【Without a Trace】ダニーテイラー萌え【小説】Vol.3
ダニーの苦悩の日々が始まった。思い起こせば、ケンと3Pした時も
アラン、マーティンと出来た時も、受身だった。俺って一生女かよ!
半ば捨て鉢になり、仕事にも身が入らない。「ダニー!」
「ダニー!ボスが呼んでいるわよ。」
サマンサが声をかけてくれたお陰で、ダニーは顔を上げた。
「はい、今行きますわ。」ボスの部屋に入る。
「お前、ぼーっとしてるが何だ。この間のDC行きを断ったのを後悔しているのか?」
「いえ、そんな事ないっす。」「また副長官がNYに出張してくる。君と面談したいとのことだ。」
「何故です?」「さあな、自分で副長官に聞け。来週月曜日だ。いい服着て来いよ。」
「了解っす。」ふぅ〜、一難去ってまた一難や。俺の人生に安息はないんかな。
ダニーの携帯が鳴る。ケンだった。「ダニー、こんばんは〜。元気?」
「ああ、お前のお陰で元気百倍や、何の用やねん?」不機嫌そうに答える。
「この間のディナー、明日どうかなと思ってさ。」
「マーティンと一緒って奴か。」
「彼、すごい可愛いよね。僕、タイプかも。」
「お前にタイプも何もあるもんか。」
「とにかくセッティングしてね。待ってるよ。明日20時ね。」
一方的に切りやがって!
「ダニー、僕の名前呼んだ?」マーティンが寄って来た。
「あぁ、ケンが明日ディナーしたいって。」「僕はいいよ。楽しみだ。」
「お前、何食いたい?」
「何でも大丈夫。ダニーの方が選ぶの大変でしょ。ダニーが考えればいいじゃない。」
そう言うと、マーティンは、すたすたと帰宅してしまった。
ブルックリンの家に戻るとアランが来ていた。
「今日は良いものを持ってきたよ。」
ダニーに青いひし形の錠剤のシートを渡す。
「これ何?」「ヴァイアグラ。」「こんなん、俺必要?」
「とりあえず化学的アプローチで反応を試そうと思ってね。」
「分かった、アランの言うとおりにするよ。」
「それもそうだが、腹減らないか?」「ペコペコ。」
「じゃあチャイナタウンに行こう。」
アランはダニーを「27サンライズ」に連れて行った。
大型の水槽で泳ぐハタを選び蒸し物にしてもらう他、ホタテ貝のガーリックソース、
シャコの揚げ物、フカひれシューマイ、炒飯を頼む。
チンタオビールで乾杯だ。巨大なシャコを見てひるむダニー。
「大きなシュリンプの一種だと思えばいい。香ばしくて美味しいぞ。」
「う、うん。」一口、こわごわ口に入れる。「わ、美味しい。」
「そうだろう!」アランに任せておけば安心だ。
二人で胃が膨れるほど食べた。「さぁ家に帰ろうか。」
「どっちの家?」「ダニーの方がいいだろう。リラックス出来るだろうから。」
「うん。」アランのボルボを地下駐車場に停める。「今日、泊まる?」
「ああ、出来たら。それでいいかい?」「うん。泊まって欲しい。」
二人で手をつないで部屋に戻る。
「シャワーしていいかい?料理の匂いが身体に染み付いた。」
「もちろん。」「一緒に入るか?」「今日はやめとく。」「じゃあ、お先に。」
アランは相思相愛になってから、決して無理強いしない保護者になっていた。
昔のパシュミナを使った緊縛プレイがウソのようだ。
ダニーはクラブソーダを飲みながら、ウクレレを弾いていた。
「ダニー、どうぞ。」アランが頭から湯気を上げて出てきた。
白い身体が上気でほてって色っぽい。ダニーの下半身は反応を始めた。
何やねん、俺のちんちん!肝心な時に役立たず!自分を呪いながら、
バスでシャワーを浴びる。今元気でもアランの身体の中じゃどうせ、
うなだれるんやろ、お前。自分の息子に声をかける。
シャワーから出ると、アランはワインを開けていた。
「すまない。飲んでるよ。」「俺も。」「そろそろあれ、飲んでみるかい?」
「えっ?」「服用後30分で効き目が出てくるんだよ。」「そうなん?」
ダニーはクラブソーダでヴァイアグラを飲んでみた。無味乾燥な味だ。
「後はリラックスして。」「深呼吸でもやろうかな。」「柔軟体操もいいぞ。」
「アラン、ふざけんといて。俺真剣なんやから。」
「分かってるさ。僕たちは運命共同体なんだからね。」アランも真顔で答えた。
「ねえ、俺が治らなくても、一緒にいてくれる?」ダニーがおずおずと尋ねる。
「もちろんさ。僕らを身体だけの関係だと誤解していないか?僕は君と恋に落ちてるんだ。」
「ありがとう、アラン。」ダニーの目に涙が浮かんだ。
「そろそろ、ベッドに行こうか。」「うん。手握って。」
「ああ。」二人、手をつないでベッドまで来た。
「さぁリラックスだよ、ダニー。」「うん。」
ダニーがまた手を伸ばしてくる。
二人して仰向けに天井を見ながら、手をつないでいた。
「アラン、来たで。」「そうか。試すか。」「うん。」
アランはベッドサイドにおいてあるミントのローションを自分の後ろに塗り、
ダニーの屹立したペニスにも塗りたくった。
「じゃあ、ゆっくりとな。」「はい。」「うぅ〜。」
ダニーは挿入を終えた。まだ力が衰えない。「アラン、行けそうや。」
「そうか。動いてみてごらん。」
ダニーがアランの腰に手をかけ、前後に腰を動かした。
力が中からみなぎって来る感じがする。「すごいやん!」
「ああ〜、ダニー、僕がイキそうだよ。」
「待って、俺先に行くから。」ダニーは腰の動きを加速した。
グラインドと前後動を繰り返す。「あぁあ〜!」まだダニーはイカない。
すぐさまアランの前に回ると、口でアランのものを咥える。
「うぅ、はぁはぁ、あっ!」
アランはダニーの口の中に精をありったけ打ち込んだ。
ダニーもアランも息絶え絶えだ。
「俺まだ、イケそう。」「じゃあ、僕の中にもう一度おいで。」
「アラン、ええの?」「ああ、君のためなら。」
ダニーはアランをうつ伏せにして腰を立たせ、中に一気に押し入った。
「あぅ、ダニー、痛いよ。」「ゴメン、でも俺、我慢できないんや。」
ダニーはアランの腰を押さえ、思いの様自分の腰を打ちつけた。
「あぁ〜、イクで〜!」ダニーはアランの中に精をぶちまけた。
アランの局部から出血している。「アラン、ごめん。血が出てる。」
「ああ、分かってる。手当てしてくるよ。」「ほんま、ごめん。」
どうすればいいんや。薬なしじゃイケへんし、薬があると暴走する。
俺のちんちんに脳みそがあれば、いい知恵出してくれるやろか。
ダニーはベッドの中で自己嫌悪に陥っていた。
ダニーは眠れない夜を過ごし、早朝ブルックリンに帰った。
マーティンの告白に打ちひしがれ、何もする気がしない。
この後、どんな顔してあいつに会うたらええんや。
あいつ、オレが聞いてへんって思てるから・・・。
ダニーは支局に行くのが嫌になった。
休んだら怪しまれるし、やっぱ行くしかないか・・・嫌々ながら身支度を始めた。
ダニーが支局に着くと、すでにマーティンが来ていた。
「ダニー、おはよう」マーティンのおどおどした態度が癇に障る。
「ああ、おはよう。早いな」ダニーは努めていつもと同じように振舞った。
午前中は事件もなく、書類仕事に追われた。
ダニーは書類など目に入らず、上の空のまま時間が過ぎた。
昼休み、ダニーはスチュワートのクリニックに電話した。
「テイラーと申しますが、ドクター・バートンをお願いします」
「ただいま席を外しておりまして・・あっドクター・バートンお電話です」
「今急いでるんだ、聞いといてくれ。それよりオレのカフス知らないか?」
「カフスなんて知りませんよ。テイラーさんからですけど」
受付が保留を押さないので向こうの会話が筒抜けだ。
カフスやて、トロイらしいわ!忌々しく舌打ちしているとスチュワートが出た。
「テイラー捜査官、その節はどうも」
「いえ、こちらこそ。突然お電話差し上げて申し訳ないっすね」
「今からシンポジウムに出ないといけないんですよ。
遅刻すれすれで急いでまして、お話は後でもよろしいですか?」
「ええ、構いません」
「それじゃ受付に番号を伝えておいてください。戻り次第掛けなおしますから」
「おい、後を頼む。くそっ、遅刻だ!」スチュワートはダニーの返事も聞かず電話を代わった。
ダニーは電話を切った後、笑い転げていた。
あのどつかれたん丸出しの顔でシンポジウムやて!
それも遅刻て!トロイ、思いっきり恥かくやろなぁ。笑いが止まらない。
午後からも時折思い出し笑いしながら、ダニーは書類に向かっていた。
マーティンやサマンサが訝しげに見るが、ダニーの思い出し笑いは止まらなかった。
勤務が終わり、地下鉄の駅へ歩いていると携帯が鳴った。
「はい、テイラー」
「バートンです。先ほどは失礼しました」
「こちらこそ、お急ぎのところお邪魔しまして」
「それで、ご用件は何でしょうか?」
「一度お会いしたいと思いまして、ご都合はどうでしょう?」
「テイラー捜査官さえよければ、今夜でもいいですよ」
「それじゃ、18時にフルートでどうです?」
「いいですよ、では後ほど」二人は待ち合わせの約束をした。
スチュワートはマーティンの携帯に電話した。
「オレだ。今からテイラー捜査官と会わなきゃならない」
「えっ!」マーティンは息を呑んだ。
「オレたちのことを知っているのか確認しとかないといけないだろ?
君が話してないのに口を滑らせるわけにはいかない。で、どっちだ?」
「僕は昨日話したんだけど、ダニーは眠ってたみたいなんだ」
「寝たふりしてたんじゃないのか?でないとオレに会いに来ないだろ」
「そうだよね・・・」マーティンは疎い自分が情けなくなった。
「じゃあバレてる前提でいいんだな?」
「うん、いいよ。僕も、もう一度話そうと思ってたし」
「そっか、わかった。そうだ、今日、予防医学のシンポジウムがあってさ、
オレこんな顔だから誰も話しかけてこないんだぜ、パネリストなのに」
スチュワートはククッと笑った。マーティンもつられて吹き出す。
「とにかく後で連絡するよ。それじゃ」
マーティンは電話を切った後もデスクから動けずにいた。
ボスは帰ろうとしてマーティンに気づいた。
「マーティン、ちょっと来い」
ボスはオフィスにマーティンを呼び、ドアを閉めた。
「どうしたんだ、もうヴィクターの毒気にやられたのか?」
「いえ、違います。そういえば、父が来るんでしたっけ・・・」
「お前大丈夫か?ヴィクターの来訪を忘れるなんて!」
「ボス・・・僕、ダニーを裏切りました」
「ああ、この前のでかい医者だろ?」
「ええ、今その二人が僕のことで会ってる・・・」
「ダニーは勘が鋭いな。ヤツは鼻が利く」
「そうじゃなくて、僕が自分で話したんだ」
「あ?なんでそんなことをするんだ。バレるまで黙ってりゃいいものを・・・」
ボスはやれやれと首を振った。
「フェアじゃないと思ったから・・・」
「フェア?そんな理由で話したのか!」ボスは呆れて言葉に詰まった。
「お前は気づいてないようだが残酷だな。それは自己満足でしかない」
「僕が・・残酷?」
「マーティン、もう少し相手の気持ちも考えてみろ」
「はい・・・」自己満足と言われ、自分の言動を胸の中で反復していた。
ボスはぼんやりしたマーティンを促し、オフィスから出た。
そのまま車に乗せると、アパートまで送ってくれた。
ダニーは先にフルートに着き、カウンターで辛口のスプマンテを飲みながら待っていた。
スチュワートはなかなか来ない。ダニーはいらつきながらグラスを傾けた。
携帯が鳴っている。「はい、テイラー」
「バートンですが、何か事件が入ったので?」
「はぁ?フルートで待ってますけど?」
「おかしいなぁ。オレもカウンターで待ってるんだけど」
「ミッドタウンのフルートですよ?」
「え?オレはグラマシーのフルートに・・・。それじゃ、すぐ行きますから待っててください」
トロイ、ええ加減にせえよ!ダニーはますますムカついた。
しばらく待っていると、グッチのスーツに身を包んだスチュワートが現れた。
照れくさそうに手を挙げている。けっ、相変わらず派手なヤツや。
「申し訳ない、いつもグラマシーのほうへ行くので。ん?今日はアルコールが必要な話ってわけだ」
スチュワートはダニーのグラスを見てニヤッとした。同じものをオーダーする。
「さすがに素面ではきついんでね、この前の答えを聞かせてください」
「答え?質問は何でしたっけ?」
「寝たかどうかですよ。お忘れで?」
「ああ、そうでしたね、寝ましたよ」淡々と言うスチュワート。
ダニーはスチュワートがあっさり認めたので、少々拍子抜けした。
「あいつから誘ったとか?」
「いや、オレが強引に。しくしく泣いてましたよ、彼。それがまたかわいくてね」
クスクス笑うスチュワートにダニーは怒りを覚え、殴りたい衝動に駆られた。
「真剣に付き合う気はあるんですか?」
「いいや、それはない。オレにとってはセックスは遊びだからね」
「マーティンも遊びってことか!」ダニーは声を荒げた。他の客が一斉に見つめる。
「落ち着けよ、テイラー捜査官。遊びじゃなきゃ困るのは君のほうだぜ?」
「・・・・・・」
「それともオレに譲る?譲るまでもなくオレなら手に入れるのは容易い。そう思わないか?」
「お前なんかに渡すもんか!あいつはオレのもんや!」
ダニーはスチュワートを睨みつけた。
「まあ、そういうこと。再認識できてよかったじゃないか」スチュワートはニヤッとした。
「二度とあいつには会うな!」
「それは約束できないな。だが、心配する必要はないさ」
「お前なんか信用できるかっ」
「それは君の自由さ。オレは相手が嫌がることはしない主義だ。
マーティンが望まないなら手は出さない」
スチュワートはスプマンテを飲み、ウインクした。
「それじゃ、オレはこれで」素早くダニーの分までチェックを済ませ、出て行った。
残されたダニーは、悔しさのあまり酒を飲み続けた。
スチュワートはダニーと別れるとマーティンのアパートへ行った。
グッチのスーツに痛々しい顔が不似合いだ。
マーティンは一目見るなり、ショックで息を呑んだ。
「そんな顔するなって。心配ない、もう話はついたから」
「うん・・・ダニーは?」
「この前の君と同様、気持ちの整理をつけてるんじゃないかな」
「そう。それにしてもひどい顔してるね、スチュワート」
「バーカ、これでシンポジウムに出たんだぜ。ご褒美にキスしてくれよ」
スチュワートは屈んで目を閉じた。マーティンは何もしない。
「ん?ほっぺでいいよ」おずおずとキスされ、スチュワートはニヤリとした。
「確認しておきたいんだが、オレたちのセックスは遊びだよな?」
「うん。成り行きというか、その・・・恋愛感情はないんだ」
「テイラー捜査官と約束したんだが、君が望まない限りオレは手を出さない。
もちろん君が望めばいつでも抱いてやる。それでいいか?」
「もちろんいいよ。そんなの起こりっこないもの」
真面目に答えるマーティンに、スチュワートは苦笑した。
「そんなに自信たっぷりに言われると約束なんか反故にしたくなる」
言いながら両手で顔を押さえると、舌をねじ込んだ。
「スチュワート!」
「さっきは彼に嘘をついた。本当は君のことが気になって仕方ない」
グリーンの目が真剣にマーティンを見つめている。
「ダメダメ、また僕をからかうつもりでしょ。その手には乗らないよ」
マーティンはケタケタ笑って離れた。
ボスは電話の音で目が覚めた。深夜の二時過ぎだ。
「はい・・・マローン」
「マローン捜査官?ニューヨーク市警のビショップです」
「ああ、この前はどうも。失踪事件ですか?」
「いえ、そちらのテイラー捜査官をさきほど保護しましてね、
ひどく酔ってて何を言っているのやら・・・」
「場所はどこですか、私が引き取ります」
「ミッドタウンのリーガロイヤルの前です」
「わかりました、すぐに伺います」
ボスはさっと着替えると、現場へ向かった。
ダニーはパトカーに乗せられ、一人でぶつくさ言っている。
ボスはこの件を内密にしてくれるようビショップに頼み、引き取った。
「ダニー、私だ。わかるか?」
「ボス・・・なんでこんなとこに?あれっ、オレの酒は?」
「しっかりしろ!水でも飲め」ボスはペットボトルを渡した。
「水より酒、酒や、酒くれー」ダニーは水を後部座席に投げ、わめいた。
ボスは仕方なく自分の家にダニーを連れて帰った。
ダニーはボスの家に着くなりトイレに駆け込み、しこたま吐いた。
「全部吐き出せ、楽になる」ボスは背中をさすってやった。
胃の中が空になり、うがいをすると今度は怒り始めた。
「くっそー、トロイのヤツ!許されへん!」
「よしよし、わかったわかった」
ボスはベッドに横向きに寝かせ、そばに寄り添った。
「くさっ!このベッド、めちゃめちゃおっさん臭い!なんでやねん!」
ダニーにからまれ、ボスは仏頂面になった。
ボスは娘のベッドに連れて行き、ダニーを寝かせた。
「今夜はここで寝ろ、いいな!」
ダニーは服を脱ぎ捨て、トランクス一枚でベッドに入った。
「おい、何か着ろよ。ダニー」
ボスはあからさまに嫌な表情を浮かべるが、酔っ払いには通用しない。
「う〜ん、ええ匂いやー」ダニーは夢見心地で眠りについた。
ボスは自分のベッドに戻り、再び目を閉じた。
ダニーもマーティンも、まったくなんて世話の焼ける部下だろう。
おまけにくそったれの高慢ちきが来週やって来る。
そうだ、ニューヨーク市警のビショップに礼を言わねばならない。
ボスは忘れないうちにメモに書いた。
・ジップロック・ミミズ・NYPDお礼の電話
なんだこりゃ・・・ボスは苦笑するとメモを置いた。
中途半端な眠りのまま、ボスは目を覚ました。
ダニーの様子を見に行くと、軽くいびきをかきながら眠りこけている。
顔の痣は少し薄くなったが、それでもまだ痛々しい。
マーティンじゃなく、トロイってヤツとやり合ったんだな。
あの医者は確かバートンだったはずだが・・・まだ他にいるのか?
ボスは布団を掛けなおそうとして、ダニーのトランクスのテントに気づいた。
見事に勃起しやがって!ボスは思わず手を伸ばした。
ダニーは何をされても目を覚ます気配がない。
ボスは調子に乗ってローションを塗ると、軽く指を入れてみた。
括約筋の微かな抵抗をほぐし、徐々に慣らしていく。
ペニスの先はトロトロに濡れ、隠微な艶を放っている。
「うぅん」ダニーの甘い吐息が漏れ、ボスはたまらず自分のペニスを押し当てた。
ゆっくり挿入し、締めつけを存分に味わう。
ダニーはまだ目を覚まさない。
ボスは少しずつ出し入れを繰り返した。
挿入されるたびにダニーの息が荒くなる。ペニスはもうはちきれそうだ。
時計を見るとそろそろ支度をしなければならない時間だ。
ボスは遠慮なく突き上げた。ダニーがようやく目を覚ますがお構いなしだ。
「ボ、ボス!あぅっ・・・あぁっやっやめて」ダニーは精液をぶちまけた。
ボスは肩に手を置くと、一層激しく腰を振った。
「あぁっ、ダニーいいぞ、もっと締めろ・・・うっっっ」
苦しそうな表情を浮かべ、ボスは中に射精した。そのままダニーの上に覆いかぶさる。
リトルタイクスのベッド?なんでこんなとこに?オレ何してるんやろ?ダニーは状況を把握できずにいた。
ようやくボスが離れた。「ダニー、よかったぞ。シャワーを浴びよう」
「ボス、オレ頭痛い。すごいズキズキする」
「当たり前だ。酔いつぶれてNYPDに保護されたんだからな」
「NYPDに?あかん、全然覚えてへんわ」
「またアル中に逆戻りしないようにな。ほら、薬だ」ボスはアスピリンと水を渡した。
「タイレノールのほうがいいんすけど・・・・」
「しょうがないやつだ、アスピリンのほうが効くのに」
ダニーは渡されたタイレノールを飲み下し、シャワーを浴びた。
ボスはエスプレッソ、ダニーはオレンジジュースを飲み一緒に出た。
着替える時間はないので、夕べの服のままだ。アルコールの匂いもする。
「マーティンに服を持ってきてもらうか?こっちまで酔いそうだ」
「そんなん嫌や」ダニーは頑なに拒んだ。
いつのまにか車は支局の地下駐車場に入り、今日もまた勤務が始まった。
ダニーがオフィスに行くと、気づいたマーティンが目をそらした。
「ダニー、お泊りデート?それにしては酒臭い」サマンサが手で扇いだ。
「そんなええもんと違うがな」ダニーは自分の席についた。
PCにマーティンが映っている。あいつ、オレがまた浮気したって思てるわ。
落胆の表情からダニーは悟った。トイレに行くとマーティンがついてきた。
個室を覗き、誰もいないか確かめるとダニーは話しかけた。
「おはよう。話したいことがあるんやけど、今夜いけるか?」
「ダニー・・・」
「あっ、昨日はボスと一緒やったんや。ほんまやで」ダニーは慌てて弁明した。
「本当に?」マーティンはじっとダニーを見た。
「とにかく話し合いたい。トロイのことも」
スチュワートのことを言われ、マーティンはうつむいた。
「わかったよ、今夜だね」
「オレ、怒ってへんから!」ダニーはマーティンの髪をくしゃっとすると、先にトイレから出た。