「太一、君の名前だよ」
「ごめんね……あたしが、計画性のない子だから」
「パパのこと、好きになっちゃったから……」
「必死に生きてたからさ、パパ」
「短い人生ってわかってて、必死に……」
「そんでね」
「あたしも、長くないんだって」
「ごめんね……」
「太一はこれから、いっぱい苦労すると思う」
「あたしも、もういないパパも、味方になってあげられないんだ」
「でもね」
「愛してるよ、太一」
「すごく、すごく愛してる。生んで良かったって、思う」
「もし生まれ変われたら、もう一度生んであげたいってくらいだよ」
「そんくらい、愛してるんだ」
「ごめんね……それだけしか残してあげられなくて……」
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