで」僕はミサネェの訴えを無視して、指先の動きを強めた。
ミサネェが僕の腕にしがみつく…僕はそれに応えるかのように分身を擦りつけた。
「シンジが欲しい…」消え入りそうな声を無視して僕は身体を起こすとミサネェの1番敏感な所に舌を這わせた。
クリトリスを吸い上げるようにしながら舌で転がし、同時に中指を挿入させる。
ミサネェは軽い悲鳴を上げ、逃げようとする。僕は彼女を逃がさないように身体をホールドしながら動きを激しくさせた。
「美味しいよ…ミサネェのジュース」僕がそう呟くとミサネェは身体を痙攣させ、達した。
ミサネェが身体をピクピクさせるのに合わせて僕は舌の動きを緩めた。ミサネェにキスするように身体をズラし…僕は一気にミサネェの身体に挿入した。
「……!」声にならない悲鳴を上げながらミサネェは僕の身体にしがみついた。
久しぶりのミサネェの中はかなりキツく抜こうとすると、それだけでイキそうになった。
ピッチを上げる事もできず…僕の脳ミソは溶けそうになっていた。
いつの間にか復活してた、的支援
思わず過去ログ読み返し始めた
293 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 01:07:13
僕が果てた後…二人は大量の汗をかいていた。
ミサネェのお腹から首筋にかけて僕がミサネェを愛した証拠が残っていた。
僕はそのままミサネェの敏感な部分に舌を差し込んだ…
「シンちゃん、ダメ!恥ずかしいよ…」僕はもう一度ミサネェが昇りつめるまで、舌を使った。
ミサネェが荒い息をしている横を僕は立ち上がり、バスルームでシャワーを溜め、タオルをお湯で温めて…ミサネェの身体を拭いた。
「ありがとう」ミサネェは恥ずかしそうに僕を見詰めた。
「シンちゃん、シンちゃん…酷いよ。」ミサネェは拗ねたような表情を見せせて、最後に僕とセックスしてから…セックスはおろか、キスさえしていなかった…そう告白した。
「久しぶりで恥ずかしいし、シンちゃんの大き過ぎだから…また、大きくなった?」ミサネェは毛布で身体を隠した。
「お風呂、溜めましたよ…サッと汗を流して下さい。」
「普段のシンちゃんは優しいのにエッチの時のシンちゃんはギャップがありすぎだよ」ミサネェはそう言うとサッと立ち上がりバスルームへ走って行った。
しばらくしてバスルームからミサネェの呼ぶ声が聞こえ、バスルームを覗くとミサネェが一緒にシャワーを浴びようと手招きした。
二人でシャワーを済ませた後、ミサネェは冷蔵庫からペリエを取り出し喉を鳴らしながら飲み干した…
シーツを取り替え二人でベッドの中で裸のまま抱き合う。キスをしながらミサネェが僕のモノを触った。少しずつ僕の硬度が増すのを感じたのか…ミサネェは強く握ってきた。
「シンちゃん…やっぱり成長している、お姉さんかなり痛かったよ」ミサネェは困ったような顔をして、そしてスルスルと僕の下半身の方に身体をスライドさせた。
ミサネェの唇が僕を蕩かすのはすぐだった。二回目の絶頂まですぐだったしミサネェは全てを飲み干してくれた。
イッた後、敏感になっているのに…ミサネェはそっと刺激を与え続ける。僕が許して欲しい…そう訴えかけた時
「少しだけ…下さい」ミサネェはそう言うと僕に跨がりゆっくり挿入した。奥に入るにつれミサネェの顔が歪み、根元まで埋まると…僕に抱き着いた。
「わがまま言ってごめんね」ミサネェはそう言うと僕のが小さく萎むまでそのまま抱き着いていた。
「一年半ぶりのエッチなのに何度もいかされちゃった…」ミサネェが呟くとそっと僕のを抜いて、横に寝転がった。
294 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 01:08:38
次の日、朝起きるとミサネェは簡単な朝食を用意してくれていた。
僕は朝食を食べながらミサネェに今日の予定を聞いてみた。
洗濯と街をブラブラする…との事だった。昼前には帰るので街をブラブラするのは一緒にして夕方からのパーティーの梯子前に一度部屋に戻ろうと約束した。
「いってらっしゃい、ダーリン」
学校に着き次のセメスターに向けてのガイダンスを受け、その後にインタビューを受ける。成績はA-で、思った以上に評価は高かった。
次のセメスターで使う教科書やノート、その他諸々を買わないといけないので購買課に行かないと行けなかったが、ミサネェに学校を案内するのもいいかもと思い、家に電話してみた。
「ハロー」
ミサネェが英語で電話に出たので、僕も英語でミサネェに話しかけた。
ミサネェは頼もしいねぇ、なんていいながら僕の提案に大喜びだった。
道順を教え、バーガーキング前で待ち合わせる。15分程で合流し僕はキャンパス内を案内した。カフェテラスでお茶を飲み、購買課に連れて行くとミサネェの目は輝いていた。
大学の購買課はソニプラて輸入するような商品も扱っており、教科書からノート、化粧品から日用雑貨まで揃っていた。
ミサネェはカートにいろんなモノを詰め込んでいた。僕も必要な教科書類を探し回った。教科書によっては中古も販売されていて落書きや落丁がないかチェックして、なければ中古をチョイスした。
教科書を選んでいるとミサネェがテディベアまで売ってるよ〜と大きな声で僕を呼んだ。僕は恥ずかしかった。
レジが済み、購買課を出た所で授業を持ってもらっている先生に会った。僕は彼女にミサネェを僕の彼女だと紹介した。
大学を出てから家までの帰り道、休みの間にレンタカーでアウトレットとケープコッドまでドライブする事を提案した。
ミサネェはレッドソックスのゲームと小澤征爾のシンフォニーには絶対に行きたいといい、シンフォニーはポップスに代わってるかもと言うと、それでもオケーとの事だった。
一年ぶりに見たらミサネェとシンジのカップリング。
私的にはエリカよりミサネェやハルホの方がシンジさんには合ってるような気がする。
296 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 04:04:59
ピッツェリアでピザをテイクアウトして部屋に戻り、オレンジジュースとピザで昼食を済ませる。
ミサネェと床に横並びに座り話しはじめた。僕は率直にミサネェの仕事の事や東京での生活について聞いた。
「仕事?仕事はかなり順調。もちろんまだペーペーな事にはかわりないけどね。」休みらしい休みを取らず有給休暇も今回の旅行まで一日も消化してなかったとの事だった。
「シンちゃん、受験の時品プリに泊まったでしょ?」僕がドコを受験するかは知っていたのと、父親の会社を知っていたから六プリか品プリのどちらかに泊まってる筈だと思い、問い合わせたとの事だっだ。
「ホテルまで行ったんだよ、お守り持ってね…」でも、ミサネェは僕の邪魔をしてしまう事を恐れて…黙って帰ったとの事だった。
僕も、ミサネェから連絡がなかったから連絡しにくかった…それにエリカとの事もあったし。…本心を伝えた。
「でね、シンちゃんがアメリカに旅立つ直前に竹山から電話があったのよ」竹山さんに、シンちゃんが好きなら捕まえろ!ダメなら俺の所に帰ってこいって…
「いい奴だよね、竹山」それで自問自答を繰り返して…エリカに会ったそうだ。
「シンちゃんの心の中にエリカちゃんがいるの…わかるよ。それにシンちゃんが私をフィルターにしてエリカちゃんを見ているのもね」ミサネェはそっと僕の手を握り…
「シンちゃんにとって、都合のいい女でいいよ」
「そんな所だけミサネェにならないで下さい。そこは…ミサでしょ?」俯きながら呟いた。
「ミサネェの事、大好きです。でも、まだ整理出来ない自分もいます。」僕にとってミサネェの存在は憧れであった事、遠い存在であった事…好きになる事が無駄な存在であった事…を説明した。
「だから…もう少し大人になるまで、追い付くまで。狡いけど…このまま待ってて貰えませんか?」
バークレーの学生が奏でるサックスの音色がBGMになっていた。
「おばさんになるまで待つ。もう自分の気持ちに嘘はつきたくないの」ミサネェは涙ぐみながらキスを求めた。
サックスの練習を聴きながら、取り留めのない会話を続ける…
「そろそろ着替えの服がないのよね。シンちゃんに食材をって詰めてたら服が入らなかったの」もちろん、こっちで買い足していくつもりで来たそうだが。
「それじゃ一緒に買い物に行きます?」
297 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 04:06:17
ニューベリーストリートでミサネェの買い物に付き合う。バナリパ、agnes b.…古着屋、セレクトショップを覗いた。
ミサネェがランジェリーショップに入ったので僕は隣の古着屋でBIG Eの501を買うかどうか悩んだ。日本なら即買いだったが、こっちでは$25でも高い気がする。
ミサネェが戻って来ないのでチェルシーのエミリオプッチのシャツとデニムを合わせて買うからと値段交渉をしていた。
結局$39で交渉成立した時にミサネェが店に入って来た。ミサネェの買い物も済んだようで僕達はそのままリッツカールトンのマキシムまで行き、クレープをテイクアウトしてからボストンコモンでクレープを食べた。
「デュカキスが選挙で負ける前はバスも地下鉄も半額だったそうですよ」
「へぇ〜。あっちは?」ミサネェの指す方向は市役所があり、リトルイタリーの方向だった。僕はまだ行った事がなかったので、ミサネェがいる間に行く事を約束する。
そろそろ約束の時間が近かったのでグリーンラインに乗り、僕達は部屋に戻った。着替えてから二人でクラスメートのアパートに向かう。途中の酒屋でビールを2ケース買い、差し入れにする。
298 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 04:08:02
アパートに着くとホストがミサネェを皆に紹介して回った。ミサネェもすぐに打ち解けて輪の中で楽しそうにしていた。
僕もロシアから来ていた40代後半のミーシャとかなりスローな会話を楽しんだ。
9時を過ぎて、そろそろ次のパーティーに行く事をホストに伝え二人分の会費を支払った。ミサネェは既に出来上がっていた。
「みんないい人達ねぇ」ミサネェは陽気に歌いながらハンティントンアベニューを歩いている。僕は少し恥ずかしかった。
エグゼタータワーの近くのリカーショップで日本酒を買い、差し入れにする。ミサネェのテンションの高さが少し心配だったが、
アパートに入るとエレベーターの中でサクッと化粧直しを済ませていた。部屋に入ると…まんま日本の飲み会のノリだった。
「ウチのシンジがいつもお世話になってますぅ」ミサネェは皆に姉キャラを爆発させていた。半数以上の人が面識なかったし僕も面倒臭かったので、否定するのを諦めていた。
暫くするとミサネェが本当の姉と信じた何人かは真剣にミサネェを口説いていた。僕も他の大学の人達から学校の話や人間関係についての情報収集をしていた。
NE MIT UMASSの話は面白かったしラドクリフに通っている女性は同郷で、ミサネェの事を知っていた。ラドクリフの女性はミサネェと僕が僕の様子から付き合ってる事に気付いて驚いていた…。
「彼女の好みはシンジ君なんだ?」
「いや、そんな事ないですよ」それから神戸の話に花が咲いた。彼女は大学の時に竹山さんのプレイしていた箱によく遊びに行ってたそうで、そこで竹山さんとは面識があったようだった。
「竹山友の会に参加された事あります?」彼女は知らないと答え、僕が竹山さんの弟子だと言うと驚いていた。
「なんで竹山なの?」ミサネェが僕の横に戻ってきたので改めて紹介をする。ミサネェも心あたりがあったのかなかったのか…変な盛り上がり方をしていた。
日付が変わる時間になり、そろそろお開きになり…CITIに流れるグループ、帰宅組、ザンジーバーに流れるグループに別れた。
ラドクリフの彼女は僕達のアパートの近くだったので、電話番号の交換をしてから三人でタクシーを拾った。彼女を先に降ろし僕達のアパートに着く頃にはミサネェは僕に凭れて眠っていた。
うわ、一気に読むのが勿体ないのでコーヒーをいれるか。乙です。
300 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 04:50:52
タクシーからミサネェを引っ張り出し、担ぐようにして部屋に戻って…僕はミサネェにペリエを飲ませた。
「オシッコ」僕はミサネェを抱えるとバスルームまで運んだ。いくらなんでも脱がせて…それは出来なかったし、ミサネェも正気に戻り頭を掻きながらバスルームのドアを閉めた。
ミサネェのほうり出したバッグを机の上におき、少し肌寒いのでヒーターを入れた。
「顔、落とすよ〜」そう言うとミサネェは顔を洗い出した。化粧を落としてミサネェがバスルームから出て来たら、酔いも殆ど醒めていた。
「あまりにも俺の部屋に来ない?ってしつこいのがいたから私はブラコンなのって言ってやったよ」ミサネェはパジャマに着替えながら僕に話し掛けた。
「そしたらロイクがいいんだ?だったらブラザーを紹介しようか?だって」着替えを終えたミサネェがペリエに口をつける。
「しつこいから私はブラコンでも本当のブラコンだからシンジ一筋なの!って言ってやったらビビってたわ」
「えっ!」次のセメスターが始まったら変な噂が立ってないか少し心配だった。
ミサネェは僕の着替えをニヤニヤしながら見ている。
「えぇ身体やな、むしゃぶりつきたくなるわ」ミサネェはわざと下品に舌舐めずりする真似をする。僕が短パンに履きかえようとデニムを脱いだら
「あっ、シンちゃんにプレゼントあるんだ」そう言って買い物袋から小袋を取り出した。これ、履いてね…そう言って差し出された袋の中身を見たら、それは男性用のかなり際どいビキニだった。
「こんなの恥ずかしいですよ」
「ダメ、シンちゃんにはもっとセクシーになって貰いたいの」そう言いながらミサネェは僕のトランクスを脱がした。僕に後ろが褌のようになっているTバックを無理矢理穿かせて、一度確認してからビキニの上から刺激した。
ミサネェは僕に机の上に手をつかせて、ビキニをずりさげてから…僕の足元にしゃがみ込んで、カチカチになった物を口に含んだ。
「あっ!ミサネェ…ダメ、汚れてるし…」ミサネェはゆっくりとした刺激から急に吸い込むように刺激したりする。
「恥ずかしいよ…」本当に恥ずかしかった。
5分程で…立ったままイカされた。初めての経験だった。
301 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 12:28:00
「シンちゃんの…美味しかった」ミサネェは顔を赤らめながら、そそくさとベッドに潜り込んだ。僕は床に崩れるようにヘナヘナと座り込んだ。
息が整うのを待ち、洗面所で顔を洗い歯を磨く。明日は久しぶりに起きる時間を気にしないで済むと思うと幸せな気分になれた。
ミサネェの横に潜り込んで顔を覗き込むと、ミサネェは既に夢の中だった。
「おやすみなさい」そっとキスをすると…僕も簡単に眠りに落ちた。
アラームなしでも7時過ぎには目覚めた僕はミサネェを起こさないようにベッドを抜け出し、アサイメントに手をつけた。
2時間程アサイメントをこなし、英会話の本を読んでいた時にミサネェが起き出した。
「おはよう。うーん、よく寝たぁ」ミサネェはベッドの中で大きく背伸びをした。
「おはようございます。朝ご飯食べます?それとも、シャワーしますか?」ミサネェが日本茶をリクエストしたので、僕はケトルで湯を沸かした。マグカップでお茶をいれ、ミサネェに渡す。
「ありがと。」ミサネェはニッコリ笑うとお茶に口をつけた。
「ねぇシンちゃん、昨日…帰ってきて…私にエッチな事しなかった?」ミサネェは恥ずかしそうに僕に尋ねた。
「いえ、エッチな事はされましたけど。僕はしていませんよ」僕の答えを聞いてミサネェは顔を赤らめて毛布に潜り込んだ。
「朝ごはん、私が作るね」ミサネェは毛布の中からくぐもった声で話し掛けた。
僕はミサネェの横に滑り込むように布団の中に入り、ミサネェに抱き着いた。
「昨日、僕がされた事をお返ししてもいいよね?」そう言うといきなり下着の中に手を入れた。
「ぐっしょりですよ、ミサネェ…エッチですね」僕はキスで口を塞ごうとするミサネェをかわして指の動きを強めた。
「…あっ…うぅっ…ごめんな…さい…」ミサネェの吐息が僕を興奮させた。パンティを短パンごと強引に脱がせ、ミサネェの敏感な部分に舌を這わせた。
ミサネェが昇りつめるまで時間はかからなかった。
「お願い…少しだけ…欲しい」
「いれて下さい」ミサネェが何度も繰り返すのを聞いて僕はゆっくりとミサネェの中に入っていった…。
302 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 12:30:04
「もう…今日はクジラさんの日でしょ」ミサネェは少し怒ったような顔をして抱き着いてきた。
「ホェールウォッチング、間に合いませんよ。」結局、鯨を見に行くのは明日にして、今日は旅行の荷造りと…ボストン美術館に行く事にした。
ミサネェが裸のままシャワーに向かおうとした時、僕は机の所でミサネェを捕まえた。そして机の上に手をつかせて僕は後ろから指でミサネェを刺激した…。
「いや、恥ずかしい!ダメ、シンちゃん、お願い!」僕は容赦しなかった。何度も座り込みそうになるミサネェを立たせて、僕は責め続けた。
「ミサネェ、昨日の僕はもっと恥ずかしい思いをしたよ」そう言うと僕は少し硬くなったモノを挿入した。ミサネェの中でゆっくり硬度が増すのがわかる…。
ミサネェが風呂から上がったら既に昼前だった。
ブランチは純和風でご飯に卵焼きにのり、加島屋の鮭…味噌汁だった。
「ごめんねシンちゃん。シンちゃんにご飯、用意させちゃったね」ミサネェはそういうと美味しそうにご飯を食べ始めた。
僕が後片付けをしてからシャワーを浴びている間にミサネェは化粧と着替えを済ませた。
歩いてボストン美術館に向かう、途中でノース イースタン大学の前を通る。45分ぐらいかけて美術館に着いた僕達は午後を美術館で過ごした。
閉館前にスーベニアショップでミサネェは絵葉書やリトグラフを購入した。帰りはグリーンラインでコップリー迄もどり、アムトラックの指定席のチケットを購入した。
ダウンタウンまでタクシーで行き、ミサネェ念願のファイリーンズベースメントで買い物をした。ミサネェの買い物が終わったのは閉店間際だった。
晩御飯はパスタビーノでラザニアやパスタをシェアして食べ、食べ終わるとクィンシーマーケットをぶらぶら散歩した。
「夢のようだわ…こうしてシンちゃんと過ごせるなんて、幸せ」
「僕も三日前までは考えられなかったですよ」
帰りの地下鉄の中ミサネェは僕の手を一度も離さなかった。
心なしか、表向きの切なさがちょっと少なくなった気がする。
紫煙。
多分ミサネェが帰国してからじゃね?
今でも充分切ない(ノ_・。) どう考えてもミサネェ×シンジでシャンシャンにはならないだろうし。
こんなん書いたら叩かれそう的、私怨
でも今までの流れの壮大さ?を思うと、
ミサネェが帰国後、忘れた頃にエリカ来襲となってミサネェが再び思い出の中へ・・・
という展開が想像できなくもない。
306 :
fusianasan:2008/02/19(火) 14:32:14
まぁまぁ、予想はおいといてシンジ氏を支援しましょうよ。
自分的にはエリカはもういいよ。
ミサネェが一番シンジさんを幸せにしてくれそうな気がする。
力いっぱい支援
309 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 22:37:18
部屋に戻りオレンジを食べながら荷造りをする。帰りはシャトルを使う予定だから問題なかったが、出来る限り荷物を減らす事にした。
「パンツ、裏表で穿いたら一枚で済みますね」冗談半分で言ったのだが、睨まれた。一応、一回はキチンとした食事を摂ろうとの事で僕はスーツを着用して行く事になった。
二人分を合わせてもボストンバック一個で納まった。
「旅の上級者は荷物が少ないものよ」ミサネェは絶対にニューヨークで買い漁るつもりだと僕は確信していた。
荷造りを終えてミサネェが風呂に入ってる間、僕はアサイメントの続きをした。
ミサネェが風呂から上がり、残ってたオレンジをパクつきながら英会話の本を手に取った。ミサネェもぶつぶつ言いながら英会話の勉強を始めた。
2時間程が過ぎ、ミサネェの方を見ると既に深い眠りに落ちていた。僕も勉強を終えてミサネェの横にそっと潜り込む。
急な事の連続で気付かなかったが、家族以外の誰かと…これだけ長い時間過ごすのは初めてだった。とりわけ高校に上がって以降は家の中では殆どの時間を一人で過ごしていたから、誰かと暮らすという事はかなりのストレスになると思っていた。
もちろん寮生活を予定していたから、それなりの覚悟はしていたがまさかミサネェと短期間とはいえ、暮らすなんて思いもしなかった。
ママゴトの延長みたいな生活だが、僕には心地よかった。
310 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/19(火) 22:51:05
エリカは何をしているのだろう?アメリカで暮らし始めてから、ホームシックに罹るのが恐くて意識的にエリカの事を考えないようにはしていた。
今日は…ミサネェが横で眠っているから安心なのか…結局、誰かに縋り付きたいのは僕だった。なんだかミサネェを利用しているようで…僕は自分が嫌になった。ミサネェが側にいるからエリカの事を考えられる…ミサネェに全てを見透かされているような気がした。
ダラダラと時間だけが過ぎていくが、僕に答えなんて出せる筈もなく無性に苛々した。
ベッドから抜け出しタバコに火をつける。窓を開け、外の空気を吸い込む。遠くでパトカーのサイレンが鳴り響く…。
こっちに来て、危ない目に遭った事はなかったが、サイレンの音を聞かない日はなかった。
二本のタバコを灰にして僕は歯を磨き…答えのない、曖昧なまま眠りについた。
7時にアラームが鳴り、ミサネェが先に起きた。朝ごはんを用意しようとするミサネェに寮で朝ごはんを食べる事を提案した。
僕が学生証と現金で、ミサネェがミールクーポンを使えば大丈夫だった。ミサネェも滅多にない機会だからと喜んでいた。
デニムにシャツ姿で寮に向かう。入口で学生証とミールクーポンを渡し、一人分の料金を支払う。
「私、学生で通用するかな?」僕は充分通用していると答えたが、ミサネェは年齢を気にする年でもないと思った。
サンドイッチをオーダーするのだが、パンだけでも何種類もあるしチーズもそう。
ハムに至っては10種類はあった。ポタージュだけは避けるべきとアドバイスはしたが、サンドイッチのオーダーはチャレンジするように言った。
「なんかシンちゃん、大人びた発言やね」ミサネェは嬉しそうに言った。
「ソフトクリームサーバー見て喜んでる人に言われたくないですよ」実際、ミサネェは最初にデザートのコーナーに行こうとしていたのを僕が止めた。
「…シンちゃん、これ食べて」ミサネェは食べかけのサンドイッチを僕に渡して、こんな筈じゃない、と再度オーダーしに行った。
3ドル足らずのモーニングに美味しい物なんてないのに…そう思った。
みさねぇ、レイプされるなんてオチはイヤだーo(>△<)o
312 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/20(水) 12:47:01
次にミサネェが持ってきたサンドイッチはかなりのボリュームで半泣きの表情で机の上に置いた。
「ミー・トゥー作戦でしょ?知りませんよ」ミサネェは最初は自分で頼むつもりだったのだが、毎日食べてる学生の方が通の筈だから…そう言い訳した。
「ゴツイ体育界系の後ろにでも列んだんですか?」泣きまねをしながらミサネェが指さしたのは普通体型の女の子だった。僕は噴き出しそうになるのを堪えながら
「分解してパーツごとに攻略しましょう、僕も協力しますから」ミサネェはもう一度、さっきの女の子を見てから力なさげに頷いた。
大量のサンドイッチをジュースで流し込んだのは…僕だった。戦意喪失したミサネェは食べるのを諦め、僕が苦心しているのをニコニコしながら見ているだけだった。
「デザートいいかな?」僕は絶対に要らないし食べないからと念を押し、許可した。
暫くしてミサネェがバランスをとりながら戻ってきた…35aはある巨大ソフトクリームだった。しかもグロテスクに彩られていた。
「アホやろ?」僕は呆れ返った。
「ちゃうねん。止め方がわからんかってん」ミサネェは変な関西弁で言い訳をした。
「その気持ち悪いデコレーションは?昨日のファインアートにはそんな前衛的過ぎる作品はなかったよね?」
「えぇねん。ウチが一人で食べるさかいに。でも、ウチのお腹が痛くなったらシンちゃんが看病しなあかんねんで。ピーやで」僕はミサネェの変な脅しに屈したら完璧に尻に敷かれると思い、心を鬼にした。
「コーヒー、取ってきます。ミサネェも飲みます?」
「シンジの馬鹿〜」
「早く食べないと二次災害が起きますよ」僕が席を立つとミサネェはソフトクリームを食べ始めた。
313 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/20(水) 12:48:55
僕が薄いコーヒーを入れて戻ってきた時にはミサネェは既に食べるのを諦めていた。
「もう、無茶はしません。たっぷり反省しました、シンちゃんコーヒー」全然反省してないやん…僕も甘いなぁって苦笑いでミサネェにコーヒーを渡した。
ミサネェとコーヒーを飲み、グロテスクなバーバファミリーのようになったソフトクリームを処理してからドームを後にした。
「早く行かなきゃクジラに間に合いませんよ」僕達は地下鉄を乗り継いでクインシーマーケットに向かった。
チケットを買い、僕達は乗船までの間マーケットをぶらぶらウインドウショッピングをした。
「帰りにランジェリーを買ってもいい?シンジがエッチな事ばかりするから足りなくなっちゃった」ミサネェがペロッと舌を出す。
そういえば…ミサネェが冗談を言うのはいつもの事だけど、最近のミサネェは甘えてくれている…少しは大人として認めてくれているのかな?それとも、僕を大人扱いしようとしているのかな?前者なら嬉しかった。
乗船開始してすぐに船は出港した。艦内アナウンスが流れるが波の音とエンジン音で掻き消される。一時間以上変わらない景色を見ていると反対側から歓声が沸き起こった。
ミサネェが小走りに歓声の方に向かう。
「シンちゃん、ほらイルカ!」ミサネェがカメラを取り出し写真を撮る。
「ほら、カメラ貸して下さい」僕がイルカをバックにミサネェをファインダーに収める。多分、イルカは写っていない…でも、ミサネェの笑顔を残したかった。
イルカがいなくなり暫くは海だけが続く…ミサネェは僕の腕にしがみついてきた。
「寒いんでしょ?」僕は羽織っていたパーカーを脱いでミサネェをパーカーでくるんだ。ミサネェは幸せそうな表情でパーカーの袖をギユッと握りしめた。
逆方向から歓声が沸き起こり、クジラを見つけたのがわかった。すぐにこちら側でも歓声が起こる、至近距離でみるクジラはかなり巨大だった。ミサネェも僕も初めての体験に感動した。
314 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/20(水) 12:51:46
クルーの話では親子クジラやクジラの潮吹きまで見れた僕達はかなりラッキーな体験が出来たらしい。昨日は一日中クジラと遭遇出来なかったとの事だった。
「シンちゃんが朝からムラムラしたおかげだね」ミサネェは真顔で言い放った。
帰りは客室に篭ってひたすら寝る事にしたミサネェと僕。船が港に戻ったのは夕方前だった。ミサネェのリクエスト通りにランジェリーを買いに行く。僕は店の前で待っていたかったが、彼氏が彼女の下着を選ぶのが大人の恋人なのよ…と押し切られた。
ミサネェの下着選びはかなり難航した。途中で僕はタバコを吸いに出た。
成績報告をしようと公衆電話からコレクトコールで日本に電話する。
「あっ、お母さん。おはよう…そっちは朝方?」僕は手短に成績報告をした。八月の終わりに帰省するなら飛行機代も送金すると言われたが、それならアメリカを旅行したいとわがままを言って電話を切った。
店に戻るとミサネェがレジで支払いをしている所だった。レジのお姉さんがミサネェの事を褒めるので、僕は丁寧にお礼を述べた。
「ご飯、どうします?和食、イタリアン、中華、屋台…」ミサネェは久しぶりに中華が食べたいと言うので、チャイナプレートの店はやめてフォーシーズン裏のジョイス チェンに行く事にした。
「噂ではかなり美味しいらしいですよ」ファーストフード系中華は脂っこくてマズかったので、僕は苦手だった。
「北京ダック!」ミサネェがメニューを見て北京ダックを食べる事を主張した。値段を見るとそれ程高くなかった。スープと北京ダック、肉キノコ炒めと焼飯をオーダーした。
ボストンでは安くて美味しいと評判なだけの事はあり、不満なく食べる事が出来た。
「今度は三人か五人できたいね」ミサネェの持論でカップルで中華はナンセンス、中華は三人で食べると品数を多く食べられるからベスト四人なら二人前頼むからダメ…力説している。
僕は生まれて初めて北京ダックを食べた。
315 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/20(水) 13:01:53
帰りに日本語の新聞が読みたい…僕のわがままにミサネェはマリオットホテルに立ち寄るのに付き合ってくれた。
この時間に行くと日本語の新聞を無料で貰えたから、僕は時々この時間にマリオットホテルに行っていた。
「ミサネェ、消費税ってどうなの?」僕は新聞を見ながら消費税についてミサネェに聞いた。結構面倒な事だと言っていたがボストンもセールスタックスが導入されてたから、あまり変わらないとの事だった。
マリオットからスターマーケットを経由して部屋に戻ったらかなり遅い時間になっていた。
エントランスで郵便受けをチェックしたらエリカから手紙がきている。動揺するのは嫌だったが、ミサネェに辛い思いをさせるのも嫌だったのでミサネェに気付かれないように手紙をそっとポケットに忍ばせた。
ミサネェが風呂に入っている間に僕は手紙を開封したが、内容は近況報告だった。エリカはミサネェと会った事については一切書いていなかった。エリカからの手紙…嬉しい筈なのに、一通の手紙で動揺したり不安を感じるのが嫌だった。
ミサネェのシャワーを止める音とともに僕は手紙を仕舞い、少し動揺していたが気付かれないようにミサネェと入れ代わりにバスルームに入った。
「ロイヤルトンもモーガンズも楽しみだねぇ」風呂上がりの僕にミサネェは話しかけた。最初は一人で計画していた旅行だったがミサネェにかなり修正されていた。ロイヤルトンもモーガンズも何の名前かさえ知らなかった。
結構昔の話なんですね。それでも文章が初々しい。
また、これだけ経ってなお、一時中断せざるを得なかった所に、思い出の深さを感じます。
ミサネェとシンジが幸せになるのが1番だと思う。
ミサネェはシンジを命懸けで愛してるような気がする。
このお話の本質は愛することと愛されることについてだと思う。
318 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 01:25:08
ミサネェとベッドに入る、すぐにキスを求められる。
「シンちゃん…いつの間にか大人になっちゃったね」
「そうですか?大人になりたいと思っていますけど」僕の何処が大人なんだ…何も出来ない子供じゃないか。自分が情けない…そんな気がした。
「私ね…シンちゃんだけだよ。多分、シンちゃんが最後」
「…うん。…ありがとう…」僕は、僕にはそう答える事しか出来なかった。ミサネェの唇に僕の唇を重ねた。
その日僕は朝方までミサネェを抱き続けた。
7時に目を覚ますとミサネェは部屋にいなかった。シャワー?そう思って起き上がりタバコに火をつけた。
机の上におにぎりが置いてある。キッチンにペリエを取りに行くとドアが開く音がする。振り返るとミサネェが洗濯物を抱えて部屋に入ってきた。
「おはよう、おにぎりはアムトラで食べるんだから食べちゃダメよ」
「おはようございます。洗濯ですか?」
「うん、帰ってきて洗濯物溜まってたら嫌でしょ」ミサネェは洗濯物をクローゼットに仕舞うとシャワーに向かった。
僕は窓を開けて空気を入れ換えた…
ミサネェがシャワーから上がると僕も入れ代わりにシャワーを使う。ミサネェから時間ないよ、と追い立てられ慌てて用意をした。
戸締まりをしてコプリーまでの道を急ぐ、朝の空気は少し冷たかった。
駅に着き僕達の乗るアムトラックを探す。
「8時間ぐらいかかるそうですよ」
「たっぷり眠れるやん」
「寝るんですか?」
319 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 01:52:20
アムトラックが動き出し街の風景がゆっくりと変わる…ミサネェとおにぎりをパクつきながら景色を眺める。僕が二個目のおにぎりに手を伸ばした時にはミサネェは眠っていた。
ジャケットを脱ぎ、ミサネェの肩からかける。ありがとうの言葉の代わりにそっと指を握ってきた。
途中でサービスカーに行きジュースを買う。タバコに火をつけてジュースを飲んでいる時にミサネェが起きた。
「う〜ん、おはよう。」ミサネェは僕のジュースを取り上げ、一口飲むとどれぐらいで着くのか聞いてきた。
「ほとんど寝てましたね。アムトラの意味ないやん」
「トランプで行ったら早いのに、シンちゃんが電車って言うから」大陸を直に感じれるから楽しみと言ってたミサネェは何処に行ってしまったのか…
それでもアムトラックがセントラルステーションに到着した時には悠久の時間を感じるとか言っていたのには苦笑した。
駅に着いて大きく背伸びをしたミサネェは歩いてホテルに行こうと僕を誘った。
30分程歩いてロイヤルトンに到着、そこで初めてロイヤルトンがホテルの名前だと気付いた。
「GAULTIERのプロデュースらしいよ」ミサネェがチェックインを済ませてくれた。
暗いロビーに廊下を抜けて宇宙船をイメージした部屋に入る、まるでラブホテルのようで僕もミサネェも顔を見合わせた。
「まぁ、こんなもんよ。最新のホテルねぇ…明日に期待しましょ」ミサネェは荷物を置くと僕に抱き着いてきた。僕はミサネェを抱きしめ…スカートを捲くって下着だけを脱がせて…舌を使った。
「だめよ…あ…シンちゃん…お出かけ…」ミサネェがイクまで時間はかからなかった。
「どうして…」ミサネェは荒い息をしながら僕に尋ねてきた。
「急にミサネェが欲しくなったんです」
「でも、シンちゃんは入ってくれなかったよ」
「ミサネェの感じてる時の顔、好きなんです」僕がそう言うとミサネェは頬を赤く染めて…ベッドに伏せた。
ミサネェの息が整うのを待ってから部屋を出た。
「本当はアトランティックシティにも行きたかったのよね」
「博打ですか?」
「うん。シンちゃんと一生遊んで暮らせるだけ稼いで、二人で結婚するの。そしてバハマで暮らすの」何処まで本気かわからなかったが、ミサネェがギャンブルするとは思えなかった。
@@@@
321 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 02:37:50
「本当はね、こっちに来るのがギャンブルだったの…賽は投げられたから。」セントラルパークに向かいながら話していた。
僕はどう答えたらいいのかわからなかった…答えを探していた。
「あっ!ロックフェラーセンター!」意外と小さい事に僕達は驚いた。
「クリスマスの時、いつか一緒に来てくれる?」
「いいですよ。確か…この広場がスケートリンクになるんですよね?」
「うん。そして二人でビッグアップルが落ちるのを見たいな」そこまで話して、急にミサネェが恥ずかしいそうな顔をした。
「どうしたんですか?」
「シンちゃん、パンツ脱がせたでしょ?穿いてくるの…忘れてた…かも」
「かもって。確認しましょうか?」僕はそう言った後、自分の言葉に恥ずかしくなった。
「いい!穿いてるから!確認はヤメテ!」慌ててミサネェは自分を納得させるように頷いた。
「わかりました。賭けしませんか?カジノに行きたかったんでしょ?僕はミサネェがノーパンに一万ドル賭けますよ、こう見えて博才あるんです」
「じゃぁシンちゃん…シンちゃんの負け。はい、一万ドル払ってよ」ミサネェは僕に手を差し出した。
「わかりました。支払います。だけどその前に僕の負けかどうか確かめさせて下さいね、ここで」
僕がそう言うとミサネェは慌ててスカートを押さえた。
「カジノ、行かないで正解ですよ」僕がそう言うとミサネェは腕を組んできた。
「きっちり払って貰いますからね」
「じゃ…身体で払ってもいい?一万ドルも取られたら日本に帰れないもん。うん?帰れないから帰らない…このままシンちゃんとずっと一緒ってのもいいかも」
「いや、お金はいりません。身体で払ってもらいますよ、今夜」僕は悪びれた言葉遣いで続けた。
「そうだなぁ、お尻だけ丸出しで尻文字を書いてもらおうかな」僕がそう言うとミサネェは想像したのか頬を膨らませて怒った振りをした。
とりあえず下着を買おうという事になり、タニノクリスティの近くのランジェリーショップに入った。ミサネェがこっちに来てから毎日ランジェリーショップに来ている気がする、さすがに免疫がついてきた。
「シンちゃん、これ似合うかな?」僕は薄い紫の下着をセットでプレゼントした。
「なんか悪いよ、仕送りで下着をプレゼントして貰っちゃ」
「いや、僕もバイトで貯めたお金あるから。プレゼントは分けて考えてますよ」
322 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 03:07:20
実際、たまのバイトや昔から小遣いを貯めてた分が少しだがあった。
「なんか男の人に下着をプレゼントされるなんて…」
「僕もまさか十代で女性の下着屋さんに出入りするなんて思いもしませんでした」
ミサネェは下着を買った事で安心したのか、依然ノーパンのままだという事実を忘れていた。
ミサネェに連れられHERMESに入る。Tシャツが1000ドルしたのには驚いた。ミサネェもえぇ商売やな…って関西弁で毒づいていた。
セントラルパーク横を歩きバーニーズニューヨークに行く。ミサネェが見立ててシャツをプレゼントしてくれた。
その後はタクシーで一気にダウンタウンに向かった。イーストビレッジに向かう。途中タイムズスクエアを通り映画のままだなぁって感動する。
「明日、ティファニーで朝食をゴッコしませんか?もちろんノーパンで」僕がそう言うとミサネェは膨れっ面で
「ロマンチックなシンちゃんは好きだけど意地悪なシンちゃんは嫌いだな」僕はゴメンねと謝ったが、まだパンツ穿いてないよね?とは言えなかった。
イーストビレッジを歩き、色々な店を見て回る。ニューヨークはお金がなければ楽しくない街だと思った。
そのままソーホーへ移動する。プリンスストリートのagnes b.の向かいにジェリーズというカフェがあった。ミサネェも初めてのニューヨークなのに、地図を丸暗記したのか道や場所に詳しかった。
「ここのレモンケーキが超有名なの」僕はレモネードをミサネェはレモンケーキとカプチーノをオーダーした。
カフェの中でゆっくりとした時間が流れる、このまま時間が止まったら…そう思えた。
カフェを出る頃には日も落ちてきていて、今度はアーチスト作品の家具や雑貨を見てまわった。
僕はジュディブレームという人のデザインしたTシャツを購入、ミサネェはシルバーのピアスや写真立てなんかを購入していた。しばらく歩いてブルーノートの前まで来た。
「晩御飯どうする?おめん?それかリトルイタリーでパスタ?」
僕はリッツでジョンライドンのライヴかラジオシティのキュアのライヴかブルーノートでスザンヌベガのライヴが見たかったが…ジョンライドンは多分Sold outだしスザンヌベガはミサネェの好みじゃないから諦めていた。
ミサネェがスザンヌベガ…こんな所でやってんだ?見たいなぁ…
「だったら晩御飯はBBQにしてスザンヌベガにしませんか?ジョンライドンでもいいし」渡に船だと思った。
ブルーノートで当日券があるか聞いて、チケットを購入した。
323 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 03:33:52
ブロードウェイアベニュー沿いにあるBBQに入りハンバーガーを食べる。意外に美味しかったのには驚いたがミサネェがこっちに来て、初めて二人でアメリカらしい食事をした。
二人で一人前を頼んで正解だった。店員さんがそうしろと言ったのだが店員さんの言う通りだった。
ミサネェはバニラコークを頼み僕はビールで流し込んだ。
「アメリカ人が太る原因がわかるわね、そういえばシンちゃん、少し痩せたんじゃない?」
「いや、かなり太ったと思いますよ。来る前は激痩せしてましたから」それでも一年半前の僕はもう少しウェイトがあった。
時計を見ると開演時間が迫っていたので、僕達は店を出てブルーノートに向かった。
スザンヌベガのライヴはいい意味で肩の力が抜けていてリラックスして楽しめた。
ライヴが終わり余韻に浸りながらタクシーでホテルまで戻る。僕がミサネェのふともも辺りをまさぐると小声で
「シンちゃん恥ずかしい…凄く感じるから…お願い、ヤメテ」と呟いた。僕はもう少し触っていたかったがミサネェの願いを聞き入れた。部屋に戻りベッドに腰かけてライヴの感想を話した。
ミサネェの顔を見ているとキスをしたくなった。
「キス、してもいいですか?」僕はそう言うとミサネェの返事を聞かずにキスをした。
キスをしながら僕はミサネェの服を脱がせ、いきなり挿入した。
「う…ちょっと…痛い…かも」ミサネェの顔が苦痛で歪む、僕はゆっくりと腰を動かした。ミサネェが僕にしがみつく…ミサネェがイクまで我慢してから僕も吐精した。
二人で風呂に入りミサネェは疲れからか、先にベッドで眠ったが僕は寝られなかった。
もう深夜だというのに車のクラクションとパトカーのサイレンが響く。ニューヨークの夜はボストンの夜よりも煩く、そして…淋しかった。
犯罪に巻き込まれるフラグが…
うわぁぁぁいやだぁぁぁぁ
325 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/21(木) 15:38:21
ミサネェの寝顔を眺める…ミサネェの寝顔は幸せそうに見える。僕に逢いに来てくれたのは嬉しかったが、ミサネェが逢いに来たのは…今の僕なのだろうか?
一年半の月日は多少は僕を大人にしたし、体つきも男っぽくなってきているが、それは表層的な事でしかないような気がした。本質的にはどうなんだろう?
ミサネェの優しさに甘えている自分に嫌気がさす。今までもこれの繰り返しだった。
ミサネェが逢いに来たのは昔の僕だったんじゃないか…微妙なズレが大きな溝を作り上げる。今のままじゃエリカを失いミサネェまでも失う…そんな気がした。
ミサネェの事を玩具のように扱っているんじゃないか?僕の所に来る事を決心したミサネェ…果たして僕が同じ状況だったら、同じ事を出来ただろうか?男の僕ですら躊躇するのにミサネェは僕を信じてアメリカにまで来てくれていた。
賽を投げられたのは僕でどっちに張るかなんてまねは僕には出来なかった。
このままルーズな関係を続けるのはミサネェを苦しめるだけのような気がする、考えが纏まらない僕はタバコに火をつけるしかなかった。
複雑に考えるのはよそう…自分の気持ちに素直になろう。僕はそう考える事にした。
完
全
な
る
支
援
327 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 01:39:16
その日僕はミサネェの優しいキスによって目覚めた。
自然と涙が溢れてくる…そっと目を開けるとミサネェは笑顔で
「おはよう」
おはよう…ミサネェの口から発せられたその言葉は優しく、そして暖かかった。
「おはようございます」
「シンちゃん、怖い夢でも見た?ずっとうなされてたよ」罪悪感からか…僕はうなされていたらしかった。そして、ミサネェはそれに気付いてからずっと僕を抱きしめていてくれていた。
「ミサネェの事、大切なのに…」ミサネェの本当の優しさに触れたからなのか…それとも贖罪の気持ちからか…僕の涙は止まらなかった。
「落ち着くまでベッドにいよ」ミサネェはそういうとよりギュッと抱きしめてくれる。ミサネェの温もりと甘い匂いが僕の脳みそを刺激する…
「好きです」一瞬…エリカの顔が僕の脳裏を過ぎったが、エリカの事も未だに好きだが…ミサネェの事も昔から好きだった。…今更ながら気付いた。
昔からミサネェの事が好きだった…それは事実だし、自分の気持ちなんだから昔から知っていた筈だった。それなのに…すごく新鮮な感覚だった。
顔を起こしてミサネェを見ると…笑顔で泣いていた。
多分ミサネェは僕の複雑な感情の全てを見抜いていた…その時はそう思った。
「ずっと待ってたんだからね」ミサネェはそういうと僕のモノをそっと掴んだ。
「少しだけ欲しい…シンちゃんを感じたい…の」そういうとミサネェは恥ずかしそうに足を開いた。僕は素直にミサネェの中に入っていった。
「お願い、動かないでね…シンジと一つになっている事を感じたいの」僕は身体をズラしミサネェも横になり、抱き合う形になった。
328 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 01:40:33
暫く抱き合っていると幸せな気持ちが僕達を包み込んだ。そして…
ミサネェと二人でシャワーを浴びる。
「そういえばミサネェ、尻文字…忘れてますよ」
「シンちゃんヒドイ…私を玩具にするの?」
「賭けは賭け。それじゃ…罰としてずっと側に居て下さい」
「…え」
「ずっとですよ。」
「はい!」ミサネェは元気よく答えた。
シャワーを浴びて髪を乾かしながらミサネェは恥ずかしそうに
「シンちゃんを友達や会社の女の子に紹介するの恥ずかしい…な」
「なんで?」
「友達はみんなシンちゃんの事を知ってるし…絶対に私が夢中になったってバレちゃうもん」
「それに会社の同僚だって…私が無理矢理に有給休暇を取ったの知ってるもん。なんかエッチじゃない?」
「じゃぁ内緒にしたら?」
「前の私ならそうしてたかも。でも、多分…幸せ過ぎてバレちゃうもん」ミサネェの嬉しそうな顔を見ていて、僕も嬉しかった。
そしてサクサクっと用意を済ませてメトロポリタン美術館に出掛けた。
「行くぞ、少年!」ミサネェはCapを被りながらいつもの口調に戻った。メトロポリタン美術館の全ての展示場を見るのは不可能だったので、ピンポイントで作品を見て、カフェで朝食を摂った。
部屋に戻りチェックアウトを済ませ、モーガンズに移動する。チェックインには早かったが先にチェックだけ済ませて荷物をクロークに預けてから僕達はSOHOに向かった。
「今夜は貿易センタービルの最上階でディナーね。そしてマースかトンネル、ライムライトにでも踊りに行こうよ」
「お任せします。」
「明日は朝ご飯はリッツで…それからセントラルパークを散歩して部屋に戻ってセックスしてからチェックアウト。荷物を預けて買い物…帰りはラガーディアからトランプかユナイテッドね」
「ちょっと予定に無茶ありましたよ…」
329 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 01:48:06
SOHOやオフブロードウェイでミサネェの買い物魂に火がついた。キールズで化粧品を買ったりアチコチでアクセサリーや服を物色する。ボストンにもあるブランドはタックスの関係でスルーするが、夕方までミサネェの買い物は続いた。
ホテルに戻り部屋を見ると…コンクリート打ちっぱなしのDCブランドの店みたいな部屋だった。
ミサネェがシャワーを浴びてドレスアップしたい…そう言うので僕はバスタブに湯を入れ、その間にミサネェの服を脱がした。
「汗かいたし…トイレも使ったからいや…」そういうのを無視して、僕は唇でミサネェの全身を愛撫した。ミサネェの息が荒くなったのを感じた時、アイスペールが目に入った。
僕はアイスペールに手を伸ばし氷を一つ取り出し口に含んだ。口の中で氷が溶け出すのを待ってミサネェの身体に雫を垂らした…。ミサネェの身体が跳ね上がる、ヤメテ!冷たい!と言いながらも更に息が荒れる。
ミサネェの身体を持ち上げ、尻を突き出すようにさせる…腰をくねらせて恥ずかしがるのを僕は押さえて舌を這わせた。
ミサネェが深くイクのを確認してからシャワーを止め、僕はミサネェの身体を抱きしめた。
「シンちゃんは欲しく…ないの?」
「時間がないですよ。帰ってきたら続きを、ね」
ミサネェはのろのろと起き出して大きく溜息をつくとバスルームに向かった。
ミサネェの後に僕もシャワーを浴びる。
ミサネェが髪をセットしたりメイクをしている間、僕はベッドでぼんやりミサネェを眺めていた。
ミサネェの用意が出来上がり後は片付けるだけとなり、僕も用意を始める。息を飲む…そういう表現がピッタリ合う、それぐらいミサネェは美しかった。
「ミサネェ、綺麗です」
「本当?」
「僕がもう少し大人になったらリモを用意してヘリコプターでナイトクルージングをプレゼントします」
「約束ね、お姉さんも女を磨いて待ってるから」僕はミサネェがプレゼントしてくれたシャツにグレーのスーツ、ミサネェは黒のホルターネックのワンピース姿で貿易センタービルに向かった。
330 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 02:15:40
ボーイに案内されてテーブルにつく。ミサネェが慣れた雰囲気で僕をさりげなくリードしてくれる。
「なんか慣れてますね、カッチョイーです」
「私も見よう見真似よ、女は度胸!」そうは言うもののミサネェがお嬢様だと言う事を思い出す。
食事はまぁ普通…お世辞にも美味しい!とは言えなかったし、夜景もあまりにも高いから綺麗と言うよりは迫力があった。それでも綺麗なミサネェを見ているだけで僕は幸せだった。
2時間程かけてディナーを済ませる。時計を見ると10時を回っていた。チェックを済ませレストランを後にする。エレベーターが上がってくるまでフロアーを探索する。
レストラン以外は会議室で…僕とミサネェは顔を見合わせて会議室に忍び込んだ。窓際に立つのが怖く感じる程の高さで、眼下にある車が米粒程に見えた。
自然に顔が近付き…僕はミサネェを抱きしめ、キスをした。10分…20分とキスが続く。
そのまま…服を着たまま僕はミサネェを窓に手をつかせ…パンティを片足だけ脱がせて後ろから抱いた。
「ダメだょ…誰か…きたら…怒られ…る…」
「下を見てごらん」ミサネェが下を見る…緊張のせいか恐怖のせいか中が絞まる…
ピッチを速めるとミサネェの身体が小刻みに痙攣をする。僕も我慢出来なかった。
その時…初めて…中に出した。
ポケットからティッシュを取り出し、宛がいながらそっと抜く。ミサネェは下を向いたまま目を閉じていた。
衣服を整え会議室のテーブルに座り二人で落ち着くのを待つ。
ミサネェは会話の代わりにキスを求めてきた。
暫くして、そっと会議室を抜け出しエレベーターに乗り込む。
「今日はクラブはパスしない?次のニューヨーク旅行で行こうよ」
「疲れちゃいました?」
「ううん…シンちゃんとギュッてしてたいの」
僕達はタクシーに乗り、途中でグロサリーで果物を買ってホテルに戻った。
二人やり過ぎW
332 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 13:24:10
「大丈夫だからね」部屋に戻るとミサネェは明るい表情で僕に囁いた。
グロサリーで買ったポーランドスプリングスのガス入りミネラルを開け、グラスに注いだ。
「勝手な事してごめんね」
「ううん、シンちゃんが愛してくれたんだもん。嬉しい、それにもうすぐ女の子の日だもん」
「……。」
「シンちゃん抱っこ!」ミサネェの側に行き、僕はミサネェをお姫様抱っこのように持ち上げ、ベッドに運んだ。ポンっと投げるとミサネェは軽い悲鳴を上げながらベッドに投げ出された。
僕はそのまま覆い被さるようにしてミサネェを抱きしめた。
「このまま日本に帰りたくないなぁ」
「イリーガルになりますよ」
「ねぇシンちゃん、もしもね…」ミサネェは話し始めた。
次のセメスターは無理にしても九月から留学…若しくは転職でアメリカに来たら、ミサネェが僕の元に来たら…って話だった。
「そりゃ嬉しいし、一緒に暮らしたいです。」
「迷惑じゃない?」
「迷惑じゃないです。迷惑じゃないけど僕がミサネェに迷惑をかけるかも…転校や転部すれば状況によりミサネェと離れて暮らす事になりますよ」
「シンちゃんの言葉を聞いて安心した。どうなるのかわからないけど逐一相談するね」
「うん」僕はミサネェに溺れていった…
朝、ミサネェに叩き起こされる。
「リッツの朝ご飯!」僕は眠い目を擦りながら用意をした。
僕らは散歩がてらにリッツまで歩く事にした。
333 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/22(金) 13:31:38
「シンちゃん、リッツやめようよ。高い!ちゃち!それに客は日本人ばかり!」せっかく歩いて来たのに二人でこんな朝食は許せない!ミサネェは朝からテンションが高かった。
僕らは屋台でプレッツェルとハニーアーモンド、飲み物を買ってセントラルパークに向かった。手を繋ぎながらアーモンドをパクつくミサネェ。
僕らは公園のベンチに座ってプレッツェルを食べ始めた。
「何年かに一度はこうしてセントラルパークに二人できたいね」
「いいですね」
僕達は昼前まで公園で過ごした後、ミサネェの予定通り過ごした。
荷物を抱えてボストンに戻ってきた時…夜の10時を過ぎていた。
「学割凄いね」シャトル便が学割でミサネェの半額の$50で乗れたのに驚いていた。
「ボストンは学生証さえあれば美術館や博物館とかはタダですよ」僕がそう付け足すとミサネェは絶対に留学する!留学して毎日ボストン美術館でお茶する!と宣言した。
そんな理由で留学する人はミサネェしかいない…僕はそう思った。
「ミサネェ、疲れたでしょ?先にお風呂どうぞ」僕がバスタブに湯を入れてミサネェを促す。ミサネェはササッと鍋でご飯を炊き始めた。
「お茶漬けでいいよね?」
「後は僕がやるからミサネェは先にお風呂」
「ハイハーイ」ミサネェがバスルームに入るのを見届けると、吉野屋で買った漬物を皿に小分けし出し巻き卵を作った。テーブルにミサネェの持ってきた加島屋の鮭や梅干し等を並べる。
一瞬だけ鍋のフタを開けてご飯を確認する。余熱でふっくらするのを待つ間、お茶を沸かした。
ミサネェが風呂から上がる頃にちょうど晩御飯が出来上がり、ご飯を食べ始めた。
「なんか日本にいるみたいですね、日本食バンザイ」
「そうねぇ、明日から出来るだけおうちでご飯にしましょ」
遅めの晩御飯を済ませた後、ミサネェが片付けをし僕は風呂に入った。寝るまでの時間、ミサネェとゆっくりとした時間を過ごした。
このままミサさんとシンジさんが幸せになって欲しい。でも、エリカさんにもハルホさんにも幸せになって貰いたい。
335 :
fusianasan:2008/02/22(金) 21:23:31
久しぶりに一人エッチしちゃいました
336 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 01:07:57
次の日…ミサネェに起こされ、僕は朝ご飯の用意の買い出しに行かされた。
部屋に戻るとミサネェは洗濯に行ってるみたいだったので、冷蔵庫に買ってきた物を詰め込んだ。すぐにミサネェが上がってきた。
「シンちゃん、おなか空いた?すぐにご飯の用意するから後で乾燥機から洗濯物をお願いね」
「ご飯はいつでもいいですよ…それよりミサネェが食べたい」
「シンちゃん、なんかアニマルだよ」ミサネェが恥ずかしそうに振り向きながら言った。
「冗談、朝ごはんのお手伝いしますよ。それにゆっくりでいいですよ」ミサネェはどっちにしろ時間がかかるからご飯だけはセットする…そう言ってキッチンに向かった。
キッチンから戻ってきたミサネェは僕を引き連れてベッドに潜り込んだ。
「ミサネェの方がアニマルじゃないですか」
「だって…シンちゃん凄いんだもん」
「いや、ミサネェの方がエッチですよ。日本に帰すのが心配です…ミサネェ綺麗だから」
「ありがとう。私だってシンちゃんが心配なんだよ。」実際ミサネェは神戸にいる時はめちゃくちゃモテてたし、東京でも…モテない訳がなかった。
「お姉さんが他の人とエッチしたら嫌?」
「嫌です」
「かわい過ぎるわ」そう言うとミサネェは僕の頭をなぜた。
「そろそろご飯…やばいですよ」ミサネェは慌てて火を止めに行った。
その日の朝はべーグルサンドを美味しく食べた後は午前中は勉強をして過ごした。ミサネェは僕が勉強している間、エコノミーハードウェアに鍋を買いに行った。
午後はチャールズ川やイタリー街を散策して過ごした。
夜になり晩御飯の準備をしていた時に電話が鳴った。電話に出るとクラス違いだけど何度か話した事のあるカズミちゃんからだった。
「ロックアウトされてしまって、部屋に入れないの。ルームメイトは明後日まで帰省してるし友達もいないので、一晩だけお世話になれないかな?」
「あぁ、いいですよ。ミサネェに確認します」僕がミサネェに簡単に事情説明をするとミサネェは心配そうに早く連れておいで!と促した。
「よかったぁ…シンジ君がこっちに居てくれて助かったわ」カズミさんは僕の家を知らないので途中まで迎えに行く事になった。
「30分ぐらいしたら迎えに行きます…」僕がそう言うとミサネェは悪戯っ子の目をして
「オフトンにイコ」
337 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 01:11:02
僕は慌てて迎えに行かないといけなくなった。ミサネェも一緒に出てエコノミーハードウェアに向かった。
タワーレコードの前で待っているとカズミさんは歩いてやってきた。僕の顔を見るなり泣き出した。
「ごめんね、シンジ君。」ゴミ捨てのついでにコンビニに行こうとして、誤ってオートロックボタンを押してしまい…鍵も部屋に忘れてたまま出てしまったそうだった。
「小銭入れしかなくて電話のリストがたまたま入ってたから助かったけど誰も帰省で連絡がつかないから野宿になるかもって」カズミさんはまた泣き出した。
「でもリストがあってよかったですね」
「うん。」普段はきちんとした服装で化粧もきちんとしているカズミさんだったが、本当にコンビニに行くつもりだったのだろう半袖のパジャマみたいな服にサンダル姿だった。
「ロックスミスか不動産屋さんに言えばすぐに鍵を開けたり持ってきてくれなかったのかな?」
「契約者がルームメイトだったから本人じゃないとダメって言われたの」そんな事を話しているとミサネェが荷物を抱えて歩いているのが見えた。
僕は小走りでミサネェを追い掛けた。ミサネェはエコノミーハードウェアでベッドマットと毛布を買いに行っていた。
「はじめまして、シンジの姉のミサです。ウチの馬鹿がいつもお世話になっています」ミサネェは僕に荷物を預けるとカズミさんと挨拶をする。
「ミサネェ…」とりあえずカズミさんに部屋に上がって貰う。クローゼットにマットと毛布をほうり込む。
「狭いですけど、遠慮しないで下さいね。シンちゃんお茶をお出しして」
カズミさんは部屋に上がって椅子に座った途端に泣き出してしまった。ミサネェがカズミさんを慰めている間に僕はタオルを持ってきてカズミさんに渡した。
ミサネェが目で合図をするので、僕はキッチンにご飯を作りに入った。新しい鍋でご飯を炊きながら鷄の唐揚げの準備をする。唐揚げを揚げ始める時には二人の笑い声が聞こえた。
ミサネェが僕の短パンとTシャツをカズミさんに渡し、カズミさんはクローゼットに向かった。
カズミさんが部屋に戻ってきた時にご飯が炊きあがり、僕達は床に座ってご飯を食べる事にした。
カズミさんのルームメイトはスパニッシュだから家でも日本食を食べる機会が少ないらしく…本当に喜んでくれた。
338 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 01:12:47
カズミさんの通っていた短大とミサネェの会社は凄く近所だったみたいでローカルな話題で盛り上がっている。
「ミサさんとシンジ君は本当に仲良しの姉弟なんですね」
「カズミさん、本当は姉弟じゃないのよ。押しかけ女房しちゃったの」
カズミさんの驚き方から…カズミさんは僕がミサネェと呼んでいるし、近親相姦を連想したみたいだった。
ミサネェもマズイと思ったのか、簡単に事情を説明した。
「凄い純愛ですね、一年半も音沙汰なしでいきなり恋人になるんですから」カズミさんは唐揚げを食べながら興味津々な表情をしていた。
「私も最初はシンちゃんの事を弟や子供としてしか見てなかったんだよね…」
「どこで恋愛に変わったのですか?」僕もそれは知りたかった。
「シンちゃんにはねエリカちゃんって可愛くて可愛くて可愛くて仕方ない彼女がいたのよ」ミサネェは続けた。
「その時にシンちゃんが真っすぐな瞳で彼女を想っているのを見ていて…切なくなったの」カズミさんの箸が止まった。
「気付いたらシンちゃんを苦しめていて…私の就職を機にシンちゃんを諦めようって、ね。一年以上悩んでいて…結局、嫌われるのを覚悟でシンちゃんを奪いに来たの」
連絡もせずに一通の手紙を頼りに僕を尋ねて来た所でカズミさんは号泣しだした。
「そんなきれいごとではないのよ。今でも不安だし」一瞬、淋しそうな表情を見せた後…ミサネェは努めて明るい表情で
「私がいない間、シンちゃんをよろしくね。躾は一応しているから」と言った。
そこからは女の子同士で盛り上がっていた。
後片付けぐらいはせめて私にさせて欲しいと、カズミさんがしてくれた。その間にミサネェと僕とでクローゼットのマットにシーツを敷き、毛布をかけカズミさんの寝床を用意した。
「一緒に寝てもいいけどシンちゃんがカズミさんにエッチな事をすると迷惑でしょ?」
「いえいえ、私の方こそシンジ君を襲っちゃうかも」…下品な姉が増殖しそうな予感がした。
カズミさんに先に風呂を使って貰い、次にミサネェ…最後に僕が風呂に入った。
カズミさんが風呂を使っている時にミサネェが
「カズミさん、ルームメイトが帰るまでウチに居て貰わない?かわいそうよ明日も宿探しみたいなの」
「もちろん、僕もそう思ってました」
「シンちゃんとカズミさんは本当に接点がなかったのね」僕は財布から同期会のリストを見せた。
「みんな何かあれば助け合おうって…それで挨拶したぐらいです。授業も一緒じゃなかったし」
339 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 01:39:21
「もし私がこっちに来ていなかったらシンちゃん、カズミさんにエッチな事してるでしょ?」
「人の弱みに付け込むような事をしません、ミサネェの事アニマルだと思ってましたが、レッサーパンダですね」
「何?なんでレッサーパンダなん?」
「かわいい顔して立ったらお腹真っ黒。腹黒い所はミサネェそっくりですよ」
「あら、私は立たないわよ。すぐ立つのはシンちゃんでしょ」ミサネェは悪戯っ子のような顔をしていた。
「それよりシンちゃん、暫くお預けね。我慢出来るかな?」
「出来ますよ。変態さんのミサネェこそ我慢出来ますか?」
「なんで変態にはさんをつけて私はミサネェでさんがつかないのよ?」
「それじゃミサさん。ミサネェさんは本当に誤解されますよ」ミサネェはニコニコしながら
「じゃぁミサって呼んで」
「嫌ですよ、恥ずかしいし。前にちょっと…」僕は言葉を濁した。
「お願い、ミサって呼んでみて」
「……ミサ」ミサネェは嬉しそうな顔をしていた。
「やっぱまだ無理。もう少し待って下さい。自分に自信ついたら…多分」
「うん…でもエッチの時はたまに呼んでくれてるよね。そうそう…もしかしたら今夜あたりから女の子の日になりそう」
「……」
「ちょうどよかったね。」
そこまで話していたらカズミさんが風呂から上がってきた。ミサネェが襲うなよ!と要らん一言を言い残し風呂に向かった。
「カズミさん、何にします?冷たいの…」僕は冷蔵庫に向かいペリエ、オレンジ、麦茶、ビールがあると伝える。カズミさんはビールが嬉しいと言い、僕はビールを差し出した。
「今日は本当にありがとうね、泊めて貰うばかりかお風呂やご飯まで。それに服や下着まで借りてしまって…」
「いや、困った時はお互い様ですから。遠慮はしないで下さいね。それにルームメイトさんが戻られる迄ここでよければ泊まってて下さい。」カズミさんの目がうるうるしてきたので慌てて
「せっかく風呂に入ったのにまた泣いたらダメですよ」
ミサネェが風呂から出るまでカズミさんと僕は学校の話や将来について話した。カズミさんは短大を出てこっちに来たけど一年間は語学研修をして来年から編入するか帰国するかを考えるそうだ。
340 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 02:06:49
少しエリカの事やミサネェの事を聞かれたけど、僕は話を逸らした。
「次のセメスターから週四日ですけど夜に授業増やすかどうか迷ってるんですよ」
「シンジ君の成績なら増やす必要ないんじゃないかな?課題多いみたいだし」カズミさんの話ではニューヨークでは夏のタームは週三日しか授業はないが課題が鬼のようにあるから皆夏は休むとの事だった。
僕もビールを飲みながらカズミさんの話を聞いていた。
ミサネェが風呂から上がり僕の飲みかけのビールを取り上げる。風呂、いっといでと追い立てられ僕は風呂に入った。
二人の会話の時間も必要だろうと僕はかなりの長湯をした。風呂から上がるとミサネェとカズミさんが楽しそうにキッチンでオレンジを切っていた。
「シンちゃん、カズミさんはシンちゃんの事をゲイだと思ってたそうよ」ミサネェはニヤニヤしながら僕に言った。
「違います!」1番真面目そうだから襲ったりされないと思った…顔を真っ赤にしながら僕に訴えた。
「どっちにしろ安全パイだと思われたんだからシンちゃんは。本当はドエロなんだけどね、羊の皮を被ったドエロよ」
「違いますよ、ミサネェ。僕が紳士だと言うだけの話じゃないですか」オレンジを食べながら明日は女の子同士で午後から出掛けようとなった。僕はアサイメントの続きをして過ごす事にした。
なんだか二人で盛り上がっているので、今夜は僕がクローゼットで寝る事を提案した。三人とも異議なしで暫くしてから僕はクローゼットに向かった。
夜中に一度目を覚ましたが二人はまだ楽しそうに話していた。夜食を作って食べたようだった。
朝、目を覚ました僕がクローゼットを出るとミサネェもカズミさんもまだ爆睡していた。僕はそっと着替えてスーパーに買い物に出掛けた。帰ってきてべーグルサンドを作っていたらカズミさんが起き出してきた。寝る時にブラを外したのだろう…
僕は気付かないフリをしたが、完全に透けていた。
「おはようシンジ君」
「おはようございます。ミサネェを起こして貰えますか?」カズミさんがミサネェを起こして、二人で交互にバスルームを使う間、僕はキッチンから出られなかった。
341 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/23(土) 02:36:16
朝ご飯の後ミサネェが片付けをしてカズミさんが洗濯へ行った。僕は暇だったのでミサネェにちょっかいを出した。
「シンちゃんごめんね、昨日はカズミさんと盛り上がってしまってて」
「ミサネェ達が楽しかったんならそれでいいんです」僕はミサネェにキスをした。ミサネェもそれに応えてくれた。
「女の子の日になっちゃった」
「調度いいんじゃないですか?」
そんな話をしていたらカズミさんが戻ってきた。洗濯物をきちんとたたんで持って帰ってきていた。僕はその洗濯物の中に僕の下着を見つけて恥ずかしくなった。
「どうしてわけてくれなかったんですか?」ミサネェに小声で耳打ちした
「あら、シンちゃんのパンツ、女の子みたいだから気付かなかったわ」ミサネェは悪びれずに答えた。僕はそんなに知らない人にあんな恥ずかしいパンツを見られるなんて…ミサネェは悪魔だと思った。
カズミさんも恥ずかしそうに僕に洗濯物を差し出した。
カズミさんとミサネェはさっそく出掛けようと、カズミさんはミサネェから服や化粧品を借りて用意していた。
「それじゃシンちゃん、お出かけしてきます。後で電話するからね」
「僕もマリオットのジムに行きます。夕方には帰ってますから」ミサネェ達が出た後、僕はアサイメントに取り掛かった。
アサイメントを終了し、僕はジムに行く為にバッグに着替えを詰め込んでマリオットに出掛けた。すぐにジムには行かず、モールを散策する。
ミサネェが来る迄の余暇の過ごし方だった。ジムに行き、7ドルを支払いタオルを受け取りロッカールームへ。水着とTシャツに着替えてから筋トレをする。筋トレが終わってからプールで少し泳いだ後、サウナで汗を搾った。
ジムから戻ったらミサネェ達は戻っていた。二人でキャッキャッ言いながら晩御飯の準備をしていた。メニューはどうやらハンバーグのようだった。
僕は会話には加わらずにクローゼットに行き、晩御飯まで休憩した。
3Pもあるな…
別れた彼女への負い目は感じないのか…?
344 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/24(日) 04:29:44
御飯だよ、と声をかけられ起き出したら床にハンバーグと味噌汁、御漬物に加島屋の鮭や梅干等が並べられていた。
「マグカップの味噌汁とカフェオレカップの茶碗…最初は違和感あったけど、これはこれで慣れたらまぁまぁね」ミサネェは納得顔だった。食事の話題はカズミさんの出身地の九州だった。僕は九州に行った事がなくミサネェは博多の屋台に行った事があると話をしていた。
カズミさんは神戸には何度か来た事があったそうで神戸の話でも盛り上がった。
「ほんとミサさんやシンジ君に拾われてよかったです」
「カズミちゃん、困った事があったらいつでも遠慮なくシンちゃんをこき使ってくれていいから」
「はい。そうさせていただきます。シンジ君よろしくね」カズミさんは今日一日でミサネェ信者になってしまっていた。
「あんまりミサネェと一緒にいると変態が感染りますよ」
「ミサさんみたいに素敵な女性になれたらシンジ君みたいな優しい彼氏が出来るかな?」
「15才の彼氏ですか?完全に犯罪ですよ」僕がそう言うとカズミさんは噴き出してしまった。ミサネェも笑っていた。
「シンちゃんは特別。マセガキだったしね」
「私もシンジ君みたいな彼氏を育てようかしら」カズミさんは酒に弱いんだろう…少し顔が赤かった。そして酒が入ると平気な顔で爆弾発言をする。カズミさん…酒乱ぎみか?
食事を終えた後、今夜は僕が後片付けをした。
「シンちゃんお片付けありがとうね」
「いいえ、それぐらい当然ですよ」
まだ夜も早かったので三人でボーリングに行く事にする。
フェンウェイパークにあるキャンドルピンボーリングを楽しんだ。
ボーリング場を出てから僕達はアパートに戻った。順番に風呂に入る…プライベートな時間も欲しいだろうし、ミサネェのすすめで今夜はカズミさんがクローゼットで寝る事になった。
345 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/24(日) 04:31:55
「それではおやすみなさい。」カズミさんはクローゼットに入っていった。
「ミサネェ、今日一日お疲れ様でした」
「全然疲れてないよ、楽しいしカズミちゃんもいい子だしね」ミサネェは冷蔵庫からビールを二本の取り出し、そのうち一本を僕に渡した。
「ねぇシンちゃん、ケープコッドかサンドイッチビーチに行くのカズミちゃんも誘ったらどう?」
「僕はいいですけど、カズミさんにも予定あるんじゃないですか?」カズミさんは次のセメスターの予習が出来てないと言ってたから、少し気掛かりだった。
「そうねぇシンちゃんの言う通りかもね」ミサネェはそう言うとビールを飲み干した。
「シンちゃん、こっちおいで〜」バスルームで歯を磨いているとミサネェがベッドから声をかけてきた。
軽くキスを交わしてから僕はミサネェを抱きしめながら眠った…。
僕が目覚めた時、ミサネェとカズミさんは既に起きていて何やら話しをしていた。
「おはようございます」声を掛けてから僕はバスルームに向かった。用を足し顔を洗っているとミサネェが
「和食とコンチネンタルどっちがいい?」と声をかけてきた。
「パンでいいですよ」
「それじゃシンちゃん、買い物お願い」僕はニューベリーストリートのベーカリーまで買い出しに行く事になった。カズミさんも一度アパートに戻ってメモを郵便受けに入れに行くとの事で、一緒に行く事になった。
ミサネェが洗濯をして待ってるからと…ワッフルなんかをリクエストされた。ミサネェ、体調が悪いのかな?そう思った僕は小声で聞いてみた。
「二日目だから怠いのよ、ごめんね」
カズミさんと朝のマスアベを歩く、先にカズミさんのアパートに向かう。家から電話をして留守電にもメッセージを吹き込んでいたが、まだカズミさんのルームメイトは帰宅していなかった。
カズミさんのルームメイトはかなり年上で銀行で働いているとの事だった。明日から仕事だから必ず今日の夕方には戻ってくる筈との事だった。
「そういえばさっき、何をひそひそ話してたんですか?」
「たいしたことないのよ、ひそひそ話していたのはシンジ君を起こしたくなかったからよ」
カズミさんの話しでは、ルームメイトと仲はいいのだが生活時間帯が違うのと週末毎に部屋で簡単なパーティーを催されるのが苦痛との事だった。
「それ程遅くまで騒いだりはないのだけど、土曜日の朝…お酒臭いしマリファナの匂いとかしたりするし」あぁ…それは日本人にはキツイな、そう思った。
346 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/24(日) 04:33:24
カズミさんの愚痴を聞きながら歩いているとカズミさんのアパートに着いた。念のためにブザーを鳴らすがもちろん留守だった。
メモを残し、僕とカズミさんはニューベリーストリートに向かった。グロサリーで果物を買いベーカリーでパンやワッフルなんかを買った。
「まぁ、あまり悲惨な時はいつでも避難しに来て下さい。クローゼットはあいてますから」クロワッサンを食べながらアパートに戻った。
買い出しにたっぷり一時間はかかったが部屋に戻るとミサネェが調度洗濯物をたたみ終えた所だった。
オーブンでワッフルを温め直している間、ミサネェとカズミさんは簡単に部屋の掃除を済ませた。
「いただきます」ミサネェはお腹が空いていたのかワッフルを勢いよく食べ始めた。
食事を終え今日の予定を考える。僕はミサネェの事が心配だったがミサネェは体調が戻りつつあるらしく、レンタカーで出掛けるドライブに出掛ける事を提案した。
カズミさんが25才以下でも安くで貸してくれる店を知っていたのでイエローページでレンタカー会社を探した。そのままカズミさんが受話器を持ち、電話を掛ける。
「一日で$60、一週間で$135ですって。フルライアビリティーでガス別だそうです」一週間も借りる必要はなかったが、アウトレットに行ったりケープコッドに行ったりするのにその都度借りる事を考えたら一週間で借りて不要になれば早く返せばよかった。
予約を入れて身仕度を整えてから車を受け取りに出掛けた。ミサネェがカズミさんに通訳を任せて手続きをする。ミサネェもある程度は話せたが保険の事とかがあったので、カズミさんが交渉した。
キーを受け取りカズミさんは免許不携帯だからとミサネェが運転席に座る。暫く走って
「やっぱ無理。感覚が違う。シンちゃん代わって!」ハンティントンアベニューで車を停めたミサネェは僕に恐ろしい提案をした。
カズミさんが助手席に座りナビゲートする事になる。ミサネェはニッコリ笑って後部座席でシートベルトを締めた。僕はかなり不安だったがカズミさんを悪戯に不安がらしても仕方ないので、合計2時間以内しか走った事がないとは言わなかった。
計器類のチェックをしてアクセルを踏み込んだ。コラムシフトのグランダムはゆっくりと走り始めた。カズミさんのナビゲートで先ずはケンブリッジに向かう。コトブキという出来たばかりの日本食材店に行き食材を揃える。カズミさんも自宅用の食材を購入した。
ハーバードスクェアを走り抜けチャールズリバーからマスアベを渡りハンティントンアベニューを右折してチェスナットヒルに向かった。
347 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/24(日) 04:35:26
チェスナットヒルのモールに着き、そこでパーキングの練習をしたかったので、ミサネェとカズミさんには先にモールに入って貰い僕は何度もパーキングの練習を繰り返した。
暫くしてコツがつかめたので、エンジンを切り僕も彼女達の後を追い掛けた。暫く探していたが吹き抜けのカフェでミサネェ達がお茶を飲んでいるのを見つけて僕も合流した。
ミサネェが珍しく僕の代わりにペリエをオーダーしてくれた。椅子に座るとかなり緊張していたのか疲れが出てきた。
「お疲れ様、シンちゃん初めてのドライブなのに上手に運転出来たね」それを聞いてカズミさんは驚いた顔をしていた。
休憩を終えて僕達は車に戻る事にした。ミサネェが帰りは運転してくれるかと期待していたが、そのまま後部座席に座ったので僕は仕方なしに運転席に座った。
カズミさんは一瞬考えたようだが、助手席に座った。僕がエンジンをかけた時カズミさんがしっかりシートベルトをするのを確認した。暗がりの運転は初体験だったが、道なりに進むだけだったので問題はなかった。
途中でマーケットに寄り、米やミネラルなんかの大荷物を買い込んだ。車があると便利だと実感した。アパート前に車を停めて部屋に荷物を運び込む。駐禁の心配はなかった。
何故か三人とも疲れてたのでシャワーを済ませてスッキリした後、晩御飯は近くのバーガーキングで済ませる事にした。食事を済ませ部屋に戻って雑談をしていると電話が鳴った。電話の主はマリアからですぐにカズミさんに引き継いだ。
帰国していきなり何人かマリアの友達が訪ねてきているみたいで、カズミさんは憂鬱そうだった。
二人で送って行く事にしてカズミさんの荷物を車に詰め込んだ。
「本当に何から何までごめんなさい。そしてありがとうございました」車の中でカズミさんが何度も礼を述べる。車をカズミさんの前に停めて僕は車の中で待ち、カズミさんとミサネェはカズミさんの部屋に向かった。
10分程して二人で玄関を出て来た。僕もミサネェも立て替えたお金以外は必要ないと言ったが、カズミさんがそれじゃ申し訳ないと$200の小切手を切って僕に渡した。
ケープコッドに明後日行く約束をして僕達は車に乗り込んだ。流石にミサネェも今度は助手席に座った。
「シンちゃんとシンちゃんの運転でドライブ…なんか幸せだな」
「少し遠回りします?」ミサネェが少し恥ずかしそうな、でも笑顔で頷いた…
うふ〜ん
349 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/24(日) 17:42:58
朝、目覚めるとミサネェが僕の横でスヤスヤと眠っていた。キレイな寝顔を眺めながら幸せを感じる。…ミサネェが帰国したらかなり寂しくなるのは容易に想像がついた。
ミサネェが帰国するまで一週間…考えるのはその先にしようと思った。
ミサネェの寝顔を見ていてキスがしたくなった僕はおでこにそっとキスをした。顔を上げてもう一度ミサネェの顔を見ると…ほんの少し唇を突き出している。
僕はそっとミサネェの唇にキスをした。…ミサネェの寝顔が笑顔に変わり
「おはよう」ミサネェは照れ臭そうに…僕に囁いた。
「ごめんね、起こしてしまった?」ミサネェは優しく微笑み…僕の問い掛けには答えずに僕の首に手を回し…僕を引き寄せた。
教会の鐘の音がかすかに聞こえる中…僕はもう一度…ミサネェにキスをした。
二人で毛布に包まり、抱きしめ合いながら何度もキスを重ねた。昼前まで…言葉を交わさずにキスを繰り返す。ミサネェとキスを交わしているだけで…正確にはミサネェの顔を眺めているだけで僕はイキそうになっていた。
「シンちゃん、こんなにキスしてたらお姉さんはタラコ唇になっちゃうよ」ようやく毛布を剥がしベッドから出る。僕のパンツの中はヌルヌルになっていた。
なんとなく恥ずかしくなり、バスルームに行こうとすると…ミサネェに腕を掴まれた。ミサネェが馬乗りになり僕を抱きしめる。
「もう少しだけ抱きしめたいの」そう言うとミサネェは激しいキスの雨を僕に降らせた。
僕がミサネェの身体を抱きしめようとするとミサネェは僕の腕を押さえ付け、首筋に唇を這わす。
「シンちゃんは動いたらダメ」そう言うとミサネェは僕のシャツを首元までズリ上げて、僕の乳首を唇で刺激した。
「…ウッ…」僕には刺激が強過ぎた…ミサネェに…多分、キスでイッてしまってるから身体が敏感過ぎるので許して欲しい…僕はミサネェに懇願した。
ミサネェはそれには答えずに僕の身体を優しく刺激し続けた。ミサネェの指が僕の下着にひっかかる。腰の辺りを爪で軽くなぞられ、僕の身体は女の子のようにピクピクと震える。
「下着、汚れてるからもう許して下さい」僕がやっとの事でミサネェに訴えるがミサネェは聞き入れなかった。
「嫌われたくないから、もう許して…」僕は無理矢理ミサネェの手をどけようとしたが、身体に力が入らなかった。ミサネェの手が僕の下着の中に侵入してくる…。
350 :
fusianasan:2008/02/24(日) 17:50:37
私怨
試演
352 :
fusianasan:2008/02/25(月) 01:01:54
ミサネェの指が僕のモノに絡み付いた時、僕は二度目…多分、二度目の射精をしてしまった。あまりの気持ちよさに身体が軽く痙攣し、腰が前後に律動する。
ミサネェが身体をズラして僕の横に寝転び、僕を抱くようにしてキスをしてくれる。しかしミサネェの左手は僕の下着の中にあり、僕のモノを優しく扱く。
僕はミサネェに唇を奪われたまま、荒い息を繰り返していた。身体中が敏感なままなのに…僕の下半身はクチュクチュと音を立てながらミサネェに支配され続けている。
「ネバネバだね」ミサネェは意地悪な表情で僕に囁く…僕はキツク目を閉じるしか出来なかった。
ミサネェは優しく抱きしめてはくれるが、相変わらずミサネェの手は僕の下着の中にあった。萎えかけては刺激を与えられ半勃起の状態が続く。
ミサネェがようやく手を離してくれたと思った瞬間、僕は簡単にビキニを脱がされた。
「パンツ、グチュグチュだよ女の子みたい」ミサネェはそう言うと僕の濡れているモノに舌を這わせた。
「ダメ、汚いから!許して下さい!」
「シンちゃんのだもん、汚くないよ」ミサネェはそう言うと僕の半勃起したモノに舌を這わせた。
あまりにも強い刺激と背徳感が僕を支配する、すぐに射精感がマックスに達した。
僕は少しも我慢をする事が出来ずに三度目の射精をした。射精と同時にミサネェの頬がすぼまり吸い上げられるような感覚になる。女の子のように喘いだ。
それでもミサネェは継続して刺激を続けるので僕は必死の表情でミサネェに訴えた。
願いを聞き入れてくれたのか僕の頭を抱えるように抱きしめてくれた。僕の身体は時折ピクピクする…心拍数が下がるまでミサネェは抱きしめてくれた。
「ミサネェ、酷いですよ」
353 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/25(月) 01:02:33
「シンちゃんが可愛くて仕方なかったんだもん。シンちゃんが涙目でアンアン言ってるのを聞いたら狂っちゃった」僕は恥ずかしくてミサネェの胸に顔を埋めた。
暫くしてブランチを食べる事になりミサネェが用意をしている間、僕はランドリーに洗濯物をほうり込みに行く事になった。
「シンちゃん、さっきのパンツは一緒に洗っちゃダメよ。カズミちゃんが妊娠しちゃうから。それとカズミちゃんのパンツ…クンクンしたらダメよ」ミサネェはいつもの下品なミサネェに戻っていた。
ランドリーで洗濯物を一枚ずつ洗濯機にほうり込む、途中で見慣れない下着を見つけたが…もちろん匂いを嗅いだりしなかった。小銭をほうり込み、スイッチを押して洗濯機が動き出すのを確認してから部屋に戻った。
「カズミちゃんのパンツ、可愛いかった?」
「見てません!」
「あら、洗濯物は一枚ずつ入れなさいって言ったでしょ」
「一枚ずつ入れたけど、見てません」
354 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/25(月) 01:03:46
ミサネェが笑いながら僕を虐めたが、詰問という雰囲気はなかった。
「手を洗ってらっしゃい」
二人でミサネェの作ってくれたべーグルサンドを食べる。焼き色のついたべーグルサンドは美味しかった。
「今日はタッパとか買いに行こうね、それとチャイナタウンと」
「いいですけど、なんでですか?」
「シチューとかカレーとか餃子とかハンバーグを作りおきしておくのよ」僕があまりまともな食事をしていないのを気にかけてくれていたようだった。
「カズミちゃんにもたまには手料理を食べさせて貰うのよ、お願いしてるし」
「そんなの悪いですよ」
「でも、カズミちゃんを食べたら承知しないからね」
「いや、それは絶対にないですから」
ミサネェが洗濯物を乾燥機に移しに行き、その間に僕はシャワーを浴びた。ミサネェは僕が外国人と…とは考えないのかな?
シャワーを浴び、僕は身体の怠さを覚えた。当然だった…
ミサネェが簡単に用意をしている間に僕が洗濯物を取りに下りた。洗濯物をたたんで僕が部屋に戻るとミサネェの準備は出来ていた。
車に乗り込みガススタンドでセルフの給油を試してみる、意外と簡単だった。ダウンタウンのファイリーンズのパーキングに車を入れ、先ずはミサネェの買い物に付き合う。その後、チャイナタウンで白菜やニラ、餃子の皮を買いニューベリーストリートへ。
グロサリーで挽き肉や野菜を買い一度アパートへ戻る。荷物を置いて冷蔵庫に肉や餃子の皮を仕舞う。
その後すぐに郊外のホームセンターに向かった。タッパやバット、ラップや必需品を揃える。
夕方になり、リッツでクレープをテイクアウトしてからボストンコモンへ。二人で手を繋ぎながら公園を散歩する。ミサネェとリスやスズメを見ながらベンチに腰をかけた。
「日比谷公園にもリスを放したそうよ。二、三日でいなくなったそうだけど…」
「どこに行ったんですか?」
「野犬のお腹の中かな」ミサネェはクレープを食べながら残酷な話しをした。
そのまま日が暮れるまで…僕達は公園で佇んでいた。
355 :
.:2008/02/25(月) 01:44:31
レイープ展開キボンヌ
356 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/25(月) 02:24:05
「明日は朝早いから今日は楽しよう」
「はい、僕はいいですよ」ミサネェの手を引きながら…
「あっ!帰る前に図書館に付き合って貰えませんか?」僕は大学の図書館にミサネェを連れて行った。どうしても調べたい事象があったのを思い出した。
「いいけど、開いてるの?」
「ボストンの図書館は9時なら余裕で開いてますし大学の図書館は夜中まで開いてます」僕はミサネェを大学の図書館に連れて行った。
大学のIDの提示を求められたが、彼女は忘れたと言うと身分証明のコピーで入館を許可された。
「きっちりしてるのね」
ミサネェが図書館内を散策している間に僕は調べ物をした。半時間程でとりあえず問題は解決する。
そのままミサネェと大学近くのダイナーで夕食を取った。
「シンちゃん、なんだかんだ言いながらカッコイイよ」
「そうですか?僕、必死ですから」何に必死なんだろう…勉強?恋愛?生きる事?何に焦っているのかさえ明確にわかってなかった。
「シンちゃん…シンちゃんはこれからもっとイイ男になるんだから」
「はい?そりゃ…なれたらいいですけどね」
「そうして…窮屈になったら、私はシンちゃんを解放してあげるよ」ミサネェはニッコリ微笑んだ。
「止めて下さい、そういうの…刹那って言うんですよ」
「でも、シンちゃんが30才の時…私は35才よ。おばさんがシンちゃんの回りをうろちょろしてたら目障りよ」
そんな先の事はわからなかった。わからなかったがミサネェを煩わしいとか目障りと思う事はない、僕はそう断言した。
357 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/25(月) 02:25:44
ミサネェはミサネェの存在が僕をスポイルするのが怖いと言った。
「それじゃ…なんでここまで来たのですか?」
「…わからない。ただシンちゃんに逢いたかったから。シンちゃんが好きだったから」
「それでいいじゃないですか」
「でも、シンちゃんの瞳の奥にはエリカちゃんがいるもん。それもわかるもん」
「それは…関係ない。それに…すぐには忘れられませんよ」続きは部屋で話しましょう。僕はそう言ってミサネェの手を引いた。
「こんな私でも…手を繋いでくれるの?」
「当たり前でしょ?二人で歩んで行くんだから…この先も」周囲の客は何事かと注目するが、使用している言語が違うから…すぐにそれぞれの会話に戻った。
車に戻り、少しドライブしましょう…僕はそう言って車を走らせた。決して治安のいい街ではなかったから車を停める気はなかった。車を走らせながら考えを纏める。
ニューベリーストリートにあるブックカフェの前で車を停める。
「お茶しましょう」僕はミサネェを促した。
オープンエアの席に座りオーダーを済ませてタバコに火をつける。ミサネェは申し訳なさそうに僕を見ていた。
「ミサネェ、僕は自分に自信がありません」僕は話し始めた。
「はっきり言って大学を卒業出来るのかさえわかりません。それに生活力も皆無です、バイトする余裕もありません」
「帰国して仕事があるのか、帰国しないでこっちで働くのかもわかりません」
「多分、まともに生活出来るようになるまで六年近くかかります」ミサネェは黙って聞いていた。
「たった今までは漠然としか考えてなかった将来です。だから考えも方向性も何も決まってません」
「だからミサネェの事が好きだけど、その先が言えなかったのです。言える筈ないでしょ?」
お茶が運ばれてきて、話を中断する。ペリエを一口飲み、二本目のタバコに火をつけた。
「今は言えます。いや、無謀だけど言います。僕の側にいて下さい。物理的には無理でもずっと側に居て下さい」
「そして、いつかプロポーズさせて下さい。それまでは恋人でいて下さい」
そこまで聞いたミサネェは涙をぽろぽろ流した。
「私でいいですか?」
「何度でも言うよ」
「本当に?」
「ミサネェがいいんだよ」
「何で?」
「好きになるのに理由は要らないでしょ?別れるには理由があるけど」
358 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/25(月) 02:38:00
「私は5才も年上よ」
「僕のお姉さんですからね」
「秋から押しかけ女房するかもよ」
「イリーガルにならないならいいですよ」
「いっぱいヤキモチ妬くよ」
「その分愛して下さい」
「はい…いっぱい愛してます」
僕はテーブル越しにミサネェを引き寄せ、目を見詰めてからキスをした。
キスをしながら…過去には戻れない、でも未来は自分の意志で切り開く事は出来る筈…僕はそう思った。
「シンちゃん。ごめんね…でも、嬉しい」
「さっ、帰って一緒に寝ましょう。明日早いですよ」
「いいの?一緒に寝てくれるの?」
「一人でクローゼットで寝たいのですか?」
僕はそういうとミサネェの手を握りしめ…車に向かった。
部屋に戻りミサネェを抱きしめる。
ミサネェの甘い香が僕を包み込んだ。
「エリカちゃんの事、忘れないで…」唇を離した後、ミサネェがそう呟いた。
「忘れられませんよ、今は…」
「そうじゃないの…」ミサネェは自分は自分の出来る愛情表現をしたが、エリカはエリカが出来る精一杯の愛情表現をしたんだと思う…ミサネェはそう言った。
「今、それを確かめる術はありません。それに…」
「それに?」
「彼女には振られたんですから…」
多分、ミサネェが帰国した後…僕は苦しむんだろう…そう思った。
「もう、寝ましょう。こんな日は寝るに限ります」
ベッドに入り…ミサネェを抱きしめる。僕は寝た振りをした。多分…ミサネェも…。
359 :
fusianasan:2008/02/25(月) 03:37:26
支援
状況はかなり違うが俺も似たような事が遠い昔にあった。
シンジさん程に繊細で感受性が強い人間ではないけど忘れるのに数年はかかった。
なんだか青春時代を思い出します。
@@@@
361 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/26(火) 03:17:51
ミサネェのキスで目覚めた。
「昨日は意地悪ばかり言ってごめんね」
「いいえ、大丈夫ですよ…僕も…」僕はミサネェを抱きしめた。時間ギリギリまでキスを繰り返す。
ミサネェがシャワーを浴びている間、ミシュランの地図でケープコッドまでのルートを確認する。
朝ご飯はシリアルとフルーツで済ませる。僕がシャワーを浴びている間、ミサネェは用意しながらカズミさんに電話をかけた。
「シンちゃん、後30分で出るよ〜」
「僕は5分あれば大丈夫です」急がなければならないのはミサネェだった。
トランクに毛布とジャケットをほうり込みエンジンをかけた時は約束の時間を過ぎていた。マスアベに出てからカズミさんのアパートに向かう。
アパートの前で待っているカズミさんを見つける。
「おはようございます、今日もお邪魔しますね」そういいながら車に乗り込む。
「ミサさん、これ…お借りしていたランジェリー」そう言ってカズミさんはビクトリアシークレットの袋をミサネェに渡した。
「えー、気にしなくていいのにぃ。でも、嬉しい。開けていい?」ミサネェはそう言うとラッピングされた箱を開けた。
「キャー、可愛い!ねぇ!シンちゃん、可愛いよ!」僕は恥ずかしいからミサネェの方を見なかった。
「それとシンちゃん…シンジ君にも…」カズミさんはビクトリアシークレットの一回り小さな箱を僕にプレゼントしてくれた。
僕は運転中だったので、代わりにミサネェが受け取る。
「開けていい?」ミサネェは返事を聞く前にラッピングを解いた。
「キャー、エロい!ねぇねぇカズミちゃんってエロいね!見てシンちゃん」
「運転中です!」
「シンジ君、そういうのが好きでしょ?」
「あぁ、ありがとうございます。でも、ミサネェが悪戯で普通のを捨ててしまったから」僕は不必要な言い訳をした。カズミさんもジョークのつもりだったと笑いながら説明した。
「そうだ、忘れてた。カズミちゃんの着替えあるから、帰りに寄ってね」
「そうそう、シンちゃんが洗濯して綺麗にたたんでくれていたよ」それは事実だったが、慌てて否定した。
ミラー越しにカズミさんを見ると顔を赤らめていた。
高速に乗り、一時間以上走るが景色も変わらずミサネェが退屈している。ラジオの音楽も好みではないらしく…運転中なのに無謀にも後部座席に移動する。
「ねぇ、どうせなら諦めてサンドイッチビーチにしない?」僕はナビしてくれるなら構わないと言い、カズミさんも同調する。
カズミさんのナビゲートでサンドイッチビーチに向かう、高速を下りて暫く走るとリゾートマンションやビーチハウス、ホテル等が立ち並び潮の香りがしてきた。
362 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/26(火) 03:19:28
きれいな町並みを走り抜け海が開け、ビーチに出る。車を停めて砂浜を散歩する。
もうすぐ七月だが殆ど人がいない…海の色は透き通っていて陽射しは暖かいが風は冷たい。時刻は昼過ぎで途中で買ったジュースを飲みながら三人で砂浜に座った。
「のんびりしてて気持ちいいねぇ」ミサネェが伸びをする。
「お盆の頃なら泳げるかな?」カズミさんが聞く。
「多分…あっちに水着の人がいますけど日焼けしてるだけですからね」遠くで日に焼いている人が何人かいた。
「きれいな海なのに泳げないのは残念ね」ミサネェはそう言いながら立ち上がると波打ち際に向かった。カズミさんが後を追う。僕はそのままタバコに火をつけた。
二人が靴を脱いで裸足で波打ち際で遊んでいる様子を見ているとミサネェが手招きする。
「冷たくて気持ちいいよ!」カズミさんの声が聞こえてくる。僕はタバコを消すと立ち上がり、ミサネェ達の方へ向かった。
「シンちゃん、気持ちいいよ」僕がそう言われて波で手を洗おうと屈んだ瞬間、ミサネェとカズミさんが僕の背中を軽く押した。
二人とも僕が屈むとは思ってなかったそうで…後で必死に弁解していた。
もちろん弁解された時は全身ずぶ濡れでガタガタ震える僕の唇は紫色に変色していた。冬に水風呂に服を着たまま漬かる…そんな感覚だった。
砂まみれのまま必死に謝る二人に大丈夫と歯をカチカチ鳴らしながら答える僕の笑顔はゾンビのようだったそうだ。
車にジャケットと毛布があるのを思い出し、カズミさんが鍵を受け取ると車にダッシュした。僕はスニーカーを脱ぎ、大丈夫、大丈夫と譫言のように繰り返しながらシャツを脱いだ。
裸の方が日にあたって暖かい…ミサネェは僕を抱きしめようとするが、濡れるとミサネェも風邪を引くからと近付けなかった。
カズミさんが走って戻ってくる…30メートル手前で見事にこけるが毛布がクッションになり怪我はなかった。
僕は砂まみれの毛布に包まり、デニムも脱いだ。カズミさんの持ってきたスーパーのレジ袋にシャツとデニム、スニーカーをほうり込む。
「陽射しが強いからボンネットに貼付けてたらすぐに乾くよ、ほらパンツも脱いで」ミサネェは半笑いで僕を促した。
「シンジ君ホントにごめんね」カズミさんが背中を向けながら謝る。僕はガタガタ震えながらパンツも脱いだ。
ミサネェがカズミさんにレジ袋を預け、僕を毛布の上から抱きしめてくれる。
「先に戻ってヒーターかけてきますね」カズミさんはそう言うとレジ袋を抱えながら走って行った。
363 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/26(火) 03:20:58
「シンちゃんごめんね」ミサネェは謝りながら弁解をした。計画では二人で波打ち際の僕をポンと押し、靴が濡れるぐらいを期待していたそうだった。
それが偶然にも僕が前屈みになったので、勢いがつき、前転して全身がずぶ濡れになったのだと言う。
「だいぶマシになりました。大丈夫」歯をカチカチ鳴らしながら説得力ない笑顔を見せた。ミサネェが毛布で髪をふこうとする…
「ミサネェ、危ない。僕、捕まりますよ」ミサネェが毛布を持ち上げると毛布は膝上20センチを越えた。ミサネェは僕の危機に気付き慌てて毛布を戻した。
「オチンチン凍ってない?」
「タマタマは多分、胡桃のようになってますよ」僕がそういうとミサネェが大変!と言いながら毛布の中に手を忍ばせてきた。
「ホント!カチカチ。でもオチンチンはちっちゃいね」ミサネェは掌で僕のモノを包み込んだ。
「そんな悪戯したら後で仕返ししますよ、それにカズミさんの前でハプニングは嫌です」僕がそう言うとミサネェは舌を出した。
車に戻るとカズミさんがヒーターをガンガンにつけてくれていて僕は助手席に座った。
「来る途中にあったマーケットに移動しません?シンジ君の服とか水を買いませんか?」
「多分、シンちゃん連れてレストランは無理だからサンドイッチでも買ってお昼にしましょ」ミサネェも同意する。
「裸で運転はキツイですよ」僕がそう言うとカズミさんが今日は免許証を持ってるから私が運転すると言った。
「身体が乾いたらカズミちゃんにもらったパンツ穿いたらいいわ」ミサネェがそう言うとハンドルを握るカズミさんは頬を赤らめていた。
マーケットに着き、1番遠いパーキングに車を停める。エンジンをかけたまま僕は車で待機、当たり前の話だった。顔にヒーターの熱風があたり次第にうとうとする。
うたた寝から覚めるとミサネェが車のボンネットに僕のデニムとシャツを干していた。アンテナにパンツを旗のように引っ掛ける…悪趣味だと思った。
後部座席ではカズミさんがパンにハムとチーズを挟んでサンドイッチを作っていた。
「シンジさんごめんね。風邪引かないでね」
「大丈夫ですよ、もう暖まりましたし。でも、さっきはマジで凍えそうでしたよ」ミサネェがドアを開けてカズミさんの隣りに座った。
「シンちゃん、パンツ穿きなさい。それからお昼にしましょう」僕は見ないで…と言いながらカズミさんのプレゼントしてくれたパンツを穿く事にした。当たり前だが恥ずかしかった。
「シンちゃん、穿いた?穿いたらお披露目しなきゃ」カズミさんは慌てて無理、無理と首をふる。
364 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/26(火) 03:22:08
「スケスケだから部屋でたっぷり見てもらいますよ」そんな冗談を言う自分や最近…Tバックに慣れてきた自分が嫌になった。
「サンドイッチビーチでサンドイッチ」僕はミサネェが言うと思っていたが、カズミさんが我慢しきれずに言った。
僕もミサネェもカズミさんのギャグをスルーしてサンドイッチに手を伸ばした。カズミさんは小声でサンドイッチビーチで…ともう一度繰り返していた。
半乾きのデニムとシャツを着た僕は裸足のまま車を運転してアパートに戻った。
ミサネェとカズミさんがアパート前で車の中の砂を掃除している間に僕は先にシャワーを浴びさせて貰った。さっぱりして着替えてたら二人が荷物を持って戻ってきた。
あらまてめ二人が謝るので
「だったら二人に尻文字で謝ってもらいましょうか」と僕が言うとミサネェはコイツは変態で何かと尻文字をさせたがるんだよとカズミさんに言った。
「シンジ君って変態さん?」
「ミサネェも喜んで尻文字してますよ」
「嘘、そんなんした事ないもん」ミサネェは慌てていた。
二人で晩御飯を作ってくれる。ご飯を飲みながらビールを何本も空けた。
「カズミちゃん、今日は泊まってってね」
「お言葉に甘えてお泊りします」カズミさんはそう言うと電話を借りるねと言いルームメイトに電話をかけた。
僕は早々とベッドに潜り込んだ。ミサネェ達は夜遅くまで話し込んでいたようだった。
365 :
fusianasan:2008/02/26(火) 15:12:18
支援
たまたま過去ログを読んで
つづきを追って来たら1年越しのリアルタイムにw
最後まで付いてくでー
367 :
fusianasan:2008/02/27(水) 17:34:05
シンちゃん、続きをお願い!
シンちゃん、俺の中に入って!
続き待っている間に過去ログ読み返してみるか
370 :
fusianasan:2008/02/28(木) 15:32:04
過去ログなら萌えコピ殿堂で全部読めるよ。
371 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/29(金) 12:44:50
目が覚めると僕を挟んで左側にミサネェが右側にカズミさんが寝ていた。
ぼーっとしたまま頭を回転させるが、カズミさんより早くミサネェが起きたら…このシチュエーションはまずい。そこまではわかった。
しかし、身体が怠くて事態を打開する−そっと起きてクローゼットで二度寝するなりシャワーを浴びればよかった−その気力がなかった。
僕は毛布を被ってそのまま眠り込んだ。
やっと目が覚めた時は…どうやら風邪を引いた後だった。
「カズミちゃんが体温計と風邪薬を持ってきてくれるから」ミサネェが心配そうに僕を見詰める。
僕は寝ていたつもりだったが、ミサネェの話では気を失っていたそうだ。かなり熱でうなされていた…との事だった。
二人でタオルを冷やしたのをおでこにあてたり、汗を拭き取ったりしているうちにカズミさんが落ちて、ミサネェが落ちたんだそうだ。
「ちょっと風邪っぽいだけで…」そう言おうとしたが、声が出なくて代わりに喉に鈍痛を感じた。
ミサネェが心配そうに見詰める…手を握ってくれるのだがミサネェの手が異常に冷たく感じられた。
「ごめんねシンちゃん…」ミサネェがしくしくと泣き出すが、僕には気を使う余裕さえなかった。そのまま…まどろみの中に落ちていった。
カズミさんが戻ってきて、果物やミネラル等も一緒に買ってきてくれていたらしく…
「シンちゃん、熱を測ってお薬を飲んで」ミサネェに揺すられて僕は目覚めた。熱は40℃近かった。カズミさんに支えられて上半身を起こす。ミサネェがミネラルを飲ませてくれる。焼けた喉に水分が吸い込まれるような感覚を覚える。
「シンちゃん、林檎…食べよう」カズミさんが僕に話しかけてくれるが口を開けるのが辛かった。
やっとの事で解熱剤とミネラルを飲む。
「何か欲しい物ない?」ミサネェが聞くので、ハチミツ入りのほうじ茶が飲みたいと答えた。
それを聞いたカズミさんはキッチンに向かった。
「シンちゃん、着替えさせるから我慢してね」ミサネェがそう言うとカズミさんを呼んで二人で汗でぐっしょりとしたシャツを脱がせた。ミサネェが身体をタオルで拭いてくれるが、節々に痛みが走った。
シャツを着替えてスゥエットを重ねる。
372 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/29(金) 12:47:01
次に目が覚めた時は少しだけ身体が楽になっていた。
ミサネェが身体を起こすのを手伝ってくれ、ハチミツ入りのほうじ茶を飲ませてくれる。一息ついて
「ありがとう。もう大丈夫」僕がそう答えるとミサネェもカズミさんもホッとした表情になっていた。
林檎を食べ、バスルームに行く。トイレで気付いたのだが、下着やスゥエットまで着替えさせられていた。のろのろとベッドに戻る。
カズミさんが何を食べたいか聞くので僕はカレーが食べたいと答えた。もちろん即答で却下された。
「それじゃ適当にお願いします。」カズミさんが冷蔵庫をチェックして、お粥を作り始めた。ミサネェがシャツの着替えを手伝ってくれる。
「下着まですいません…」僕がミサネェに囁くと
「二人がかりで着替えさせたんだよ、それにシンちゃんのオチンチンを拭いたのはカズミちゃんよ」
僕が冗談はやめて、そう言うと
「カズミちゃんが拭いてたらムクムクして、…少し妬けちゃった」等と冗談を言う。
無駄なやり取りで体力を消耗するのは嫌だったので、ミサネェに身体を預けた。
カズミさんにお粥を作って貰い、僕は自力でなんとか平らげた。
「こっちに来てからろくに休み取らないでいたから、疲れがいっぺんにきたんですよ。今晩寝たら大丈夫ですから」
ミサネェとカズミさんに例を言うとミサネェは僕に寝てろと言い、洗濯と買い物に出掛けた。カズミさんは部屋で勉強を始めた。
次に目が覚めた時は夕方に差し掛かっていた。汗びっしょりで身体が気持ち悪かった。カズミさんの方を見ると机に伏せるようにして昼寝の最中だった。
僕はのろのろと起き出し、クローゼットから着替えを取りだしてバスルームに向かった。タオルを水で冷やし身体を拭く。顔を洗い、素早く着替えた。
リビングに戻り、机の上に置いてある体温計で熱を計った。熱は37℃台まで回復していた。キッチンに行き冷蔵庫からペリエを取り出す。痛めた喉に刺激が強いか…少し気になったが、一気にボトルを空けた。
起きているとまだ寒気がするので、ベッドに潜り込んだ。壁に凭れて本を読んでいたらミサネェが荷物を抱えて帰ってきた。
「体調は?」
「かなり熱も下がったし、大丈夫。着替えもしました」
ミサネェはニッコリ微笑むと
「晩御飯は煮麺にするね」ミサネェはそう言うとベッドから一瞬離れてと言い、さっとシーツを交換した。
373 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/02/29(金) 12:48:21
カズミさんも起き出しミサネェの手伝いをしながら二人で晩御飯の手順について話していた。
晩御飯を三人で食べた後、カズミさんは夜遅くなると帰れなくなるので自宅に帰って行った。二人っきりになるとミサネェはオレンジの皮をむき、僕に食べさせた。
「シンちゃん、本当にごめんね。」
「ミサネェ、そんなのミサネェのせいじゃないですよ」僕はそう言ってミサネェを抱き寄せた。キスをせがまれるが風邪が感染ったら大変だと断る。
「明日、たっぷりキスしましょう」僕はそう言ってミサネェのおでこに軽くキスをした。
夜中にミサネェに着替えさせられて水分補給を済ませたら身体が軽くなったような気がした。そのまま寝て…起きたら昨日の怠さが嘘のように熱が下がっていた。
隣に寝ているミサネェを見るとまだ熟睡していたので僕はそっとベッドから抜け出し、バスルームに向かった。
熱いシャワーで身体を洗う、汗を流し普段より丁寧に身体を拭いていたら着替えがない事に気付く。腰にタオルを巻いてそっとクローゼットに向かう。着替えていたらミサネェが起きた。
「おはよう、お風呂なんか入って大丈夫?」
「うん。今からミサネェを抱くから。汗くさいのは嫌でしょ?」僕が真顔でそう言うとミサネェは照れながら
「まだダメだよ、熱ぶり返すよ…」って呟いて毛布で顔を隠した。僕はベッドに潜り込み、優しく抱きしめた。
「ありがとうね」
「うん…もう熱っぽくないね」
「今日はもう一日ゆっくりするね、明日はニューベッドフォードかニューポートのアウトレットに行こうね」
「無理はしないでね」ミサネェと一緒にいられるタイムリミットは刻々と近付いていた。多分、ミサネェもそれを感じていたと思う。
カズミ×シンジ かなりディープな予感
375 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/01(土) 11:53:44
水分補給をしてミサネェが用意してくれていた果物をぱくつく。ミサネェに促されてベッドに戻る。
「シンちゃん、おとなしくねんねしておきなさいよ。お姉さんはアメリカ人にナンパされてきますから」僕が少し拗ねたような表情を見せると
「私が他の人にナンパされたら嫌?エッチしたら嫌?」とイヤらしい表情で聞いてくる。
「嫌」
「シンちゃんかわいい!嘘よ、お姉さんは地下に洗濯に行くのよ。それと買い物」おとなしく寝てろと言われたが、そうするつもりだった。
昨日からかなり寝ていたからもう眠れないかと思っていたが、すぐに眠ってしまっていた。
ブザーが鳴り、目を覚ました僕がインターフォンに出るとカズミさんがお見舞いに来てくれていた。
「シンちゃん、体調はどう?」シンちゃん…昨日まではシンジ君だったよな、と思ったが状況を説明した。
「カレー作ったよ。もう食べられると思うけど、無理なら明日とか。一日寝かしたカレーは美味しいよ」
「ありがとうございます。今、ミサネェは洗濯か買い物です。よかったら上がって下さい」カズミさんは勝手知ったる…でキッチンに向かった。
「もう一度、火を入れておくね」そういうとコンロの火をつけた。暫くしてカレーのいい匂いが部屋の中を漂った。
「カズミさん、冷蔵庫の中にあるのテキトーにどうぞ」
「火を止めたらそっちに行きます。シンジ君は何がいい?」今度はシンジ君だった。
暫くしてコンロの火を止めたカズミさんはオレンジジュースを二つ持ってきてくれた。
「何から何まですいません」
「こっちこそ、ロックアウトされた時は命を助けて貰ったしサンドイッチビーチでは突き飛ばして風邪を引かせてしまって。迷惑かけてばかりで…」
「でも、カズミさんと知り合いになれてよかったです。なんか馴れ合うのが嫌で…自分から孤立していたし」
「そうかな?みんなシンジ君の事を誉めているよ。18才なのにセルフコントロール出来ていて凄いって」ただ必死なだけなのに…
「余裕がないからですよ」
「ううん。ミサさんの存在が大きいのよ」
「今はね。十日前までは…一年半で手紙のやり取りが二回あっただけですから」
「それって…本当なの?」僕は簡単にミサネェとの事を話した。もちろんプライベートな事やセンシティブな内容には触れないようにした。
376 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/01(土) 11:55:10
「凄いドラマね…感動しちゃった」カズミさんの目からポロポロと涙が零れる。
「同性としてカズミさんを尊敬するわ。それに元カノさんも尊敬するわ…」僕も危うく感情移入しそうになるが、自分自身…身勝手かつ矛盾している事に気付いていた。
「多分…僕に足りないピースが沢山あって。今はそれを探しているんですよ」
「…よくわかんないな」
「そうですね。…うーん。宝箱、大切な宝箱の鍵をなくしてしまって。それを捜しているような感じかな」
「何か焦ってるの?」
「焦っているのかも知れないし、逃げているのかも知れませんね」
「禪問答みたい」
「いや、松鶴家千歳ですよ…」
「何?」
「わかるかなぁ…わかんねぇだろうなぁ」
「話、はぐらかしてない?」
「わかります?」
「二番目のお姉さんとしては、そこは大事だと思うよ」
「…目的がなくなってしまったんですよ。こっちに来る前にね。結局、何一つ自分で意志決定出来ていない」
「みんなそうよ。強い意志や信念も大切だけど…夢も大切よ」
「夢ですか?」
「シンジ君に夢はないの?」
「ある…と思います。でも、今は夢に縋り付くのは嫌ですね」
「リアリスト?」
「そうありたいです」
377 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/01(土) 11:58:36
リアリスティックに生きないと現実逃避してしまいそうだった。
「多分、僕はエゴの塊で思い上がりもいいところの勘違い野郎です」
「そうかしら?私には思いやりのある少しシャイで優しい人にしか見えないけど」
「買い被り過ぎです。そんなんじゃ男に騙されてばかりですよ」
「大丈夫、今の所はね。だって男の人と付き合った事ないもん」カズミさんは四人兄弟の三番目で残りはみんな男だと教えてくれた。
「えっ?そうなんですか?」
「ずっと女子校だったし三人も男兄弟がいたら…あんまり恋愛に踏み込めなくなるもんよ」
「そのうち…素敵な彼氏が出来ますよ」
「お父さんは典型的な九州男児だからねぇ、お父さんと向き合える人じゃないと…」
「カズミさんと付き合うのはハードルが高そうですね」そこから暫くはカズミさんの家庭環境について聞いていた。
「ただいま〜、いい匂い〜」ミサネェは両手に荷物を抱えて帰ってきた。カズミさんがさっと玄関に向かい荷物を受け取る。
「カズミちゃん、ありがとうね。もちろん一緒に食べて行くよね?」カズミさんは遠慮していたがミサネェが僕と車で送るからと引き止めた。
「一人で食べるカレーよりも三人で食べるカレーの方が美味しいよ」僕も同調した。
明日、僕の体調が戻ってたらアウトレットに行く話をする。ミサネェはシーツやベッドカバーなんかが買いたいという。
「ローラアシュレイかわいいよね」二人で盛り上がっている。カズミさんも暇だし一緒に行く事になる。
「それじゃ明日、電話しますね。カレーごちそうさまでした」カズミさんを送って行った帰り道、カレーが旨かった話で盛り上がった。
「そうそう、カズミさんって四人兄弟らしいですね」
「らしいわね。それにバージンよ」
「いきなりなんて事を言うんですか!」
「だって本人がそう言ってたもん。シンちゃんに貰って欲しいって言ってたよ」
「んな訳ないでしょ!」
「私が日本にいる間に貰ったらダメよ」
「それは絶対にないよ。それにカズミさんも僕の小さいお姉さんだって言ってましたし」
「大きいお姉さんと近親相姦したのは誰かな?」僕はハンドルを握りながら顔を赤らめた。
「アレはミサネェのレイプですよ」
378 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/01(土) 16:35:21
「ヒッド〜イ。シンちゃんは私の事を弄んでいたのね」支離滅裂だったが、僕を困らせようとしているのは理解出来た。
「いいですよ。帰ったらミサネェの事を抱きしめて…いっぱいキスしようと思ってたけど止めます」
「嘘。ウソ、シンちゃん機嫌直して。ごめんね」ミサネェが真顔で謝る…振りをする。
車を停めて部屋に上がった僕達は一緒に風呂に入った。
「シンちゃん、何もしてないのに大きくなってるよ」ミサネェが僕のモノを掌で優しく包み込む。
「恥ずかしいです」
「食べてもいい?」
「聞かないで下さいよ」
「シンちゃんの気持ちいい時の声、いっぱい聞かせてね」ミサネェはそういうと僕の大きくなったモノを口に含んだ…
「あっ…もうダメ。すぐイキそう…ウッ。風邪引くからお風呂でましょ。…ミサネェ…許して」ミサネェはそっと口を離し僕の身体を優しく洗ってくれた。
「俯せになって」ベッドの上でバスローブのまま俯せに寝るように促された。
「熱で肩が凝ってるでしょ」ミサネェはそう言うと僕の肩から背中を念入りにマッサージしてくれる。
「疲れるでしょ?もう充分ですよ、ありがとう」
「じゃあ、ワンちゃんの姿勢になって。お尻を突き出して」ミサネェはそう言うと僕の身体を誘導した。そしてそのまま僕のモノをマッサージし始めた。
「これ、恥ずかしいです。勘弁して下さい」
「もう少し足を開いて」僕は死ぬほど恥ずかしいと思ったが、ミサネェの指示に素直に従った。
「シンちゃんの大きくて熱いよ」ミサネェの言葉にも艶が出てくる。
「お願い、僕にもさせて下さい…」
「ダメだよ。今日はシンちゃんだけ」そう言うとミサネェは僕の身体の下に潜り込み、舌先でペロペロと舐め始めた。
「ダメでしょ、お尻は突き出してないと!」口に含んで欲しくて腰を下ろそうとするとミサネェは刺激を与えるのを止める。
乳首を舐められたりお尻を舐められたり…何度もイキそうになっては止められる…快感が苦しみに変わりつつあった。
「お願い、イキたい。ミサネェが欲しいよ」
「ダメだよ。カズミちゃんのバージンを奪うような男の子は虐めなきゃ」
「そんな事しません。しませんからイカせて…お願いします」僕は狂い死にするのではないか?そう思うぐらいに息を荒くしていた。それでもミサネェはイカしてくれない。
「シンちゃん、イヤらしい…オチンチンからジュースがいっぱい溢れてるよ。ペロペロしてあげるね」そう言うとミサネェは僕の足の指を口に含んだ。初めての刺激に驚く…
379 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/01(土) 16:36:45
「お願い、ミサネェ。何でも言う事聞くからイカして下さい。」
「じゃぁ、私が他の男の人に抱かれてもいい?」
「嫌、それは嫌!…あぁ…」ミサネェがニヤニヤしながら他の男ネタで責めたてる。ミサネェがまた僕の身体の下に潜り込み、ペロペロと舐め始めた。
「他の男の人にもペロペロしちゃうよ」ミサネェがそう…言った時。僕はイッてしまった。
ミサネェが慌てて僕のモノに吸い付き、口に受け止める。僕の身体は痙攣し膝は震えていた。
一瞬が永遠に感じられ…次第に身体の力が抜けていく。ミサネェを見ると、顔に僕のミルクが飛び散っていた。
「凄い、シンちゃん…凄く出たよ。お姉さんびっくりしちゃったよ」僕はミサネェがティッシュで顔を拭いているのを横目で見ながら…荒い息が整うのを待っていた。
「…腰…落としてもいいですか?」ミサネェに許しを貰い俯せに倒れ込む。ミサネェがそっと僕を抱きしめると頭を優しく撫でてくれた。
「ごめんねシンちゃん。絶対に浮気なんかしないよ。シンちゃんだけ。」ミサネェがそう言って僕の唇に優しくキスをする。
「僕だけを見ていて欲しい…」キスを返した後、彼女の身体に腕を絡ませ、抱きしめた。僕のモノはまだ硬度を保っていた。ミサネェはそれをふとももの辺りで感じているらしく腰をくねらせる。
「グショグショじゃないですか…」僕の指がそっとミサネェの大切な所に触れると、そこは熱く濡れていた。
「シンちゃん、そのままちょうだい」ミサネェが恥ずかしそうにおねだりするが、僕は簡単には許さなかった…
その日はそのまま毛布に包まり裸のまま抱き合って眠った。
380 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/02(日) 03:31:19
朝…目を覚ますと風邪はすっかりよくなっていた。じんわり汗をかいていたのでシャワーを浴びた。
シャワーを浴びて髪を乾かしながらバスルームを出るとミサネェはまだ眠っていた。僕は悪戯心でミサネェの両腕をそっとバスローブの紐で縛り上げた。
そのまま毛布に潜り込み…そっとミサネェの大切な、敏感な部分に舌を這わせる。ゆっくりと足を開いていき普段なら恥ずかしがるぐらいまでに足を広げる。
「うん…シンちゃん。おはよ、えっ!やだ!」ミサネェは腕が拘束されている事に気付き…急に恥ずかしがる。僕は溢れてくるジュースを音を立てながら飲み、卑猥な言葉を投げかけた。
「シンちゃんお願い。解いて!」ミサネェは幾分抵抗を試みるが感じ始めた身体がビクンビクンと跳ね上がる。鼠頚部に舌先を這わせた後、いきなり僕のモノを侵入させる。
「くっ…うっ…ぁあ」ミサネェの掠れたような喘ぎ声を聞き、ますます乱暴に突き上げる。
「シンちゃん…お腹…お腹に届いてるよ…痛い…」ミサネェの痛がる様子に僕は慌ててストライドを緩める…苦痛の表情が和らぎ…快感に歪む。
「ごめんね、まだ痛い?止めようか?」ミサネェは首を横に振り、止めないでと呟く。バスローブの紐を緩めミサネェの拘束を解く。
腕が自由になり、僕の背中に腕を絡めると…喘ぎ声が高まり、そのままイッた。
僕の方はかなり感じているが昨夜に二回イッているせいか…まだ余裕がある。そのままミサネェが再度上り詰めるのを待ち、今度は合わせるように僕もイッた。
ミサネェの荒い息がおさまると酷いよ!と軽くクレームを言われたが、そのまま寝息を立てて浅い眠りについた。僕はミサネェの身体を拭き、その足でバスタブに湯を張りに行く。
時間を確認してカズミさんに電話をする。別の学校に通っているカズミさんの友達も一緒にアウトレットに行きたがっている事を聞き
「カズミさんを含めて三人迄なら車に乗れますよ」と答える。
「ミサネェは用意してますからお昼に迎えに行きます。カズミさんの所で待ち合わせてもいいし、カズミさんを拾ってからお友達をピックアップしてもいいですよ」
電話を切った後、湯を止め
「寝坊すけはアウトレットに連れて行きませんよ」と言いながら脇腹をくすぐってミサネェを起こす。
「おはよう。アゲイン。シンちゃんさぁ…そんなにエッチだった?」ミサネェはにっこり笑った後、すぐにしかめっつらをしてみせた。
381 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/02(日) 03:32:52
「ミサネェに仕込まれたんですよ」裸のミサネェにバスローブを羽織らせる。ミサネェの身体は神々しい程に完璧で…美しかった。
「エリカちゃんにも縛ったりしたの?」
「いいえ。知りませんよ、って言うか忘れました」
「そうだね、ごめんね。変な事を聞いちゃった」
「いや、全然平気ですけどね。それよりお風呂。ちょうどいいですよ」
ミサネェはキスを求め、軽くキスをすると駆け足でバスルームに行った。
「そうそう、昼前には出ますよ!カズミさんの友達も一緒に行きますから」
「はいはーい!」鼻歌混じりに返事が聞こえる。
ミサネェのリクエストであるべーグルサンドを用意する。べーグルを半分に切り、片面ずつを軽く焼きクリームチーズをたっぷり塗る。シンプルだがわりと美味しかった。
「ねぇシンちゃん。こっちに来てすぐはシンちゃんが入って来ると最初は痛くて苦しかったのに、いつの間にか痛くなくなっているのよ」
「もしかして…私…気持ちよくない?」
「そんな事ないですよ。最高です、多分フィットしたんですよ。嬉しい事じゃないですか」
「うん…初めての時も二回目の時も今回来た時も痛くて出血してたし。シンちゃんの大き過ぎだよ」朝食を摂りながらの会話じゃないねと二人で笑った。
ミサネェは朝食を終えると化粧を始めた。僕は後片付けをしてからベッドメークをしたり着替えをしてミサネェの準備が終わるのを待った。
「ごめんね、お待たせ〜」普段より少し気合いが入っていた。
「カズミちゃんの連れてくるお友達にシンちゃんを取られたくないからね」
「男…かも知れませんよ」
「いい男だったら、シンちゃんをカズミちゃんにあげて…乗り換えちゃおうかな」軽口を叩きながら手を握ってくる。
「靴、買わないと。スニーカーボロボロだし。」
「私がお見立てしてあげるね」
カズミさんに電話をしてから戸締まりをして車に乗り込む。カズミさんの家まですぐだった。アパートの前に着くとカズミさんは下で待っていた。
「おはようございます。お友達をピックアップして貰っていいですか?」
「いいですよ、ビーコンヒルならすぐですよ」カズミさんが車に乗り込むと僕は車を走らせた。すぐに目的地に着きカズミさんが迎えに行く。
382 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/02(日) 03:34:36
カズミさんが連れてきたのは20代半ばの女性だった。
「はじめまして。」その人はジュンコさんといい、カズミさんが日本にいる時からの友達だとの事だった。
「一昨日こっちに戻って来たんだけど、お二人がカズミの命の恩人なんですよね?」
「恩人だなんて、偶然ですし遠い異国で同胞が困っているのを助けるのは…」そこまでミサネェが言った時、みんな噴き出してしまった。
ジュンコさんは過去にニューベッドフォードのアウトレットに二回行っているらしく、的確にナビゲートしてくれた。
道中ジュンコさんのバハマス旅行の話やカズミさんの鹿児島での話、僕たちの馴れ初め話で盛り上がっていた。
2時間程でアウトレットに着き、車をパーキングロットに停める。簡単に何処に何があるかを聞き二手に別れた。
ジュンコさんとカズミさんはリーバイスショップに入って行った。
「まずはラルフローレン」ミサネェが僕を引っ張っていく。僕がシーツを見ていると
「二人どオソロのポロシャツは?」
「衿…立てますか?」
「ペアルックしてくれるなら紺ブレをプレゼントしちゃう」
「写真撮ってみんなに送りますよ」ミサネェは少し考えた振りをして
「帰省出来なくなるわね、断念するわ」ミサネェはスタイルがよかったから渋カジュも似合うとは思ったが、そういうお洒落は僕たちが最も苦手なジャンルだった。
リグレイズのスペアミントを取り出しミサネェに渡す。僕も一枚噛みながら服を見てまわる。
細身の綿パンを見つけて値段を確認する…15ドルはかなり安かった。ミサネェは僕にカシミアのジャケットを持ってきた。
「これから夏ですよ」
「だから安いんじゃない。シンちゃん細身でよかったね、ピッタリ」値段を見ると70ドルだった
「リテールプライスが2000ドルよ!絶対に買いなさい!」ミサネェはそう言うとレジに向かった。レジでパンツとジャケットを預け、今度はミサネェの買い物に付き合う。
…こっちに来てかなり買い物をしているからスーツケースに入るのだろうか?僕はそんな事を考えながら付き人に徹した。
ラルフローレンでの買い物が済み、僕はニューバランスのスニーカーをミサネェはコールハーンでパンプスを買い…メインのローラアシュレイへ。
僕は一人暮らしにローラアシュレイは恥ずかしいと主張するが、女除けだからと説得される。どう考えてもエゴだと思ったが3対1になるのは目に見えていたから素直に従った。
383 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/02(日) 03:35:57
「フリルのついたピンクの掛け布団は勘弁してください。これから夏だし…置くとこないし」
「残念ねぇ…」ミサネェはそう言うとシーツを三枚とお揃いの枕カバー、薄手の掛け布団とタオルケット…それにタオルや小物を購入した。
「一旦、トランクに積み込みませんか?僕、行ってきます」僕は二人分の荷物を抱えて車に向かった。トランクに詰め込み運転席に座ってタバコに火をつけて一服する。
カズミさんとジュンコさんも荷物を持って車にやってきた。僕は再度トランクを開けて荷物を詰め込んだ。
「私も一服しようかな」ジュンコさんもタバコに火をつけるとカズミさんはミサネェを探しに行ってしまった。
「シンジ君、シンジ君でいいのかな?」
「あっ、はい。シンジでいいです」
「シンジ君は何歳なの?」18でもうすぐ19になると聞いてジュンコさんは驚いていた。ついでにミサネェの年齢を教えるとまたまた驚いていた。
「シンジ君はカズミの二個下でカズミはミサさんの二個下でミサさんは私の二個下なのね」ジュンコさんは一人で納得していた。
「お二人は付き合って長いの?」
「いえ、まだ十日程ですよ」
「えっ!?嘘?」
「マジです。知り合ってからは5年以上経ちますけど」
「ミサさん方式もいいわね、青田買い…か」ジュンコさん…ミサネェと同類のような気がした。…だからカズミさんとミサネェも仲が良いのか、と納得した。
タバコを吸い終えると僕とジュンコさんもミサネェ達に合流した。適当に買い物め一段落したのでハンバーガーショップでお茶をする。
話題は青田買いだった。
「いつ頃から目をつけて育てたの?」露骨過ぎる質問だった。
「うーん。シンちゃんが16の頃かな?まだ私の方が身長も高かった…よね?」
「そうでしたかね?」僕は恥ずかしかった。
「本当はお姉さんとして育ててるつもりだったんだけどね。彼にはとてもかわいい彼女がいたし」ジュンコさんもカズミさんも身を乗り出して聞いていた。
「それなのに、シンちゃんは私にキスしてきたから…」話が違う!
「意識してしまって…」ミサネェは僕を見て見つからないように素早くウィンクをした。
384 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/02(日) 03:37:34
「えー、シンジ君は浮気性なんだ!」二人が口を揃える。
「それで…まぁ最初は歳の差もあるし恋愛の対象ではなかったのよね」
「私が就職して東京に引越してから一年半…全くと言っていい程連絡なかったんだけど」それは事実だった。
「シンジ君の事、多分二年ぐらい前から好きになってて。それでいきなり押しかけちゃったの」
その時のいきさつを聞いて…カズミさんはある程度知ってた筈だが改めて感動していた。ジュンコさんもじっと聞いていた。
「シンジ君、こんな綺麗なお姉さんに惚れられて幸せ者よね」
「あぁ、はい。憧れの女性でしたしね」確かにミサネェは僕には勿体ない程に素晴らしい女性だった。
「カズミちゃん、私達も青田買いしましょう!」また言ってる…ジュンコさんならともかくカズミちゃんは高校生を探さなきゃならない…ツッコミする気にはなれなかった。
最後に雑貨屋をまわり細々した物を買い込み僕達は車に乗り込んだ。途中でガス補給をして…ボストンに着いたら9時前になっていた。
「今から帰ってご飯も面倒だからどこかでご飯にしましょう」ジュンコさんの提案にみんな賛成をする。
「フライデーズか立吉」意見は分かれたが前に路駐出来るし安いからとの理由でフライデーズに決定する。
「それじゃガソリン代や高速代にレンタカー代を精算しましょう」
「いいですよ、そんなにかかってないし」そういう訳にはいかないとジュンコさんは引かない。
「それなら私達でお二人をご馳走しましょうよ」カズミさんの提案に決定する。
食事を終えジュンコさんを送っている間、ミサネェの帰国の話題になる。
「明々後日に帰国なんですよ、帰りたくないなぁ…延ばそうかな」どちらにしろ帰国前にご飯に行こうと話してジュンコさんを送り届けた。
カズミさんを送り届けた後、僕たちは黙り込んでしまった。ミサネェの帰国という現実が重かった。
車を停めて荷物を部屋に運び込むと僕はミサネェを抱きしめた。
「明日…行きたい所ある?」
「ううん…ないよ」
「一日中抱きしめていてもいいかな?」
「はい」
荷解き前に僕達は長いキスをした…
携帯支援調整
386 :
fusianasan:2008/03/02(日) 11:44:01
いよいよ佳境か的支援
387 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/03(月) 07:00:09
僕とミサネェは昨夜からずっと抱き合ったまま過ごしていた。
それこそトイレ以外はずっと抱きしめていた。
ミサネェは必ず戻って来る…そう僕に約束してくれたが、僕はミサネェに約束を履行するように無理強いは出来なかった。
ここで二人で過ごした時間は…文字通り夢のような時間だったが、あまりにも現実離れしていた。勿論、僕にとってはリアルな話なのだがミサネェにとっては…どうかわからなかった。
ミサネェの事だから、なんとかこちらに戻る努力はするだろうけど…僕たちの間にある距離は並大抵の事では超越出来ない…そんな気がした。
そして僕に出来る事と言えばミサネェを想い続ける事しかなかった。
「絶対に戻ってくるからね…早ければ九月。遅くても年内には…」
「うん。待ってます…ごめん、今の僕はそれしか言えない」
「シンちゃんが待ってる。…私にはそれで充分」ミサネェは思い詰めたような…独り言のように呟いた。
「泣くのは今日でおしまい、明日は一日中笑顔で過ごしましょうね」
「うん。残されるシンちゃんの方が辛いもんね」
数日も過ぎれば僕には学校が、ミサネェには仕事が待っている。課題や仕事に忙殺される日々が待っているのは明らかだった。
「ドルチェ ビータ」
「?何?なんて意味?」
「甘い時間…です。僕の数少ないイタリア語のボキャです。ミサネェとの時間はドルチェビータです」
「甘い時間…ほんとに甘い時間ね。この一瞬を切り取って永遠に残したいわ」
「まだまだ…続きますよ。きっと。僕はそう願っています」
「シンジ…」ミサネェは我慢しきれなかったのか…声を上げて泣き出した。
ミサネェも…もしかしたら…僕達がダメになる、そんな気がしているのかも知れなかった。
僕に出来る事…ミサネェが落ち着くまで、そっと抱きしめる事。それだけだった。
388 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/03(月) 07:01:23
「お腹空いたね…」ミサネェが僕に声をかける。
「何か…作ろうか?」
「ワッフルが食べたい」明日、食べられるかどうかわからないからとハンティントンアベニューのマリオットの近くにあるカフェに車で向かう。
僕はペリエとクラブハウスサンドイッチをミサネェはペリエとワッフルをオーダーする。程なくしてワッフルが焼き上がり、ミサネェが我慢しきれずにパクつく。
「愛してる」ミサネェが突然呟く。
「ワッフル?」
「なんでやねん!いや、ワッフルも愛してるよ」
「???」僕が怪訝な表情を見せる。
「愛してる。愛してるのに離ればなれはおかしい!」
「……」
「帰らない、帰りたくないよ…」僕は困惑した。ミサネェ自身もセルフコントロール出来ていなかった。
「ここが日本なら、僕はミサネェを帰さない」
「…うん」
「とりあえず食べましょう」
それから最後のドライブをした。チャールズリバー沿いに走りハーバードの学生達のレガッタの練習風景を眺める。
「今日、ナイターを見ましょうか?チケットあるかも…」
「一緒に暮らしたらいつでも行けるから今日はいい」
「ボストンポップスは?」
「秋にはシンフォニィーが始まるでしょ?そっちがいい」
「オッケー。それじゃゆっくり過ごしましょう」僕は岸辺で…ミサネェを抱き寄せ、キスをした。
「いや、ゆっくりしてられない。シンちゃん、車。何時に返す?」
「後…2時間かな」僕は時計を見た。
「吉野屋とコトブキに行くよ!」そう言うとミサネェは僕の手を引いて車に戻った。
かなりの量の食材を買い込む。吉野屋では車を路駐出来なかったから僕は車で待っていた。スターマーケットに寄り、荷物をアパートに置き…給油をしてから車を返却した。
シェラトンホテルからニューベリーストリートへ向かう。ニューベリーストリートでそぞろ歩きをする。
ミサネェが服を見ている間…僕はこっそり別の店でプレゼントを買った。
ブックカフェを過ぎ、手を繋いで部屋に戻った時は日が沈んだあとだった。
夕食はミサネェが作ってくれた。夕食後すぐにミサネェはキッチンに篭る。
「シチューとか肉じゃがとか作って小分けにしておくからね。」ミサネェは応用がきくからとミートソースやハンバーグまで作ろうとしてくれていた。
389 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/03(月) 07:02:44
ミサネェの作業が一段落するのを待ち、僕は声をかけた。
「ミサネェ、ちょっと目をつぶって」
「なぁに?エッチはまだダメよ」
「黙って目を閉じて。そして手を出して…」ミサネェは恐々とした表情で目を閉じて手を差し出した。
僕はポケットからさっき買った指輪を取り出しミサネェの右手の薬指にはめた。指輪は…少し大きかった。
「はい。もういいですよ」そう言うとミサネェはそっと目をあけ…右手を見つめた。
「今の僕に出来る精一杯の魔法です」
「……」
「…僕には部屋一面を薔薇の花びらで埋め尽くしてミサを迎える事もリムジンで空港まで迎えに行く事も出来ません」
「せいぜいシャンパンにイチゴを用意するぐらいしか出来ません。いや、それすら怪しいもんです」
「うん」
「でも、いつか…タキシードの似合う男になります。その時まで…僕の魔法にかかっていて下さい」
「うん。でも、薔薇もリムジンもシャンパンも要らないから。シンジがいてくれたらいいから」ミサネェは笑顔で…涙を流していた。
「シンジの魔法…とっくにかかってるよ。遥か…何年も前からかかったままだよ」
「うん。これからもよろしくお願いします」
「こちらこそ、おばさんですけどよろしくお願いします」ミサネェはそう言うとぺこりと頭を下げた。
ミサネェはキッチンに戻らなきゃ…口ではそう言いながらリビングで右手を見つめていた。僕はそんな彼女を後ろから抱きしめた。
後は冷めるのを待って小分けするだけ…その頃には時計の針は夜中に差し掛かっていた。
「シンジ、一緒にお風呂入るよ」
「はい。でも一人がいいんじゃないですか?」
「頭、洗ってあげる」
「はい、それじゃお願いしますね。」狭いバスタブの中でミサネェに髪の毛や身体を洗って貰う。妙な恥ずかしさがあったが、幸せだった。
バスルームを出て、ミサネェに身体を拭いてもらう…恥ずかしさもあったが、僕のモノはかなり大きくなってきていた。
「いっぱい気持ちよくなってね…それとシンちゃん、浮気は…嫌だけど。でも浮気なら許す。でも本気はダメ」ミサネェはそう言うとひざまずき、僕のモノをゆっくりと口に含んだ…。
390 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/03(月) 07:04:33
夜中にベッドで目覚める…ミサネェはベッドを抜け出して机に向かって何かを書いていた。
「ミサネェ、何してるの?」
「レシピ…シンちゃんでも作れる簡単レシピを書いてるの。それと冷凍庫の中身の食べ方とかね」
「ありがとう。でも明日にしよ、こっちに来て」ミサネェは僕を一瞬見てからまた机に向かった。
「もう少し…」僕はミサネェを待っている間にいつの間にか寝てしまっていた。
朝、目覚めた時はミサネェは僕の横で眠っていた。優しいキスでミサネェを起こす。
ベッドの中で抱き合っている内にミサネェの中に侵入する…ミサネェの感じている表情を見ているだけでイキそうになる。
「ミサネェの…気持ちいい顔を見ているだけで僕はイキそうになるよ」囁くとミサネェの中が痙攣を始めた…
シャワーを浴びてから夜中にミサネェが作っていてくれたお握りと卵焼きで朝食を済ませる。
朝食後に…ミサネェとベッドで抱き合っていたら電話が鳴った。カズミさんからで…晩御飯を四人で食べないか?と誘われる。
クインシーマーケットで8時に待ち合わせをして電話を切る。
「明日の朝、5時まで…後何回出来るかな?」
「僕は限界あるけど、ミサネェはイキっぱなしでいいですよ」そう言うと僕はミサネェの敏感な部分に舌を這わせた。
ようやくベッドから起き出し、ミサネェは荷造りを始めた。当然だがスーツケースにおさまりきらない。
「もってきた着替えとか下着とか洗面道具とか置いて帰ってもいい?」
「いいけど、スーツケースに隠している僕のパンツは返して下さいね」結局持ってきた荷物の大半を置いて帰るにしても僕のスーツケースを貸す必要があった。
「何してるんですか?」ミサネェが僕ねTシャツとトランクスをこっそりスーツケースに詰めようとしてるのを咎めた。
「しかも洗ってない奴じゃないですか!変態さんですか?」ミサネェはネゴしてくるがシャツはともかくパンツは洗濯済みを持って帰るようにさせた。
「最初からパンツは洗ってる奴だよ」ミサネェは舌を出して毒づく。
「それにしても荷物多いですね、どんだけ買い物したんですか?」
「まぁまぁ女の子には色々とあるのよ」
「次、帰ってくる時…荷物はどうするつもりですか?こんなペースなら本当に引越ししなきゃならないですよ」
「引越し先、考えててね」
「……」
それから夕方までベッドで過ごした後…最後の散歩&買い物に出掛けた。カズミさん達との待ち合わせ時間ギリギリまで買い物は続いた。
391 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/03(月) 07:06:13
クインシーマーケットのカフェ前に時間ちょうどに荷物を抱えて着いたらカズミさんとジュンコさんは既に来ていた。
「お待たせ〜最後の買い物してたらギリギリになっちゃった」そう言いながらカフェのテーブルの上でわざと指輪を見せびらかす。
「かわいい指輪ですね」カズミさんが気付いたようだ。
「いいでしょ。婚約指輪!シンちゃんが昨日プロポーズしてくれたの」僕は慌てて否定した。
「いや、プロポーズなんてしてませんよ。まだ子供だし。こっちに来てくれたお礼です」
「嘘!私に魔法をかけたって…ずっと魔法にかけ続けるって約束してくれたじゃない」ミサネェはニヤニヤしながら僕に言い掛かりをつけた。ジュンコさんもカズミさんもニヤニヤしながらやり取りを見ている。
「そうだけど…意味合いが違います」
「シンジ君は魔法使いだったんだ?」ジュンコさんは意地悪そうな顔をして囃し立てる。
「そうなの。ウチのシンちゃんは魔法使いらしいのよ」ミサネェはからかい半分、嬉しさ半分の表情を見せた。
「シンジ君はロマンチストなのね」
「そ、そろそろ移動して晩御飯にしましょう」僕は皆を促してパスタビーノに足を向けた。
「ミサさんとシンジ君の婚約を祝して乾杯!」ジュンコさんの悪ノリは続いていた。
食事も終わりに近付き話も落ち着いた所でカズミさんがミサネェにプレゼントを渡した。
「荷物にならないように…」ジュンコさんと二人でボストンの町並みを描いた絵をプレゼントしてくれた。
「うわー、ありがとう。素敵な絵ねぇ。帰ったらさっそく寝室に飾らさして戴くわ」
カズミさん達と別れて部屋に戻ったら11時だった。
リミットまで6時間しかなかった…。
392 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/04(火) 11:19:02
「5時には出た方がいいかな?」ミサネェはスーツケースの整理をしながら僕に聞いた。
「6時にはチェックインですからね。クリーブランドで乗り換えて、そのまま東京です。」
「クリーブランドで時間あるから電話するね」
「リコンファーム済みですよ。クリーブランドでかなりトランジットの時間あるから必ず何か食べて下さいね。」
荷物の整理が終わった時は日付が変わっていた。ミサネェを抱き寄せベッドに転がり込む。二人で泣かないと決めてはいるものの…気を抜けば泣いてしまいそうだった。
「キッチンの棚にレシピが入っているからご飯を作る時は読んでからにしてね」
「あぁ、はい。そうします」
「そういえば私の会社の同期の女の子がこの前のネルトンに出たのよ」
「そうなんですか?」
「なんかね、ある程度は筋書きがあるんだって。参加者もそうだし最初からカメラ近くに座るとか離れて座るとか配置も決まってるみたいよ…」
「あんまり見た記憶がないからわからないけど、その前の中川比佐子とか鶴太郎の紅鯨団の方がよかったですよね?」
「シンちゃんの好みって変わってるわよね…」重い空気に堪えられないからか、TPOを無視した会話が続いた。
「ねぇシンちゃん。私が日本に帰ったら…バイバイした瞬間から私を忘れて欲しいの。」
「どういう事?」
「この二週間があまりにも楽しかったから、反動が怖いの…想像だけど残ったシンちゃんの方が辛いから。だから次に戻るまでは忘れててね」ミサネェの言葉の意味は理解出来た。
「いや、忘れませんよ。その辛さも含めて…ミサネェと付き合うのですから」
遠くにパトカーのサイレンの音を聞きながら僕はミサネェを抱いた。ギリギリの時間まで熱いキスを交わし続けた。
4時になり、気怠い気持ちが入り混じる中…バスタブに湯を張る。二人で最後の風呂に入る。
僕は先に風呂から上がりフルーツとペリエを用意する。ミサネェはフルーツをパクつきながら簡単に化粧を始めた。お互い…肝心な事に触れないように旅行に行くような、そんな会話を展開した。
「もうすぐタクシーが来ますよ、荷物の最終確認は済みましたか?」
「シンちゃんごめんね、私の置いていく荷物の片付け済んでなくて。後でチェストかケースか何かに詰めておいてね」
「ミサネェの洗濯物で一人エッチしますよ」
「もう…すぐに戻ってくるから浮気しないでよ」
393 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/04(火) 11:20:37
「東京に着いたら電話下さいね。」
「うん」
「最後のキス…いいかな?」
「最後なの?」僕はミサネェの疑問には答えずに、タクシーがクラクションを鳴らすまで唇を重ね続けた。
「ここでは、ね」
トランクを部屋の外に出し、鍵を閉める。ミサネェが合い鍵を返そうとするが
「ここはミサネェの部屋でもあるんですから、それにお守りがわりに持ってて欲しいし」お守りの代わりになるかは疑問だったが…ミサネェに持っていて欲しかった。
タクシーのトランクにスーツケースをほうり込みドライバーに行き先を告げる。
タクシーの中でのミサネェは白み始めた夜の町並みを目に焼き付けるかのように黙って外を見詰めていた。僕はちらっとミサネェの横顔を見て、そっとミサネェの手をにぎりしめた。
空港に着きチェックインを済ませてから時間を確認する。搭乗まで1時間近くあった。
「カフェはまだ開いてないからロビーで座ってましょうか?」カフェのオープン準備している様子を眺めながら…自分が出国した時の情景を思い出す。
あの時のエリカは…エリカはどんな気持ちで僕を送り出したのだろう?…考えたくはなかったが、頭から離れなかった。
「カフェ、開いたよ」ミサネェが少し喉が渇いたと言い、二人でカフェに向かった。ミサネェも僕も沈黙が怖かったが、だからといって口を開くのも恐かった。
搭乗開始時刻になりトレーを返却して搭乗カウンターに向かう。僕がミサネェの側にいられるギリギリの所で…最後のキスを交わす。
「必ず戻ってくるからね」
「うん」
「早ければ九月、遅くても年内には戻るからね」
「うん」
「シンちゃん、ごめんね。そして、ありがとうね」
「うん。こちらこそ…」僕がその先を続けようとした時、ミサネェは自分の唇で僕の言葉を飲み込んだ。そして…
「じゃ、お姉さんは一旦帰るから!」そう言ってゲートをくぐった。ゲートをくぐれば後戻り出来ない…
ミサネェはエスカレーターに乗ろうとした瞬間、
「愛してる!必ず戻って!」振り返り…僕に手を振った。
ミサネェの乗った便が離陸するのを見届ける事が出来る程…僕は強くなかった。帰りのタクシーの中、僕は意識的にミサネェの事を考えないようにした…
刹那的にになるのは嫌だった。
部屋に戻り、着替えながら食べ残しのフルーツを口にほうり込み…テーブルに目を落とすと置き手紙と小さな紙袋が置いてあった。
そしてその紙袋を膨らまし、ぱ〜ん!と割ると警察官がやってきました。
「発砲事件ですか?」
395 :
fusianasan:2008/03/04(火) 22:22:04
396 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:15:06
ミサネェの置き手紙を開く、中には便箋が二枚入っていた。
ミサネェがアメリカに来た経緯や僕に対してのそれまでの気持ち、そしてボストンに来てからのミサネェの思いが連綿と綴られていた。
必ず戻って来る…
最後にはそう締め括られていたが、彼女の存在が僕をスポイルするならばいつでも切り捨てて欲しいとも書かれていた。そして最後にカズミさんと浮気しないよう…もし浮気するなら必ずゴムは着用するように、と書いてあった。
最後のはミサネェの冗談だったが、小さな紙袋を開けるとコンドームの箱が入っていた。
−この前の買い出しの時にミサネェが一緒に買ったんだ−ギャグにしても手が込んでいるな。そんな事を考えていたら…急に淋しくなった。
妙に整った部屋を見回すと…ミサネェの名残があちこちに残っていた。バスルームにはミサネェお気に入りのシャンプーとか歯ブラシ。
キッチンには買い足したミサネェの食器、ランドリー袋にはミサネェの着替えもあったしクローゼットの中身の半分近くはミサネェの荷物だった。
ミサネェから電話が掛かってくるまで…脱力感からか、僕はぼーっとしていた。昼過ぎになり、ミサネェから電話が入った。
「浮気してない?」
「いきなりそれですか?」
「なんか声が暗いから、カズミちゃんとのエッチの最中かなって?」
「あまりネタにしてると彼女に失礼ですよ」
「うん、そだね。カズミちゃんに悪いわね。でもねカズミちゃんはシンちゃんの事…好きよ」
「考え過ぎです。なんにもないし過去にもなかったし、これからも何もないですから」
「カズミちゃんだけじゃなく浮気は許すけど、本気は嫌だからね」
「ミサネェがいるのに、大丈夫です。それより…早く帰ってきて欲しい」
「うん、シンちゃんありがとうね」
「ミサネェ…僕も今は中途半端だけど必ず結果を出しますから」
「うん、待ってます」
その後…少し世間話をして離陸前にもう一度電話をするからと、一旦受話器を置いた。
感傷に浸りながらフルーツの入っていた皿を片付けながらブランチの用意をする。用意と言ってもベーコンエッグにミサネェが食べ残したべーグルで済ませる。
食後にシャワーを浴びようか、そう考えていたら電話が鳴った。ミサネェからかな?そう思いながら受話器を取るとカズミさんからだった。
397 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:16:45
「シンジ君、ミサさんは無事に飛行機に乗れた?」
「あぁ、大丈夫でした。色々とご迷惑をおかけいたしました。今はクリーブランドでトランジット中です」
「そう、今日は何してるの?」
「う〜ん、ミサネェが後2時間ぐらいで機上の人になるから。それまでは部屋にいます。まぁどっちにしろアサイメントのチェックとか学校の準備で今日はずっとアパートです」
ミサネェから電話が掛かってくるかも知れないから…キャッチホンがあるとはいえ、早く電話を切りたかった。
その後、少し話をしてから受話器を置いた。
教科書を引っ張り出しベッドに寝転ぶ。ミサネェの事が気掛かりで、あまり頭に入らなかった。
教科書をシェードがわりにうたた寝をしていると電話が鳴った。
「は〜い、シンちゃん。元気にしてたぁ?」
「あぁ、うん。うたた寝してた。ミサネェは?」
「DFSでお買い物、会社とか実家とかのね」
「そんだけの荷物、成田から困りますよ」
「彼氏が向かえにくるから〜なんてね、一応シンちゃんから借りたスーツケースは持って帰って。もう一個は成田から宅配便にするから大丈夫」
「僕は今からミサネェのパンツの匂い嗅いで寝ますよ」
「嘘!アニマル?」
「嘘ですから。それより…トランジット大丈夫ですか?」
「うん。完璧!ほんと、こんなにハッピーな旅行が出来たのはシンちゃんのおかげよ」
「なんか…もう逢えないみたいな言い方はやめて下さいよ」
「いやいや、絶対に戻るから大丈夫。シンちゃん以外の男は目に入らないし」
「なんか、昔のカッコイイミサネェはどこかにいっちゃってませんか?」
「意地っ張りだっただけだよ。シンちゃんの事が好きだったけど、意地でも言えなくてね。でも、自分の気持ちに素直になったらこうなったのよ」
「僕の前でももっと素直でいて下さいね」
「はいは〜い、愛してるよ。それじゃ着いたら電話するね」
「はい。無事を祈ってます」
受話器を置いたら無性に淋しく感じられた僕は…とりあえずジムに行って身体を動かす事にした。
398 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:18:08
次の日…休みの最終日だった。体調は完璧だったし、朝一番からの授業に合わせて五時半に目覚ましをセットしていた。
トレーニングウェアに着替えて近くの池がある公園までジョギングをする。軽く柔軟をし部屋に戻ると六時半になっていた。
シャワーを浴びて軽い朝食を摂る。時計を見たら七時だった。明日からは着替えて学校だが、今日はまだオフだったので洗濯をする事にする。ランドリー袋とトークンを持って地下のランドリールームに行く。
一枚ずつシャツや下着を分類してから洗濯機にほうり込む。
洗剤を抱えて部屋に戻り、予習を始める。途中、乾燥機に洗濯物を移し部屋に戻る。空のランドリー袋に洗濯物を詰めて部屋に持ち帰り、洗濯物を畳む。
ミサネェのシャツや下着はクローゼットに仕舞う。そして明らかに趣味の違う下着とシャツが混じっている事に気付く…カズミさんのかな?乱雑に返すのも悪いし、綺麗に畳むのも悪いし。…結局、綺麗に畳んで袋に入れておいた。
問題は返すタイミングだと思った。
洗濯を終えて昼過ぎまで集中する。
ランチは近所のピザ屋でステーキサブマリンサンドをオーダーしてコーラで流し込む。
部屋でぼーっとしていたら電話が鳴った。
「はい、シンちゃん。帰ってるからね。」
「お疲れ様でした」
「そっちは夜中ですよね?」
「うん。荷解きして寛いでいたから遅くなっちゃった。明日から出社だから時差ボケが怖いなぁ」
「体調管理、気をつけて下さいね」
「うん。…明日、退職についてマネージャーと相談してくるから」
「…大丈夫ですか?」
「うん。親には話したし、一度実家に戻って報告するけどね」
「話、早いですね。」
「鉄は熱いうちに打て!ってね」
「ちょっと違いますよ」
「うん。…シンちゃん」
「はい?」
「愛してるよ」
「…僕も、愛してます」
「じゃ、二、三日以内に電話するね」
「はい、おやすみなさい」
電話を切った後…改めてミサネェが帰国した事を実感した。
淋しい気持ちが僕を支配しようとするが、とりあえず午後の勉強に集中した。
399 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:19:56
夕暮れになり、流石に疲れたし完璧に能率が落ちてきているのを自覚した僕は勉強を止めて散歩に出る事にした。
片付けをしていると電話が鳴った。
「ハロー?」
「シンジ君?」
「あぁ、はい。」
「今、何してたの?」
「えーっと予習を終えて今からタワレコに行こうか、と」
「あぁ、そうなんだ…」
「よかったら、一緒にお茶でもします?」
「うん」
「それじゃタワレコの前で…」
僕がタワレコに着いたらカズミさんは入口横で待っていた。
「タワレコに行ってもプレーヤーがないんで。試聴だけなんです。CDウォークマン、持ってくるのを忘れてて」
「どんなのを聞くの?」
「なんでも聞きますよ、ヒップホップも好きですし…ガラージュとかグランドビート。ジャズも好きだしクラッシックもたまに」
「アイドルとかは?」
「おにゃんことかウィンクとか?興味ないです、カズミさんは?」
「私はポップスかな。デュランデュランとかハッピーマンデーズとか好きだな」
「UKですね、しかもマンチェスターって。かなりマニアですね」一時間近くをタワレコで過ごし、何も買わずに出る。
ニューベリーストリートに入り、バークレー近くのブックカフェに入る。歩道の席に座り僕はペリエをカズミさんはオレンジーナをオーダーする。
「これから暫くが一年で1番いい季節らしいわね、暑過ぎる事もなく寒くもなく」
「そうなんですか?」僕はペリエを飲みながらカズミさんの話を聞いていた。
「ミサさんは?」無事に着いた事は報告したが、それ以上の事は話さなかった。
それから授業の選択についての話になった。午後は大学の授業になる為キャンパスも離れるが午前の授業の内グラマーやライティングの授業は一緒だった。
「週に三回は一緒の授業があるわね」
「そうなりますね、午後はどうするつもりですか?」
「水曜日は5時間も開くからその日を纏めて家事の日にしようかな」
「いいですね、僕の場合は月曜から金曜までビッシリだから早くても七時過ぎですからね」実際、木曜日までは図書館にも行くからほとんど毎日が夜中の帰宅になる予定だった。
「そんなに授業あるの?」
「いや、ハンデがある分…少し多くしたから。金曜夜と土曜日はオフにして日曜日は洗濯と家事と勉強にします」
「水曜日、洗濯とかしてあげるよ。私はミサさん公認の小さいお姉さんだから」
「じゃぁ前の週末とかが忙しかったら頼むかも。」
400 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:22:40
「そういえば洗濯物、預かってます」
「えっ、そうだっけ?」
「今度、学校で渡してもいいし遊びに来た時にでもいいし。いつでも言って下さいね」
「じゃぁ、シンジ君の所に晩御飯を作りに行った時にでも持って帰るね」
そろそろ遅くなったのでカズミさんをアパート前まで送ると僕は人通りの多い道を選んで自分のアパートに戻った。
部屋に入りご飯を炊いてお茶漬けで晩御飯を済ます。風呂に入り、明日の準備をして眠くなるまで本を読んで時間を潰した。
次の日、アラームが鳴り目を覚ました僕は昨日のリハーサル通りに行動した。
授業は休み明けという事もあり、割とのんびりしたペースで進んだ。カズミさんとは今日は顔を合わさなかったが新しい日本人の学生を数人見かけた。
学校が始まり二週間程したらミサネェから荷物が届いた。郵便局に取りに行くと、それは誕生日プレゼントだった。すぐさまミサネェに電話した。
「起こしちゃいました?」
「ううん、大丈夫。何時…六時半。起きなきゃ」
「プレゼント、ありがとうございます!」
「届いた?」
「届いた!今までで1番実用性のあるプレゼントです」
「でしょ?私もそっちに行くしね…そろそろ用意しなきゃ」
「はい。また、電話しますね。ありがとう」
その日、久しぶりにしっかりと晩御飯を食べた。炊飯器で炊いたご飯は格別だったし、何より保温機能がある事が最高だった。
シャワーを浴びて寛いでいたらカズミさんから電話があった。
「シンジ君、今は何してるの?」
「晩御飯食べてシャワーを浴びた所です。カズミさんは?」
「今、図書館からの帰り。シンジ君がいるかなぁって思って」
「どこですか?危ないから送っていきますよ」
「いいの?」とりあえずこっちに来るとの事なので、簡単に部屋を掃除した。
401 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:24:04
「お邪魔します」
「カズミさん、晩御飯食べました?」
「ううん、まだ。さっきまで課題していたから」
「じゃ、簡単なんでよければ食べて下さいよ」そう言って僕は自慢げに炊飯器を見せびらかした。
「えー、買ったの?」
「いや、ミサネェからの誕生日プレゼントです。今日届いたんですよ」
「シンジ君、誕生日いつ?」
「正確には明日です」
「じゃお姉さんが何かプレゼントしなきゃね」
「いいですよ、そんな。気にしないで下さい」僕はキッチンで肉、野菜炒めを作りながら答えた。
「おまちどうさま、どうぞ召し上がれ」肉、野菜炒めとお湯で溶いた味噌汁に冷蔵庫にあった海苔の佃煮とかを熱いお茶と一緒に机に並べた。
「いただきま〜す」カズミさんが美味しそうにご飯をパクつく。少し量が多かったかな?と思ったが、ご飯をおかわりしてカズミさんは完食した。
402 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:25:59
カズミさんがせめて後片付けだけでもというので、片付けは任せた。
「図書館で何を調べてたんですか?」
「あぁ、これ。編入するかセクレタリースクールに行くか迷ってて。編入するならメジャーを取らないとダメだから少し予習」
「ホテルビジネスですか?へぇ」そのまま夜中まで話は尽きなかった。カズミさんも帰るそぶりを見せなかったし、僕も帰れとは言えなかった。
「もう、遅いし泊まっていきます?帰るなら送りますけど」
「送って貰ったら後が心配だから…お言葉に甘えて泊まろうかな。」
「前の着替えありますし、ミサネェのでよければパジャマもありますよ」僕はそう言ってクローゼットからカズミさんの着替えを取り出した。
「パジャマは暑いからシンジ君のTシャツを貸してくれる?」
「いいですよ」
「ねぇ、変な事しないよね?」
「したいのですか?」
「よかった。そうよねミサさんとラブラブだもんね」
「姉貴にそんな事しませんよ」カズミさんは笑いながらバスルームに入って行った。カズミさんが風呂に入っている間、キッチンでフルーツを用意して…それでも手持ち無沙汰だったからカズミさんの勉強している本を読んでいた。
「さっきから気になってたんだけど。ごちそうさまでしたって私が言った後にシンジ君はよろしゅうおあがりって言ったよね?」
「あぁ、死んだばぁちゃんがいつも言ってたんですよ。僕、おばあちゃんっ子だったから。おばあちゃんは京都の人だから京都弁かな?」
「おばあさん、いつ亡くなったの?」
「まだピンピンしてますよ」
「えっ!」
「フルーツ、温くなりますよ」
カズミさんは意識しているのか無意識なのか…Tシャツで隠れているからとノーブラにパンティ姿だった。
「セクシー過ぎますね、短パン貸しますよ、穿いて下さい」
「うん。お願いしようと思っていたの」
「無防備過ぎです!他の男の人の家でその格好なら間違いなく襲われますよ」僕はクローゼットから洗い立てのパイル地の短パンを渡した。
「シンジ君は大丈夫なの?」そう言いながらカズミさんは後ろを向いて短パンを穿いた。モロにパンティが見えたが…無心になろうと努力した。
「かろうじて大丈夫です。もし、襲いそうになったら10分の猶予を与えますから逃げて下さい。」笑いながら言った。
「じゃ、私が積極的に迫ったら?」
「仮定の話はなし。別のお話にしましょう」僕は性欲がない訳ではないし、むしろかなりスケベだと自覚していた。しかし、ミサネェやカズミさんは僕を信頼してくれているんだから裏切るような真似はもうしたくなかった。
403 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/05(水) 03:27:45
カズミさんもふざけ過ぎた事に気付いたのか話題を変える協力を惜しまなかった。
クローゼットで寝るには熱過ぎる季節なので小さなベッドマットをクローゼットから引っ張りだし、僕のベッドマットの近くに並べた。
「あまり近くで寝たら襲いますよ、これは最期通告です」
「キスもまだなんだから、そんな怖い通告はしないで」カズミさんは笑いながら言った。
電気を消して…カズミさんの故郷の鹿児島の話を聞く。その内に僕は眠りについた。
僕が目覚めた時はカズミさんは既に起きていて、ベッドマットを片付けて椅子に座りながらパンフレットを眺めていた。
「おはようございます」
「あっ、おはよう。よく眠れた?」カズミさんの笑顔を見て、僕は朝の生理現象に気付き…落ち着くまで少し時間がかかった。
「お誕生日おめでとう!」
「ありがとうございます」
「なにかお祝いしなきゃね」
「それじゃカズミさんの初チューでも貰いましょうかね」すぐに冗談ですよ、何も要らないですから…と、すぐに答えた。
「そう、それじゃ洗濯のお手伝いしたら帰るね」
「あぁいいですよ、後でします。朝ご飯を用意しますよ。一緒に食べましょう」
カズミさんが誕生日くらいゆっくりしなさい、と洗濯と朝ご飯を用意してくれる事になった。
「それも頂戴」僕がバスルームに入るとカズミさんがドア越しに声をかけた。ランドリー袋に入れて少しだけドアを開けて外に出す。
カズミさんが地下に向かうと僕はゆっくり風呂に入った。風呂から上がる時に気付いたが着替えを持ってきていなかった。普段は一人だからフルチンでクローゼットに行くか、腰タオルかバスローブだった。
バスタオルがない…二重の悲劇だった。僕はカズミさんに
「言いというまで目をつぶっていて!」と言い、タオルで前を隠しつ走ってクローゼットに入った。室内ストリーキングだな…と思いながら着替えを探す。
Tシャツを着てパンツの棚を見るとミサネェがプレゼントしたエロいTバックしか残っていなかった。泣く泣くそれを穿く。短パンを穿いてポロリしないかを確認してからクローゼットを出る。
カズミさんはまだ目を閉じていた。
「あっ、ごめんなさい。もういいですよ」カズミさんは目を開けると朝食の準備に戻った。
朝食を終え、僕が洗濯物を取り込んで二人で畳んでいた時に…僕の畳み方でカズミさんの下着を畳んだのが僕だとバレた。
「ごめんなさい、でも。そこはスルーして下さいよ」
紫煙しとくけど、1000まで行かないうちに容量オーバーの悪寒
ミサネェXシンジ…エリカXシンジ
最終的にはどっちなのかな?
カズミXシンジはないよね?
>>405 ミサネェとカズミさんという線も捨て難い
408 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:06:44
「そうね、私が悪いんだもんね」
「いや、そんな…真剣には怒っていませんから」そんな話をしていたらカズミさんが誕生日だからご飯を作りに来てくれる事になった。ジュンコさんも誘ってみるとの事だった。僕は唐揚げをリクエストした。
「オッケーです。用意して夕方に来るね」
「あぁ、はい。少し出掛けてるかも知れないから合い鍵を渡しておきます、炊飯器が盗まれてたら間違いなくカズミさんを疑いますから」
「じゃぁ留守してたらシンジ君の下着をクンクンしておくね」
「なんかミサネェに似て来ましたね」僕がそう言うとカズミさんはミサさんの真似だよ、と笑いながら言った。僕は今の台詞をミサネェに聞かせたいと思った。
カズミさんが帰ってから暫くして電話が鳴った。
「ハロー?」
「…シンジ君…?」
「…エリカ?」
「うん」
「元気にしていた?」
「うん」
「そっか、大学は?」
「前期の試験が終わった所よ。シンジ君は?」
「僕はサマーセメスターを取ったから今年は夏休みはなしだよ」
「そう…あっ。お誕生日、おめでとう」
「うん。ありがとう」
「いろいろ話したい事あったけど、声を聞いたら忘れちゃった」
「そっか」僕は激しく動揺していた。エリカの事は忘れよう…自分でそう決めた筈だったのに、声を聞いた瞬間に全てが振り出しに戻ったかのようだった。
「また、電話してもいい?」
「もちろんいいよ…」
「お誕生日おめでとうね」
「うん、ありがとう」動揺しているのを悟られないように…冷静な自分を演じたつもりだった。
エリカはミサネェの事を何も聞かなかった。僕もミサネェの事を一切話さなかった。狡いのか思いやりなのか…恐らく前者だった。
たった三ヶ月だが…三ヶ月の時間が僕とエリカの間に流れたのは事実だった。そしてその事実が僕を複雑にした。
電話を切った後…かなりのダメージが僕を支配した。
そのまま…僕は壁に凭れたままベッドに足を投げだしていた。
考えが纏まらない、当たり前だが纏まる筈がなかった。ただ、エリカの声を聞いて動揺した自分が嫌だったし、ミサネェを裏切ってしまったような気がした。
…エリカと付き合っている時もハルホやミサネェ…完全に浮気だった。
結局、誰も幸せに出来ない自分勝手なだけなんだと思った。
409 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:08:20
夕方になり、ブザーが鳴る。カズミさんがやってきた。もう…そんな時間?落ち込んではいられなかった。
「お誕生日おめでとう!」
「わっ、ありがとうございます!」カズミさんと一緒にジュンコさんも来てくれた。
「電気もつけないで、一人で淋しかったの?それともカズミを狙ってたの?」
「いや、いつの間にか昼寝してたんです。すいません」僕は慌てて電気をつけた。
「一人暮らしなのに綺麗にまとまっているね」
「あぁ、そうですか?掃除は苦手だけど汚さないようにしているんで」とりあえず椅子に座って貰って、僕は冷蔵庫に走った。
「何がいいですか?」ジュンコさんはバド、カズミさんはオレンジを選択した。バドとペリエを先にテーブルに持っていき、グラスにトロピカーナを注いでカズミさんに渡す。
「シンジ君、お誕生日おめでとう」ジュンコさんとカズミさんが二人でTシャツをプレゼントしてくれた。
「ありがとうございます。どうですか?似合いますか?」僕は照れながらTシャツを合わせた。
とりあえず晩御飯にしようとなり、カズミさんが台所で炊飯器をセットしてくれた。晩御飯の下ごしらえはジュンコさんが殆どしてくれたらしく、唐揚げは揚げるだけで他にサラダや煮物を作って持ってきてくれていた。
「予定が合えばこれからもたまに一緒にご飯食べようよ。」ジュンコさんのルームメイトは日本人女性で仕事をしているそうで、彼女がいない時は何人かで集まってご飯を食べたりしているんだそうだ。
「いいですね、ウチなんか狭いけどいつでも使って下さいね」
カズミさんが唐揚げを揚げている間、ジュンコさんと話をしていたが、大人の女性という感じがした。
「唐揚げ、上がったよ。竜田揚げと二種類作ったからね」カズミさんがジュンコさんを促し手慣れた感じで椅子をテーブルにしてお皿を並べていく。
僕はクッションを用意した。
「今度の休みにでも椅子を用意しますね」ジュンコさんは不思議そうにカズミさんが椅子に並べるのを見ていたが、僕がそう言うとジュンコさんは
「そっかカズミは居候してたんだね」と納得していた。
「あの時はお世話になりました、命の恩人です」
「いえいえ、びっくりしましたけど。ニューベリーストリートをパジャマで歩いてくる人は初めて見ました」僕がそう言うとカズミさんは顔を赤くした。
「ちょっと疑問に思ってたけどロックアウトは狂言と違うよね?」
「違う、違う。酷いよジュンちゃん!」
410 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:10:10
僕もそれはありえないと思った。
「そうだねカズミは…そんな大胆な女じゃないよね」無防備だとは思うが大胆じゃないと…僕もそう思った。
ご飯はほんとに美味しかった。ミサネェが帰ってから昼飯は別として一人でご飯を食べていたから、誰かと食べるご飯の旨さもプラスされていた。
「でもさ、カズミ。もしもシンジ君が一人だったらどうしてた?」
「どうって?」
「シンジ君を前にして言うのは失礼だけど、夜とか…」そこでカズミさんは告白をした。
とりあえず連絡先のわかる女性には連絡を試みたけど全員連絡がつかなく…迷った揚げ句に年下の僕なら暴力とか無理矢理とかはしないだろうって思った、との事だった。
「光栄です。でも、確かに危ないというか…そう変わる人もいますからね。今後は気をつけて下さいね」
「確かにシンジ君と話している時に電話口で女の人の声が聞こえた時は安心したよ」
ご飯を食べた後、三人でお酒を飲みながら将来について話していた。僕はその時…明確な目標や目的を持ってアメリカに来たんじゃない事を話した。
もちろん、当初はあったのだが、直前に梯子を外されたような…簡単にだが話した。
カズミさんはミサネェや僕から多少は聞いて知っていたがジュンコさんは結構突っ込んで聞いてきた。
暗くならない程度に気を使って僕は話したしジュンコさんも気を使って突っ込んでくれた。
「で、話はよく理解できた。シンジ君、辛いでしょ?」
「えっ?」
「日本の彼女の事、そんな事のあとで忘れられないでしょ?」
「いや、そうでもないですよ」
「忘れられる筈ないよ」
「ジュンちゃん、今日は誕生日なんだし…」
「だからよ。シンジ君は一つ大人になるんだから、これは通過儀礼みたいなものなのよ」
ジュンコさんの話では、エリカは僕を思って一人でアメリカに行かせた。
ホームシックや後ろ髪引かれながら勉強しても辛いだろうし、こっちで好きな人が出来るかも知れない。それを日本から束縛するような真似をしたくなかったんだ、と。
「そんな事を言ったらシンジ君がかわいそうよ」
「いや、なんとなく…僕もそう思いますから。最初は思えなかったけど今はそう思います」
「だったら何年か後に辛い選択が待ってるわよ」
「辛い選択ですか?」
「うん。辛い選択、ミサさんか日本の彼女。どっちかを選択しなきゃならなくなるから…カズミは残念。一次選考で落ちたから」
「それはないですよ、彼女は彼女で幸せになりますよ」そう言いながら、自分の言葉に全くの自信がなかった。
「シンジ君に…純粋に彼女の幸せを祈れるかな?」
411 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:11:28
「こうやって話をしていて、ミサさんがシンジ君を好きな理由がよくわかるもん。だから、ミサさんはアメリカまで来たのよ…そして日本の彼女はだから、アメリカまで行かせたのよ」僕はその−だから−が知りたかった。
「僕にはわかりません」
「シンジ君はカッコイイし優しいし、努力する事を厭わないようだし…何より完璧を求めてるのよ」
「いや、僕は結構ルーズですよ。片付けが嫌だから汚さないだけたし、補習が嫌だから赤点取らないようにするだけです。揉めるのが嫌だから、揉めないようにする…日和見主義みたいなもんですよ」
「18、19でそこまで自己分析するなんて立派よ。でもねシンジ君。だから、なのよ」
「自信がなさ過ぎなのよ」
「……」
「ごめんね、キツイ事を言って。嫌いにならないでね」ジュンコさんは続けた。
「本当ならシンジ君の年齢なら根拠のない自信に満ち溢れていて当然なのよ、いわゆる過信ね。でも、自信があるのは武器なのよ」僕に自信…確かになかった。いつも、いっぱいいっぱいだった。
「そんなに弱々しいですかね?」
「ううん、全然。謙虚過ぎるだけ。でもね、こっちに来ている人達でシンジ君は最年少でしょ?それだけで自信になる筈よ」
「若いだけで…不安になっても自信には繋がりませんよ。」
「考え方よ。18で海を渡ったシンジ君と23で海を渡った人24で海を渡った人、決断して海を渡ったって事実は変わらないのよ」
「だから18のシンジ君と24で海を渡った人の間には6年の人生経験の差があるのに同じ事を決断したのよ。24の人のそれまでの6年とシンジ君のこれからの6年は絶対に違うから」カズミさんも聞いて頷いていた。
「6年とか…抽象的過ぎるけど、シンジ君は年齢的なハンディをプラスに感じればいいのよ」
「僕は自分でも臆病者だと思います。でも、臆病者だから頑張れた自分も本当の自分のような気がします」
「多分、それは本音よね。でも女はそれじゃ満足しないわよ」
「……」
「シンジ君は日本の彼女の為だったり、ミサさんの為に頑張ってるのよ。でも二人とも…シンジ君には自分の為に頑張って欲しいのよ」
「なんだか哲学っぽいですね」
「自分の哲学を持っている男は最強よ。シンジ君に哲学が備われば私がシンジ君を奪うから」
言葉は違ったがミサネェがいつも僕に伝えようとしてくれていた事だった。
結局、まだまだ僕は子供だって事で…エリカにしろミサネェにしろ、僕なんかよりずっと大人だった。
412 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:15:13
「ありがとうございます。まだ消化出来ていませんが…なんとなくわかったような気がします」
「ごめんねシンジ君。シンジ君にキツイ事をいっちゃってるね。でもね、ミサさんやカズミがシンジ君を好きになる理由がわかるわ」ジュンコさんはさらっときわどい事を言った。
「でもね、カズミはお子ちゃまだからシンジ君はダメだよ」
「ジュンちゃん!シンジ君はただのお友達だし、彼女がいる人を好きになったりしないから!」カズミさんは顔を真っ赤にして抗議した。
「はいはい。カズミ、ビールお願い。でもねシンジ君が好きなら奪いなさいよ。2番とか3番とかでいいなんて思ったらダメだよ!」カズミさんは冷蔵庫からなかなか戻って来なかった。
「もう!ジュンちゃん、酔ってるでしょ!ジュースにしなさい」
「ごめんね、シンジ君。なんかシンジ君の誕生日に申し訳ないわ」
「いや、凄い誕生日になりましたよ。ジュンコさんのおっしゃる意味はよくわかりますから」カズミさんと話しているとジュンコさんはこっそりビールを取りに冷蔵庫に行った。
「でもシンジ君も色男よねぇ」ジュンコさんは冷蔵庫のワインを見付けたらしくワインボトルとグラスに注いだワインを飲みながら戻ってきた。
「ジュンコさん、なんだかミサネェと似ていますね。だからカズミさん…ミサネェの対処法を知ってたんですね」僕はカズミさんにこっそり囁いた。
「ジュンちゃん、それ飲んだら帰りますよ。迷惑ですよ」
「嫌だ!帰んない。って言うか酔ってるから帰れないよ」
「なんなら泊まっていって下さい。明日は休みだし」
「シンジ君、三人でお風呂に入ろうか?」
「そんな事したら絶対にエッチな事をしちゃいますから!」
「じゃ、帰りたいそうだからカズミを帰らせて二人でエッチしよう」ジュンコさんは酔ってるふりをしているだけで、全然酔っていなかった。カズミさんをからかっているだけだった。
「わかったから。シンジ君ごめんね…」
「いや、大丈夫。ミサネェで慣れてますから」
「よし、飲むと決めたから楽なカッコにしよう、シンジ君ジャージある?」僕がクローゼットに行こうとしたら、カズミさんもついてきた。
「ごめんね、シンジ君」
「楽しいし気遣いはなしですよ。それに今夜は三人で風呂に入るし」
「えっ!」
「冗談ですよ」僕はそう言いながらジュンコさん用にスゥエットの上下を用意してカズミさんには僕のTシャツとビキニを渡した。
「じゃクローゼットにいますから着替えたら教えて下さい」カズミさんはジュンコさんにジャージを渡して…すぐにイタズラに気付いたらしくクローゼットに戻ってきた。
「いつもの短パンを貸して下さい」僕は笑いながら顔を赤くしているカズミさんにパイル地の短パンを渡した。
413 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 03:35:09
それからカズミさんがおつまみを用意してくれ…暫く飲んでいたが、カズミさんが最初にダウンした。
「今日シーツを変えたばかりだから大きい方で寝て下さい」ジュンコさんは昨夜カズミさんが泊まった事を知っているかどうかわからなかったので、そう声をかけた。
「本当、さっきはごめんね。一瞬、酔ってたわ」
「そうなんですか?でも、うれしかったですよ。お二人にお祝いして貰えて」
それから暫く、ジュンコさんの元カレの話とか聞かされた。
「そうそう、カズミだけど」
「はい?」
「多分、シンジ君の事が好きなんだと思う」
「そんな事ないですよ。僕が頼りないからお姉さんとして付き合いしてくれているんですよ」
「それは違う。カズミは積極的に男の子の家に電話したりしないからね」
「僕にとっては大切なお姉さんの一人ですよ」
「好きって気持ちがないのなら、ずっと弟で居てあげてね。そうじゃないとカズミは苦しむ事になると思うから」
「もちろんですよ」
「ごめんね、なんだかシンジ君に酷いね。二度と言わないからね」
「いや、全然。ジュンコさんみたいにストレートな人は好きですよ。でも、自分の事になると…グデグデでしょ?」
「よくわかるわね」ジュンコさんは少し顔を赤くした。
「姐御肌を装ってるけどね。多分、私もシンジ君と同じだと思う。」ジュンコさんは僕よりも強い…そう思ったし、僕よりもずっと大人だった。
「話は変わるけどミサさんがシンジ君の所に飛び込んで行ったのって凄い賭けよね?勝算はあったのかしら?」
「後からわかったのですけど、チケット…fixを買ってたようです。でも、嬉しかったです」
「私には出来ない芸当だわ、同じ女として尊敬するわ。シンジ君が望んだら彼女、多分そのまま日本に帰らなかったわよ」
「僕も…そんな気がしました」
「そして、同じだけ凄い女の子が日本にもう一人いるのよね…」
「そこはわかりませんよ」
「ミサさんはわかってるわよ」…ミサネェ、本当にそう思っているのだろうか?
「多分、ミサさんには…シンジ君の目に映っているのは自分じゃなくて、日本の彼女だったんじゃないかな?」
「そして日本の彼女も同じようにシンジ君の中にミサさんが映っている事に気付いたのよ」
「…二人は仲がよかったですよ」
「表面的には…よ。もう遅いし、三人で一緒に寝よっか?」ジュンコさんは欠伸をしながら促した。
「それこそ美女二人に挟まれたら眠れません」バスルームに歯ブラシやタオルがあるので使って下さいと促した。
もう面白くてたまらん!
シンジありがとう
東京ラブストーリーが流行る数年前の話だと思うけど、
こっちの方が断然内容が濃い!
庄司薫が同じ時代に生まれたらこんなのを書きそう。
416 :
fusianasan:2008/03/06(木) 13:51:12
同世代の俺からすれば、懐かしい話だが。
でも、シンジみたいに幸せじゃなかったな。いや、シンジも苦しんでいるか・・・
417 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 23:33:59
カズミさんが眠っている横をジュンコさんが滑り込むようにベッドに潜り込む。ジュンコさんのおやすみの合図で僕は電気を消した。
少し離れた所にあるシングルのベッドマットに僕も身体を投げ出す…かなりお酒も入っているのに、中々眠れなかった。
暫く我慢したが、妙な沈黙に耐え切れず…僕はベッドを抜け出しタバコを持って廊下に出た。
回廊状になっていて手開きのエレベーター横の非常口のガラス戸を開け、避難梯子と踊り場の所に腰を掛けた。ちょうどウェストサイドストーリーに出てくるような雰囲気で、僕はそこが気に入っていた。
空を見上げれば星空が…下を見ればおばあさんのガーデニングが眺められる。
ゆっくりとタバコを灰にするが、考えが纏まらなかった。当たり前だが二人とも日本にいるし…僕に関与出来る事は限られていた。
「答えなんか出る訳ないやん…」独り言を愚痴る
そして何本目かのタバコを灰にした時、僕の部屋のドアが開いた。
「びっくりした!そんな所にいたんだ?」
「なんだか眠れなくて」
「お風呂で溺れているかと思って…心配したのよ」
「覗いたんですか?」
「だって声掛けても返事ないし…ジュンコちゃんは爆睡だし…」
「カズミさんは意外とエッチさんですね」僕がそう茶化すと頬を膨らませながら横にチョコンと腰掛けた。
二人の間に沈黙が流れる、嫌な空気ではなかった。僕が黙って星空を指差すとカズミさんはアッ!と小さく声を出して驚いていた。
そういえば…ミサネェはこの景色を知らないんだ、戻ってきたら見せてあげよう、そんな事を考えていたら。
カズミさんがそっともたれ掛かってきた。
「重くない?」
「大丈夫」
「流れ星…見れないかな?」
「多分…無理ですよ」
「もう少し…このままでいい?」
「いいですよ」僕は思考を止めた…
「今度、流れ星…見に行かない?」
「いいですね、学校でクラークにオススメの場所でも聞いておきます」
カズミさんの髪の匂いがする、それは甘い香りだった。
418 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/06(木) 23:35:17
空が白んてきて、部屋に戻る事にする。
カズミさんは欠伸をしながらベッドに潜り込んだ。
僕も歯磨きをしてからベッドに入った。
朝一番に目を覚ましたのはジュンコさんだった。二日酔いで辛いのかバスルームに入りシャワーのノズルを捻る音がする。
暫くしてカズミさんを呼ぶ声がバスルームから聞こえた。
「カズミさん、ジュンコさんが呼んでますよ」
「えっ、おはよ…うん?」カズミさんが慌ててバスルームに行き、ノックしてから中に入った。
すぐに笑いながら出て来たカズミさんは
「ジュンコちゃん、寝ぼけてシャワーに入って着替えもバスタオルもないのよ、バスタオルと着替えを貸して貰える?」
「パンツとかどうします?ミサネェのサラがあるかな?」
「シンジ君のトランクス貸してあげたら?飲み過ぎの罰よ」カズミさんはそう言うとクローゼットから僕のTシャツ二枚とトランクス、それとカーゴパンツをバスタオルで包んで持って行った。
バスルームで軽い悲鳴と笑い声が交錯して、先にカズミさんが出て来た。
「ミサさんのパンツを出せって煩かったからジュンちゃんの下着、洗っちゃった」
「強制じゃないですか」
「シンジ君のトランクスが嫌なら乾くまでバスルームを占拠されるわね」
バスルームに篭城されると困るのでバスルームに向かってミサネェのパンツを探します、と声をかけようとしたら
ジュンコさんが恥ずかしそうにバスルームから出て来た。
出来損ないのスケーター三人で朝食を摂る、カズミさんは楽しそうだった。
カズミ…
完全にフラグ立っちゃったな。
これはこれで面白いけど、また泣く女が増えたな…
420 :
fusianasan:2008/03/07(金) 17:40:56
とりあえずエリカはもうチョロチョロして
シンジさんを混乱させないで欲しい。
エリカが出てきたらイラッとして、ミサネェやハルホが
出てきたらなんだか安心する私ガイルw
出てくるなと言ってもエリカとミサの最終決着はまだだろうし、過去の話だからねぇ
シンジさん次第なのだろうが、現在まで続いていたら面白い。
もしかしたらミサとシンジ或はエリカとシンジの子供が闘いに破れた方の子供と…
スターウォーズ並の対策になったりして。最後はシンジさんと息子の一騎打ち…
422 :
fusianasan:2008/03/07(金) 22:54:22
カズミ≒エリカ
ミサネェ≒ジュンコ≒ハルホ
些か大まかではあるが
423 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/10(月) 17:36:45
ボストンの夏は昼間は30℃近くになるが、夜は涼しかった。
ミサネェとは週に二回は連絡を取るようにし、カズミさんとは水曜日と金曜日の夜にご飯を一緒に食べる事が多かった。金曜日はたまにジュンコさんも一緒に食べるが、必ずお泊りセットを持参するようになっていた。
土曜日の昼間は大学のクラスメート達と過ごし、それ以外の時間はほとんど学校と図書館に消えた。
ミサネェの中では九月迄に退職する予定だったが、担当している仕事の関係で11月末に退職する事になった。
「九月に一度遊びに行くから」
「僕のオフは九月の14日までです、大丈夫ですか?」
「盆休み、一日も取らないで…しかも休日出勤するからね。クライアントも大喜びよ」ミサネェ…かなり無理をしてくれていた。
「年末はシンジと過ごして、正月は親と過ごすから。多少はゴマを摺っとかないと留学費用でないからね」
「本当に大丈夫ですか?」
「二月からELSに通って四月からシンちゃんと同じ大学に通うか、セクレタリースクールに通うから」
「なんか、すいません」
「ううん、元々就職か留学かで迷ってたし、もう一度スッチー目指してもいいかなぁって思ってたしね」
「シンちゃん、愛してるよ」
「ありがとう。でも、何も出来なくてごめんなさい」
「いいのよ…私が決めた事だし。それでシンちゃんに新しい彼女が出来ても後悔しないように勉強も頑張るしね」
「ありがとう、僕もキックアウトされないようにします」
ミサネェの九月の休みは三日間しか取れなかった。三泊五日の滞在期間をどう過ごすか…ミサネェと電話で話すのが楽しみだった。
「カズミさんは鹿児島に帰省しないの?」
「九月の休みに一度帰るよ、ミサさんがこっちに来ている時に入れ違いになるのは嫌だな」
「九月の二週目ですよ」
「じゃ、ギリギリ一日は会えるかもね」
「成田経由でしょ?東京で会うのは?」
424 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/10(月) 17:38:04
ミサネェの休み前に例え東京で会うにしても時間がとれるかどうかわからないし、ミサさんに無理をさせたくない…カズミさんはそう言い、
「新学期前だし早めにボストンに戻ってくる方が確実に会えるよね」
僕の誕生日以来カズミさんとは確かに近くなったが、恋愛感情に発展する事はなかった。
カズミさんは何度も泊まっていったし、僕がいなくても部屋に遊びに来る事もあったが…男女の関係どころか、当たり前だがキスさえなかった。
もちろん恋愛感情抜きにムラムラした事は何度かあった。シーツがなくて二人で一つのベッドで寝た時など…困ってしまったのは事実だった。
それでもジュンコさんに釘を刺されたからではなく…恋愛感情は湧かなかった。
「ちょっと変わった丼を作りました。めちゃくちゃ旨いけど変わってます。食べてみたいですか?」
「美味しいならトライするけど、美味しくなかったらパパラッチで御馳走してね」カズミさんは嬉しそうに笑いかけた。
「それじゃ週末に…」
「楽しみにしているから、パパラッチ!」
約束の金曜日、学校帰りに僕はスターマーケットに足らない食材を買いに行き、それから帰宅した。
ご飯をセットし玉葱を薄くスライスする。オイルサーディンの缶を温め、一度中の油を捨ててからオリーヴオイルを入れる。醤油で色と味を付けてスライスした玉葱を載せておく。
いつでも火にかけておける状態にしてから、ご飯の下ごしらえに移る。大葉とノリを糸状に切っておき、別々の皿においておく。ネギを小口切りにしておき、それも別の皿においておく。
カズミさんが部屋に着いて暫くしてご飯が炊き上がった。即席みそ汁用に湯をわかし、別のコンロでオイルサーディンに直火をかける。
炊き上がりのご飯をボウルによそい、大葉と胡麻、ネギを混ぜる。
混ぜご飯を茶碗によそい、玉葱がしんなりしてグツグツ煮立ったオイルサーディンに焦がし醤油の要領で醤油を足す。
煮立ったら火を止めて一匹ずつ茶碗の上に盛り付ける。
最後に鰹節と胡麻、ノリをかけて上からレモンを搾った。
「お待ちどうさま!」即席みそ汁にネギを浮かせて一緒に出した。
「……」
425 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/10(月) 17:39:32
「大丈夫!なんならレイズアップしますか?」
「ビジュアルが…それにオイルサーディン?よね?」
「カズミさん、干物や一夜干しが好きだと言ってたでしょ?生姜があれば完璧だけど、今日はないから95点です」僕は自信満々に胸を張った。
「食べるけど、最悪…お嫁に行けない事態に陥ったら責任取ってお嫁さんにしてね」
「プロポーズですか?謹んでお受けしますよ、さぁどうぞ」僕はそう言いながら自分の分を作りにキッチンに戻った。
「いただきます…」しばしの沈黙の後
「嘘!美味しい!シンジ君、美味しい!」カズミさんは美味しいを連発していた。自分の分が出来上がりテーブルに戻るとカズミさんの茶碗は半分以上平らげた後だった。
「全然、臭みがないし美味しい!どんどん食べれるよ。オイルサーディンってわかった時はありえないと思ったけど、本当で美味しい!」
「でしょ、でしょ?食べてみそ!でしょ?」僕は改良しながら…朝か晩、一日に一食はオイルサーディン丼を食べていた。
「カズミさん、お嫁に行けない事態になりそうってまで言いましたよね?それならお嫁に行けない身体になって貰いましょうか?」
「ごめんね、疑ったりして…でも、本当に美味しい!ジュンコちゃんにも食べさせてあげたい!」
「僕が許しても、僕の心が許しませんよ。雨の夜になるとシクシク、シクシク辛いよ〜疑われて苦しいよ〜って」
「それじゃ、チューしてあげるから」カズミさんは唇を突き出した。
「いいですよ、オリーヴオイルでテカテカの唇でキスされても、嬉しくないですよ」僕も一気に食べた。
食後、カズミさんがしつこくレシピを聞いてくるからレシピを教え、コツは薬味は多ければ多い方がいいと伝える。
「簡単だけど、手間を省くと駄目なのね」
「アレンジでお茶漬けにしようとしていますが、今の所…最悪の事態、一歩手前です。オリーヴオイルの代わりに出し汁にすればいいかも知れませんね、お茶もほうじ茶にしてアラレを浮かせたり」
「オイルサーディンって無敵ね」
「来週はパパラッチですね、スーツ着ないと」
「うーん、負けました!完敗です」カズミさんはテーブルに手をつき、土下座をする真似をした。
m(__)m
m(__)m
ワラタ
428 :
fusianasan:2008/03/11(火) 11:42:21
赤萬の餃子、鈴木商店のモナカ、吉兵衛のカツ丼…竹薗のコロッケも食った俺だが。
オイルサーディン丼、試してみた。確かにウマーだな。でも、アジとかの干物を胡麻油で…の方がいいかも
429 :
fusianasan:2008/03/11(火) 19:07:30
430 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/12(水) 17:06:06
「他に隠し玉はないの?」
「ありません!あってもカズミさんには食べさせませんよ」僕は悪態をついてカズミさんをからかった。
「それじゃ私もオイルサーディン丼に匹敵する丼を考えるから、美味しかったら新しいメニューを教えてね」
「いいですよ」オイルサーディン丼はかなりの変化球だったが、満足して貰えたようだった。
グラマーでわからない事がある、と言われ一緒に考える。しかし金曜日の夜はかなり疲れていて僕はすぐにうたた寝をしてしまった。
「シンジ君、眠いならベッドに行った方がいいよ、うたた寝はよくないよ」
「うん…カズミさん泊まって行くよね?」僕はバスルームに行き、歯磨きを済ませベッドに倒れ込んだ。
夜中に喉が渇いて目が覚めると横にカズミさんが寝ていた。胸元の膨らみに目がいったが、申し訳ないような気がして…そのまま眠る事にした。
朝…正確には明け方だと思うが唇に感触を感じて目が覚めた。目が覚めても…目を開けてはいけないような気がして。僕は目を開けられなかった。意識だけが覚醒し、全神経が唇に収束される。
−キス…だよな…−
そう思ったが、起きてる事に気付かれないようにするのに精一杯だった。暫く…ほんとは数秒の事だろうが、暫くしてカズミさんの唇が離れた。
「…ジ君、ごめんね」カズミさんの掠れたような囁く声、独り言が聞こえる。
それから僕の緊張の糸が緩むまで…数分を要した。カズミさんの身体が寝返りをうつような動きをするのを感じた僕はようやく冷静になれた。
431 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/12(水) 17:07:36
この先、どうしよう…気付いていなかった振りをするのは難しくないけど、カズミさんとの距離など…バランスが崩れるのだけは絶対に避けたかった。
僕は狸寝入りを続行させた。
カズミさんの手がそろそろと伸びてきて、僕の掌をそっと包んだ。カズミさんの緊張が僕に伝わる。一度は弛緩していた緊張の糸が張り詰めた。
そのまま僕はカズミさんが起き出すまで、緊張しっぱなしだった。
カズミさんが目覚めてバスルームに行ったのを見計らって、暫くして僕も目覚めた…ふりをした。
「シンジ君、おはよう。よく寝れた?」
「おはよう。なんだか爆睡しちゃってごめんね」カズミさんは飛び切りの笑顔を見せてくれたが、心なしか緊張しているように感じた。もちろん僕の笑顔も…引き攣っていた。
「お腹すいた?何か作ろうか?」
「ペリエ下さい。お腹は空いたのかまだ大丈夫なのか…とりあえず水分が欲しいです」カズミさんはキッチンに向かいペリエとグラスを二個持ってきてくれた。
「お洗濯しようか?」
「大丈夫ですよ、カズミさんにパンツをクンクンされたら恥ずかしいし」いつもの冗談だったが、カズミさんは顔を赤らめた。
「いい天気ですね、散歩でもしません?それからテキトーに朝ご飯食べて。散歩がてらに途中まで送って行きますよ」
「うん。それ、いいアイデアだね。すぐに用意するね」
「慌てなくて…大丈夫ですよ」今日…このまま二人で部屋に居たら理性がなくなりそうだったし、カズミさんにもクールダウンして貰いたかった。
カズミさんの用意が済み、部屋を出たのは昼前だった。MIT近くの公園まで足を延ばし、屋台のホットドッグとソーダで簡単に昼食を済ませる。
子供達がフリスビーで遊んでいるのを眺めながら、ゆっくりと時間が過ぎるのを楽しんだ。
公園を出て、自然な感じでカズミさんが腕を組んできた。たまにある事だったし普段は意識する事もなかったが、今日は少し違うような気がした。
地下鉄の駅での別れ際に…
「…ンジ……スキ…」ホームに入ってきた電車の騒音でうまく聞き取れなかった。
本当は聞こえていたが、耳に手を宛てて聞こえない、ジェスチャーをする。
電車に乗り込んだカズミさんは深く息を吸い込んで、もう一度同じ言葉を発しようとした…だが、息を飲み込んだ。そして笑顔で手を振った時にドアが閉まった。
僕は聞こえない振りをしながら、手を振ってさよならをした。
カズミさんも作り笑顔で手を振っていた。
432 :
fusianasan:2008/03/12(水) 22:10:21
いよいよカズミが侵食か
パターン青!
使徒です!!
434 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/14(金) 19:12:34
これでよかったのかな?よかったんだよな…よかったんだ。そう自分に言い聞かせながら僕は自分の乗るグリーンラインのホームに向かった。
確かに…スキって言ってくれてたよな?でも、友達としてしか考えた事がなかったし…彼女を受け入れる事は出来なかった。
あれでよかったんだ…僕は自分に言い聞かせた。
次の週、カズミさんと授業以外で顔を合わせる機会がないまま水曜日になった。水曜日だし遊びに来るかな?と思っていたが、彼女は来なかった。
金曜日の昼休みに久しぶりに顔を合わせるが授業の話で終始した。
「晩御飯どうします?」その一言が言えないままに別れ、少し距離が出来てしまったような…淋しい気持ちになった。
学校がハネ、図書館に寄り9時前になりスターマーケットで買い物をして部屋に戻るとカズミさんが僕のお気に入りのスペース、エレベーター横の窓の所に座っていた。
「びっくりした!」
「びっくりした?どうして?」いつも通りのカズミさんだった。
「鍵、あるんだから部屋に居たらよかったのに」
「なんだか星が見たくて、それに今、来た所だよ」僕がカズミさんの荷物を持ち、カズミさんが部屋の鍵を開ける。冷たい筈のミルクのパックが冷たくなかった…。
部屋に入り、荷物をおき冷蔵庫に向かう。カズミさんが冷蔵庫の整理をしてくれる。
「野菜炒めとお味噌汁でいいですか?」
「任せていいの?それじゃお願いしま〜す」カズミさんはいつもの口調に戻っていた。
簡単にご飯を済ませ、それぞれのアサイメントを片付けるとカズミさん持参のドーナツでお茶をした。
「この前の…忘れてくれる?」
「この前?…なんですか?」僕が怪訝そうな表情を見せると、安堵の表情を見せ
「覚えてないならいいや。忘れて」と明るい表情を見せた。何も突っ込みを入れないのもおかしいので…
「僕、なにか失礼な事しましたかね?」ととぼけた。
「ううん、大丈夫。私の勘違いだから…」
「それならいいですけど、それよりもうすぐ帰省ですね!」
「うん!シンジ君にお土産たくさん買ってくるからね!」
「期待してます。でも、たくさんはいいですよ」
「ううん、シンジ君にはお世話になりっぱなしだもん」いつも通りのカズミさんに戻っていた。
435 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/14(金) 19:14:35
「そろそろ寝ますか?」僕はカズミさんにいつもの調子で声を掛けて、シーツがない事に気付いた。
シングルのマット用のシーツはあったが、僕が普段使っているシーツは洗濯用に外してあり替えのシーツもまだ洗濯していなかった。
「寝汗が透るのが嫌だからバスタオル敷いて寝るから大丈夫ですよ」
「面倒だから、こっちで一緒に寝ようよ」
「いや、シングルに二人はマズイですよ、ムラムラしますから」
「シンジ君なら心配ないもん」
「いや、理性ってのは本能には勝てないんですよ…襲ってしまうかも知れませんよ」
「シンジ君ならいいかも…嘘。やっぱり本能で無理矢理に迫られるのは恐いかも」
「襲いませんよ」
「私が襲うかも…シンジ君カッコイイし」
「女の子に襲われたら、男冥利に尽きます、はい」
そんな事をいいながらカズミさんをバスルームへ促した。
交代で風呂に入りバスタオルを用意してベッドに敷いた。
「シングルのシーツを敷いたらいいんじゃない?」
「そうですね、気付きませんでしたよ」気付いていたし、時々はそうしていた。
「いいんですか?」僕がそう言うよりも先にカズミさんはシーツを外していた。
「これで大丈夫!こっちきて一緒に寝ましょ」僕の本能はその言葉に過剰に反応していたし、かなり大きくなっていた。
「後で行きます、タバコ吸ってリラックスしてから行きますよ」
二本のタバコを灰にしてからバスルームに行き、歯を磨いた僕はベッドに入った。
「おやすみなさい」
「おやすみなさい」お互いの位置を確認するかのように挨拶を交わした…
カズミさんの緊張が伝わってきて、しっかり目を閉じてはいるものの…僕はなかなか寝付けなかった。
「手…握ってもいい?」カズミさんは僕に確認する前に手を繋いできた。僕は返答はせずに右手を少しだけ強く握り返した。そこまでならブレーキは効くはずだった。
カズミさんの手はミサネェよりもエリカよりも小さかった…
436 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/14(金) 21:01:36
「シンジ君…起きてる?」
「はい、起きてますよ」僕はカズミさんに返事をしたが、カズミさんは黙ってしまっていた。
「……」
「………」
僕の手を握っているカズミさんの手が小刻みに震えているような気がしたので僕はカズミさんの顔を覗き込もうとした。
……。カズミさんは泣いているようだった。僕はカズミさんを見るのをやめ…少しだけ強く手を握るしか出来なかった。
「……私、…」
「……」なんとなくだが、次の言葉が頭を過ぎった。
「私ね、シンジ君の事…好きになっちゃった」
「……」
「でも、気にしないで。勝手に好きになって、勝手に振られて…明日からは普段通りの友達に戻るから」
僕は何一つ応える事が出来なかったし、なす術もなかった。
「ミサさんも好き、それにミサさんとシンジ君の関係を壊すつもりもないから…でも、気持ちだけ、気持ちだけ伝えたかった」
「……」僕は返事の代わりに強く手を握りしめた。
「ありがとう…もう、遅いし寝ようね」カズミさんは一度ギユッと手を握った後、力を弱め…おやすみなさい、と言った。
その日の夜…僕は戸惑うばかりで、なかなか眠れなかった…
寝付けなかったから今寝てるのかなあ…
438 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/18(火) 16:46:39
いつの間にか眠っていて、いつもより遅く目覚めた僕は隣に寝ている筈のカズミさんがいないのに気付いた。
「カズミさん」
カズミさんは部屋にいなかった。バスルームにも気配を感じなかったし、机を見ても置き手紙がなかった。
ホッとしたような少し不安なような気がした。ベッドに戻り背伸びをする。深呼吸したらカズミさんの残り香を感じた。生理現象もあり自分で自分を刺激し始めた。
ミサネェとの事を想像する、イクまで時間はかからなかった。ティッシュを取り、処理をする…疲れていたのか、それとも深かったのか神経が切り替わりそのままウトウト寝てしまった。
ガタンと音がして、ビクッとする。何が起きたのか一瞬わからなかったが…カズミさんに下半身裸の僕を見られたのは確かだった。
慌てて毛布を被るが遅かった。カズミさんは気付かないふりをしてキッチンに向かった。
僕は顔が真っ赤になっているのを自覚した。
「暑かったから…」ボソッと呟いたがキッチンにいたカズミさんには届かなかった。
「冷蔵庫、卵が切れていたから…」
「えっ!そうでした?」
「う、うん」
「ありがとう」
「朝ごはん作るね」
「あ、ありがとう」
カズミさんが和食の朝ごはんを用意してくれたが会話が弾む筈はなかった。
「変なもの見せてしまって…ごめん」
「なんの事?」
「あっ、なんでもない。忘れて」カズミさんは気付いてなかったんだと安心した。
「男の子だもん…ね」
!!!
439 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/18(火) 16:47:58
カズミさんは朝食の後片付けを済ませて洗濯を手伝ってくれた後、お茶を飲んで帰っていった。
僕自身も自分の家にいながらにして居心地が悪かった。カズミさんの後を追うように家を出てジムに向かった。
八月も終盤に差し掛かり夜になると少しばかり肌寒くなってきた頃、知人に車を借りてケープコッドまで流れ星を見に行った。
カズミさんと突堤に寝転んで流れ星を見る。
「あっ!…」
「見えました?」
「願いごとを三回も繰り返せないわね」
「ですよね」
「シンジ君は何を願うの?」
「ベルリンの壁が崩れたり、アパルトヘイトが廃止される事ですかね」
「壮大な夢ね」
「この前授業でディベートしたんですよ」
「そっか。で、身近な願い事は?」
「カズミさんとエッチする事かな」僕はおどけた調子で答えた。
「う〜ん、流れ星さんにお願いしてももそれは難しいかな…」カズミさんは眉間に皺をよせて真剣な表情を見せた、もちろん本気にしていないのは当然だった。
「冗談ですよ、不謹慎過ぎました。ごめんね」
「…キスなら流れ星さんも聞き入れてくれるかもね」既に僕が寝てる時にキスしたじゃないか…なんて言える筈もなく僕は黙り込んでしまった。
「もうすぐ帰省ですね、何を食べるつもりですか?」
「鷄飯、さつま揚げにたんかん。お寿司に焼肉に…」
「涎垂れてますよ」
「うそ!?」カズミさんが口元を拭う仕種を見せる…一瞬キスをしたくなるが、我慢してたんかんとは何かと尋ねた。
「あれでしょ?たけし軍団の人。」
441 :
fusianasan:2008/03/19(水) 18:24:52
支援
処女喪失シーンよろしくお願いいたします。
たんかんって美味しいよね。シンジさんの作品を読んで昔は神戸に行きたいって思ってたけど、ボストンの地図を見たらシンジさんの住んでいた街に行きたくなってきました。
次は鹿児島なのかな?
シンジは何故こんなにモテる?
モテてるのかな?付き合ったのは三人だけだし。
ただ愛されてるのは羨ましい。
レイプシーンを頼む
シンジずるいな
エリカから電話きたときにミサネェのこと言うべきじゃん
振った真意に気が付いてんだからなおさら
ずるいのは本人も自覚してるんだろうけどさ
エリカ生殺し
ミサネェもかわいそう
449 :
fusianasan:2008/03/25(火) 02:27:37
自分にはエリカがシンジさんを振ったのは、
自分が傷つきたくないから先回りして振ったようにしか
見えないなあ。
最終的にはシンジはエリカと結ばれると思う。
451 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/25(火) 09:21:11
「えっ、たんかん知らないの?みかんとネーブルの中間みたいな感じの柑橘類よ」
「いや、全然知らないです。ぽんかんみたいな感じなんですかね?」そんな話をして気を紛らわしている内に空が白み始めてきた。
「冷えてきたし、夜明けだから流れ星も終わりです。帰りましょう」僕はカズミさんの手を引き、車に戻った。
途中、コンビニに寄り、飲み物を購入する。カズミさんはチートスをパクついていたが、僕は運転に集中した。
カズミさんを部屋に送り届け、車を返しに行く。その後僕は歩いてアパートに戻った。
郵便受けをチェックするとエリカから手紙が届いていた。
内容はエリカの近況報告が主で、あとは僕の体調を気遣っていた。
エリカから手紙が来るのは嬉しかったが、エリカの事を思い出すのは辛かったし…現在進行形である事実を再認識させられた。
僕にはミサネェという恋人がいたし、僕は確かにミサネェの事が好きだった。それなのにエリカから手紙が届いただけで動揺している自分に嫌気がさす。
−前に進めないじゃないか−
という気持ちと前に進みたくない気持ちが交錯する…僕はボストンにまできていながらアイデンティティーを失っていた。
452 :
シンジ ◆MEx/4CS4Gs :2008/03/25(火) 09:27:25
エリカを想う気持ちは薄れていなかった。ただ…エリカと過ごした幼いけど幸せな日々は少しずつ想い出に変わっていた。
このまま風化して欲しいという気持ちと何が間違いだったのかを知りたい気持ちは同じ位に強いのも事実だった。
カズミさんは優しいし可愛いらしい女性だったが僕の中では恋愛の対象にはなりえなかったし、軽く遊ぶ相手ではなかった。
それに僕の心はミサネェとエリカに埋め尽くされていた。
暫くして期末試験があり、成績が出るとカズミさんは帰国した。僕はミサネェが戻ってくる迄の数日間を一人で過ごしたが、その時間はメジャーの授業に向けての予習をするのに適していた。
ミサネェがいよいよ戻ってくる…明日、到着するとなって初めてミサネェに逢える事を実感した。
僕は朝から洗濯をして掃除を念入りにした。カズミさんの置いて帰った服や小物が意外に増えている事に気付く。僕はクローゼットの棚にカズミさんの荷物スペースを作った。
ミサネェを迎える準備が出来ると急に待ち遠しくなる。一分でも早く逢いたかった。
自分勝手で優柔不断なのは分かっていたが、僕にはどうする事も出来なかったし…その時の僕はジレンマに気付く余裕さえなかった。
シンジさん、エリカの事は忘れて
454 :
fusianasan:2008/03/31(月) 13:07:05
支援
ミサネエとのハードファック
キボンヌ
シンジさん〜
まだかな〜
まだかな〜まなかな〜
学研の〜
おばさんまだかな
ラーメン
つけめん
僕イケメ
464 :
fusianasan:2008/04/17(木) 17:07:56
僕イカメン
次は年末ですか?
GWにはなんとか…
チンチンがものすごく痒いです
早くしたいです、オナニーを。
シンジさんの描写が一番のネタなんです。
ミサネエとのアナルファッ〇クが読みたいです
○には何が入るの?
471 :
fusianasan:2008/04/27(日) 05:50:08
連休中に書き貯めてくれよ
シンジ君、出撃よ!
ク
リ
ト
リ
ク
リ
ト
リ
ヌ
フ
ェ
ラ
ガ
マ
ン
ガ
こうして遊んで待っている間にシンジは来ないかな
シンジを信じろ
ア
ナ
ル
アナル\(^O^)/
ようやく追いついた。
シンジ待ってるぜ!
とりあえず保守
ローガン空港のアライバル方面に向かう、この前空港にきた時はデパーチャー方面に向かい、気分は重かったが今回は嬉しさでドキドキしていた。
空港ロビーでタバコを燻らせながらミサネェが到着するのを待ってるが到着予定から30分過ぎても掲示板は動かなかった。
クレームカウンターにて到着予定を確認するが答えはディレイドのみで詳細はわからなかった。イライラする気持ちがタバコの本数を増やしたが…暫くして掲示板が動くと同時に乗客が出てきた。
僕は軽くジャンプしたりしながらミサネェを探していたが、程なくしてスーツケースを引きずりながらミサネェが現れた。
「おかえりなさい」
「ただいま」
お互いが感極まっていたのだろうか…僕はミサネェのスーツケースを持ち、そそくさと歩き出した。
話したい事は山ほどあったが…ミサネェの顔を見た瞬間になにもかもが吹っ飛んでしまっていた。
チラッとミサネェを見るとミサネェの頬から涙が光っていた。
「やっと帰ってこれたよ」
「うん」
「お腹すいたよ」
「うん」
「シンちゃん、キスしようか」
…僕は立ち止まり、ミサネェを抱き寄せるとそっと唇を重ねた。
……。
暫く抱き合っていたけど、次の便の乗客が出てきたので…タクシー乗り場に向かった。
ストロードライブを抜けてマスアベからアパートに向かう。荷物を下ろして部屋に向かった。
クローゼットに荷物をほうり込み、ミサネェは「疲れた〜」と叫びながらベッドマットにダイブした。
僕は冷蔵庫からペリエのボトルを取り出しグラスに注ぎながらミサネェに話し掛けた。
「かなり疲れてるね」
「うん、残業続きだったしね」
ミサネェはグラスを受け取るとペリエを飲み干し、そこからゆっくりと近況報告をしてくれた。
「大変だったんだよぅ、でもこれからがもっと大変なんだけどね」
仕事の事は内容を詳しく聞いてもあまり理解出来なかった。
「ねぇシンちゃん」
「はい?」
「浮気はしなかった?」
「いえ、まったく」
「それじゃどうしてたの?」
「どう…って?」
「性欲処理よ」
「処理って?」
「アンタいつから質問に質問で返す技を身につけたの?」
「何の事ですか?」
ミサネェは荷解きをしながらカズミさんの事を聞いてきた。
「別に私はいいんだけどね、シンちゃんを好きになった時から覚悟はしてるし」
「いいとか覚悟ってなんですか?カズミさんとは何もなかったですし、何でもないですよ。それに彼女に失礼ですよ」
ミサネェは「ならいいんだけど。でも彼女もやるわねぇ」…ミサネェはカズミさんの帰国が解せないようだった。
「多分、私がいる間はこっちに帰ってこないわよ」
「そんな事ないですよ。カズミさんもミサネェに会いたがってたし…」僕がムキになるように仕向けたのかミサネェの本心なのかは、その時はわからなかった。しかし…全てがお見通しのよいうな気がした。
そしてカズミさんはミサネェが予言した通り…ミサネェがこっちにいる間、帰って来なかった。
ミサネェも帰国するまで、その事には触れなかった。
501 :
fusianasan:2008/07/14(月) 04:01:39
まさか!?
その日は…恥ずかしさもあったが疲れてたのだろう、僕とミサネェは大人しく抱き合いながら眠った。
次の日からミサネェは学校探しとアパート探しに明け暮れた。
「部屋は2ベッドルーム以上が理想でセキュリティー万全な所で家賃が1500ドル未満の所」
「めちゃくちゃ高くないですか?」
「そうねぇ…それじゃ1000ドルまでね」
ミサネェは学校はボストンコモン近くのセクレタリースクールに決めて、同時にグラデュエートスクールにアプライした。
アパートはニューベリーストリートとダートマスの暖炉付きのアパートとエグゼタータワー、ニューベリーストリートの通り沿いのアパート、ハンティントンアベニューのグリーンハウスが候補になった。
「大学から離れますよ」
「治安と利便性よ、シンちゃん」
「ニーマンマーカスやサクスフィフスに近いからでしょ?」
「ダウンタウンも捨て難いわねぇ、シンちゃんの乗り換えも便利だしチャイナタウンも近いし」
「チャイナタウンは結構ヤバイですよ、日本人嫌いの人も多いし大学でも今はイヤーオブサドラゴン状態だって噂ですし…」
「何それ?」
「ニューヨークのマフィアと本国のマフィアが揉めててどっちかのボスが殺されて、抗争が始まったそうですから」
「それにこの前もミッションパークかジャマイカプレーンで日本の商社マンが中国人に間違われて刺されたそうですし…」
物騒な話の後、ミサネェと僕は生活費について話し合いをした。
「学費は別で月の予算が1250ドルなんです。一応小遣いが250ドルで450ドルが水道ガス代込み家賃で550ドルが食費と電気、電話代それに雑費です」
「この部屋は僕達が引っ越ししたら大学の寮生活している女の人に又貸ししますから謝礼分の半分は浮きますけど…出来ればあまり贅沢はしたくないですね。少しだけど学内バイトもあるからもう少しは大丈夫ですけど」
「そうねぇ、私も20万前後で計算していたからある程度は抑えなきゃね」
「お願いします」
504 :
fusianasan:2008/07/14(月) 09:46:50
おかえりシンジ 待ってたよ!
おかえりなさい
ゆっくりでいいから
少しずつでいいから
ありがとうシンジ いつでも待ってるよ!
キターーー
続き待ってます。
ゆっくり書いてくれ!アメリカから支援
結局、二人の生活費は上限を2500ドルとする事にした。
ミサネェは今回の滞在で新しいアパートに引っ越す事を提案したが、無駄に空家賃を払う必要はないと僕が説得をした。
「ミサネェ、そろそろご飯にしない?」
「そうねぇ、もうスーパーに買い物に行ってから作ったら遅いわね」
「それじゃ牛浜のロックンロール寿司に行ってみます?」
「何それ?」
「僕も行ったことないけど…週末の夜はイベントあるみたいですよ」
僕とミサネェはマスアベを渡ってからニューベリーストリートを通って牛浜に向かった。まぁ内容はたいしたことなく、板前さんや仲居さんが派手な法被や浴衣を着てプレスリーがガンガンかかっているだけだった。
それでも僕達はワクワクした。
「ねぇシンちゃん。ご飯の後どうする?CITIにでも行く?それとも帰ってラブラブする?」
「ミサネェに任せますよ、一応フェイクは持ってます」
「そう…それじゃちょい踊りに行ってから帰ってラブラブは?」
「ミサネェ大丈夫?年なんだし…」僕は頭を軽くはたかれた。
食事の後、店を出てタクシーに乗りフェンウェイパーク近くのクラブに繰り出した。もう日付が変わろうとしているのに店の前は賑やかだった。
店の中は適度に混んでて、バリライトの照明がフロアを照らし出していた。カクテルを飲みながらミサネェと雰囲気を愉しむ。マースのパンプ イット アップ ザ ヴォリュームやボンブ ザ ベースのビート ディスで会場は盛り上がった。
やがて閉店時刻である2時の合図としてジプシーキングスが流れ、会場はマックスの盛り上がりを見せた。僕達はテンションがあがったまま店を後にした。
「ここから歩いて帰ったら遠い?」
「いや、意外に近いけど危ないですよ」
「危なかったら走って逃げよう」
強盗がカールルイスみたいな奴だったらどうする?って思ったけど酒で判断力が鈍っていたからミサネェの提案に乗っかって高速沿いを歩いて帰った。
部屋に戻りミサネェと抱き合いながら僕達はベッドに倒れ込んだ。二人とも汗の匂いなど気にせずにお互いの服を乱暴に脱がせて身体中を舐め合った。
「イヤン、シンちゃん…そこは恥ずかしい」僕はミサネェが身体をよじるのを無視してミサネェの一番敏感な部分にむしゃぶりついた。
ミサネェが僕のを舐めようと手を伸ばすが、その必要はなかった。
「お願い…シンちゃん。ゆっくりと…ね」僕は自身の先でミサネェのクリトリスを刺激しながら少しばかり焦らした。
欲しい。お願いします…とミサネェが懇願するのを聞き入れて僕はゆっくりとミサネェの中に入り込んだ。ゆったりとしたストライドでミサネェを苦しめた僕も…すぐにイッてしまった。
ミサネェのお腹から顔付近にまで放出した後、ティッシュで丁寧に拭き取った。
ミサネェはゆっくりと身体を起こしてから僕のを口で綺麗に掃除を始めた。僕の身体がピクピクと反応するのを楽しむかのようにミサネェは掃除から愛撫に移行させた。
もちろん僕もミサネェの身体を弄った。
そのまま空が白むまで再び愛しあった後、僕達は泥のように眠りについた。
「おはよう」
ミサネェのキスで僕は目覚めた。バスタブに湯を入れに行ったついでにペリエをボトルごと冷蔵庫から持ってきて、先に喉を潤した後にミサネェは僕にボトルを渡した。
ディナーと言ってもおかしくない時間にブランチを済ませ、僕は図書館へミサネェは買い物に出掛けた。
「ご飯の用意は一緒に買いに行きましょ、後で迎えに行くわ」
僕はタバコを吸いながら大学の図書館に向かった。図書館の入口で年齢は5コ上だが学年は1コ上の先輩と偶然会った。
授業の内容について聞いたり世間話をする、暇ならカフェに行こうと誘われ同行した。とりとめのない会話をしていると…ふと、竹山さんを思い出した。
小一時間ほどの閑談の後、僕は図書館に戻った。暫くの間アサイメントであるレポートを書いていると先輩がタイプライターを安く売っている店のリストと簡単な地図を書いてデスクまで持ってきてくれた。そのまま先輩も隣のデスクでレポートの続きを始めた。
たっぷり2時間程かけて下書きを完成させた時、ミサネェが近くのテーブルで本を読んでいるのに気付いた。僕は席を立ってチラッと時計を見て時間を確認してからミサネェの横に座った。
「遅くまでごめんなさい。」
「シンちゃんの邪魔したくなかったからいいよ。それにシンちゃんの真剣な顔も好きだしね」
僕がミサネェと話していると先輩が側にやってきた。
「紹介しておきます、彼女のミサです。」
僕が紹介している時、何故だかミサネェは嬉しそうだった。先輩に軽く紹介した後、僕は荷物を纏めて図書館を後にした。
「シンちゃんが彼女って紹介してくれて嬉しかったよ」
「それじゃ晩御飯はハンバーグで」
「オッケー、飛び切りのハンバーグにする
ミサネェの用意してくれたハンバーグは本当に美味しかった。
「シンちゃんのご飯を食べている時の顔、大好き」
「変ですか?」
「ううん、美味しそうに食べてくれるから」
「恥ずかしいっすね、卑しいみたいです」
「そうじゃないよ、作る方は嬉しいのよ」
ミサネェはそういうと席を立ってデザートの果物を取りに行った。
僕は僕なりに一生懸命だけど、それにしても幸せ過ぎる…こんなに幸せでいいのだろうか?少し不安になり率直にミサネェに考えを吐露した。
「シンちゃんはシンちゃんの出来る範囲、可能な限り努力しているんだから深く考えたりしない方がいいんじゃない?」
「そうかな、僕はミサネェに何もしてあげられていないような気がするし、未だに親の庇護の下での生活だし…甘え過ぎですよね」
「シンちゃんの本分は勉強でしょ?それに今は経験を増やす事が大事なの。」
「結論や結果だけを求めているつもりじゃないですけど、歯痒い自分もいます」
「それは仕方ないわよ。ドラフト対象外の時にプロ野球に入りたいって言ってるようなものよ。焦りは禁物」
ミサネェに諭されて僕はまだまだ自分が子供なんだと思い知った。
「脛カジリのアホボンはダメだけどネガティブな発想もダメよ。シンちゃんはお姉さんが本気で惚れたんだからね、自信を持ちなさい」
「そう…ですね。出来る事からやります、今更背伸びしても仕方ないですよね」
食後の後片付けは僕がして、二人でタワーレコードまで深夜の散歩に出掛けた。
それからの数日はミサネェと二人でアパートを探したり、スポーツを楽しんだりして過ごした。
ミサネェが帰国する前の晩はクインシーマーケット近くのパスタビーノで二人だけの送別会をした。
「次に戻ってくる時は沢山の荷物になるわね」
「冬服はかなり防寒性にこだわらないとダメですよ」
「そうね。とりあえず年末か年始に戻ってくるからね。引っ越しは大丈夫?」
「ミサネェが戻ってきてからの引っ越しはややこしくなるからクリスマス休暇をめどに引っ越します。彼女も帰国前にうちに引っ越しを済ませたいみたいですしね」
「シンちゃんは本当に帰省しないの?」
「ええ。そのつもりです。」帰省費用を生活費に回したかったし、それにエリカに会うのが恐かった。会って何を話せばいいのかわからなかった。
「一応、来年の春か夏を考えてるんですけどね」
「私は最低でも半年に一回は帰らなきゃ。パパやママがスポンサーだしね」
そのあと時間が許す限り僕はミサネェを抱きしめた。
「そろそろ寒い季節になってきたわね」
「ええ、長い冬ですよ。」
「風邪に気をつけてね。」
「九月にしてはおかしな挨拶ですね」
ミサネェを空港で見送り…僕はいよいよ新学期モードに突入した。
そして、ミサネェが帰ったその日の夜。あまりにも寒くて僕はクローゼットのトランクからセーターを引っ張りだした。
支援
続きプリーズ
(*゚◇゚)未来で待ってるよ
ほしゅ
保守
ドコモ書き込む規制解除記念保守
シンジを待ってます。
信じる
待つ
書いたらいいと思うよ
保守
待つわ
頑張れ
捕手
補習
補修
歩首
シ
ン
ジ
る
シンジならきっと来る
537 :
fusianasan:2008/10/01(水) 09:34:20
信じてる
3pまだー
早く続きを
あせるな!シンジならきっと来る
ガノトトスが倒せません
待ちあげ
ホシュ
俺は諦めないで待つよ
町田
松戸
マチカネタンホイザ
エヴァなの?
いないいな〜い
エ?
ヴァ〜
カオル君は?
守る
そろそろ戻って来て
まだー?
年が明ければ再開するらしいよ。
ソースは俺の脳内。
シンジあけおめ
気長に待とう
捕手
頑張れシンジ!
夏までには書くらしいよ
いつかな?
補修
562 :
fusianasan:2009/01/23(金) 22:56:42
愛してる
まだ〜
持つわ
シンジはやめへんで〜
アナル
早くアスカ出せ!
持ってますよ〜
待つ
ただひたすら待つ
あやなみ
572 :
fusianasan:2009/03/01(日) 06:59:22
シンジ、せめて結論だけでも書いてくれないか?
573 :
fusianasan:2009/03/06(金) 23:37:29
あの子とした後アソコがかゆい
アスカ、オナニーしてごめん
うふ〜ん
あきらめないよ
本にまとめるべき
俺は待つ
庄司のチンチン、ミキティーしゃぶっているのだろうか?
クンニ
ディープスロート
保守
待ち揚げ
待つ
585 :
fusianasan:2009/05/04(月) 20:24:06
保守
ここ?
587 :
fusianasan:2009/05/05(火) 05:36:00
そう、ここだよ
あは〜ん
張り切って
ほ
591 :
fusianasan:2009/05/29(金) 13:16:28
うめ
揚げ
三沢なぜ死んだ
シーンジメイト
エヴァ公開記念アゲ
596 :
piroro:2009/07/07(火) 11:33:01
つ、つづきをぉ〜
ほす
ここ読んでマヒシャースラマルディニーとボストンに行きました。支援。
ほぅしゅ
梅
保守
男と女って、全く噛み合わない物だね。
松
604 :
fusianasan:2009/08/20(木) 01:18:01
切ないのう
選挙投票日記念保守
保守敗北記念保守
保す
608 :
fusianasan:2009/09/12(土) 12:27:30
(´∀`∩)↑age↑∩゚∀゚∩
シンジはしんじゃったのか?
ほしゅ
松
竹
梅…ないよ
保守
ほし
待ち続ける
マッチ
我慢の時
618 :
fusianasan:2009/11/17(火) 17:30:27
あげあげ〜
まだ〜
シンジは絶対見ているはず
621 :
fusianasan:2009/11/24(火) 13:10:14
からあ〜げー
うんこ
今までの全ログをまとめたものをscribdかどこかにあげたいのだけれど・・・
シンジ ◆MEx/4CS4Gsさんに迷惑かかるかな・・・
>>624 実はもうまとめ終わって、pdf化も終わってるんだけれど・・・
やっぱり著作権者の意向を確かめたいなと。
・・・それに、できれば完結した時点でアップしたいしね・・・。
完結、期待してます。
ちなみに現時点でtxtで560KB、pdfで1340KBです。
2ちゃんに著作権などない!
正確には全部ひろゆきに渡しちゃうんだっけ?
勝手まとめサイトが山ほどあるんだから、問題ないんじゃないか?
いや・・・権利的な話はそうかもしれないけど、
著作者への敬意ははらわれてしかるべきだと考えるので。
シンジ ◆MEx/4CS4Gsさんがひさしぶりに顔出してくれないかな、ってのもあるけど。
2008/07/17以来1年と5ヶ月近くになるからねえ・・・
もうシンジは来ないから、早くまとめちゃいなよ。
このスレなくなったら、わからなくなっちゃうよ。
早くシンジ来い
シンジが来ないままここが埋まったら
おまいらどうするんだ?
お正月、シンジを期待してたんだけどな・・・
保守
捕手
補習
シンジさん、いつまでも待っております。
シンジの心は震災で死んだ
637 :
fusianasan:2010/02/11(木) 21:15:16
シンゴー
こんな偽関係者が現れるくらい、シンジの書くストーリーに皆期待してあるのだなぁ…
一言で良いから書いてくれないかなぁ。
保手
ほす
歩手
補習
待ちくたびれた
待つだけだ
はさや
ぽす
ほし
だめぽ
捕手
もうこないのか?
はい、来ません。
653 :
fusianasan:2010/06/21(月) 15:32:37
∩゚∀゚∩age
しんじしん
破、面白かったよ
はあ?
しんじなさい
しんじられません
お
おい、しんじ
小沢が勝ったらシンジクルー!
しししし
んんんん
じじじじ
くんに
やめるなら、やめると言ってからやめろ!
シンジは新人
エリカは俺の嫁
ミサトは俺の姉
話の内容、忘れたわ
彼女がいて→新しい彼女ができて→さらに新しい彼女ができて→いまここ
やめへんで〜
シンジは梟の妖精…
ご無沙汰いたしております。
実はこの数年の間に乗り越えなければならない出来事がいくつかあり、漸く自分の中でそれらを消化することが出来ました。
前回の書き込み以来、このスレッドを読み返していません。これから少しずつ読み返させて戴き、続きを書かせて戴きます。
結論と言うか、登場人物のその後のみを淡々と書くのも一つの手段だとは思うのですが…今は疎遠になり行方がわからない方もおられますし。
また、当初と現在では環境も状況も違い…脚色ではありませんが、恐らく書けないのではないかと思う箇所も出てくるかも知れません。
今となっては思い出が想いでに変わるまでには書き終えようと…。
もう読んで下さる方もいないかと思いますが、とりあえず近々に再開させて戴きます。
本人…なのか?
674 :
fusianasan:2010/11/10(水) 04:15:44
シンジ氏に何があったんだ?
文面からは何やら大変な事があったように思えるのだが!?
まじか!
え!
定期的に巡回していてよかった・・・
おかえり
おぉい!纏めた人!シンちゃんに転載許可を貰えよ!
シンちゃん戻ってキタキタキタキタ━━━(゚∀゚≡(゚∀゚≡゚∀゚)≡゚∀゚)━━━━!!
ずっと待ってる。
681 :
fusianasan:2010/11/12(金) 20:01:14
エリカと一緒になっていて欲しいなあ
うふ〜ん
シンジ ◆MEx/4CS4Gsさんの全書き込みをまとめたものです。
もしよろしければ、まとめたtxtをzipでどこかにアップロードしますが・・・
読み返しの際に使っていただければ幸いです。
ご連絡お待ちしております。
>>682 はじめまして。
僕とコンタクトを取るのに覚悟はいりませんが、得るモノは多くないと思いますよ。
>>683 あまり詳しくはないのですが、転載については誰の迷惑にもならないようでしたら構わないと思います。
宜しくお願いします。
うふ〜ん
>>686 ○○○…@me.com
から送信致しました。
689 :
fusianasan:2010/11/17(水) 03:07:31
これもう四年以上も前なんか……読んでると切ない気持ちになれたなぁ。
いつか一気に全部読みたい。
脚色もあってもいいよ。ただ、出来る限り思い出して書こうとしてくれるだけで、話が生きてくる。
誰か
>>685をワードに変換して
かつ縦書きにして見やすく直してくれないかな
試しにワードにコピーしたら346ページにもなって萎えてしまった・・・
よっぽど仕事が暇ならできないこともないんだが。。
てか、ここに出版関係の人はいないんかな?
もはやこれだけの分量だと書籍化も・・・
ってそんなことシンジ氏は望まないか。
>>690 過去に出版関係の話はあったようですよ、シンジ氏が断ったのかどうかは知りませんが。
性的描写をマイルドにしてリライトすれば間違いなく売れるでしょうね。
そしてまた沈黙が訪れた・・・
以前書いたものですが、メールを受けれていないので、お手数かけますがお願いできますか?
よろしくお願いします。
ヤフーアドレスです。
↑
うざい
シンジ、信じて待ってる
696 :
fusianasan:2010/12/28(火) 18:36:37
久々に覗いたら・・
色々とあったみたいですが最後までお付き合いさせていただきたいので
ゆっくりでいいので カキコお願いします。
しんちゃんはどうした。
保守
信じる
ホシュ
近々再開と言いながら、もう4ヶ月になるよ(´・ω・`)
シンジは無事か?
このまま1000
早く!
とりあえず保守
まつわ
カカト見てる〜?
も
り
ま
このスレ覗いている人、何人いるのかな?
呼んだ?
713 :
fusianasan:2011/06/27(月) 09:10:31.23
前回の発言からしてBAD ENDの予感が・・
バッドでも何でもいいから最後まで書いてはもらえないかな。
待ってるんだよ〜
715 :
fusianasan:2011/07/10(日) 21:48:18.99
保守
金払うから続き書いてくれないかな。
いや、それぐらい待ってるんです。
待ってるよね
シンジは辞めへんで〜
諦められん!
まだ?
まだまだ!
まだかなまだかな〜
学研のおばさんまだかな〜
いい加減にしろ
だが俺だけは待つ
ばかみたい
726 :
fusianasan:2011/09/14(水) 16:52:20.12
保守
おっと、まだだせ
シンちゃん、いいかげんにしなさい!
寒いわ
どうなってんだ?
今年ももう終わるぞ?
シンちゃーん
もうシンジない
/ ̄ ̄\ そろそろ正義のエヴァみたいのがでてきて
/ ヽ_ \ 地球に落ちる隕石を止めるとかそういう話でいいんじゃないかな
(●)(● ) | ____
(__人__) | / \
l` ⌒´ | /─ ─ \ シンジの逆襲ってことは
. { | / (●) (●) \ オナりまくりってこなんでしょ
{ / | (__人__) |
ヽ ノ \ ` ⌒´ ,/
/ ^ヽ / \
| | | |
シンジ、待ってるぜ
捕手
しんちゃん、待ってるで。
しんちゃん・・・
738 :
fusianasan:2011/12/13(火) 00:54:07.15
きめえ
気持ち悪いと言われても、俺は待つ
てす
ぶぉぉぉおおおおおお
もう年末だね
今年こそ
絆
745 :
fusianasan:2012/01/09(月) 15:08:32.47
きも
宍道湖
しんじ・・・
さんじ
749 :
芦屋住人:2012/02/09(木) 16:34:53.24
萌えた体験談DBで偶然知り、こちらに辿り着きました。
シンジさんの最終書き込みは2010年末なのですね。是非
他の皆さん同様、この続きが読みたいです。
750 :
芦屋住人:2012/02/09(木) 16:37:03.04
ここ数年、萌えコピペ系の投稿にはまってしまって、
暇をみては読み漁っているのですが、シンジさんによる
この投稿は別格ですね。文学的なセンス、ストーリー展開
心理描写、そのいずれににおいても、他に類をみない
優れた「作品」だと思います。特に、女性の心理描写が抜群
です。
751 :
芦屋住人:2012/02/09(木) 16:39:05.23
ところで、質問があります。過去ログをさがしてみたのです
が、途中の投稿がどうしても見つかりません。シンジ君の夏
頃から2年の終わりくらいまでの期間です。具体的にはエリカと
の初体験、ミサネェとの初エッチが書かれているであろうと思
われる部分です。削除されてしまったのでしょうか。もし、
ご存じの方がいらっしゃいましたら、お教えください。
752 :
芦屋住人:2012/02/09(木) 18:09:22.13
ごめんなさい。上の「欠落部分」見つかりました。
私の勘違いでした。改めて、シンジさんのご健康
とご活躍をお祈りいたします。
芦屋ならシンジを探してくれ!!
754 :
芦屋住人:2012/02/10(金) 02:19:10.29
芦屋の住民にとっては、この投稿に出てくる固有名詞は、すべて、なじみのある
ものばかりです。シンジさんのお家の位置についても、大体は分かります。ただし
文中では、ご実家の位置を特定されないよう工夫を凝らしておられるように思います。
たとえば、JR芦屋駅、阪急芦屋川駅、コンビニ、公園と頻繁に出てきますが、実際の
位置関係が実際のものとは微妙に合いません。
755 :
芦屋住人:2012/02/10(金) 02:21:35.28
また、シンジが通った高校も、実際に存在する(した)高校といくつかの点で
異なります。シンジさんが、2割がフィクションだと書いてらっしゃる、その2割に
は、こうした描写も含まれるのではないでしょうか。
早くしてけろ
ケロケロ
芦屋の奴が想像で続き書いて〜
759 :
芦屋住人:2012/02/26(日) 00:31:36.42
もう一つの舞台、ボストンにも住んだことがありますので、758さんのご要望にこたえられれば
いいのですが、私の乏しい能力ではとても無理です。シンジさんは、男女間の細やかな交流につ
いては、村上春樹並みの描写力をもった方ですからね。
シンジさんの再々登場を、皆様同様、首を長くしてお待ちすることにしたいと思います
くんに
いい加減、でてこいや!
щ(゚д゚щ)カモーンしんじ
763 :
fusianasan:2012/04/10(火) 19:58:56.13
ww
だめよ
まむこ
けむこ
俺は神戸に住んでいるが、シンジなんて見たことないよ
お盆までには戻りますよね?
一気読みしました!
面白いから続きお願いします!
エヴァスレかと思ったら違った…
だいたいエヴァみたいなもんだよ
カヲルくんは?
7月です
エヴァ新作公開までには戻るよな?
公開いつだっけ…?
11月17日
スレ落ちてなくて良かった
まだー?
まだまだまだ
ショボーン(´・ω・`)
ミサネェがシンジにそこまれ惚れる理由がわからない
エリカはまだわかる
シンジはももクロちゃんに夢中
エリカは可愛いんだろうな
ミサネェは大して歳離れてないのに姉さん呼びされてて
無自覚にでもお姉さんキャラでいなきゃいけなくて可哀相
エリカとミサネェともう1人誰かいなかったっけ
誰?
綾波役はだれ?
綾波はいない
ミサネェとイチャイチャしてる間に、エリカがビッチになってたら興奮するな〜
エリカは大学で合コンしまくってるよ
マリみたいな新キャラ希望
カヲル君がいい
カヲルだと、ホモネタになるからやだ!
なんないよー
今年も三か月切ったよ
しんじる
見てる人いるんだね
そりゃいるさ。
待ってるんだもん。
エヴァの新作っていつ公開?
11/17
公開と同士に再開
気配すら感じませんが
いよいよ来週だな
カウントダウンだねぇ
明日公開です
さあ、待ってるぞ!
新エヴァみてきた。
ここのシンジも早く槍を抜け!
そして時は流れ14年後……
なに、目をつむっていればすぐだよ。
シンジだってそうだったろう?
シンジ(ここの)はエヴァ見た?
続きもあんな鬱展開希望
欝でもシンジは傷つかない
シンジはももクロちゃんに夢中だから来ないよ。
紅白出られて良かったね
紅白の向こう側をみたら、書き込んでくれるかな?
元旦更新キボンヌ
今年は無理かあ
来年にかけよう
今年こそ再開しますように
さ、そろそろ仕事始めだし、シンジも働かないとな。
信じない
寒いこんな日はエリカちゃんに暖めてもらいたい
佐々木恵理を抱きたい
誰だそれ
俺は明日エリコを抱くんだ
繭子も抱きたい
だから誰だよ
2月のお知らせ
マギシステムを抱きたい
桃子を抱きたい
スレ埋めないでくれる?
埋めないを抱きたい
832 :
fusianasan:2013/02/25(月) 05:06:23.73
今後の展開は、アメリカ同時多発テロ(俗にいう911事件)と関係してくるのかね
あれは2001年のことだから、もう既に10年以上経つのか
あんとき一緒にテレビ見てた親は、既にこの世にいない
無常というやつだね
ああ無常
834 :
【大吉】 :2013/03/01(金) 06:59:59.72
3月再開なるか否か
期待しないで待機
836 :
【大吉】 :2013/04/01(月) 22:09:12.53
新年度待ち
シンジが最後に書き込んでから、もう2年半か・・・
明石焼めっちゃおいしー
ミサねぇ元気かな
840 :
【豚】 :2013/05/01(水) 19:33:23.98
五月〜
うんこ
いつまでも待っています
エヴァと同期説もなくなったな。
844 :
【大吉】 :2013/06/01(土) 21:43:22.29
そんな説あったのね
845 :
シンジ:2013/06/02(日) 02:51:27.43
そろそろまとめます。
投下よろしく
848 :
シンジ:2013/06/19(水) 23:29:26.07
本物か?
さあね?
マダー?
エリカは俺の嫁
ミサネェはもらった
待つのよ
はい
まだか
まだ
シンジはいないのさ
オレはまつ
10月
今年はむりぽ
まだ?
待ちましょう
まだか
まだよ
今年は無理か
12月
age
ageんなカス
869 :
【大吉】 :2014/01/01(水) 09:39:02.40
今年再開
2月
はげ
もう、終わりーだねー
待ってるよ!
シンジくんはどこにいるんだろう
宍道湖