保守
保守
お久しぶりです。東の扉です。
規制解除されたのと、今執筆しているSSがひとくぎりついたので投稿させていただきます。
14レス分あります。よろしくお願いします。
と思ったら忍法帳の制限に引っかかってしまいました。
少し勉強してきますので、もうしばらくお待ちください。
お帰りをお待ちしていますわ、東の扉お姉さま
zipにしてうpしてもよろしいのよ
お待たせしました。投下させていただきます。破門された時はまたしばらくお待ちください。
〜Eカード〜
とある日曜日、櫻館……。
「ねえ、あたしたちヒマだよね?」
「まあ、ヒマと言えばヒマですけど……」
朝食が終わった後、薫子さんが声をかけてきた。
今日は日曜日ながら、全員特に予定はなく、暇を持て余しているところだった。買い物は土曜のうちにやってあったし、
特別な来客の予定もなかった。
「せっかくですから、寮の掃除でもしますか?」
「えーっ!? 予定がなくて暇を持て余してる時に、何が悲しくて掃除なんかしなきゃいけないのさ!」
「そうですよ! 千早お姉さま、日曜日をなめるのもほどほどにしてくださいよ!」
僕がそう提案すると、案の定というか、薫子さんと陽向ちゃんが怒りというか、不満全開にして猛反対してきた。
やることないなら掃除でもした方が後が楽でいいと思うんだけど……。
「陽向、日曜日をなめるって何よ? それにここでやっておけば、確かに今はつらいかもしれないけど、後々楽になっていいわよ?」
「嫌ですねえ香織理お姉さま、今がよければすべてよし、ですよ!」
「同じく!」
な、なんてダメ発言だ……。
「まあまあ香織理ちゃん、遊びたい2人の気持ちもわかりますし……でも2人とも、できる時にやっておかないと
後が苦しくなるだけですよ?」
「うぐっ……初音お姉さま、私たちの味方だと思ったのに……」
「初音、油断させておいてしっかり攻撃してくるとは……」
何の味方で何に対しての攻撃ですか……。
「それでは、皆さんで寮の掃除をした後で、ゲームをするというのはいかがでしょうか?」
薫子さんと陽向ちゃんはどうも渋りそうだから、僕はそう提案してみた。
「あ! それならいいかも!」
「千早さま、それは良い提案かと存じます」
「なるほど。それなら薫子や陽向でもやる気出るでしょ」
「じゃあ決まりね。頑張ろうね、優雨ちゃん」
「うん。おそうじがんばる」
みんな僕の意見に賛成し、さっそく掃除を開始することになった。まあ、掃除の様子については都合により省略するが。
「や、やっと終わった……」
「み、水……」
寮全体の掃除が終わると、やはり薫子さんと陽向ちゃんはぐたーっと床につっぷして寝そべってしまった。
「まあまあ2人とも、これを用意しましたから、どうぞ」
僕はそう言って史と一緒に用意した飲み物を人数分グラスに入れて、食堂のテーブルに運んだ。
すると、みんな嬉々としてテーブルに座り、僕たちが用意した飲み物を口にする。
みんな、ホント体力をよく使ったんだな……。
「で、千早、どんなゲームするの?」
「いえ、特に決めていませんが……」
「えーっ!? せっかく一生懸命掃除したのにーっ!!」
陽向ちゃんがそう抗議してくる。でも、まだ決めてないだけで、やらないとは言ってないんだけど……。
「落ち着きなさいよ陽向。千早はやらないとは言ってないでしょ?」
「ええ。もちろんゲームはやりますが……」
いきなりだから、当然ゲームの用意はしていない。
「もしよかったら、私が由佳里お姉さまから預かったゲームをしてみない?」
香織理さんがそう提案してくる。由佳里って確か初音さんのお姉さまだった……。
「とりあえずどんなゲームか教えていただけませんか?」
僕は由佳里さんのことをよく知らないし、どんなゲームかもわからないのでは返事のしようがないから、とりあえずそう答えた。
香織理さんが承知すると、ゲームを取りに部屋へ戻った。
「これよ」
香織理さんは1つの小さな箱を持ってきた。
「カードゲーム、ですか?」
「そう。由佳里お姉さまが言うには彼女のお姉さまが作ったオリジナルゲームらしいけど、実は私たちもやったことないのよ」
初音さんから聞いた話だと、確か由佳里さんのお姉さまって、確かまりや従姉さんだよな。あの人が作ったゲームって、
ろくでもないものじゃなければいいんだけど……ちょっと不安になってきた。
「大丈夫ですか、そのゲーム?」
「大丈夫でしょ。どんなゲームもやり方次第よ。ルールは由佳里お姉さまから聞いて知ってるから安心して」
まあこのメンバーなら、そう大変なことにはならないだろう。仮にやばいルールがあったとしても、
そこは改定すればいいだけの話だから。
香織理さんがカードを取り出す。そのカードには7人の人間が聖應の制服姿(夏服と冬服1枚ずつ)、
私服姿、体操服、パジャマ、ウェディングドレス姿とそれぞれ7×6の42枚のカードが出てきた。
「2人は瑞穂さんとまりや従姉さんみたいですけど……」
あとの5人は誰かわからない。
「これ、奏お姉さまと由佳里お姉さまですね」
「あとは、紫苑さんと貴子さんだね。お正月に会ったことあるよ!」
初音さんと薫子さんがそう説明してくれる。確か紫苑さんは瑞穂さんの前のエルダーだった人で、
貴子さんは瑞穂さんの時の生徒会長で、今瑞穂さんの奥さんだって話の……。
「あとの1人は確か一子さん……だったかしら?」
「一子さん……?」
香織理さんに聞くと、なんでも瑞穂さんのお母さんの妹だとかで、幽霊になってから瑞穂さんやまりや従姉さん、
そして奏さんや由佳里さんとも仲良くしていたらしい、とのこと。
姉さんが幽霊になって現れたことといい、この寮はひょっとして何かの鬼門なのかな?
すみません。引っかかって最初からやり直しになりました。また1週間ちょっとお待ちください。
乙です! お姉さま。時間軸が良く分かりませんがちーちゃんの親戚関係のことは皆さんご存知のようですね。
乙、面白かったです。ただ、
>「カードの強弱はどういう順番ですか?」
>「まず由佳里お姉さま。その次に強いのが奏お姉さま。そして
この書き方だと強い方からバーグ>奏>…となっているように読めると思います。
>>936 感想、アドバイスありがとうございます。早速修正しておきました。
早っ! しかしホワイトボードの強弱の順が不等号が逆だと思います。
ってもう直ってますね。
乙です。個人的にストーリーが独創的に感じた。
面白かったです。
お待たせしました。投稿を再開させていただきます。
「話を戻すわね。これが由佳里お姉さまから預かったカードゲーム、“Eカード”よ」
「Eカード?」
「そう。EはエルダーのE。これを最初に5枚持って、1枚ずつカードを出していって、勝敗を決めるのよ」
なるほど。カード1枚1枚に強弱があって、出すタイミングを選んでいくわけか。自分にどのカードが配られるか、
相手がどんなカードを出してくるかを読み取ることが重要になりそうだな。
「カードの強弱はどういう順番ですか?」
「まず由佳里お姉さま。それより1つ強いのが奏お姉さま。そして一子さん。瑞穂さま、まりやさま、貴子さま、紫苑さまの順だって。
言っても途中で忘れると思うから書いておくわね」
香織理さんはそう言ってホワイトボードに強弱の順を由佳里<奏<一子<瑞穂<まりや<貴子<紫苑と敬称略で書く。
「つまり由佳里さんが最弱で、紫苑さんが最強というわけですね」
「な、なんで由佳里お姉さまが最弱なんですか……」
初音さんが珍しく不満そうに香織理さんを睨む。初音さんも自分のお姉さまがそんな立場に立たされるのが我慢ならないんだろう。
「確かに由佳里お姉さまは優れた生徒会長だったけどね。これを作ったのはあくまで由佳里お姉さまが1年の時の話だから……」
香織理さんも苦笑しながら説明する。
「由佳里お姉さまより奏お姉さまが強いのはこの時点では奏お姉さまに演劇部員として人気が出てきた頃で、
由佳里お姉さまが有名になったのは2年になってからだし……」
つまり由佳里さんはその時ただの一般生徒にすぎなかったわけか。
「一子さんは寮のみんなのムードメーカーで良き相談相手だったらしいから、奏お姉さまと由佳里お姉さまよりは上なんでしょうね」
香織理さんの話では、一子さんは薫子さんたちが入学する前に成仏したらしいから、
結局本当のところは伝聞でしかわからないのだろう。
「瑞穂さまが当時の3年の中では一番格下なのは、(3年の)みんなにいじられていたからだって聞いたわ。
まりやさまにも頭が上がらなかったみたいだし……」
僕の知ってる瑞穂さんは気弱でいつもおどおどしてばかりだったからな。みんなに慕われるようになっても、
必然そういう役回りになってしまったわけか。
「まりやさまより貴子さまが上なのは、2人が犬猿の仲で、貴子さまはまりやさまをやりこめられる数少ない人物……
というのは建前で、実際はリバーシの強弱の順番が参考になっている……という説もあるんだけどね」
リバーシの強弱? いったい何の話?
「紫苑さまがすべての方の頂点に立つのは、瑞穂さまを始め、ほとんどの方を手玉に取るだけの話術、
有無を言わさず従わせるだけの威厳、貴子さまをはじめほぼ全ての当時の聖應の生徒の尊敬を集めていたから……だそうよ」
そんな人がいたのか……聖應にも色んなエルダーがいるんだな……そりゃそうだろうけど、改めてそう思う。
「でも、由佳里お姉さまが最弱なんて、なんか不愉快です……」
「初音は由佳里さんに憧れてたからね……」
半泣きになりながらふくれる初音さんに、薫子さんがしみじみと言う。
「まあでも、由佳里お姉さまにも勝てるカードがあるのよ」
香織理さんの言葉を聞いて、僕はどのカードかすぐにピンときた。
「紫苑さん……ですね?」
「ご名答。さすが千早ね」
やっぱり。最弱は最強を破る。よくあるゲームの鉄則の1つだからね。
「つまりその由佳里さんは、軍人将棋で言うスパイみたいなもの?」
「ま、そんなところね」
「そういえば何も持たない最弱カードで最強カードがウボァーされますからね。いやー、名は体を現すって本当ですね」
「……陽向、どこの皇帝よ、それ」
確かに5枚中1枚しかない奴隷にやられちゃ叫びたくもなるだろうし、それも皇帝の悲鳴としては有名だけど……。
「うぼぁーって、なに?」
優雨にまで言われるなんて、皇帝っていったい……。
「それもいいですが、衣装の強弱はどうなんですか?」
「ああ、それはなし。だから、例えば奏お姉さまのカード同士がぶつかった場合は、制服でも私服でもその他どんな衣装でも引き分け」
そうか。まあその辺はオリジナルルールで変更してもいいけど、今回はそんな必要はないだろう。
「そういえば、由佳里さんは自分のカードが最弱だからやりたがらなかったのですか?」
「ううん、由佳里お姉さまは自分が登場してること自体が恥ずかしくて気に入らなかったみたい」
僕も自分が登場するゲームをやりたいかと言われたら首を横に振らざるを得ないし、その気持ちはわかる。
自己顕示欲が強いわけじゃないからね。
「まあ前置きはこのぐらいにして、みんな、ルールはわかった?」
香織理さんが聞くと、みんなが肯定の返事をした。
「じゃあ始めましょうか」
「ええ。対戦回数は1人が全員と当たるように1回ずつ……でいいですか?」
「そうね。あ、一つ言い忘れてたけど」
なんだ、まだ何かあるのか?
「5枚カードをもらった時点で、自分の持ってるカードが“姉カード”と“妹カード”の枚数を相手に教えること」
「姉カードと妹カード……?」
なんだそれは……?
「なんですかそれはお姉さま! 姉カードと妹カードを教えろって言われても、さっぱりわかりませんよ!」
「わたしも……わからない……」
陽向ちゃんが騒ぎ立てると、優雨も続く。香織理さんはため息をついた。
「あのね陽向。あなた作家志望なら、少しは自分で考えてみなさいよ」
「つまり、当時3年だった瑞穂さま、まりやさま、貴子さま、紫苑さまのカードが“姉カード”で、
1年だった奏お姉さま、由佳里お姉さま、瑞穂さまのお母さまの妹だった一子さんが“妹カード”なんですね!」
初音さんが得心した、という明るい表情で言う。確かにそれで合ってるかな?
「そういうこと。だからたとえばこんなカードだったら……」
香織理さんはカードを5枚選んでみんなに見せた。奏さんが2枚、瑞穂さん、貴子さん、紫苑さんが1枚ずつだ。
「姉カード3枚、妹カード2枚って宣言すればいいわけ」
相手の手が全く闇の中、ってわけじゃなくて、ぼんやりと見えている状態で対戦するわけか。
なかなかに複雑で悩みどころだな、これは……。
まずは、僕と薫子さんが対戦することになった。
「よーし! 行くわよ、千早!」
「ええ。受けて立ちますよ」
僕に配られたカードは由佳里カード2枚、一子カード、まりやカード、貴子カードが1枚ずつだ。
カードの優劣で言うと中の下ってところか……。
「私は姉カード2枚と妹カード3枚です。薫子さんは?」
「あたしは姉カード4枚と妹カード1枚だよ!」
現時点では薫子さんが圧倒的有利みたいだな。さて、勝てるかどうか……。
「よーし、あたしはこれ!」
薫子さんは自信たっぷりの表情で伏せたカードを豪快に出してきた。
「さすが薫子さん、即断即決ですね」
「だってさ、こんなの相手が何出してくるかなんていくら考えてもわかんないじゃん。
だったら直感で出していった方がさっぱりしていいと思って」
……まあ薫子さんの言うことも一理ある。僕はどうしても考えてしまうから、こういうところは正直憧れるんだよね。
「では、私はこれで」
僕もそう言って選んだカードを出した。
「あたしはこれ! 千早は?」
僕がカードを出すと、薫子さんは得意げにカードをめくる。紫苑さんのカードだ。
「申し訳ありません。私のカードは、由佳里さんです」
「なあああ!?」
僕が苦笑しながらカードをめくると、薫子さんが驚愕の顔に変わった。
「なんでそこで由佳里さんを出してくるのよ!」
「随分自信満々でしたから、ひょっとしたら紫苑さんかと思いましたから」
こういう時いつも上から目線で見下ろすような自分の悪癖が役に立つものだから、僕としては苦笑いをせざるを得ない。
「これだけ有利なカードで千早に負けるなんて……」
薫子さんが食堂の机にぐだーっと突っ伏しながら落ち込んでいた。
あれ以降の対戦は、奏さんVS一子さん、貴子さんVSまりや従姉さん、紫苑さんVS由佳里さん、瑞穂さんVS貴子さん。
結局薫子さんが勝ったのは5回のうち1回だけだった。
「だって薫子、考えてることすぐ顔に出るんだもん」
香織理さんの言うとおり、薫子さんは気分によって表情がコロコロ変わって読みやすいから、作戦とかも看破しやすいんだよね。
そういう素直なところも薫子さんの魅力ではあるんだけど。
「でも千早、なんで2回紫苑さんを出す時に限って由佳里さんを出してくるの!?」
「そう言われましても……」
「それって偶然なるの、どのくらいの確率よ!」
「10%です」
最初の2/5と次の1/4をかけると答えは出てくる。
「ぶーっ! そんなことあっさり答える千早は嫌い」
薫子さんはふくれ顔になって言う。そう言われても……どうしろって言うんだよ。
「お子ちゃまか、薫子は」
僕と薫子さんの対戦が終了し、得点を対戦表に書き終えると、次は陽向ちゃんと香織理さんの対戦する番になった。
「いよいよ私と香織理お姉さまとの戦争ですね!」
陽向ちゃん、たかがゲームで戦争って、ちょっとオーバー過ぎじゃ……香織理さんも呆れてるし……。
「私は姉カード3枚と妹カード2枚です! 香織理お姉さまはどうですか?」
「私も姉カード3枚と妹カード2枚ね」
大まかなところでは香織理さんと陽向ちゃんは一緒か。でも、厳密にはどちらの方が強いのか
宣言だけではわからないから、試合の行方はどうとは言えないけど。
「貴子さまです!」
「残念。私は紫苑さまよ」
「えーっ! 自信あったのに!」
得意げにカードをめくって貴子さんを出す陽向ちゃんに、香織理さんは涼しい顔で紫苑さんのカードをめくった。
「今度は由佳里さまです!」
「おあいにくさま。奏お姉さまよ」
「うーっ! 次は一子さんです!」
「こっちは瑞穂さまよ」
陽向ちゃんのカードは、次々と香織理さんに1つ上のカードで負かされていた。
「もーっ!! なんでよりによって1つ上のカードで倒すんですかー!!」
「それがゲームで一番いい勝ち方だからよ」
「ですから、そんなのやろうったって簡単にできることじゃないでしょう! なのにお姉さまはどうして……!」
「陽向、どれだけ私の妹をやってるのよ。人の表情を見ればだいたいのことがわかる私には割と簡単よ」
「だとしても、少しは妹にもいたわりというか、接待しようという心も持ってくださいよ!
あんまりいじめ続けると自殺してしまいますですよさいですよなのですよーっ!!」
「あのね陽向、たかがゲームに負けたくらいで自殺する人がどこにいるのよ……仮にいるとしても、
そんな繊細な人ならもうとっくに自殺してるでしょうが……」
香織理さんはツッコミにも疲れてしまったような表情で言う。まあいつものことなので、安心して見てられるんだけどね。
次は初音さんと優雨の対戦だった。
「私は奏お姉さまのカードよ。優雨ちゃんは?」
「……まりや」
「やったね優雨ちゃん!」
優雨がカードをめくって勝ちがわかると、初音さんは嬉しそうに優雨に祝福の言葉をかける。まあ初音さんらしい反応だ。
「次は紫苑さまだけど、優雨ちゃん、どう?」
初音さんが心配そうだ。初音さんとしては優雨に勝ってほしいんだろうけど、5枚のカードをすべて出す性質上、
強い貴子さんや紫苑さんのカードも、持っている以上いつかは出さざるを得ない。
「……ゆかり」
「わあ、すごい優雨ちゃん!」
初音さんがさっきよりも1オクターブ高い、嬉しそうな顔で言う。
「初音さんは優雨が勝ったことが嬉しいんですか? それとも自分の“お姉さま”が勝ったことですか?」
「両方です!」
そう答える初音さんは満面の笑みだ。
「はつね、まけてばかりだけどだいじょうぶ?」
優雨は初音さんには面白くないんじゃないか、と心配そうに初音さんの顔を覗き込みながら聞いてくる。
「優雨、初音さんは優雨が楽しんでくれればそれで自分も楽しいんだと思いますよ」
僕はそうフォローする。間違ってはいないだろう。初音さんは割と自分のことには無頓着だからね。
「陽向、あれぐらいやってほしい?」
「いえあの、初音お姉さまは接待色があからさまというかなんというか、エスが服を着て歩いてるような
香織理お姉さまがやってもリアリティがあいたたた!!」
「じゃああなたはエムが服を着て歩いてるような人なのかしらね」
香織理さんが陽向ちゃんの頭をぐりぐりしながら言う。
……香織理さんのやり方も初音さんのやり方も極端なような。足して2で割ればちょうどよくなると思うんだけど。
「次は貴子さんよ!」
「申し訳ありません。史のカードは紫苑さまです」
「なあっ!?」
次は薫子さんと史の対戦。薫子さんはここでも史に2連敗だった。
「ちょっと、意地悪な千早ならともかく、なんで史ちゃんにまで……」
連敗して面白くないのはわかりますけど、薫子さん、一言多くないですか?
「史は職業柄人の表情から考えを読むのが得意ですからね。普段からそのような癖がついているのです」
だから、こういう心理戦のゲームでは意外と強いわけだ。
「でもさ、史ちゃんも人の世話をする仕事のプロならさ、人をいい思いにさせることもできるんじゃないの!?」
「申し訳ありません。確かに薫子お姉さまを勝たせて差し上げることもできますが、そうやって接待してしまうと
逆に薫子お姉さまの機嫌を損ねることになると思いましたので」
目に涙を浮かべながらわめく薫子さんに、史は冷静な態度を崩さないまま答える。
「うーっ……それはそうだけどさー……」
とうとう薫子さんは涙を目と同じ幅まで拡張して机に突っ伏してしまった。まあ接待でもいいから
勝ちの気分を味わいたいって気持ちも、真剣勝負で勝ちたいって気持ちはわかるんだけどね。どうしたらいいものやら……。
「うーっ……面白くなーい……」
「不愉快ですっ! なんで負けっぱなしで楽しめるんですか!」
21戦全てが終わり、対戦中ほとんど負けていた薫子さんと陽向ちゃんがあからさまに不満を口にした。
ちなみに1位は僕で、香織理さんが僕と僅差で2位だった。
「とは言いましても……」
対戦ゲームである以上、誰かが負けるのは避けられないんだけど……しょうがない。機嫌直しにデザートでも作るか。
「薫子お姉さま、陽向さま、ご安心ください」
そう思って立ち上がった矢先、史がそう言ってきた。
「史がお2人のご機嫌を直す余興をご用意いたしました」
史はそう言って自分のカバンの中から何かを取り出してきた。
To be continued……
こちらも一応投稿終了しました。あと7KBですね。
続編はただいま執筆中です。
E(エルダー)カード、よろしければ皆さんでプレーしてみてください。
それでは、今回はこれで。お目汚し失礼いたしました。
>>952 乙でした。
面白かったので、やってみようと思っても、
未だにルールが把握できていないような・・・
>>953 これでよろしいでしょうか?
まず瑞穂、紫苑、貴子、まりや、一子、奏、由佳里のカードを1キャラにつき7枚ずつ用意します。
それを繰って対戦する2人に5枚ずつ配ります。
5枚ずつカードが配られたら、まず自分の持っているカードのうち、姉カード(紫苑、貴子、まりや、瑞穂)が何枚で、
妹カード(一子、奏、由佳里)が何枚かを対戦相手に教えます。
それから1枚カードを出し、お互い出し終えたら、出したカードをめくって勝敗を決めます。これを5回カードを出し切るまで
繰り返し、1勝ごとに1点として勝敗を決めます。
カードの強弱の順は、(弱←由佳里、奏、一子、瑞穂、まりや、貴子、紫苑→強)で、単純にカードの強い方が勝ちです。
ただし、紫苑と由佳里がぶつかった時は、由佳里の勝ちです。
まだわからないことがあったら、なんなりとお聞きください。
956 :
!ninja:2013/11/04(月) 21:53:31.22 ID:WTD6h3lz0
>>955 ありがとうございました。
試に作ってみましたが、対戦できる人が限られるのが・・・ですw
957 :
!ninja:2013/11/04(月) 21:54:59.33 ID:WTD6h3lz0
あれ?
958 :
!ninja:2013/11/06(水) 00:09:05.02 ID:M5VDy0OO0
テスト
959 :
!ninja:2013/11/06(水) 00:12:47.46 ID:tuUdxlbn0
ん?
ちょこちょことネタを貯めてきて、ようやっとプロットが完成しそう。
でも、もう需要ないかな?
そんなことはありませんわ、お姉さま
963 :
!ninja:2013/11/09(土) 23:02:23.42 ID:mla1TP/y0
/ )
./ /
/ /_
/ /`´`ヽ
./ /.リ_ji」リi| , -つ
/ /(|l゚ ヮ゚ノl| ./__ノ 残りの4KBは
/ \il|/ / 私と千早お姉さまの淫らな愛で
.| へ/ / 埋めさせていただきますわ!
| レ' /、二つ
| / ||
/ / '´/ `´ ヾ
/ / ! ((リ从リ))
/ / ノリ(|;´-`ノl|、
/ ノ '《(({〓〓})》
_/ / `` /` ´|' '
ノ / `iテテ'
⊂ -
>>964 _ ./ミ'´, ^^ヾヽ
'´, `´`ヽ |!l{ミ(リ从リ)〉i
i !リ_ji」リi| リハリ#゚ ヮ゚ノリハ
|i(|TヮTノl|/'((( 〉 (つ'ノリ))
|li{〓〓}i」 ヾ </i_j ,ソ
. (;;⌒);;⌒))=-ノリと//i_j〉 し
テスト
, r ====、
, -―−-<、 _ ヽ
/ , _,.. --ヽ、ヽ、ヽ`ヾ 、
/ / /´ __,,,,.. _ヽ ヽヽ、 `ヾ 、
/ l レ ' ´ ヽ 、 ヽヽ ヾ 、
/ l l l l l l | l l l l l ヾ 、 ヾ
l l | l | ト、l lLリ」_ l l | l ヾ 、 リ
! / l l l,x`リ ´ll ノlk''''' ミl l | ト、 ヽ、
ノ / l lメ,r'´ ヘ`リ|/lパ _。l'! | トl |`ヾ`
´/ / /lヽ ヾ、 ゚}; , ー'イ l|l l、l ト`` 埋めですっ!
ノン/,イイヾヽ ヾ'゙´ ,-┐ ,イ/l l l`リ
´ ´ ソリヽ\ ヾ、 ヽ '/リ/ノ リ _ __
_\l`ー-``, チ ノ /ィ/,r'ミ{、
, '´.:..ヽヾ `ヽ 、_ レ'`ーn<''ヽ、 //´チ´ァ〉
/.:..:..:..:..:..:.ヽヾ,r''´ {+`l´ ヽll ト.:..:..ヽ l , '´ /
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ト.:..:..:..:..:..:..:..:..:../ l レ、ク-、| レ'` ー l:..:..:..:.`ァ- __l
ケ、`:..: 、:..l:..:..,イ:..:.ヽ、 ||L 」||_ ノ:..:..,.:,../..:..:..:..|
〉、:..:-:..:、_y−' l.:..:..:..:.`""´:..:..:..:..:`"|:..:..l:./:..l:..:..:..:..:|
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まだ応援、待ってくれる人がいるみたいなので
頑張ってみます。
東の扉様のように、オリジナリティないので
原作パクってる抱けと感じられるかもしれんが
許してくれ
それと、ぶっちゃけ前に投稿した雅楽乃ifの続きなんだ
前の作品が不快なら止めとく
>>969 私も期待しております。頑張ってください。
ちなみに私の“E(エルダー)カード”も、ある作品のゲームをパクってますよ(笑)
ですので、気にせず投稿してください。お待ちしております。
971 :
!ninja:2013/11/12(火) 23:18:20.46 ID:/mMwNkcz0
テスト
これがダメなら一か八かで投稿してみます。
/ / / / i ヽヽ ヽ. \
/ i i ./ / .ハ i i i .i ヽ`、 ゙ 、
. l / i iイハi i i i iリi i i i ヽヽ i
l/ i i斗ェ士Iト;/ //__iリ i i ハ ',
l バ| 〈.{゚:::::i}゙ レノ/,ィメミト i i i.l.l i
l i ハ i.辷ソ " .{:::ソ〉i / .レ .| i
l i ハ ヽ::::: _ ' :::゙"/ / レノノi.l
l i i ト ヽ \ _ , イ イ ハノノ
. l i i i 「`゙''ー゙r"T// i/ i i
l__i_, 斗‐へ ___ ィL/`ー- i_i iヽ
/ } } <´ ∧+.ト、`ヽ } } ヽi ヽ
/ } } _〉 :: :∧゙ヽ 〈 } i ヽ ヽ
/ V´ | , イ ハヽ、 ハ`' く '、ヽ
. / / ノイ/ .H ヽ ヽ,〉 ヽ ヽ \
〈 i ムr-i^'|ウレ イへi i .〉 \
. \ ト、:::::::::::::::::::i「o]i|::::::::::::::...ノ .人 ヽ 梅よ
/ に_ >'i. `' -----┴┴-----イ < イ ヽ \
/< ̄7" i ハ |ハ こ イ i\\ \
. / V i iハ ,iハ .i i ヽヽ ヽ
/ ⌒ヽ〈 i i i .ト、 ii { ー イ iヽ ヽヽ ヽ
| V i i 〉ヽ、 | i i .i iヽ ヽ ヽ
.\ 「>、i/ \ ー ― イハ i i } i ヽ ヽヽ
/ /へ レ' 〉、_,, --、_ー / i i .i i i ヽ ヽヽ
.// i |゙Y /  ̄、`゙;、 i i i i i ヽ ヽ
./ i i ト、_ ∧_ 、ヽ ヽ | i i i } i ヽ ヽ
i i i i | レ゙ `''ァヽ.〉ノ'゙ i i i _i__,,斗ヘ i