基本的に本を参考にするのは元ネタだけの感覚勢だった。
夜更かしさんだなぁ。
それはともかく、元ネタだけじゃ無理、絶対無理。幅が狭すぎる。
類似なもの、対義的なもの、包括的なもの。色々なものに触れて幅を広げる。
素の妄想力が貧弱とかそういうことは言わない方向で(うぎぎ)。…調べるのも楽しいんだから。
しばらくはこれで埋めてみるか、ネタ本紹介。
今回は…題名は有名なこの1冊「たったひとつの冴えたやりかた」調べたらニコ大百科にすら登録されてる。
色々ひねりようがあるから、そうなるのだろうか。
指し示すのは、これだけを納めた単行本じゃなく、表題の他に2作品入った文庫の方。
各物語の間にも、それぞれを橋渡しするための小さな物語が入り、それもまた面白いので。
「たったひとつの冴えたやりかた」
異種族交流もの。余りにも有名。
キャラ性を抽出するなら、主人公の元気っ娘、それからもう一人の主人公だろう。
「グッドナイト、スイートハーツ」
何物って言えば良いんだこれ。危機もの?
男主人公属性は抽出できよう。
「衝突」
こちらも異種族交流もの。こちらは大規模、視点も複数。
異種族から見た人間という視点も味わえる。
キャラを取り出すなら、口下手な健気ッコ属性辺りが抽出ほかいろいろ、人によって見いだせよう。
このなかで一番好き。
・章間
これはずばり、異種族から見た人間を抽出。あんまり量はないんだけどね。
何も、なりきりのために読んでるという訳じゃない。
元が読書家だった
なりきり始めたら、それに使えるものを探す視点からも読むようになった
それだけの話である。
んだから、小説以外に新書を読む。
どっちも安めで、コンパクトというのもある。
活字中毒なので新聞も読む。さすがに辞書の読破は無理だった。
露骨に予告かぁ。
う〜ん、まぁ、いいんだけどさ。
スレ立て制限上がってるのが厄介よな。
たくさん読むがSFは余り深く読んではいない。御三家(アシモフ/クラーク/ハインライン)も少ししか読んでない。だからSF読みに語らせれば、私なんてヒヨッコだろう。
広く浅く読む。雑学マニアになれると良いな。まぁ、空想自然科学入門から始まる科学エッセイ(文庫で全15冊)は揃えたのだけれどもね。
寂しいのは、ほとんどの作家は死んでから知ることになるということ…。それでも作品が色あせない強さ。
今日の1編「接続された女」(「愛はさだめ、さだめは死」所収)
なりきりをするならP・バークとデルフィの関係は考えざるを得まい。
後は読んでのお楽しみ。
コイツは、MMOでネカマネナベやっている方々にもお勧めしよう。
自治的に関係ありそうな存在を調査した。といっても1時間弱。自己顕示欲強い子はググるだけで色々出る(私も含めて)。
遭遇範囲でなりきり関係(pink含む)とソフトウェア、他にもあるらしいが。ソフトウェアで見たときはげんなりした。
複数ハンドル使い分ける。分かりやすい特徴はレス返すときに「@Reply:>>xx」とtwitter風にすること。
最悪板にもスレがある。「チャカリスカ」てキャラネタで大暴れしたというアレかいな。
電波系を理解しようと考えては駄目だが、断層(「愛は定め、さだめは死」所収)は参考になろう。
無理矢理繋げた感もあるが、理解の助けにはなる。
その題名の通り、一般世間(常識、その他色々)との間に断層があるのだ。そして電波系は、その断層に気づいていないか理解していない場合が多い。
わたしも断層はそれなりに持っている、時々頓珍漢なこと書いて戸惑われはする。言語体系が違うと言っても良いのかもしれない。頑張ってはいるのだけれどもね…。
軽度なら個性とも言われる、萌え属性で言う天然系・不思議ちゃん。それが重度になるとああなると思う。
詳しくは、小説を読んで欲しいと言うことになる。
忍者…Suiton可能存在ねぇ。
めんどそう。しがらみやら義務やら粘着やら、ねぇ。
忍者(親子)について調べた。
階層ってなんだ? しばらく見守ろう
理解した、理解したがこりゃ廃人用だ。
おいらみたいなワンダラーには向かない。
ショタがそれなりに動く本見つけた。
主役に近い脇役という所で、年齢は10歳ぐらい。
ハヤカワSF文庫「輝くもの天より墜ち」
ジャンルとしては、SF+ミステリー?
ハオくんが可愛い。
問題は、600ページ弱で1000円という分厚さだけど。
Umm、これは経験不足?か個体特性か。
おpinkでなりきりやるとエロいこともやるのがそれなりに自然なので、楽しむ為にも情報を得ようとするのだけど…
理学的ならともかく、小説の類だとどうしても、意識のそういう部分が刺激されて読むのに多大な精神力を消耗する。
推測、耐性がないのに加えて感受性が強いゆえの代償。
例えるなら猫好きなのに猫アレルギーみたいなものな訳で、厄介。
もう少し共通語で書いてみる。
意識のそういう(性的な)ところが刺激されるというか、感受性が強い(と思う)が故に、物語に深く入り込んでしまう。
その上、元から耐性がないのでアナフィラキシーショックとまでは行かないまでも派手に反応する。
相乗効果でエロに中てられている。
…というのが自己解析結果。
対処?
そういう薬は耳にしたこともある。抗アレルギー薬の心版といえばいいか。
ただ、気軽に飲むものではない。依存性や耐性が尽きやすく危ない。
一歩間違えば麻薬だから。実際、そういう取引もされている。
本当は、スポーツを楽しむように、爽やかに?えちぃロールを楽しみたいんだけどね。
一応。
そういう取引は薬事法違反です、と釘打ち機でガツンとやっておこう。
必要なら医師に処方して貰ってください。
早起きは気持ちいい!
ってオイオイ。大丈夫なのかしら。
この板、スレがいっぱい立っているようで総数は増えない…一部が4桁レス/dの高速回転しているだけのようだ
上の続き。この板の自治スレが動いてた。
高速回転だけなら良いけど、そこらのスレを乗っ取って進んでるらしい。
あの速度でそれやられたら、下手すると板が廃墟になる。
3000レス/dとして1日3スレ。乗っ取りが3回に1回として1日1スレ。う〜ん…
足切りに苦しんでいればそれもまだ見過ごしてもいいカナとは思う。だけど…
難しいなぁ。
はてなダイアリーの「オタクの基礎教養」見てもやもやが解けた気分になった。
オイラは雑食なので興味持ったことは周辺知識も含めて押さえる。だって、面白いから。
上のひとの反応では、ジャンルをピンポイントで押さえるスタンスのようだけど…。
後者の方が効率は良いんだろうけれど、しかし、しかし、しかし。理解しようとは頑張ろう。オイラにゃ実践は無理だが。
学生時代の勉強のように、細切れの知識で暗記だとそうなるのかしら?
今はサブカルチャー増えまくって変遷も激しいから、そういう美味しいトコ取りになっているのかしら。
そーもそも?
大抵のモノは繋がりがあるわけで、なりきりなら、例えば異種族を演じるって繋がりで考えれば?
異種族の視点から見た人間、なんてのはあった方が良いとも思うわけでして。
そうでないと、異種族の着ぐるみを被った人間みたいなロールになったりするので。
ロールしようと”異質視点”に専念するとやっても見ても面白くなかったりするんでその辺のバランスも必要ではあるのですが…好みなんだろうな。
なな板に立てたスレが完走してた!
…書き込みテストスレだけど!
例のフォローは何となくなのでどうと言うこともない。無いと良いんだが…
気楽にそこら辺が出来るのがあのシステムの良い所で。
非公開リストに突っ込むだけでも良かったのだけどね
属性を演じる、なんて知ったけどすごく難しそう。
一面だけ、一面だけなんて。
深みがあってこその私のとってのキャラ造形、ロール。
どきどき偏りもするけどそれでもこうされたらこういう方向で、で色々な面を密かに作っていたりもしている。
その一面だけ…面をいくつも組み合わせて造形と成す、その一面だけ…
それは、一種の「道」かもしれん。
刀を鞘から抜いての素早い一撃が居合道になるように。
久しぶりになな板に出たが、忍法帖ヤバイ。
同一IPで4つのHAP(忍法帖)使うと破門されるらしい。pinkが2chと別になっちゃうのがなお面倒。
まぁ、軽く意見入れたので、あとはなるようにするけど。
「いやならでてけ」で返される予感はする。
や〜ん、私の書き込みからニュー速にレスが立ったw
緩和されたは良いけど、後でなんか飛んでこなけりゃいいなぁ。
やーん次スレに(ry
マイナーな版権キャラだと受ける方も乗りにくいだろうと、超が付くほどのメジャーなゲームを調べてみる。
…なにこれ台詞多すぎ。最近のゲームは肥大すっからなぁ。
全部押さえなくて良いのは分かってる。
雰囲気や口調を把握すればいいんだろうけど…。
あれ、全ての台詞ではない? 買うしかない? シナリオ…無理!
無理だってば、これ…。要求されないけど、知った上でやりたいが、多すぎる。分厚いファイル1冊ぐらい行きそう。
分岐する?オイオイ、どれだけかかるんだよ。
やってみたい子ではあるんだけどね…。
乱読する読書家なら,ネタ切れしたときは適当に買ってネタにすればいい。
という訳で…それと大人の恋愛理解してエロールに使えるかなとも思いつつ一冊調達&読み終わり。
「セックスとニューヨーク」(ハヤカワ文庫)
こいつを一言でまとめるなら、女性ジャーナリストによる、自身も含めての様々な男女の恋愛・結婚観のついてのノンフィクションなインタビュー?
読み終わって第一声「訳分からん、性や恋愛って複雑で難しい」。
大人の様々な(基本的にノーマルな。3pは出て来るけれど)性嗜好を理解して演じる助けにはなりそうね、何度か読み深める必要はあるけれど…。
それと、いろいろと不信感が。遊びで済ませたいと思うのもむべなるかな。
その手のスマートでドライなロールネタには使えるかもしれない。
HAHAHAHAHA!
HAHAHAHAHAHAHA!
…ふぅ(溜息)
reasonなことは問題ないんだ。
passionが絡み始めるとやばいんだ。
乗り越えないとダメなんだけど。
自治として致命的…
酷い動きもあったものだな、何なんだ。
あれはおかしい、おかしいと思う。
これじゃPARANOIA並の市民幸福世界じゃないか。
びくびくするような場所なんて嫌いだよ…。
流派の違いではあるんだろう、昔の私だったら納得もしたのかもしれない。
しかし…理解はするが、それが今後に影響しそうならば納得はしにくい。
誰かいる?
そして何人いるの?
ダレモイナイ
誰もいないなら今後好きに使わせていただきます
ではさっそく
●「日本鬼子・ひのもとおにこ」〜第十章〜【別天津神(ことあまつがみ)の民】
遠くで鳴く小鳥のさえずりが鬼狐神社まで、響き渡る冬の日。
裏庭に、少し大きい車が止まっている。8人くらい乗る事が出来るバンタイプの車だ。
この車は、他の神社の神主や、お客さんを送迎する為に鬼狐神社が保有している車。
今は朝8時くらい。この車に荷物を詰め込む秀吉と鬼子の姿があった。
昨日の晩、ヒワイドリの呪縛の解読を途中で抜けてきたきび爺ときび婆。
それに、鬼子と織田、秀吉、般若の6人で話しをしたのだ。
力を持つ人間の民に協力してもらい、今回ハチ太郎が遭遇した力の強い
悪しき輩を見つけ出す。そして、散らす事を。
秀吉と鬼子はその準備をしている所だ。
きび爺、きび婆、弥次さん喜多さん。それに織田と舞子が2人を心配そうに見つめている。
きび婆が鬼子の方に近寄ってきた。
「鬼子・・あんまり無茶はせんでおくれよ。深追いは禁物じゃて」
「解ってるわ。心配しないできび婆。それに皆も。私は大丈夫よ」
鬼子は笑顔でそう答えた。
織田が秀吉の方に近寄って来て小声で伝える。
「おぃ秀吉。鬼子ちゃんが無理しそうな時は、お前が止めるんだぞ。
鬼子ちゃんに怪我させたら承知せんからな!」
秀吉は織田のその言葉に、深くうなずいた。
「解ってます。任せて下さい」
秀吉は口を真一文字にしてそう織田に答えた。
車に乗り込むのは、鬼子、秀吉、般若。それに今朝方やっと呪縛の解けたヒワイドリ。
秀吉が運転席に乗り込み、鬼子は助手席に乗り込む。般若は般若面となり、
鬼子の袂に入れられている。そしてヒワイドリアクセ付きカチュウシャを頭に・・・。
ヒワイドリは・・・徹夜明けで爆睡中だ。織田がそのヒワイドリを後部座席に放り込んだ。
きび爺が2人に声をかける。
「絶対に無理するんじゃないぞ。気を付けてな」
秀吉が、運転席の窓を開けみんなに挨拶をしている。
「じゃぁ行ってきます。皆さんも気を付けて」
鬼子も助手席の窓から皆に声をかけた。
「行ってきます。こにぽんに宜しく伝えて下さい」
こにぽんははだ寝ている。傷を負ったハチ太郎と、徹夜明けの般ニャーとともに。
そして、車は静かに走り出し鬼狐神社から消えて行った。
鬼子と秀吉。そして般若と爆睡中のヒワイドリを載せた車が高速道路を走っている。
鬼子は窓から見える外の景色を、寂しげな表情で見つめていた。
「鬼子ちゃん。車に乗るの初めてだよね。どう?走るより早いだろ!?」
秀吉は、鬼子の沈んだ表情を気にかけているのだ。
「ん〜・・・。私の方がもう少し早いかな」
今、車は時速80キロで走っている・・・。
「え・・・このスピードより早く走れるの・・・?」
「・・うん。でも、早く走れても輩のいる場所は解らない・・・」
秀吉は、輩とは違う話題にしようとしているのだが、鬼子の頭の中は
やはり、心の鬼からなる悪しき輩で一杯なのだろう。
「・・・そ、そうだね。早く走れてもね・・・。ハ・・ハハハ・・・」
秀吉の話しは撃沈される・・・。
一時間ほど田舎風の郊外を走っていたが、所々ビルも目立つようになってきた。
神社近くの風景とは全く違い、近代的なビルが立ち並ぶ。
後部座席ではまだヒワイドリが寝ている。呪縛が解けて直ぐ眠り込んでしまったのだ。
「ねぇ秀吉さん」
と、鬼子が声をかけてきた。
「ん?なんだい?」
「光の世って争い事とかはないんですか?」
輩と関連ずけを出来るだけしたくなかった秀吉だが、やはり、そうもいかないみたいだ。
「ん〜〜〜。あるよ・・・。欲のぶつけ合い、趣味、思考の違うもの同士の争いなんか・・・沢山ね」
「・・・殺し合い・・なんかも?」
「・・そうだね。この前、刑事さんが神社に来たろ!あの刑事さんはそんな争い事を
取り締まっている。大目付だったかな?闇世で言う。闇世も光の世も同じじゃないかな・・・」
「・・・そうですか・・・。何で争い事がおきるんでしょうか・・・どうして生きる者は
争い事をするんでしょうか・・・。皆幸せに過ごそうと思ってないんでしょうか・・・」
鬼子がいつも心で思っている事が、自然と口から出てしまっていた。
「鬼子ちゃんはどう思ってるんだい?光の世の事はまだよく解らないだろうけど、
闇世での争い事なんか・・・」
秀吉は、もう話題は何でもいい。鬼子に喋らせる事でなんとか元気になって欲しいと思っているのだ。
「・・・闇世では・・・悪しき輩との戦いがほとんどだけど、たまに、違う民同士のいざこざもあるの。
そんな話を聞くと、悲しくなってきます・・・」
「そっか。そうだよね。でも、それを直ぐに解決する事は出来ない。
少しづつ、少しづつ争いの無い世界にしていく為にも、まずはその輩を何とかしなくちゃね」
「秀吉さん・・・。今から会いに行く光の世の人間の民ってどんな人なんですか?」
「ん〜・・・。僕も良く知らないんだ。住所と名前だけ渡されたからね。織田さんの言うには
わがままな奴だって・・・。でも、狐火様の紹介だから悪い人じゃ無いよ。きっと」
「・・・そうですか。その人を危険な目に合わす事出来ないから、話しだけ聞く事にしませんか?」
怪我人を出したくない、最悪死んでしまうかもしれないほど強い相手を探してもらう事を、
鬼子は心配しているのだ。本当は自分の力で探し出し解決しなければいけない事なのに、
人間の民を危険にさらしてしまう事への不安が強くなっているのだ。
「鬼子ちゃん。そういう事は会ってみて、話をしてみてから決めたらいいんじゃないかな。
狐火様から力を貸してもらえって言われてるから、弱い人じゃ無いと思うし」
「でも・・・」
「解ってる。鬼子ちゃんの気持ちは解ってる。とにかくそれは会ってからにしよう」
「・・・はい・・」
鬼子の心は、自分一人で解決しようとしているのだ。同行している秀吉にも怪我はさせられない。
今から会いに行く人も危険な目にあってもらいたくない・・・と。
「ふわあぁ〜ぁあ」
後部座席からヒワイドリの声がした。
両腕を上に伸ばし大きなあくびをしながら目を覚ましたのだ。
「ん?ここ何処?」
周りをキョロキョロしながらヒワイドリがそう言った。
鬼子はヒワイドリから見えない様に、自分の身体を車の座席越しに小さくして隠れている。
秀吉はバックミラー越しに言う。
「ヒワイドリ、やっと起きたのか。どうだ?身体の調子は」
その言葉を聞いたヒワイドリは、呪縛を解放された事を思い出した。
「あっ!オレ今どんな風に映ってる?」
「・・・ニワトリだけど・・・」
「・・・そ、そうか。で、ここ何処?」
「車の中さ。今、狐火さまから力を借りる様にと言われた人の所に向かってる途中だよ」
「そうなんだ。まぁオレには関係ないけどな。で、鬼子。何で小さくなってるんだ?」
・・・バレてる。
「・・・ん゛?あんたと喋りたく無いからよ」
呪縛の解けたヒワイドリが、鬼子にどんなイタズラをしてくるか解らない。
今までに無いヒワイな言葉をかけてくるかもしれない。
鬼子は袂に手を入れ、般若面の口から少しだけ薙刀を出し、それを握った。
秀吉は笑顔だ。ヒワイドリが起きた事により鬼子は今、悪しき輩の事を忘れている。
「あ、ヒワイドリ。ニワトリの姿じゃ今後街中一緒に歩きずらいから、元の姿に戻ってろって
狐火様が言ってたぞ。それと、悪さをするなともね」
「そっかぁ〜。ダハハハハ〜。オレの天下だ。オレ様の天下だぁ〜!!!」
ヒワイドリは目から炎を上げている様に、上を向いて天を仰いでいる。車の中だが。
「ヒワイドリ、悪さしようとしたらその時点で消すからな」
と、鬼子の袂から聞きなれたガサツな声が聞こえてきた。般若だ。
「や、やっぱりいたのね・・・。そ・・・そんな事少しも考えて無いよ・・・。
ただちょっと吠えてみただけさ・・・」
ヒワイドリは冷や汗をながしながらそう言った。
「じゃぁ元の姿に戻るか」
そう言ってヒワイドリは、少し念を貯めた。
【シュフォ〜ッ】
ヒワイドリの周りに念の渦が出来る。車の中はその渦の風で紙切れや荷物などが浮き上がり
渦を巻いている。
「ちょ・・ちょっと、もう少し・・・」
と鬼子が言うと同時に、
【バシュー】
車の中が光に包まれ、車が・・・高速道路のアスファルトから一メートルくらい浮いてしまう。
【キキキキ〜〜〜】
慌てた秀吉が何とか車を立て直そうと必死に無言でハンドル操作している。
「こ、こら〜ヒワイドリ〜〜〜」
鬼子の叫び声が車の中に響き渡るが・・・どうしようもなかった。
【キキ〜〜キキ〜〜〜】
秀吉はやっと車を立て直したが、涙目になりハンドルにしがみ付いている。
もちろん鬼子も、涙目に・・・。
ヒワイドリは・・・自分の頭を天井に打ちつけ、抱え込んでいた・・・。
「いって〜〜〜・・・。ごめん。久しぶりだから力加減を間違えちゃった・・・」
元に戻ったヒワイドリの姿は、白髪に一部赤い髪が混じっている。
そして白色を基調とした着物姿に変わっていた。
鬼子は薙刀で突きながら言う。
「あんたねぇ〜・・・ほんっとに厄介者だわ。きび爺は何でこんな奴と一緒に行けって
行ったんだか・・・」
「う、うるせい。仕方ないだろ。本当に久しぶりだったんだから」
「で、あんたは元々何の民だったのよ?」
「ん〜〜〜・・・。思いだせん。完全には呪縛を解いてもらって無いみたいだからなぁ・・・」
「あ、それより鬼子!」
「ん゛?何よ・・・」
「乳の話しでもしようじゃないか」
【プッス】
薙刀がヒワイドリの眉間に突き刺さる。
「お・・・鬼子。それ以上力を入れないでね・・・。
オレ、死んじゃうから」
「ふん。役立たずが」
車はそんな皆を乗せ、高速道路を降りて行った。
大都会。近代的なビルしか立ち並んでいない。こんな所にその人間の民がいるのか。
人が溢れかえり、肩をぶつけながら歩く人々。そんな中、秀吉は片手にメモを握り締め
片手でハンドルを握り締め、ユックリと車を進めていた。
そのまま小さな細い路地を入っていく。少し進むと人の波もまばらになり、静まり返った所に出てきた。
「あっ、ここだ!」
と秀吉は5階建てのビルの前に車を止めた。
そのビルの前に駐車スペースがあるので、そこに車を止めなおした。
鬼子達は車を降り、ビルの看板を見上げた。
【HIBIKI STUDIO】ヒビキ・スタジオと書いてある。
小さな玄関を入ると、階段と小さな電話だけがある空間。そして階段の手前には鉄格子が施している。
秀吉は番号をクルクル回すレトロな黒電話に目をやった。その横に何か書いてある。
【御用の方は受話器を取り、○○番まで】
秀吉は受話器を取り、○○と回した。
【トゥルルルル〜・・・】
呼び出しているが、中々出てくれない。その横で、ヒワイドリが鉄格子をこじ開けようと
【ガシャガシャ】やっていた。
「ハァ〜ィ。どちらさん?」
とやけに色っぽい声が受話器から聞こえてきた。
「あっ、鬼狐神社から来た者です」
「あぁ〜早かったのね!ちょっとまってね。柵の鍵を開けるから。
階段登って二階まできてくれる?じゃぁね」
【ガチャン】
と受話器が切れた。それと同時に
【ポーン】
と言う音が柵の鍵の所から聞こえてきた。どうやら、鍵が開いたようだ。
「うす汚い所だなぁ」
ヒワイドリが裾を少し上に上げながらそう言った。
【キッ】とヒワイドリを睨んで鬼子が言う。
「あんた、言葉を慎みなさいよ!」
階段を上がって行くと、なにやら音が聞こえてくる。秀吉は、その音が聞こえてくるドアを開けた。
すると、ガラス張りのぶ厚いドアがもう一つある。その向こう側では、誰かが何かをしているようだ。
横に有る階段から誰かが降りてきた。
「あ〜ら。良くいらしたわね〜ん」
その色っぽい声の主は、見た目20代前半の女性。とても色っぽく見える。
髪型は茶髪のセミロング、そして白いシャツを着ているのだが、
そのシャツをむやみに、そして力強く持ち上げる胸・・・。
鬼子はそれを見て・・・呆然としている。
秀吉も違う意味で呆然としているが。
【シュッ】
ヒワイドリがその女性の横に素早く動いた。
「ち、」
【プスッ】
鬼子が素早く、ヒワイドリのお尻に薙刀を刺す。
そんな鬼子とヒワイドリの無言のやり取りを他所に、その女性が鬼子の腕に手を添えた。
「あなたが鬼子ちゃんね!か〜わいぃわね」
「え・・あ・・あのぅ・・・」
「解ってるわ。連絡があったから」
そう言いながら、その女性はセミロングの髪の毛をユックリかき上げた。
薙刀がお尻に刺さっているヒワイドリが、その女性の髪の毛の香りを
【クンクン】
と心地良さそうな笑顔で匂っている。
秀吉は、そのヒワイドリを手で隠す様に押しのけながら言った。
「初めまして、鬼狐神社に仕える秀吉と言います。貴女が狐火様から紹介された方でしょうか?」
「いいぇ、違うわ。私はここの事務所の社長よ。社長兼神主だけどね。響って言うの。宜しく〜」
「あ・・・宜しくお願いします」
その響社長はガラス張りの中にいる人達を指差しながら言った。
「紹介されてるのは、あの子達よ」
手前に三人。そのまた奥にガラス張りの部屋があり、その中に一人。
「今、新曲の音合わせ中だけど入っていいわよ」
響社長はそう言いながらガラスの扉をあけた。すると、中では心地のいい音楽が流れている。
「あっ!」
鬼子が目を見開き、焦りながらその人達に指をさしている。
「ぁあ〜・・・金色のビルの看板の人達〜〜〜!」←第五章参照。
秀吉も驚き、唾を飲み込んでいる。
「あぁ・・・テレビに出てる人だ・・・」
その言葉を聞いた響社長は、キョトンとした表情で言う。
「あれ?聞いて無かったの?彼等は歌手よ〜」
「歌手!?」
「そう。中で一人音あわせしている男の子が音麻呂で、手前にいる男の子が歌麻呂。
2人一組のグループで唄ってるわ。そして、手前にいる女の子2人、茶髪の子が
詠麻呂で金髪の子が奏麻呂よ。彼女達も2人一組のグループなの〜」
「知ってます、見たことあります。テレビにもよく出てますよね」
秀吉が目をキラキラさせながらそう言った。
「そう。最近人気が出てきてね、彼らが作る曲っていい曲なのよ〜ん」
響社長は両手を掴み、腰を振りながら満面の笑顔になっている。
「入っていいわよ〜ん!」
秀吉は、響社長の揺れる腰に誘われながら中に入って行った。鬼子も付いて行ってるが。
ヒワイドリは鬼子により、中には入れてもらえなかった。
中にいる女性二人と響社長に悪さをしてもらいたく無いからだ。
見た事の無い空間に圧倒されながら、鬼子が挨拶をする。
「こ、こんにちは。初めまして、ひのもと鬼子と言います」
「ぼ、僕は秀吉です」
歌麻呂(男)と言う人が2人の言葉に返事をしてくれた。そして、鬼子の方を見た。
「あぁ〜よく来たね!君の事聞いてるよ。闇世の鬼の民なんだってね。初めて見たよ〜。
可愛い顔してるから君なら絶対売れるよ〜。俺は歌麻呂。宜しくね。」
歌麻呂はニコニコ笑顔で手を振りながらそう答えた。
すると、その横にいた茶髪の詠麻呂(女)が歌麻呂(男)の背中を【ポン】と叩きながら言う。
「違うでしょ!力を借りに相談に来てるんだから。ね、鬼子ちゃん!」
鬼子は少し引きつった笑顔で返事をする。
「は・・・はい」 「私は詠麻呂。宜しく〜」
詠麻呂(女)も手を小さく振りながら挨拶した。
鬼子も少し焦りながらまた挨拶をする。
「あ・・よ、宜しくお願いします」
奏麻呂(女)が鬼子と秀吉の手を引いて言った。
「まぁまぁ立ち話もなんだから、座ってよ。私は奏麻呂よ。宜しくね」
またまた、鬼子と秀吉は挨拶をする。
「宜しくお願いします」
音麻呂(男)と言う人は、もう一つのガラス張りになった部屋の中で、ピアノを弾いているみたいだ。
音合わせ中と言ってたから、その作業中なのだろう。
中から手を振ってくれているので、鬼子は頭をチョコンと下げて挨拶をした。
ヒワイドリは・・・ガラス張りの部屋の外で、口に指を入れながらこちらの雰囲気を
うらめしそうに覗いていた。
歌麻呂(男)は、自分の前の機械のつまみを、鬼子達には見えない様にしながらスライドさせた。
そして、鬼子達の方に向き笑顔で言った。
「で、その鬼の民の子が俺たちに相談って何かな?」
「は、はい・・。実は・・・」
と鬼子はココに来たいきさつを丁寧に全て話した。
歌麻呂(男)はその話を静かに聞き、腕を組みながら鬼子を見つめている。
「ふ〜ん。そんな事になってたのか。大変だったね。それで、俺達にそいつの居場所を
探して欲しいと」
「は、はい。ハチ太郎の・・犬の鼻を頼りに出来なくなってしまったので、
狐火様が貴方たちの力なら探し出せるんじゃないかと・・・」
神社の人達、そして同行している秀吉からも、しっかり説明して力を貸してもらえる様にと
念を押されていたので全てを話した。
だが、やはり鬼子の心は人間の民に迷惑をかけたくないと思っているようだ。
迷惑だけでは済まないかもしれない、とても危ない場所に同行してもらう事をためらっていた。
鬼子は、歌麻呂(男)と目を合わさず少し下を見つめている。
歌麻呂(男)は、鬼子のその表情を見ながら言う。
「山の中を探すとなると、俺達4人の力が必要だなぁ。単独ではまず見つからないからね。
何日かかるか解らないから、食料も持って行った方がいいよなぁ」
詠麻呂(女)は歌麻呂(男)をからかう様に言う。
「シャンプーやリンス、歯磨きセットとお化粧道具も持っていっていい?」
「キャンプじゃねぇんだから、だ〜め!」
「え〜、じゃぁ着替えくらいはいいでしょ!女の子なんだから」
詠麻呂(女)は奏麻呂(女)にくっ付きながらそう言った。
「き・・・危険な目に合うかもしれません。私はまだ、その悪しき輩に遭遇してませんが、
とても強い心の鬼が取り付いた輩なのは、間違いありませんから」
鬼子の表情は寂しげだった。歌麻呂(男)、詠麻呂(女)、奏麻呂(女)も、その鬼子の表情に
どことなく自ら壁を作っている様に見えた。
鬼子は続けて言った。
「闇世では、その心の鬼に取り付かれてしまうと悪しき輩となってしまうんです。
そうなってしまうと・・・人間の民にはもどれません・・・」
奏麻呂(女)が鬼子を上目使いしながらジッと見つめる。
「鬼子ちゃん・・・。さっきから怖い話ししかしないね。私達の事を・・・
遠ざけてる?・・・」
鬼子は【ドキッ】っとした表情を浮かべる。
「ち・・・違います。じ・・事実をちゃんと伝えなきゃと思って・・・」
歌麻呂(男)の表情が少し厳しくなる。
「・・・鬼子ちゃん。独りで行くのかい・・・?」
その言葉を聞いた鬼子は・・・下を向きながら、膝の上で握りこぶしを作っていた。
「いや・・私は・・・」
秀吉は慌てて、鬼子の言葉をさえぎる様に言う。
「私も行きます。行きますって言うか・・・私は当事者なので」
歌麻呂(男)は鬼子を見つめながら首をかしげている。
「いや・・・秀吉さんを置いて、独りで行こうとしている様に見えるんだけど、
違うかな?鬼子ちゃん・・・。狐火様からの紹介なので、ココへ来たけど
断ってもらえる様に・・・って・・心がそう言ってるよ」
秀吉は驚いた表情で、鬼子の方を見て言う。
「お・・・鬼子ちゃん・・・それ本当なのかい・・・?」
鬼子は目をつむり、下を向きながら少し震えていた。
「・・・だ・・だって・・・秀吉さんも見たでしょ・・。ハッちゃんのあの姿・・・。
もし、秀吉さんや皆さんがあんな事になってしまったら・・・。
死んでしまうかもしれない・・・」
歌麻呂(男)が、鬼子の方に背を向けて、中にいる音麻呂(男)の方を見ながら話した。
「鬼子ちゃん・・独りで行ってどうするの?」
「・・・私独りでも大丈夫です。時間はかかると思いますけど、
絶対光の世は守ってみせますから・・・」
歌麻呂は振り向き、鬼子の顔をジッと見る。
「独りで?」
「はい」
「傷ついても?」
「・・・はい」
歌麻呂(男)は鬼子の目を見ていた。鬼子の心の声を読みとろうとしているみたいだ。
ジッと見つめ続ける。その状態で時間が少し過ぎて行く。
歌麻呂(男)が急に立ち上がった。
「ダメダメ〜鬼子ちゃん。駄目だよ〜。そんなんじゃぁ悪しき輩に勝てないよ!
みんなの力を合わせないと、倒せる者も倒せなくなる。そうだよなぁ?音麻呂(男)!」
歌麻呂(男)がガラス張りの中の音麻呂(男)にそう声をかけた。
中にいる音麻呂(男)に今までのやり取りが聞こえていたみたいだ。
音麻呂(男)は大きくうなづいている。
詠麻呂(女)が鬼子の方を向き笑顔で言った。
「闇世だけの問題じゃぁないんだし、協力して探し出さなくちゃぁね。
鬼狐神社の狐火様からのお願い事なのに、鬼子ちゃんを独りで行かせるなんて出来ないわ」
「で・・でも・・・」
鬼子のその暗い表情を見ていた奏麻呂(女)が少しおちゃらけて言う。
「それに、織田さんがお世話になってる神社だもの、なおさらほっとけないわ」
奏麻呂(女)のその言葉を聞いて、秀吉は思わず口から言葉が出てしまった。
「お、織田さんとはどんな関係があるんですか・・・?」
「関係って・・・ぃやね〜そんな事聞かれたら恥ずかしくなっちゃう」
奏麻呂(女)は顔を赤くして下を向いた。
それを見ていた歌麻呂(男)が笑いながら言う。
「こらこら、からかっち〜駄目だろ奏麻呂。秀吉さん、俺達織田さんに古武道習ってた
時期があるんですよ。子供の頃なんですがね。あの人だけは倒せなかったなぁ〜」
「え・・・習ってたの!?」
「うん。小学5年生くらいの時だったかな。生意気な俺たちをぶん投げて自慢してたよ」
「5年生をぶん投げて自慢・・・」
「だから鬼子ちゃん、俺達は一緒に行くよ。それと、手紙にも書いてたけど狐火様が
鬼子ちゃんの事をすごく心配しててね。ひどく傷ついた友達や、怪我をした神社の人達の事が
心に残ってるから、俺達の同行を断るかもって、独りで行こうとするかもって書いてあった。
狐火様が書いてた事、当ったなぁ」
続けて歌麻呂(男)は言う。
「鬼子ちゃん。仲間って大事だよ〜。独りで解決するとか、守ろうなんてしちゃ駄目さ。
協力し合って、初めて力が発揮される。だから皆を守る事ができるんだ。
その事を解ってて欲しいな」
鬼子は嬉しい様な、でもやはり心配なのは拭い切れないでいた。
「あ・・・有難う御座います」
歌麻呂(男)が、場の雰囲気を少し変えようと笑顔で話しだした。
「俺たちの紹介がまだだったね。今はこの音楽活動に落ち着いてるけど、それまでは色んな事をしたよ。
元々俺たちって、主体にしている核たる物が無かったから。色々やりすぎて、
色んな所から破門状態だし・・・。唯一歌手としての活動は自由って所かな」
「は・・・破門・・ですか?」
「そうなんだ恥ずかしい話しだけど。神主も山伏も陰陽師も古武道も、
その他の神に関わる事全部ね・・・。神職では浄階って言って最高位になる所だったんだけど、
面白くなくなってきて・・・。もう全部笑い話だよ」
秀吉はその言葉に驚きの表情を浮かべた。
「え?浄階って年齢など関係ないんですか?長く仕えてる人がなれると聞いた事がありますけど」
「その通りですよ。浄階の職に就いてた人が俺たちにはその力があるって言って、
勝手にその職に就けようとした事があったんです。
でも、俺達の年齢や態度やら回りからすごく反対されて」
秀吉の驚きはまだまだ続いている。
「皆さんは何故、神主や山伏や陰陽師、古武道と色んな神職に精通してるんですか?」
「それが・・・良く解らないんです。何か俺達の血には、大昔、この世を作り上げた神様の血が
濃く混じってるって誰かが言ってたんだけど。架空の神話なんですよ。
俺達の神職の吸収の早さに冗談で言ってると思います。
別天津神(ことあまつがみ)って神様達らしいんだけど。でも今の俺たちには関係ないし、
どうでもいい事なんですけどね」
歌麻呂(男)は鬼子の方に向いて話した。
「俺たちの音楽活動の原点は祝詞(のりと)なんだよ。神に捧げる歌や舞をしてた時に
なんかこう、ピーンときてね。人の心を和らげるって言うか、癒すって言うか。
笑ったり怒ったりも表現出来るから、今の俺たちにとても合ってるんだよ。
さっき、鬼子ちゃんが悪しき輩の居場所が解らないって言ってたよね。俺たちにもすぐ
その居場所が解るかって言えば無理だと思う。でも、自然の力を借りれば何とかなるかもしれない」
「し、自然の力・・ですか?」
「そう。何かを探す時は、神主、陰陽師の力ではなく山伏の力の方が勝ってるからね。
特に山の力を借りて探してみるよ」
鬼子の耳には聞きなれない言葉だ。山伏、陰陽師、祝詞・・・。そう言う神職が
光の世にはあるのだ。
「皆さんは、必ず私が守ります。だから安心して下さい」
鬼子のその言葉に、歌麻呂は呆れ顔だ。
「いや、俺たちは大丈夫だよ。自分の身くらいは自分で守るよ」
「いえ・・・本当にとても強い輩みたいなんです。
皆さんに怪我でもされたら・・・必ず守りますから。」
「ハハ・・。大丈夫だって、そんなに守る守るって言ってちゃぁ自分の事も守れなくなっちゃうよ」
そんなやり取りをしている所に、音麻呂(男)が中のマイクを通じて話しかけてきた。
「歌麻呂〜詠麻呂、奏麻呂〜。ちょっと中に入ってきてくれ」
音合わせの打ち合わせ中だと響社長は言っていた。鬼子達は彼らの邪魔をしないように
この場で待つことにした。
すると、音麻呂(男)が中から初めて出てきた。
そして、目の前の機械をイジっている。何かのボタンを押したようだ。
「鬼子ちん!ガラス越しに鬼子ちゃんを観察してたんだけど、
俺たちと同じように、すごく頑固だね〜。気が強いって言うか優しすぎるって言うか。