祝、FD発売なんだけど茜ルートないっぽいんでセルフ補完('A`)
小恋ルート終盤あたりからの派生です。
――始めは恋じゃないと思っていた。
校庭を駆けていく彼が見える。
誤解も解けたことだし、
あとは小恋ちゃん一直線!てかぁ?
屋上のフェンス越しに彼を目で追って
これでゲームセットかなって、
胸の奥がちくん。ってした。
彼の恋を応援してたのは私だけじゃなかったけど、
それがあらぬ誤解を生んでちょっと泥沼してたから
やっぱり私はお節介してしまった。
「みんな優しいよねぇ…」
「アンタもね。」
不意にかけられた声に思わず振り向いてしまう。
物陰から声の主が姿を現した。
「杏ちゃん…」
ほう。と一息ついて銀髪の少女が校庭を見下ろしながら呟く。
「あの流れなら、ついでに言っちゃってもよかったんじゃない?」
「え〜、なんのことかなぁ。」
精一杯の強がりで余裕を見せながら私はとぼけてみせた。
「義之、好きなんでしょ。」
ぴしゃりと。いつものようなゆるゆるとした言い逃れは許さないかのように言い放たれた。
「やぁだよ。私重いのヤだもぉん。」
それでもいつものように軽く軽くかわすように