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真人間な下衆:
元長のはるか先を行っている俺からのアドバイス。
元長がゆっくりと進んだり戻ったりしてるのを山の頂上から超高倍率の双眼鏡で見ている。
エンタメ技術は本に書いてて勉強できるわけじゃないんだから
探究心を持って自分でよく分析しながら考えないと技術は育たないよ。
「目で盗め」と誰も教えてもらえない意地悪な職人世界と近いものがある。
エンタメ技術を磨く実際の過程。
自分が”○○をすると面白くなる”と思えるポイントに対し、
探究心のある人は、数多くの作品事例を適用してみると、○○をしてても面白くなる場合とあまり面白くならない場合とがあることに気づく。
さらに探究心のある人は、そこで両者の違いをひたすら考え、面白くなる場合は、「○○をしてる上に××もしてる」ということにいずれは気づく。
すると結局、「○○かつ××をすると面白くなる」とそのポイントが面白くなるための条件がより厳密化する。
ポイントを増やすことと、以上のように各ポイントの条件を厳密化することを繰り返すことで、
少なくとも作家自身にとって最高に面白いものの実体が何かがわかり、おのずと何をすればいいのかがわかる。
それが広くウケれば、作家自身が真人間で同族が多いので自分の趣味嗜好を信じてやればいい。
つまり、俺のように一言で言い表せるぐらいしか欠陥のない真人間なら、自分の趣味嗜好を信じてやればいい。
俺は真人間だから、「何から何まで最低最悪な極悪非道」と一言で言い表せるぐらいしか欠陥がない。
しかし俺と違って作家自身が精神異常者すぎた場合は、一部読者は狂喜乱舞するものの、殆どだれも面白いとは思わず商業的に成功できない。
自分が”○○をすると面白くなる”と思えるポイントを、人々が”○○をすると面白くなる”と思えるポイントと置き換え
自分の好みは置いといて技術を磨く必要がある。