○暦√(3/3)
翌朝、清々しい気分と共に目覚めた暦は、登校中に誠二と合流する。
綾子を止められなかったことを詫びる誠二だったが、暦は何も気にしなくて良いと告げ、顛末を話す。
暦の告白の場に飛び込んできた時、綾子は「アキトを取らないで」と言って泣き出すばかりだった。
綾子を落ち着かせた秋人は暦に返答する。それは、自分の鈍感さと告白の拒否を兼ねた「ごめん」の言葉だった。
秋人からの返答が終わると、綾子は秋人に席を外させ、暦と2人で話し始める。
自分を怒らないのかと尋ねる暦に綾子は、誰かを好きな気持ちは抑えられないし我慢する辛さは分かるから怒れないと返す。
恋のライバルの出現には困るが、誰が悪いわけでもないと話す綾子に、暦は思わず泣き出してしまった。
暦の話を聞いた誠二は尋ねる。暦は本当にそれで良いのか、と。暦はよどみなく答える。
ふられてなお秋人に大切に思われていることが分かったし、綾子に恋敵と認められたのも大きな前進。
それに自分自身まだ諦めたなんて一言も言ってないから――私はもう大丈夫。
爽やかな朝風に黒髪をなびかせつつ晴れやかな笑顔を浮かべる暦の横顔でEND。