【姉しよ〜】タカヒロ作品SSAAスレ2【〜マジ恋】
おしまい
この後デートイベントで水着のお披露目
水着のデザインについてはそれぞれ「モノキニ」「オーフロント」
「セパレートフィットネス」のキーワードで画像検索をしてみてください
川崎ルフロンは実在するけど
羽田空港近辺や川崎にはプールがあるようなホテルはなかったかな
近いというなら品川プリンスあたりを想定してもらえれば
>>625 おつおーつ!ニヨニヨできて良かった
モノキニって名前だったの知らんかったけど確かに弁慶に似合いそうだな
乙
大和をチラ見したり話があると言われて正座したり
怒って飛び出すけど追いかけてくるのを待ってたりで
女の子してる弁慶がカワイイ
「キライにならないでいてあげる」とか
強がってるところもよかった
乙。
やばい、ニヤニヤが止まらん。
弁慶の可愛さが異常だ。
林冲たち梁山泊メンバーをアフターで再登場させる導入部みたいなもの投下
中国のとある山中。強固な守りに固められた山塞の中を
梁山泊の頭領の一人、青面獣・楊志が声を上げながら歩き回っていた。。
「リンー。林冲ー?どこー?」
声を聞きつけて、ひょっこりと一室から同じ頭領の豹子頭こと林冲が顔を出す。
「どうした、青面獣?」
「ああ、いたいた。パンツ頂戴」
「ちょ、そんな用事でいちいち呼ぶな!」
「私にとっては大事な用。パンツがないと……うぐぐぐ……」
「もう……川神から戻ってからは平気だったから
治ったのかと思っていたのに」
「そんなわけない……脱がなくてもいいから、せめて匂いを……」
「もう……しょうがないなぁ……」
林冲がチャイナドレスの裾をぴら、とめくりあげる。
「はぁ〜……リンの生パンツはやっぱり一番効くなぁ〜」
「こ、こら、鼻を押し付けないで!
……これで気が済んだか?もういいなら、書庫の整理に戻るから」
「あ、そうだ、リンに用事があるんだった。総頭領が呼んでるって」
「な!?先にそれを言え!」
数日後、所変わって日本は川神。
「ん?」
「どしたの大和?……あれ?」
俺とワン子でブラブラしていると
川神院の門前通りを歩いているチャイナ服姿の女性が目に付いた。
「うーん……誰だっけ?大和の知り合い?」
「そっか、お前は学院の守備に回っていたから見てないんだっけ。
アイツ、川神城で最後までマープルを守ってたヤツなんだ」
「あ、じゃあ……えっと、何だっけ……高タンパクの連中?」
「梁山泊な……しかし、まだ日本にいたのか、それともまたやってきたのか……」
川神城攻防戦からまだ一月もたたない。
あの後、いつのまにか姿を消していたが、今日ここで見かけるとは。
周囲をうかがうに一人だけのようだが
かなりの腕だと聞いているし油断はできない。
「とにかく、目を離すなワン子。俺は皆に連絡する」
「!待って大和、門前にジイちゃんがいるわ!」
チャイナ服の女は門前まで行くと、立っていた鉄心先生の前で会釈をした。
「戦う気はないのかしら?そういう雰囲気じゃないし……」
「どうなってるんだ……とにかく、俺たちも行ってみよう」「うん!」
「おお、なんじゃ、お前たち血相を変えて」
ジイさんは俺たちを見ても特に慌てる様子もない。
梁山泊の女のほうも、目線はこちらに向けたがじっとしたままだ。
「なんでコイツがここに?」「爺ちゃん、これはどういうこと?」
「うむ、これはワシが呼んだんじゃよ」
「呼んだ?何でまた……」
「呼んだといっても、ワシは連絡をしただけでな。
用があるのは……おお、来たようじゃな」
ジイさんが門前町のほうに目を向けると
黒服の一団がやってくるところだった。今度は何だ、と思っていたら
その一団の中から、ずいと一人進み出てきた。
「そ……総理大臣!?」
見間違えるはずもない、テレビや新聞でおなじみの顔だ。
時の総理大臣が何でまたこんなところに……って、そうか
かつては川神院の高弟で、今でも川神鉄心と昵懇なんだっけ……
「よーう、すまねえな、遅れちまって。一子ちゃんも、久しぶり。
で、こちらが梁山泊の?」
梁山泊の女が、総理の姿を認め一礼する。
「梁山泊頭領、五虎将が一人豹子頭林冲。御呼びによりまかりこした」
「おう、ご苦労さん。話は総頭領からされたと思うが、ま、よろしく頼むぜ」
何がどうなってるのか、さっぱりわからない。
よろしく頼む、って……総理が何かこの女に頼んだってことか?
「あの……すいません。質問よろしいですか?」
「んん?おお、確か、川神城に攻め込んだ兄ちゃんだな。いいぜ、言ってみな」
「総理がこの梁山泊の人を呼ばれたんですか?」
「ああ、そうだ。
ま、一言でいえばオトシマエをつけてもらおうってことよ」
「オトシマエ?」
「おう。傭兵集団とはいえ、あれだけこの国で暴れられて
こっちも黙っているわけにゃあいかねえ。
とはいえ、表向きはあの事件は映画の撮影ってことになってるから
表だって法の裁きにかけるわけにもいかなくてな……」
確かに、民間人の拉致監禁やら障害沙汰やら
外国人とはいえ普通なら逮捕されて裁判にかけられてるところだ。
九鬼家の人間は九鬼家で裁きを言い渡されている。
梁山泊の人間だけはお構いなしともいかないだろう。
「そこで、代表者に来てもらって、いろいろ働いてもらうことで
今回のことはチャラにしようというわけよ。
さしあたって、一般人にも色々迷惑をかけた、この川神で働いてもらう。
それで、そっちもいいんだよな?」
総理の問いかけに、梁山泊の女――林冲もうなずいた。
「んじゃま、そういうことだ。詳しい話は、中でさせてもらおうか」
3人が川神院の中に入っていく。総理の護衛は門のところで待機するらしい。
俺たちは……ついていっていいものか迷っていると
「何しとる。一子、直江、お前たちも来なさい」
ジイさんに手招きされた。
来てもいい、ではなく来なさい?
「俺たちにも何かご用があるんですか?」
「うむ。実は、後で呼ぼうと思っとったんじゃよ。
今おるなら好都合じゃからの」
下手すりゃ国際問題、しかも日本の総理大臣が出席という場が
俺たちにどんな用があるのだろう。
まあ、呼ばれたからには行ってみるしかないか。
川神院の中でも奥のほうの間に通されて
俺たちがいささか居心地の悪さを味わっている間
総理が林冲にいろいろ説明していった。
「……で、これが市内の施設の被害総額。
うち、これが公共物の分で、すでに修繕済みのものがこれ。かかった費用は……」
なんだかお金の話になっている。
林冲はといえば、しおらしく話を聞いていた。
「……だいたい以上だな。何か質問はあるかい?」
「いえ。総頭領の指示でもありますので、精一杯努めさせていただきます」
改めて、林冲が深々と頭を下げた。
「……あのー」
話が一段落したようなところで、ワン子が恐る恐る手を上げる。
「ん、なんだい一子ちゃん。また、聞きたいことがあるのか?」
「アタシたちは、どうすればいいんでしょうか?」
「おお、そうそう。ま、今聞いていたと思うが
これからこの姉ちゃんには川神の復旧のために働いてもらうわけだ。
が、なにぶんよく知らん土地で勝手もわかるまいと思ってな。
お前さんたちのグループに、そのサポートをしてやってほしいのよ」
「サポート、かぁ……ジイちゃん、それって修行僧の皆には頼めないの?」
「まだ怪我の治っておらんものも多いし
治ったものは治ったもので、この川神院の修繕があるしのぅ。
なにしろ、人手が足らんのじゃよ。九鬼のほうも、けっこう一杯一杯らしいしの」
確かに、梁山泊の襲撃を受けて川神院のダメージは大きい。
修行僧の人の姿も、いつもの半分も見かけないしな……
「まあ、何となくはわかりましたが……
昼間は俺たち学校ですけど、その間はどうします?」
土日はともかく、平日は一日つきっきりというわけにはいかない。
と、ジイさんが答えてくれる。
「朝方、モモと一子でついていって、その日の分の作業指示をする。
学校が終わったら、お前さんがたの誰かが様子を見にいって、進捗状況を確認する。
他の作業があるようなら、そこで新たに指示する。
こんな感じでいこうと思っとるんじゃが、どうかの?」
「それならいけそうですね……けど、作業してもらうなら
もっと大勢来てもらったほうがよかったんじゃないですか?」
と、それまで黙っていた林冲が口を開く。
「それについてですが……流石に、兵を引き連れては来ませんでしたが
あと2人の頭領、青面獣・楊志、並びに九紋竜・史進を待機させています。
我ら3人で働きますので、多少なりともお役に立てるかと」
「3人ですか……まあそれなら。あとは、こちらの問題ですかね」
「そうじゃのう……まあ経緯がああじゃったから、無理に協力せいとは言わんがの。
作業を始めてもらう週明けまで、お前たちでも話し合ってみい」」
「おおよそ、話は決まったかな。じゃあ悪いんだが、後の細かいことは頼んだぜ」
総理がすっくと立ち上がる。
「相変わらず忙しいのぅ」
総理が部屋を去り、ジイさんもそれを見送るために部屋を出る。
後には俺とワン子と……林冲が残された。
「えーと……林沖さん、こっちの自己紹介がまだだったんで、今さらですけど
俺は直江大和。川神学院の2年生です」
「アタシは川神一子!大和の同級生で、ここの孫娘よ。ヨロシク林冲さん!」
「よろしく……あと、私のことはリンでいい。皆もそう呼んでいる」
……悪い人ではなさそうなんだが、やったことを思い返すと複雑な気分だ。
ジイさんの言ったとおり、皆と相談しなきゃな。
「……すまないが、自分はちょっと協力できない」
ファミリーの皆を秘密基地に緊急招集して、事情を説明する。
真っ先に反対を表明したのは、クリスだった。
「まだマルギッテのことで怒ってるのか?」
「それもあるが……雇われたからとはいえ、一般人にも危害を加えたからな。
正直、そんなヤツらと上手くやっていける自信がない」
まあ、クリスはそうかもなぁ……
「姉さんはどう?」
「私とワン子はジジイの言いつけだから、手伝わないわけにもいかないし
個人的にも、もう水に流してもいいと思ってる。
素人に手を出したのは確かに許せんがな」
「意見が分かれるな……どうする、キャップ?」
「んー……全員の意見を無理に揃えなくてもいいんじゃね?
たまには別行動でもいいだろ」
「そうねー。ジイちゃんも、無理強いはしないって言ってたから
協力してもいいよ、って人だけでもいいんじゃないかしら?」
こうして、珍しく参加組と不参加組に分かれることになった。
参加はキャップ、ガクト、姉さん、ワン子。
不参加は京、クリス、まゆっち、モロ。
「で、お前はどうすんだ弟?」
川神院で顔を合わせた林冲という人物からは
それほどの悪人だという印象も受けなかったし
何より、一度顔を合わせておいて断るのは気まずい感じがした。
「この際、手伝ってもらえるのなら過去には目をつぶろう。
というわけで、俺も参加ね」
「オッケー。じゃあクリス達には今回は独自に動いてもらうってことでいいな。
モモ先輩、もう実際の作業予定とかわかってんの?」
「ああ、ジジイから予定表はもう貰ってる……っと、これだ」
姉さんがポケットから日程表と地図を取り出す。意外に住宅街が多いな。
「公園の遊具修繕とか、けっこう作業キツそうだよな……
これって俺様のパワーを見せるチャンスか?」
「そうかもな……しかし、この公園こうして地図で見るとけっこう広いな」
「だな。なあワン子、これ手分けしてやってもらってもいいのか?」
「たぶんかまわないけど、こっちも手分けして監督しなきゃならないわよキャップ?」
「私とワン子は朝の案内役で、午後の監督はキャップ達に頼むことになるんだぞ。
分かれて行動して大丈夫か?」
「別にやりあうわけでもねえから平気だろ?向こうもこっちも3人だからちょうどいいじゃん」
「ついでだから、誰が誰を監督するか決めておこうぜ。俺様、楊志ってのがいいな!」
話し合いの結果、史進はキャップが、楊志はガクトが
そして林冲は俺が監督することになった。さて、どうなることやら。
導入部なのでここでおしまい
梁山泊3人は年齢がわからないけど
自分としては林冲は大和より年上、楊志が同い年で史進は同じか一つ年下ぐらいかな
と予想している
乙
これなら無理なく梁山泊組を出せそう
というわけで続きヨロ
乙!
ルート選択っぽいところもあってきっちりしてるだけに、
1日分くらい続きが見たかったな〜。
選択肢通り林沖でよろしく。
では続きでちょっとだけ林冲さんを投下
643 :
働く梁山泊・1:2012/04/23(月) 20:53:40.48 ID:l0EDHNwu0
「あ〜、違う違う、それそこに乗せるんじゃないから!」
「え……あれっ?」
梁山泊メンバーによる川神市復旧作業開始初日。
放課後、俺とキャップ、ガクトの3人で
林冲さんたちが作業している住宅街の公園に行ってみた。
史進はジャングルジム、楊志はブランコ、そして林冲さんはシーソーの修繕。
打ち合わせどおり、史進にはキャップ、楊志にはガクトがつき
俺は林冲さんについて作業の監督を始めたわけだが……
林冲さんは意外にも、なんというか、すごく、手際が、悪い。
凛とした外見とは裏腹に、やたらモタモタしているし色々と間違えていた。
俺が来たときには、すでに2つあるうちの一台は
シーソーではない妙な何かになっていて
今作業しているもう一台も
シーソーの板を真ん中ではなく端っこで台に乗せようとしていた。
早めに来なければ取り返しがつかなくなっていたかも。
とにかく、このままでは今日の予定も終わらせられない。
仕方がない、ちょっと手伝うか。まずは今やっている作業を完成させよう。
「ほら、ここに、こう……だ、よっ!」
「……おお!なるほど、そうやればよかったのか!スゴイな!」
「いやフツーにやればこうするしかないでしょ?バカにしてんの?」
「そ、そんなわけでは……すまない、こういう道具は初めて見たから……」
う、ちょっとキツイ口調で答えたら涙目になってしまった。
644 :
働く梁山泊・2:2012/04/23(月) 20:59:40.60 ID:l0EDHNwu0
「ああ、いや、初めてなら仕方がない……かな。
けど、こういう道具……っていうか、シーソー見たことないの?」
「うん……幼い頃から、梁山泊で武術の修行ばかりだったから。
そうか、これがシーソーというものか……
なるほど、シーソーゲームのシーソーとは、これから来ているんだな。
……あの、具体的にはどうやって使うんだ?」
「それは修繕が終わってから。はい、そっちネジ締めて」
「わ、わかった!」
力はあるし手先も器用なので、細かく指示を出せばちゃんと作業は進む。
ただ、ちょっと目を離すと
「……なんで裏側にハンドルをつけようとする」
「あれ?足じゃないのかコレ?」
シーソーではない、別の何かを生み出そうとする。
結局、つきっきりで手伝うしかなかった。
夕方になって、ようやっと作業が終わる。
「すまない、大和くん……結局、全部手伝わせてしまった……」
「いや……林冲さんたちが来なかったら
たぶん俺たちだけでボランティアで修理してたと思うから。
来てくれただけでも、助かってるよ」
「そ、そうか!そう言ってもらえると、私も嬉しい。
あと、この間も言ったが、呼び方は『リン』でかまわないから……」
645 :
働く梁山泊・3:2012/04/23(月) 21:05:40.53 ID:l0EDHNwu0
「あ、そうだ……これの使い方を、教わっていなかった。
どういう道具なのだろうか?」
「遊び道具なんだけどね。そっちの端に座ってみて」
「こう?」
背中を向けて座っていた。シーソー初心者にしてはチャレンジャーだな。
「違う、こっち向きにまたがって。で、そのハンドルに掴まって」
ハンドルに掴まったのを確認して、俺もシーソーに腰を下ろすと
ふわ、とリンさんの体が持ち上がる。
「うわ、うわわわわ!?」
背丈は俺と同じくらいだが、やはり女の子なので体重は軽いようだ。
続いて、ポンと地面を蹴ると
今度は俺が浮き上がり、リンさんが下がっていく。
「お、おおおお!?」
「やってみて!」
「よーし……たぁ!」
ガゴン!!
「ぐお!?」
リンさんの鍛え抜かれた両足が勢いよく地面を蹴った結果
急降下した俺は尾てい骨をしこたま板に打ち付けられてしまった……
646 :
働く梁山泊・4:2012/04/23(月) 21:11:49.17 ID:l0EDHNwu0
「も……もうちょっと……ゆっくり……」
尻を抑えながらシーソーを降りると、泣きそうな顔でリンさんが駆け寄る。
「ああああああ、す、すまない!大丈夫か?」
「うん、まあ……」
痛む尻をさすっていると、キャップと史進がこっちにやってきた。
「よう大和、こっちは終わったけど……どした?」
「なんだコイツ、生まれたての子馬みたいになってるぞ?おもしれー!」
続いてガクトと楊志も。
「何やってんだ大和?ひょっとして、林冲さんに何かしようとして反撃されたとか?」
「それはアンタでしょ。ま、アタシにはおおかた見当はついてる」
楊志が呆れ顔で肩をすくめる。
「……見当がついてるって、どういうこと?」
「リンは戦いになれば滅法強いけど、普段はけっこう残念な子だから」
「残念な子って、ヒドイぞ青面獣……」「つか、お前が言うなヘンタイ」
そうか、ドジッ娘属性持ちなのね。
外見とのギャップもあってちょっと萌える……かな。
ま、こんな具合で、呆れられたり笑われたりもしたが
今日の作業は無事……いや俺の尻にダメージを残しつつも終了した。
647 :
働く梁山泊・5:2012/04/23(月) 21:17:40.62 ID:l0EDHNwu0
「せっかく直したんだから、ちょっと皆で遊んでいこうぜ!」
「お、いいな!わっちはブランコで遊んでみたいぞ!」
「よっしゃー!俺の必殺・ローリングハリケーンこぎを見せてやるぜー!」
キャップと史進がブランコに走っていく。
「おいおい、小学生のガキじゃねえんだぜ。
今さらブランコやシーソーで遊ぶってのもよ」
「しょうがないね、九紋竜は胸と頭が子供だから。
ま、ちゃんと直ったかチェックにもなるからいいけど」
呆れながらもガクトと楊志がそれに続く。
「あの……歩けるかな、大和くん?肩、かそうか?」
リンさんが心配そうに俺の顔を覗き込む。
「いや……ゆっくり行くから大丈夫。リンさん、先行ってていいよ」
「私が傷つけてしまったのだから、そういうわけにはいかない。
さあ……肩を」
少しドジかもしれない。ちょっと泣き虫かもしれない。
だけど、寄せ合った肩は暖かかった。
いざ肩を組むと、互いの顔が間近になる。
微笑むリンさんの顔が少し赤いのは、照れているのか夕焼けのせいなのか。
二人でゆっくり行こう。ブランコは別に逃げない。
少しずつ、一歩ずつ進む。これからの二人のように。
おしまい
林冲には特にドジッ娘属性はなかったのだけど
立ち絵やHPのラフからそんなイメージがあったので勝手に追加してみた
この後、ファミリーの他のメンバーも段々打ち解けていって
皆で作業するようになるなか、林冲と大和の関係も……みたいな
>>648 乙
ここのヒロインは皆可愛いくていいねえ
乙
ちょっとしか出番のなかったキャラでも
ここまで妄想広がるとはやりおる
期待通りの続編乙!
「がおー」で目覚めた俺にはたまらん内容だったわ。
気が向いたら、もう一歩先の展開書いてくれてもええんやで。
GW関係ないのでラスト√のアフター投下
メインは……英雄?
「おお、直江大和、ちょうどよいところにいたな」
昼休み。廊下に出たところでいきなり九鬼英雄に声をかけられた。
「今から学食に行くんで急いでるんだけど、何?」
「昼餉か。ならば、歩きながらでよいから話を聞け」
英雄の後ろでメイドが「断ったら刻むぞゴルァ」みたいな表情になっているので
話を聞いてみることにした。
「実は、川神城の再利用でちと相談があるのだ」
「再利用って……あれ、今はまるっきり使ってないの?」
「うむ。マープル一派のクーデターが失敗に終わったからな。
マープルはあそこを、政財界を完全に制圧するまでの
新たな拠点とするつもりだったようだが
今となっては無用になってしまってな」
「そりゃもったいないね」
「まったくだ。九鬼での再利用案もいくつか出たのだが、どれもパッとせん。
この際、施設を改装して、川神市民に開放しようということになったのだが
どんな施設にするか今ひとつよいアイデアが出ておらん。そこで……」
「俺に何か考えろ、と?」
「うむ。正確には、お前たち風間ファミリーに期待しておるのだ」
九鬼財閥の凄いスタッフで思いつかなかったものを
俺たちが考えられるとは思えないんだけどなぁ。
俺の懸念を読み取ったのか、英雄が言葉を続ける。
「確かに我ら九鬼のスタッフは優秀だ。
が、川神城というモノがモノだけに、常識的な考えでは限度もあろう。
その点、貴様らはいわゆる『斜め上』を行くやつらだからな。
何か突拍子もないものを思いつくのではないかと考えたのだ」
斜め上のときもあるが、斜め下だったり真横だったり別世界だったりもするのだが。
「まあ、仕事というわけではないからな。
こんな話もある、ということで気楽に考えてみればよい。
その上で、お前から見て面白そうで実現可能な案が出たら
我に報告してもらうということでどうだ?」
「話はわかったけど、俺たちのメリットは?」
「アイデア料というわけだな。ふむ……
どんな施設になるかわからんが、その施設の無料利用権ではどうだ?
これなら、考えるのも身が入るであろう」
なるほど、ちょっとオイシイ話になってきた。
面白い遊び場を考えれば、そこがタダで楽しめるってわけだ。
「オッケー、皆に話してみるよ。アイデアの期限はいつまで?」
「あまり無駄に放置もしておけんのでな。今月一杯としておこう。
それを過ぎたら、残念だがあの城は取り壊していったん更地にする。あずみ!」
「ハイッ、こちらが川神城の見取り図と周辺地図、そして仕様書です。
よーく考えて、いいアイデアをお願いしますね!」」
颯爽と九鬼英雄は戻っていった。さて、ちょっと真面目に考えるか。
「……というわけなんだけど、どうかね諸君?」
秘密基地。特に招集をかけなくても、都合よく全員揃っていたので
昼間持ちかけられた話を説明してみる。
「ホテルとかどうかな。けっこう広いお城だし、すごしやすかったよ」
そういやモロは滞在してたんだっけな。人質として。
「いや、場所があんまりよくねえだろ。あの辺、周りなんもねえぞ」
ガクトの言うとおりで、あの城は元が廃工場だったところ。
工業地帯のど真ん中で、駅や繁華街からちょっと遠いのだ。
「ここはやっぱアミューズメント系だろ!そのほうが俺らも楽しめるしさ!」
キャップの場合、自分がそこで遊びたいだけの気もする。
「アミューズメント……というと、遊園地のようなものでしょうか?」
「そういえば、川神には遊園地がないな。だったら、遊園地でもいいのではないか?
あの城の周りを、ジェットコースターを走らせたら面白そうだぞ!」
「それは俺も考えたんだが、遊園地にするには敷地面積がちょっと足りないんだよな」
クリスは残念そうだが、ジェットコースターなどの乗り物系はけっこう場所を食うのだ。
あの城の周りの土地だけではかなりキビシイ。
「せっかく立派なお城があるんだから、それを生かしたほうがいいんじゃない?」
ワン子の一言で、また皆が考え込み始めたが
真面目に考えだすとけっこう難しい問題だった。
「いわゆる『ハコモノ』のハコだけ先にできちゃってる状態ですよね……ハッ!?」
「どうしたまゆっち」
「お、お、お友達ランドとかどうでしょうかッ!?」「スッゲーまゆっちマジ天才ー!」
「何をするところなんだソレは」
「待て待て、そんな何だかわからない施設はマズイだろう。
そうだな……いなりランド!どうだ、これならどんなところかすぐわかるぞ!」
「単純でわかりやすいな。お前と同じで」
「ダメよ、いなりランドなんて、いなりが好きな人しか来ないじゃない。
それならお肉ランドのほうが絶対お客が来るわ!」
「さっき城を生かせって言ったの誰だよ!」
「直江大和ランドとか、どうかな?大和のあられもない写真とか
使用済みの下着とかティッシュとかが展示してあって……」
「お前以外に誰が客になるんだよ!」
真面目に考えさせた結果がコレだよ。
「まったく、友達だのいなりだの肉だの……
皆、自分が欲しいものを集めたいだけじゃないか」
「こんなのはどうだ、昔のカンフー映画みたいに、各階の敵を倒して上へ進み
天守閣を目指すという決闘ランドで」
今までがヒドすぎたせいか、姉さんの意見がマトモに感じられた。
「決闘ランドねえ……それだと僕みたいに戦えない人間には楽しめないなぁ」
「まあ姉さんは決闘したいだけだから」
「でも、各階に関門があって、クリアしながら天守閣を目指すという基本の線は
わりと使えるのではないでしょうか?」
「だったらよ、決闘じゃなくて、クリア条件をゲームにしたりクイズにしたりすれば
いろんな要素を盛り込めて人も集められるぜ!」
「けどよー、クイズとかあると、俺様みたいな肉体派にはキッツイなー」
「入場者がチームを組めばいいんだよ。俺たち、風間ファミリーみたいにな」
「そうだ、テレビのクイズ番組みたいに、チャレンジしてるところを
大きなモニターで他の人も見られるようにしたらどうかな?」
「いいな京、それいただき!」
「タイム制にして、ランキングを発表するのはどうだろう?」
「当然、天守閣までクリアしたチームには豪華商品ね!」
あるていど意見がまとまり始めると後はどんどんとアイデアが出てくる。
俺はそれをせっせとノートにメモしているわけだが……
何というか、今ひとつインパクトに欠ける。
どこかのテレビ番組で見たような案しか出ていない感じで
これで果たして、常識はずれの企画を期待していた
九鬼英雄の要望に応えられるのだろうか?
まあ、ダメ元な感じだったし、これで出してみるか……
「おお、意外に早かったな。では、早速みせてもらうとするか」
数日後、昼休みに九鬼英雄に企画案を書き込んだノートを渡すと
真剣な表情で内容を吟味し始めた。
「ふむ……ふん…………んん?……んー……むう……」
表情から察するに、評価はあまり芳しくないようだ。
「……やっぱダメかね」
「うむ。一つ目の『川神城]』というのはダメだな。平凡すぎる。
が、もう一つの企画は……何というか、意味がわからんが面白そうではあるな」
あれ?俺たち一つしか企画あげなかったはずだけど……
「この『直江大和 肉いなり お友達決闘ランド』というのは
なかなか興味深いのだが、どのような企画なのだ?」
ぐあ、メモしたボツ企画を英雄のほうで勝手に一つにまとめてる!?
「いやそれただのボツ企画だから!」
「何を言う、没にするかどうかは我が決める。
うむ、タイトルから想像するに、中々の珍企画よ。
このタイトルを元に、後は我らで企画を練ってもよいな……
よし、直江大和、大儀であった!あずみ、次の会議の案件にするぞ」
「え、あ、ちょ、待って!?」
あーあ、行っちゃった。
まさか、実現しないよな?「直江大和 肉いなり お友達決闘ランド」……
おしまい
どんな施設になるのかは自分にもわからない
まあ放置しておくよりはいい……よね?
乙
「直江大和 肉いなり お友達決闘ランド」でフイタ
何というカオス施設w
乙!
イチバン常識外れなのは九鬼英雄だ
続きはいつ?
663 :
名無しさん@初回限定:2012/08/27(月) 06:56:04.85 ID:fgP/R1X60
ほしゅ
過疎りすぎ〜
釈迦堂さんの純愛ロード発売(?)記念に投下
666 :
花言葉・1:2013/04/02(火) 23:25:03.83 ID:nlnDkMxc0
朝。浜で地引網の手伝いをして朝食にありつき
午後から夜までは梅屋でアルバイトをして
まかないの食事で昼食と夕食をいただく。
(我ながら、よく続いてるぜ……こんな規則正しい生活ってなぁ
川神院にいたころ以来だなぁ。ま、悪くはねえ)
梅屋のバイトが終わって、橋の下のねぐらで寝転がりながら
釈迦堂形部は一人ぼんやりとそんなことを考えていた。
自分でも意外に思うほどに、今の湘南での暮らしが気に入っている。
ポケットから財布を出し、中身を見る。
地引網の手伝いで受け取った報酬が、いくらか溜まっていた。
少し以前なら、酒代かバクチにとその日のうちに消えていただろう。
(もう、買えるかな?)
欲しいものがあった。
今までは、欲しいものは力ずくで奪うか
汚い仕事で得た金で手に入れてきた。
けれど、これは。これだけは。
まっとうな仕事で得た金で、胸を張って買いたかった。
(ヘッ!まるで小遣いためて、オモチャを買おうとしてるガキみてえだな)
そう、子供の頃に帰った……いや、ひねくれた実際の自分の子供時代よりも
今のほうがよほど子供のようで。そんな自分が何だかおかしくて。
ニヤつきながら寝転がる。
(あの子の……おかげだなぁ)
満ち足りた気持ちで、眠りについた。
667 :
花言葉・2:2013/04/02(火) 23:29:04.91 ID:nlnDkMxc0
「おはようございます、釈迦堂さん!」
「おう!おはよう、さくらちゃん」
「おじさん、生しらす丼一つお願いしまーす!」「はいよ、毎度ありー!」
翌朝。
いつものように、生しらす丼を元気に平らげる鵠沼さくらと、それを見守る釈迦堂がいた。
「ごちそうさまでしたー!」
彼女が食べ終わるのを待って、釈迦堂が声をかける。
「さくらちゃん、今日は午前中から店番だったよな」
「あ、はい……なので、今日はご一緒できませんね」
最近は、朝食の後、釈迦堂が梅屋のアルバイトに入る前に
二人で一緒にあちらこちらと散策するのが日課のようになっていた。
ちょっと残念そうなさくらに
「いや、いいんだ。後で、ちょいと店の方に寄らせてもらうわ」
「!はい、お客さんならいつでも大歓迎ですよ!それでは、私はこれで」
立ち去るさくらを見送る釈迦堂に、網元が声をかける。
「ほい釈迦堂さんよ、今日の日当。ちょいと、色つけといたぜ」
「え?……あれ、こんなに!?いいんですかい?」
「ああ、ここんとこ毎日来てくれて助かってるしな……ま、しっかりやんな!」
668 :
花言葉・3:2013/04/02(火) 23:33:25.59 ID:nlnDkMxc0
昼少し前。花屋のある通りまでやってきて、釈迦堂形部の足が止まる。
(いいのかなぁ……俺なんかで……)
物陰から店先をうかがうと、さくらが鉢植えの手入れをしている。
ときおり、誰かを探しているかのように四方に目を配り
そして見つけることができずに少し肩を落とすのだった。
(いい子だよなぁ……やっぱり俺とじゃ、釣り合わねえよなぁ……)
ため息をつく釈迦堂の背後に一人の青年が立つ。
「何をしてるんですか、釈迦堂さん?さくらさんに、会いにきたのでは?」
大村ヨシツグ。鵠沼さくらの遠縁で、夏休みの間さくらの家に滞在している。
「ああ、まあそうなんだけどよ……なあ、ちょっと聞いていいか?」
「なんでしょうか?」
「その……お前から見て、俺とさくらちゃんって……どうよ?」
「美女と野獣、ですね」
「即答かよ!……でもまあ……そう、だよなぁ」
「ですが、野獣が美女と結ばれて悪いわけではないでしょう。
周りから見て野獣でも、彼女にすれば王子様なのかもしれません」
「よせやい。でもまあ、ありがとよ……よし、行くか!」
「気持ちが決まったのなら、早く行ってあげてください。さくらさん、待ってますよ」
669 :
花言葉・4:2013/04/02(火) 23:37:26.64 ID:nlnDkMxc0
「……よっ」
「あ……いらっしゃいませ、釈迦堂さん!」
意を決して店の前に立ち、どこかぎこちなく挨拶する釈迦堂に
いつものように笑顔を返すさくら。
「あ、お買い上げいただかなくても、お客さんですからね?」
いつも『買わないから客じゃない』と
ひねたことを言う釈迦堂の先を越したセリフを
さくらがちょっとドヤ顔で言うと
「あー……いや、今日は本当に客として来たんだ」
「……はい?」
「そのハイビスカス……ハイ・ブラッディを売ってもらおうと思ってな」
「わぁ!とうとうお買い上げですね!ありがとうございます!
じゃ、すぐお包みしますね!」
「ああ、いや……包みとか、いいんだ。
持ってかえりてえわけじゃねえから」
「え?どういう……?」
キョトンとするさくらに、頭をボリボリとかきながら釈迦堂が答える。
「俺ぁ花の面倒なんか見られねえからよ。持ってかえったって枯らしちまうのがオチだ。
だから、その……さくらちゃんが、面倒みてくれればいい……
俺と一緒に、ずっとそばに置いといてくれれば」
670 :
花言葉・5:2013/04/02(火) 23:41:27.51 ID:nlnDkMxc0
一瞬ぽかんとしたあと、言葉の意味を理解して真っ赤になったさくらは
ほんの少しうつむいて、黙りこむ。
釈迦堂形部が後悔しかけたとき。
『わたしはあなたを信じます』
ポツリとさくらがつぶやいた。
「……へ?今……何て?」
「ハイビスカスの、花言葉です……『わたしはあなたを信じます』。だから……!」
「うぉ!?」
ドン!とさくらが釈迦堂の胸に飛び込んでくる。
「わたしも、釈迦堂さんを信じます……きっと、幸せにしてくれるって……」
胸の中、潤んだ瞳でさくらが釈迦堂の顔を見上げる。
「さくらちゃん……俺なんかで、いいのかい?」
それには答えず、さくらが微笑みながらささやく。
「……ハイビスカスの花言葉、まだあるんですよ」
「へえ……どんなのだい?」
胸に受け止めたさくらを、おそるおそる抱きかかえながら釈迦堂が尋ねると
身をゆだねたさくらが幸せそうに答えた。
「それは……『新しい恋』……です……」
おしまい
釈迦堂さんの純愛ロードをDLしてない人にはまったくわからないですな
いや困った困った
いいね
乙 つか1日でこれ書いたのかよ!
[壁]_-) チラッ