大臣
「見ろ! 人間の常識を超越した樹海の怪物どもを。
こいつらに対し衛士隊の現状戦力は、無力だ…。
エトリアマン抜きではまともに戦う事すらできん!
そんな軟弱な防衛力で、ハイ・ラガードを守りきれるか!
正体も分からぬ冒険者に、この街の未来を任してよいのか!
断じてそんなはずは無い!」
誤爆orz
>>472 ばんくーばーさん、お見舞いありがとうございます。
ええ、頑張っていますとも、
メガネ(もともとかけている)&マスク&眠くなる薬で完全防備。
たまに仕事中にzzz...となりかけてしまうのはどうにもいけませんが。
SS作品集の件ですが、正式発表は4月にはいってからになります。
いまは期末の修羅場なので、いましばらくお待ちくださいませ。
ほしゅです
QDK(急に電波が来たので)エイプリルフールネタを。
貴子ルートにするつもりだったのですが、直前に奏ルートに変更しました。
『メイドはお嬢さまに恋してる』
4月1日朝。
御門まりやは、いつもの様に鏑木家の門をくぐった。
(くくくっ、今日は瑞穂ちゃんで遊ぶ絶好の日よね♪)
「あら?おはようございます、まりや様」
「あ、おはようございます楓さん。瑞穂ちゃんはいますか?」
「瑞穂様でしたら、今お食事中ですよ」
(ほほーっ、それじゃいきなり何か仕掛けましょうかね……)
「おっはよー瑞穂ちゃん!」
まりやは勢い良く食堂の扉を開けた。
ところが、食堂に入ったまりやは、その瞬間固まってしまった。
「あら?おはようございますまりやさん」
「まりやお姉さま、おはようございますなのですよー」
「あ……え……?瑞穂ちゃん?奏ちゃん??」
まりやが驚いたのは当然だろう。
ピンクのフリフリドレス&ツインテール、そして女言葉、と云う完全装備の瑞穂が食事をしていて、
メイド服&ピンクのリボンで身を固めた奏が、そんな瑞穂を甲斐甲斐しく世話していた。
「奏さん、マーマレードを取ってもらえますか?」
「はいなのですよ、お嬢さま!」
(奏さん?お嬢さま?!)
「み、瑞穂ちゃん?どうしたのその格好……」
「え……似合いませんか?以前まりやさんに買っていただいた服なのですが……」
「あ、いや、凄い似合ってる。やっぱり瑞穂ちゃん綺麗よね」
(あ゛ー違う!あたしが云いたいのはそんな事じゃない!)
「ありがとうございます。まりやさんのお眼鏡にかなえば安心ですわ」
「……ええと、奏ちゃん。奏ちゃんは何をやってるのかな?」
「奏は楓さんに弟子入りしたのです。将来は瑞穂お嬢さまのメイドさんになるのですよー」
「いや、その、瑞穂お嬢さまって……」
瑞穂と奏の様子が、あまりにも自然だったので、まりやは言葉を失ってしまった。
「まりやさんも、一緒にいかがですか?」
「……いや、いいや。あたし用事を思い出したから帰るね……」
食事の誘いを断り、まりやは出て行った。
「……残念ですわ。ごきげんようまりやさん…………ぷっ!」
完璧にお嬢さまだった瑞穂だが……
「あははははっ!」
「ふふふっ、瑞穂さまイジワルなのですよー」
「あのまりやの顔は傑作だったね」
瑞穂は笑いながら髪を解いた。
「由佳里ちゃんの忠告を聞いておいて正解だったよ。
ここに入ってきたまりやは、絶対に何かをやろうとする顔だったものね」
「由佳里ちゃんは、まりやお姉さまと遭遇しない様に、今日一日行方不明になるそうなのですよー」
「あははっ、それじゃ僕達も、まりやがここに戻って来る前に行方不明になろうか?」
「はいなのですよー!」
まりやは首を傾げながら帰宅の途についていた。
(あたしの望むシチュエーションだったはずなのに、何でショックを受けてるんだろ……ってあれ?
あたしは大事な事を忘れている気がする。何だっけ?……ええと、今日は4月1日……!ヤラレタ?!)
まりやは猛スピードで鏑木家にUターンした。
「楓さん、瑞穂ちゃんは?!」
「瑞穂様なら、奏さんと一緒にお出かけしましたよ、まりや様」
「遅かったか……」
「ふふっ、今日はまりや様の負けですね。お詫びに私からコレを差し上げますわ」
「……コレは……ありがとう楓さん!」
楓からある物を受け取ったまりやは、軽快な足取りで去って行った。
数日後。
「やっほー瑞穂ちゃん!」
「どうしたのまりや?やけにご機嫌だね」
「ふふ〜ん、コレな〜んだ?」
「写真……って、これはーーーっ?!」
まりやが持っていたのは、フリフリドレスで食事をする瑞穂とメイド服の奏が写った写真だった。
「まりや?あの時カメラなんて持ってなかったよね?」
「ああ、コレは楓さんが撮った物よ。楓さん、写真撮影の腕も天下一品よねえ」
「……何故?」
「早速大量に印刷して、聖應の生徒達に一枚千円で提供してきちゃった」
「えーっ!何て事してくれたのまりや?そんなにお金が欲しい?」
「違う違う。お金欲しさにやったんじゃないわよ。今回の収益は、某孤児院に全額寄付してきたんでヨロシク!」
「某孤児院って……まさか」
「そ、楓さんと奏ちゃんがいた孤児院よ。第二第三の奏ちゃんを輩出するための、あたしなりの協力って事」
「……」
「瑞穂ちゃんの女装が人々の役に立てる。こんな嬉しい事はないでしょ」
「ううっ、それじゃ文句を云えないじゃないか……」
「そんな訳でまたよろしくね、瑞穂『お嬢さま』!」
「……(調子に乗り過ぎた)orz」
『完』
タイトル メイドはお嬢さまに恋してる
ジャンル ハートフル・メイドさんAVG
発売日 20008年夏予定
価格 7,875円(税込)
メディア DVD-ROM
ボイス あり
原画 ○り太
シナリオ 嵩夜○や
初回版特典 スー○ーフ○ミコン風 処女はお姉さまに恋してる
以上です。今回の件で、瑞穂と奏の姉妹関係にヒビが入ったとか入らなかったとか……
まりやは、機先を制されると案外脆いってイメージです。
しばらくの間(永遠に?)SSを投下する予定は無かったのですが、つい魔が差しました。今では反芻してます。
それでは駄文失礼致しました。
孤児院って閉鎖されたんでなかったけ?
野暮なツッコミだなあ
四月一日ですよ
486 :
みどりん:2008/04/02(水) 00:11:57 ID:yvm6mjff0
入学式の風景
四月です。どこの学校も入学式が執り行われています。恵泉女学院も例外ではありません。入学した生徒たちはクラス割を確認して、それぞれの集合場所に向かいます。クラス割の紙には生徒が多数書かれていますから自分の名前を探し出すのが大変です。
彼女は上から探すほうが効率がよいようです。
「い……い……い…厳島貴子。間違いございませんわ。C組ですか。他にどのような方がいらっしゃるのかしら」
さて、下から探すほうが効率よい人もいるようです。
「み……み……み…御門まりや。間違いないわ。C組ね。他にどんな子がいるのかしら」
そうして、二人とも他のクラスメートの名前を確認しています。
「御門まりや!!」
「厳島貴子!!」
二人はすぐそばに立っていたので、お互いの声が聞こえました。二人ともC組の名簿の前にいるのですからそばに立っているのは何の不思議もありません。そして、お互いに顔を見合わせます。
「あなた、高校に入れたのですか。あの学力で……」
貴子の先制パンチがまりやを襲います。メガトン級の一撃必殺に近いパンチでしたが、まりやはどうにか倒れないでいることができました。
「う、うるさいわね。あんたに比べれば悪いけど、普通でしょ?ふ つ う!」
「そうですか。2〜3教科補習があるのは普通ですか。ふ〜ん」
貴子の容赦ない攻撃が続きます。
「そ、そうよ……」
まりやはもうKO寸前です。
「運動ばかりしているから、栄養がぜ〜んぶ足にとられてしまったのではないですか?きっとそうですわ。足に栄養がとられたので、胸も平らなのですわね」
そういって、貴子は自分の胸をこれ見よがしに揺すって見せます。このころはまりやの胸はまだ平らにちかい状態でした。それに対し、貴子は既に大きな胸を持っていました。
まりやは黙って怒りに耐えていましたが、貴子が「ほ〜ら、ほ〜ら」と胸を揺すっているのを見てとうとう切れてしまいました。
「ムッキーーー!!」
そして二人で取っ組み合いのけんかを始めてしまいました。高校に来て、より仲がわるくなったようです。
その後、二人のクラスは別々になりました。恵泉史上最速のクラス替えでした。こうして二人の高校生活が始まりました。その2年後、二人が仲良くなることがあるとはお天道様も知らなかったことでしょう。
おしまい
>>483 エイプリルフールネタ、お疲れ様でした。こちらも楽しませていただきました。
私のそれはやはり投下するのが早すぎたでしょうか……。
>>486 またみどりんさんの作品が見れて嬉しいです。
私も、以前言っていた時代劇ネタが完成しましたので、投下させていただきます。
よろしくお願いします。
〜暴れん坊エルダー〜
今から約300年の昔、東京が江戸と呼ばれており、そこに幕府があった頃、その江戸幕府、別名聖央幕府に、
天下に名高い名将軍がいた。
紀州藩藩主だった頃、その類稀なる慈悲と寛容の精神を持って、行きづまっていた藩を立て直し、その政治手腕を認められて
聖央幕府8代得多安(エルダー)大将軍に就任した、徳川瑞穂(某コミックの悪党とは無関係です。念のため)、その人である。
彼は乱れきった幕府を立て直すべく、南町奉行の厳島越前守貴相(えちぜんのかみたかすけ)、
御側御用取次の十条紫郎左衛門(しろうざえもん)とともに、享保の改革と呼ばれる様々な改革を断行してきた。
また、庶民の暮らしを知るために旗本の三男坊、鏑木宮之助(みやのすけ)として
町火消、薫五郎(くんごろう)の所に身を寄せ、庶民の目でものを見、数々の腐敗した権力者に立ち向かっていったのである。
そして瑞穂は今、天皇に拝謁するため、京の都に来ていた。
「しかし、京でも見えないところで乱れているかもしれぬ。このようなところであぐらをかいているわけにも……」
「お姉さま、またお忍びで街へお出かけになるつもりでは……」
「紫郎左……この場合は上様と呼ぶべきでしょう?」
“じい”と呼ぶと紫郎左衛門が怒るので、瑞穂はあえてこう呼んでいる。
「いいえ、あなた相手にはお姉さまとお呼びするのが一番あっておりますから」
「そうですとも。自然にお姉さまと出てきますから、仕方ありません」
厳島越前もそれに賛同。
ガーン!!
“お姉さまと呼ぶのが一番”“自然に出てくる”
「ううう……」
「あらあら、また落ち込んでしまわれたようですね」
そして瑞穂は、厳島越前と十条紫郎左衛門をお供に連れて、お忍びで街に出かけた。
「それにしても、このあたりでも、お姉さまをモデルにした、浄瑠璃や芝居がはやっているようですね」
「ああ。『処女男姉恋愛物語』ですか? 確かに本の売れ行きもすごいようですし」
処女男姉恋愛物語とは、徳川瑞穂をモデルにした恋物語である。
女学校に女装して潜入した男の子が、そこにいる女の子たちの憧れの的となり、様々な問題を体当たりで解決しながら、
何人かの女の子と恋に落ちていく話である。
現在書かれたり演じられたりしている物語は5種類で、瑞穂の相手役は厳島越前をモデルにした貴子、
十条紫郎左衛門をモデルにした紫苑、そして奏、まりや、幽霊の一子の5人である。
「こんな形で描かれても……」
「まあ、これも八代将軍瑞穂さまの人気の賜物ということで……」
そんなこんなて、しばらく街を散策していた時……。
「待ちやがれ!!」
「逃がしゃしねえぞ、このアマ!!」
1人の町娘が、数人のやくざ風の男たちに追われていた。
「ふええ……助けてくださいなのですよ!」
瑞穂はそれを見て、その町娘を自分の後ろにかくまい、男たちの前に立ちふさがる。
「なんだてめえは!」
「関係ねえヤツはすっこんでろ!」
「いや、か弱き女1人を相手に男数人での乱暴、見過ごせぬな。それなりの事情があるならば聞いてやらんでもないが?」
瑞穂が男たちにそう言うと、
「うるせえ!」
「やっちまえ!」
男たちは瑞穂に襲いかかってきた。やはり男たちは悪者のようだ。
瑞穂はそれらを軽くいなしていく。
「くっそー! 覚えてやがれ!」
男たちは、お決まりの捨てゼリフを吐いて逃げていった。
「ありがとうございますのですよ。えっと……」
町娘は、頭をぺこりと下げてお礼を言った。
「ああ、私は鏑木宮之助という旅の者。えっと……」
「あっ、申し遅れましたのですよ。私は海産物問屋、周防屋の娘で、奏と申しますのですよ」
「奏さんですか。可愛らしい」
紫郎左衛門はそう言って奏に歩み寄り、愛情いっぱいに抱きしめた。
「はややっ!!」
奏はしばらくもがいていたが、やがて解放されてしばらく休んでいた。
その後、瑞穂たちは奏の家である周防屋にお世話になることになった。
「それにしても、あいつら一体何者なの?」
「呉服問屋、毬屋紋五郎(まりやもんごろう)の手のものなのですよ」
「毬屋?」
「はいなのです。毬屋は、いろんなところから人をさらっているのですよ。大坂(昔はこう書きました)でも、
看板娘のお桃さんがさらわれかけたと聞きましたのです」
「そう言えば、大坂町奉行の黒澤隼人正(はやとのしょう)が助けた娘と結婚したと聞いてるけど、そのこと?」
「はいなのです。でも、それだけではないのですよ……毬屋は、挽肉の抜け荷をしていて、経営する料亭で挽肉焼き定食を
出しているのです。それが売れに売れて、そのせいで奏たち海産物問屋の商売はさっぱりなのですよ……」
奏は涙を流しながら訴えるのだった。
「こんな可愛い奏ちゃんを泣かせるなんて、許せぬ」
紫郎左衛門は、奏を抱きしめながらそう言った。
「そうだね」
瑞穂と越前はそれに同意した。
「でも、そんなに悪いことをしているのに、一致団結して戦わないの?」
「それが、毬屋に逆らった方は過去にいましたのですけど、とんでもない見せしめを喰らわされてしまったのですよ」
瑞穂が聞くと、奏は全身を震わせて答えた。
「見せしめ?」
「はいなのです。逆らった男たちは全員……」
「全員?」
「無理やり女装させられて、その写真を街中にばらまかれてしまったのですよー!」
奏は、苦渋に満ちた声で話す。
「な、なんてひどいことを……!!」
その話に、瑞穂が激しい憤りを示した。
「そんなこと、同じ男として絶対に許せない!!」
「はややっ、鏑木さま、もしかして本物の男の方なのですか?」
一方、奏はそれを聞いて驚いていた。
「もしかしなくても本物の男だよ」
「か、奏、てっきりどこかのお姫さまが幕府の目を逃れるために男装しているのかと思っていたのですよお……」
その言葉に、瑞穂は唖然とする。
「奏の感覚がおかしいのでしょうか?」
「いや、奏さんの感覚は至って正常ですよ。そうですよね、十条さま」
「ええ。それが普通の感覚です」
ガーン!!
「僕が女と思うのが……普通の……感覚……」
「あわわ、鏑木さまが落ち込んでしまわれたのですよお……」
「お姉さま、ただちに証拠を集めて毬屋を捕らえましょう」
再び奏を抱きしめている紫郎左衛門を置いて、瑞穂と越前は周防屋の裏口の方で話し合っていた。
「待って! 白昼堂々娘たちをさらったり、抜け荷したものを目立つ料亭で売りさばくやり口、
一介の商人の力だけで出来るものとは思えない。おそらく幕府重臣の誰かが手を貸しているはず……」
「幕閣の誰かが!? それは一体……」
「圭蔵! 美智!」
瑞穂はそう言ってお庭番2人の名を呼ぶ。
「お呼びですか、お姉さま?」
「圭蔵は毬屋の悪事の証拠を、美智は、毬屋とつながっている幕府重臣の正体を探ってほしいんだ」
「承知……」
「わかりましたわ、お姉さま」
2人の庭番は、そう言って早速目的を果たしに行った。
5日後……。
「お姉さま……任務終了……」
瑞穂のもとに、調査を終えたお庭番の圭蔵と美智が帰ってきた。
「これが……毬屋の不正の証拠……」
圭蔵は、そう言って南蛮との抜け荷の時に使う割符を差し出した。
「お姉さま、毬屋の裏で糸を引いている黒幕の正体がわかりましたわ」
「何者が……?」
「畿内(現在の京都南部、大阪、奈良)代官、上岡安芸守(あきのかみ)ですわ。
そして役人や浪人、ヤクザたちの指揮を取っているのが、その腹心で代官所手代の皆瀬初之進(はつのしん)です」
瑞穂は、いよいよ悪と戦う決意を固めた。
「ご苦労さまでした。それではみんな、今夜畿内代官所に乗り込むよ!」
「はい!」
こうして瑞穂は、厳島越前、十条紫郎左衛門、圭蔵と美智を連れて畿内代官所を目指すのだった。
畿内代官所……。
そこでは、代官の上岡安芸守、代官所手代の皆瀬初之進、呉服問屋の毬屋紋五郎が密会していた。
「お代官様、これで我らに逆らうものもほぼいなくなりました。お代官様の慰み者にする女たちも、十分です。
どうぞお納めください」
毬屋は、そう言って安芸守に菓子折りを差し出した。
安芸守が蓋を開けると、1段目から数個の切り餅(小判25両を紙で束ねたもの)が、
2段目からは挽き肉焼きと大人のおもちゃが……。
「ふふふ、毬屋、そちも悪よのお」
「いえいえ、お代官様ほどでは……」
そういって2人は笑いあう。
「初之進、そなたにも色々働いてもらっておるからのう。褒美じゃ。受け取るがよい」
安芸守はそう言って初之進に切り餅を1つ投げ渡した。
「はっ、ありがたき幸せにございます」
初之進は投げられるとビクッとして身を縮こまらせたが、すぐにそれを懐に入れた。
「2人とも、これからもよろしく頼むぞ」
「こちらこそ、これからもよろしくお願いします」
「もうこれからはないぞ!」
その会話に、突如外からエコーのかかった声が横槍を入れてきた。
「何者じゃ!」
毬屋と初之進はふすまを開けた。安芸守も立ち上がる。
そこには、鏑木宮之助と厳島越前守貴相、十条紫郎左衛門、そして圭蔵と美智が3人を睨んでいた。
「話は全て聞かせてもらったぞ!」
「何……?」
「畿内代官、上岡安芸守! その方、己の欲望のため、そこな毬屋紋五郎、皆瀬初之進と結託し、抜け荷や人さらい、
さらに、逆らうものは女装させてさらし者にするとは言語道断! それでも慈悲と寛容を旨とする聖央幕府の役人ですか!
恥を……恥を知りなさい!!」
「ええい、言わせておけば! 名を名乗れ!」
謎の侍の断罪に、安芸守は怒ってそう怒鳴りつけた。
「安芸守、余の顔を見忘れたか」
「余の顔……?」
安芸守はそう言って侍の顔を覗き込んでいたが、途端に江戸城の将軍、徳川瑞穂の顔がフラッシュバックした。
「………!! お、お姉さま!!」
安芸守たちは庭に下りてははーっ、とひれ伏した。
「その方らの罪状、明白! 断じて許しがたい。潔く腹を切れ!」
瑞穂が言うと、3人は立ち上がった。
「もはやこれまで! お姉さま、お手向かいいたします! 出会え出会え!!」
安芸守が号令をかけると、周りから侍たちが数十人登場した。
「お姉さまの名を騙る不届き者じゃ! 斬り捨てい!」
侍たちが刀を抜くと、瑞穂も刀を抜いた。
いつもの音楽に合わせてラス立ち開始。瑞穂の側近2人と庭番2人も刀を抜いて応戦する。
瑞穂たちは峰打ち、庭番たちは刃の方で侍たちを次々と斬っていく。
福○清三も圭蔵に斬られた。と思ったら、いつの間にか復活していて、瑞穂に峰打ちされて、のけぞり倒れた。
そして、最後の侍、峰○太郎を倒し(わからない方にはすみません。読み流してください)、残るは首魁3人だけとなった。
「成敗!」
瑞穂が号令をかけると、圭蔵と美智が刃を振りかざして安芸守たちに突っ込んで行く……。
「その成敗、ちょっと待ったあ!!」
突如響いたその声に、全員固まってしまった。
毬屋だった。毬屋紋五郎が瑞穂の成敗を制したのだ。
「瑞穂ちゃん、あんたらねえ、ダントツの人気で脚光を浴び続けてきたあんたたちに、
日陰者の苦しみの何がわかるっていうのよ!?」
毬屋は、ここぞとばかりに反論する。
「攻略対象にも入れてもらえず、どのシナリオでも道化扱い、不幸を笑いものにされ続けてきた由佳里のために、
あたしはあえて由佳里の手先になって、やりたいようにやらせて気分を晴らしてあげてたんじゃないの!」
「そうです! 由佳里お姉さまの悲しみや苦しみを知ろうともしないで、表面だけで断罪しようなんて、
それが慈悲と寛容を旨とする、聖央幕府の頂点に立つお方のやることですか!?」
初之進も反論してきた。
「お姉さまの相手役にも選んでもらえなくて、みんなに笑いものにされ続けて悔しかったから、
ちょっとでも幸せをつかみたかっただけなのに! うわああああん!!」
安芸守はそう言うと号泣した。
「ほら、泣いちゃったじゃない」
毬屋はそう非難がましい目で瑞穂たちを見る。瑞穂たちは、それを見て申し訳なさそうな顔で話し合った。
「考えてみれば、この娘もかわいそうかもしれませんわね」
「冷遇されて、道化扱いを笑いものにされ続けてきた反動で、こうなってしまわれたのですわね」
「わかったわ。処女男姉恋愛物語に、由佳里ちゃんが相手役のお話も作るように頼んでみるから」
「ぐすっ……ほ、本当ですか?」
「ええ。そのかわりそれが出来上がったら、2度と悪さしちゃダメよ?」
「あーん! お姉さまあ……!」
こうして、処女男姉恋愛物語に、新たに由佳里がヒロインのお話が書き加えられ、6つのシナリオになったのであった。
やがてこのお話は時代を超えて語り継がれ、タイトルも「処女はお姉さまに恋してる」に変えられて、
今も私たちを楽しませてくれている。
なお、由佳里ルートに設定の説明や他のルートの色が(一子の存在、緋紗子先生の話、卒業式の答辞など)強いのは、
このルートが後から書き加えられたから、でしょう。多分。
Fin
以上です。
最初はシリアスものが書きたかったのに、気がついたらお笑い路線を突っ走っていました。
なんでこうなってしまったのか……。
なお、このSSの設定や解説はすべて私の捏造ですので、くれぐれも真に受けないでください。念のため。
あと、管理人さんへ
おとボクSS作品リスト(作者別、スレ別、掲示板、その他の作品へのリンクがあるページ)でのばんくーばー氏と
ナグルファル氏の作品リストへのリンクが抜け落ちていますので、時期更新時、修正をお願いします。
あと、ナグルファルさんだけ「さん」呼びだと違和感を感じるのですが……。
色々言いたい放題言ってしまいましたが、私はこれにて。お目汚し失礼いたしました。
管理人様
せっかくなんで、作品リストの登場人物抜けを。
15-025 『トゥーランドット』君枝
15-027 『卒業旅行の貴子ちゃん』一子?
15-033 『由佳里編APPENDIX II 〜シンデレラへのステップ〜』(プロローグ)まりや?
15-036 『驚異の肺活量』瑞穂
15-042 『銀の指輪』由佳里・奏
15-045 『残酷な運命』(初音・奏・由佳里・響姫)?
15-047 『花粉お姉さま(ボク)注意報』貴子・圭・美智子
?は名前だけ出てるとかそんなのです。これ自体も抜けが有る気がしますが
502 :
みどりん:2008/04/03(木) 23:58:03 ID:myirn/4b0
もう作品を投稿しないと思っていたのですが、少ないのも寂しいので多少は(?)投稿することにしました。
枯れ木も山の賑わいと思って、ご笑納ください。
503 :
みどりん:2008/04/03(木) 23:59:06 ID:myirn/4b0
罠………かな?
注)これはまとめサイトの罠とは全く関係ございません。安心してお読みください。
「由佳里お姉さま」
「な〜に?初音」
夜、由佳里が部屋でくつろいでいると、初音が訪れてきた。
「あの……英語で分からないところがあるので、教えていただきたいのですが」
「う………私に勉強のことを聞く!」
「でも、他に頼れる人がいないんです。明日でもいいですから教えてください……」
そういって、うるうるとした表情で由佳里を見つめる。
「わ、わかったわ。明日までに何とかするわ。それで、何が分からないの?」
可愛い妹の頼みである。由佳里もいやとは言えない。
「ええ」
それから、初音は分からないところを由佳里に説明する。
「結構、長いのね………」
初音に示されたところは長文読解で、案外長い範囲に亘っていた。
「申し訳ありません………」
初音は恐縮そうに言う。
「まあ、泥舟に乗った気持ちで待ってなさい。ハッハッハ……ハァ...」
由佳里はため息交じりで笑い飛ばす。
「お願いします、由佳里お姉さま。"大"船に乗った気持ちで待ってます」
そう言って初音は部屋に戻っていった。
504 :
みどりん:2008/04/03(木) 23:59:30 ID:myirn/4b0
それから、由佳里はすぐに電子辞書を携えて奏の部屋に向かう。
「奏さん、助けてぇ〜」
「どうしたのですか?由佳里さん」
「英語で分からないところがあるから教えてもらいたいの」
「由佳里さんが勉強を聞きにくるなんて珍しいですね」
由佳里はさっきの出来事を奏に説明する。
「そうですか。それは由佳里さん、期待に応えないといけませんね。それで、どこかわからないのですか?」
それから、由佳里は奏に何度も何度も聞きながら分からない箇所を調べあげていった。奏も勉学がよく出来る、というほどではないのだが、由佳里と一緒に自分の勉強を兼ねて勉強をする。
「ふぅ〜〜〜疲れたぁ〜。ありがとう、奏さん」
「どういたしまして。また、いつでもどうぞ。私も勉強になりますし……」
「いやぁ〜〜、あんまり勉強すると熱が出そうで……」
「ふふ……」
「アハハ……」
505 :
みどりん:2008/04/04(金) 00:00:04 ID:myirn/4b0
そして次の晩………
「初音ぇ、昨日の質問の話だけど……」
「ええ、由佳里お姉さま………」
それから由佳里は奏に教えてもらった内容を初音に伝える。
「よく分かりました!由佳里お姉さま。流石ですね!!」
「い、いやぁ、それほどでも。アッハッハ」
「また、分からないところがあったら教えてくださいね!」
「ま、まっかせっなさ〜い!!」
由佳里は冷や汗をかきながらも、そう答えるのであった。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
「ありがとうございます、初音さん」
「何でもありません、奏お姉さま。少し難しいですが、私にも勉強になりますし、それに由佳里お姉さまに赤点とってもらいたくないですし……」
「初音さん、演劇部でも十分やっていけるくらい演技が上手でしたわ」
「いえ、由佳里お姉さま相手だから出来ることです。舞台なんてとても出来ません」
「それでね、次は数学なんですけど」
「ええ…」
罠………奏!
おしまい
GJ!
奏ちゃんなんという孔明ww
みどりんさん、これからもどんどん投下して下さいね
楽しみに待ってますよ!
507 :
名無しさん@初回限定:2008/04/04(金) 20:12:46 ID:iwvCX/JmO
GJです。
みどりんさん、これからも楽しみにしています。
こんにちは。東の扉です。
このスレも、もう残り15KBになったので、新しいスレを立てさせていただきました。
↓こちらです。
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第16話
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1207387243/ 初めて作ったのですが、その作業の大変さを思い知らされました。
新しいスレでSSを投下させていただきたかったのですが、疲れたのでまた次の機会にします。
このスレの方もどなたか埋めネタ、お願いいたします。(私のSSでは途中でとぎれてしまうかもしれないので……)
それでは、私はこれで失礼いたします。皆さん、次スレでも投稿&閲覧、よろしくお願いします。
『鏑木京エイリアン』
春休みの鏑木家。今日も瑞穂のプライベートファッションショーが開かれていた。
「さっすが瑞穂ちゃん。あたしじゃこう云うカワイイ服は着こなせないもんねー。
ほら貴子!鼻血鼻血。瑞穂ちゃんに見とれるのは良いけど、気を付けなさいよ」
「わかってますわよまりやさん……はぁ、瑞穂さん綺麗……」
「うふふ、今日はゴスロリですかまりやさん?」
「はい紫苑さま。でもそれだけじゃ面白くないので、今回は少し女王様チックなアレンジをしてあります」
観客三人のちっぽけな空間。それでもその場の面々は幸せなはずだったのだが……
「あ゛ーーーっ!もうやだ、こんな服はやだ!もうやってられないよ!」
「み、瑞穂ちゃん?」
「あらあら、瑞穂さん落ち着いて……」
「紫苑さんは黙ってて下さい!」
三人を睨みつけると、瑞穂は部屋から出て行ってしまった。
「あっちゃー、瑞穂ちゃんキレちゃったよ」
「全く……まりやさんがやりたい放題するからこの様な事になるのです」
「何云ってんのよ貴子、あんただって楽しく観賞してたんだから同罪よ!」
「そ、それは……」
「まりやさん、貴子さん、とりあえずは瑞穂さんを落ち着かせる方法を考えましょう」
「……そうですね」「……そうですわね」
瑞穂本来の(?)普段着に着替えた瑞穂が、大量の衣類(女物)を抱えた状態で私室から出てきた。
「瑞穂ちゃん?」
今まで見せた事が無い様な瑞穂の形相(でも美しい)に、三人はかけるべき声を失ってしまった。
瑞穂は三人には目もくれず、一直線に庭へ向かって行った。
庭に出た瑞穂は、無造作に立て掛けてあった園芸用のスコップを手に取ると、無言のまま地面を掘り出した。
「瑞穂ちゃん、何やってるの?」
まりやの言葉に耳を傾ける様子は無い。ただ黙々と地面を掘り続ける……
約10分後、巨大な穴を開けた瑞穂は、その中に女物の服を次々と放り込んだ。
「ちょっと瑞穂ちゃん?!」
「何をなさるのですか瑞穂さん?!」
「あらあら……」
穴に服を放り込んだ瑞穂は、無言のまま再びスコップを握り、上から土をかけていった。
「あーっ!何て事するのよ?!あたしが厳選した服がーーーっ!」
瑞穂から放たれている怒りの波動を感じ取った三人は、瑞穂の事を止めることが出来ない。
結局瑞穂は、誰にも邪魔される事無く、女物の服の処分に成功した(?)。
「瑞穂ちゃん、いくらなんでもひどいんじゃない?」
「まりやさんは兎も角、服には罪は無いでしょう……」
「せっかくの瑞穂さんにお似合いの服が……勿体無いですわ」
何とか我に返った三人が、瑞穂に対して控えめに文句を云った。
「まりやだけなら兎も角、貴子さんも紫苑さんもいい加減にして下さい!
僕は着せ替え人形じゃありません。それとも、僕には女装しか取り得が無いって云うんですか?」
「「「……いえ(いや)、その……」」」
「……もういいから、みんな出て行って下さい!」
「……どうやら今のわたくし達では、瑞穂さんのお怒りを静めることは出来ない様ですね。
また改めて出直しましょうか……」
「そうですね紫苑さま」「ええ、仕方が無いですわね」
三人は小声で語り合うと、すごすごとその場から退散した。
その日の深夜。
普段の瑞穂は寝付きが良いのだが、今日に限って眠れないでいた。
それでも何とか眠りに入ろうとしたその時……
「みずほ……みずほ……」
遠くで何者かが瑞穂を呼ぶ声がした。
「みずほおねえさま……」
(どこから聞こえるのだろう?って僕はもうお姉さまじゃないのに……)
妙に声が気になってしまったため、声の出所を探ってみることにした。
「みずほ……みずほ……」
半分寝ぼけたまま、瑞穂は声の方向に向かっていた。
気が付くと、瑞穂は庭に出ていた。無意識の内に靴まで履いていた様だ。
「おねえさま……助けて……」
「?」
庭の隅っこに、少し土が盛り上がっている場所がある。そこで瑞穂は、信じられない光景を見た。
「な、何これ……」
いきなり土の中から、『にょき』っと手が生えてきた。
いや、良く見るとそれは手ではなく、服の袖だけが土の中から飛び出してきたのだ。
「みずほ……どうしてわたしをうめてしまったの?」
「おねえさま……もうわたしのこと、きてくれないの?」
「ねえ、もういちど、わたしをきて、ふぁっしょんしょーをしようよ」
土の中から複数の声が聞こえた。一本だけだった袖が、二本……三本……と増えて行き、
がさがさがさ……と云う音と共に、土の中から服の大軍が甦った。
「うわーーーっ?!」
瑞穂の理性の糸が切れた。
「みずほ……みずほ……」
「おねえさまおねえさまおねえさまおねえさまーーーっ!」
「みずほ……おねえさま……」
「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」「みずほ……」
服の大軍が、まるでゾンビの様に、瑞穂に向かって歩いてきた。
さりげなく聞き慣れた声が混じっていたのは気のせいだろうか?
ざっざっざっざっ……
「わーーーっ!ごめんなさいーーーっ!」
(ええと、ロケットランチャーは……持ってきてないや……)
既に瑞穂の思考回路はマヒしている。側に落ちていたスコップを手に取ると、瑞穂は服の大軍に突っ込んで行った。
「いやーーーーーーっ!!」
まるで日本刀を扱うが如く、スコップでゾンビ(?)を薙ぎ倒して行く。
特に抵抗する素振りも見せず、服ゾンビはバタバタと倒れて行った。
数分後、辺りは沈黙に包まれた。正気を失っている瑞穂は、服を集めると、もう一度上から土をかけなおした。
「終わった……」
全てが埋まったのを見届けると、瑞穂はスコップを放り出し、その場から逃げ出した。
自分の部屋に戻った瑞穂は、扉と窓に鍵をかけ、ブルブル震えながら毛布を被った。
緊張の糸が切れたのか、急激な睡魔に襲われて、瑞穂は眠りに落ちた。
がばっ!
早朝、瑞穂はいきなり飛び起きた。
「……夢か」
パジャマの下は、寝汗でグッショリだった。
(何で、あんな夢を見たんだろう……)
とりあえずパジャマを脱いで、タオルで寝汗を拭った。(絵でお見せできないのが残念です)
そして上半身裸のまま、瑞穂はクローゼットを開けた。
不本意な事に、クローゼットの過半数は、まりやが持ってきた服(女物)が占めていた。
Tシャツを取り出し袖を通したのだが、瑞穂はクローゼットの中に違和感を覚えた。
女物の服にだけ、不自然な汚れが付着していたのである。
瑞穂は、近くに有ったフリフリのワンピースを手に取ってみた。
「これは……土?」
『完』
以上です。埋め&みどりんさんごめんなさい企画と云う事で、即興で書き上げました。
タイトル没案は『瑞穂のホレホレ大作戦』『ドレスハザード』等です。
やっぱり今の自分はダメみたいです。花粉がいなくなるまで、しばらく大人しくしてようと思います。
それでは駄文失礼致しました。
GJ!怒ってる瑞穂ちゃんは珍しいですね
ところでばんくーばーさんて作品のタイトルから考えると
同世代っぽいんですが…w
花粉症仲間としても勝手にシンパシーを感じてたんですが
なんか良い感じに親近感が沸いてきましたw
では花粉症お大事に&これからも頑張って下さい!
15話スレの埋めネタ、投下させていただきます。
注意
オリキャラが登場します。
由佳里ちゃんがネタキャラとして扱われています。
ので、それらがお嫌いな方は、パスをお勧めします。
それでは、よろしくお願いします。
〜被害妄想〜
「うわあっ! こんなエロ写真に瑞穂ちゃんの顔貼り付けて……由佳里ってますますエロに磨きがかかってるわね」
「ま、まりやお姉さま……毎回毎回、いい加減にしてください! 人のプライバシーを勝手に……」
今日もまりやは、由佳里の部屋に勝手に入り込み、由佳里の秘密を粗探ししていた。
「だって、面白いんだもん。エロボケ極めたエッチゆかりんのプライバシー見るの」
「か、勝手に変なステイタスとあだ名をつけないでください!」
まりやは、まだ懲りずに由佳里の部屋を重箱の隅をつつくように調べていた。
「もう! 他に用がないなら出てってください!!」
由佳里はまりやに掛け布団を投げつけた。
「あはは。怒った顔も可愛いわよ、エッチゆかりん」
「そんなこと言われても、全然嬉しくありません!」
「ま、あんまり怒らせるのもなんだから、今日はこれぐらいにしとくか。おやすみ、エッチゆかりん。
あたしはエッチゆかりんがどんなエロい夢見るのか考えてるから」
「だからゆかりんじゃありません! エロい夢も見ません!」
由佳里が文句を言った時には、すでにまりやはドアを閉めて出て行った後だった。
「うーっ……まりやお姉さま、毎回毎回人のことバカにしてーっ!!」
由佳里は、怒りをぶつける場所もなく、腹いせに枕をドアに投げつけた。
翌日……。
「聞きました? 今日から転校生の方が来られるそうですわよ?」
「どんな方かしら? お友達になってくださるとよろしいのですけど……」
由佳里のいる教室では、今日から転校してくる生徒の話題で持ちきりだった。
そうこうしているうちに、担任の教師が転校生を連れて教室に入ってきた。
「静かに! みなさん、本日からこの学院に転入することになった……」
「越中果凛(えっちゅう かりん)と申します。よろしくお願いします」
転校生は、満面の笑顔で自己紹介する。
「………!! 転校生まで私のことバカにするんですかーっ!!」
その名前を聞いて、由佳里は暴れだしたのだった。
その日の放課後……。
「あなた、越中果凛さん?」
転校生のところに、このことを聞いたまりやが訪ねてきた。
「そうですけど……どなたですか?」
「あたしは御門まりや。寮と部活での由佳里の姉……まあ転校生にわかる言い方をすれば、先輩ね」
「まりや先輩……由佳里さんひどいんですよお……なんにもしてないはずなのに、いきなり机をぶつけてきたんですよ……」
果凛は、そう言って泣き出した。
「ああごめんごめん、由佳里も悪気があったわけじゃないから……」
「じゃあどうして?」
「あたし、調子に乗って由佳里をからかいすぎてたみたいで、あんたの名前が、たまたまその時のセリフに似てたんだわ。だから……」
「自己紹介の時、由佳里さんはそのセリフと聞き間違えたってことですか?」
果凛はまだ目に涙を浮かべながら、そうつなげる。
「うん。多分そうだと思う。あたしもこれからは気をつけるからさ、由佳里のこと許してあげて」
「わかりました……」
そして翌日、果凛は由佳里と和解した。
まりやは、由佳里をからかい続けていたことを瑞穂にきつくしかられ、
その日から由佳里の性的なことに関する話題に触れるのはタブーとなった。
それから約半月後……。
「ふぁあああんっ!! お姉さまあ、もっと、もっと激しくうん!!」
「うーっ……由佳里のヤツーっ! 調子に乗ってえ……!」
まりやは、隣の由佳里の部屋から聴こえてくる嬌声を、時に手の爪で壁を引っかき、時に壁をドンドンと叩きながら聞いていた。
あれから由佳里は、まりやに追及される心配がないからと、安心して欲求不満の時には部屋で瑞穂を想いながら、
ひとり励むようになった。
(あーっ!! からかいたいからかいたいからかいたいーっ!! こんなとっておきのネタを
からかえないなんて、それこそヘビの生殺しだよ!)
一方まりやは、からかいたくて仕方ないのにそれを禁止されてることに、欲求不満がパンパンに膨れ上がってしまっていた。
「ふぁあああああっ! イく、イく、イっちゃうよお! お姉さまあ!!」
(だーっ!! 瑞穂ちゃん! いい加減からかうの解禁にしろーっ!!)
そして、瑞穂がいつまでたっても禁止を解かないので、この後まりやは瑞穂にそれを当り散らすのであった。
Fin
この話は以上です。お目汚し失礼いたしました。
あと4KB……いや、もしかしたらこのレスで3KBになるかも……。
とにかく、どなたか残りお願いします。
|`ヽミ l:.:./|! _l:/|.. :.\/1 /l. | lイ±リl| iトlム仕ミ| ト_j||. / 、 .', . ! !', ',. ',、ヽヽ ' ,
|ィト,/` lノ ´/ レ.. :.\..| | ゝ1!())Vレ:.(()}| |トーソ/, ', !',、 ', !! rナ ̄!`T', ヽヽ
|ソ,/ ___ ''' :\:!. ',: ̄ ..::,:.  ̄ / | |ヽ./! 「! ̄ト',ヽ N ,i! !! !_」_」弋ヽ、
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| ' ::::..ヾニ_ / /'ノl:.:. \∧∧∧∧/ ! . ! ト .! ',. ゞ┘ !. ! ,l
ヽ ヽ 、_ /_' -‐':: < の .う > .! .! .! ', ヽ .,,. ' "" /! ,! リ
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. う < の > .:.:! i ィiナ/ 7⌒` ヾ⌒ヽマ ヾx.:.:.:.:.:.i
, -‐―‐‐-、 め .< 感 で >.:.:i.:.i.:.オ' / リ ヽ.:iハ、.:.:.:.:.|
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(_ノ_,ノ く_/_|_j_ゞ!し /ノ!:!ヽ:: .:ト::ゝ! rー-‐‐、| !イ7: :/ヽ!:!.\ 、 イフ"/'
(__八__) うめなのですよ〜
処女はお姉さまに恋してるSSスレ 第16話
http://set.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1207387243/
, ' ´ ⌒V/'' 一_-、
/ / `ヽ,` 、
/ / / / i ヽヽ ヽ. \
/ i i ./ / .ハ i i i .i ヽ`、 ゙ 、
. l / i iイハi i i i iリi i i i ヽヽ i
l/ i i斗ェ士Iト;/ //__iリ i i ハ ',
l バ| 〈.{゚:::::i}゙ レノ/,ィメミト i i i.l.l i
l i ハ i.辷ソ " .{:::ソ〉i / .レ .| i
l i ハ ヽ::::: _ ' :::゙"/ / レノノi.l
l i i ト ヽ \ _ , イ イ ハノノ 埋めますよ
. l i i i 「`゙''ー゙r"T// i/ i i
l__i_, 斗‐へ ___ ィL/`ー- i_i iヽ
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/ V´ | , イ ハヽ、 ハ`' く '、ヽ
. / / ノイ/ .H ヽ ヽ,〉 ヽ ヽ \
〈 i ムr-i^'|ウレ イへi i .〉 \
. \ ト、:::::::::::::::::::i「o]i|::::::::::::::...ノ .人 ヽ
/ に_ >'i. `' -----┴┴-----イ < イ ヽ \
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. / V i iハ ,iハ .i i ヽヽ ヽ
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| V i i 〉ヽ、 | i i .i iヽ ヽ ヽ
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