エロゲ新聞

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35名無さん@初回限定
読者投稿風に。

40年勤め上げた会社を退職し、なにやら張り合いの無い日々を送るうち、大学生
の孫に「退屈しのぎに…」と勧められたエロゲヱ。
当初は「こんな電脳紙芝居」と馬鹿にしていたものの、やって見ると存外に面白い。
華やかな色彩の髪と目を持つうら若き乙女に「精三くん」と呼ばれるにつけ、
食うや食わずやで慌しく過ぎ去った学生時代が思い返され、
「戦争さえ無ければ、小生もこのような青春が送れたやも知れぬ」
と独りごちることもしばしば。
すっかり虜となった今では、孫の部屋から山吹色の円盤をせしめては書斎に篭もり
存分に「萌へ」を堪能する毎日を送っている。
「加奈」なるゲヱムをプレイした際には、その余りに不憫な境遇と過酷な運命に
落涙し、台所で葱を刻む家内に「かような理不尽が許されていいものか!」と
熱弁を振るって呆れられる始末。年甲斐もない、とはこのことと後で赤面すること
しきり。
下手の横好きとはいえ「継続は力なり」の言葉通り、最近ではバッドルートの回避
やフラグの管理にも慣れ、「好きこそものの上手なれ」を座右の銘としてコンプリ
ヰトに励んでいる。
同年代の友人達が痴呆や重い病に悩まされるなか、老いて尚矍鑠として秋葉原に
向かえるのも、ひとえにエロゲヱのおかげかと思えば、再三に渡る「SNOW]の
発売延期も、何やら「まだまだ死ぬには早いよ」と言われているようで愉快極まりない。
ひとつ間違えれば自らが乗り込んでいた機体と同じ名前を持つ少女に出会える日を
楽しみにしつつ、今日もディスプレイに向かう。     
                       台東区 本位田精三 自由業