明日香ルートのグランドフィナーレっぷりを見るにつけ
このくらいはやってもいいんじゃないかと思えてきますた。
「なにか、別のあだ名が欲しいんですよね」
街中で偶然、目が合った少女、夕霧瑠璃子がそう言った。
彼女も俺と同じように自分につけられた「瑠璃」という
あだ名に違和感を覚えているのだと言う、
「いや、おもしろいね。あだ名か…」
「なにか思いつきますか?」
少女はふわふわの髪を揺らして、笑顔を見せて――、
突然、一つの名前が浮かぶ。
「そうだなあ、例えば――」
「……リコ?」
「……っ!」
どきんと、
自分で口に出したその名前にとても
大事な意味があったような気がして――、
「…って、だ、大丈夫?君」
「……え?」
見ると少女の瞳から大粒の涙がこぼれていて
俺は慌ててしまって
「あ、あれ…どうしちゃったんだろう、わたし…」
「ご、ごめんなさい。変な所をお見せして…やだ…」
「いや…」
「あ、あのっ」
「は、はい?」
拭っても拭っても止まらないので諦めてしまったのか
その少女は、もう涙を拭くこともせず