■恋ではなく―― It’s not love, but so where near.■+1 SG H3
群青の人ということで、自分にしては珍しくライター指名買い。
絵がトモセなのは予約後に知ったが嬉しい誤算だった。
創作に対する情熱のぶつけ方、カメラの薀蓄、攻略対象1人の複数√、など
本当にライターの趣味を真正面からぶちまけたゲームだなぁと思う。
WA2が恋愛に妥協できない連中の物語なら、こちらは青春に妥協しない連中の物語といった感じ。
敢えて悪い言い方をするなら、面倒くさくて青臭い学生たち、になるんだろうけど
最近、こういう"本気"で生きようとしてる奴らの物語に弱いんだよね……。自分がトシ喰ったせいか。
登場人物たちが、映画や写真を対象にどうしても自分なりの拘りを捨てられないという気質は
分野こそ違えどオタクの端くれをやっている人間を共感させるに余りある。
魅力的なキャラが多い割にHシーンは1人だけというのがエロ面でマイナスではあるものの、
トモセ絵の安定感から、WA2ほどH評価を下げなくても済んだ。
本当は好佳のHシーン欲しいけど。激しく欲しいけど。if√ありのFD出してくれ頼む……。
でも管理されてないライターはそういうのやらなさそうだよね!
■穢翼のユースティア■CG H4
+1加点を、これと恋ではなくのどちらに入れるか最後まで迷ったんだけど
謳い文句であった"ダーク"の部分で終盤やや薄れた感があり、加点は譲る形になった。
この辺は新路線の一発目というのが出てしまったかもしれない。
とはいえ全体を通してシナリオそのものはかなり高レベルで
オーガストが新境地を見せつけたというのは間違いなく、同路線の次回作も期待したくなる出来。
グラフィックは立ち絵もイベントCGも相変わらずの安定感で
それに加えてインターフェース周りなど細かい部分にも力が入っており
ゲーム全体で雰囲気を作り出そうとしているのが伝わってきた。
エロ面も高水準で、この辺は固定絵師の強みが活かされていると思う。
■神採りアルケミーマイスター■P H4
ゲーム部分についてはいつものエウシュリー安定ってな感じ。
最後の最後でもう一つバランスが取りきれていない、と思わせる所まで含めて。
ここがクリアされてればコンシューマのタイトルとも勝負できるゲームだけに毎回凄く惜しい。
バトルありの作品にしてはHシーンが和姦オンリーというのにやや不満はあるものの
決してエロくないわけではない。ファンタジーものの鎧装備エロは正義。
でもあれやり過ぎじゃね? いや満足はしてるんだけど。
同社のディル=リフィーナ世界観のファンとしては、細かい設定が掘り下げられていたのも嬉しい。
鳩月さんが死なない程度に次回もよろしくお願いします。主にエロフ的な意味で。
■アルテミスブルー■C H1
2011のダークホース枠と言ってもいいかもしれない。
発売までは全くノーマークだったのだが友人からプッシュされたため購入し
各キャストの演技の熱さに惹かれたため投票対象に。情熱を感じるオッサン達は大好きだ。
■必殺痴漢人II■G H5
エロ枠の1本。絵師がお気に入りというのもあるが、あまり深く考えずに
即エロいタイトルってやっぱり必要だと思うの。だって えろげ だもの。
前作もやっぱりエロくて花音可愛いよ花音という状態だったので引き続きの登場が嬉しかった。
■WHITE ALBUM2 -closing chapter-■+2 SM H2
文句なし、正真正銘のホワイトアルバムだった。
ICのとき、ホワルバにしてはちょっとヌルいんじゃねーのとか舐めててホントすいませんでした。
要所要所でICのシーンやセリフを効果的に使ってくる辺り、完全に計算されているなと。
シナリオ的には、バトルや超常現象や魔法やロボットや銃などと言った要素が皆無の
身も蓋もない言い方をしてしまえば、現代の日常のただの恋愛話なのに、登場人物それぞれが
その恋愛に対して妥協できない真剣勝負を挑んでいるおかげで、俺の琴線かき鳴らしまくり。
各キャストの演技に力が入っていて、感情を押し殺そうとして平坦な声を出そうとしているものの
僅かな震えから本音が漏れ聞こえてきたり、逆に心の底から絞り出すような泣き声・叫び声に
胸が締め付けられたりと、名演と言えるシーンが多い事もシナリオを更に引き立てている。
音楽に関しても「Leaf健在!」と叫びたくなる良曲揃いで、項目別評価にM5とか付けたいくらい。
最終章突入のシーンであのイントロが流れ始めたときは、ディスプレイの前でリアルに唸ったし
Leaf旧作やICから引っ張ってきた楽曲のセレクトも使いどころも実に上手く、
プレイヤーをニヤつかせ、泣かせてくれた。特にかずさノーマル√のクライマックス。
あの流れからあの場面で、あの曲を持ってくるのは卑怯すぎるだろ……。
自然と歌詞が浮かんできてどうしようもない。完全にLeaf音楽陣の掌の上で弄ばれた。
各ED曲・挿入歌とも高レベルで、ベストエロゲソングの方の投票をどうするかでもかなり悩んでいる。
敢えて欠点を挙げるとすれば一部の立ち絵の質で、
これは修正パッチ出てもいいんじゃねーの、という絵がいくつかあったのが残念。
そして、決して欠点ではないのだが、いやエロゲとしては重大な欠点なのかもしれないが、
Hシーンは数も多めで単体で見ると十分エロいのに、シナリオに没頭してる状態では
後ろめたさやら切なさやらの方が勝ってしまって全然エロく感じねぇ!
俺の中でエロゲNo.1を決めろと言われたら、数本の候補から1つに絞ることはできないんだけど
WA2は、その数本のNo.1"候補"には確実に入る作品。ICで切らなくて本当に良かった。
こういうタイトルが出るうちは、エロゲをやめることはできそうにない。
(総評)
エロ枠的にはロマンツェとカミカゼにも入れたかったが
崩した時期の関係で、神採りに足りなかった陵辱分を補充した形になったタイトルを。
グリザイアが終わっていればアルテミスブルーの代わりに投票対象だったかもしれない。
ファンタジー好きゆえ今年はユースティアと神採りかなと思ったら、恋ではなくが予想以上に良く、
そして1年もそろそろ終わりかというクリスマスに待っていた、まさかのラスボスエンカウント。
年末年始は完全にWA2に持って行かれたおかげで、崩せなかった作品がいくつか出てしまった……。
前評判の高かった各タイトルが評判通りの良さを見せ、それ以外のタイトルにも良作が多かった中、
ひとつ気になったのは大御所アリスソフトに失速が感じられてしまったこと。
Leaf、elfなどの古豪が話題作を提供して、まだまだ健在という所をアピールしたように
アリスソフトにも老舗の意地を期待したい。
最後に、俺がシナリオゲーに興味を持つきっかけになったEVE burst error及び
No.1候補作品の一つYU-NOを生み出した菅野ひろゆき氏のご冥福をお祈りいたします。
世間ではよく激動と言われてたが、エロゲ的にも激動の2011年になってしまったなぁ。良くも悪くも。
2011年発売タイトルの消化本数:17本 / エロゲ歴:13年 / ベストエロゲ投票参加回数:4回目
ベストエロゲの影響で買ったオススメ作品は?:プリマ☆ステラ