エンタメ:なぜ96条改憲論? 「目的」より「手段」の是非めぐり 4月24日(23日夕刊3面)
http://www.asahi.com/culture/articles/TKY201304230370.html 戦後日本ではこれまで、どのように憲法論議が続けられてきたのか。歴史社会学者の小熊英二は、
大きく次のように整理する。
戦後しばらくは天皇制と人権問題、9条が主な論点だったが、1960年前後から議論が9条関連に
集約され、9条が唯一のテーマに見えるような状況が続いた。21世紀に入ると生存権や首相公選制、
参議院の見直しなどが浮上し、9条の相対化が進んだ――と。
憲法は立憲主義を確立するための手段であり96条はその憲法を変える手段であるから、96条は
「手段の手段」だ――そう語ったのは民主党幹事長の細野豪志だった(中央公論5月号)。
手段をめぐる改憲論が今、浮上してきたのはなぜか。(歴史社会学者の)小熊は「何かを変えたい、
という以上のことはないだろう」と話す。社会を変えたいが新しい社会ビジョンはない。
そんな閉塞感の中で、「具体的には変わらないけど、何かを変えた気分は共有できるもの」として
96条改正への期待が生じる――との見方だ。