【2012】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 46本目
物語やヒロインに余程の魅力が無ければ耐えがたい冗長さであるが、その肝心の物語は陳腐で平坦な展開が延々と続き、
ヒロインに至っては「肛門の筋肉がゆるゆるで、身体から汚物の匂いを漂わせている」なんて有様なのだからどうしようもない。
選評者から「真綿で首を絞められるかのようだ」とまで評された本作の苦痛度は、まさに地獄の耐久マラソンも斯くやの凄まじさであっただろう。
この『白神子』に触発されたのか、EMUの『パジャマさんこんにちわ』(通称『パジャマさん』)も、7年半もの長い眠りから目を覚ました。
「フルボイスなのにたった201MBしかなく、しかも体験版と全く容量が同じ」ということで大きな騒動を巻き起こした本作だが、
その中身も「そのまま永眠していれば良かったのに……」と言われるほど悲惨極まりないものであった。
本作は「学生寮病みキャラ猟奇純愛ADV」を名乗っており、心の闇を抱えたヒロインたちを主人公が救済する物語だが、
「総プレイ時間=2時間」という分量でまともな展開を書けるはずも無く、各ルートとも僅か十数分で起承転結の全てが終了してしまう。
その展開の速さたるや、さながらジェットコースターのようであり、一例を挙げると、
――奇病で身体が成長せず、過去の裏切りから極度の人間不信で主人公も殺そうとする年増双子ロリが、
「君たちを大人の女性として認めるよ」と言われた途端に「素敵!抱いて!」と態度が豹変して両想いになる――
などといった具合であり、その温度差の凄さにプレイヤーは目を白黒させることとなった。
この展開の速さに合わせたのか、イベントCGも一瞬チラ見せしただけでポンポン切り替わる「超贅沢仕様」になっているが、
これは本来あるべきシナリオを大幅に削ってしまったことが原因であり、中には本番シーンが丸々カットされるヒロインまで存在するほどだった。
まさに悪い夢でも見ているような惨状を呈していたが、物語の方も「今までの話は全部主人公の妄想でした」という壮絶な夢オチで幕を閉じるため、
プレイヤーはパッケージ裏に書かれた「嘘だろ?騙された……」という言葉を深く心に刻みつけることになった。
かくして、これら三つの作品による大掛かりな反攻作戦が展開されていたが、当然seal側も黙って見ていたわけではない。