ラファエルのチラシの裏の戯言

このエントリーをはてなブックマークに追加
82ラファエル
●パンティを下ろすべきか、否かの選択についての失敗談。

> 「自分のポリシー」より、「相手の必要」を、重視するべきだ、と思うようになった。
> パンツを下ろす直前で、昔は止めることが多かったが、それはかえって
> 世の中に厄災をもたらすこともあると、わかったのだ。

これは具体的には、18年前、「○○は、私にバンドのメンバーをしてほしいの?
それとも女の子として付き合いたいの? 私にはどっちもはできないから」 と、
俺の部屋で、難問を突きつけた若き日のかなり酔っ払った第五ミューズに、
「○○の好きなほうで僕はいいよ」(君の現在の失恋の傷が、癒されるほうで)
と、難問返しをした局面のことだ。

結局、「じゃ、バンドやろう!」と、彼女は少し怒ったように言い、俺は少し残念に
思った。それからが大変であった、一緒にふとんに横になり、
「今日はまだ、○○と、こういうふうになるつもりじゃなかったんだけどなぁ」 と、なおも
誘惑し続ける彼女に業をにやし、スカートをめくり上げ、パンツを下ろそうとすると、
白いパンツだったので、相当な思いをして我慢して、やめることにした。

第五ミューズは、激しく長い恋を自分で終わりにして2か月ばかりで、まだ
行きつ戻りつしている状態、俺は最初の同棲相手との傷の中で苦しんで
丸3年、誰とも寝ていない状態だった。
もっともすでに、旧第一ミューズへの不倫の恋は始まっていた。
つまり、「互いにナンバー1でないのだから、寝るべきではない」 と思ったのだ。

朝まで俺は我慢して起きていて、彼女は朝起きると服が汚れたと怒って帰ったが、
すぐにフォローの電話を入れてきて、音楽の話をした。

以降、22年間、男女間の固い友情が、ずーっと続いている、それはそれで
なかなかあり得ることではなく、よいのだが、よくよく過去を振り返って考えると、
あの時はやはり、パンツを下ろすのが正解だった、と、考えられるのだ。
83平次 ◆oCRvp8ydtE :2005/03/31(木) 05:56:50
>>82
しかし下ろしとったら今はもう付き合いがなくなっとる気がするが。
84ラファエル:2005/03/31(木) 06:03:29
つづき

そのとき、どちらかが、彼女のパンツを下ろしていれば、少なくとも2人の、
現実に適応できなかった優しすぎた男たちの命を救えて、彼らはまだ生きていたと思う。
2人とも、彼女の側の関係者だ。

俺は、一人は故郷に帰る新幹線に乗せるまで付いていたか、場合によっては
彼の親を東京に呼び出していたかしただろう。もう一人は、きっとひと晩中抱きしめて、
「男しか愛せなくても、ちっとも変なことじゃないよ」と言い続け、次の日、病院に
連れていくまで抱いていただろう。
彼女の夫になった俺の友人には、それは出来なかった。現実の人で忙しかったから。

そして、彼女の亡夫の運命じたいも、きっと違ったものになっていただろう。
俺を羨ましがりながら、まだ生きていただろう。
彼女が不倫をして、相手の奥さんを苦しめることも無かっただろう。

俺は、何人かの女の子に迷惑をかけないで、生きられたに違いない。
命がけで旧第一ミューズを救いに行くことも、それが美しすぎる魂の傷となって
傷ついたレコードのように永遠に刻まれることも、一年のあいだ故郷で療養する
ようなことも、なかった。
旧第一ミューズは、もしかすると離婚することなく、今よりずっと幸せだっただろう。
俺は、第十ミューズ以降と出会うこともなく、第四ミューズと同棲することもなく、
第四ミューズは適当に金持ちの再婚相手を、45歳で見つけていただろう。

第五ミューズと俺は、思ったより早く、一年くらいで 「互いにナンバー1」 になれて、
喧嘩とかはしながらも、今ごろ子供を作って、かなり幸せに暮らしていただろう。
深く愛し合っていたと思う。

つまり俺たちの友情は、あまりにたくさんのものを犠牲にした。
あのとき、どちらかがパンツを下ろしていれば、迷惑を他人に掛けないで、生きられた。
85ラファエル:2005/03/31(木) 06:10:27
・・・そんな話を、今日は第五ミューズと話した。
この話は、じつは今月になって三度目くらいなのだが。w

第五ミューズはこの6年、一日1−4時間、時には12時間の電話をしてくる。
電話がなかったのは、夫の遺品整理と引っ越しの手伝いで一ヵ月合宿した時と、
資料集めで上京して泊めてもらった時、二人で悪性の風邪を引き、ちょうど
ワールドカップの期間中のひと月、ずっと一緒にいた時だけだ。

傍目からは、これだけ仲が良くて、なぜ結婚しないか、とりあえずセックスして
みないのか、さぞかし不思議であろうと思うし、ロンドン第二ミューズも不思議がっていたが、
「もうこうなったら、どちらかが死ぬまで友情を貫くしかない」 と、二人とも思っているのだ。

ただ、累々たる死者たちと、迷惑をかけた男たち女たちに、
「あのとき、どちらかがパンツを下ろさなかったのは、洩れたちの間違いだった」
と謝ることでは、二人一致を見た。

  ▼むろん、これからパンツを下ろす、ということではない。
   それで死者たちが帰ってくるなら、そうしてもいいが。遅すぎる。

きっと、人生がもう一度繰り返しの効くものならば、今度はパンツをどちらかが、下ろすだろう。

 「○○、セックスなんて、そんなに真面目に悩むもんじゃないよ、してみよーよ」
と、第五ミューズはパンツを下ろしながら言っただろうし、
洩れも、
 「俺を試してみない? もしかしたらすべてを忘れられるよ」
とか言いながら、白いパンツを下ろしたことであろう。


▼かくして教訓。

●「自分のポリシー」より、「相手の必要」を、重視するべきだ。