SS投稿スレッド@エロネギ板 #11

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226新東雲学園都市の狂乱の一日
−−朝:教室−−

信綱:ペトレーションの脅威も去って世は泰平、事もなし、か。何かつまらんね。
蔵人:いいじゃないか。悪いことじゃないだろ。
信綱:悪いとは言わんさ。だが退屈であることも事実だ。お前は違うのか、蔵人?
蔵人:俺は田舎育ちだからな。ようやくこっちの生活に慣れてきたところだしそうでもない。
圭 :その割には、未だに一人では都心に出れないようですが?
蔵人:い、いいじゃないか。どうせ出掛けるなら一人で行くより誰かと行ったほうが楽しいだろ?

小夜音:おはようございます。皆様。
六花:おっふぁよーごらいまーふ!!

小夜音とりっちゃんが登校してきた。
小夜音はいつも通りドレスを纏い凛とした姿で。りっちゃんは相変わらず何か食べながら。
227新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:08:32 ID:zclMWaJh0
信綱:はいはい。おはようさんっと。(適当に手をひらひらさせて応じる)
小夜音:信綱さん、だらけきっていますわね。
六花:ほうだほうだ。
蔵人:…りっちゃん…行儀悪いから喋るか食べるかどっちかにしてくれ。っていうか十分君もだらけてるぞ。
六花:えええ!?私のどこがだらけてるっていうんですか!?
圭 :そうですね…。食べながら歩くのは元からだとしても、
圭 :最近部屋は散らかし放題ですし、夜更かししてまで怪しげな本を読みふけっていたり、それから…
六花:わー!わー!わー!私そんな事してませんー!っていうかどこまで知ってるんですかー!?圭さん!?
蔵人:りっちゃん…墓穴掘ってるぞ…。それに圭は階も違うし部屋に入ったことも無いのに何でそんな事知ってるんだ…。
圭 :僕はこれでも魔術師ですからね。色々あるんです(にっこり)。
六花:説明になってないよぅ…。
小夜音:六花さん、私生活には余り口を出したくはありませんが、婦人がそれではいけませんよ?
六花:ぅぅぅ…。
信綱:まぁ、りっちゃんらしいと言えばりっちゃんらしいけどな。
六花:フォローになってないよぅ…。(泣き崩れる六花。教室の隅で何かブツブツ言っている。いじけてしまったようだ)
小夜音:さあ、そろそろ始業ですわ。席に着きましょう。(小夜音、自席へ移動)

信綱:しっかし、小夜音は相変わらず隙が無いな。可愛げが無いって言うか。
蔵人:そんなことないぞ。小夜音だって照れたり慌てふためいたりした時は…はっ!?
圭 :へええ。それは興味深いですね。で、蔵人君は一体どこでそれを?
蔵人:ど、どこだっていいじゃないか。それより御影先生が来たぞ。

御影:席に着けー!出席を取る。

何でもない日常の何でもない一幕。
これがあの狂乱の日の幕開けだとは、このときの俺には全く思いもつかなかった。
228新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:08:48 ID:zclMWaJh0
−−昼休み:学食−−

小夜音:お茶会…ですの?
圭 :そうです。いつも小夜音さんには美味しいお茶を振舞って頂いてますから、
圭 :今度は僕がドイツ流のもてなしを小夜音さんに受けていただこうと思いまして。
小夜音:圭さんのおもてなしですか…。それは楽しみですね。是非行かせて頂きますわ。
圭 :ありがとうございます。信綱、蔵人、君たちも来てくれるよね?
蔵人:お、俺たちもか?
圭 :そうです。明日はデミウルゴス解体から丁度一ヶ月ですし、
圭 :ちょっとしたパーティも兼ねようかと思いまして。それに…
蔵人:それに?
圭 :来なければあの事とかこの事とかバラしちゃいますよ?(にっこり)
蔵人:あの事とかこの事って何の事だ!?
圭 :おや?言ってしまってもいいんですか。あの事とは…
蔵人:ま、待て圭。全く身に覚えは無いが、お前だけは計り知れん…。
蔵人:分かったよ、俺たちも行く。どうせ暇だしな。
六花:じーっ………。
圭 :ありがとう。では準備もありますし明日の夕食後にお待ちしています。
圭 :伊織先輩には僕から伝えましょう。丁度図書館に行く用もありますから。
六花:じーっ…………。
小夜音:分かりましたわ。中条さんたちと冬芽さんには私が伝言しましょう。
六花:じーっ……………。
圭 :お願いします。……どうしました、りっちゃん?
六花:な!ん!で!私を誘ってくれないのぉーっ!(ドゴーン!)
圭 :…だって六花さんをお誘いすると…
圭:部屋散らかされそうですから。 蔵人&信綱:食べ物全部食べられちゃうからじゃないか?
六花:むっきぃー!私そんなことしないもんっ!……………多分(ぼそっ
圭 :あはは。冗談ですよ。では明日楽しみにしていてください。ほら、りっちゃんも機嫌直して下さい。
229新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:09:02 ID:zclMWaJh0
−−翌日:寮−−

蔵人:そういえば圭の部屋に入るのは初めてだな。
信綱:そうなのか?まぁまがりなりにもあいつは魔術師だし、お前とは違う意味で風情に欠ける部屋だがな。
蔵人:お前は入ったことがあるのか?
信綱:まぁな。お前らがこっち来る前に何回かはな。

コンコン

圭 :どうぞ。いらっしゃい。
蔵人:お邪魔します。……うわぁ……。
圭 :?どうかしましたか?
蔵人:…いや、見るからに怪しそうな壷とか本とかあるけど…聞いちゃいけないんだろうな…。
小夜音:そんなことありませんわよ?この壷はいい壷です!(やや興奮気味)
信綱:だから言ったろ。風情に欠けるって。ついでに女の子らしくもない。
蔵人:それにしてもあの小夜音の様子は一体…?何か興奮してるようだが…。
信綱:ほっとけよ。スイッチ入っちまったんだろ。ま、壷の良し悪しなんて俺にゃ分からんがな。
圭 :あはは。どうやらそのようですね。でも良い品物であることも確かなんですよ?
圭 :もっとも、ここにあるのは魔術用の物ばかりですから無名の工芸師の手によるものが多く、
圭 :芸術的・史学的な価値はありませんけどね。
蔵人:はぁ……。
圭 :兎に角座っていて下さい。じきに皆さんも来るでしょう。
小夜音:圭さん!この壷は何ですの?この壷もいい壷です!(大興奮)
圭 :はいはい、その壷はですね…(苦笑交じりに小夜音に駆け寄る)
蔵人:……ま、いいけどな……。

六花:おっ邪魔っしまーっす!
冬芽&白衣&黒衣&伊織:お邪魔します…。
230新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:09:15 ID:zclMWaJh0
−−同日:圭の部屋−−

圭 :それでは皆さん揃ったようですね。
圭 :ほら、小夜音さんも一旦壷の鑑賞は中断して席について下さい。
小夜音:そ、そうですわね。私としたことがつい…。(正気に戻りちょっとバツが悪そうに着席する)

と。

「ブリッ」

一同:………。(沈黙)
一同:……………。(かなり気まずい沈黙)

圭 :……今のおなら……小夜音さん……?
小夜音:ちちちちちち、違いますわよ!?決して私ではありませんっ!(席を立って猛講義の構え)
蔵人:で、でもだな。今のはどう考えても小夜音の方から音が…
小夜音:違うと言っているでしょう!?それに私はレディとしての…
圭 :はいはい。分かりました。今のは「無し」にしましょう。折角のパーティを台無しにしたくありませんからね。
圭 :小夜音さんも皆さんもそれでいいですね?(ざっと見渡す)
圭 :では、小夜音さん、改めて席に座ってください。乾杯の音頭は僭越ながら僕が務めましょう。
小夜音:……色々言いたいことはありますが…分かりましたわ。(納得いかない表情ながら渋々再び着席)

「ブリブリブリッ」

一同:…………………。(とても気まずい沈黙)
一同:………………………。(どうしようもなく気まずい沈黙)
231新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:09:29 ID:zclMWaJh0
蔵人:小夜…
小夜音:私じゃありませんわよ!?ほ、ほほほ本当です!?
圭 :小夜音さん……。(何とはなしに同情の眼差し)
白衣:……。(赤面している)
黒衣:小夜音でもおならするんだ。そりゃそうよね。おならしない人間なんて居ないし。
黒衣:でも人前でやって欲しくないな。(何とか平静を保ちつつも、どこか冷めた表情)
冬芽:あ、あああああ、あのですね。放屁というのは生理現象の一つですから、
冬芽:そんなに恥ずかしがらなくても、いえ、でも…あわわわ…(錯乱して何を言ってるか分からない)
蔵人:お、落ち着け冬芽!あ、あれ?何か異臭が…。
小夜音:ちちちちち、ち、違うと言ってるでしょう!?な、何ですの、この臭い!?
圭 :小夜音さん……。(物凄く同情の眼差し)
伊織:……小夜音のおならは臭い……。……覚えたわ。
蔵人:さ、小夜音も落ち着けって!伊織先輩も焚きつけるような事言わないで下さい!?
伊織:?(何が?と言いたげな表情。心底分かってないらしい)
蔵人:ああ、もう!信綱、お前も黙ってないで何とかフォローしてくれよ!おい、信綱?

信綱:………くくく………
信綱:どわぁーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!!

信綱:いやー、あの小夜音がこんな臭いおならを二連発ねぇ…ひーっひーっ、腹痛ぇー!
小夜音:だ!か!ら!私ではないと何度も言っているでしょう!?
信綱:照れるな照れるな。冬芽も言ってるじゃないか、誰にでもあるただの生理現象だって。……くっくくくっ
小夜音:ちょっ……
信綱:しかし凄い臭いだな。ぷっくくくっ…。レディともあろう御方が。おい、圭、窓開けろ窓!
信綱:あ、いやこの臭いを外に撒き散らしたら不審がって人が集まってきちゃうか?
信綱:「どうしたんですかー?」って。そしたら小夜音、お前が答えるんだ。「私のおならですわ」ってな。

信綱:どわぁーっはっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ!!!!!!!!!
232新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:09:43 ID:zclMWaJh0
小夜音:これだけ否定していますのに……!(肩を震わせ俯く。その肩は怒りと恥辱でプルプル震えている)
蔵人:小夜音…。(その肩を蔵人がそっと抱く)
小夜音:蔵人…。
蔵人:いいんだ。小夜音。顔を上げるんだ。そんな小夜音は見たくない。
小夜音:蔵人……!

救われた!蔵人にだけは信じてもらえた! そんな思いで顔を上げた小夜音の視線の先には……!


や た ら 生 暖 か い 視 線 の 蔵 人 が 居 た 。


蔵人:誰にでも失敗の一つや二つはある。だから小夜音、そう落ち込むな……。

「ブチブチブチッ」

小夜音:どうあっても信じてもらえないようですわね…。(何か覚悟を決めた表情。ちょっと笑っている。が、怖い)
信綱:ひーっ、ひーっ。あ?何だって?
小夜音:いいですわ。おならは私がした。それで満足かしら?
信綱:お、ついに罪を認めたか!
冬芽:スサノオ様…その様な言い方は可哀想です…。
小夜音:結構ですわ。おならは私がした。それで結構です。
信綱:自首すれば罪は軽くしないでもない…くくっくくく…。それにしても凄い音と臭いだったな!(まだ悪ふざけモード)
小夜音:そうですわね。……でもご存知かしら?
信綱:あ?何がだよ?

小夜音:どのような罪も、露見しなければ良いのですわよ?(背後から黒いオーラが沸き出ている…ように見える)

信綱:つ…つまり…?(ゴクリ)
小夜音:あ な た 方 を 殺 し て 私 も 死 に ま す ! ! ! !
233新東雲学園都市の狂乱の一日:2006/12/02(土) 23:10:00 ID:zclMWaJh0

…それから後の事は覚えていない……。
いや、正確には覚えているのだろうが、記憶を辿ろうとすると言い知れぬ悪寒と共に冷や汗が噴出するのだ。

きっと、思い出さないほうが良いのだろう。
小夜音のためにも、何より自分のためにも。

それにしても、おならくらいであんなに激昂しなくても良いと思うのだが…。
そういう考え方だから、皆に「朴念仁」と揶揄されてしまうのだろうか。


−−狂乱後:圭の部屋−−

圭 :やれやれ。小夜音さんの恥ずかしがる姿と、慌てふためく姿を見る為に企画したのはいいけど…
圭 :ちょっとやりすぎちゃったかな。僕の仕業だって言い出すタイミングも逃しちゃったし。
圭 :このブーブークッションと、悪臭の出る香炉は秘密裏に処分してしまおう。
圭 :さもないと…。(あの日の記憶と共に悪寒が走る)
圭 :……でも楽しい一日でした。(にっこり)

234新東雲学園都市の狂乱の一日 あとがき:2006/12/02(土) 23:10:23 ID:zclMWaJh0
投下終了。
エロゲでSS書くのは初めてで不慣れな点も多く、
他の投稿者の方とスタイルも違うようですが、如何だったでしょうか?

他にもネタはいくつかは思いついてますので、時間と要望がありましたらまた。
…要望なくても勝手に投下しちゃうかもですが。