ふぁいなるふぁんたずまごりあ6とな
ああ、なんか
フェニックスを探すロック=光陰が行く先々で女の子にコナかけて(振られるけど
怒り心頭のレイチェル=今日子が自力で蘇生して追いかけてくる話が思い浮かんだ
ケフカが瞬でガストラが大統領かな
大統領はバナンでもいいか。ガストラにはラキオス王もいるし
>>932 光陰はレオでよくね? 仲間にならないけど
Ωを追うもの=アシュギス
猛暑の日陰のアスファルト。
ぐてっと寝そべっているネコを見るとニムを想起させる今日この頃。
ニムにネコ耳つけようとした光陰がアスファルトでぐてっと寝そべっている、まで読んだ
そしてその猫耳をクォーリンがつけてコウインの気を引こうとして、それを見て勘違いした今日子が雷を落とすと
しかも今日子は陰で猫耳をつけてみたところをユートに目撃されるわけだ
そして猫耳をつけた今日子と楽しそう?に戯れる二人を見ていたヘリオンが、後からそれを付けようかと迷います
コウインを篭絡させるために床上手になるためにエスペリアに弟子入りするクォーリン。でも技を生かす場面まで持っていけないで泣く
ヒミカの腐女子本を読んでコウイン×ユートかユート×コウインかで熱く語るクォーリン。そこをコウインに目撃される
コウインに手料理を振舞うために某お団子ヨフアル娘に弟子入りするクォーリン。ユートの二の舞誕生
邪魔者今日子を追い落とすためのプランとしてユートとくっつけさせようとしてザウスを脅してEXPを発売させたけど自分を出演させるよう脅すのを忘れてたクォーリン。協力者時深の一人勝ち
スピたんにも出られなかったけど、出てたらロティに喰い散らかされるだけになってただろうからこれはこれでよかったのかな
遠く灰色に映る法皇の壁を窓越しに眺めることも出来るここケムセラウトの仮詰所に、
来たるべき決戦に備え集結したラキオススピリット隊の面々には実にやることが多い。
例えば今日の午前中には、悠人と光陰は其々の参謀であるエスペリアとクォーリンから
ラキオス方式とマロリガン方式で機構的に異なる簡単な野戦築城の方法を教わっていたし、
今日子とヒミカとウルカが陣頭に立っての元稲妻部隊との協同教練は未明から始まっていた。
軍から支給される糧秣を管理するのはハリオンの仕事であり、遠征に必要な輜重についての
細かい書類手続きはセリアとナナルゥとファーレーンが片っ端からテキパキとこなしつつある。
また、そんな余裕のない時間の合間を削って、スピリットには遠征と同様に重要な関心事、
所謂「戦後のスピリットとしてのあり方」についての会議も同時進行で催されている。
この悠人が提唱した、この世界ではある意味斬新な思想はいまや皆の意識に浸透しつつあり、
特にヒミカ達年長組にとっては戦後の年少組の精神的自立の方角を模索するというのは
躾から教育、養育方法に到るまで全く手探りから始めなければならない困難な部分が多く、
そして戦争が終息する前までには確立せねば間に合わない、緊急かつ手の抜けない課題だった。
一方でオルファを始めとする年少組に与えられたタスクの種類は比較的少ないと言える。
基本はひたすらの訓練のみ。ただ勿論戦時中でもあり、あくまで種類の問題ではあるし、
単にシンプルというだけで、そこに割かれなければならない労力に決して遜色の違いは無い。
稲妻部隊への指揮の傍ら兼務の形で監督を続ける今日子、ヒミカ、ウルカの厳しいチェック下、
仮詰所から少し離れた訓練場で、夜明け前から永遠神剣を振り続け、草原の上を駆け回り、
中空高く昇った太陽から降り注ぐ陽光が法皇の壁の稜線をくっきりと浮かび上がらせるまで
神剣魔法を詠唱し続け、喉がからからに渇ききってしまった所でようやく休息が与えられる。
その頃には多忙を極めた年長組も、ハリオンが用意した昼食を両手に抱えた悠人と共に顔を出す。
「よ、ウルカご苦労さま。ヒミカも」
「これはユート殿。勿体無いお言葉、痛み入ります」
「いえ、任務ですから。でも、はい。ありがとうございます」
「ちょっと悠、あたしは無視?」
「キョ、キョウコさまも、お疲れ様です」
「ありがとエスペリア。でもいいのよ、そんな気を使わなくったって」
「あ、いえそんなわたくしは別に」
「おいおい今日子、困らせてどうするんだ。しっかしそれにしても……」
「なによ光陰。なにか言いたそうね」
「いや、なぁ。悠人」
「ああ……熱心なのはいいんだけどさ。これはちょっとやり過ぎなんじゃ」
悠人達が呆れて眺めている先には、完全にへばり、うつ伏し死屍累々といった年少組達の姿がある。
皆、まるで清々しいK.O.パンチを食らったボクサーが前のめりに倒れた時のように微動だにしない。
終了の合図と共にその場に沈んだのだろう。時折肩口がぴくっと痙攣するのが唯一目測出来る生存証拠。
草原には気持ちの良い風が吹いていて彼女達の青や緑や赤や黒髪を優しく揺らしているのだが、
黙っていると髪の毛どころかその身体まで紙のように軽く吹き飛ばされてしまいそうな雰囲気である。
一体どのように苛烈な訓練がこの場で行なわれていたのか、悠人と共に遅れてやって来たセリア達も
半ば唖然としているような格好で、ファーレーンなどは覆面の奥を蒼白にしたまま棒立ちになっている。
「あによ。あたしのやり方になんか文句でもあるっての?」
「いや、文句なんてないけどさ。ええっと、ウルカとヒミカの方針だってあるだろ?」
「あったりまえでしょちゃーんと聞いてるわよ、失礼ね。ね、ウルカ、ヒミカ?」
「はい。手前はもう少し厳しくしても宜しいのではないかと思うのですが」
「同感です。ですがキョウコさまがこれ以上は死んでしまうと仰るので。お優しい方です」
「聞いたでしょ? ほーらごらんなさい」
「……なぁ、悠人。ラキオスってのはドメスティックなバイオレンスでも流行ってるのか?」
「ああ……今日子がまともに見えるってのは、そういうことなんだろうな。自覚は無かったんだけど」
「どういう意味よっ!」
「はいはい〜。お食事の用意が出来ましたよぅ〜」
「おっ、今日子、取りあえずは飯だ飯」
「……ちっ。命拾いしたわね」
ハリセンが振り翳されたところでハリオンのノンビリした声が割り込み、悠人と光陰は危うく難を逃れる。
クォーリンが用意した淡い萌黄色のシートに座り、全員が食事を終えた所で悠人は立ち上がる。
ちなみに死体と成り果てていた年少組は重箱の蓋を開いた途端、匂いにつられて蘇生するやいなや、
ハリオンお手製のお弁当に群がり殺到し、頬っぺたをリスのように膨らませつつ栄養摂取に励み、
「あらあらぁ。これじゃあリヴァイブはいらないですねぇ〜」
「元々ハリオンは使えないのでは?」
といったハリオンとナナルゥのボケ突っ込みが皆の失笑を買うなど、終始穏かな昼下がりであった。
「あら、ユート様、どちらへ?」
丁度お手製の玉子焼きを光陰に薦めるべきかどうか箸先で迷っていたクォーリンが声をかける。
ちなみに当の光陰は最近エスペリアが覚えた和の極み、三角おむすびを実に懐かしそうに頬張っている。
ハイペリアの料理というのは現地の食材では中々再現が難しい。故にクォーリンはエスペリアを尊敬する。
クォーリンも今日子にイメージを教わるなどして日々精進を繰り返してはいるのだが、まだまだ敵わない。
それでも日常の激務の最中、比較的簡単な卵を利用しての玉子焼きだけは最近ようやくマスターしていた。
「うん? いや、満腹だからさ。ちょっとあの辺で昼寝でもしようかと」
「ああ……はい、いってらっしゃいませ」
くすっ、とクォーリンは内心で微笑む。つい先日まで戦っていた、恐るべき敵国のエトランジェ。
その彼と、こんなに穏かで自然な会話をするような日が訪れようとはとても想像出来なかった。
適当な木陰を見つけ、そこにごろんと大の字になる無造作な背中を、彼女はつい見送ってしまう。
「んぐんぐ、それにしてもなんだ。こうしておにぎりなんか食ってると、やっぱ思い出すな」
「どうしたのよ光陰、唐突に改まって」
「いやなんだ、ほらあっただろ、俺が今日子の弁当作ってた時期が」
「……ああ。あったわね、あたしがデジカメ買いたくて頼んだんだっけ」
「あの時もこんなのを朝から一つ一つ丁寧に握ってたんだ……毎朝毎朝……くぅっ! 泣けてくるぜっ!」
「……ええっと。悪かったとは思ってるわよ、うん」
「……このお二人って」
微妙に割り込める隙なのかどうか判断出来ず、黄金色の力作を箸の上で迷わせてしまうクォーリンである。
そんな幼馴染同士のじゃれ合いを尻目に、適当な木陰を選んだ悠人はごろんとその場で大の字に転がる。
「よっと……ふあああぁ」
妙に懐かしい土臭さと、雑草が頬をつんつん突付いてくる感触を愉しみながら、ゆっくりと瞼を閉じる。
木陰でも全身に感じる柔らかく暖かい日差しと、枝一杯に繁っている葉の一枚一枚がゆらゆら揺らす影。
ふと耳をすませば仲間達の穏かなやりとりと、それに混じって聴こえてくる様々な鳥達の囀り、風の音。
午前中の激務による疲労とたった今満たされたばかりの空腹が、実に心地良い眠気へと誘ってくれる。
戦時中が嘘のような平和。そんな訳で、悠人の意識が泥濘へと沈み込むまでに時間はさほど必要なかった。
一方その頃、おにぎりの食べかす、つまりは御飯粒のようなものを頬っぺたに大量にくっつけながら
満足気にお腹をさすっていたオルファリルは、別に悠人の欠伸に誘われたという訳でもないのだが、
「ふああああ〜〜」
と可愛い唇を目一杯に広げていた。反動で涙目になった瞼を擦る。疲れがどっと出たのか、やたらと眠い。
何しろ午前中は、戦場もかくやという位の地獄だった。彼女の訓練の課目は【ひたすらの詠唱】。
だが、ひたすら詠唱していろと言われたわりには常に目まぐるしいウルカの雲散霧消の太刀に肉薄され、
閃光のように飛んでくるヒミカのライトニングファイアから懸命に逃げ回って平原中を駈けずり通し、
挙句の果てには止めとばかりに苦手な青属性の、今日子自慢のイクシードVが襲い掛かってくる。
とてもでは無いが悠長に『理念』を翳し、神剣魔法の詠唱など口ずさんでいられるものではない。
生き延びること自体が精一杯で、この午前中だけでも何度バルガ・ロアーの深遠を垣間見たことか。
今も、身体中に纏わりついた草や土埃を払うような余裕もなく、精神的には完全なるニュートラル状態。
そんな訳で、ふらっと立ち上がった悠人が木陰で気持ち良さそうに寝転がったのをぼーっと目で追った時、
「んん〜……オルファも寝るぅ……パパと一緒ぉ……」
まるで街路灯に群がる蛾かなにかのように、そちらへとふらふら歩いていくのは至極当然の本能ともいえる。
オルファリルはそのまま悠人の左脇に潜り込み、丁度良い位置にあった大きな左腕を枕に選んで頭を乗せ、
猫のように身を縮め鼻を悠人の脇腹に擦り付けるようにして瞼を閉じ、次の瞬間にはすやすやと寝息を立てる。
突然腕に感じた軽い負荷とミルクのような甘い匂いに悠人が一瞬身じろぐが、それ以上の反応は示さない。
だが、そんな様子にようやく気づいたエスペリアとしては失礼とかはしたないとか色々と許せる筈も無く。
「ちょ、ちょっとオルファ?」
「ちょっと待ってエスペリア」
「え? あ、でも」
窘めようとした所で意外な方向から制止の声がかかる。留めたのは、なにやら考え込んでいるヒミカ。
手にしたシナニィのハーブティーが波紋を打つのをただじっと眉間に皺を寄せつつ睨んでいるようにも見える。
「……ヒミカ?」
「あのさ、今朝の会議でも言ってたじゃない。ええっとジョウソウキョーイク、だっけ?」
「はい? ……ああ。情操教育ですね、それがどうかしましたか?」
「そう、それ。確か私達は女性ばっかりだから、父性を与えるっていうのは難しいんでしょ?」
「ええ。本当は両性揃っての養育が子供の感性には自然だしふさわしいとヨーティア様が……まさか」
「ね? 良い機会だと思わない? もちろん、ユート様には後で謝らなければならないけれど」
「……そうですね。実現不可能と結論されていた折角の機会ですし。ユート様には後でわたくしから」
「あ〜、あのよ、口を挟むようで済まないんだが、一体何の話をしてるんだ?」
「あ、コウイン様。実はその……ごにょごにょ」
「なにぃっ! くそっまた悠人に先越されちまったかっ!」
「アホかぁっ!」
「ぐはぁっ?!」
「全く、落ち着けっての。意味わかんないし。第一大声出したらオルファが起きちゃうでしょ?」
「む、それもそうだな……ふむ、ネリーちゃんも眠たそうだな。よし、俺はこれから寝る。起こすなよ今日子」
「はいはい、行ってらっしゃい」
話を切り上げた光陰は早速背中を丸め、いそいそと別の木陰を物色し、そこでごろんと鷹揚に大の字になる。
丁度悠人からは数メートル離れた地点だから互いに邪魔にはならないが、無理に立てるいびきがわざとらしい。
その光景をエスペリア達は暖かく見守り、ひらひらと呆れつつ手を振って送り出した今日子は生暖かい目で見守る。
「……よく許しましたね、キョウコ様」
「なんなら賭ける? クォーリン。あの馬鹿に父性なんつー立派なものを感じる娘がこの中に居るかどうか」
「は、はは……」
乾いた笑いしか出てこないクォーリンではある。密かに自分がまだ幼かったら、と思わないでもないのが切ない。
そんなふとした表情の変化をさり気なく窺いながら、今日子はすました顔のまま淡々と玉子焼きを啄ばんでいる。
一方その頃、おにぎりの食べかす、つまりは御飯粒のようなものを頬っぺたに大量にくっつけながら
満足気にお腹をさすっていたネリーとシアーは、別に悠人の欠伸に誘われたという訳でもないのだが、
「ほにゃあぁぁ〜〜」
「ふにゃあぁぁ〜〜」
と可愛い唇を目一杯に広げていた。反動で涙目になった瞼を擦る。疲れがどっと出たのか、やたらと眠い。
何しろ午前中は、戦場もかくやという位の地獄だった。彼女達の訓練の課目は【ひたすらの素振り】。
だが、ひたすら素振りしていろと言われたわりには常に凶暴なヒミカのファイアエンチャントに肉薄され、
閃光のように飛んでくるウルカのカオスインパクトから懸命に逃げ回って平原中をバッタみたいに飛び跳ね続け、
挙句の果てにはキャンセル出来ない無属性の、今日子自慢のサンダーストームが雨あられと襲い掛かってくる。
とてもでは無いがマセスと雷が支配する空中で、悠長に永遠神剣を振り回していられるものでは無い。
生き延びること自体が精一杯で、この午前中だけでも何度『再生の剣』に還りかけそうになったことか。
今も、身体中に纏わりついた細かい静電気を払うような余裕もなく、精神的には完全なるニュートラル状態。
そんな訳で、ふらっと立ち上がった悠人が木陰で気持ち良さそうに寝転がったのをぼーっと目で追った時、
「ネリーも寝るぅ……」
「シアーもぉ……」
まるで蜂蜜に群がる蟻かなにかのように、そちらへとふらふら歩いていくのは至極当然の本能ともいえる。
ネリーとシアーは揃って悠人の右脇に潜り込み、丁度良い位置にあった大きな右腕を枕に選んで頭を乗せ、
猫のように身を縮め、寄り添うようにして瞼を閉じ、次の瞬間にはすやすやと寝息を立てる。
突然腕に感じたちょっと重い負荷と少女特有の甘い匂いに悠人が一瞬身じろぐが、それ以上の反応は示さない。
だが、そんな様子にようやく気づいたセリアとしては規律とかはしたないとか委員長とか色々と許せる筈も無く。
「ちょ、ちょっと二人とも?」
「ん。待つ。セリア」
「え? あ、でも」
咎めようとした所で意外な方向から制止の声がかかる。留めたのは、居たのかとばかりに存在感の無いアセリア。
手にしたクールハテのハーブティーをただじっと眉間に皺を寄せつつ見つめながら、実は何も考えてはいない。
「……なによ、アセリア」
「今朝の会議でも言ってた。ジョウソウキョーイク」
「え? ……ああ。情操教育ね、それがどうかしたの?」
「それ。確か、スピリットは全員女だから。だからフセイを与えるの……ん。難しい」
「え、ええ。本当は両性揃っての養育が子供の感性には自然だしふさわしいとレスティーナ様が……まさか」
「ん。良い機会。でも、ユートには迷惑」
「……そうね。折角の機会だし。ユート様にはこういう時位任務を果たして貰いましょうか」
「セリア、酷い」
「貴女ほどじゃないわよ、悪いけど」
両脇を固められ、少し窮屈そうな悠人の寝姿を、セリアはやや冷やかに見守り、アセリアはただぼーっと眺める。
Cが必要か?
一方その頃、おにぎりの食べかす、つまりは御飯粒のようなものを頬っぺたに大量にくっつけながら
満足気にお腹をさすっていたヘリオンは、確実に悠人の欠伸に誘われたのだが、
「ふああああ〜〜」
と可愛い唇を目一杯に広げていた。反動で涙目になった瞼を擦る。疲れがどっと出たのか、やたらと眠い。
何しろ午前中は、戦場もかくやという位の地獄だった。彼女の訓練の課目は【ひたすらの駆け足】。
だが、ひたすら走っていろと言われたわりには常に目まぐるしいウルカの星火燎原の太刀に足止めされ、
閃光のように飛んでくるヒミカのインシネレートにお下げばかりを標的にされて完全に射竦められ、
挙句の果てには止めとばかりに苦手な無属性の、今日子自慢のライトニングブラストが襲い掛かってくる。
つまりはタコ殴りで、とてもでは無いが、駆けるどころかまず最初の第一歩ですら踏み出すことなど出来ない。
生き延びること自体が精一杯で、この午前中だけでも何度ふええぇぇんもうヤだぁとか叫んだことか。
今も、身体中に纏わりついたイジメの跡を隠すような余裕もなく、精神的には完全なるニュートラル状態。
そんな訳で、ふらっと立ち上がった悠人が木陰で気持ち良さそうに寝転がったのをぼーっと目で追った時、
「ふふふぅ〜……ユートさまぁ、褒めてくれるかなぁ……」
まるで夢遊病患者かなにかのように、そちらへとふらふら歩いていくのは至極壊れた本能ともいえる。
ヘリオンはそのまま悠人の左脇に潜り込み、丁度良い位置にあった大きな左腕を枕に選んで頭を乗せ、
猫のように身を縮めるオルファリルの背中に張り付く形で瞼を閉じ、次の瞬間にはすやすやと寝息を立てる。
更に加算された負荷と、不幸を具現化した甘酸っぱい匂いに悠人が一瞬身じろぐが、それ以上の反応は示さない。
だが、そんな様子にようやく気づいたウルカとしては礼節とかはしたないとかつがいとか色々と許せる筈も無く。
「ヘリオン殿、それは」
「待って下さい」
「え? あ、しかし」
実力を行使しようとした所で意外な方向から制止の声がかかる。留めたのは、なにやら考え込んでいるナナルゥ。
手にしたルクゥテのハーブティーが波紋を打つのをただじっと眉間に皺を寄せつつ何か企んでいるようにも見える。
「……ナナルゥ殿?」
「今朝の会議で確認しました。ジョウソウキョーイクです」
「は? ……ああ。情操教育ですか。それが何か?」
「はい。私達は女性なので、父性を与えるのは困難な作業だと」
「ああ……確か父親あっての養育こそが子供の感性には自然だしふさわしいとイオ殿が……では」
「良い機会なのではないでしょうか。もちろん、ユート様には事後了承となってしまいますが」
「……なるほど。しかしナナルゥ殿、饒舌になられましたな。いい傾向です」
「ふっ」
既に四人分の荷重を与えられ、かなり寝心地の悪そうな悠人を、ウルカは暖かく見守り、ナナルゥは鼻で笑う。
一方その頃、おにぎりの食べかす、つまりは御飯粒のようなものを頬っぺたに大量にくっつけながら
満足気に普段通り姉の膝枕でお昼寝を敢行しようとしていたニムントールは丁重に断られ、唖然としていた。
「なんで? お姉ちゃん?」
「ニム、いい? 今日はあっち」
「あっち、……って」
ファーレーンの視線を追っかけると、悠人に群がり固まって寝ているネリー、シアー、オルファリル、ヘリオン。
しかも何故か羨ましそうに見ていたファーレーンは、あろうことかほら、と背中を優しく押して来る。
ここにきてもその真意が判らないニムントールは、拒絶されたとか冗談じゃないとか頭の中が色々と忙しい。
第一午前中は、戦場もかくやという位の地獄だった。彼女の訓練の課目は【ひたすらの防御】。
だが、ひたすら防いでいろと言われたわりには常に目まぐるしいヒミカのファイアーボールに翻弄され、
閃光のように飛んでくるウルカのサクリファイスに遠慮会釈なく体力とシールドハイロゥを削られ、
挙句の果てには止めとばかりに苦手な赤属性の、今日子自慢のイクシードWが襲い掛かってくる。
とてもでは無いが、面倒くさいとかは言っていられない。防ぐどころかキュアーが無ければ死んでしまう。
つまりは生き延びること自体が精一杯で、この午前中だけでも何度いつか復讐してやると心に誓ったことか。
今も、身体中に纏わりついた細かい傷を小さな舌でぺろぺろと舐めつつ、精神的には完全なるヤサグレ状態。
そこに来てのファーレーンによるこの仕打ちで、悠人が木陰で気持ち良さそうに寝転がっているのを見ても
「――――ムカつく」
「こらニム」
「だってお姉ちゃん」
「ね? ほら」
「……ゔ」
まるでしぶしぶ、というか本気で嫌そうにふらふらと歩き出すのは、間違いなくツンデレの本領発揮といえる。
ニムントールはそのまま黙って悠人の足元から見下ろす位置に立ち、一旦お姉ちゃんに助けを求めるような視線を向け、
「頑張って、ニム」
「……」
それが全くの無駄だと悟ると諦めの溜息をつき、そしてさてどこで、と再度視線を下に向けた所ではたと首を傾げる。
「……うに?」
悠人の両腕は既に満員御礼の状態で、いくらニムントールが小柄だといっても潜り込む隙間などは殆ど無い。
かといって枕も無しに自分一人だけ草原に寝っ転がるのは、ここまで来て「やった」のになんだか負けた気がする。
一瞬考え、じろじろと見渡し、そしてそこでニムントールはまだ十分に開いている「空間」に気づく。
もう一度確認の為振り返ると、お姉ちゃんはうんうん、と嬉しそうに頷きを返す。じゃあもうここでいいや。
「ニム、知らないからね。お、や、す、みっ」
ニムントールは一旦背を向け、それから仰向けに勢い良く倒れこむ。丁度悠人の、大の字に開かれた両脚の間へと。
一方その頃、いいかげん薄々起きていた悠人は両手に感じる重みの正体にも気づいていたが、起こすのも忍びないので
そのまま黙ってされるがままにさせておき、自らは寝たふりを決め込み、ぼんやりのんびりと平和な気分に浸っていた。
暫くすると草を踏む足音が近づき、また誰か来たのかと薄目を開いてみれば不機嫌そうなニムントールが立っていて、
悠人の足元できょろきょろそわそわと落ち着かない彼女は、たまにこちらを射殺すような勢いで睨みつけていたのだが、
一体何をしているのだろう、とか訝しむ暇もない。緑色の髪が爽やかに翻ったかと思った途端、彼女の姿はふっと消え。
―――― ごおおおおおん……
「くぁw背drftgyふじこl;p@:☆★!!!」
悶絶。
丁度除夜の鐘のような音色が股間を貫き、悠人は声にならない叫びを上げ、そしてそのまま本当に気を失っていた。
「……なんか潰れた。まぁいいか。うにぃ……」
ニムントールは何だかんだ文句を言いつつも猫のように身を縮ませ、ファーレーンはその光景を顔面蒼白で見守る。
というか他の年長組にも凍りつくような沈黙が走ったが、当の年少組にとっては快適なお昼寝タイムが続いていく。
無反応はアセリアとナナルゥ位のもので、他の面々は事後対応について思慮を巡らすので精一杯なお昼時であった。
「しくしくしくしく……」
一人完全放置状態でむせび泣く光陰の声だけが、柔らかな日差しの中、鳥達との虚しいハミングを奏でていたという。
午後からの会議が紛糾塗れだったのはいうまでもない。どっとはらい。
959 :
信頼の人:2009/07/30(木) 22:32:20 ID:k047hZ9N0
てなわけで、猫のように寝そべっているニムをば。
支援、有難う御座います。バイさるに引っかかってたので助かりました。
誤字脱字ハリオンマジック等御指摘ありましたら幸いです。
>>959 乙です。
この世の天国の後は、この世の地獄がデフォなのでしょうか?
憐れなりソゥユート。
良かったね光陰(笑)
ナナルゥの事後了承はあまり聞き慣れないので、事後承諾の方が聞こえが良いかなあと思いました。
猫のように寝そべるニム。
蟹のように泡吹くソゥユート。
そして……
「ユートさまの大切なものは、エス印のメン〇レータムでわたくしが優しく癒してさしあげます。
ですので、何人たりとも手出し無用です!」
「あらあら〜、エスペリアに任せては〜ユート様のお命が幾つあっても足りませんね〜。
ここは〜、癒しの専門の〜私の出番ですよ〜」
龍虎のように火花散らす年長組緑2名。
嗚呼、今日もどこまでも平和なラキオス−−(ソゥユート以外)
みんなが幸せならユートも幸せだろうから問題ないって
そのうち愛娘は敵組織に移籍するけど
大切なもの潰されちゃった上メン〇レータム塗りたくられたら
愛娘もへったくれもありませんぜ
>>960 そして無自覚に患部を見せて手当てさせろと迫るアセリアとウルカとイオがすべてを持っていく
遅い朝食寝起きの悠人
「…なに?ソーメン?」
「ニムが茹でた」
「うん…」
「ニ・ム・が・茹でた」
「…えらいと思うよ」
「こころして食べなさいよね」
「うん…(寝ぼけてフーフーする)」
「!?」
「間違った」
その後何かにつけてフーフーして物を食べさせようとするニム。
隊長の威厳は無い。そしてある朝たまらなくなった悠人は急に
よふあるよふある
そうめんを摘んだ箸先をニムに突きつけ、
「ニム、実はな」
「…なに?」
「ソーメンは、鼻から食べるんだ」
「…鼻?」
「そう、鼻。それが正式な食べ方」
「…」
「…」
「こころして食べてくれ(フーフーする)」
「うん…ッッッ!!!」
「間違った」
その後何かにつけて鼻から物を食べさせようとするニム。
呼吸も何も無い。そしてある朝たまらなくなった悠人は急に
光陰を呼び出し策を練った。
相変らず鼻から物を食べさせようとするニム。
それを嫌がる悠人。
そこに現れる光陰。
光陰「お、そうめんか!?偶には一緒に食べようぜ」
悠人「あ、昔みたいに食べるのも悪くないな」
打ち合わせ通りに事を進める2人。
そしてニムがみたのはなんと・・・
「 二 人 羽 織 」
表情には出ないも一気に判らなくなる二ム。
そしてそのことを見破り、してやったりと心躍る悠人は
更に調子に乗って
「よし、次は流しそうめんだ」
「そんなこともあろうかと」
ヨーティア登場。
数十メートルはあろう竹の側にわらわら集まり出す雑魚スピ達。
つかそろそろ次スレのテンプレねた&点呼ネタ募集時期?
そして今日子が嘘を教えるなとすべてを吹き飛ばすわけか
過疎ってるね
そいえば夏コミの企業ブースでザウスは出展してたんだろうか
まぁ、してても雑魚スピ関連がでることはないんだろうけどさ
だからそろそろ光陰抱き枕をだな
誰得・・・ああ、一人居たな買う奴が
自作。
キモウトのよりは売れるだろ
黙ってりゃ2.5枚目くらいには見えるんだし
そろそろ、夏休みも終盤。
早朝、ラジオ体操のために目をこすりながら朝靄の中そぞろ歩きする年少組を見るのも終わりに近づいたか……。
あ、ハンコハンコ。
ガロ・リキュアの教育施設には日本式な部分が移入されてるんだろうかな?
>>974 ファイヤー☆ミカ先生のファンが、ソゥユート抱き枕カバーと一緒に買って行きました
あと彼女ら、クェド・ギン元大統領の選挙ポスターも持ってたような……
そういえばもうすぐ選挙か
クェド・ギン 「人の手に大地を」
レスティーナ「痛みを伴う改革」
ネリー「ちきゅうおんだんかたいさく」
さあ誰を支持する
ベジータ「ロリコンはガロリキュアを救う」
ソーマ「妖精趣味は(以下略」
イービル悠人「触sh(略」
も忘れないで下さい。
レムリア「ヨフアルは世界を救う
甘いものを食べて不機嫌になる人なんていないんだよ」
ハリオン「お姉さんも〜、レムリアさんを〜応援しますよ〜」
さて。んじゃ、ま、たてにいってくるわ。
スレたて乙