涼宮茜を語ろうPart6

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471名無しさん@初回限定
6月X日(水)
…じめついた空気の中、一人白陵の制服を着て、お姉ちゃんの眠る病院へと向かう。
いつもの病室、変わる事の無いその部屋の空気…ただ、変わるのはこの手に持った花が花瓶に移るだけ…
「お姉ちゃん、今日も綺麗なお花、買って置いたからね?」
「ちゃんと見てくれなきゃやだよ?折角買って来てるんだから…」
眠ったままのお姉ちゃんの顔に向かって話しかける。反応は、無い…いつもの事…
そう、心に言い聞かせる…
もうすぐ、一年の時が流れようとしている…そしてこんなお姉ちゃんをずっと見続けている人がもう一人…
「お兄ちゃん…今日も来るのかな…?」
辛そうなお兄ちゃんの顔を見るのは、心が痛む…泣きたくなるような痛み…
「お姉ちゃん、お兄ちゃんの為にも早く起きてあげてよ…」
そっと囁くように声をかけて、手を握る。生きてるその証拠に手の温もりが伝わってくる…
呼吸も小さくて、よく聞き取れない…でも、ちゃんと生きてるんだ…
「ねえ、お姉ちゃん、聞いてる〜?もう…」
いつもの台詞…もう何度言った事だろう…いつか、閉じられた瞼が開く…
そう信じて…曇った空を見せる窓の外に視線を投げる…

こんな事にならなければ…誰もこんな思いをする事もなかったのに…
誰が悪い訳でもない…ただ、ちょっとタイミングが悪かった…ただそれだけ…たったそれだけの事なのに…

コンコンとノックをする音、反射的にドアの方を見て、返事をする。
【茜】「はい、どうぞ…」
ドアから覗くその顔は、今にも倒れて、壊れてしまうんじゃないかと思えるような…そんな顔…
お姉ちゃんの方が、よっぽど健康的に見える…椅子から立ち上がって、入ってきたその人に声をかける。
【茜】「おにぃ〜ちゃんっ!えへへっ、今日も来てくれたんだねっ!お姉ちゃんも…」
言いかけて口を閉じる。―――待ってたよ。 なんて今のお兄ちゃんには辛すぎる言葉…
【茜】「…まま。そんな所に立ってないで〜はい、座って座ってっ!」
【孝之】「茜ちゃん…」
お兄ちゃんに喋らせる間を与えず、出来る限り元気に振舞う。それが、今の私に出来る事…
そんな事しか、出来ないから…

―行数制限によりここまで。茜サイドで書いてみました。ちなみに>>464さんではありませんので申し訳無いです…