雪月澄乃だよ〜あんまんおいしいよ〜

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331出雲彼方
アルバムに閉じられていたのは
医学用語が並ぶ診断書だった。

ページごとに、上半身をあらわにした
少女の写真が並んでいる。

場所はこの診察室のようだが、少女は
いずれも無表情に真っ直ぐ前を見ている。

「健康診断の資料ですから。
何もやましいことはありません」

「これが3歳0ヶ月……
ここから14歳3ヶ月まで……3ヶ月おきに
診断記録を写真付きで残してるんですよ」
…私の…宝物です……」

食い入るように写真を見つめる
その表情からは、単なる父娘の
愛情を踏み越えかかった何かを感じる

……というよりとっくに踏み越えている。
困惑する俺に構わず、橘医師は
得意げに見所の解説をはじめた。

「特にここが見所ですよ……
そう10歳6ヶ月から13歳あたり…」