【2012】 クソゲーオブザイヤーinエロゲー板 46本目

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こうした惨状から、本作は「苦の一」「門番どころかデモンズウォール」などと畏れられ、開幕と同時に一気に最底辺へと躍り出ることとなった。

sealのターンはまだ終わらない。
続いて登場したのは、系列のDevil-sealより2月10日に発売された『獣ノ躾 〜本能と理性の狭間で悶えるケモノ〜』(通称『獣ノ躾』)である。
本作は調教SLGであり、ヒロインを娼館で働かせて借金を返済するのがゲームの目的となるが、
「借金を返済すると、何故か返済額の倍近い金額をふんだくられる」という闇金業者も真っ青なバグの存在により、事実上クリア不可能となっている。
本作はこのほかにも、シーン回想で調教シーンの一部が閲覧できない、調教アイテムが勝手に売却されてしまう、素材の入手量が極端に少ない、
初期の修正パッチを当てるとエラー落ちする等のバグがてんこ盛りだったので、まともにゲームをプレイすることすら困難な有様であった。
幸い、最新のパッチによってこれらの不具合は概ね解消されたものの、この年明け早々からのsealの大攻勢は、
「今年こそ、単独の大賞受賞を狙いに行く」という彼らの悲壮な決意の表れであったと言えよう。

seal騒動も落ち着いてきた3月、戯画の『マテリアルブレイブ』(通称『マテブレ』)が、年度末の魔力に惹かれて姿を現した。
本作は伏線未回収の一本道シナリオに加えて、引継ぎ要素の薄さや探索パートの面倒臭さなどが問題視されていたが、
衆目を集める主因となったのは、親睦イベントにおける「ジュースを奢る展開」の多さだった。
このジュース一本で心も股も開いていくヒロインたちの様子に対し、「ジュースに媚薬でも混ぜたのではないか?」との邪推までされる始末であったが、
その辺にあるFlashゲーム程度には楽しめる出来だったので、大賞を争うにはやや力不足だったと言えるだろう。
3月は他にも、そのあまりに不愉快な言動から、恋人はおろか友達にすらなりたくないヒロインが多数登場する『Friends』や、
伏線もエンディングも投げっぱなしで、決算に間に合わせるために見切り発車したとしか思えない『Princess-Style』などの選評が届いたが、
その後は特に話題になる作品も無く、住人達は一時の平穏の尊さを噛み締めていた。