SS投稿スレッド@エロネギ板 #10

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1名無しさん@初回限定
エロゲー全般のSS投稿スレです。あなたの作品をお待ちしています。
エロエロ、ギャグ、シリアス、マターリ萌え話から鬼畜陵辱まで、ジャンルは問いません。

そこの「SS書いたけど内容がエロエロだからなぁ」とお悩みのSS書きの人!
名無しさんなら安心して発表できますよ!!

  【投稿ガイドライン】
1.テキストエディタ等でSSを書く。
2.書いたSSを30行程度で何分割かしてひとつずつsageで書き込む。
 名前の欄にタイトルを入れておくとスマート。
 なお、一回の投稿の最大行数は32行、最大バイト数2048バイトです
3.SSの書き込みが終わったら、名前の欄に作者名を書きタイトルを記入して、
 自分がアップしたところをリダイレクトする。>>1-3みたいな感じ。
4.基本的にsage進行でお願いします。また、長文uzeeeeeeと言われる
 恐れがあるため、ageる場合はなるべく長文を回した後お願いします。
5.スレッド容量が470KBを超えた時点で、
 ただちに書き込みを中止し、次スレに移行して下さい。

保管サイトはこちら
http://yellow.ribbon.to/~savess/

過去スレ >>2-4辺り
2名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 02:26:56 ID:cPxIyXiU0
前スレ
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #9】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1122734008/

過去スレ
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #8改め】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1085752559/
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #7】
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1071577546/
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #6】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1055686320/
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #5】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1051721989/
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #4】
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1036495444/
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #3】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1013/10139/1013970729.html
【SS投稿スレッド@エロネギ板 #2】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1006/10062/1006294432.html
【SS投稿スレッド@エロネギ板】
http://www2.bbspink.com/erog/kako/984/984064183.html
【SS投稿用スレッド@エロゲー板】
http://www2.bbspink.com/hgame/kako/979/979813230.html
3名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 03:09:18 ID:RMlO0+ax0
>>1
4はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 12:49:51 ID:wCU07zhe0
 そうっと目を開ける
あちこち身体を動かしてみるが軽い
どうやら、風邪はもう大丈夫みたいだ
「そうだ……雄真は?」
部屋を見るが雄真の姿はない。明け方に帰ったようだ
私の机の上に、おかゆが置いてある
まだ、温かい所をみるとほんの少し前に作っておいてくれたらしい
「雄真………」
眠りに落ちる前に微かに感じた感触を思い出して、唇に手を触れる
「うん……そうだよね……よし!学校に行こう」
私は登校するために準備を始めた


「ふぁ〜〜。さすがに眠いなぁ……」
早朝――
準の熱が下がったのを確認して、俺は家に帰った来た
勿論、登校する準備をするためだ
「ただいまぁ〜」
「あ、兄さん!お帰りなさい」
「おうっ」
「あの……準さんの容態はどうでしたか?」
「あぁ、熱も下がってたし、もう大丈夫だろう」
「そうですか…よかった」
「朝は、準におかゆを作るついでに喰ってきたから、後は着替えて用意するだけだ」
「そうでしたか」
「じゃあ、ちょっと着替えてくる」


「う〜〜ん」
俺は思いっきり伸びをする
「大丈夫ですか兄さん?だいぶ疲れてるみたいですけど?」
「あぁ、心配しなくても大丈夫だぞ。なんだかんだでちゃんと寝たし」
5はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 13:10:34 ID:wCU07zhe0
「それならいいですけど……兄さんまで風邪ひかないで下さいよ」
「わかってるよ」


少しいつもより遅い時間に教室に入る
一番最初に声を掛けてきたのはやっぱり――
「おはよう、小日向くん」
「おはよう」
「今日はちょっと遅かったね」
「うーん、まぁいろいろあってさ」
教室を軽く見回す
(やっぱ、準のやつ来てないな……帰りにもう一回様子を見てくるか)
椅子に座って早速寝る準備に取り掛かる
すももにはああ言ったものの、やはり睡眠時間は足りていなかった
「おやすみ〜……」

ガラッ――
「あれっ……っと、雄真〜」
教室に勢い良く入ってきたのは
「準!?……お前もう大丈夫なのか?」
「うん、もう平気だよ。でも良かった」
「なにがだ?」
「なかなか、こないから今日雄真休みかなって思って先生に確認しに行ってたのよ」
「あ――それは悪かったな」
「ううん、来てくれたんだからいいの。
 もし私のせいで雄真が休んだらって思ったら………」
「心配するなって。お前こそ元気になってなによりだ」
「うん」

「おや〜おやおや〜なんか朝から見せ付けちゃってるけど、
 なんかあったのかな〜〜?」
「柊!?」
6はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 13:34:28 ID:wCU07zhe0
 考えてみれば、というか考えなくても朝から
こんなことをやってれば目立つわけで、いつのまにか
俺達は、教室中から好奇の視線に晒されていた
「さぁて、じっくり聞かせてもらいましょうか雄真〜」
いつの間にか周囲を囲まれている
(っていうか、しっかり春姫も聞く態勢だし……)


「い、い、いや別に、昨日準が熱をだして、看病するやつがいなかったから俺が看病してただけだ」
「風邪……なの?」
「ああ」
「ちょっと!大丈夫なの準ちゃん!」
心配そうに準を見る柊
「ええ。昨日雄真が一生懸命看病してくれてたから、もう大丈夫よ♪」
「よかったぁ……でも、なにかあったんじゃないかと期待しちゃったのに」
「昨日はずっと雄真に手を握って貰ってたの」
「な!?お前なに言って―――!!」
いきなり準が昨日のことを言い出す
(ちょっと待てよ?昨日…昨日…なんか大事なことを忘れてるんじゃないか?
 ……確か眠る前に……準がなにか言って……俺は………っ!!!)
唐突に全て思い出す。俺は眠る前に準のお願いを聞いて―――
「まて!!準っ!!昨日のことはそれ以上―――!!」

「キスしてもらっちゃった♪唇に♪」

春姫&杏璃&教室中
「な・なんだったってぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」




7はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 13:50:15 ID:wCU07zhe0
 そこから教室は混乱の坩堝となった
「次のコミケはこれに決まりね!」
「いい同人誌が描けそうだわ!どっちが受けなのかしら!」
「てめぇ、こら雄真どーゆうつもりだ!!」
「真実の愛ね!それでこそ雄真だわ!」
「お前は今日、準ちゃんのファンクラブに殺されるぞ!」
「裁判だ!!判決は死刑のみ!」
「プラトニックですのね……」

柊「ついにやったわね!雄真おめでとう!!」
春姫「雄真くん……すごい……」

「って、こら準!お前一体なんのつもりでそんな―――!!」
私はすっと雄真の首に手を回す
はっきりとわかる。いままではここまで済ませていた境界線
もう冗談ではすまない
いや、もう冗談では済まさない

「雄真……んっ…………」
「〜〜〜〜〜!!!」
そっと呟いて二度目のキスは私から、雄真に口付けた


春姫&杏璃&教室中
「きゃあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

教室は再び黄色い歓声に包まれた
8はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 14:14:45 ID:wCU07zhe0
 俺と準のことは瞬く間に学園中に広がり、俺は一躍時の人となった
(あらためて…準の人気はすごいんだなぁ……)
と、まぁそんなことを投げやりに考えてしまう
既に俺は目の前にいる人と会話するのを諦めて、ひとり思索に耽っていた

「きゃあぁぁぁあ☆やったわ!ついにやったわね!雄真くん♪
 あえて困難な道を選ぶなんて、お母さん感激しちゃう☆」
「違うっ!?」
「それで、準ちゃん、結婚式はいつにするの?」
「私は、今すぐにでもいいですよ。ね、雄真ぁ?」
「勝手に、話を進めるんじゃない!!」
「そうねぇ、私も雄真くんのお母さんとして準ちゃんの、ご両親に挨拶しにいかなきゃ」
「はい♪両親も雄真くんだったっらっていつも言ってくれてますし」
「障害は――」
「なにもありません☆」
がしっと手を握り合う二人

(もうだめだ…………)
二人はもう止められそうになかった

お昼を食べ終わった後も、ファンクラブの審議会にあったり、教職員から、
『お前ならやれる』とか変なお墨付きをもらったりと、まさに怒涛の一日が経過した


最後のチャイムが鳴る
「やっと放課後か………」
既に俺は戦地に赴いた兵隊の如く疲れ果てていた
「雄真〜、一緒に帰ろ♪」
明るくそんなことを言ってくる準を、恨みがましく見る
「やん、もうそんな目でみないでよ〜ささ、帰りましょ」
準にせかされて俺は席をたった
9はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 14:46:53 ID:wCU07zhe0
 帰り道を二人無言で歩く
なにか文句を言おうにも、準はずっと俯き加減で歩いている
しばらくしてから、ぽつりと準が呟く
「迷惑………だったかな……?」
チクリと胸を刺す言葉
「あ、当たり前だろ!?おかげでな俺はなぁ!!」
「そう……よね………」
ぱっと顔を上げる
そこには目にいっぱいの涙を溜めた準の顔があった
「でも!でもね!……昨日もし雄真がしてくれなかったら、諦めようと思ってたの!!
 そしたら、いつもみたいに雄真の隣で笑っていられるように……
 でも、もし……キスしてくれたら、私はほんとに雄真のことを……」
「俺の……所為か……?」
俺が昨日してしまったことがいま準を泣かせているのか
「私は、男だから……本当にみんなに信用してもらうにはああするしかなかったの
 でも、その所為で雄真にたくさん迷惑かけちゃって……昨日もあれだけしてもらったのに、
 また、迷惑かけて………」
今までに準が俺にこれだけ真っ直ぐ思いをぶつけてきたことはない
それだけに、こいつの真剣さが伝わってくる
俺はこいつの思いにどう答えてやればいい?
少なくとも真剣に答えなければならない
「なぁ、準。そのなんだ今はまだ、俺は気持ちに整理をつけられないんだ。なんとも急な
 展開だしな。少し疲れもあるしさ……」
「雄真……私のこと…拒否しないの?いいんだよ!それは当然のことなんだよ!
 雄真が私のこと否定しても、それは普通のことなんだから!!」
自分でその言葉を口にすることはどれだけ辛いのか
小さく肩を震わして、溢れ出した涙を拭おうともせず、俺の気持ちを優先させている
その姿は、本当にただの――
「女にしか見えねぇよ」
「え………?」
「お前の気持ちはわかった。今度は俺から言うよ。でもな、俺も時間が欲しいんだ、
 明日…明日俺の気持ちを伝えるよ」
10はぴねす『準・翌日』:2006/04/13(木) 15:01:40 ID:wCU07zhe0
「うん」
いつもの分かれ道
ここからは反対の道を帰る
「でもな………」
準の身体を引き寄せる
その姿を見て俺はそうすることが正しいのだと自分に言い聞かせる
「――――!?」
「迷惑だとか、嫌いだとかそんなやつに、俺は絶対キ、キスしたりしないぞ」
(ええい!!一回も二回も同じことだ!!)
が、そこは気持ちを整理しきれない悪さか、俺は唇ではなく頬にちょんとキスした
「ま、また明日な」

「雄真………」


その頃
???「うわぁお、やっぱ雄真やるときはやるのね〜」
???「ね、ねぇ、やっぱり良くないよ覗き見なんて…」
???「なに言ってるの、さっきまで身を乗り出してたくせに」
???「も、もう杏り……んぐ!!」
???「し!静かにしなきゃばれるでしょ」
正体不明の二人組みが覗き見していた


『翌日』おわり
11名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 15:08:15 ID:wCU07zhe0
ライバル宣言忘れた……orz
12名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 15:16:57 ID:/VNfdUig0
GJ!  忘れたってことは、まだ続く?ヒロイン渡良瀬準をまだ見ていたい
13名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 15:30:11 ID:wCU07zhe0
また明日なとかやっちゃったんでw

ネタとかなんかないですか?

14名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 15:48:59 ID:/VNfdUig0
雄真が風邪をひく・・・ベタな感じですが、甲斐甲斐しく看病する準の姿を見たいなぁ。
15名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 16:28:54 ID:wCU07zhe0
やってみますね
16名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 16:30:38 ID:rKW8MhVk0
>>11
リクエスト聞いていただいてありがとうございました。
これからも準にゃんを、一心不乱に準にゃんを宜しくお願いします。
17はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 17:55:52 ID:wCU07zhe0
『また明日な』
確かにそう言って別れた
私はベッドに寝転んでその言葉を反芻する
「信じていいんだよね……」
頬と唇に残る感触…
わざわざ言葉に出す
(信じるしか出来ないよね)
私はゆっくり目を閉じて明日を迎える


「あー参ったなぁ……」
体温計に目を向ける。そこには38.4℃と表示されていた
「当たり前だよなぁ……そりゃああんなことすればうつっても仕方ないか
 昨日も大変だったし……疲労は身体に毒だなぁ……」
「兄さん、私とお母さんは学校に行きますから、帰ってくるまで安静にしてて下さいね」
「ごめんね雄真くん、ほんとはずっと看病していてあげたいんだけど……」
「気にしなくていいよかーさん。そんなに大した事ないし」
「でも……」
「大丈夫だって」
「そう……でも、なにか合ったらすぐに連絡してね」
「わかった。そうするよ」
かーさんとすももはぎりぎりまで俺を心配しながら出て行く

「う〜〜ん、どうしたものか……」
気になるのは昨日の事
「自分で明日とか行っておいてこのざまかよ」
本来ならば準の思いに答えてやらねばならないというのに
「考える事も億劫なんだよな」
頭痛ががんがんする。足取りもおぼつかない
「あ〜〜もう」
どうにも出来ず俺はベッドの上に倒れこんだ
18はぴねす『準』:2006/04/13(木) 18:20:24 ID:wCU07zhe0
「おはよう」
教室に入ってすぐ確認する
「あれ?雄真はまだ来てないの?」
「小日向くん?まだ見てないわ」
「雄真?私も見てないわね」
時計を見る。すでにいい時間だった
「どうしたのかしら雄真……」
いくらいつも遅いとは行っても、もう来てなければおかしい時間だ
チャイムが鳴る

(早く来てよ……)
答えなどどうでもいい。いまここに雄真がいないという事実だけが怖い
先生が教室に入って出欠を確認する
私はすかさず尋ねる
「先生、雄真はどうしたんですか?」
「小日向か?どうやら風邪らしい。さきほど親御さんから聞いたぞ」
「―――っ!?」
(私の風邪がうつったんだ!!)
たださえ看病疲れしている時に、昨日もあんなに振り回して
いても立ってもいられなくなって、私は
「先生!生理がなので休ませてもらいます!!」
それだけ行って教室を飛び出した
「渡良瀬は生理って……って!ちょっ!おい!!渡良瀬!?」


「風邪なんかひいたのも久しぶりだし……確かにこれは辛いな……」
関節がぎしぎしと痛い
「せっかく笑って○いともを見ようと思ったけど、それどころじゃないな」
テレビをつける程の余裕もなく、ただ思考することしか出来ない
「あ〜〜、準のやつ今頃心配してるだろうなぁ……なんだって大事な時に」
準の気持ちにどう応えればいいか、ただ考える
このまま受け容れることは、準の為にもいいのかどうか?
19名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 18:42:07 ID:wCU07zhe0
「あいつだって女の子を好きになる時だってあるんじゃないか?」
だとすれば、いまその気持ちに応えていいのか
思考の袋小路に迷い込んで、力尽きる
結局答を見つけられないまま
ピンポーン
呼び鈴が鳴る
一度は無視を決め込んだものの、なかなか諦めてくれない
「あぁくそ!!」
床を匍匐前進しながら遅々たるスピードで玄関に向かう
「はぁはぁ……長い道のりだったぜ」
額を流れ落ちる嫌な汗を拭って、鍵を開ける
「どこの誰からはしらんが、今日は帰ってくれるとありがたい……って準!?」
訪問者の顔を確認して、頭が混乱する
「お前学校は……どうしたんだ?」
「雄真が風邪で休んでるって聞いて、私も休んできた」
「休んでって……なにで休んできたんだ?」
「生理」
「おい!?……っつ頭痛が……」
「ごめん、ごめんね……雄真、私がうつしちゃったんだよね」
「べつにお前の所為じゃない。昨日の夜中に外で素振りしてたのが間違いだったな」
「ばか……」
俺のついた会心の嘘も直に見破られる
「ショック……」
「なに言ってるの。それよりもほら、動ける?」
「微妙……」
準の細い肩を借りて、俺は部屋まで戻る

「あ……?おかゆとかもう用意してあるのね」
「あぁ。かーさんが出かける前に作っていってくれたんだ」
「着替えは?」
「さっきしたばっかりだから……」
20はぴねす『準・明日』失敗です↑:2006/04/13(木) 19:06:35 ID:wCU07zhe0
会話が止まる
「私、あんまり来た意味ないわね」
少し寂しそうに呟く
きっと俺を看病するために慌てて来てくれたんだろう
隣に座っている準の頭にポンッと手を置く
「そんなことはないさ。病気の時は誰であろうと傍にいてほしいものだって言ったろ?」
「そうね……」
「俺はお前が来てくれて嬉しいぜ?」
「優しいね雄真は……私のほうが励まされてるなんて……これじゃあ逆の立場だよ」
それからしばらく会話を続ける
俺はさっきまで考えていた事を聞いてみる
「なぁ……お前はさ、たとえば異性を好きになったりしないのか?」
「………?」
「春姫や柊とか美人だし、そうゆうことはないのか?俺がお前の気持ちを受け容れる
 ってことは、お前も――――!」
唐突に人差し指で口をふさがれる
「私にとって……雄真はずっと異性だよ」
「…………はぁ……お前の気持ちはわかったよ。おい、準ちょっと耳貸せ」
起き上がれない俺は、ちょいちょいと準を呼ぶ
「ん……なに?なんでも言ってね。そのために来たんだから」
「じゃあ、なんでも言うぞ。………いいか準」
「うん」
耳元でそっと―
昨日まで考えていたことなどすっかり忘れて、ただ素直に―
「……俺もお前が好きだ……」
「え?え?……ね、ねぇ雄真……」
「……俺もお前が好きだ……」
はっきりと言う
いつも準は俺に対して好きといってくれるが俺はまだその台詞を
一度も準に言ってないことに気付いたから
何度でも―
伝わるまで―
21はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 19:14:40 ID:wCU07zhe0
「……俺もお前が好きだ……」
ぴくっと身体が震える
「……どうしよう……なにも言えないよぉ……雄真ぁ……」
ずっと聞きたかった言葉
言って欲しかった言葉を言われて
涙をこぼす
「まったくお前は泣いてばっかだな………」
「だって……だって……雄真ぁ……」
まるで幼い子供の様に私は雄真の胸で泣きじゃくる
通じた思い
絶対に叶うことはないのだと、ずっと胸に隠した思いを全て吐き出すように
私は泣き続けた

『明日』第一部おわり
22はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 19:17:32 ID:wCU07zhe0


・このままHシーンを見る (注)801板の住人の力が必要です

・スキップする  ←


第二部未完
23名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 19:29:13 ID:oeMrX/jEO
Hシーンなくても、雄真のベッドに準が潜り込むとか だめ?いちゃいちゃ とか好きなんで
24はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 19:34:43 ID:wCU07zhe0


・このままHシーンを見る (注)801板の住人の力が必要です

・スキップする 

・一緒に寝る  ←

新しい選択肢が追加されました
25名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 19:45:10 ID:rKW8MhVk0
>>23
添い寝してたら何時の間にか2人して眠ってしまい、お約束のようにすももや見舞いに
来た杏璃達がその場を発見、誤解され外堀を埋められていく件
26はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 19:50:01 ID:wCU07zhe0
「ねぇ……雄真、少しは眠ったほうがいいよ」
「うん?……そうだな……わかったそうする。お前はそろそろ学校に
 戻ったほうがいいんじゃないか?」
「いいの……もう休んじゃったし……ね、ねぇ雄真、私も一緒に寝ていい?
 なんだか泣き疲れちゃったから」
「あぁ、いいけど。布団は自分で出してくれるか?俺はあんま動けそうにないし」
「雄真と、同じベッドじゃだめ?」
「っぶっ!?いや、あのな準、いくらなんでも――」
「だ・め?」
じっと雄真の目を見つめる
「く、そんなチワワのような目で見つめられると………わかったよ!ほら、入れ!!」
雄真がベッドの上を少し空けてくれる
「ありがとう☆ちゅっ」
「でも、あれだからな、ほんとに寝るから話相手にはなれんぞ」
「私も少し休みたいから大丈夫よ」
「しかし、こんなとこかーさんやすももに見られたら……想像しただけで地獄だな」
「いいじゃない、結婚するんだし」
「早っ!?ま、まぁそれはそれとして目覚ましを掛けて置こう」
「そんなのいいのに」
「俺が駄目なの!ほら、もう寝るぞ。ベッド狭いんだからもっとこっちにこい」
そう言って、雄真が私を抱きしめてくれる
「おやすみ……準……」
雄真に温かく包まれて私は安らかに眠りに付いた
27名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 19:51:21 ID:oeMrX/jEO
>>25
でも、かーさんは祝福してくれるんでしょ
28はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 19:52:07 ID:wCU07zhe0


・目覚ましが鳴る

・何故か目覚ましがならない  ←


なぜかギャルゲー状態にw
ちょっと食事してきますね
29はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 21:10:37 ID:wCU07zhe0
「姫ちゃん達も、わざわざ兄さんのためにありがとうございます」
「ううん、いいの。小日向くんにはいつもお世話になってるし」
「今日はバイトもなかったらねー」
カチャリ
「ただいま〜、兄さん春姫さん達がお見舞いに来てくれましたよ」
「お邪魔します」
「雄真〜寝てるの〜?」
ガチャ
「兄さん気分はどうです………か………」
「どうしたのすももちゃ………」
「ん?」
そこには二人幸せそうに、ひ・と・つ・のベッドで抱き合って寝ている
「兄さん………」
「と………準さん?」
「血相抱えて飛び出していったと思えばこーゆうことだったのね」
「な!な!な!なにしてるんるんですか!?兄さん!?」
ゆさゆさと揺さぶる
「ん…………すもも?むにゃ……ああ学校が終わったのか?
 ?ああそれに、春姫に柊も……見舞いに来てくれたのか……」
「に、に、兄さんそんな普通に挨拶してる場合じゃないです!!」
「なにさっきから慌ててるんだすもも?」
「あのー小日向くん」
春姫がツンツンと指差す
どうも先程から身体が重い
重い?……重い……?
「ふにゃ〜…雄真ぁ〜…好きぃ…………」
カッと脳が一瞬で覚醒する
「しまっ……って目覚まし!?」
その秒針ははかなくも役目を忘れ停止していた
「ぬかったあぁぁぁぁァァァァァァァァ!!!!」
「えへへ〜………今日は一緒にお風呂に入ろうね〜」
「お前もいつまでも寝言言ってないでさっさと目を覚ませ!!!」
30はぴねす『準・明日』:2006/04/13(木) 21:16:36 ID:wCU07zhe0
「イタタ……あれもう体調はいいの雄真?じゃあ目覚めのちゅう〜」
ん――と顔を近づけてくる
どうもまだ寝ぼけているらしい
「ま・わ・り・を・よ・く・み・ろ!!」
「へ?」
そこには三者三様ひきっつった笑みを浮かべる三人

こうして俺の過酷な取調べが続くことになった

おわり
31名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 21:25:06 ID:/VNfdUig0
GJ!GJです。これならメインヒロイン張れると思うんだけどなぁ。
私的にはぴねすで一番可愛いのは準だと思うのに…
32名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 22:17:30 ID:cPxIyXiU0
>30
本日2度目の超乙!素晴らしい準にゃんSSをありがとう!
つーかほぼ1日中掛かりきりだったのかw
33名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 22:27:11 ID:wCU07zhe0
仕事が休みで、外は雨
暇だったのですw
34名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 23:11:05 ID:nzUrkcuwO
うおおおおぉ!!!グッッッッッじょーーーーぶッ!!!!
35名無しさん@初回限定:2006/04/13(木) 23:16:19 ID:rKW8MhVk0
>>33
前スレと今スレ2度も希望を聞いてくれるなんてトンです!!
俺も今日講義無かったし雨で外行かなかったんで楽しませてもらいました。
36名無しさん@初回限定:2006/04/14(金) 00:04:25 ID:UfBZynVY0
>>33
今朝前スレを覗いたおかげで一日中妄想、仕事が明日に残ってしまったぞこのやろう


「私にとって……雄真はずっと異性だよ」
ああ、名言だなあ
37名無しさん@初回限定:2006/04/14(金) 01:21:12 ID:oKSyoBFc0
ちょwwwwwwww
まじでGJだよwww
久々に感動したw
38名無しさん@初回限定:2006/04/14(金) 08:01:21 ID:ltzKnhODO
ちょwwww何この凖にゃん神wwwwww
携帯でしか見れんのが悔しい
39名無しさん@初回限定:2006/04/14(金) 10:31:58 ID:cTI1qxUv0
テキスト保存したぜ、GJGJ
40名無しさん@初回限定:2006/04/14(金) 21:45:21 ID:/z4+YLN30
ありがとうございます

仕事中にBLの勉強をしてますから
いつかは準にゃんとHかけるといいなぁ…

とりあえずいまは雄真くんとの出会いっていうのを考えてます
なんか要望とか言ってくれると嬉しいですね
41じゃあ:2006/04/14(金) 23:55:08 ID:UfBZynVY0
先に声を掛けたのは雄真の方ということで
42名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 00:21:10 ID:Byx3Y+4X0
ハーレムルート前提(伊吹、沙耶共にH有り後)。

準がUMAとキス程度の関係で、前回同様そのことを皆の前で暴露。
それに対抗して伊吹と沙耶は関係持ったと暴露。(互いに自分だけと思ってる)
何も関係が無いことをキレる春姫たちに、沙耶とUMAの関係を知ってUMAに
対し魔法を発動させるシスコン信哉。当然信哉は沙耶によって気絶させられる。
もちろん祝福するかーさんずに、あまりの衝撃にその場から逃げ出す八。
43名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 00:25:57 ID:KbF6n72X0
>>42
それ「出会い」か?
44名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 00:34:17 ID:Byx3Y+4X0
「出会い」ってとこ読んでなかった。スマソ
45名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 06:13:58 ID:rUhzssPy0
>40
はぴねす!VFBによると、準と雄真は小学校高学年あたりからの付き合いだそうな
そのころから既に女の子の格好をしていたらしい
46名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 07:21:51 ID:7APmVDTIO
準と雄真のボーイミーツガール?ボーイミーツボーイ?期待してます

準は小学生の頃からあの格好とのこと、イジメとかなかったのだろうか。
イジメっ子らを雄真が退治→準が一目惚れ なんてのを勝手に想像してしまいました
47名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 09:33:11 ID:KbF6n72X0
バーコードファイターの烈と桜みたいな感じかな?>>小学生時代
48名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 11:02:36 ID:OCZzyEXm0
最終的に結婚まで書ければなぁと思ってるんですけど

なんかもうそれすると準にゃんルート丸ごとかよ俺!!って感じですw

>>41
雄真の方から準にゃんに声を掛けるでいいのかな?

じゃあ

イジメっ子らを雄真が退治→準が一目惚れこんな感じの流れでやって見ますね

49はぴねす『準・昨日』:2006/04/15(土) 11:29:49 ID:OCZzyEXm0
 お昼休みになって私は雄真のほうに声を掛ける
「ねえ、雄真一緒にお昼…………ってどうしたの?」
いつの間にか私の周りに春姫ちゃんと杏璃ちゃんがいる
「ねえ、準ちゃん一緒にお昼食べない?」
「いいけど、雄真も………」
「あぁ…雄真いいの!!」
「?」
「ごめんね」
「ん〜、いいけどどうかしたの?」
「いいから、いいからこっちこっち」
「え?あ?ちょっと」

 何故か中庭まで連れて来られる
確かに天気は快晴で気持ちいいけど……
「ささ、ここでお昼食べましょ」
「うん……」
「あ、敷物用意するね」
手際よく準備をする二人
「うん、準備も整ったし、聞きたいんだけど準ちゃん」
「なにかしら?」
「いま、準ちゃんと雄真は理想の二人って言われてるじゃない?」
「えーっと、少し恥ずかしいけど……」
いま学園では二人はまさに真実の愛の体現者と言われていた
それはともかく
「どうして準ちゃんは、その…雄真のこと好きになったの?」
「私も聞きたいな。もし、よかったら教えてくれる?」
きょとんと目を瞬かせる
「そんなことだったの?もうなにかと思って心配したじゃない
 うん、いいわ。話してあげる………あれは……」
私は、いまでも昨日のことのように思い出せるあの日のことを話し始めた
50はぴねす『準・昨日』:2006/04/15(土) 12:18:52 ID:OCZzyEXm0
「あれは、私が小学校の頃ね………」
 記憶をゆっくりと辿って行く


「どうしておまえ、おんなのかっこうなんかしてるんだよ」
 今までに何度も聞いた言葉
自分達と違うものに容赦なく牙を向ける
どうしてなんて言われても、私にはこれが普通だからわからない
 でも、大丈夫。きっと先生が助けてくれる
「いじめはいけません」
ほらこんなふうに――

 学校が終わって、私はひとりで公園にいる
なにかして遊ぼうと思ったのか、私はブランコに乗っていた
友達なんていないのに、ひとりで

 その時、声がした
聞き覚えのある嫌な声
「あ、おまえなにしてるんだよ」
 いつも私をいじめてくる嫌な奴
でも、どうしようここには先生はいないのに
「おまえおとこだろ!なんでそんな格好してるんだよ!」
乱暴に身体を捕まれる
「いや!やめてよ……!」
「まえから気に入らなかったんだ」
恐い 恐い 恐い
私はなにもしてないのに、どうして?
男の手が顔の前に迫ってくる
(殴られる――!?)


51名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 12:40:04 ID:OCZzyEXm0
「あれ……?」
どうしたんだろう?なにも起こらない
「な…に……?」
目を開けると頬を押さえて蹲っている
「え………?」
いつの間にかそこにはもうひとり男の子がいた
「あ………」
目の前に庇うように立っていたのは、私の知っている顔
私はその子を知っていた
学校に来る時、いつも小さな妹の手を繋いで学校に来る兄弟
お兄ちゃんに手を引かれている妹はとても幸せそうで、
兄弟のいない私は、いつも羨ましそうにその兄弟を見つめていた
「だいじょうぶ?」
「え?…あ、あの、はい」
いきなり質問されて慌てて答える
「よかったぁ」
ふっと胸を撫で下ろす男の子
「お兄ちゃん大丈夫?」
妹もいたのか、いつの間にか近寄ってきた
「うん、大丈夫」
いつの間にか私を苛めてた男の子はいなくなっている
「女の子を苛めるなんて最低だね」
どうしたんだろう、なにもされてないのに胸が痛い
言わなくても、いいはずなのに自然と言葉が口からこぼれる
「わたし、おとこだから」
「へ?」
兄弟そろってきょとんとしている
「ほんとなの?」
「うん」
自分で胸をぺたぺたと触ってみる
「そ、そうなんだ」
これで、嫌われるかもしれない
52はぴねす『準・昨日』:2006/04/15(土) 12:58:38 ID:OCZzyEXm0
そう思うと涙がでそうになった
「でも、可愛いね!とても男の子には見えないよ!僕と友達になってくれる?」
「………え?」
友達……?私と?
「だめ……かな?」
手を差し出して来る
いつも隣にいるこの子が幸せそうに握っている手
その手に私も、恐る恐る手を差し出した
「う、うん……」
「そっか!!ありがと!じゃあ一緒に今から遊ぼう!!」
とびっきりの笑顔をその顔に輝かせたのを見て
私は心臓が高鳴るのを感じた


「と、思ったけど、やっぱり秘密にする」
「え〜〜なんで〜〜?」
「うーーん、これは雄真とも大切な思い出だから、私の胸にしまっとく」
「そうだよね、やっぱりそれがいいよ」
「あ、ちょっとなに春姫軽く裏切ってるの!?」
「ふふふっ」
あ、そういえば雄真はどうしてるんだろう……
せっかく一緒にお昼しようと思ってたのに……


一方
「おまえと二人だけで食べるの久しぶりだな」
「全然っ嬉しくない!!」
男ふたりでお昼していた
53名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 13:02:03 ID:OCZzyEXm0
すみません昨日から寝てないせいか
頭が回らないです

もう少し書き込みたかったんですけどねぇ……
あんま自分でも萌えないし

とりあえず寝てからまたきますね
54名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 20:37:59 ID:rUhzssPy0
> 最終的に結婚まで書ければなぁと思ってるんですけど
当然、婚前交渉もな!
55名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 21:23:28 ID:OCZzyEXm0
ちょwwwそれは練習してからやりますね

準ルートのエンディング考えてみました

こんなのどうでしょう?

『はぴねす』
56『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 21:39:42 ID:OCZzyEXm0
 ゆっくりと目を開けて、目の前の鏡を見る
「うわぁ…………」
鏡に映る自分の表情は、少し緊張した面持ちで少し赤い
胸がどきどきいっていた
「これが………私?」
その姿が少し信じられない
「うふふ、お綺麗ですよ」
メイクをしてくれた女の人がそう言ってくれる
「やっとここまできたんだね」
胸がいっぱいになって涙が溢れそうになる
けど、まだこんなところで泣くわけにはいかない
まだなにも始まってないのだから
いつか着てみたいと夢見た純白のドレスで着飾って
私は今日、特別の日を迎える
「雄真……」
その名前を一言呟く
「行きましょう」
私は踏み出した

建物の中を連れられて歩く
すれ違う人達が
「まぁ、お綺麗ね」
などど声をなどと声を掛けてくれる
あの人もそう言ってくれるだろうか?
いったい私の姿をみてどんな顔をすのだろう
楽しみだ
「さぁ、着きましたよ」
「はい」
キイ――
胸の高鳴りを抑えて、私はその大きな扉を開いた

 
57『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 21:52:56 ID:OCZzyEXm0
 待つ時間はそれほど苦じゃない
俺は自分の格好を見下ろす
「似合わないな」
少し窮屈なその衣装
でも、ついに着ることが出来た

 学園を卒業してしばらく―
いろんな事を乗り越えていまここにいる
その人はどんな顔をして入ってくるのだろう
俺の大切な人は
「早く来いよ準、待ちくたびれるぜ」
つい口に出してしまう
ずっと楽しみにしていた今日という日
俺達はついにたどり着いた


その時、扉が開かれる
キイ――


そこから顔を出したのは
「準」
「雄真」
互いの名を呼び合う
純白のドレスに身を包んだ準は
「準綺麗だ………」
それだけが口をついた
他にはなにも言う言葉がでない
「雄真も、とっても格好いいよ」
ふたりで見つめあって
「行くか」
「行こう雄真」
58『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 22:05:16 ID:OCZzyEXm0
「あ、入ってきたわよ」
柊の声がする
「綺麗………」
春姫も
「兄さん格好いいです」
すももも
みんな俺達のために来てくれた
「雄真くん」
「小日向くん」
かーさんも
御薙先生、いや俺のもう一人のかーさんも
もちろん準のご両親も
みんな、みんな
たくさん人達が今日を祝いにきてくれている


俺は準と一緒に歩く
俺達の為に轢かれたウエディングロードを
ゆっくりと踏みしめるように
一歩ずつ確かに


そして俺達の結婚式が始まった
59『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 22:23:30 ID:OCZzyEXm0
 つつがなく結婚式は進む
友人代表で挨拶したのは春姫ちゃんで
後は、雄真のお母さん、私の両親が挨拶する


 そして次は私の番
「それでは新婦のご挨拶を――」
私はマイクの前に立って話し出す
最初に、みんなが来てくれたことへの感謝の言葉
そして――
「お父さん、お母さん、私は親不孝な子供かも知れません
 でも、私は雄真とこれから歩いていきます。私という存在を
 認めてくれた雄真と、これから二人で………」
涙がこぼれてくる
言葉が続けられない
それでも――
「大丈夫だから準」
「雄真ぁ………」
隣に支えてくれる人がいるから
私は大丈夫なんだと信じられるから


挨拶も無事に終わって
式も最後になる
私達二人は前に出る
「それでは誓いの誓いの言葉を」
神父さんの言葉
私達は互いに目を合わせて
言葉を紡ぎだす
60『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 22:35:18 ID:OCZzyEXm0
「性別なんて関係ない」

「たとえこれからなにがあろうとも」


二人の声が唱和する


「俺は」
「私は」

「渡良瀬準を――」
「小日向雄真を――」


「愛しています」


どちらともなく顔を近づけて

「…………ん……」

私達は誓いの口付けを交わした


「おめでとう!!」
ハチの声がする
それに引っ張られるようにドッ歓声がおこる
みんな目に涙を浮かべて
たくさんの人に祝福されて俺達は

きょう結婚した
61『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 22:47:15 ID:OCZzyEXm0
 外に出る
空は透き通るような青空で、どこまでも高い

「雄真くぅ〜〜ん」
かーさんは号泣している
かーさんだけじゃない、この人も
「う…うぅ……立派に…なったのね……」

俺と準は手を取り合って教会の入り口の所にまで出る
「なぁ、準」
「どうしたの雄真――きゃっ!?」
準を抱きかかえる
いつか一度だけしたことのあるお姫様抱っこ
「ははは、そんなに驚くなよ」
「だってぇ………」
いま俺達は最高に幸せだ
世界中の誰よりも
「さ、準」
「うん」


雄真に抱きかかえられながら、私は手に持っているブーケを
みんなのほうに投げる
綺麗な放物線を描いてそブーケは


「え!?わたしですか!!」
すももちゃんの手に収まった
62『準・はぴねす』:2006/04/15(土) 23:00:14 ID:OCZzyEXm0
「はは、すももか」
「なな、なんですかそれは兄さん」
「いや、悪い。すもも、次はお前の番だ、お前が世界で一番大切な人を見つけて来い」
「兄さん………」
そっと、すももの頭の上に手を載せる
「ぐす……兄さんこそ…準さんに迷惑かけちゃ駄目ですよ……」
涙で顔を真っ赤にしてすももが言う
「あぁ、大丈夫だ」


心地よい風が吹き抜ける
高い高い空の下で、俺達は――

「ねぇ、雄真ぁ」
「ん?」


「だーい好き☆……ちゅっ♪」


この人と歩いていく


―――END―――
63名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 23:04:08 ID:OCZzyEXm0
ややこしくなりそうなとこはカットしちゃったんで
そういうところは同人誌ですればいいかと……

こんな感じのEDを、期待してますFD
64名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 23:10:47 ID:rUhzssPy0
>63
やっぱりお姫様だっこだよな。GJ!
ウェディングドレス姿の準にゃんか・・・(;´Д`)ハァハァ

じゃあ次は新婚初y(ry
65名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 23:47:02 ID:kjFJAfXi0
GJ、とても良かったです
66名無しさん@初回限定:2006/04/15(土) 23:58:33 ID:KbF6n72X0
ああ、次は幼少編だ
67名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 00:11:28 ID:UVtGPfJk0
GJ、幸せそうな準にゃんに乾杯。

次は デートが いいなぁって
68名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 11:55:48 ID:xPlApxRy0
す・・・すげぇ・・・これが神ってやつか・・・
普通に春姫や杏璃派の俺ですら、ホントに本編にこんなイベントあったらいーのにって思ってしまったよ。

今後とも是非頑張って下さいませノシ
69名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 12:17:25 ID:PyH1dK6e0
久々にいいSSを見た ./ ,' 3  `ヽーっ 
70名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 13:46:47 ID:UacRBjQn0
ところどころで、でも準って男なんだよな…とプロテクトがかかる俺は負け組。
71名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 15:10:54 ID:U2lrQjgL0
心は乙女だよ
72「もしらば」明穂 if / 再開 -restart-:2006/04/16(日) 15:49:33 ID:hLYstGvE0
作品別「もしらば」9日目スレ終盤にあった、
「明穂が以前の記憶を思い出さない展開」ネタで。
スレではやや鬱系の話が上がっていたから、そういう方向を目指した
……はずだけど、なぜか普通の展開に。
本編の方がいいなぁ、と思いつつ、せっかく書いたのでうp。
ツッコミなどよろしぅ・・・osz
ttp://www.geocities.jp/neneco903/2ch_kakiko/mosiraba_akiho_forget01.htm
ttp://www.geocities.jp/neneco903/2ch_kakiko/mosiraba_akiho_forget02.htm
ttp://www.geocities.jp/neneco903/2ch_kakiko/mosiraba_akiho_forget03.htm
「はぴねす」のうまい人がいて心苦しいので外部に・・・
73名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 17:12:05 ID:x5UcpTlJ0
心苦しいだなんて、何をおっしゃる
74名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 17:43:39 ID:2KNGwWVq0
どんどん貼ってくださいね
75名無しさん@初回限定:2006/04/16(日) 22:59:53 ID:x382P07j0
>>72
ゲーム中にハッピーエンドがあるにもかかわらず、それを無視する理由がない。
展開にまとまりがない。場面の繋がりが唐突。
キャラが一人歩きしたと言い訳があるが、内容に勢いがない。
これでよく人に読ませようと思えるな。
出直せ。
76名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 01:49:44 ID:WbrRyvrO0
スパルタ教育ですか?
77名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 04:44:27 ID:PWSEysydO
ちょwwwなんでもしらばばっかりwww
78はぴねす温泉の人@携帯:2006/04/17(月) 08:14:39 ID:zWFldCvgO
>>72
私はこの場自体が皆さんの自己満足の吐露の場だと認識してますので、
今後は心苦しいなんておっしゃらずにこちらで堂々と貼っちゃって下さいませ。

しかしいつの間にかはぴねす以外は貼りにくい雰囲気にしちゃったみたいで、
投稿人としては微妙に申し訳ない気分…;
はぴだけで専スレ立てて移動しちゃった方がいいかなぁ?
79名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 08:18:23 ID:mxl+Dt030
>>72
まぁ、>>75はいい方はきついけど、おおむね同意かな。
ID:OCZzyEXm0氏のSSがいいのは、上手いというだけじゃなくて、
読みたい内容を書いているというのも大きいと思う。

だけど、もしらば明穂SSはよく見かけるし、意外性がない。
まぁ、食傷気味だといっていいと思う。
それに、作中と同じ方向の展開なら、オリジナル以上の文章力や
展開がないと意味がないけど、>>72にはそれがない。
作品別で話題になっていたのも、「記憶が戻らずにすれ違う、
やや欝展開」で、オリジナルとは違う方向のもの。
オリジナルと同じ方向の展開なら、あえて書き直す必要はないんじゃ
ないかな。

細かいところを言うと、2ページ目は前半か後半、どっちかだけで
よかったと思う。変に混ぜてるせいで、展開の一貫性がなくなってる。
そして、3ページ目はまったく不要。内容としては楽しい雰囲気が
伝わってきて悪くはないけど、そもそもの設定を台無しにしている。
正直、なんとも評価がしづらい。
>>72氏が書くものは、作品別では公開オナニーといわれていたけど、
まさにその通りで、カイてる人だけが楽しくて見てるほうはそうでもない
というタイプのものだと思う。
80名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 08:29:25 ID:mxl+Dt030
>>78
ああ、そのカキコをみて思い出した。
>>72氏は作品別でも見ていたけど、もともとリンク貼りをする人だろう。
それなのに「心苦しいので」などと書いて、はじめから逃げを打つ態度は、
正直に言うと気に入らない。
たしか、リンク貼りは禁止じゃなかったと思うし、保存しやすいから個人的
には、別に構わないと思うけど、はじめから逃げを打つ必要はないはず。
81名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 11:16:04 ID:UtmCwEXC0
もしらばはツッコミ厳しいなぁ。
煽りじゃないならどうともいえないが、感想が批判しかないとは。
書くなら気合入れて書けってことだろうけど。
82名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 17:38:29 ID:5go6Es8J0
>>75
少なくとも一行目に関してはどうでもいいかな
83名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 18:00:10 ID:vorkfCpz0
少なくとも他人を否定する事は自分自身を否定することだと思うんだ
84名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 18:11:21 ID:hITAdid30
>>82
禿同。むしろあの救いはいらなかった
85名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 18:18:20 ID:E2MHMjJW0
>>81
批判っつーか、読んだ上での評価のように見えるが・・・
もしらばはやってないから知らんけど、元のシナリオの焼き直しで
面白くなかったってことなんだろ?
86名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 18:47:49 ID:Yzd+7IO40
>>72
「もしらば」はやったことがないのですが
作品の優しげな雰囲気や切なさはよく伝わって来ていると思います。

構想や文章的な面で。
前半、明穂の独り言に頼りすぎじゃないかと思います。
また、その思考が年齢相応じゃないように感じました。
主人公の葛藤も、もう少し書かれていると良いと思います。

あと、以前の記憶をまるっきり思い出さないよりも
以前の記憶がときどき戻ってくるほうが、明穂のほうの葛藤も絡ませることができて
よりドラマチックな展開にできると思います。
87名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 18:52:05 ID:Yzd+7IO40
>>78
まあまあ、そうおっしゃらずに。
書く気のある人はいないわけでもないようですし。

っていうか、今いなくなられると過疎りますよ?w
88名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 20:04:37 ID:LuhkfgJX0
DuelSaviorのSSって無いのね。
意外だ。
89名無しさん@初回限定:2006/04/17(月) 21:41:53 ID:R4N9qqNQ0
SSで『あの女の匂いが(ry』とか書かれたら……それはそれで良いなwwwww
9072:2006/04/18(火) 08:28:13 ID:JGO3LzMv0
いろいろご意見ありがとうございます。
お目汚し、大変失礼いたしました。
不快に思われた方もいたようで、申し訳ありませんでした。
91名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 12:55:27 ID:kdaFlFTM0
>>90
大事なのは書き続けることですよー
ファイッ!
92名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 13:37:15 ID:RjXzh+zw0
まぁ、追い出そうとしてるようにしか見えないけどな。
93名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 17:07:43 ID:KA3/O5iV0
どうせ作品別スレからいる粘着だろ
気にするなとは言わないが誤る必要は全くない
94名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 17:20:18 ID:uS+XUA+x0
>>90
もしばらやったことないけど頑張れ

専スレはいいんですけど
確かに過疎りそうですよね

それじゃあ準にゃん投下しときますね

95『準・散歩』:2006/04/18(火) 17:37:03 ID:uS+XUA+x0
「んーーーー」
俺は力いっぱい伸びをする

春の暖かい日差しが降り注ぐ
澄み渡る空。いい日和だ

「気持ちいいね」
俺の隣には準が一緒に歩いている
「そうだなぁ、たまにはこうして散歩に出るのもいいな」
朝、窓から差し込む陽光を浴びている内に
外に出たくなって、俺達は特にアテもなく散歩している

「ね、雄真」
「?」
ふいに準が手を出してきた
「………お手?」
「もう!なんでよ、手、繋ぎましょう」
「あぁ……そういうことか」
差し出された手を俺は軽く握る
同じ男だというのにその手は驚くほど小さい
「えへへ〜♪」
満面の笑み
その笑顔を見て、つい自分の顔が緩むのを感じる

二人、他愛のない話をしながらのんびりぶらつている
「あれ、ここ?」
いつの間にか俺達は見覚えのある場所にいた
とても懐かしい場所―
「ねぇ、雄真、あの木まだあるのかな?」
「なくなるようなもんでもないし、あるんじゃないか?」
「行ってみようよ」
「そうだな」
96『準・散歩』:2006/04/18(火) 17:56:32 ID:uS+XUA+x0
 私達は公園の中心まで歩いていく
「お、アレか」
雄真の声の先に目を向ける
そこには、美しく満開に桜の花を咲かせた大きな木が立っていた
「………綺麗」
そううっとりと呟いて、木に触れてみる
なにもかもあの時のままだ
「ねぇ、雄真憶えてる?」
私と同じように目を細めて木を見上げている雄真に問いかける
「憶えてるさ」
それは、ずっと昔のある日の出来事――


その日、私は一人で公園に来ていた
誰かを誘おうにも友達がいない
女の格好をしてる私は声を掛けることも出来ずにいつも一人で遊んでいた

「おいかくれんぼやろうぜ」
その時、広場のほうから声が聞こえた
どうやら、この公園でかくれんぼをして遊ぶらしい
「いいなぁ……」
そうは思っても、私からいれてなんて言えない
きっと断られてしまうから……
「あ!」
ずっとあちらを見ていたのがわかったのか、ひとりの男の子と目が合った
(あれ……?でもいまのは……)
とことことその子がこちらに近づいてくる
私はその子に見覚えが会った
学校で唯一私に、親しく話しかけてきてくれる男の子
「ゆうま…くん?」
「どうしたんだ、おまえ一人なのか?」
誰かいないのかと辺りをきょろきょろ見回す
97『準・散歩』:2006/04/18(火) 18:20:16 ID:uS+XUA+x0
「う、うん……」
(どうしよう……友達のいない奴とか思われたら……)
それは嫌な想像だった
考えると目にじわっと涙が浮かんでくる
「そっか、じゃあ一緒に遊ぼうぜ」
「………え?」
「お前、一人なんだろ?だったらみんなで遊んだほうがいいって」
「でも、あの……」
「ほら、行くぞ」
「きゃっ!!えっ……!」
私の手をしっかり握って、走り出す
(この手を握っていれば、私もみんなと遊べるのかな?)
その手はとても逞しかった

ゆうまくんがわたしを連れてくるとあっさり参加が決まった
「えっと、どこに隠れれば……」
「ほら、そんなもたもたしてたら捕まっちゃうぞ、こっちに来い」
私が初めてやるかくれんぼに戸惑っておろおろしてると、その度にゆうまくんが助けてくれた

「じゃあ、次はゆうまが鬼な」
「おう」
かくれんぼの鬼が何度か変わると、今度はゆうまくんが鬼の番になった
「ど、どうしよう……しっかり隠れなきゃ」
すぐに見つかってしまわないように、私は隠れる場所を探す
「そうだ!」
確かこの公園の奥に大きい桜の木があったはず
それを思い出して私はそこまで掛けて行く
「はぁはぁ……ここならすぐには見つからないよね」
どきどきしながらその木の陰に身を潜める
「…………ま、まだかな?」
覗いてみるが、こちらに来る様子もない
そうしてる内に、体力のない私はたくさん動いたためか眠くなってくる
98『準・散歩』:2006/04/18(火) 18:37:03 ID:uS+XUA+x0
(あれ…………)
だんだんと意識が遠くなって私は眠ってしまった


どれだけ、時間がたったのだろう
さっきはまだあんなに高かった太陽が今はだいぶ傾いている
「あっ!!そうだかくれんぼ!!………?」
隣で違和感を感じる
「え……?ゆうまくん……?」
私が動いたためか、隣で寝ていたゆうまくんが目をさます
「ん〜〜ん、むにゃ……あ?見つけたぞ」
目をさましていきなりそんなことを言う
「あの……」
「おまえ、見つけたら気持ちよさそうに寝てるんだもんなー」
「ごめんなさい…」
「しかも、すっげー探したんだぞ」
「うぅ……ごめんなさい」
泣きそうになってくる
「でもさ、」
「?」
「おまえかくれんぼ上手いな」
「んんっ!?」
ニコッと笑うゆうまくんを見て、胸がドキっとした

「ね、ねえ、ゆうまくんはみんなのところ行かないの?」
かくれんぼにはあきたのか、ほかのみんなは広場で鬼ごっこをしていた
「おまえを探すのに疲れたの」
「う……ごめんね」
「あーもう、あやまんなくいいから」
「う、うん」
「だいたい、俺はおまえと遊びたいの!」
「え………?」
99『準・散歩』:2006/04/18(火) 18:56:09 ID:uS+XUA+x0
目の前にいる少年がなにを言ったのか理解できない
「それにさ、おまえ、遊びたいならいつでも俺に言えばいいんだぞ?」
「で、でも………」
考えがまとまらず混乱する
「一人で遊ぶより楽しいし、友達だろ?」
「…………友達……」
初めて男の子からそんな風に言われて私の顔は赤くなる
「それからさ、」
こっちのほうをまじまじと見つめる
「な、なにかな?」
「おまえ女の子みたいだけど、男だよな?」
「う、うん」
「じゃあ、『準』って呼んでいい?」
初めて私はそう呼ばれて―

「うんっ!」
私は力一杯頷いた



「ほんとに懐かしいね」
昔の事を思い出しながら、言葉を口にする
「私ね、考えてみたらあの頃から雄真の事好きだったのかも」
「そうなのか?」
実際はどんな感情だったのか
ただ言えるのは、昔の私もいまこうあること望んだはずだ
「そうだよ」
繋がれている手を見つめる
「あの頃から、ずっとこの手に引っ張ってもらって来たんだね……」
いまも変わらず私を捕まえていてくれる、その手
あのときよりもっと逞しくなっていて
「ねぇ、雄真」
100『準・散歩』:2006/04/18(火) 19:06:34 ID:uS+XUA+x0
「来年もまた、ここにこうしてこられたらいいね」
桜の花が舞う中で
「そうだな。来年も、再来年もずっとこような」
私達は大切な約束を交わす

「さて、うん。桜も堪能したし帰ろっか
「そうだな、すこし腹減ったし」
「じゃあ、なにか作ってあげるね、なにがいい?」
「うーーん、悩むなぁ……」
「それとも、わ・た・し・☆」
「あぁもう、ピッタリくっついたら歩きにくいだろ!?」
「だーめ。帰りは腕を組んで帰るんだから♪」

最後にもう一度だけ振り向く
(ありがとう………)
その景色を心に焼き付けて
私は心の中でお礼を言った
101名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 19:11:36 ID:uS+XUA+x0
いつぞやのデート&幼少編を纏めてみましたw

後は……初夜ってマジデツカ?

他の方SS楽しみにしてますから頑張ってくださいね
102名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 19:13:32 ID:GOqC5vbO0
はい、GJ!!!
103名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 19:37:58 ID:0PLTrcuy0
ナイスです!!
かわいらしくまとまってますね
104名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 21:44:26 ID:35mEXHBq0
ああ、自然にラブラブだなあ
いいなあこの空気

そして
>>初めてやるかくれんぼ
(つД`) ・゜・ジュンニャーン
105名無しさん@初回限定:2006/04/18(火) 23:31:33 ID:tnxlE/tT0
うまいやん。
でもやっぱりプロテクトかけてしまった・・・
ところで女体化SSってないのな?
106名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 09:13:31 ID:EMklz04s0
夜勤から帰ったら準にゃんSSキテター!!

  _   ∩
( ゚∀゚)彡 初!夜! 初!夜!
 ⊂彡
107名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 15:58:01 ID:eg6FGBtkO
準にゃんテラモエス
108名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 19:27:24 ID:vmH2Jw8FO
この調子ではぴねす!のSSが増えてけば嬉しいな

でもそうなったらやっぱ専用板が必要か
109名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 21:15:02 ID:KOYREs0Z0
はぴねすSSが増えるのはいいが、
それ以外を排除しようとしている連中は
なんとかならないものか・・・
110名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 23:49:02 ID:PX/OWMtG0
まあ元々過疎ってたしなー。
ここまで連続するなら専用スレ作れば良いのにとは確かに思うが。
111名無しさん@初回限定:2006/04/19(水) 23:56:30 ID:cVrcwO5g0
だれもいなくなるからw
112名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 01:45:51 ID:qjFhRlMU0
はぴねすSSに釣られて居ついた奴かね
この板は滅多にdat落ちしないから、普段過疎ってて時折SS投下っつー感じで随分前から細々と続いてるんだよ
そういう下らん煽りするぐらいなら、心配はいらんから、とっとと専用スレ作って消えてくれ
113名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 07:15:43 ID:swOZTS2u0
>>112
はぴねすSSだらけなのが気に食わないなら自分でSS投下しろよ。
投下されたSSがスレ違いじゃない以上ガキみたいに駄々こねるな。
114名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 08:02:58 ID:Be/vLz48O
(つд`)アラソイハヤメテ
115名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 08:44:33 ID:K3QgjVBD0
はぴねすSSがが多いのは別に構わんと思うけどな。
単に他に書く人がいないだけなんだし。書いてるSS職人に非があるわけじゃない。
ただ、他のSSは叩いて書きづらい雰囲気になるのはよくないと思うなぁ。
まぁ、はぴねすSS職人が上手くて、もしらばSSがそれと比較して
見劣りしているのは仕方がないとは思うけど。
116名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 10:22:46 ID:a6coh/8DO
 携帯からなんですみませんが、とりあえず僕としてはFDに(たぶん)準ちゃんルートがあるらしいとのことなんで、しばらく様子を見ようかなと思っていますが…
でも、やっぱり専スレはあったほうがいいと思います
117名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 11:34:30 ID:bEmfprey0
現在ネギ板でメーカー・作品で独立したSSスレがあるのは「きゃんでぃそふと」と「処女はお姉さまに恋してる」。
どちらも複数の書き手が入れ替わりでいて、作品が投下され続けている。

そういう状況にならない限り、専用スレは必要ないと思うよ。
ちなみに、「アトリエソフト」は独立してSSスレを立てたが過疎状態。
118名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 11:47:18 ID:qjFhRlMU0
>>113
いや、朝一で顔真っ赤にして即レスする前に文章良く読みなよ
「下らん煽りをするぐらいなら」と書いてあるだろ?
はぴねすSSが投下される事自体は構わんが、俺らがいなくなったらここは過疎スレだろwとでも言いたげな態度が
鼻持ちならなかっただけだから
119はぴねす温泉の人@携帯:2006/04/20(木) 13:08:27 ID:Be/vLz48O
まぁこうして一部の作品のSS投稿の是非について議論の続く流れになった以上、
沈静化のためにも一度専スレ立てて様子見るのが筋なのかね?
俺個人としては隔離されるのはあんま気が乗らないけど。

あと出来れば週末にでも1本あげたいと思いますので、その節はよろしく。
120名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 13:20:08 ID:qj7lyCfy0
>>119
別に気にしないでいいんじゃないの?
121自称欝の人:2006/04/20(木) 13:27:09 ID:8w58C4jg0
>>119
別に専スレ立てなくてもいい気がするけどねぇ…。
SS書く人って、結局自分が好きだから書いてるんだろうし。
はぴねすSS続いたからって、書かなくなる訳じゃ無いでしょ。
……まぁ、書いたはいいけど、温泉の人のSSが上手い分
載せづらいって人も居るのかもしれないけど……。

要らん煽りをするな、は同意。
122名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 13:29:15 ID:8w58C4jg0
ぐぁ、名前残りっぱなし……ごめん。
123名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 17:15:52 ID:9XOqoIWD0
>>118こそ顔真っ赤にしすぎだろ・・。
別に誰かが煽ってるようには見えんし意識しすぎ。
逆に>>118が煽ってるように見える。
124準にゃんの人:2006/04/20(木) 17:17:17 ID:HMxj81Bj0
これはまたなんともな感じですね
煽ってる人はともかくとして、専スレはあったほうがいいような、
ないほうがいいような…

書きにくい雰囲気になるのはあれだし、なにか違うSSを投下してみるのも
いいかもしれませんね
125名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 17:24:10 ID:HMxj81Bj0
煽ってる人はともかくとして
あ、えっと>>111の人ですよ
126名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 17:46:17 ID:SptQYmYu0
SSスレに良作SS投下してて
何で追い出されなきゃならんのか
127名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 17:51:05 ID:VlnQEqNL0
誹謗中傷されても『ふーん。だから?ネットの世界ではダメージ感じないぜ?』
なんて開き直って発言し続ける俺は変ですか?
128名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 18:02:28 ID:xe6D9t7A0
そこまで行くともうダメ人間。
129名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 19:28:18 ID:lpW8u8TU0
>>127
普通じゃね?俺もそうだし。どこの誰かも知らないやつに何かかれてもな。
130名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 20:49:18 ID:pqgOn38v0
むしろネットでそんなダメージ受ける方が馬鹿
131名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 21:41:54 ID:PSIhwsPk0
なんか妙な雰囲気になってるな。
そんな言葉尻捕らえて煽りだとか、過剰反応しすぎじゃね?
そもそも、はぴねすSSでいい雰囲気になっていたところに、
空気を読めないで投稿した香具師が悪いんだろ。
132名無しさん@初回限定:2006/04/20(木) 22:03:52 ID:9UkicJ140
>131
え、それって、わざと煽ってるんだよね?天然で言ってそうな空気が怖いよ。
>127
誹謗中傷なら当たり前な反応だろ。
133名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 00:59:15 ID:Sxy7Te+40
デモベやC†Cの時も、「それなら専用スレ作ったら〜〜」みたいな話は出てた。
だが特定作品の祭り現象は、大局的に見れば一過性のモノだし、その場その場で素直に楽しめばいい。
専用スレは、SS職人が増えてネタが恒常的に投下されるようになった場合に考えた方がいいかと。
そもそも、ここは元々過疎スレだからね。


結論:準にゃん(;´Д`)ハァハァ
134名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 06:47:20 ID:r9YmFynD0
これだけ連続投下されてると、タイトルに『はぴねす』って付け加えてくれれば
まとめてNGにしやすいから、読まないもんとしては正直助かる
135名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 10:20:07 ID:JJkEDLUi0
↓何事も無かったように継続
136名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 20:55:23 ID:1gbm0bjJ0
ははは、こやつめ
137名無しさん@初回限定:2006/04/21(金) 23:04:43 ID:v0rBDVdg0
はははは
138はぴねす!温泉の人:2006/04/23(日) 13:11:02 ID:D9kI84y90
「準にゃんのSS、気に入ったか?」
「わたしの・・・宝物になると思います」
「それじゃ、ちょいと挑戦状を叩きつけてみるかな・・・」

てなわけで今回は杏璃の話で。
随分前に作品別スレでうpした杏璃のおっぱいの話
(タイトル:胸いっぱいの愛を、君に)の杏璃視点バージョンです。

SSながら途中に選択肢を入れてみたりと異例な試みをやってみたり。
最後にUMA視点のオリジナルバージョンもうpしますので、読み比べてやって下さいませw

↓ではでは下のレスからドゾー
139「胸いっぱいの・・・」女の子モード(1/8):2006/04/23(日) 13:12:06 ID:D9kI84y90
あたしの胸にすごく優しく触れる、雄真の手の感触。
……その感触に、あたしは少しだけ、不安な気持ちを募らせる。
「? どうした、杏璃」
あたしの表情の変化に、雄真も気づいたんだろう。
胸を揉むその手を一時休め、雄真があたしに問い掛ける。
「あ……あのね……雄真」
「ん……?」
「……どうかな……その……あたしの……おっぱい……」
「おっぱい……?」
あ、あたしったら一体何を聞いてるんだろう……
あたしは雄真の顔を見ていられなくなり、思わす視線を横に反らした。
……それなのに。
あたしの口は勝手に、雄真の感想を求めて言葉を紡いでしまう。
「……雄真……あたしのおっぱい……揉んで……どう……? 気持ちよかった……?」
「……そりゃ……」
あたしの問いに、雄真が思わず顔を背けた。
とても答えづらそうに、口をもごもごさせる雄真。
その表情に、あたしは少しだけよくない回答を悟ってしまう。
「ねぇ雄真……何か答えてよ……」
何でもいいから、雄真の一言が欲しい……
もどかし気な雄真の表情に、あたしは我慢できなくなり、もう一度雄真に問い掛けていた。

にア 気持ちいいの……?      →>>139
   おてごろ……サイズ……?   →>>140
140「胸いっぱいの・・・」女の子モード(2/8):2006/04/23(日) 13:12:50 ID:D9kI84y90
ピッ
にア 気持ちいいの……?

「すごく……気持ちいいよ」
「え……?」
雄真の口から出た言葉に、あたしは思わず目を見開いた。
「杏璃の胸……すごく……やわらかくて……あったかくて……
 俺、片時もこの胸……手放したくない」
初めて聞く感想だった。
あたしの……このちっちゃくて性的アピールのかけらもない胸を、
とても気持ちいいと評してくれる……
……一瞬、これは夢なんじゃないかって思った。
雄真との逢瀬に際し、あたしが見たとても身勝手で都合のいい夢……
だって……相手はあの雄真なんだよ?
この言葉も、いつもみたくあたしをからかうために、出まかせで出た言葉に決まってるじゃん……
そう思うと、あたしは思わず胸を締め付けられるような切なさでいっぱいになった。
「そんなに……褒めないでよ……雄真……あたし、その気になっちゃうじゃない……」
気まずさから漏らしたその言葉に、雄真がさらに優しい笑顔で答える。
「うん、だから、その気になってくれていいんだよ。
 杏璃も、少しは自分の胸に自信持ちなって」
自信、か……
そんなもの、一体どうすれば得られるんだろう。
春姫みたく、みんなに自慢できるほどの胸を持ってれば、話は別なんだろうけどさ……
「自信……持っていいのかな……あたし……」
自分の胸と雄真の表情とを交互に見つめながら、不安たっぷりに呟くあたし。
その言葉に、雄真がふと真面目な面持ちで答える。
「んじゃ、試してみる? 俺の気持ち」
「え……?」
あたしががその意味を把握するよりも前に、雄真の唇があたしの乳房に触れていた。

>>142
141「胸いっぱいの・・・」女の子モード(3/8):2006/04/23(日) 13:15:55 ID:D9kI84y90
レス番間違えたorz
絶対やらかすと思ったよ自分・・・


ピッ
にア おてごろ……サイズ……?

「いいと思うぞ、俺は」
「……え……?」
雄真の言葉に、あたしは思わず胸をときめかせる。
(いいって、一体、どんな風に……?)
今まで一度も胸のことで、褒められることはなかったあたし。
そんなあたしの胸に、雄真が少なからず好意を抱いてくれてる……?
だが。
返って来たのは、そんなあたしの想いを踏みにじる残酷な一言だった。
「あぁ、ちょうど手のひらになじむお手ごろなサイズで、とってもカワイイと思うぞ」
「おてごろ……さいず……」
……後頭部を、鈍器で殴られたような衝撃だった。
……無論、そんな雄真の答えを、あらかじめ予期していなかったわけじゃない。
いやむしろ、予期していて然るべきだった。
だけど……
あたしは一体、何を期待していたんだろう。
雄真があたしの胸をちっちゃいって思ってるのは、最初からわかりきってたことじゃん……
なのに……
「雄真も……そう思ってるんだ……」
あたしの口は、図らずも雄真を責めるように言葉を紡いでゆく。
「……え……?」
……きっとその時のあたしは、すごく醜い顔をしていたんだろう。
突然のあたしの表情の変化に、雄真の方にも思わず焦りの表情が現れる。
142「胸いっぱいの・・・」女の子モード(4/8):2006/04/23(日) 13:17:02 ID:D9kI84y90
「お、おい……いつもの冗談だろ……? あんま間に受けんなよ」
冗談なわけ、ない……
だって、あたしの胸がちっちゃいのは、他ならぬ事実なんだから。
だから……あたしみたいなつまらない娘のことで、雄真が気を揉むのは、間違ってる……
「うぅん……無理しなくていーよ……雄真……だって、ホントのことだもん……」
口では精一杯、雄真への気づかいを示してみせるあたし。
だけど……心は既に、限界に近かった。
口元が抑えきれずふるふると震え、目元にいっぱい、涙が溜まってくるのがわかる。
……この涙が決壊したら、もう二度と自分を抑えきれなくなるのは、わかっていた。
だけど……
あたしの心は、もう耐えることを忘れていた。
「……ごめんね……雄真……
 ……春姫みたいに……むね……おっきくなくて……ホントに……ごめんね……」
後悔と自責の念に、あたしはひたすら泣きじゃくった。
……自分の存在が、とてもみじめで仕方がなかった。
何で雄真は、あたしなんかと一緒にいようなんて思ったんだろう……
本当はあたしなんかより、春姫と付き合った方が、よかったんじゃないだろうか……
そう思うと、悲しくて悲しくて、涙が止め処なく零れ落ちてくる。
「……」
雄真はそんなあたしの様子を、神妙な表情でしばらく見つめていたが。
(……!?)
気がつくと、雄真の唇が、そっとあたしの乳房に触れていた。

>>143
143「胸いっぱいの・・・」女の子モード(5/8):2006/04/23(日) 13:17:39 ID:D9kI84y90
「あ……」
そのままあたしの乳房全体に、丹念に口づけしてゆく雄真。
雄真の唇の触れたところが、じんじんと熱く火照ってくる。
「ん……んぁ……やめてよ……雄真……」
うわ言のようにつぶやくあたしの言葉も、雄真は意に介する様子がない。
更に舌も加え、あたしの脇腹から乳房の外周に沿って、円を描くように舐めてゆく雄真。
ざらついた雄真の舌の表面が、ぞわぞわとした快感をあたしに与えてゆく。
「はぁ……ん……んふっ……やぁ……くすぐったいよ……雄真ぁ……」
あまりのくすぐったさに、思わず訴えかけるような言葉を紡ぐあたし。
「……かわいいよ……杏璃……すごく、かわいい」
耳元で、雄真がそっと呟く。
耳たぶに触れる雄真の熱い吐息に、あたしは一気におかしくなってしまいそうになる。
「んんっ……そんなこと……言わない……でよぉ……」
あたしなんて、春姫と比べたら全然かわいくも何ともないのに……
そう思いつつも、一方でその後の展開につい期待してしまってる自分も、そこにはいた。
「そんな顔されると……こっちも……もっといじめたくなってきちゃうな」
「……んぇえっ?」
雄真はいたずらっぽく微笑むと、舌でなぞる円の半径を徐々に狭め、
少しずつあたしの頂へと舌を近づけてくる。
異常に期待感を煽る、雄真の舌の感触。
そして雄真の舌が、そっとあたしの乳輪をなぞり……
「ふぇぇっ!? そ、そこは……」
あたしは思わず、全身をぴくりと反応させていた。
そのままあたしの乳輪を、舌でじっくり攻めてゆく雄真。
「んんっ……あっ、はぁっ……あう……」
一番敏感な箇所に触れそうでなかなか触れないその絶妙なタッチに、あたしはしきりに喘いだ。
144「胸いっぱいの・・・」女の子モード(6/8):2006/04/23(日) 13:20:21 ID:D9kI84y90
「ん……はぁ……ゆ、雄真……」
やがてあたしは我慢できなくなり、雄真に懇願するような言葉をかけていた。
「どうした、杏璃」
「……舐めてほしいの……あたしの……ここ……」
さすがにみなまで言っちゃうのは、恥ずかしすぎて無理だった。
「ん? どこを舐めてほしいんだ?」
しかし雄真はその意図を汲むどころか、更にいじわるな顔であたしに問い掛けてみせる。
「んもぉ……そんなこと……言わせないで……恥ずかしいよぉ……」
一刻も早く雄真にいじめられたがってる自分の姿が、すごく恥ずかしくて、
脳みそまで沸騰してしまいそうになる。
雄真は軽く頷くと、舌先をとがらせてあたしの先端をそっと刺激した。
「!!! ひゃあっ……」
ただでさえじらされてどうしようもないほど勃起していたそこは、
雄真の舌が軽く触れるだけで、痺れるほどの快感がある。
更に雄真は舌先をつけたままくるくると回し、あたしに更なる刺激をくれた。
「あっ……やぁっ……ひゃあっ……」
気がつくと、空いてるもう片方の乳首にも、コリコリと絶妙な刺激が走る。
雄真が指先で、あたしの乳首をいじめているのだ。
乱雑なようで、それでいてすごく気持ちの入ったその愛撫に、
あたしはだんだんと我慢がきかなくなってくる。
「やぁ……だめ……ゆうまぁ……
 はぁん……雄真の舌……気持ちいい……よぉ……っ」
あたしは雄真の攻めを求めるかのように、言葉を繰り返していた。
145「胸いっぱいの・・・」女の子モード(7/8):2006/04/23(日) 13:24:15 ID:D9kI84y90
……ふと雄真が、ひくひく動くあたしの乳首をそっと口に含んだ。
「ゆ……ゆぅまぁ……?」
乳首全体にふわっと温かな感触が伝わり、思わず声を上げてしまうあたし。
更に雄真は、夢中になってあたしの乳首に刺激を加え始めた。
唇で食み、歯で甘く噛み、舌でちろちろ刺激し……
一寸先の予想すらつかないその激しい愛撫に、あたしは意識がかき乱され、
頭がどうにかなってしまいそうになる。
「あぁっ、やだ……雄真……ちょ……激しすぎるよぉっ……
 そんなにされたら、あたし、あっ、おかしくなっちゃうぅ……」
目の前の光景が、真っ白なミルクに溶かされていくような、そんな感覚。
ふと雄真が、あたしの乳房をぎゅっと握りしめた。
(え……?)
あたしが躊躇する間もなく、雄真はツンと突き出たあたしの乳首をちゅうっと吸い始めた。
「ぃやぁっ、あっ、だめぇ……そんなに吸っちゃあ……」
そんなに吸われたら、あたし……あたし……
「あふっ、あぁっ、ひゃああああぁっ……!!」
……世界が、壊れちゃいそうな感覚だった。
この時きっと、あたしはイッちゃってたんだろう。
刺激の波が過ぎた後、あたしは放心したまま、だらしなく息を切らしていた。
「んっ……はぁ……はぁ……」
息も絶え絶えのあたしに、雄真がそっと問い掛ける。
146「胸いっぱいの・・・」女の子モード(8/8):2006/04/23(日) 13:26:01 ID:D9kI84y90
「これで……わかってくれた? 俺がどれくらい杏璃の胸を好きかってこと」
「……雄真……」
「他の誰でもない。杏璃の、杏璃しか持ってないものだからこそ、
 俺は心から欲しいって思えるんだぞ」
「……」
初めて聞く言葉だった。
他でもない、あたしのおっぱいだから……だから、雄真は……
そう思うと、今まで自分が悩んできたことが、とてもちっぽけなことのように思えてきた。
誰かと比べて、変な虚勢を張る必要なんてない。
あたしはあたしのままで、雄真に愛してもらえばいいんだ……!
……そう思うと、あたしの中に、今までなかった想いがふつふつと湧き上がってくるのを感じた。
もっともっと……雄真に、愛してほしい……!
「ん? どうした、杏璃」
あたしの表情の変化に敏感に気づき、雄真が問い掛ける。
「ん……あの、あのね……」
「?」
口篭もらせながら、あたしは必死に言葉を続けた。
「もっと……触ってほしいの……雄真に……こんなんじゃ……全然……足りないよ……」
「……そっか」
すごく嬉しそうに微笑む、雄真の表情。
……何だか単純だよね、あたしも、雄真も。
そっとあたしを抱き寄せ、あたしの乳房に触れる雄真。
(いっぱい……あたしに触ってね、雄真……)
雄真に触れてもらえる喜びに震えつつ、あたしはしばし、雄真の手の感触を味わうのだった。

(終わっとけ)
147はぴねす!温泉の人:2006/04/23(日) 13:29:59 ID:D9kI84y90
本編は以上です。
最近ずいぶんと準にゃんな流れが続いてたんで、たまにはこういうのも。

↓とりあえずオリジナルはこちら
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000014032
DLP・解P共にメル欄-sage

↓続いて後日談の方行ってみたいと思います(UMA視点です)
148「胸いっぱいの・・・」後日談(1/2):2006/04/23(日) 13:30:59 ID:D9kI84y90
「何だか最近……杏璃ちゃんも、とっても元気になったみたい」
「そ、そっかな? 自分じゃよくわかんないけど」
「うぅん、見てたらわかるよ。
 小日向くんとつきあい始めてから、杏璃ちゃん、とっても前向きになった」
「そう言われると、俺も何かちょっと照れくさいな」
確かに言われてみれば、コイツも前に比べてすごく表情が明るくなった気がする。
いつも杏璃には元気をもらってばかりの俺だけど、
逆に俺が杏璃の元気の源になれているとするなら、俺もちょっと誇らしいかも。
「それでさ……あの……小日向くん……///」
「?」
何故か妙に顔を赤らめ、言いにくそうに口をもごもごさせる春姫。
そして春姫が、俺にそっと耳打ちした。
「女の子の胸って、とってもデリケートだから、小日向くんもちゃんと大事に扱ってあげてね」
「ぶふっ!!!!」
春姫からとんでもない爆弾発言を受け、俺は思わず口の中のコーヒーを吹き出してしまった。
149「胸いっぱいの・・・」後日談(2/2):2006/04/23(日) 13:31:30 ID:D9kI84y90
「は……春姫……何を……」
戸惑う気持ちを抑えつつ問いかける俺に、春姫は顔を真っ赤にしながら真相を打ち明けた。
「杏璃ちゃんから聞いたのよ。あの時の小日向くんの癖とか、その……いろいろ……」
「……杏璃さん……これは一体……どういうことでしょう……」
ジト目で杏璃を見つめる俺に、杏璃が思わず手を合わせて謝りだす。
「……ゴメン雄真! 春姫っていろいろ話しやすいから……全部……打ち明けちゃった……」
そこまで聞いてあげなくてもいいですよ、春姫さん……(泣)
「それじゃあね、小日向くん。杏璃ちゃんのこと、よろしく頼んだよ」
「あ、あぁ……またな、春姫」
そのまま春姫は、俺たちに気まずい雰囲気を残したまま、その場を去って行ってしまった。
「……杏璃さん……今度からその手の話題は、なるべく控えめに願います」
「うぅ……悪かったわよぉ……雄真……」
願わくば、準やハチの奴にまでこの手の噂が広がらないことを祈るばかりだ。

(今度こそ終わり)
150はぴねす!温泉の人:2006/04/23(日) 13:36:56 ID:D9kI84y90
以上です。
私自身もこのスレにおける自分の身の振り方についてあれこれ考えたんですが、
結局自分にできるのは、こうやってSS書いて皆さんに楽しんでいただくことくらいなんで。
是非今後とも、ご愛顧のほどよろしくお願いします。

しかし、女の子視点からエロ回想書くのって、楽しい反面かなり難しいっすねw
何しろおいら、豊満なおっぱいも気持ちよく感じるおま○こも持ち合わせておりませんから・・・
どなたかこの私めに、おにゃのこの気持ちよさについて教えて下さいませ。

最近エロばっかだったんで、そろそろ非エロが欲しいかな・・・?
では次回はまたGWにでもノシ
151名無しさん@初回限定:2006/04/23(日) 13:53:25 ID:3SjywEDP0
>>150
まだ読んでないけど、先行GJ!!
152名無しさん@初回限定:2006/04/23(日) 13:54:36 ID:3SjywEDP0
sage忘れ…orz
153名無しさん@初回限定:2006/04/23(日) 15:12:31 ID:9kb3eFnW0
GJ!
やっぱり杏璃は喋っちゃうんですねw
154名無しさん@初回限定:2006/04/23(日) 16:14:51 ID:8RHYnyFE0
おっぱい! おっぱい!(AA略
しかし、どういう話の流れで春姫に話すことになったんだろう・・・
155名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 10:03:42 ID:sktYMINX0
あけるりやもしらばのSSってない?
156名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 10:09:49 ID:mKpW5Izj0
二次創作データベースに行けよ。
べ、別にあんたのために教えてあげたんじゃないからね。
勘違いするんじゃないわよ。この、イカ!!

あけるりのエロパロでもよければ、ここのエロパロ版に有るが、
それ以外なら上記のサイトに逝って来い
157名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 10:47:56 ID:4CxFccwT0
>>155
明け瑠璃はここでは見たことがない。
もしらばは住人が職人を叩いて追い出した。
以上。
158名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 20:39:06 ID:TQ0iJO7L0
>>157
追い出された本人乙ww
自分で「職人」とかテラキモスwww
あんたが書くのツマンネーから、
未練たらしくスレ見てないで、書くのやめたら?
159名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 21:51:42 ID:Tv8G7ir60
はじめはみんな素人だった。
160名無しさん@初回限定:2006/04/26(水) 22:29:24 ID:OZ2PssXS0
もしらばって、なんでこんなに粘着がいるんだ?
161名無しさん@初回限定:2006/04/27(木) 00:35:43 ID:47xe5o+U0
一人が頑張ってるだけだろ
162名無しさん@初回限定:2006/04/27(木) 01:33:35 ID:SWw9Qp2W0
どっちもどっちだな
163名無しさん@初回限定:2006/04/27(木) 08:33:10 ID:ZA6GWZWt0
まぁ、煽る方も煽る方だが、粘着がいると分かっていて書き込むのも荒らしと同罪だな。
つか、批判レスしかついてなかったから読んでいないが、誰もプラス評価をしないような
内容なら、迷惑とは言わないが、正直、投稿しない方がいいと思う。
粘着荒らしを呼び込むだけだし。
164名無しさん@初回限定:2006/04/30(日) 14:03:43 ID:kQqdmRdO0
そろそろ準にゃんSSが読みたくなってきた。
165はぴねす!温泉の人:2006/04/30(日) 17:30:49 ID:DspVjCqP0
GWになった瞬間風邪でダウンした私orz
(つД`)コレハナンカノイヤガラセデスカ

さて今回は、春姫ルートでふたりがくっついた直後の出来事を、すもも視点で追っていきたいと思います。
基本俺の妄想なんで、頭からっぽにして読んでやって下さいませw

では「はぴねす!」より「大切なひと、大切なキモチ。」
166大切なひと、大切なキモチ。(1/13):2006/04/30(日) 17:32:46 ID:DspVjCqP0
4月22日 土曜日:午前 私立瑞穂坂学園

(そうかぁ……とうとう姫ちゃんにも彼氏さんが……うふふ)
週末最後のビッグニュース。
わたしの昔からの大切なお友達である姫ちゃんに、ついに訪れた喜びの日。
その喜ばしい知らせに、わたしは朝から顔がにやけっ放しだった。
(それにしても、ホントに羨ましいなぁ……姫ちゃん)
校門で彼氏さんを待ち受ける姫ちゃんの顔は、本当に幸せそうで……
見ていると何だか、こっちの方までウキウキが移ってくるようだった。
(……どんな人なんだろうな……姫ちゃんの彼氏さん)
何しろあの姫ちゃんの彼氏さんだから、とってもステキでカッコイイ人に違いありません!
わたしは顔をにやけさせながら、彼氏さんの顔をあれこれ想像させていた。

……そう。本当にウキウキしていたのだ。
みんなから本当のことを耳にする、その時までは……
167大切なひと、大切なキモチ。(2/13):2006/04/30(日) 17:33:36 ID:DspVjCqP0
4月22日 土曜日:放課後 1年教室

「……うそ……」
茫然自失の体で、わたしは呟いていた。
できれば一生知りたくなかった、衝撃の真実。
(おい、聞いたか○○? あの神坂さんに、ついにオトコができたんだって)
(相手は……確か、普通科2年の小日向雄真……だっけ?)
(くーっ、何故なんだ神坂さん? 何でよりによって雄真なんかに……)
校内を騒がしく駆け巡る、今世紀最高のカップルの噂。
その噂は、学年を違えるわたしの耳元にも、容赦なく襲いかかってくる。
――神坂さんの、恋人だって――
(……嫌……)
――雄真のヤツが――
(……もう……やだ……)
――コヒナタ――ユウマ――ガ――
(もう……聞きたくない!! そんなこと!!!)
気がつけばわたしは、耳を塞ぎながら、Oasisの方へと駆け出していた。
168大切なひと、大切なキモチ。(3/13):2006/04/30(日) 17:37:01 ID:DspVjCqP0
4月22日 土曜日:午後 カフェテリア『Oasis』

「……やっぱり……そうだったんですか……」
「……ゴメンねすももちゃん……ツライ思い、させることになっちゃって」
柊さんの言葉の前に、がっくりと肩を落とすわたし。
やっぱり……姫ちゃんの恋人は、兄さんだった。
兄さんと同じクラスの柊さんが言うのだから、間違いないだろう。
「ホラすももちゃん! これでも飲んで元気出してよ」
わたしの身を案じてか、柊さんが冷たいアイスコーヒーをわたしに差し出す。
「でも……柊さん……」
「いいのいいの! これはあたしからのおごりってことで」
「……ありがとう……ございます……」
中途半端にお礼など言いつつ、わたしはそのアイスコーヒーを喉に通した。
少し苦くて、ちょっぴり切ない味。
それがまるで、わたし自身の心を映し出しているようで、余計切なくなる。
「……じゃあね、すももちゃん。あんま思いつめるんじゃないわよ」
「……はい……」
柊さんにそう言われても、わたしの心は、なかなか晴れそうになかった。
169大切なひと、大切なキモチ。(4/13):2006/04/30(日) 17:38:36 ID:DspVjCqP0
4月22日 土曜日:夜 すももの部屋

プルルルルル……
夜中急に鳴り響く、わたしの携帯。
『あ、もしもし。すももちゃん?』
電話の主は……姫ちゃんだった。
兄さんもまだ帰ってきてないことを考えると……
きっと今の今まで、姫ちゃんは兄さんといっしょにいたんだろう。
「……何の用ですか? 姫ちゃん」
少しトゲを含ませ、わたしはそれに応対する。
『……あの……今日私が電話したのは……』
「……兄さんのことですね」
『うん……』
わたしの言葉に、姫ちゃんが口を濁らせる。
『すももちゃんも……もう……知ってるかも知れないけど……』
「……知ってますよ。学校中噂になってましたからね」
『うん……そうだね』
一言一言、まるで腫れ物に触れるかのように言葉を濁す姫ちゃん。
今のわたしには……そんな姫ちゃんの態度が、何だかすごく腹立たしかった。
「……よかったですね、姫ちゃん。兄さんと付き合うことになって」
『……』
冷徹なわたしの言葉に、姫ちゃんは何も返そうとしない。
「兄さんは……とても優しくてカッコイイですから……
 学園一のアイドルの姫ちゃんには、お似合いかも知れませんね」
……何だか、自分が自分じゃないみたいだ。
こんな憎らしい言葉を、わたしは姫ちゃんにかけたいわけじゃないのに……
170大切なひと、大切なキモチ。(5/13):2006/04/30(日) 17:39:23 ID:DspVjCqP0
『……すももちゃん……』
しばらくして、受話器からかすかに姫ちゃんの声が響いた。
「……何ですか? 姫ちゃん」
『……ゴメンね。すももちゃん』
「……!!!」
刹那、全身を掻き毟るような想いが私の全身を駆け巡った。
『結果的に、すももちゃんの気持ちを裏切ることになっちゃって……ホントに、ゴメンね』
「……」
違う……!!!
わたしは、姫ちゃんのそんな言葉が、聞きたいんじゃない……!!!
「……謝るなんて……姫ちゃんらしくないです」
精一杯、震える声で言葉をつなぐわたし。
『……すももちゃん……私』
「もう二度と、わたしに電話して来ないでください……っ!!!!」
最後のほうは、もう涙にまみれて、何を言っているのか自分でもわからなかった。
……とても歯がゆかった。姫ちゃんの卑屈に満ちた態度が。
兄さんと付き合えるなんて、わたしには願っても叶わないことなのに……
姫ちゃんにとっても、心から誇ってしかるべきことなのに……
それなのに……
何で今更、わたしに謝ったりするんですか……!?
「……」
ツーツーと虚しい電子音響く受話器を手に、呆然と立ち尽くすわたし。
……何やってるんだろう、わたし……
姫ちゃんに当たり散らしたところで、何か変わるわけでもないのに……
カチャッ……
折りしも階下で、扉の開く音がした。
……ちょうど兄さんが、姫ちゃんとの逢瀬を終え、帰ってきたところだろう。
「……行かなきゃ」
兄さんの前でまで、こんな醜いわたしを曝け出すわけにはいかない……
目元に滲んだ涙を拭い、わたしは兄さんの元へと歩いていった。
171大切なひと、大切なキモチ。(6/13):2006/04/30(日) 17:43:01 ID:DspVjCqP0
4月23日 日曜日:昼 回ってないお寿司屋さんw

「それじゃあねぇ……アナゴと赤貝とー、あと大トロなんて頼んじゃおっかなー♪」
「へっ……へい毎度! 音羽さんのためなら、お安い御用でさぁ!!」
早速持ち前の笑顔で、大将さんにお寿司を値切りまくるお母さん。
わたしも随分、商店街での品物の値切り方について勉強してきたつもりでしたが……
やっぱり、お母さんにはまだまだ敵いそうにありません……
やがてカウンター席は、見たこともないようなきれいなお寿司でいっぱいになっていた。
「さぁて、どれから頂いちゃおっかしら?」
「あ、じゃあわたしは甘エビから……」
「あーっ、すももちゃんずるーい! わたしが食べようと思ってたのにー」
こうやって他愛もない会話をしつつ、食べたこともないような高級海の幸に舌鼓を打つ私たち。
それはとても穏やかで、心温まる情景だった。
……たったひとつ、この場に欠けたものを除けば。
いつもいつも……わたし達家族はずっといっしょだった。
兄さんは片時たりとも、わたしの傍を離れたことはなかった……
いつしかそれが……わたしにとって、至極当たり前のことになっていて……
いつか兄さんが、どこかにいなくなっちゃうなんて……全然、考えたことなどなかった。
「……」
今頃兄さんは、姫ちゃんと一体何をしてるんだろう……
ふたりでお洋服屋など巡って、わたしにも見せたことのない格好でキメてみたりして……
その後きっと、ふたりで映画館など行ってみたりするんだろう。
わたしには決して見せることのない笑顔を、互いに交わしながら。
「……」
わたしの知らないところで、わたしの知らない兄さんが、どんどん増えてゆく……
そのことが、わたしの胸の奥底を縛りつけて離さない。
172大切なひと、大切なキモチ。(7/13):2006/04/30(日) 17:45:33 ID:DspVjCqP0
「……あらあら、すももちゃん大丈夫?」
……お母さんの声に、わたしはふと我に帰った。
「え、え、えっ? な、何ですかお母さん?」
明らかに動揺した口調で、言葉をどもらせるわたし。
「……やっぱり、お出かけはやめにした方がよかったかしら?」
「い、いいえ!! そんなことありません!!」
「嘘つくんじゃないの! そんなに目真っ赤にしちゃって」
「あ……」
お母さんの言葉で、わたしは初めて自分の状況に気がついた。
木製のテーブルの上に点々と散らばる、何かのしずく。
そして、頬を濡らす熱くて冷たいもの……
(泣いてたんだ……わたし……)
それまで漠然としか感じてなかった虚しさ、寂寥の想い……
しかし……こうして自分の涙を自覚することで。
わたしの想いは、もはや誰にも抑えられないほど膨張してしまっていた。
「ん……んぅぅっ、ふぇぇ……っ」
席に突っ伏したまま、ひたすら泣き咽ぶわたし。
兄さんがもう、わたしだけの兄さんじゃなくなってしまう……
そう考えただけで、悲しくて、とてもやるせなくて……
いつ果てるとも知らない悲しみに、わたしはひたすら泣き続けていた。
173大切なひと、大切なキモチ。(8/13):2006/04/30(日) 17:46:49 ID:DspVjCqP0
……やがて泣き止んだわたしに、お母さんがそっと話しかけた。
「……寂しいよね、すももちゃん」
「……お母さん……」
「大事なお兄ちゃんを、他の女の子に取られちゃって……」
「……」
お母さんはこういう時、誰よりも強くて優しくて……
こうやって声を聞いてるだけで、何よりもすごく安心できる自分がいる。
「お母さんは……寂しくないんですか……?」
「あら、寂しいわよ。もちろん」
笑顔で、しかし開けっ広げに、その寂しさを語るお母さん。
「もうこうして十何年も、大事に育ててきた息子だもん。
 今更他の女の子になんて、できればやりたくないわよ」
「お母さん……」
「でもね……かーさん、こうも思ってるの。
 雄真くんが、春姫ちゃんみたいな立派な女の子を、ちゃんと捕まえて来れたこと。
 それがかーさん、親としてすっごく鼻が高いわ♪」
「……お母……さん……」
わたしはふと、姫ちゃんとお花見の席で再会した時のことを思い出していた。
久しぶりに会った姫ちゃんは……わたしの知ってる姫ちゃんとは、全然違っていて……
そのかわいらしさや上品なたたずまいに、女の子のくせにひどくどきどきしたこと……
今でも、鮮明に思い出せる。
174大切なひと、大切なキモチ。(9/13):2006/04/30(日) 17:50:17 ID:DspVjCqP0
あの時……とっても綺麗に成長した姫ちゃんのことが、とても羨ましくて……
そして……そんな姫ちゃんをお友達に持った自分自身が、とても誇らしく思えて……
(……姫ちゃん……)
兄さんも姫ちゃんも……わたしにとって、みんなに誇れるとても大切な人だ。
そのふたりが、お互いのことを認め合い、こうして結ばれたこと。
それは何だか、とってもステキなことのように思えた。
「だからさ! すももちゃん」
お母さんはそっと身をかがめ、うつむくわたしに目線の高さを揃えてくる。
「すももちゃんは、すももちゃんにできることを、精一杯やればいいの!
 何しろすももちゃんは、雄真くんのたったひとりの妹じゃない!」
「わたしに……できること……」
わたしが、兄さんと姫ちゃんのために、できること……
それは、一朝一夕の間には、到底思いつきそうになかった。
「ゆっくり考えなさい。すももちゃんが、お兄ちゃんに本当にしてあげたいこと……」
「……兄さんに……してあげたいこと……」
わたしは……おふたりのために、一体何がしてあげられるんだろう?
わたしはそれからずっと、そのことについて、ひたすら想いを巡らせていた。
175大切なひと、大切なキモチ。(10/13):2006/04/30(日) 17:51:24 ID:DspVjCqP0
4月23日 日曜日:夜 すももの部屋

プルルルルル……
緊張するわたしの手の中では、わたしの携帯電話が、しきりに呼び出し音を鳴らしている。
……結局あの後、わたしは一日中考えて、考えて……
そしてようやく、ただひとつだけ、できることを思いついたのだ。
『す、すももちゃん? どうしたの、急に……』
すごく慌てた口調で、電話口に立つ姫ちゃん。
はやる気持ちを抑えつつ、わたしはできるだけ明るく、姫ちゃんに切り出していた。
「大スクープですよ姫ちゃん。今日は何と、兄さんの大好物について教えちゃいます!」
『雄真くんの……大好物?』
「わたしが妹として十数年間、兄さんを観察してきた努力の集大成です!
 姫ちゃんも、どうか心して聞いてくださいね!」
『で、でも……すももちゃん……』
「いいんです! 姫ちゃんは、わたしにとって一番大事なお友達ですから……」
わたしの熱意に、姫ちゃんもついに折れたようだ。
『うん……じゃあ、お願いしちゃおっかな?』
「はい!! じゃあまずは、わが小日向家の定番、すももコロッケからです!!」
……それからわたしは、姫ちゃんにいろんなことを話した。
兄さんの大好物、食べるときの順番、そして、本当に嬉しいときの兄さんのしぐさ……
どれもこれも、わたしが十数年間ずっと秘密にしてきた大切な知識だ。
こんなに長い間大切にしてきたことを、誰かに打ち明けるのは、すごく寂しいけど。
わたしにとってこんなに大切なものだからこそ、姫ちゃんには、絶対に知っていてほしい……
176大切なひと、大切なキモチ。(11/13):2006/04/30(日) 17:52:23 ID:DspVjCqP0
4月23日 日曜日:深夜 すももの部屋

『……何だかすももちゃんのおかげで、雄真くんのこと、いっぱいわかっちゃったな』
「エヘヘ……絶対誰にも内緒ですよ、姫ちゃん」
姫ちゃんとわたしとの間で、共通の秘密がどんどん増えてゆく。
そのことが、何だかすごくくすぐったかった。
「……それで、ですね……姫ちゃん……」
『? 何、すももちゃん』
「これからはずっと……姫ちゃんが……兄さんのお弁当を作ってあげてください」
『え……で、でも……』
「いいんです……姫ちゃんには、ずっと兄さんといっしょにいてほしいですから……」
姫ちゃんに託した、わたしの願い。
それは同時に、兄さんをずっと慕い続けてきた自分との、決別の証でもあった。
『……うん。明日……さっそく頑張ってみるね』
「はい! 是非とも頑張ってください!」
『うん! ありがとう、すももちゃん』
そのままわたし達は、互いにおやすみを言いながら電話を切った。
「……」
携帯を胸に抱きながら、ふと傍らのベッドに横たわるわたし。
177大切なひと、大切なキモチ。(12/13):2006/04/30(日) 17:55:57 ID:DspVjCqP0
(……兄さん……)
これでもう、わたしは兄さんに、お弁当を作ってあげなくてもよくなった……
明日から……少しだけ、わたしに自由な時間ができる。
兄さんのことを考えなくてもすむ、自由な時間が……
「……」
ふと胸の中に、どうしようもない空虚が広がってゆくのがわかった。
今まで1日たりとも欠かすことのなかった、お弁当作りの時間。
兄さんに喜んでもらえる、とても平穏で、とても幸せだったひととき。
だけど……それとももう、今日でお別れ。
「うぅ……っくっ……ふぇぇぇん……っ」
埋めようのない虚しさに、わたしはひたすら泣きじゃくった。
今夜はずっと、わたしは兄さんのことを想い、泣いて、泣いて……
そして泣き止んだとき、わたしはきっと、兄さんとの決別を果たすんだろう。
(せめて今だけは……わがままな妹で……いさせて下さい……!!)
嗚咽の声が周りに漏れるのも気にせずに。
わたしはずっと、ベッドの上で、涙が枯れるまで泣き続けていた。
178大切なひと、大切なキモチ。(13/13):2006/04/30(日) 17:56:51 ID:DspVjCqP0
4月24日 月曜日:朝 小日向家

新しい朝がやってくる。
兄さんとの関係に、少しだけ変化の訪れる、新しい朝が。
「よっ、と……」
ベッドから身を起こすと、さっそく制服に着替え始めるわたし。
心は、随分と澄み切っていた。
今ならきっと、兄さんとも、正面から向き合うことができる。
兄さんの幸せを、心から祝ってあげることができる……!
……やがて兄さんが、寝ぼけ眼で居間にやってきた。
「ん? もう制服に着替えたのか、早いなぁ」
既に制服に着替えているわたしを見て、驚く兄さん。
「はい、今日は先に出ますので」
「あれ、てことは俺の弁当は?」
兄さんはまだ、わたしが当然お弁当を作ってくれるものと思っているようだ。
まったく……せっかく妹がこうして立派に兄離れを果たしたというのに、
兄さんはまだまだ、妹離れができないようですね。
少しのいたずら心と、兄さんへの溢れんばかりの慕情に。
わたしは兄さんに、いたずらっぽく微笑んでみせた。

「ありませんよ。明日から早起きして、自分で作ってくださいね!」

(終わり)
179はぴねす!温泉の人:2006/04/30(日) 17:57:55 ID:DspVjCqP0
>>166-178
・・・とまぁ、こんな感じです。
何か終盤書いてて、思わずほろっと来ちゃいました・・・;

本編では語られなかったすももの想い、いろいろ妄想してみましたが、いかがだったでしょうか?
ではまたノシ
180名無しさん@初回限定:2006/04/30(日) 18:37:58 ID:gyLD1E2b0
ちんすこう
181名無しさん@初回限定:2006/04/30(日) 19:29:53 ID:BevOn43s0
>>179
GJ! しかし前から思ってたんだがあんた何もんなんだw
この巧みな心理描写……只者じゃねえ……
182名無しさん@初回限定:2006/04/30(日) 20:07:13 ID:6ddPuTkEO
GJ!!
いい話じゃありませんかー!!
きっとすももは本当にこんな心境だったんでしょうね。

春姫信者の俺でも、いや、だからこそ感動してしまいましたよ。
183名無しさん@初回限定:2006/04/30(日) 21:26:45 ID:7T7QASH60
>>179
GJ!

でも、1箇所気になるな。
たしか、春姫は雄真と付き合うようになった事を、
すももにあやまらなかったんじゃなかったっけ?
184はぴねす!温泉の人:2006/05/01(月) 07:57:22 ID:s5yj2jX30
>>183
おいらもそう思って、事前に本編確認してました(つかたった今も確認してきた)

本編春姫ルート4/22夜(時系列的には>>170の直後)にすももが
「それに姫ちゃんには電話をもらいました・・・ごめんなさいって」
って台詞言ってます(これ根拠にしていいかわかんないけど)

おそらく4/25朝のすももの台詞「ごめんなさい、なんて言ったら・・・」のインパクトで
>>183のように感じられたのではないかと。
事実、私自身も書いてて不安になったしね。

SS書きたるもの、本編チェックもぬかりありません!
185名無しさん@初回限定:2006/05/04(木) 01:57:25 ID:lbrP26OJ0
その意気やよし!



さてGW中に投下はあるのだろうか
186はぴねす!温泉の人:2006/05/04(木) 09:44:34 ID:FU+TUqce0
|∀・)アルー キットアルー
期待しないで待っててちょノシ
187はぴねす!温泉の人:2006/05/04(木) 18:21:59 ID:FU+TUqce0
てなわけで予告どおり投稿します。

恒例の手抜き企画、女の子モードw
今回は温泉の話第6章「湯船で触れ合うふたりの気持ち」の春姫視点バージョンです。
オリジナルは前スレログ参照。あるいは>>181氏が作品別で上げたこっちとか↓
ttp://www.katsakuri.sakura.ne.jp/src/up12225.txt.html

↓んじゃさっそくドゾー
188「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(1/13):2006/05/04(木) 18:23:04 ID:FU+TUqce0
「……もう終わったか? 春姫」
「うん……あともうちょっとだけ待ってね」
扉の前で、対侵入者用のトラップ魔法を詠唱する私。
「……くれぐれも、電気ショックとかはナシで頼むぞ」
「ふふ、わかってるって」
後ろから念を押す雄真くんに、私は笑顔で答えた。
……雄真くんには悪いけど、せっかく久しぶりにいっしょにいられるんだもん。
ちょっとだけおいたしちゃっても、大丈夫だよね?
「しかし、まさかこんな便利なお風呂があったとはな……」
私たちは今、大浴場とは別に用意された小さな家族湯に、2人で入っている。
風呂場の中にいるのは、私と雄真くんの2人だけ。
それ以外に、私たちを邪魔するものは、何もない。
「どうせなら、始めっから2人でこっちに入ればよかったかな? なんて」
「ふふ。そうしたら、またみんなにからかわれちゃうね」
「ははは……そうだなι」
私の言葉に、雄真くんも思わず苦笑いを浮かべる。
やがて私は、ちょっと強めに設定した電気トラップを仕掛け終え、雄真くんの傍へそっと入り込んだ。
雄真くんがそっと、私に身を寄せてくる。
「あったかいね……雄真くん」
「あぁ……何だか、やっとまともに温泉につかれたような気がするよ」
雄真くんの言葉に、私はふと、さっきすももちゃんに呼ばれた時のことを思い出していた。
「いい加減にしろー」とかいう雄真くんの声が、かすかに聞こえた気がしたけど。
あれはやっぱり、みんなして雄真くんのことからかってたんだね……ι
「そうだね……もう、みんなよってたかって、雄真くんのこといじめるんだもん」
「あはは……ι 聞こえてたんだ、アレ」
はぁ……今度みんなに、ちょっとキツめのお灸すえとかなきゃ……
189「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(2/13):2006/05/04(木) 18:24:02 ID:FU+TUqce0
「……そう言えば」
ふと雄真くんが、私に問いかけた。
「ん? 何?」
「あの時、お前……すももと2人で、一体何を話してたんだ?」
あの時……?
あぁ……きっと、さっきお風呂ですももちゃんと交わした会話のことね。
「ふふ……知りたい? 雄真くん」
私はちょっとだけいじわるな顔で、雄真くんに問いかける。
「そりゃあ、まぁ……一応、恋人だからな」
「ダーメ。これは私とすももちゃんだけの秘密」
さすがに雄真くんでも、あの時のことは言えないもんね。
だけどここで簡単に引き下がるほど、雄真くんも諦めのいい方ではない。
「えー? いいじゃんかよ、俺と春姫の仲じゃねーか」
「いくら雄真くんでも、こればっかりは言えないよ。
 もしムリヤリ詮索したら、馬に蹴られちゃうんだから」
「はは……それは是非とも勘弁願いたいとこだな」
私の言葉に、雄真くんはちょっとだけ怯えるような表情を見せた。
「ふふ。何たってすももちゃんと私は、切っても切れない赤い糸で結ばれてるからね」
私はちょっとだけ得意になって、すももちゃんとの仲の良さをアピールしてみせる。
「それはさすがに、男の俺が無断で割り込んじゃいけないってことか?」
「ふふ。そういうコト」
雄真くんはそれ以上、このことについて追求することはなかった。
「空が、とってもキレイだね……」
「あぁ、そうだな……」
眼前に広がる、無限の星空。
私たちの言葉以外、全ての音を飲み込んでいってしまうような、そんな幻想的な空間。
「何だか……私たちだけ、この世界から切り離されたみたい……」
「そうだな……春姫」
広い世界に、取り残されたのは私たちだけ……
何だかすごく、ロマンチックな雰囲気だ。
190「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(3/13):2006/05/04(木) 18:29:36 ID:FU+TUqce0
「……」
私はふと、雄真くんの視線が私に向け注がれてることに気づいた。
私の首筋から胸元まで、舐めるように見つめる雄真くん。
言葉に出さずとも……その視線の意味するところは、何となく理解できた。
「……あのさ、春姫……」
やがて雄真くんが、気恥ずかしそうに私に話しかける。
「……何? 雄真くん」
胸のときめきを懸命に抑えつつ、私は雄真くんに言葉を返した。
「……そんなキレイな春姫を見つめてたら……その……
 俺……我慢できなくなってきたって言うか……」
「あ……///」
我慢できなくなったって……それはつまり、そういうことで……
私の顔が、どんどん火照ってくるのがわかる。
「雄真くん……///」
「あ……ゴメンな春姫!! せっかくいい感じでロマンチック入ってたのに」
私の表情の変化に、思わず平謝りする雄真くん。
「うぅん。気にしないで、雄真くん」
慌てて私は、雄真くんに笑顔で返してみせた。
「それに……私も、その……少し、期待してたから……」
「……そっか」
雄真くんは心底嬉しそうに、私を強く抱きしめた。
温かな湯船の中、雄真くんとひとつに結ばれてゆく感覚。
「春姫……」
「雄真くん……」
月明かりの照らし出す浴槽で、私たちは静かに口づけを交わしていた。
191「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(4/13):2006/05/04(木) 18:31:19 ID:FU+TUqce0
「……ぇろ……ん……」
私と口づけしながら、ゆっくりとその舌を私の中へと侵入させる雄真くん。
私の唇、歯列、そして舌の両面……
それら全てを味わうように、丹念に舌を動かしてゆく。
「……ぁは……あ……雄真……くん……」
私もまた、雄真くんの舌を求めて、必死で自分の舌を絡ませていく。
……何だか、夢の中にいるような感覚だった。
私のお口を、時に激しく、時に優しく求めてくれる雄真くん……
そんな雄真くんがとても愛しくて、私も夢中になって雄真くんの口を貪る。
「春姫……もしかして、感じて……くれてる……?」
少し口を離し、私の反応を気づかう雄真くん。
「……うん……雄真くんのキス……とても優しくて……痺れちゃいそう……」
「春姫……」
私の答えに、雄真くんは心いっぱいのキスで返した。
雄真くんとの口づけは、とても甘くて、煽情的で……
いつも私は、そんな雄真くんのキスに、全身を熱く溶かされていってしまう。
「……久しぶりだから、かな……? 私……雄真くんに……いっぱい甘えたい気分……」
「久しぶりったって……まだあれから1ヶ月も経ってないぞ?」
「それでも……いいでしょ? 私、検定の間ずっと我慢してたんだから……」
少しいじわるな雄真くんの言葉に、私は少しだけ、頬を膨らませてみせる。
だけど……雄真くんの方も何だか、我慢の限界に来ているようだった。
数週間もの間、お互いずっと我慢してきたせいだろうか。
今日は何だか、お互いのことをもっと貪りたくて仕方がない。
「……春姫……」
「あ……」
雄真くんはふと私を抱き寄せ、私の体を頼りなく隠していたタオルをそっと取り除いた。
私の乳房が、白日のもと雄真くんの目の前に晒される。
192「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(5/13):2006/05/04(木) 18:32:35 ID:FU+TUqce0
「……うゎ……」
雄真くんがふと、感嘆にもよく似たため息をついた。
雄真くんに裸の胸を見られるのは、別に初めてじゃないのに……
私の心は、まるで初めて胸を見られた時のように激しく高鳴っている。
「触るよ? 春姫……」
「うん……」
私が頷くと、雄真くんは私の片方の胸にそっと手を触れた。
「あ……」
雄真くんの手が触れたところから微弱な電流が走り、思わず声を漏らしてしまう私。
温泉の湯でじっとりと張り付く雄真くんの手は、少しだけごつごつして、そして熱い。
そしていつの間にか、私の胸は雄真くんの広い掌にすっぽり包まれてしまう。
(雄真くんが、私の胸……愛してくれてる……)
夢か現(うつつ)かわからない、この状況。
そして気がつくと、私の胸は雄真くんの手の中で、ぐにぐにと形を変えられていた。
「あはっ……ぁん……はぁ……あぁ……」
乳房がぎゅっと押さえつけられる度、体の力がどんどん抜けてゆく私。
そして私の胸は、ほとんど抵抗する術を失ったまま、雄真くんのされるがままになってしまう。
「やぁ……ぁっ、はぁっ……あっ、ぁは……っ」
初めて触ってもらった時とは明らかに違う、雄真くんの手の感触。
あの時は、気持ちよさの中にも少しだけ痛いような、ぐりぐりする感覚があったのに、
今はすっかり馴染んでしまったのか、やわらかな心地よさのみが私の胸に伝わってくる。
(……え?)
胸の先端に伝わる刺激に、私は思わず目を開いた。
雄真くんがそっと、私の乳首に口づけていたのだ。
「あ……やだ、雄真くん……」
恥ずかしさとわずかな快感から、思わず全身を震わせる私。
雄真くんは私の乳首を口に含んだまま、そっと私の秘部に手を伸ばしてきた。
193「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(6/13):2006/05/04(木) 18:34:56 ID:FU+TUqce0
「やっ……だめ、そこは……」
そこはもう、恥ずかしい汁でいっぱいになっちゃってるのに……
顔から火が出るような恥ずかしさに、私は思わず呻いた。
そんな私の気持ちも意に介さず、雄真くんの指がどんどん私の中に飲み込まれてゆく。
「ひゃ……ぁん、はぁん、あん……あぁっ、はぁ……っ」
膣口からクリトリスまで、じらすようにスライドしてゆく雄真くんの指。
ぞわぞわとした快感が、私の下腹部を絶え間なく襲ってくる。
「はぁ……ぁ……あん、あ、あぁっ……」
頭の中が、気持ちよさの雑音でかき乱されてゆく感覚。
乳首の快感も伴って、逃れようのない快感が全身を駆け巡ってゆくのがわかる。
「ん……あ……春姫……」
(……!!?)
刹那、私の胸の先端を強烈な刺激が襲いかかった。
雄真くんが夢中になって、私の乳首を吸い上げていたのだ。
「ひゃあああ……っ、ぁあっ……あぁ……だめ……雄真くん……」
もはや私の方に、まともな思考能力は残されてなかった。
「はぁんっ、あっ、あぁ……気持ちいいの……雄真くん……」
荒々しくも気持ちのこもった雄真くんの愛撫に、我を忘れて喘ぐ私。
……何だかさっきから、私は雄真くんにいいように弄ばれっ放しだ。
雄真くんが私のためにいっぱい頑張ってくれているのはわかる。
だけど……私にだって一応、プライドってものがあるんだから……!
朦朧とした意識の中、雄真くんの屹立した肉棒を探り当てる私。
「……!?」
私の手がそこに触れた瞬間、雄真くんが驚いてこっちを見つめる。
「は……春姫……?」
「いつも……されっ放しじゃ……悔しいから……ね? いいでしょ?」
そう言うと、私は握り締めたその手をこしゅこしゅと上下させ始めた。
指が雁首の段差を通り抜けるたび、雄真くんのペニスが面白いくらいびくびく反応する。
194「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(7/13):2006/05/04(木) 18:36:38 ID:FU+TUqce0
「っく……は……春姫……」
とても苦しそうな雄真くんの表情……そして、焼けつくほどに熱い雄真くんのペニス……
今この時、確かに私が主導権を握っている……
その実感に、私は何だか、優越感にもよく似た快感を覚えていた。
「あふ……雄真くんの、もう、こんなになってる……凄いね……」
「ぅぁ……っ……はる……ひ……っ」
掌に雄真くんの熱を感じつつ、私はふと、いつも胸でしてあげる時のことを思い出していた。
まるで灼熱の焼き鏝(ごて)のごとく、私の胸に容赦なく押し当てられる雄真くんのペニス……
その熱さに、してあげているはずの私の方が、いつも逆にイカされてしまいそうになる。
(雄真くんのここが、こうやって……)
胸にあてがわれる雄真くんの熱を思い出すべく、私の手は自然と、自らの乳房をいじっていた。
私の胸を絶え間なく襲う、雄真くんのペニスの感触……
思い出すだけで、私はだんだんと自分を抑えきれなくなってきていた。
「んく……ん、ねぇ、雄真くん……」
雄真くんのを扱きながら、そっと雄真くんに問いかける私。
「? 何だ……春姫……」
「……舐めてもいいかな? 雄真くんの、これ……」
「……あぁ……」
雄真くんが頷くのを合図に、私は雄真くんの両足を肩にかけ、その腰を水面まで持ち上げた。
「……重くないか? 春姫……」
「うぅん、全然。お湯のおかげで、ずいぶん楽……」
「春姫……」
私はうつむいて、水面にぽっかり顔を出した雄真くんのものに顔を近づけた。
195「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(8/13):2006/05/04(木) 18:37:55 ID:FU+TUqce0
「雄真くん……私が……いっぱいしてあげる……」
そう言うと、私は雄真くんの頭のところをそっと口に含んだ。
苦じょっぱい温泉の湯にまみれた雄真くんのあそこの味が、お口いっぱいに広がる。
「ぅあ……」
股間に伝わる快感からか、雄真くんが感嘆のため息を漏らす。
いつも私を熱くさせる、雄真くんの大切なあそこ。
今日は私が、いっぱいご褒美あげるからね……
私はくわえこんだその口を、唾液といっしょに上下運動させ始めた。
じゅぼじゅぼと、淫靡な響きが浴場中に響き渡る。
「うぁ……っ……ぁ、っく……っ」
あんまり久しぶりだったせいか、雄真くんのそこもすごく感じやすくなっているようだった。
目をつむり、天を仰いで、快感に耐え忍ぶかのように喘ぐ雄真くん。
「ああっ……ダメだ、春姫……もう……」
やがて雄真くんは腰を浮かせ、限界が近いことを私に知らせはじめる。
「ゆうま……くん……」
私は雄真くんの意図を察知し、さらに激しいストロークを雄真くんのあそこに加えた。
雄真くんの射精を誘うべく、無心に雄真くんのそこを扱き上げる私。
……と、私はにわかに、自分の後頭部がぐっと押さえつけられるのを感じた、
そのまま雄真くんのペニスが、ぐっと喉元深くに突き刺さり……
196「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(9/13):2006/05/04(木) 18:40:26 ID:FU+TUqce0
びくん!! びくんっ!!!
私の喉元目がけて、雄真くんの熱い想いがびくびくと注ぎ込まれるのがわかった。
「っ……ぁ……ゆぅま……くん……っ」
お口いっぱいに溢れかえるほどの、雄真くんの煮えたぎる想い。
そのあまりの量に、私は思わず咳き込み、雄真くんの精液を全て吐き出してしまった。
「んもぉ……雄真くん……出しすぎ……」
雄真くんったら、いつも本当にしょうがないんだから……
惚れた女の弱みだろうか。
普通なら身勝手とも思える雄真くんの行為が、逆にすごく愛しく思える。
「……悪い……こっちも……久しぶりだったから……それに……」
「雄真くん……?」
一度出したばかりだというのに、未だ激しく自己主張している雄真くんのあそこ。
それはまるで、今すぐにでもあるべき場所に収まりたくて、我慢できないようであった。
「……なぁ……春姫……いいかな……? そろそろ……」
雄真くんが私に、そっと問いかける。
「うん……来て……雄真くん……」
私が頷くと、雄真くんは私を抱きかかえ、湯船のへりに私の体をそっと寝かしつけた。
視界いっぱいに広がる、雄真くんの大きな肉体。
あぁ、今から私は、この体に強く抱きしめてもらえるんだ……
腹の底から震え出すほどの悦びに、私は少しだけ目を潤ませていた。
197「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(10/13):2006/05/04(木) 18:43:45 ID:FU+TUqce0
「……優しくしてね、雄真くん……」
そっと微笑みを浮かべつつ、私の足を開いてゆく雄真くんに嘆願する私。
その声に、雄真くんもまた優しい微笑みを浮かべ頷いた。
激しく膨張するおのが怒張に手を沿え、私の秘部にあてがう雄真くん。
じわりじわりと、熱いものが私の中に誘われてゆく感覚。
と、雄真くんの腰が一気に前方にスライドし……
「!!! ひゃ、ああっ!!!!」
思わず私は、全身をピクリとのけ反らせていた。
雄真くんが、己がペニスを私の奥底まで一気に押し込んでいたのだ。
「ぁっ……もぉ……慌てすぎだよ、雄真くん……」
刺激の波が通り過ぎ、思わず苦笑を漏らす私。
「ご、ゴメン……春姫」
慌てて私に平謝りする雄真くん。
雄真くんったら、そんなに私の中に入れたかったんだ……
雄真くんがこんなにも私のことを欲してくれるのがとても嬉しくて、
私はもう一度軽く笑みを浮かべた。
「約束だよ、雄真くん……今度はちゃんと、優しくして……」
「あぁ……わかったよ、春姫」
私の言葉を受け、雄真くんがゆっくりとピストンを開始した。
亀頭の先が、まるでじらすように私の膣壁にこすりつけられる。
「ん……ぁっ……はぁ……っ」
お腹の中に伝わる雄真くんの灼熱に、かすかに喘ぎ声を漏らす私。
雄真くんのそこは、相変わらずとても大きく、それでいてきれいに私の中にフィットする。
何より雁首の段差の部分が、とても心地よく私のお腹の中をなぞってくれる。
(雄真くんと私のって、ちょうどぴったり合ってるのかな……)
雄真くん以外の男の人のものを、私は知ってるわけじゃないけど。
雄真くんの熱に溶かされてゆく感覚の中、私はぼんやりとそんなことを考えていた。
198「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(11/13):2006/05/04(木) 18:46:08 ID:FU+TUqce0
「んぁ、ぁぅ……うん……っ、あ、あん……」
ゆっくりと目を閉じ、雄真くんのゆったりとしたピストンを楽しむ私。
こうやってじっくり私の体を慣らしてくれる雄真くんの気持ちは、正直とても嬉しい。
……だけど、雄真くんは本当に、これで気持ちよくなってくれてるのかな……?
私のことを気遣ってくれるのは嬉しいけど、たまには雄真くんも、
もっと自分の快感に正直になってほしいよ……
(……?)
ふと私は、目前の雄真くんの姿に違和感を抱いた。
雄真くんの存在が、急激に希薄になってしまうような、そんな感覚。
……まさか、気のせいだよね……
雄真くんが、急にどこかに消えていっちゃうだなんて。
「春姫……そろそろ、動いていいか……?」
折りしも雄真くんが、朦朧とした顔で私に問いかけた。
なぁんだ。雄真くんも、ホントはずっと逝きたかったんだ……
雄真くんが素直になってくれたのが嬉しくて、私はちょっとだけ意地悪な言葉をかけてみる。
「もう、逝きたいの……? クス、せっかちなんだね、雄真くん……
 でも、いいよ……私の中に、いっぱい、ちょうだい……」
「あぁ……春姫」
雄真くんは嬉しそうに微笑むと、私の腰に手をかけ、一気にラストスパートを仕掛けた。
199「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(12/13):2006/05/04(木) 18:46:59 ID:FU+TUqce0
「!!? ひっ、ぃやっ、あっ、はぁっ……」
私の膣内を急激に襲う、雄真くんの激しい抽送。
あまりの快感に、私の頭は真っ白なバターとなって溶けていってしまう。
「あぁっ、はっ、あっ、うぅっ、あ……ああああっ……!!」
刹那、意識が遠くへ飛ばされていくような感覚が私の頭を襲った。
裸のまま無重力の中へ投げ出されてしまったような、とても不安定で危うい感覚。
(雄真くん……ダメ……逝っちゃう……逝っちゃうよぉ……っ!!!)
雄真くんは更に、ペニスを奥深く突き刺し、私の奥底を絶え間なく攻め始めた。
脳髄まで痺れるようなその感覚に、私はもはやまともな言葉を発することすらままならない。
「っく……あ……春姫……っ!!!」
「雄真……くん……っ、ひゃ、あああああっ……!!!」
世界が、白一色に染まるのを感じた。
腹筋が痙攣し、びくりと硬直する私の肉体。
そして、全てが終わった直後……
200「湯船で触れ合う・・・」女の子モード(13/13):2006/05/04(木) 18:49:37 ID:FU+TUqce0
びゅくっ、びゅくっ……!!!
ひときわ熱いものが、私の中に注ぎ込まれるのがわかった。
「はっ、あぁっ……ゆぅま……くん……」
びくっ、びくっ、びくっ……
おぼろげながら我を取り戻す私の中で、なおも射精の快感を味わい続ける雄真くん。
「はぁっ、はぁっ……春姫……俺……」
……やがて全てを出し切った雄真くんが、力なくして私に覆い被さってきた。
「あっ……もう、雄真くんったら……」
頭の中が、すべて雄真くんのことでいっぱいになる瞬間。
この幸せなひとときを味わいたくて、私はいつも雄真くんとHするんだろう。
………………
……違和感に気づいたのは、それからすぐのことだった。
髪を撫でたりキスしてくれたりと、後戯にも余念のないいつもの雄真くん。
その雄真くんが……今日は、私に体を預けたまま、ぴくりとも動こうとしない。
「……雄真くん?」
ふと私は、さっき感じた違和感のことを思い出していた。
急激に、雄真くんの存在が希薄になってゆく、あの感覚。
……まさか……雄真くん……

ガクッ

「雄真くん!? しっかりして、雄真くん!!」
物言わぬ雄真くんの耳元目がけて、私は必死に叫んでいた。

(→温泉の話第7章「伊吹と杏璃、宿命の対決!?」に続く)
201はぴねす!温泉の人:2006/05/04(木) 18:51:12 ID:FU+TUqce0
>>188-200以上です。

それにしても春姫があそこで自分の乳房をいじりだしたのには
こんな理由があったとはw
書いてて自分でもびっくりですw

つか書いてて毎度不安なんですが、うちの書くエロってちゃんと抜けますかね?
自分ではまぁ、そこそこ使えるもんに仕上げてるつもりですけど・・・
あと毎度ここで書いてるけど、ちゃんと女の子の気持ちよさって表現できてるでしょうか?
できればご意見のほどよろしくお願いしますノシ

(´-`).。oO(そういや準にゃんの人どこ行ったんだろ・・・)
202名無しさん@初回限定:2006/05/04(木) 22:24:59 ID:Wv9BrtX90
>>201
乙!

いま、まぁファンディスクにルートあるの判明したんで
それを確認してからって考えてるんですけど……

期待していいのかなぁ…
203名無しさん@初回限定:2006/05/04(木) 22:37:21 ID:aR9L30Kp0
>>201

比喩とか表現が巧みでシチュだけでなく文章でも楽しませてもらいました。
本当に上手いですね。
204名無しさん@初回限定:2006/05/05(金) 00:49:47 ID:pVReTRIv0
>>202
準シナリオだけは予想ができない。
まず男のままでいくのか女性化するのかで方向性が変わるだろうし、
男のままだとHシーンが入るのかどうかも分からない。
個人的には女性化でお茶を濁される気がしてるからあまり期待してない。
205名無しさん@初回限定:2006/05/05(金) 14:30:44 ID:tkBu/Bdf0
あのままでHなしだと思う。
シナリオ無しだったら信者が暴れ、Hシーン入れたらアンチ組みが暴れるから
間をとって『シナリオ有りHなし』だろ?きっと。
206名無しさん@初回限定:2006/05/05(金) 15:25:44 ID:R+7jxr7c0
ディスク2枚組みにしちゃえば良いじゃん。やりたくない方はこちら(準)は
インスコしないでくださいと。文句言ってきてもインスコしたお前が悪いと
言える。
207名無しさん@初回限定:2006/05/05(金) 21:39:21 ID:3E3fDEhn0
作品別スレではOHPで準HシナリオDL可に汁って意見あったな。
俺個人としてはこれが一番双方のバランス酌んだ方法だと思う。

ってそろそろスレ違いだ
208名無しさん@初回限定:2006/05/06(土) 15:17:29 ID:aVjPQbVG0
そうだね。興味ない人にとっては一枚分お金損したとも考えられるし。
任意選択の無料提供にするしかないなあ。ネット環境のない人には郵送の手間が要りそうだが。
209名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 00:25:50 ID:GEzHJCZN0
『はぴねす!りらっくす』情報公開記念に誰かSS出そうぜ〜?
210名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 21:08:54 ID:dqrQPlo00
プリンセス・ワルツのSS投下します。

エロじゃないのは勘弁・・・

あとキャラが壊れてるのも勘弁・・・

下手糞なのも勘弁・・・
211りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:10:09 ID:dqrQPlo00
その日、彼女は暇でした。
どれくらい暇かといえば、コタツの周りをぐるぐる回ったりするほど暇なのでした。
彼女の名前はリーゼル。こっちの世界では理子。
その正体はみんなから「りっちゃん」の愛称で親しまれている『鋼の姫』なのでした。



それでは皆様、ただ今よりプリンセス・ワルツ番外編



      リ・エールタ
       開幕!!!
212りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:10:53 ID:dqrQPlo00
  「りっちゃんの憂鬱 お留守番編」


その日、彼女はどうしようもなく暇でした。
ぶっちゃけて言って何もやることが無いのです。
この家唯一の男は友達の所属する草野球チームの応援に出かけています。
他の姫達も各々の用事で家にはいません。
つまり今、この家にはりっちゃんしかいないのです。
出かけようにも気が乗りません。
家事はもう全部やってあります。
飛行型携帯電話の充電(1個につき約20円かかる)も100個全部終わりました。
何もやることが無いのです。

「・・・・・あらた・・・・・・・・・くん。」

座布団に顔を埋めながら愛する男の名を呟くりっちゃん。
いくらウブで純情とはいえども、やはりそこは年頃の女の子。
暇になると好きな男のことを考えてしまうものです。

「・・・あら・・・・・た・・・くん・・・・・・。」

もう1度呟いてみると不思議と彼が自分のすぐ傍にいるような気がしてきます。
そうだ、いつだって彼は当たり前のように前を向いて笑い続けてきました。
率先して危険な場所に飛び込んでいきました。
その姿にどれだけ勇気付けられたことでしょう。
そんなピカピカ光ってる彼だからこそ彼女は彼を好きになったのです。
213りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:21:27 ID:dqrQPlo00
「あらた・・・・・く・・・ん。」

さらに呟いています。
どうやらもう駄目のようです。
思考が止まらない。
色んな所に遊びに行ったり、何気ない日常を共有したり。
妄想が次から次へと溢れ出てくる。
左を向けば新くん。
右を向けば新くん。
正面にも新くん。
後ろにも新くん。
四方八方が新くんで埋め尽くされていきます。
まさにここは新くんだけで構成された約束された理想郷(アヴァロン)。
『新のいつも座っている』座布団に顔を埋めながら、彼女の手はゆっくりと下腹部に伸びて行く・・・









「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」

どうやら思いのあまり2回ほどヤッてしまったみたいです。
詳しい描写は作者の技量不足ゆえに勘弁してください。
214りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:22:07 ID:dqrQPlo00
そしてヤッてから大体10分。
どうやら少しずつ冷静になってきたみたいです。
まずは赤面。
そして後悔。
さらに自己嫌悪。
そんな自分をも優しく慰める彼を妄想してまた赤面。
顔どころか耳も首も真っ赤。
その姿は茹でられた蛸か海老かといった具合です。
自分でもまるで蛸のようになってるだろーなーとか思ってたら突如こんな言葉が頭に思い浮かんできました。


『彼のオカズは誰?』



無論彼とは彼女にとっての王子様である彼のことです。
考えるまでも無くお姫様たちは皆とんでもなく美人揃い。
りっちゃんは自分なんか全然パッとしない女だと思っています。
でも・・・もし万が一・・・自分を思って彼が・・・・・(///)



りっちゃん妄想中につきしばらくお待ちください
215りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:22:49 ID:dqrQPlo00
何かもう行動を起こす前に疲れ果ててるりっちゃんですが、ようやく彼の部屋の前につきました。
しかしここまで来て最後の1歩が踏み出せません。
もしも、そうもしもの話だけど
本の内容が『男装した美少女』とか『義理の姉』とかだったらどうしよう。
そんなことになったら自分は1週間は立ち直れない自身がある。
だけど知りたい、見てみたい。
不安と好奇心が鬩ぎあっておるようです。

(やっぱりこんなの良くないよね・・・)←理性
(いや、情報収集が勝利への第1歩だ。)←本能
(でも勝手に見たりしたら・・・)
(ばれなければ同じことだ)
(うう・・・)
(それとも、他の姫に盗られても良いのか?)
(!!)
(目の前で彼が他の姫と仲良くしてるのを見たいのか?)
(いや・・・見たくない・・・)
(ならば最大限の結果を出すために最大限の努力を行うのは当然のことだ)
(当然・・・)
(そうだ。・・・決して興味本位ではないぞ?)
(う、うん。そうだよね・・・)
(そうだ。これは、ほら、あれだ。単なる情報収集だ)
(うん・・・情報収集だから・・・良いんだよね?)
(まあ、良いだろう。たぶん)

理性と本能は対決どころか一致団結してしまいました。
もう彼女を止めることはできません。
恋する乙女に理屈は通用しないのです。
216りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:27:33 ID:dqrQPlo00
さて、部屋の中に入ったりっちゃんは何よりもまずこう思いました。



( ベ ッ ド が 無 い )


そうです、彼はいつも布団で寝てるのでベッドは無いのです。
一緒に働いていた職人の妻達から教わった隠し場所候補はベッドの下だけ。
他の隠し場所は知りません。
いや、そんなことはない。きっと忘れているだけだと思い直し、もう1度思い出してみました。



「エッチな本はベッドの下に隠してあるわよ。男ってそういうの好きだからね〜」
「普段は眼鏡をかけておいたほうがいいわよ。男ってそういうの好きだからね〜」
「武器は大きいハンマーかドリルがいいわよ。男ってそういうの好きだからね〜」



どうでも良いような知識ばっかりですね。
1回だけ深くため息をついた後、気をとりなおし部屋を見回してみます。
まず目に付くのはトロフィーの数々。
つまり彼の努力の証とも言える栄光の象徴。
彼は何だかんだで下級のガードナーなら1対1で勝てるぐらい強いのです。
きっと元々才能があったのでしょうが、本人の努力によるところがとても大きいのです。
りっちゃんは知ってます。彼がこっそりクリス王子に頼んで戦闘訓練を受けていることを。
彼は前に歩み続けている。王子としての宿命を受け入れクリス王子と2人で支えあっている。
戦闘も、政治も、自分には向いてないとか逃げないでちゃんと真正面から向き合っている。
しかるに過去の自分はどうだったのか。
友達を傷つけても勝利のみを求めていたあのころの自分は。
217りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:28:06 ID:dqrQPlo00
「やっぱりすごいや・・・新くん・・・」


彼に関することならどんな些細なことでも、ますます彼を好きになってしまう。
そんな自分に呆れるどころか嬉しく思ってしまう。
もはや自分は彼から離れることはできないだろう。
彼がいなくなると思っただけで世界のすべてが壊れてしまったかのような錯覚に陥る。
きっと自分は彼の足に縋りつき泣きながら慈悲を乞うのだろう。
そんな風に思えてしまうぐらい、絶対にそんなことはしない彼が好きになってしまっているようです。


「新くん・・・。」


誰にも聞かれないように名を呟くと彼の布団に倒れこみました。
(私は何をしようとしていたんだろう?
 彼のオカズ?
 そんなの知ってどうするんの?
 いや、まあ、参考にはしようと思ってたけど、でも、やっぱり、そういうのは、ねえ?
 そうだ。それよりもこの布団を干しておいてあげよう。
 きっと彼は喜ぶだろう。
 こんなことからで良いんだ。
 焦らなくても良いんだ。
 少しずつ少しずつ私も歩んでいこう。
 彼に追いついて隣で歩めるように・・・)
218りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:29:15 ID:dqrQPlo00
「じゃあ、干しちゃおうっと。」

そう言って布団を持ち上げようと思ったその時です。
彼女の体から力が抜けました。
いや、違います。力が入らないのです。

「え・・・?どうして・・・?」

(大丈夫だ。七皇はもういない。
 とりあえず落ち着くんだ。はい、深呼吸。
 吸って〜〜〜〜〜っっっっっ!!!!!)

「あ・・・う・・・ぁぁ・・・・・。」

深呼吸はするべきではありませんでした。
彼女は思いっきり吸い込んでしまったのです。
汗とかアレとか色々混じった愛する彼の体臭を。
頭がボンヤリする。体に力が入らない。いや、入ってることは入ってるようです。でも、その手は下腹部に伸びて・・・。
いけない、まずい、やばい、ピンチが危険で危くてデンジャラスです。

(駄目・・・こんなの・・・)←理性
(良いじゃないか。きっと気持ち良いぞ)←本能
(うん・・・良いよね)
(良いさ)

たった4行で理性は白旗を上げてしまいました。
なんせ彼の体臭はまさに『プリンス・スメル』とでも言うぐらいのすんごいものだったからです。
そんなのをメロメロな女の子に吸わせたらもうたまりません。
うつぶせになり大きく息を吸い込んで、そして・・・・・
219りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:30:41 ID:dqrQPlo00
「ハァ・・・ハァ・・・ハァ・・・。」


4回もヤッてしまったみたいです。
さすがのプリンセスも体力が尽きてしまったようですね。
しかしまだ足りないのか手は小刻みに動き続けています。
そういえば、このごろは毎日こうして彼を思って慰めている。
週に1日ぐらいはしない日を決めておこうかな、と思いながら体を仰向けに返しました。
なんせずっとうつぶせなので、腕は痺れるしさすがに息苦しいしで結構大変だったからです。
でも、今は少々タイミングが悪かったですね。


「ただいまー・・・・・え?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・え?」


部屋の主がちょうど戻ってきたのです。
さて、彼女は今どんな体勢をとっているのでしょう?
まず、仰向けです。
そして、足を広げています。
ちなみに、足はドアの方に向いています。
さらに、自らのアレを指で広げています。
結論と致しましては、『丸見え』なのです。
220りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:31:51 ID:dqrQPlo00
「あ・・・・・・ぁぁ・・・・。」

彼女は思いました。
これは罰なのだと。
オカズを知りたいなどと思うからこんなことになったのだと。
きっと嫌われた。
絶対嫌われた。
彼女の世界が壊れていきます・・・。

「いや・・・見ないで・・・・・いやぁ・・・。」

思考が停止。
体も動かない。
隠さなくちゃ、逃げなくちゃと思っても、何もできない。
彼女はまさに無力。
闘う意思すら持てない哀れな子ウサギ

「理子・・・。」
「っっ!!」

ゆっくりと近づいてくる彼。
何も喋らない。
何も語らない。
その姿はまるで獲物を捕らえたオオカミにも似ていました。
ただ何だか普段と様子が違うような・・・?

「理子ぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!!!」
「あ〜〜〜〜〜〜れ〜〜〜〜〜〜〜〜」
221りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:33:38 ID:dqrQPlo00
突如りっちゃんに覆いかぶさる新くん。
しかもいつの間にかパンツ1枚のみ。
どうやら彼はかの有名なル○ンダイブもマスターしていたみたいです。


「え?あ?新くん?だ、駄目!こここここ、こんな、あの、あれ?えっと?」
「ごめん、理子。俺もう我慢できない。」
「え?あの、だから、これはあの、違うから。」
「実は俺、最近ずっと理子のことが気になってて、一人でする時も理子のことばっかりで・・・。」


良かったね、りっちゃん。
彼の最近のオカズはずっとりっちゃんだったらしいよ。


「嗚呼!もう駄目だ!理子ぉぉぉぉおおおおおお!!!」
「あ、駄目!ああああああぁぁぁぁぁぁ・・・・・・。」


必死に抵抗(のフリ)をしますが今日1日だけで6回も自分を慰めたりっちゃんに体力は残ってませんでした。
可愛い野ウサギはオオカミさんに食べられてしまったのです。
ちなみに半分は喜んで食べられたところもあるようです



こうして妊娠したりっちゃんは、再び神の血を取り戻した聖女と呼ばれたりもしたが、
そんなことは気にせず、愛する夫と子のため今日も機械弄りをするのでした。
222りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:34:17 ID:dqrQPlo00
後日談


「これは何だ?」
「これ・・・揺り篭だよ。」
「揺り篭か〜・・・・・揺り篭か?」
「怪しい人が襲ってきた時のために自己防衛システム搭載。
 いざという時のためにブースターも標準装備。
 トラックにぶつかっても大丈夫な衝撃吸収クッション。
 さらにクラシックなんかを状況を判断して自動的に流してくれるシステムも搭載してあるの。」
「あ、ああ。そっか・・・。まあ、頑張れ。」
「うん!新くんとお腹の子供のためにも頑張るよ。」
「・・・そうだな。でも、無理はしないでくれよ?」


ゆっくりと2つの影が重なりました。
例えきっかけがアレだとしても、2人は今、幸せなのです。



   めでたし めでたし
223りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:37:31 ID:dqrQPlo00
そのころ・・・
ここは闇と光が交差する場所。
ここにいるは始まりの王。
ここにいるは英雄だった魔王。
形はあっても姿は無い。
言葉はあっても声は無い。
ただただそこにいる2人だけの場所。

「やっとくっついたみたいですね。」
「ああ、そうだな・・・。」
「やけに淡白な反応ですね?」
「いや、まあ一体何のためにこんなことをしたのかと思ってな。
 念話や思考操作までやって・・・。」
「そんなの決まってます。あの子を見てると過去の自分を思い出すのですよ。」
「過去の?」
「はい。内気でシャイで素直になれない過去の私です。」
(そうだな・・・過去はそんな感じだったかな・・・)
「今もそうですけどね。」
「・・・あっそう。」
「その反応は何です?」
「いや?別に?」
「そんな反応をするなら今晩は『無し』にしますよ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・まあ、どうしてもと言うなら3回ぐらいなら。まあ。」
「やれやれ。そんなに嫌なら素直に言え。」
「だって1000年も待ってたんですから。あなたとこうすることを・・・。」
「まったく・・・。物好きな女だ・・・。」
「そんなこと言わないでください・・・。」
224りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:42:51 ID:dqrQPlo00
(本当に変わったよな・・・。まあ、こっちのほうが良いか・・・。
 深森新よ。覚悟しておけよ・・・。
 他の姫達がそろそろ攻制に出るころだ。
 たった一人の王子を求め行われるワルツ。プリンセス・ワルツ。
 お前もきっと魔王になった俺の気持ちが分かるさ。
 そして新しい魔王が生まれる・・・。
 その時は、一緒にワインでも傾けよう・・・。
 愚痴なら聞いてやるさ。
 過去の俺よ・・・。スマン。イーリスの思惑に気づけなかった俺を許せ。
 たぶん、俺が倒した魔王もこうだったのだろうな・・・。
 まさにこれはワルツだ。それも決して終わらないワルツ・・・
 いや・・・あいつらならきっと難しいことも全部まとめて
 グダグダに解決するだろうな・・・。
 あいつらは正に『王子』と『姫』なのだからな。
 『勇者』と『従者』では魔王を倒せても世界を変えることはできなかった・・・。)
 だがお前らならきっと・・・。)


そして2年後、第2次プリンセス・ワルツが行われ、嘗て無いほどの激戦が行われたのはまた別の話です。
さらにその3年後、世界全てと異世界からたどり着いた壁の姫を巻き込んだ大戦の果てに統一王国『ディープ・フォレスト』を
建国したのもまた別の話・・・。


それでは、プリンセス・ワルツ番外編


     閉幕!!!


   終わり(ワルツはまだまだ終わらない)
225りっちゃんの憂鬱:2006/05/12(金) 21:45:59 ID:dqrQPlo00
>>211-224 これで終わりです。

お目汚し、本当にごめん・・・
226名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 23:22:37 ID:yTWH3qNr0
おっと!反応してくれたのか?
はぴねす!ではないけどGJです。
227名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 23:47:35 ID:mVdeeNkB0
はぴねす!はまだ〜?
228名無しさん@初回限定:2006/05/12(金) 23:54:57 ID:iu+RvvK80
なんだ、はぴねすSSじゃないのか
229名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 00:23:09 ID:jYD4UcGL0
お前らな…

>>225
また書いてくれよな
230名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 00:42:47 ID:x5cneThg0
はぴねすは杏璃、伊吹、準の誰かがヒロインならいいな〜、すももでも可
231はぴねす温泉の人@携帯:2006/05/13(土) 00:54:49 ID:DQmM+9NZO
杏璃の初ふぇらの話でよけりゃ今度上げるけど。
>>225
GJ!以前同じ作品で書かれてた方とは別の方でしょうか?
ともあれ、>>227-228あたりのカキコはお気になさらぬようw
232名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 01:01:01 ID:x5cneThg0
(*´Д`)    シュッ
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘

準備完了>>231バッチ来〜い!!
233名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 01:16:55 ID:nKUGsDRx0
>>231
期待して待っております。
234名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 09:56:33 ID:es0FqHDT0
>>225
乙です。
235名無しさん@初回限定:2006/05/13(土) 13:33:49 ID:3o21N8TL0
>>225
211-222と223-224の繋がりがよくわからんな。
211-222は、プリンセスワルツである必要がなく、
223-224は、作品をやっていないと意味がわからない。
ほのぼの感はよく出ていると思う。
236はぴねす!温泉の人:2006/05/13(土) 18:34:09 ID:6yZn9XIx0
やっとネット環境整ってりっちゃんのSS全部読めたお・・・
(ちなみにぷりんせすわるつは未プレイ)

>どうやら彼はかの有名なル○ンダイブもマスターしていたみたいです。
禿ワロwwww
つか淡々と物語が進んでゆく様がなかなかおもろかったです。>>225改めてGJ!


杏璃の話はもちっと待っててノシ
237名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 05:38:05 ID:qBnSATXR0 BE:320954494-#
  ∧_∧    
 ( ・ω・)  >236 正座して待っていよう……   
 ( ∪ ∪   
 と__)__)
238名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 06:44:31 ID:fcH6y16U0
>>225
乙ー

>>236
 щ(゚Д゚щ)エロイノカモォォォン 
239名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 11:14:16 ID:4avTJ61H0
初めてここに出す俺だけど、ブログに載せたのでよければ投稿するけど?
240名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 12:41:07 ID:OZgyq/Pm0
ブログにあるなら
アドレス貼り付けするだけでいいんじゃない?
241名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 15:11:06 ID:/b6gtbl10
いや、こっちに貼ってくれた方が後で「ブログ消えた」とかならなくて済むんでないか
242名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 18:46:19 ID:Dw8zQ+ue0
>>225


GJ!GJ!
りっちゃん萌えるな(;´Д`)ハァハァ/lァ/lァ/ヽァ/ヽァ ノ \ア ノ \ア / \ ア / \ ア
243はぴねす!温泉の人:2006/05/14(日) 20:36:15 ID:xW4UUD8J0
お待たせいたしました。予告どおり投稿します。

本編の、実においしそうな杏璃のふぇらシーン。
しかしそのシーンも、既に何度も経験を重ねた後って設定なわけで・・・
もっと初々しい杏璃のふぇらが見たい!! ってことで、例によって俺なりに補完してみました。
毎度ふぇらばっかでホント申し訳ありません。

では「はぴねす!」より「愛するのって、むずかしい。」
244愛するのって、むずかしい。(1/19):2006/05/14(日) 20:37:56 ID:xW4UUD8J0
「……ねぇ……舐めてもいい? 雄真の……」
杏璃からそんな魅惑的な提案を受けたのは、とある週末のこと。
いつものように、杏璃とベッドにもぐって、裸でいちゃいちゃしてる最中のことだった。
「え……舐めるって、その……」
「文字どおりよ。雄真のここを、あたしが……」
そう言いながら、右手で俺のパンツの中をまさぐりだす杏璃。
局部に触れる指先の感触に、正直に反応してしまう自分のあそこが、少し情けない。
「お……おい、意味わかって言ってんのか? 杏璃……」
心の中に沸き起こる期待感をぐっと堪えつつ、俺は杏璃に問いかける。
「……わかってるわよ……ここ舐めてあげたら、気持ちよくなるんでしょ? オトコノコって」
……確かに、間違っちゃあいない。
正直なトコロ、俺も杏璃に、いずれそういったことをしてもらいたいとは思ってる。
しかし……こういうのって、恋人だからって無理にするもんじゃなくて……
もうちょっと、こう……ふたりの仲が成熟しだしてからでも、決して遅くはないと思うわけで……
「雄真も……やっぱり、してほしいよね? こういうの」
「う……ι」
そうやって上目遣いで訴えかけられると、ちょっとテレ臭いんですが。
「いっつも……あたしばっかりイカせてもらってちゃ、申し訳たたないもん。
 たまには……雄真にも、ちゃんと気持ちよくなってほしいし……」
「……」
恋人として、俺のことを、ちゃんと気持ちよくしてやりたい。
そう願う杏璃の気持ちは、俺にも何となく理解できた。
杏璃にこんな汚いトコロを舐めさせるのは、正直気が引けるけど……
杏璃がそこまで思ってくれてるのならば、その想いを無下にすることはない。
(それに……何より……)
唾液で濡れてつやつやと照り輝く、杏璃の桜色の唇。
この小さな唇であそこを愛撫してもらうのは、とても心惑わす行為に思えた。
245愛するのって、むずかしい。(2/19):2006/05/14(日) 20:38:55 ID:xW4UUD8J0
「……わかったよ……杏璃……して……くれるか……?」
頭のてっぺんまで来るようなテレ臭さに耐えつつ、俺は杏璃に懇願した。
「……うん……」
杏璃は頷くと、掛け布団をめくり、期待感に張り詰めてる俺のパンツをそっと下ろした。
杏璃の目の前に、俺の男のシンボルがぴんとそそり立つ。
「……うゎ……」
杏璃がふと、感嘆のため息を漏らした。
うぅ……そんなに見つめられると、さすがに恥ずかしいぞ……
「……じゃ、舐めるね……雄真……」
杏璃は一声宣言すると、おずおずと俺のあそこに顔を近づけた。
あそこのにおいを嗅ぐように、鼻先を茎のあたりに触れさせる杏璃。
そして、杏璃の舌先がじわじわと俺のものに近づき……
「! うぁっ……」
茎に伝わる電流に、思わず声を漏らしてしまう俺。
杏璃はそのまま、まるでアイスキャンディを舐めるかのように、俺のものをぺろぺろと愛撫し始めた。
(あ……やば……気持ちよすぎる……)
さすがに初めてだったせいか、茎の側面をただひたすら舐めるだけの単調な愛撫だったが、
それでも、張り詰めて敏感になった俺のそこには、十分すぎるほどの刺激だった。
「ん……ぇろっ……どぉ? 雄真……」
俺のを愛撫しながら、上目遣いで俺の反応を気遣う杏璃。
「あ、あぁ……すげぇ……いい……」
杏璃のあの小さくてかわいい舌が、俺の一番醜いところを舐めてくれてる……
そう思うだけで、俺の全身にえもいわれぬ幸福感が伝わってゆくのがわかった。
246愛するのって、むずかしい。(3/19):2006/05/14(日) 20:40:07 ID:xW4UUD8J0
「いっぱい……気持ちよくなって……雄真……」
杏璃は更に夢中になって、俺の竿をぺろぺろと舐め続けた。
亀頭の先に徐々に集まってゆく、俺の想いの塊……
それはひとつの大きな熱となって、俺の尿道を駆け上り……
びゅくん、びゅくんっ!!!
「んああっ、ゆ、ゆうまっ……!!!」
気づいたときには遅かった。
俺の想いは熱き粘液の塊と化して、杏璃の顔を容赦なく汚してゆく……
どぴゅ、ぴゅる、ぴゅるるるっ……
ほとんど抵抗することもなく、その顔に俺の精液を受け止めてゆく杏璃。
……やがて全てを出し終えた後、杏璃が白濁まみれの顔をこっちに向けた。
「雄真……気持ちよかった?」
「あぁ……すげぇ……よかった」
俺は辛うじて、そう答えるのがやっとだった。
「エヘヘ……よかった。
 これから、してほしい時はいつでも言ってね……あたし……頑張るから」
本当に満足そうに微笑む杏璃。
そんな杏璃の笑顔に、俺は心の底がほっと満たされるのを感じた。

……とまぁ、これが、俺と杏璃の初フェラチオの記憶だ。
これで済んでおけば、この話は甘酸っぱい青春の記憶ってことで幕を閉じるんだが……
247愛するのって、むずかしい。(4/19):2006/05/14(日) 20:42:29 ID:xW4UUD8J0
数日後。

「んんっ……ねぇ……雄真……まだぁ?」
俺のを懸命に舐めながら、じれったそうに杏璃が言葉をこぼす。
「……悪ぃ……杏璃……まだ……全然……」
「……おっかしぃなぁ……昨日までは……ちゃんと……イカせられたのに……」
首をかしげながらも、なおも執拗に俺のものを舐め続ける杏璃。
杏璃が俺のをし始めてから、はや数十分。
俺のをしてくれる杏璃の気持ちは嬉しいが、さすがに竿舐めだけの単調な愛撫じゃ、
飽きが来るのは時間の問題だった。
「お願いだから……早く……イッてよぉ……!」
杏璃の目が、徐々に涙目になってゆくのがわかった。
俺を感じさせてやれないのが、すごく歯痒いといった表情。
「んふっ……どぉして……どーしてなのよ……っ!!」
ついに耐え切れなくなり、そこに突っ伏して泣き出す杏璃。
「……杏璃……」
「何で……こんなに不器用なのよ……あたしって……」
「……」
「雄真に……気持ちよくなってほしいって……これじゃ……口先だけじゃない……」
……また、杏璃の悪い癖が出てしまったようだ。
フェラ始めてわずか数日で、そんなうまくできる奴がいるわけないのに……
こいつはまた、俺をイカせてやれなかった負い目で、うじうじ自分を責めだすんだろう。
「……あんま気にすんなよ、杏璃」
悔しさに泣き咽ぶ杏璃の頭に手を触れ、そっと励ましの言葉をかける俺。
「うぅっ……っく……ひくっ……」
「俺たちはまだまだ、先長ぇだろ?
 これからまただんだんと、うまくなってくれたらいいからさ」
「……雄真ぁ……ぐすっ、うぇぇっ……」
俺はそのまま、杏璃が泣き止むまで、杏璃の頭をそっと撫で続けていた。
248愛するのって、むずかしい。(5/19):2006/05/14(日) 20:43:54 ID:xW4UUD8J0
「……ねぇ、雄真……」
ベッドの中、杏璃が俺に背を向けながら声をかける。
「……何だ? 杏璃」
「あたし……頑張るから」
「?」
わずかに首をかしげる俺に、杏璃が更に言葉を続けた。
「いっぱい……頑張って、雄真のこと、いっぱい気持ちよくしたげるね」
「……あぁ」
この小さな体に、俺への溢れんばかりの想いを、懸命に抱えてくれてる杏璃。
そんな杏璃がとても愛しくて、俺は背中からそっと杏璃を抱きしめた。
「期待しないで待ってるぞ、杏璃」
「言ったわね、雄真……後で後悔しても、知らないんだから」
俺の言葉に、杏璃も少し不貞腐れたかのように呟くのだった。

今思えば……あそこで杏璃をちゃんと止めてやらなかったのが、俺の最大のミスだったのかも知れない。
249愛するのって、むずかしい。(6/19):2006/05/14(日) 20:46:59 ID:xW4UUD8J0
「よぉ杏璃。また遊びに来たぜ」
「ゆ……ゆぅまぁ!!?」
バタンッ!!!
俺の顔を見るや否や、いきなり部屋の扉を締め切りだす杏璃。
「ちょ……ちょっと、どうしたんだよ杏璃」
「ちょっと急な来客!! 雄真は、早く帰って」
「……はぁ!?」
来客も何も、今玄関にはお前の靴しか置いてなくなかったか?
「せっかく俺が遊びに来てやったのに、その態度はねーだろ?」
「い……いいじゃない別に! 女の子には、いろんな事情ってもんがあるの!!」
「俺に会えなくなるほど立派な事情って、一体何だよ」
「そ、それは……いいから、雄真は絶対立ち入り禁止!!」
「あ、待てよ杏璃……」
そのまま扉の向こうで、杏璃がどたどたと奥へ引っ込んでゆく音がする。
後は俺が何を言っても、もううんともすんとも言わなくなってしまった。
「……うーん……」
今まで週末になれば毎日会ってくれた杏璃が、
今日は掌を返したかのようにこちらに会ってくれようともしない。
……俺何か、アイツを怒らせるようなことしたっけ?
考えられるとすれば、ひとつ。
こないだ杏璃に舐めてもらった時の、俺の態度。
あの時はついいつもの調子で、期待しないで待ってるぞー、なって言っちまったけど……
ひょっとして、あの時の言葉が、アイツの闘争心にいらぬ炎を灯しちゃったとか?
(いずれにしろ……こりゃ当分、厄介なことになりそうだな……)
俺は頭を抱えながら、物言わぬ杏璃の部屋をすごすごと退散することになったのだった。
250愛するのって、むずかしい。(7/19):2006/05/14(日) 20:48:56 ID:xW4UUD8J0
「……さぁて、邪魔な雄真もいなくなったことだし、さっそく特訓再開よ!!」
「……杏璃様……せっかく小日向殿が来て下さったのですから、
 ちゃんと小日向殿のもので試して差し上げればよかったのでは……?」
「バカねぇパエリア。それじゃ全然意味ないじゃない。
 一発勝負で、アイツをびっくりさせてやんなきゃ、意味ないんだから」
「わ、私めには、その特訓の方が無意味な気が……ι」
「うっさいわねぇ……アンタは黙って見てなさいよ!
 んと、なになに……男の人のこれを……喉の奥に差し入れて……」

・・・・・・・・・・・・(・ω・)モキュ

「!!!! んぐっ、お゙えぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ……」
「あぁっ……杏璃様……何とはしたない……(泣)」
251愛するのって、むずかしい。(8/19):2006/05/14(日) 20:51:23 ID:xW4UUD8J0
こうして、しばらく杏璃と会えない日々が続いたある日のこと……

プルルルルル……
突如として鳴り響く、俺の携帯。
見るとそれは、杏璃からのメールだった。
『今晩7時、あたしの部屋に集合!
 来なかったら、あの時の雄真の癖準ちゃんにバラすから、観念しなさい!』
随分久しぶりな、アイツからの呼び出し。
アイツの考えてることは、未だによくわかんねーけど……
ともあれ、準のヤツにあることないこと吹き込まれることだけは、絶対に避けなければならない。
俺は意を決して、杏璃の部屋へと向かって行った。
252愛するのって、むずかしい。(9/19):2006/05/14(日) 20:53:19 ID:xW4UUD8J0
「あら、随分久しぶりね、雄真」
「……そうだな。お前が散々逃げ回ってくれたせいで」
急に俺のこと呼び出したくせに、随分と素っ気ない態度をとる杏璃。
そんな杏璃の態度に、俺も少しムッときて、つい皮肉めいた言葉を吐いてしまう。
「……で? 今日は一体、何の用なんだよ」
「まぁいいからいいから。そこにかけて待っててよ」
……言われなくても、最初からそのつもりでしたが。
俺はとりあえず靴を脱ぎ、部屋の真ん中に置いてあるテーブルに腰をかけた。
杏璃がこぽこぽと、2人分のコーヒーカップにお湯を注いでゆく。
(しかし……杏璃のヤツ、一体何のつもりで……)
と、俺はふと台所の方に目を向けた。
お世辞にも片付いてるとは言えないキッチンのふもとに、やけに目を引くゴミ袋が、ふたつ……
「ぶふっ!!!!」
その中身に、俺は思わず噴き出していた。
やけにバナナの皮と魚肉ソーセージの包みで埋められた、その袋。
しかも見てみれば、ベッドのふもとにはこれ見よがしに大量の成人雑誌が積まれてるし……
(……わっかりやすぅ……)
杏璃がこれらのブツを使って、せっせとあの練習に励んでたのは、一目瞭然だった。
となれば、今日俺をこうして呼び出したのも、間違いなく……
「何独りでぶつぶつ言ってんのよ。ほら、アンタの分」
「あぁ……悪ぃ、杏璃」
杏璃に言われるがままに、置かれたコーヒーカップに手をつける俺。
しかし……俺の意識は、どうしても杏璃の顔のある一部に集中してしまい……
(……やわらかかったよなぁ……杏璃の舌……)
さすがに最後にしてもらった時は、イクことこそできなかったけど……
それでも、俺のに絡みつく杏璃の舌の感触は、それなりに気持ちよかったわけで……
253愛するのって、むずかしい。(10/19):2006/05/14(日) 20:54:30 ID:xW4UUD8J0
「……雄真?」
「は、はいっ!!??」
杏璃の言葉に、俺は思わず過剰反応する。
「また……あたしが、してあげよっか?」
「……あぁ……」
というか、最初からそれが目的でしょ? 杏璃さん……
「んふふ……あの時のあたしとは一味違うから、覚悟しなさい」
杏璃は嬉しそうに微笑むと、そっと俺のファスナーに手をかけた。
(それじゃ、まぁ……お手並み拝見といきますか)
期待感に胸をときめかせつつ、俺はズボンを脱がしてゆく杏璃の姿を見つめていた。
やがて俺のあそこが、杏璃の目の前に晒され……
(!!?)
眼前の光景に、俺は思わず目を疑っていた。
杏璃が何と、俺のものを喉元深くまで飲み込んでいたのだ。
「あ……杏璃……何を……」
「うっはいあね……あんらは……おろあしうしれあはいお……」
 (うっさいわね……アンタは……おとなしくしてなさいよ……)
そう言うと、杏璃は喉元で俺の先端をきゅうきゅうと締めつけ始めた。
(う……あ……締まる……)
今まで感じたことのなかった、強い快感。
ちょっと前まで……単純に舐めることしか知らなかった杏璃が……いつの間にこんなテクを……?
更に杏璃は、俺の裏筋にねっとり舌を絡ませ、じゅぼじゅぼと激しい往復運動を始めた。
それも……単純な往復じゃなく、舌を当てる場所を微妙に変えながらの不規則な動き。
(ぅぁ……これ……やばすぎ……)
まるで熟練の風俗嬢にでもしてもらってるかのような、強い快感。
――あ、いや、熟練の風俗嬢にしてもらったことなんて、一度もないけど……
その強い快楽に、俺は耐えられるはずもなく……
254愛するのって、むずかしい。(11/19):2006/05/14(日) 20:55:43 ID:xW4UUD8J0
びくん、びくんっ……
俺のあそこは、あっさりと陥落してしまっていた。
射精してるという実感も持てないまま、あえなく杏璃の口内で果てる俺。
「ん……んく……んん……っ」
口内に放たれた俺の煮えたぎる想いを、杏璃は苦もなくごくごく飲み下してゆく。
「んふふ……どう? 雄真……」
やがて杏璃が俺のものから口を離し、得意げな顔で俺に問いかける。
「……杏璃……」
半ば放心したまま、俺はそれに返した。
「これからは、あたしが雄真のこといっぱい感じさせたげるから、覚悟しなさい!」
「……」
物言わぬ俺の前で、やけに自信たっぷりに胸を張る杏璃。
俺はそんな杏璃を見ながら、ふと胸の中に漠然とした違和感を感じていた。
(……違う)
俺が杏璃に求めてたのは、そんなんじゃない……
あの時の杏璃のフェラは、確かにお世辞にもうまいと言えるものじゃなかったけど……
それでも……何か心の中にじわーっと伝わる、いいものがあったんだよ……
それを何と表現していいのか、俺にはよくわかんないけど……
「……何よぉ、雄真……まだ何か、足りないわけ……?」
俺の表情の変化を察してか、杏璃が不服そうに声を上げる。
「いや、そういうわけじゃなくて……」
言葉を濁してみるものの、どう言っていいのかわからない俺。
「……何でもいいから、言ってよ……あたし、何でもしてあげるから……」
俺にすがりつくように、上目遣いで俺のことを見つめる杏璃。
……仕方なく、俺は思ったことから正直に言ってゆくことにした。
255愛するのって、むずかしい。(12/19):2006/05/14(日) 20:56:58 ID:xW4UUD8J0
「その……すごく、気持ちよかったぞ、杏璃」
「あ……じゃあ、何で……」
杏璃はまだ、俺の言わんとしてることが理解できないようだ。
「でも……ただ……気持ちいいってだけで……それだけって感じ」
「……」
俺の言葉に、ふと視線を落とす杏璃。
「んで……ふと思ったんだ。
 杏璃って、一体……俺の何なんだろうって」
「……」
「ぶっちゃけ、抜いてもらうだけだったら……誰にだってできる気がする。
 それこそ……お金さえ払えば……きちんと抜いてもらえるお店だってあるわけだし。
 でも……杏璃はそういうのとは、また違うだろ?
 杏璃は、その……俺の、恋人なわけだし……」
「あ……」
杏璃もようやく、俺の不満の原因に思い当たったようだ。
「だからさ……その……何つーかさ……
 杏璃は……杏璃なりに……一生懸命なところ、見たいっつーか……」
うゎ……俺絶対支離滅裂なこと言ってるよ……
言ってて何だか、体中がむずむずしてくるのがわかった。
「……雄真……」
「あ! あとその……初めてしてもらった時……すげぇよかったぞ!
 俺のを一生懸命してくれる杏璃……すげぇ……カワイくてさ……」
慌てて俺は、杏璃にフォローを入れてみせる。
何だかさっきからしどろもどろだな、俺……ι
256愛するのって、むずかしい。(13/19):2006/05/14(日) 20:59:09 ID:xW4UUD8J0
「雄真……」
やがて杏璃が、神妙な表情で俺に謝りだした。
「ごめんね……雄真……
 あたし……雄真をイカせてあげられれば……それでいいって……」
「気にすんなよ、杏璃。誰だって、失敗のひとつやふたつくらい」
「うぅん! それじゃ、あたしの気が済まないから……
 もっかいだけ、させて? 雄真……」
「杏璃……」
俺のものをつかみながら、必死に嘆願する杏璃。
ここで俺が断るのは、何だか杏璃に対してすごく申し訳ないような気がした。
それに、今だったら……
お互いに満足のいくフェラチオが、できるような気がする。
「じゃあ……もう一回だけ、してもらうとするか」
「うん……あたし、頑張ってみる……」
杏璃はそう言うと、ふたたび息を吹き返した俺のそこに顔を近づけた。
「ん……ちゅ……ちゅ……っ」
俺のあそこを、竿から頭のところまで、丹念に口づけてゆく杏璃。
じんわりと伝わる杏璃の熱に、俺は思わず身震いする。
「ちゅ……ちゅぶ……っ、ん、ちゅ……んちゅ……」
先端を手で軽く扱きながら、なおも慈しむかのようにキスを続ける杏璃。
杏璃の手の中で、俺のものが確かに愛されている……
その感覚に、俺は脳の髄までとろけていくような幸福感を感じていた。
「んはぁ……雄真の……ん……れろ……」
やがて杏璃は、やわらかな舌をナメクジのように、裏筋に這わせ始めた。
ぞわぞわと、快感の波が背筋を這い上がってゆく。
257愛するのって、むずかしい。(14/19):2006/05/14(日) 21:00:10 ID:xW4UUD8J0
「んふぅ……ん……ねぇ……気持ち……いい……?」
俺のものに舌を這わせながら、杏璃が俺にそっと問いかける。
「あぁ……すげぇ……気持ち……いい……」
肉体だけじゃなく、精神的にもじわじわ満たされてゆくこの感覚。
杏璃に心から愛してもらえる悦びに、俺はぶるっと全身を震わせていた。
「雄真……」
杏璃は嬉しそうに微笑むと、舌先で茎をなぞり、カリの部分まで舌をスライドさせた。
亀頭のはじっこのところに唇をつけ、段差の部分を舌先でちろちろと刺激する杏璃。
「んっ……はぁ……はぁ……」
亀頭全体がじんじんと痺れるような快感に包まれ、我を忘れて喘ぐ俺。
ふと俺の先端から、透明な汁がじわじわとにじみ出るのがわかった。
鈴口から裏筋を伝って、だらしなくこぼれてゆく俺のガマン汁。
「あ……雄真の……」
杏璃もその汁の存在に気づき、新たにこぼれ落ちる俺の汁を舌先でぺろっとすくう。
そしてそのまま、俺の鈴口に口をつけ……
「ん……んちゅ……ちゅ……っ」
唇で軽く汁を吸い出しながら、舌先で俺の尿道をくりくりといじくる杏璃。
それはまるで、杏璃が俺のあそこと、熱い口付けを交わしているように見えて……
眼前のあまりに刺激的な光景に、俺は異常とも思える興奮を覚えていた。
「ん……んん……あむ……」
やがてひととおり先端を愛撫した後、杏璃は徐々に先端を口内に収め始めた。
じわじわと、あったかいものに先端が包まれてゆく感覚。
その感覚は、まるで彼女の胎内の温かさにも似て……
258愛するのって、むずかしい。(15/19):2006/05/14(日) 21:01:38 ID:xW4UUD8J0
「……んふぅっ」
やがて杏璃は、カリの部分まですっぽり口内に収めていた。
「あ……はぁっ……」
先端に伝わるあまりの温かさに、思わず安堵のため息をつく俺。
そのまま杏璃は、先端の部分をちゅぱちゅぱとしゃぶり始める。
「んちゅ、くちゅ、ちゅぶ……っ、ちゅ、くちゅ……っ」
口内にかすかに響き渡る、淫靡な水音。
その音に、思わずおかしくなってしまいそうになるのを必死で堪える。
「んあ……はぁ……雄真の……おぃひぃ……ん……んちゅ……ちゅ……」
うわ言のようにつぶやきながら、なおも俺のものを執拗に攻め続ける杏璃。
自分のあそこが本当においしいのかどうか、舐めたことないからよくわかんないけど……
おいしいと言葉で言ってくれるくらい、杏璃が俺のものを愛してくれてると思うと、
俺は更なる幸福感でいっぱいになる。
「んんっ、んふっ、んちゅ……ちゅっ、んっ、んんっ」
……やがて俺は、この幸福感にずっと溺れていたいと思うようになっていた。
杏璃にこうやって、ずっと愛してもらえるのなら、俺……
だけど同時に、俺の中にもうひとつの欲望が首をもたげてくるのがわかった。
このまま杏璃の口を、俺のもので、汚してやりたい……!
「杏璃……このまま……口で……イクぞ……っ!」
「んふっ、んん……イクの……? 雄真……」
俺の声を受け、杏璃はゆったりとしたストロークを俺のあそこに加えだした。
快感と共に、幸せな気持ちもゆったりと増大してゆくのがわかる。
「んふぅ……雄真……いっふぁい……らして……ん、んんっ」
俺の絶頂が近いことに、杏璃も少なからず興奮しているようだった。
腰をもぞもぞさせ、何事か呟きながら、必死に俺のを愛撫する杏璃。
それと共に、俺の射精感もどんどん高まってゆくのがわかる。
259愛するのって、むずかしい。(16/19):2006/05/14(日) 21:04:50 ID:xW4UUD8J0
「くっ……杏璃……イク……っ」
体の全神経が、全てあそこに集中しているような感覚。
とろけるような杏璃の口の温かさに、俺はとうとう我慢できずに……
どくっ、どくっ……
俺は杏璃の口内に、白濁したものをどくどくと吐き出していた。
びゅく、びゅく、びゅくっ……
さっきよりも穏やかながら、じんわりとした心地よさあふれる射精の感覚。
脳の芯から痺れるような気持ちよさに、俺はしきりに喘いでいた。
「ん……雄真……こぽっ」
射精が止まった後、杏璃は俺のものを口から出し、名残惜しそうにそこから顔を遠ざけた。
「くすっ……何だか雄真、かわいい」
杏璃が急に、そんなことを言い始める。
「か、かわいいって何だよ……杏璃」
「だって、雄真……すっごく気持ちよさそうだったもん……やっぱ、かわいい♥」
「そ、そっか……///」
まぁ別段言われて、不快な言葉じゃないしな……
この際杏璃には、言いたい放題言わせてやることにするか……
260愛するのって、むずかしい。(17/19):2006/05/14(日) 21:06:24 ID:xW4UUD8J0
「で、どうだった? 雄真……あたしのお口」
やがて杏璃が、最終評価を俺に問うてきた。
「う……うーむ……」
こりゃとても、難しい質問だぞ……
今のは正直なところ、文句の付け所のない最高の愛撫だったし……
でも、それを杏璃に正直に言ってしまうのは、かなりテレ臭いから。
俺はとりあえず、この場を適当にごまかして切り抜けることにした。
「まぁとりあえず……技術点40点、感情点40点……合計80点ってとこかな?」
「うわー、何だかすっごく微妙な数字……」
「ちなみに合計1000点満点だ」
「あははっ、雄真それ厳しすぎー!」
俺の冗談に、杏璃も屈託ない笑顔で答えてくれる。
普通の彼氏彼女の関係とは、ちょっと違うのかも知れないけど……
こうやって無邪気に冗談を言い合える杏璃との関係が、俺はすごく好きだった。
「……あのさぁ……雄真……」
やがて杏璃が、腰をもじもじさせながら俺に問うてくる。
「? 何だ、杏璃……」
「あ、あの……あのね……」
一応聞いてはみるものの……杏璃の言わんとしてることは、俺にも何となく理解できた。
「……行こっか。ベッドに」
「う、うん……」
俺たちはそのまま服を脱ぎつつ脱がせつつ、杏璃のベッドにもぐっていった。

その夜は……ふたりとも妙に盛り上がって……
結局、一晩だけで、3回もやってしまう羽目にあったのだった。
261愛するのって、むずかしい。(18/19):2006/05/14(日) 21:08:07 ID:xW4UUD8J0
「……おはよ、雄真……」
朝の光に照らされつつ、杏璃がまぶしい笑顔をこちらに向ける。
「お、おう……」
言葉を返してみるものの、さすがにまだまだ全身がだるい。
何しろ昨夜は、杏璃とずっとやりっ放しだったからな……
俺としては、もうしばらく寝かせてほしい気分だ。
「何よぉ……だらしないわね……オトコノコのくせに」
あくまでだらしない態度を崩さない俺に、杏璃も呆れてため息をつく。
つーか……
「何かお前は妙に元気だな……杏璃」
「あ……そーいや、そーかも」
未だ眠気の抜けない俺と、既にきっぱり目の覚めきってる杏璃。
それはまさに、対称的な光景だ。
「あ……ひょっとして」
「? 何か心当たりでも?」
「昨日、あたしが……雄真の元気、吸い取っちゃったからかも」
「あ……うぁ……///」
あ、朝っぱらから何つーこと言い出しますか、この娘は……///
昨日杏璃に口でしてもらったことを思い出し、思わず前かがみになる俺。
「あ、雄真が顔真っ赤にしてるー♪ かーわいーっ♪」
ぐっ……何か昨日から俺、杏璃のペースに流されっ放しだぞ……
だが! このまま杏璃にやられっ放しで終わる俺ではない!!
262愛するのって、むずかしい。(19/19):2006/05/14(日) 21:09:29 ID:xW4UUD8J0
「おらっ、杏璃!! 昨日お前にやった元気返せ!!」
俺は杏璃をぐいっと抱き寄せ、杏璃の体をこちょこちょくすぐってみる。
「へへっ、やーだよー♪ 絶対返してあげないもん♪」
「言ったな杏璃……言うこと聞かない悪い子には、こうだ!!」
「にゃはははっ☆ やだもー、くすぐったいよー! 雄真ぁ」
傍から聞いててもこっ恥ずかしくなるような会話を繰り広げる、俺と杏璃。
こんな光景、恥ずかしくて誰にも見せられたもんじゃねーな……ι
「……オホンッ!!」
「「!!!!」」
背後から轟く咳払いの音に、思わず飛び上がる俺たち。
「お二人とも、じゃれ合うのもよいですが、急がぬと朝の講義に間に合いませんぞ」
「アハハ……やだもぉ、わかってるわよぉ、パエリア」
「ふむ。わかっておられるのならよろしい」
「あは……アハハハ……」
パエリアの言葉にすっかり萎えてしまった俺たちは、そのまま出発の準備を整えだすのだった。

……愛し合うのって、時にとっても難しいけど。
俺たちは、俺たちの愛のリズムを、お互い大切にしてゆけばいい。
時には、つまずきながらでもいい。
愛を育む時間なら、まだまだいっぱい残ってるのだから。
「ねっ! 早く行こっ、雄真!!」
「あぁ、行くぞ杏璃!!」
まぶしい杏璃の笑顔に導かれ、俺もまた、朝の往来へと駆け出すのだった。

(おっしまいっ)
263はぴねす!温泉の人:2006/05/14(日) 21:10:08 ID:xW4UUD8J0
とまぁ、こんな感じ。
・・・えぇ、ふぇらちお大好きですよ、俺。
彼女が自分のもの懸命に慰めてくれるのって・・・まさに男冥利に尽きるじゃないですか!!

ともあれ、春姫とはまた違う杏璃とのラブラブっぷり、堪能していただけたら幸いです。
ではまたノシ
264名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 21:55:19 ID:ZcbFj/mI0
フォォォォォ-----ッッッッッ杏璃きたきたきたきたキタキタ-------!!!!!!!!

温泉の人きたーーーーー!!

GJです。堪能させていただきました。
春姫も良いけど、やっぱ普段勝気でツンツンしている娘が、健気に尽くしてくれるのはいいですなぁ…。
しかも、ちょっとベクトルずれた所でも一生懸命なのが杏璃らしいw

そんな私はツンデレスキー♪
265はぴねす!温泉の人:2006/05/14(日) 22:10:08 ID:xW4UUD8J0
>>264
ヤツはもともと、素直でイイコなんですけどね。
普段の気の強さと負けず嫌いなところでごまかされやすいけどw

ともあれ、読んでくださってサンクスです♪
266名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 22:37:17 ID:BbqNMYAK0
うめぇ!
ところで温泉の人ってこのはぴねす!SSが最初のSSですかな?
267はぴねす!温泉の人:2006/05/14(日) 22:54:10 ID:xW4UUD8J0
>>266
昔市販のRPGとか漫画とか(いずれも一般向け作品)元にSS書いてました。
当時はやたら難解な表現使うのが崇高だと勘違いしてたw
オリジナルでは、プレイ時間10時間くらいの中編RPG1本仕上げたくらいかな?

しかしこれだけひとつの作品で書くのはもう数年ぶりですね。
それも、まともにエロ書くのは正直はぴねすが初めてw

まぁエロももちろんですが、それ以外にももっと幅広くいろんなシチュエーション書けるように
頑張っていきたいと思いますんで、今後ともよろしくお願いしますノシ
268239:2006/05/14(日) 23:13:33 ID:4nVRbf9H0
『数年ぶり』か・・・
書き始めて『〜ヶ月』単位でしかもまだ高・・・ごほごほ
な俺とは違うね。
269名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 23:31:43 ID:KEvJBl0I0
>>268
過度な自分語りは考え物ですぜ旦那
270名無しさん@初回限定:2006/05/14(日) 23:41:57 ID:G0Bo+gr70
読んでみて経験値の差を感じたなぁ・・・と
271名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 15:34:15 ID:5L9LLR1e0
「もしかして、パエリアで練習するのか?!」と思ってしまったオレ。
272りっちゃんの憂鬱の人:2006/05/15(月) 22:26:26 ID:LZCRGtVC0
またもプリンセスワルツのSS書いちゃいました。

今度はクリスでシリアス・・・
シリアスは滅多に書かないから疲れたわ〜。

では投稿させていただきます
273君と僕とお前と私(1/34):2006/05/15(月) 22:28:36 ID:LZCRGtVC0
薙ぎ払い、打ち払い、斬りこむ!
鋼のぶつかり合う甲高い音と荒い息だけがその場を支配していた。


汗が飛び散り、顔は苦悶の表情に満ちていて、
それでも2人は美しかった。
それはまるで、予め設えられた、2人だけのワルツを踊っているようにも見えた。


この場は、他の何者も存在しない。
この時は、他の何者も介入しない。
この戦は、他の何者も邪魔しない。


嬉しかった。
でも否定したかった。
喜んでしまった。
それが苦しかった。


自分に望まれたことは一体何か。
自分が進むべき方向はどちらか。
自分が一体、どんな存在なのか。
それを忘れたことはただの一時として無かった。


それでも、嬉しかった。
どうしようもないくらい。
274君と僕とお前と私(2/34):2006/05/15(月) 22:29:58 ID:LZCRGtVC0

   プリンセス・ワルツ 外伝


    『君と僕とお前と私』



深森家の朝は大抵が慌しい。


「ほら、新。クリス君。早く朝食を片付けてしまえ。」
「はーい。姉ちゃん。」
「分かりました、静さん。」


今の時刻は部屋の目覚まし時計で大体把握している。
着替えはすでに完了、教科書やノートの準備も万端。
ならば、この朝食にかけられる時間は・・・約10分!


「姉ちゃん、おかわり。」
「あ!ぼ、僕もお願いします!」
「はいはい。もっとよく噛んで食べろ。まだ余裕はあるだろう?」
「いや、今日はあいつが早めに来るって。日直らしいんだ。」
「ああ、そうだったのか。ふふ、ならゆっくりしていられないな?」
「そうなんだよ・・・あっ。」
275君と僕とお前と私(3/34):2006/05/15(月) 22:31:07 ID:LZCRGtVC0
急いで食べていたためか、味噌汁が入った椀を倒してしまった。
しかも運の悪いことに、こぼれた味噌汁はクリスの足にかかり、容赦なく熱を伝える。


「あ、あ、あ、あ、あつ!あ!あつ!」
「ああ!クリス!大丈夫か!?」
「だ、大丈夫ではない!この馬鹿者!」
「まったく、慌てて食べるからこうなるんだ。ほら、クリス君。早くズボンを脱がないと染みができるぞ?」


そう言われ、慌ててズボンを脱ごうとして、ベルトに手をかけた時点で動きが止まった。
急に顔が赤くなったりするのを見て、(熱でもあるのか?)と思った姉と弟がいたのはご愛嬌。
朴念仁な弟と超絶ブラコンな姉は血が繋がってなくとも似ているようだった。


「あ、あの!部屋で着替えてきます!予備がもう1着あるんで!」


そう言い残し全力へ部屋へと走っていくクリス。
残された2人はその後ろ姿を呆然と見ているしかできなかった。


結局、今日の朝食はこの騒動のせいでもう終わってしまった。
276君と僕とお前と私(4/34):2006/05/15(月) 22:32:03 ID:LZCRGtVC0
「のどかは先に行っちまったし、まあゆっくり行くか。」
「誰のせいで先に行かせてしまったと思っている。反省が足りないぞ。」
「まあまあ、落ち着けよ、クリス。別に遅刻になるわけじゃないんだし。」
「それはそうだが・・・いーや、ここで甘やかすとすぐ調子に乗るからな、お前は。」
「げ。な、何か今日のクリス厳しくないか?」
「別に?制服に味噌汁をかけられたりしたことなんて全然気にしてないぞ。」
「気にしてるじゃん・・・」
「何か言ったか?」
「いや、何も。」
「・・・ふん、全く。」


そう呟くクリスの頬は僅かに朱に染まっていた。
何も制服を汚されたから怒っているのではない。
むしろそれぐらい、いつもの事だと笑い飛ばしていたかもしれない。
怒っていたのは自分自身にだ。


(何故だ・・・
 あの場で服を脱がなかった・・・
 静さんがいたから?いや、違う!
 恥ずかしかったんだ!
 新に見られるのが・・・
 僕は何を考えているんだ!
 僕は王子なんだぞ!
 このワルツを勝ち進んで王子になるんだ・・・
 どうして新に見られたぐらいで恥ずかしがる必要がある・・・
 ちゃんとトランクスも穿いてるし、別に男同士で恥ずかしがる必要はない・・・
 僕は女じゃない。僕は男なんだ・・・)
277君と僕とお前と私(5/34):2006/05/15(月) 22:33:13 ID:LZCRGtVC0
思い出すは今よりほんの少し昔のこと。
まだ自分があの城の中にいた時のこと。


・・・出来損ない
・・・半端者
・・・役立たず
・・・偽王子
・・・邪魔者


色々な言葉で揶揄された。
色々な言葉で嘲笑された。
色々な言葉で
色々な言葉で
言葉で
言葉で
言葉
言葉
ことばことばことばことばことばしか知らないのは自分は一人だったからそれは自分が万が一にも知られてはいけない存在だったから
でももっと色んなことで貶められていたと思う例えば見下した顔とかでだって自分は女なのだからしょうがないだから男にならなくてはいけない


王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ
王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ
王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ王子にならなくちゃ
おうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじにおうじに


それしか自分の進む道は無いと分かっていた。
278君と僕とお前と私(6/34):2006/05/15(月) 22:35:28 ID:LZCRGtVC0
何となく覚えている。
自分について話している人たちのこと。


・・・何故だ!何故女が生まれ・・・
・・・んなことは、今まで起こ・・・
・・・うすれば良いのだ。こん・・・
・・・これではまるで出来損な・・・
・・・ともかく民に知らせては・・・


望まれなかった自分。
男ではなかった。
それだけが、致命的だった。


僕はただ
僕はただ


僕を見てほしいだけだ。
クリスという人物を見てほしいだけだ。


女だからいけないんだ。
男になればいいんだ。
でなければ王子になれない。
自分を誰にも見てもらえない。
279君と僕とお前と私(7/34):2006/05/15(月) 22:37:09 ID:LZCRGtVC0
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」


どうにも気まずい雰囲気が流れている。
自慢にもならないが新はこんな空気が苦手なのだ。
交差点を右に曲がった。
まだ学校までの距離は半分以上残っている。
必死に話題を探し話しかける。


「え〜と、そういえばさ〜。」
「え?な、何だ?」
「ほら、今朝も母ちゃん寝坊してたよな〜って。」
「あ、ああ。そうだな。本当に教師としての自覚があるのか・・・?」
「まあ、母ちゃんが朝早くに起きてたらそれはそれでやばいけどな。」
「・・・いや、朝早く起きたほうがいいだろ。」
「う〜ん・・・何ていうかどっちが母ちゃんらしいかと言えば、やっぱり寝坊するほうが母ちゃんらしくてさ。」


なるほど、それは納得できる。
その人物にはその人らしさというものがある。
それは誰にでも、等しく、平等に、残酷に、存在する。
王子らしいとは一体何なのか。
王子とはどんな人物が相応しいのか。
少なくとも女では駄目だろう。
ああ、いけない。
せっかく場の空気を読んで話しかけてくれたのにそんなこと考えるな。
こっちも何か話さなくては。
280君と僕とお前と私(8/34):2006/05/15(月) 22:38:02 ID:LZCRGtVC0
「まあ、確かに。いきなり変わったら驚くな。」
「だろ?寝坊しない母ちゃんなんか母ちゃんじゃねえ!」
「何を力説してるんだ。全く・・・」
「そういえば、クリスの母ちゃんは?」
「え?」
「だからさ、クリスの母ちゃんや父ちゃんはどんな人なんだ?」
「・・・あ、いや。それは、また今度にしないか?」
「え?・・・どうしたんだ?」
「・・・分かった。話す。パートナーだから話すんだぞ。他言は無用だ。」
「いや、そんな、無理に話さなくてもいいんだって!」
「でも!」
「何となく聞いてみただけだからさ。そんなつらい顔をしなくちゃ話せないのなら話さなくていいよ。」
「つらい・・・?うん。そうだな。つらい。」


思い出すだけでつらい。
自分には両親がいない。
いや、父は生きている。
しかし、自分には滅多に会ってはくれなかった。
愛しているとも、可愛いとも、生まれてくれてありがとうとも、何も言ってはくれなかった。
母はすでに死んでいる。
子供のころの話だ。
すでに母のことは霧の向こう側にあるようにぼやけて思い出せない。
281君と僕とお前と私(9/34):2006/05/15(月) 22:39:05 ID:LZCRGtVC0
「・・・つらい。僕は正直言って新が羨ましい。」
「羨ましい?どうしてだ?」
「だって、新自身を見てくれる人がいるから。姉と母親。・・・いないからかな。羨ましいんだ。」
「う〜ん・・・。いきなりそんなこと言われてもよく分からないぞ。俺自身を見てくれるのが羨ましい?」
「いや、いいんだ。変なこと言ってしまったな。忘れてくれ。」
「いや、でもさ、クリスはクリスなんだろ?」
「・・・は?」
「クリスはクリスだろ?今、こうやって立っているクリスがクリスなんだろ?」
「いや、その・・・馬鹿者!そういう意味ではない!」
「俺はちゃんとクリスを見てるよ?」
「っっ!!」
「そりゃ以前に女だからって変に意識しちゃったことはあるけどさ、もう2度と色眼鏡をかけたりしない!クリスはクリスだ!」


やばい。
まずい。
完全な不意打ちだ。
こんな近くにいたのだ。
自分を自分として見てくれる人が。
抱きつきたくなる。
いや、駄目だ。僕は王子だ。王子にならなくてはいけないのだ。
王子になることを望んでいる人がたくさんいるんだ。
裏切るわけにはいけない。
どうでもいいだろ、そんなの。
裏切るんじゃない。向こうが無視したからこっちも無視するんだ。
馬鹿を言え。そんなのできるか。
どうしてできないのだ。
どうしてもだ。
どうしてだ。
どうしてもだ。
282君と僕とお前と私(10/34):2006/05/15(月) 22:42:24 ID:LZCRGtVC0
必死に自分の中の思いを否定する。
今までずっと王子として、王子になるために生きてきた。
今までの自分を殺すな。
こんな感情は違う。
ただの勘違いだ。
10年だ。
10年以上も王子になることだけを望んできた。
それ以外に無かったから。
生まれた瞬間からその宿命を背負っていたのだから。
だから王子になる。
みんなそう言ってた。
神官長ギジェも、エイプリルも、みんな僕がそうなることを望んでいる。
清白を騙し続けるわけにもいかない。
だから、だから!
王子になるしかないんだ!


強迫観念とも思い込みともとれる思い。
だがクリスの中には今までそれしかなかった。
『女』の自分も『男』の自分も
『友達』も『家族』も『恋人』も
クリスには無かった。


だから否定する。
はじめて生まれたこの想いを。
愛おしいのは気のせい。
恋しいのは勘違い。
狂おしいのは気の迷い。
そう信じ続ける。
283名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:43:12 ID:OW7gtHgM0
 
284君と僕とお前と私(11/34):2006/05/15(月) 22:43:41 ID:LZCRGtVC0
「・・・変な話しちまったな。」
「・・・そうだな。」
「この話は終わりにしようぜ。」
「ああ、そうしようか。」


助かった。
耐え切れなくなる前に向こうから話しを切ってくれた。
学校もすぐそこなんだ。
思考を切り替えなくては。


「そういえばさ、何か最近クラスメートが足りないような気が・・・」
「足りない?一体何を言ってるんだ?」
「いや、う〜ん・・・やっぱ気のせいかな?」
「気のせいさ。ちゃんとみんな出席してるだろ。」


そうだ。気のせいだ。
全部気のせいなんだ。
285君と僕とお前と私(12/34):2006/05/15(月) 22:45:00 ID:LZCRGtVC0
そのころ・・・


「ふあ〜ぁ〜〜。おはよ〜静〜。」
「おはよう、母さん。」
「お、今朝の朝食もまた美味そうだね〜。」
「褒めてくれるのは嬉しいが、時間は大丈夫なのか?」
「え?・・・あっ。」
「やれやれ・・・まったく。寝る時間を早くしたら?」
「ん〜・・・そんな早く寝られなくてね〜。」
「3分で食べれば間に合うだろう。はい、ご飯。」


(封印が解けかかっている・・・
 毎晩封印を掛けなおしているんだけどな〜。
 愛する弟の危機に黙っていられないってか?
 ていうか毎晩あんたの嬌声聞かされるこっちの身にもなってくれって。
 あ〜あ。我が娘ながら何とも・・・)


「母さん、早く食べないと本当に間に合わなくなる。」
「はいはい。さっさと食べます。」


白米を箸で掬い口に運ぶ。
こんな当たり前の日がいつまで続くのか。
七重は笑いながらそんなことを考えていた。
286君と僕とお前と私(13/34):2006/05/15(月) 22:45:56 ID:LZCRGtVC0
校内に8小節のフレーズが流れる。
それは学校という空間から開放される福音の響き。
つまりは放課後になったのだ。


「ねーねー、クリスく〜ん。私とデートしようよ〜。」
「ごめん、今日は新と買い物に出かけるんだ。」
「ががーん!ルン・・・トト子ショック〜!」
「ははは・・・ごめんね。」


そして開放された瞬間に突貫してきたのは嵐の姫、リリアーナ=ルンルン=ギュンスター。
『この世界』では笹原トト子と名乗っている。
プリンセスワルツに参加している姫の内の1人でまさに百戦錬磨の実力を持っている。
だがしかし、さすがの彼女もショックを隠しきれない様子だ。
それもそうだろう。なけなしの勇気を振り絞った(つもり)のデートの誘いをあえなく断られたのだから。
普通の女の子ならだれもがショックを受けてしまうに違いない。


「おーい、クリス。さっさと済ませて帰ろうぜ。」
「分かった。それじゃ、また明日ね。」
「うう〜・・・さよ〜なら〜〜〜。」




「まあ、後はこっそりつけちゃうけどね〜☆」
287名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:46:44 ID:OW7gtHgM0
 
288君と僕とお前と私(14/34):2006/05/15(月) 22:46:48 ID:LZCRGtVC0
買い物客で賑わう商店街。
制服姿でティッシュやトイレットペーパーを買い込んでるのは新とクリスの2人である。
そしてその後ろでこそこそと覗き見している少女もいた。
店員は通報するかどうか迷っているのだが、まあ仮に通報されても余裕で逃げ切るので問題は無いだろう。


「これで最後か?」
「え〜と、そうだな。これで必要なのは全部買ったみたいだ。」
「やれやれ。なるほどね。これは結構かさばるんだな。」
「そうなんだよ。姉ちゃんと2人で行ってたんだけどさ、クリスがきてくれて助かったよ。」
「べ、別にこれぐらい大丈夫だ。礼を言われるまでもない。部屋も借りてるのだしな。」


大丈夫だ。
話をしてても鼓動が激しくなったり顔が熱くなったりしない。
普通にすれば良いんだ。それで問題無い。
そうだ。これが普通なんだ。
友人であり戦友であるパートナーとの関係ってのはこういうものなんだ。


「ごめん、ちょっとトイレ行ってくるわ。荷物頼む。」
「ああ、分かった。ここで待ってるから早く戻ってこいよ。」


一旦別れる2人。
これを好機と見る人物が『2人』いた。


1人は彼女


「やっほ〜クリスく〜ん。きっぐ〜☆」
289君と僕とお前と私(15/34):2006/05/15(月) 22:48:08 ID:LZCRGtVC0
そしてもう1人は彼女。

「ふ〜、すっきりした・・・」
「どうも〜。ごきげんよう〜。」
「・・・・・え?な!エ、エイプリル・・・さん!ここ、え?男子トイレ・・・ですよね。」
「はい、もちろんですとも。そんな細かいこと気にしちゃ駄目駄目ですよ〜。」
「い、いや。細かく無いかと・・・」
「それはともかく、聞きたいことがあるのですよ。」
「え・・・?それってクリスのこと・・・?」
「はい!もちろんです!最近こう・・・何と言いますか・・・挙動不審になったりしませんでしたか?」
「挙動不審・・・?ん〜っと・・・」


思い出してみる。
そういえば今朝はどうも挙動不審だったような・・・」


「そういえば・・・」
「なるほど〜、やっぱりですか。」
「え〜と、これもやっぱり合身の影響・・・?」
「そうですね。ん〜ほら、あれですよ。他人の目が気になるというか、新様の目が気になるというか・・・」
「え?俺の目が気になる?充血でもしてるのかな・・・」
「そっちの意味じゃありませんよ〜。ほら、私の目を見て下さい。」
「え・・・はい。」
「もっとじっくり。」
「・・・はい。」
「もっと。」
「はい。」
「もっと。」
「・・・」
「聞こえますか〜?」
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
290名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:49:00 ID:OW7gtHgM0
 
291君と僕とお前と私(16/34):2006/05/15(月) 22:52:29 ID:LZCRGtVC0
「は〜い。よくできました。100点満点あげちゃいますよ。
 これで後は、仕込みをするだけ・・・
 さあ、あなたは意識も心も私の目の中に吸い込まれてゆく〜吸い込まれてゆく〜
 そして私の言葉を忠実に実行するようになる〜実行するようになる〜
 では、まずあなたの名前は?」

「ふかもり・・・あらた・・・」

「あなたの好きな女性は?」

「みんな・・・すき・・・」

「ハーレム!?いやいや、今のはノーカンです。改めて、あなたが特別愛しているのは誰ですか?」

「・・・・・・くりす・・・・・」

「あらあら、やっぱりですか。うふふ、ではあなたに指令を与えます。」

「・・・・・」

「な〜に、簡単なことですよ。チンパンジーでもできることです。まずですね〜・・・」


新にとある指令を与えるエイプリル。
全ての指令を言い渡した後、彼女は何処へとも無く消えていった。
後に残ったのは何も覚えていない新だけだった。
292君と僕とお前と私(17/34):2006/05/15(月) 22:54:08 ID:LZCRGtVC0
「それにしても新君って遅いね〜。」
「そうだね・・・ごめんね、君まで一緒に待たせちゃって。」
「いえいえ、良いんです!私はクリス君とお話がしたいんですから!」
「あはは・・・そうなんだ。」
「そうなんですよ〜・・・ってあれ?新君がきましたよ。」


ゆっくりと近づいてくる新。
その表情には先ほどトイレの中であったことを連想させるものは皆無だった。


「こら、新!遅いじゃないか。30分も何をしていた!」
「ああ、クリス。」


そっと『抱きつく』新。
その動作はあまりにも自然なのでその場にいる者に反応できた者はいなかった。


「・・・え?」
「・・・あれぇ?」
「ごめんな・・・クリス。待たせちゃったな。」


耳元で謝罪を囁く。
それはまるで恋人が久しぶりに邂逅したかのようにも見えた。
293君と僕とお前と私(18/34):2006/05/15(月) 22:54:47 ID:LZCRGtVC0
「な、な、な、な、な、な、な!?おい!新!」
「もう、なるべく1人にはしないからさ・・・」
(ん・・・耳に息が・・・)
「悪かったと思ってるよ。・・・許してくれる?」
(だめ・・・・・新・・・暖かい・・・)
「ほらクリス。返事してくれよ。」
(く〜・・・離れなきゃ・・・でも・・・・・離れられない・・・)


脳髄が痺れる。
思考が停止する。
体が動かない。
それどころか、
この腕を彼の腰に回したい。
この体を彼の体に預けたい。
この声を彼の耳に囁きたい。


「くぅぅぅ・・・・・助けて・・・笹原さん。」
「きゃ〜きゃ〜何これ?禁断の恋?王子と従者の禁じられた愛!?
 あ〜もう、何よこれ!萌えるじゃないの〜!?」


必死に助けを求めるもその声は全力で萌えている(一応)姫には悲しくも届かなかった。
もう駄目だ・・・我慢できない。そう思ってしまった瞬間だった。


「さてと、それじゃ家に帰ろっか。」
「え?」


あっさりと体を離す新。先ほどの情緒を匂わすものは何も残ってなかった。
294君と僕とお前と私(19/34):2006/05/15(月) 22:55:33 ID:LZCRGtVC0
リリアーナと別れた帰り道。
そこにいるのは普段と同じ新。
・・・見た目だけは。


「・・・だろ?」
「・・・だな。」


ごく普通の話。
ごく普通の顔。
そしてごく普通の態度。
新は普通だった。
いつもの新だった。
そこがどうしようもなくおかしかった。


(今のは一体?
 こいつが何で僕にあんなことを・・・?
 もしかして新も僕のことを!?
 ・・・いや、待て。何だ、『も』って。『新も』って。
 何を考えているんだ、僕は。
 どう考えてもおかしいだろ。
 ・・・誰かに操られている?
 ならすぐさま界律庭園に連れ込み何かに利用するんじゃ?
 う〜ん、人前であんな行動をとったのはおかしいけど・・・
 仮に操られているなら何が目的なんだ?)



(指令その1!謝罪は抱きついて耳元で囁くこと。
 上手くいってるみたいですね〜。)
295名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 22:55:56 ID:OW7gtHgM0
 
296君と僕とお前と私(20/34):2006/05/15(月) 22:58:00 ID:LZCRGtVC0
帰宅、着替え、夕飯、入浴。
呆気ないぐらいに普段と同じように過ぎていった。
特に着替えと入浴は乱入しようものなら4、5発は殴ってやろうと思っていたので拍子抜けだった。
おかしかったのはあの抱きついてきたことだけ。
やっぱりあれはたんなる新なりのいたずらなのか?
そこまで考え込んだところで気が付いた。
この後に、最高で最悪のイベントが待っている、と。


「じゃあ、電気を消すぞ〜」
「あ、ああ。いいぞ。」


合身した時の力を増すために毎日一つの布団で一緒に寝ているのだ。
だが、これは今という時にはこれ以上ないぐらいピンチでありチャンスでもある。


(違う・・・違う!
 こんなの僕じゃない!
 女と認めたら・・・僕は、僕は!)


自分の中に2人いる。
僕と言い、お前と呼ぶ自分。
私と言い、あなたと呼ぶ自分。
駄目!
良いよ。
駄目なんだ!
早くきて。
やめろ!
求めて。
297君と僕とお前と私(21/34):2006/05/15(月) 23:00:31 ID:LZCRGtVC0
心が軋む、歪む、何もかも分からなくなる。
いっそ・・・こんな思いをするなら・・・新に出会わなければ・・・・・


最後まで考えることもできずに、
隣にあった温もりが覆いかぶさってきた。


「・・・な?あら・・・た・・・?」
「・・・ん・・・クリス。」
「ちょっと、新!いきなり何を。」
「クリス・・・。」
「やめろ!前歯をへし折るぞ!やめろってば!」
「・・・。」


無言で体を密着させてくる。
いやでも感じてしまう体温。
以外と筋肉もある。贅肉も少ないけど決して筋肉質というわけではない。
考えたくないのに、考えてしまう。
思ってしまう。
知ってしまう。


「お願い・・・やめて・・・。」
「・・・クリス。」


また耳元で声を囁かれる。
息が耳の中まで入ってくる。
298君と僕とお前と私(22/34):2006/05/15(月) 23:01:39 ID:LZCRGtVC0
「・・・ん!・・・やぁ、だ・・・めぇ・・・や!」


ただ抱きしめられ耳元に口が近づいている。
それだけでこんなにも体が官能に打ちひしがれる。
頭の中も体の中もぐちゃぐちゃになる。
名前を囁かれるたびに自分の全てが感動と官能にすり替わっていく。
抑えようとしても声は漏れてしまい、秘所も熱く疼いてしまっている。
自分の全てが裏切っていく。
王子になるためだけに存在していたのに。
浅ましくも女の悦びに震えている。
相手も顔もまともに見えずに、それでも空気の動きだけでますます耳に近づいてくるのが分かる。
戦いのために必死になり今まで何度も自分を救ってきたその技能が、今だけは恨めしかった。
次に何をするのか分かってしまったからだ。


「やめ・・・あらたぁ・・・ぁぁ。」


言葉だけの抵抗を示す。
自分でも分かってる。
こんなの誘ってるようにしか聞こえないだろう。
ゆっくりと近づいてきて、小さな耳を優しく咥えこんだ。


「くあ!あぁぁぁぁぁん!!」


達してしまった。
屈服してしまった。
認めてしまった。
そして失ってしまった。
299君と僕とお前と私(23/34):2006/05/15(月) 23:02:29 ID:LZCRGtVC0
「ぐ、あ・・・あああ・・・・・ああああああああああああああああああああ!!!!!!!」


満足に力が入らない体に無理やり鞭を入れ全力で押し返す。
もう遅い。
何故この力がほんの10秒前に出せなかったのか。
後悔が激しく渦巻く。
目の前の人物に気を配る余裕すら無かった。
もしもあったなら後の悲劇は防げたかもしれない。
だが、無かったのだ。
だから、今こうなるのはどうしようもなかった。


(指令その2は、寝る時に襲っちゃうこと。
 やっぱり2人とも若いですね〜。
 そしてその3は・・・)


空間がずれる。
同じでありながら違うところに位置する空間。
どれだけ周りに被害を及ぼしても本来の世界には何ら影響は無い。
界律庭園に突如囚われてしまった。
いや、違う。
これを行ったのは目の前にいる人物。
その人物は剣を持っておりそれをこっちに向かって振り下ろす。


「っ!くううううう!!」
「・・・・・。」
300名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:02:46 ID:nhH1ZYjA0
 
301君と僕とお前と私(24/34):2006/05/15(月) 23:04:23 ID:LZCRGtVC0
横っ飛びに回避するクリス。
前髪が汗で額にくっつくのが気持ち悪いがそうも言っていられない。
何故なら目の前の相手は焦点が合っておらず、あからさまにだれかの催眠だか洗脳だかにかかっている様子だったからだ。


「やはりか・・・、誰かに操られていたのか。」
「・・・・・・。」


返ってくる言葉は無言。
無視しているのでは無く、こちらの言葉を認知できない様子だ。
これは典型的な操られた時のパターン。
侍女のエイプリルに何度も教えてもらった。
そしてその解除の仕方も。


「術者を殺すか・・・ぶん殴って目を覚ます!」
「・・・・・。」
「embody!」


剣を手に持ち切りかかる!
横!に見せかけたフェイントを入れ彼の持つ剣そのものに自分の剣を叩き込む!
さほど狭くも広くもない部屋の中に鳴り響く甲高い音。
全力の攻撃に耐え切れず新の剣が弾かれ後方の壁に突き刺さる。
そしてがら空きの腹を目掛けて正拳突きを叩き込もうとする。
だが、彼は床を転がり避けると同時に突き刺さった剣を抜き再び構える。
そして打ち込まずに壁を背にしてクリスの攻撃を待つ。
302君と僕とお前と私(25/34):2006/05/15(月) 23:05:26 ID:LZCRGtVC0
これは困った。
完全に『待ち』の体勢に入られた。
操られているとは新を斬るわけにはいかない。
この先のプリンセス・ワルツのために、
そして何よりも自分は王子だから。
操られた人ごと斬っているようでは王子とは言えない


「・・・いや、違う。僕は・・・僕の心は!」


認めたくない。
プリンセス・ワルツよりも、
王子としての宿命よりも、
何よりも自分自身の心が拒否している。
斬りたくない。
彼を斬るぐらいなら自分が!


「違う!違う違う違う違う違う!!!この程度、助けられないようで何が王子だ!」


新は一般人の中ではかなり強い部類に入るが、身体能力も剣の技術もこちらが上。
なら、フェイントを混ぜて揺さぶり、ガードを開けてから顎や鳩尾を殴ればいいだけだ。


「大丈夫だ。できる。簡単なことだ!」


気合を入れ、再び斬りかかる!
303君と僕とお前と私(26/34):2006/05/15(月) 23:06:24 ID:LZCRGtVC0
上!下!上!斬!横!下!薙!横!
さらに多種多様なフェイントを織り交ぜ新の剣を弾こうとする。


(今!)


渾身の剛剣を放つ!
だが、その一撃は完全に見切られ防がれる。
二撃!三撃!四!五!六!七!八!
放っては防がれる攻撃。


楽しい!嬉しい!喜ばしい!
今だけは、この今の瞬間だけは!
彼を!
自分が!
独占している!


ただ純粋に切り結びあう自分と彼。
彼が斬り込んで来たりはしないし、
そもそも彼は操られている状態だ。
それでも、幸せを感じてしまう。
知らなかった。
自分の心はここまで壊れてしまっていたのか。


雑念を無理矢理振り払う。
今、やるべきことは新を助けることだ。
304名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:08:13 ID:IkclDQ/U0
 
305君と僕とお前と私(27/34):2006/05/15(月) 23:08:18 ID:LZCRGtVC0
九!十!
反応速度を完全に上回る速度で打ち込む。
だが彼はフェイントに引っかからずに確実にこちらの攻撃を読みきる。
まるでこちらの手の内を完全に把握しているかのように。


(くっ・・・それもそうか。僕の剣を一番よく知っているのは合身している新か。
 無意識だけど・・・いや、無意識だからこそフェイントに体が反応しているのだな。)
「ならば・・・こうだ!」


フェイントを入れずに最短距離で突撃する。
そして流れるように一閃!
剣と剣がぶつかるが全体重を乗せたその一撃は彼の腕力を超えていた。
少しずつ傾いていく均衡。
近づいてくる勝利の瞬間。


(力任せに・・・弾き飛ばす!)


もう少し。もう少しで終わる。
だがその時、聞こえてしまった。


「・・・クリス。」
306君と僕とお前と私(28/34):2006/05/15(月) 23:09:42 ID:LZCRGtVC0
体中に電撃が走る。
声が聞こえただけで。
先ほどの官能を思い出してしまう。


「くっ!」


腰に回された腕も。


「・・・クリス。」


感じる体温も。


「・・・クリス。」


そして咥えられた瞬間に弾けた快感を。


「ぁぁ・・・あらた・・・・・・・・あらたぁ。」


手から剣が滑り落ちる。
目が潤み、体が火照ってくる。
思考が愛しい相手のことで埋め尽くされる。
欲しい。
彼が欲しい。
307君と僕とお前と私(29/34):2006/05/15(月) 23:10:20 ID:LZCRGtVC0
優しく押し倒される。
今度は腰ではなく首に腕を回される。
温もりを感じる。
無くしていたパズルの最後の1ピースを見つけたような気がした。


「あらた・・・あらた・・・あらたぁ・・・」


相手に聞こえるのではないかと思うばかりに動悸が激しい。
それは若干の不安と、そして大多数の期待。
耳だけであんなにもされてしまった。
なら、本格的にされたらどうなるのか?
そんな不安と期待。
自分は王子ではなくなる。それでいいのか?
でも、それは自分を縛るものから開放されることだ。
そんな不安と期待。
痛いのかな?すごく痛いと聞いている。
でも、これで、ようやく、やっと、彼と1つになれる。
そんな不安と期待。
全てが混ぜこぜになりそしてようやく意思をもった声が発せられた。


「あらた・・・・・・・・・・・おねがい。」
「クリス・・・・・・・・・・・・・・・・・ぐぅ・・・ぐぅ・・・ぐぅ・・・」
「・・・・・・・あれ?え?あらた!?おい!え?寝てる?ちょ、おい!生殺し!?」


覚悟を決めた瞬間の肩透かし。
この日は朝から味噌汁がかかったりと何だかんだあったが、
本日1番の不幸はこの生殺しとなったようだ。
308名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:11:05 ID:lC0BcFhf0
 
309君と僕とお前と私(30/34):2006/05/15(月) 23:11:51 ID:LZCRGtVC0
その頃、深森家屋内


「アラタ・・・マモル・・・」
「あ〜あ、また封印解けかかってるよ。
 ・・・今日のはまた強烈だね〜。」
「アラタ・・・アラタ・・・アラタ・・・グアアアアアアア!!」
「お〜よしよし。大丈夫だからな。
 にしても今日はまた一体どうしたんだい?」
「アラタガ・・・タブラカサレテ・・・ガアアアアア!!」
「・・・第6感ってやつ?
 というか嫉妬なのね・・・。
 あの弟にしてこの姉あり・・・か。
 まあ大丈夫だって。一緒に寝てるのはクリス君だし。」
「アラタ・・・アラタ・・・マモル・・・アラタアアアアアアア!!!!」
(・・・この子、クリス君が女だって知ってるのかね〜?)


どうやら彼女は明朝も寝坊しなければならないらしい。
310君と僕とお前と私(31/34):2006/05/15(月) 23:12:36 ID:LZCRGtVC0
その頃、深森家屋外


「う〜ん・・・逃がしちゃったか〜。
 他の姫だったのかな?」
「きゅいきゅ〜い。」
「まあ確かにそうだけどさ。
 何で界律結界まで使っておいて本人が襲撃しなかったのかな〜?」
「きゅきゅ〜い。」
「イーリス姫も現れなかったしね。
 どうもきな臭いな〜。
 う〜ん、今は情報不足だね。」
「きゅ〜いきゅきゅい。」
「まあ、昼間に新君の様子がおかしかったら念のために気をつけておいてよかったよ。
 もし、あのままだったら・・・王子様が新君に・・・きゃ〜きゃ〜!!」
「きゅ〜い・・・」
「あ、う〜ん、ゴホン。まあ今日はこれで帰ろっか。
 夜更かしはお肌の天敵だしね。」
「きゅ〜い。」


生殺しの原因は彼女らしい。
311君と僕とお前と私(32/34):2006/05/15(月) 23:13:09 ID:LZCRGtVC0
その頃、現クリス家


「う〜ん・・・上手く行きそうだったんですけどね〜。
 まあ、これでさらに男として意識すれば自ずと関係は深まるでしょう。
 あとは、殺し合いをさせるタイミングが・・・。
 ああ、そうそう。神官長もどうにかしてしないと。
 ・・・まあ、今は命令されたことをやるだけでいいでしょう。
 私は『依頼』は絶対に遂行するメイドさんですからね〜」


メイドの悪巧みはまだまだ続くらしい。
312君と僕とお前と私(33/34):2006/05/15(月) 23:14:38 ID:LZCRGtVC0
そして再び新の部屋


頭から水を被ってようやく興奮は収まった。
結局何をしても新は目を覚まさなかった。
操られている状態は体力を異常に消耗するらしいからそのせいだろう。
冷静になって自分の行動を振り返ると自分自身に腹が立ってしかたない。
やっぱりあの時のことは一時の気の迷いなんだ。
自分は王子なんだ。
そして・・・彼は・・・このプリンセス・ワルツが終われば分かれるんだ。
ワルツが終わり、王位を継げばもう会えなくなる。
もう2度と会えなくなる。
胸が締め付けられる。
切ない。
考えるだけでもこんなに苦しい。
これは違うんだ。
ただ、友達を失いたくないだけだ。
それだけなんだ!


もしも思う。
操られてとかではなくて本当に『殺し合い』を行ったとき。
自分は彼を斬れるのか。
彼は自分を斬れるのか。
いっそ、自分で自分を・・・。
なんて素晴らしく、そして恐ろしい考えなのだろう。
その考えを否定する材料が無いことに気づいたと同時にクリスは眠りに落ちていった。
313君と僕とお前と私(34/34):2006/05/15(月) 23:15:20 ID:LZCRGtVC0
深森家の朝は大抵が慌しい。


「だからさ〜何を怒ってるんだよ、クリス。」
「別に、何も。」
「全然別に何も無い顔じゃないってば。」


「母さん、また寝坊か?」
「ふぁ〜・・・うう、おはようさん。いや、まあ。ちょっとばかし夜更かししちゃってね。」
「またか。一体そんなに何をしてるんだ?」
「ん〜・・・月見酒とか?」
「・・・はぁ。」


いつもの日常。
穏やかな日々。
いつまで続くのかは分からない。
でも、
それでも、
これが壊れる瞬間は、
新だけは守ろうと決めた。
他の何を犠牲にしてしまっても。
例え自分を犠牲にしてしまっても。
そして願わくは、
ならなくちゃいけないから、なるではなく、
2人でなりたいから王子になるのだと、
胸を張って言える日が来ますようにと。
自らの指にある絆とも言える指輪にそっと願った。


そして本編に続く・・・
314君と僕とお前と私:2006/05/15(月) 23:20:05 ID:LZCRGtVC0
>>273-313
以上です。

今回のSSは本編の補完のつもりで書きました。
本編でのクリスの行動がどうも突然だと思ったので・・・
自分なりに彼女を擁護したような感じかも

今回もゲームやってないと分からない描写が結構あったな〜と反省。
なるべく分かってくれるように書いてはみたけど、う〜ん難しい。
シリアス(のつもり)は久しぶりだから疲れた。

エロも最後まで行かなかったし・・・
いや、本編でこの後しちゃうから補完SSでしちゃうとまずいかなと・・・
ごめんなさい。結局は実力不足です。

たぶん、また書き込む時は次回もプリワルだろうなと思いつつ
読んでくださった方、ありがとうございました。
315名無しさん@初回限定:2006/05/15(月) 23:21:55 ID:xm/BKWPT0
>>314
読んでた俺も生殺しw
GJ!
316名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 00:24:04 ID:eKOH8Iut0
はぴねす!のSSって過去に作品スレとかに載ってた?
それともやっぱここにしか載ったことない?
317名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 06:19:11 ID:ObyKt7GP0
>>314
本編補完としてなかなかよかったよ。楽しめた
ちょとクリスが女の子より過ぎる気もするが、こうあって欲しかったって意味じゃナイスだw
318名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 14:36:24 ID:evFOwWIY0
>>314
なかなかGJでした
クリスも最後、女に目覚めてれば良かったんだけどねえ
原作の終わりはクリススキーにも不満が残る終わりであった
319名無しさん@初回限定:2006/05/16(火) 19:13:43 ID:ehZWcjyf0
>314
七重静母子のやり取りが良かった。
実際の設定もそうなってるのかな、七重がいつも寝坊してる理由。
320君と僕とお前と私の人:2006/05/21(日) 22:07:02 ID:NQAbCcO+0
またまたプリンセス・ワルツのSS書きました
投下します


目指したのはクリスでエロラブ・・・のはず。
エンディングソングを元に想像を膨らませてみました。

では、投稿します。
321ただ歩んで行こう1/:2006/05/21(日) 22:08:43 ID:NQAbCcO+0
カーテンの隙間から朝日が差し込む。
目覚まし時計の仕事を奪い目を覚ます。
首だけを曲げて横を見ればそこには愛しい人。
寝顔は幼く、そのくせ真面目な表情にはドキリとさせれられる。
そんな時は少しだけずるいと思う。
だってこんなにも僕の心を奪っているのだから。
ゆっくりと首を伸ばし頬に口付ける。
今はこれだけ、唇は我慢だ。
だってそこは彼が目覚めた時のために取っておくからだ。
唇に触れたい衝動をおさえて頬、額、鼻、顎と様々な所に口付けていく。


「ん・・・んん。」


彼が微かに身じろぐ。
もう少しだけ寝顔を眺めていたいような気もしたがそれは諦め目覚めを祝福する言葉を言う。


「おはよう、新。」
「おはよう、クリス。」


そして今度は唇にそっと口付けた。



    プリンセス・ワルツ 外伝 『ただ歩んで行こう』
322ただ歩んで行こう2/12:2006/05/21(日) 22:09:50 ID:NQAbCcO+0
そのままで、しばらく抱きしめあう。
心も体も安らいでゆく。
胸をくっつけ髪を撫で上げる。


「新、寝癖ついてる。」
「ん?どこ?」
「ここだ・・・」


髪をそっと口の中に含む。
ザラザラした感触が舌を踊る。
そんなことですら愛しさを覚えもごもごと唾を馴染ませる。


「汚いって、クリス。」
「ふふふ、少し汗の味がするな。・・・ん。」


寝癖のあった場所の周辺を丹念に含み、舐め、湿らせる。
新もクリスの行動にされるがままに体を預ける。
その間も互いの腕は互いを抱きしめあっていた。


「もう良いかな?じっとしてろよ。」


その腕をようやく解き黒髪に触る。
髪の流れに沿うように手櫛を滑らせる。
ゆっくりと、丁寧に、愛情を込めて。
323ただ歩んで行こう3/12:2006/05/21(日) 22:10:53 ID:NQAbCcO+0
「ほら、できたぞ。」
「ありがとう、クリス。」


横になったまま話し合う2人。
そしてそのまま再び口付ける。
愛しさを堪える事ができず舌を差し込む。


「ふ・・・うん・・・。」
「ん、んん・・・ん。」


体を擦り付けあいお互いを求め合う。
でも、まだ我慢する。
めちゃくちゃにしたいような、優しくしてあげたいような衝動を必死に抑える。
知っているからだ。
ここで我慢すれば後でもっと気持ちよくなれると。


「む・・・ん、んむ・・・。」
「ん、ん、ん・・・んん。」


流し込まれた唾液を味わい飲み込む。
昨夜の晩餐に出たワインも、シホウの米酒も、パルミードのブランデーもここまでは酔うことはできない。
2人は確かに酔っていた。
新はクリスに。
クリスは新に。
止める者などこの場には存在しない。
否、いたとしても誰も止めることはできない。
324ただ歩んで行こう4/12:2006/05/21(日) 22:12:31 ID:NQAbCcO+0
舌は相手の舌と絡み、手は相手の体を弄る。
ゆっくりと首を撫でると体を震わせ、
耳を触ればくぐもった声をあげる。
もう限界だった。
ゆっくりとクリスの体に圧し掛かる。
舌を頬から首、肩、鎖骨と少しずつ下げていく。


「く・・・ん!はん、あ!や・・・だめ・・・ん!」


焦らすようなスピードでしか下がっていかない舌に反応し、声を上げてしまう新だけの姫。
すでに秘所は十分すぎるほど濡れてしまっているがあえてそこには一切触れず胸の頂点にある突起を口に含む。


「ひゃん!んんっ、・・・あっ、ん、・・・だめぇ・・・きもちいい・・・。」


理性などすでに溶け果て新との快楽をただ求めてしまう。
少し前の自分では考えられない姿だ。
王宮の奥深くで1人で生きていた時には自慰ですらしたことはなかった。
王子となり、1人でも強く生きていかなけらばならなかったからだ。
それが今ではどうだ。
身も心も全てがただ1人の男に囚われ、差し出している。


「んっ!は、あん!・・・した、きもちいいよぉ・・・はんっ!」


そのことに疑問すら浮かばない。
2人でいることの温かさをすでに知ってしまったから。
もう1人には戻れない。
325ただ歩んで行こう5/12:2006/05/21(日) 22:13:39 ID:NQAbCcO+0
「もう、だめ・・・いれて・・・おねがいだ、あらたぁ。」


貫かれたい。
奪われたい。
そして、新に自分の全てを愛されたい。


「もう、がまんできない・・・おねがい・・・。」


はしたなくも自らの秘所を指で広げ娼婦のように懇願する。
自分で自分の心に鎖を巻きつけているようなものだ。
今までのとは違う、新しい道だけを見続けることができるように。
だから、その鎖さえも喜んで受け入れていた。


「俺も、我慢できない。入れるよ、クリス。」
「きてぇ!はやくきてぇぇぇ!」


男としてではない。
女としてでもない。
ただの『クリス』として、『新』を求める。


「ああぁぁぁぁ!はいって・・・はあぁぁぁぁぁん!」

熱い。
竜の炎とはまた違う熱さ。
心がドロドロに溶けて相手と1つになってしまうかの様な熱さだ。
326ただ歩んで行こう6/12:2006/05/21(日) 22:14:43 ID:NQAbCcO+0
「クリス!動くぞ!」
「きてぇ!はやくきてぇぇぇぇ!」


肉と肉のぶつかり合う音。
どんなに快楽に攻め立てられようとも目線だけは交差させ腰を動かす。
でも、まだ足りない。
もっと、もっと、もっと、もっと、もっと高みへ。


「んあぁ!いい!きもちいいよぉ!あらたぁ!」
「俺も!俺もクリスの中が気持ち良い!」


激しく出し入れされたかと思えば最も奥の部分をゴリゴリと刺激したりとクリスの弱い部分を容赦なく刺激していく。
すでに両の手の指どころか足の指を使っても数え切れないほど交わっており、クリスの弱いところは全て知り尽くしているのだ。


「あらた!くる!きちゃうよぉ!あらたぁ!」
「も、もうちょっと我慢してっ!」
「むり!むりぃ!ああ!きちゃう!きちゃうぅぅぅ!はああぁぁぁぁぁぁん!」


腕が激しく震え、背中が大きく仰け反る。
絶頂に達してしまい、もはや思考は朦朧とし何も考えることができない。
戦闘においては致命的であろうと、今傍らにいるのは全ての信頼を預ける最愛の相手。
すでに全てを曝け出した相手。
ワルツの最中には文字通りに心を1つにして戦った最高の相棒だ。
今だって、射精に達することができず相当欲求不満になっているだろうに、こちらの体を気遣って何もしていない。
そんな相手が愛おしくて愛おしくてたまらない。
327ただ歩んで行こう7/12:2006/05/21(日) 22:18:11 ID:NQAbCcO+0
「ごめん、新。僕だけが・・・。」
「いや、良いよ。気にしないでくれ。」
「駄目だ!僕だけ気持ちよくなってしまうなんて、卑怯じゃないか。」
「卑怯とかそんなんじゃないと思うのだけど・・・。」
「だから、こっちで・・・な?」


そう言うと新の性器に顔を近づけ舐めあげる。
いつも蒸し暑いヴィスレイでは大人気のアイスキャンディーを舐め上げるように丹念に愛撫を加える。


「ん、んふ・・・ん・・・ん〜・・・。」
「ク、クリス。ちょっ、そこ駄目だって、ひゃ!」


無論クリスが口淫に及んだことは1度や2度ではない。
そのため、クリスもまた新をどうすれば最も悦んでもらえるのかはよく知っていた。
例えばこのように裏筋を舐め上げたり。
他には、くびれの部分を舌先でなぞってみたりとか。
さらに、尿道を何度もつついてみたり。


「んむ・・・ん、ん、ん〜〜〜・・・。」
「クリス・・・!駄目!マジでやばいって!」


新の抗議を右から左へとさらりと流し、フィニッシュのために亀頭に強く吸い付き嘗め回す。
同時に竿を強く扱きたてられるのが新が最も弱いのだ。

「ん!ん〜〜〜〜〜!!」
「だ、駄目だ!出る!ううううぅぅぅ!」
328ただ歩んで行こう8/12:2006/05/21(日) 22:19:13 ID:NQAbCcO+0
まるで魂まで吸われるかと思うような強烈な吸い付きに耐え切れず射精してしまう。
しかも、射精している間も竿を扱く手は止まらず、最後の1滴まで搾り出そうとする。
まるで、ほんの欠片ほどでも新を離したくないと言いたげな切なそうな表情で全てを吸い出す。


「んぐ、ん、ん・・・ぷは。はぁ、はぁ、はぁ。ん、新の濃かった。」
「・・・馬鹿。変なことばっか言うな。」
「馬鹿と言うな、馬鹿と。お前のせいなんだからな。」
「・・・俺だってクリスが全部欲しいよ。」
「やっぱり、お前は馬鹿だ。まあ、僕もだな。」


そっと手を握り、心地よいまどろみに身を任せる2人。
目覚まし時計が本来の役割を発揮するまではもう少しだけゆっくりしておこう。


「新、今朝は何が良い?」
「ん〜、鮭食べたい。」
「分かった。残ってた2匹焼いちゃうな。」
「ん。あと、目玉焼きも。」
「塩コショウで?」
「そう、もちろん黄身は半熟で。」
「了解。つまりいつも通りだな。」
「そうさ。クリスはソースだろ?」
「まあな、1口分けてやってもいいぞ?」
「口移しなら喜んで。」
「馬鹿。」


他愛の無い会話。
ただ、それだけのことが本当に幸せだ。
329ただ歩んで行こう9/12:2006/05/21(日) 22:19:57 ID:NQAbCcO+0
炊飯器には炊きたてのご飯。
シャモジを使いお椀に移す。
もちろん2人分だ。


「はい、新。」
「あいよ。」


運ぶのは新の役目だ。
2人の朝食に欠かせない触れ合いだ。
クリスが作り、新が運ぶ。
何てことは無い日常だが、だからこそ尊く愛しい。
城の奥で1人きりだったこと。
そしてワルツの時は彼を殺そうとしてしまった。
もしかしたら贖罪なのかもしれない。
でも、それでも今のこの時を大切にしていきたいと思う。


「ねぇ、新・・・ん。」


仕草だけでキスをねだる。
いかにも、しょうがないなと言いたげな表情で顔を近づける彼。


「ん・・・。」
「ん・・・。」


そっと触れて、そっと離す。
こんな時間がたまらなく愛しい。
330ただ歩んで行こう10/12:2006/05/21(日) 22:20:44 ID:NQAbCcO+0
「新、鮭焼けた。」
「分かった。」


交わす言葉は二言、三言。
ただそれだけでも互いの心は十分に分かる。
ほら、新は今キスをしたがっている。
こっちに近いてきてじっと見つめる。


「クリス・・・ん・・・。」
「んん・・・。」


腕は腰に回され、そして少しずつ下がっていく。
だがそんなスケベな手の甲を強く抓ってやる。


「あいてててて、クリス、ごめ、痛い痛い痛いって。」
「まったく、もう駄目だ。朝食も冷めるだろ。」
「悪かったっていてててててて。ベッドの中じゃ素直なのに・・・。」
「そう言いながらまた触ろうとするな!お前は猿か!」
「ごめん!ごめん!マジで悪かった!」
「まったく・・・。これで我慢しろ。」


三度交わす口付け。
どうも、新には甘くなってしまうな。
もう少し厳しく・・・できないだろうな。


「ほら、朝食を食べよう。」
331ただ歩んで行こう11/12:2006/05/21(日) 22:23:12 ID:NQAbCcO+0
朝食は2人で並んで行う。
向かい合わせだと距離を感じてしまうからだ。
そう言ったら新は微笑みながら、良いよと言ってくれた。
僕はきっと、いや、絶対に新に依存しているだろう。
暗闇の中で1人ぼっちだった。
だれも本当の自分を見てはくれなかった。
ただ王子であることだけを望まれ強制されていた。


「どうしたんだ?クリス。そんな暗い顔をしてさ。」
「え?そんな顔してたか?」
「してた。放っておくと飛び降り自殺しそうなぐらいしてたぞ。」
「そんなことはしない!・・・とはいえ、たしかに変なことを考えていた。」
「クリスは何でも溜め込んじまうからな。俺ってそんなに頼りないかな?」
「そ、そんなことはない!その、・・・新のことは誰よりも信頼している。」
「ならもうちょっと頼ってくれよ。お前危なっかしいんだよ。」
「そうだな・・・でも、この事は大丈夫だ。もう、終わったことだからな。」
「ん、そっか。」
「ああ・・・ん。」
「ん・・・。」


首を伸ばし再び口付ける。
まるで彼の心の中を表すように暖かい。
凍った心が溶けてゆくような錯覚まで感じられる。
彼無しでは生きていけない。
そう強く実感した朝食だった。
332ただ歩んで行こう12/12:2006/05/21(日) 22:24:12 ID:NQAbCcO+0
そういえば聞いたことがある。
人間は自分に欠けている物を持っている相手を本能的に選ぶのだと。
自分と彼は父は同じだが母親は違う。
だが、母親自体も姉妹なので血筋は非常に似ていると言える。
そして、その結果祝福の力は女である自分に受け継がれてしまった。
だとすれば最初に新を求めたのは自分に無いものを持っていた片割れだったからだろうか。


そこまで考えてすぐにその考えを改めた。
そんなことがあるものか。
自分が新を求めたのは新が好きだからだ。
そのことに迷いは無い。
こんなにも好きで、好きで、たまらない。


商店街のアーケードの上で交わした誓い、それは絆。
今も薬指にある指輪は絆の象徴。
この絆さえあれば何処までだって行ける。
自分にはそれが全てだから。
この温もりを失うことなど考えただけでも恐ろしい。
だから2人で、
僕と君の2人で、
ただ歩いてゆこう。
333ただ歩んで行こう:2006/05/21(日) 22:27:44 ID:NQAbCcO+0
これで終わりです。

一応は本編終了後の話のつもりです。
あっちの世界に炊飯器とかあるのかい!という突っ込みは無しの方向で・・・

今回、何か短めになってしまった。
前回の話で相当気力を使ってしまったから気軽にエロい話に書こうと思ったけど・・・
なんかあっさりしすぎと言うか・・・う〜ん。

立ちバックをするべきだったかと思いつつ、
読んでくださりありがとうございました。
334名無しさん@初回限定:2006/05/21(日) 23:29:07 ID:8lS0kO7B0
>>333
GJ!
328のピロウトークがステキ。
このダダ甘さに読んでる自分もとろけそうでしたw
335名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 00:53:05 ID:TJomnG9k0
>>333
おつかれ〜 また読めて嬉しいよ〜
寝癖直してやるのに髪舐めるクリスに蕩けた〜w

批評臭いことを言わせて貰えば、
地の文のとこでクリスの視点、新の視点、3人称の部分が
混在してるのがちょっと読むのにアレだったかな。 スマソ

次があるの期待してますよ〜
336名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 10:18:45 ID:50N8s5uD0
>>333
GJ!
うわぁ、普通にらぶらぶやな・・・これw
「君と僕と・・・」の女になりきれないクリスとのギャップがたまらん。
337名無しさん@初回限定:2006/05/22(月) 11:03:38 ID:31mIFSHs0
>>333
新作乙。
そうそう、2人のこういう甘々な後日談、本編にも欲しかったんですよ〜。
王子を目指してもいいが、受け入れろクリス!女としての自分を!

立ちバック。
もしも描写する機会がありましたら
クンニと、事後のふきふきも追加希望。
本編の立ちバックでそれらをやってくれたら神認定してました。
338ただ歩んで行こうの人:2006/05/24(水) 18:25:27 ID:F5WMOegB0
プリンセス・ワルツのss書き終わったので投稿します。
今回もクリスss。
時期はちょっと早いけど夏祭りの話です。
339夜に咲く花、君は華 1/16」:2006/05/24(水) 18:26:32 ID:F5WMOegB0
遠くから喧騒の声が聞こえる。
いつもは近隣では早めに寝静まる深森家ではあったが今夜は別だ。
町には屋台が並び立ち、何処にいたのかと思うほどの人で賑わっている。
そう、今夜は夏祭りなのだ。


「そう、そのまま前で合わせて・・・ああ、違う。左前にするんだ。」
「え〜と、こうですか?」
「そうだ。で、この両手のとこに腰紐を・・・。」
「こう・・・と。」
「次におはしょりを・・・。」


そして今、深森家ではとある試みを行っている。
つまり、クリスに浴衣を着せてみようというものだ。
可愛い恋人が着飾るのはとても楽しみなものだ。
もちろん襖1つ隔てただけの部屋にいる新も期待で胸を膨らませていた。


(しかし・・・落ち着かないなぁ。)


襖1つ程度では完全に防音はできず、2人の声や衣擦れの音が丸聞こえなのだ。
健康な男子としてはついつい部屋の中の姿を想像してしまうのであった。


「よし、できたぞ。新に見せてこい。」
「はい、ありがとうございます。静さん。」
340夜に咲く花、君は華 2/16:2006/05/24(水) 18:27:55 ID:F5WMOegB0
襖を開け現れたその姿。
水色を基調とし、所々に日本の代表的な花である桜の花びらが見えている。
その姿は期待を良い意味で大きく裏切っていた。
金髪も不思議と桜の花びらに良く合い、堂々とした佇まいは平安の貴族をも思わせる気品があった。


「・・・?どうしたんだ?そんな呆けた顔をして。」
「え?あ、いや。・・・クリス、めちゃくちゃ可愛いよ。すげー似合ってる。」
「な!?あ、ああ。そうか、うん。似合ってるのか。」


ほんのりと頬を桜色に染め軽く俯いたその可憐さはもはや子供から老人まで、あらゆる世代の男たちに保護欲を掻き立てる役割を果たしていた。
もちろん、今目の前にいる少年も例外ではなかった。
控えめに言ってもクリスは凛々しいというかそこらへんの男よりもよっぽど勇敢な性格をしている。
普段の立ち振る舞いを見ていても中性的な顔立ちと相まってどちらかというと男らしいという印象を受けてしまう。
それだけにこのギャップは強烈で凶悪だった。
可愛い。可愛すぎる。
姉の目が無ければ今すぐにでも押し倒してしまいそうなぐらい可愛い。


「・・・・・・・・・。」
「おい、新?そ、そんなに見つめるな。は、恥ずかしいだろ。」
「あ、お、おう。いや、本当に可愛いよ。うん。」
「な!あ、う〜・・・。ほら!さっさと行くぞ!」
「ちょっ、待てって。道分かんないだろ!?」


あからさまに分かるほど頬を赤く染めて逃げようとするクリスと、それを追いかける新。
最近は深森家では当たり前になってきた光景であった。
341夜に咲く花、君は華 3/16:2006/05/24(水) 18:35:14 ID:F5WMOegB0
      プリンセス・ワルツ 外伝  「夜空に咲く花、君は華」


道路では交通規制が引かれており、車は進入できないようになっている。
歩道だけでは入りきらないほどの人が集まっているからだ。


「だからさ、ほら、手。」
「え?手を・・・繋ぐのか?」
「だってさ、迷子になったらやばいだろ?」
「だ、誰が迷子などになるものか!」
「いや、でもさ、はぐれたら大変だしさ・・・。」
「う、・・・でも。」
「それに、俺はクリスと手を繋ぎたいんだ。駄目かな?」
「う!そ、そんなことを真っ正直に言うな!・・・どうしてもと言うなら・・・はぐれたら大変だし。」


そっと握った手のひらは微かに汗で湿っていた。
ただ蒸し暑いだけではなく手を繋ぐ行為のためもあるらしい。


「あ、・・・っとさ。クリスは祭りって出たことあるのか?」
「いや、僕は無い。これが初めてなんだ。」
「あ、そうなんだ。向こうには祭りは無かったのか?」
「いや・・・、僕はずっと王宮の奥にいたから。」


迂闊だった。
場を持たせようと迂闊に放ってしまった。
クリスのことをいつでも考えるようにと思っていたのにこんな有様だ。
つくづく自分の学の無さが情けなくなってくる。
だが、肝心のクリス本人の表情は晴ればれとしていた。
342夜に咲く花、君は華 4/16:2006/05/24(水) 18:36:07 ID:F5WMOegB0
「そんなに落ち込むなよ、新。」
「え?いや。でもさ、俺、お前の気持ちをあまり考えずに・・・。」
「確かに、辛かったさ。ああ、辛かった。」
「・・・。」
「でも、今は違うぞ。静さんがいて、七重さんがいて、そしてお前がいる。僕は今、幸せだ。」
「クリス・・・。」
「だから大丈夫だ。今という時を生きること。それを教えてくれたのはお前なんだぞ。」
「え?俺、そんなこといつの間に?」
「自覚が無いのか?お前らしいな。王子として生きることしか考えてなかった僕を、無理やり変えたのはお前だ。」
「あ、それ?でも、そんなの・・・。」
「いつまでも王子という言葉の呪縛に囚われず、本当の意味で前に進むことを教えてくれた。」
「そんな、大層なもんじゃないって。」
「いや、僕にとっては本当に嬉しいことだったんだ。生まれてはじめて自分の進む道に光が差し込んだ気がしたんだ。」
「クリス、お前・・・。」
「だから、ありがとう、新。」


真っ直ぐに見つめる瞳。
微かに染まった頬と微かに色づく桜の花びら。
我慢などできなかった。
ただこの可愛い彼女を抱きしめたいと思った。


「な!おい、新!」


人目も憚らずに強く抱きしめる。
腕の中で抵抗していた彼女もやがて大人しくなり、自らの腕で抱きしめ返した。
蒸し暑い夏の夜にあってはなおさら暑くなったが、それでも2人とも中々離そうとはしなかった。
343夜に咲く花、君は華 5/16:2006/05/24(水) 18:36:44 ID:F5WMOegB0
「で、何か食いたいのある?今日は姉ちゃんから臨時で小遣いもらったから食い放題だぞ。」
「そうだな・・・新のおススメはあるか?」
「俺?チョコバナナとかじゃがバタとか好きだな。」
「じゃが・・・?何だ?」
「じゃがバタ。熱々のジャガイモにバターを乗せて食べるんだ。上手いぞ〜。」
「なるほど、たしかにそれは美味しそうだな。それを食べてみたい。」
「了解しました。お姫様。」


そう冗談めかして言いながらしっかりと手を繋ぎ目当ての屋台を探し出した。
そこに言葉は必要なかった。
目的の物だけ買い、道端に2人並んで腰を下ろした。


「へ〜、これがじゃがバラか・・・。」
「クリス、じゃがバタだ。」
「わ、分かってる。ほら、食べるぞ!」
「あ、そんな急いで食べたら・・・。」
「あ、あつ!あ、あ、あ、あつ!!」
「あ〜ほら、ジュース飲め。」
「ん、ん、んぐ・・・。う〜、舌がヒリヒリする。」
「まったく、仕方が無いな。ほら。」


そう言うとバターがたっぷりとかかっている所を取り、冷まそうと息を吹きかける。
つまり彼がやろうとしているのは『ふ〜、ふ〜。はい、あ〜ん(ハート)』なのだ。

「はい、あ〜ん。」
「な、な、な、な、な、な〜〜〜!!!」
344夜に咲く花、君は華 6/16:2006/05/24(水) 18:51:47 ID:F5WMOegB0
面白いほどに真っ赤になり慌てふためくクリス。
一方、新はそれを見て結構楽しんでいた。
どうやら確信犯的なとこもあるらしい。


「ほら、あ〜ん。」
「駄目だって!そんな・・・恥ずかしい。」
「嫌なのか?」
「そんな、嫌って・・・う〜。」
「俺のこと嫌い?」
「それは無い!絶対に嫌いになんてならない!」
「じゃあ、はい。あ〜ん。」
「ううう・・・。」
「あ〜ん。」
「・・・・・・・・・・・・・・あ〜ん。」


ついに観念して口を開くクリス。
それを良いことに次々と食べさせてゆく新。
傍目から見たらバカップルにしか見えない2人がそこにいた。


「はい、次。あ〜ん。」
「あ〜ん。」


クリス自身も結構楽しくなってきたらしい。
それはそうだ。
愛する少年が食べさせてくれてるのだ。
周りも見えなくなり、お互いはお互いしか目に入らなくなっていた。
345夜に咲く花、君は華 7/16:2006/05/24(水) 18:52:47 ID:F5WMOegB0
「はい、これで半分。あ〜ん。」
「あ〜ん。・・・んぐ。じゃあ、次は僕の番だな。」
「あ、やっぱり?」
「当然だろ。ほら、あ〜ん。」


攻守交替され、今度はクリスが食べさせる番になった。
その表情は幸せそのもの。
戦いの末にようやく掴んだ幸せなのだ。
傍にいるだけで、ますます好きになってゆく。
クリス=ノースフィールドは深森新に対して、いわゆるメロメロな状態になっているのだ。


「あ〜ん。」
「おう、あ〜ん。」


ひたすらマイペースにじゃがバタを食べ続ける2人。
そして、最後の一欠けらとなった。


「これで、最後。はい、あ〜ん。」
「あ〜ん。」


ようやく食べ終わり、何とは無しに見つめあう2人。
周りの喧騒の中で2人だけの無言の世界が構築されている。
話さなくても無言が心地よかった。
まるで、心が繋がっているようで、互いの全てを知っているようで。
346夜に咲く花、君は華 8/16:2006/05/24(水) 18:53:48 ID:F5WMOegB0
「え〜と、暑くなってきたな?」
「そ、そうだな。じゃがバタって体に熱篭るしな。」
「どこか涼しい所・・・いや、人がいないだけでもいい。知らないか?」
「う〜ん、そうだな。近くに小さな神社があるんだ。今回の祭りとは直接関係が無いからたぶん人はいないと思う。」
「じゃあ、そこに行こうか。」
「分かった。こっちだ。」

手を引っ張り、神社へと向かう。
そして、御堂の前に2人で座り込んだ。
幸いにも他に人はおらず、2人きりだった。


「ふ〜、暑いな。」
「そうだな。さすがにこれはきつい。ソルディアは比較的涼しい気候だったからな。」
「・・・ちょっと離れただけでずいぶんと静かになったな。」


祭りの喧騒は遠く、まるで界律庭園に迷い込んだかのようにも思えた。
少しだけ強く握りこんだ手には互いの気持ちが現れていた。
欲しい。
今すぐ、君が欲しい、と。


「・・・クリス。」
「う、うん。良いよ。」


見つめあい、近づいてゆく顔と顔。
そして、そっと2つは重なった。
347夜に咲く花、君は華 9/16:2006/05/24(水) 18:59:27 ID:F5WMOegB0
「ん、ふ、ん・・・・ん。」
「む・・・んん、ん。」


柔らかな唇の感触。
だけど、それだけでは物足りなくて。
クリスはおずおずと舌を新の口内に差し込んだ。


「む・・・・・ん、ん〜・・・。」


そしてこの思いがけない行動に新はひどく驚いた。
なぜなら、普段は舌を差し込んだりと積極的に行動するのは新の役目であり、
クリスは大抵が『受け』だったからだ。


「ふ、ん、ん・・・・・ぅん。」
「む、んん。・・・んむ。」


クリスの舌が新の舌を絡めとり、歯茎の裏や、内壁などを思うがままに嘗め回す。
普段は味わえないクリスの攻めにもはや新は虜となっていた。


「ん・・・ぷはぁ。新・・・僕、もう我慢できない。」
「俺も、クリスが欲しいよ。」
「あぁ・・・新。ここで、いいよな?」
「あ、と。もうちょっと奥で・・・。」
348夜に咲く花、君は華 10/16:2006/05/24(水) 19:02:23 ID:F5WMOegB0
やってきたのは神社の裏手。
祭りの明かりもここまでは届かず、微かに聞こえる音だけがその存在を表していた。


「凄い・・・新の、もうこんなに固くなってる。」
「そんなの・・・クリスが可愛すぎるからだ。」
「そっか、僕のせいなのか。なら、責任はちゃんと取らないとな・・・。」


そう言い放つと素早く新のズボンを下げる。
すでに痛いほどに張り詰めている性器に顔を近づけると丹念に舐め始めた。
愛情を込めて、何度も何度も舐めあげる。


「クリス、うあ・・・く。すげ・・・うぅ。」
「ん、んふ。ん〜・・・うん。どうだ?気持ちいいか?」
「ああ、やばいぐらい気持ち良い。」
「そっか。嬉しいな・・・。んむ・・・んん・・・。」


敏感な部分を執拗に何度も攻めるクリス。
付け根から亀頭までねっとりと舐め上げたかと思えば次の瞬間には竿を銜え込み吸い上げる。
次々と紡ぎだされる快感にもはや新は限界だった。


「クリスッ!俺、もう駄目だ!」
「ん、良いよ!出して!」


さらに新の性器を限界まで深く銜えるてゆく。
飲み込まれるような感覚にあっさりと限界は訪れた。
349夜に咲く花、君は華 11/16:2006/05/24(水) 19:03:45 ID:F5WMOegB0
「う、出る!くぅぅぅ!」
「んむ!ん!ん!ん・・・んぐ。ん、ん。・・・んん。」


口内に出された精液を1滴も残さず飲み干していく。
同時に竿も扱き微かに残ってた精液も搾り出す。


「ん、ん、ん・・・はぁ。凄い・・・一杯出た。」
「だって、気持ち良すぎだって。こんなの。」
「それでこんなに?」
「そうさ。今度は俺が気持ちよくしてやるな?」
「・・・うん。」
「じゃあ、そこの木に手をついてくれる?」
「こうか?」


後ろ向きになり木に手をついたその姿は艶かしくも可憐さを醸し出していた。
突き出した腰には小さなヒップの形が薄っすらと見えている。
新は可愛らしいヒップを優しく撫でまわし始めた。


「ん、んふ・・・ん。」
「クリスのお尻、柔らかいよ。」
「や、ん・・・切ないよぉ・・・。」


着物越しに撫でられるもどかしさに自ら腰を動かしてしまう。
すでに秘所はジンジンと熱く疼いている。
350夜に咲く花、君は華 12/16:2006/05/24(水) 19:04:54 ID:F5WMOegB0
「あぁ、お願い・・・あらたぁ。」
「直接触って欲しい?」
「うん・・・触ってほしいの。」


そして、さらに腰を強く押し出され、手に柔らかいヒップに感触が伝わる。
新自身の理性もとっくに限界が来ていたのか即座に着物を裾をたくし上げる。


「すげ・・・クリスのすごい濡れてる。」
「あぁ・・・そんな、見ないで・・・。」
「ん?やだ。もっと近くで見るな。」


そう言い、顔をさらにクリスの秘所に近づける。
汗と愛液の混じった匂いが鼻を突くが、それも興奮を呼ぶ役割しか果たさない。
そして、花のように咲き誇るクリスの秘所にさらに顔を近づけるとおもむろに舐めだした。


「ひあ!はああぁぁぁぁ!!」
「ん、んむ。クリスの味がするよ。」
「そんなの!言わないで!あああぁぁぁ!!」
「・・・え?もうイッた?」


だが、問いかけには荒い息しか帰ってこなかった。
だが返事がないことがなによりの返事なのは新にはよく分かっていた。
だから、さらに問いかけることはせずに再び秘所を舐め始めた。
手で広げ中をかき回すように舐めあげる。
351夜に咲く花、君は華 13/16:2006/05/24(水) 19:06:50 ID:F5WMOegB0
「んあ!らめぇ!ああぁ!また、きちゃうぅぅ!やめ!はあぁぁぁ!」
「ん、んぐ、ん。やめないからな。む、んん。」


快感と愛おしさだけが脳髄を駆け巡る。
声を抑えることさえ忘れて、クリスは今、ただの女となった。
舐められ、吸われ、飲まれ、理性はもはや欠片として存在しなかった。


「クリス、こっちもな。」
「はぁ!そっちらめぇ!ああああぁぁぁぁぁ!」


そして花の上にある豆を強く吸った瞬間、快感は弾けた。
2回連続で絶頂にたたされてしまい、もはや自力では体勢を維持することもできない。
腰を掴み支えながら、新は自らの性器をクリスのそれに擦り付ける。


「入れるよ?クリス。」
「ぁぁ・・・きて・・・。」


ゆっくりと捻じ込ませる。
互いの最も敏感な部分を擦り合わせる快感が体を支配する。


「あらたの・・・あついぃ。」
「クリスのも、すっげぇヌルヌルだぞ。」


次から次へと花の奥からは蜜が溢れ出てきて否応無く新に快感を擦り付ける。
もはや2人は、いや、きっとずっと前からお互いの事しか考えられなくなっていた。
352夜に咲く花、君は華 14/16:2006/05/24(水) 19:08:33 ID:F5WMOegB0
「動くぞ!クリス!」
「はやく!きて!あらたぁ!」


獣のように重なり合い快感を貪る2人。
肉と肉の重なる音が一定の間隔で聞こえ、そんな淫らな音も快感を引き立てるスパイスだった。


「あぁぁ!はあああぁぁぁ!」
「クリス!そんな大きな声出してたら人に聞かれるぞ!」
「そんな!こえ!おさえられな、あああぁぁぁん!」


甘い締め付けと、甘い嬌声。
首筋を舐めるとさらに声が甲高くなる。塩っぽい味がした。
そして、汗の匂いと喘ぐ姿。
五感全てで男の欲望が満たされる。
だからなのか、限界は意外と早く訪れた。


「ごめ、クリス。俺、もう出そう・・・。」
「あぁ!僕も!僕もきちゃう!いっしょにきてぇ!」
「ぐぅ!クリス!」
「はあぁぁぁぁ!あついぃ!あああああぁぁぁぁん!!」


耐え切れずに膣内に大量に射精してしまった。
肉棒を引き抜くと中からは大量の白濁液がでてきた。
愛液と混じり太腿へと落ちてゆく姿はどうしようもなく淫靡だった。
353夜に咲く花、君は華 15/16:2006/05/24(水) 19:12:03 ID:F5WMOegB0
情事を終えホッと一息をつく。
そして、新はポケットからティッシュを取り出すとおもむろにクリスの秘所から垂れる精液を拭きだした。


「な?新、ちょっ!何を?」
「いや、浴衣が汚れるじゃん?だからさ。」
「だったら一声かけてからしろ!」
「ああ、ごめんごめん。・・・今更だけどさ、今日は大丈夫な日なのか?」
「本当に今更だな。心配せずとも、コントロールする魔法や呪法はいくらでもある。」
「そんなのもあるのか・・・。」
「それよりも、浴衣どうしようか・・・。滅茶苦茶になった。」
「ああ、着付けなら俺できるぞ。」
「新が!嘘だろ!?」
「姉ちゃんから教え込まれてな・・・。ほら、拭き終わったら帯を解くぞ?」
「あ、ああ。分かったよ。頼むぞ、新。」
「任しとけって。」


人前に出ても恥ずかしくないようにと再び浴衣を整える。
ちょうど整えなおした時だった。
突如、上空から腹に響くような巨大な音が聞こえた。


「ひゃっ!な、何だ!ガードナーか!?」
「お、始まったか。ほら、クリス。空を見てみろって。」
「え?・・・うわぁ・・・。」


そこには大輪の花が咲いていた。
花火大会がはじまったのだ。
354夜に咲く花、君は華 16/16:2006/05/24(水) 19:18:31 ID:F5WMOegB0
「・・・なぁ、新?」
「ん?どうした?」
「できれば、その、もうちょっとだけ2人で・・・。」
「ん。分かった。花火終わるまでゆっくりしていこうか。」
「う、うん。・・・ありがとう。」
「どういたしまして。」


そっと新の肩にクリスは頭を置く。
色取り取りの明かりに照らされながら、2人はいつまでも夜空に咲く大輪の花を見続けていた。


「来年も・・・。」
「ん?」
「来年も一緒に来ような。」
「ああ、僕も・・・一緒に来たい。」


ゆっくりと影が重なった。
夜空の花と、桜の花びらしか見ているものはいなかった。
355夜に咲く花、君は華:2006/05/24(水) 19:22:02 ID:F5WMOegB0
>>339-354
以上です。

立ちバックができたのでなんか満足。
しかしクリスばっかり書いてるな〜自分。

次は何を書こうかな〜っと。
だんだん妄想も尽きてきた。ぁぁぁぁぁ。

ゲームもう1週してこよっと。
でわ、読んでくださってありがとうございました〜。
356337 :2006/05/25(木) 17:07:32 ID:xFyT95G+0
リクエストに答えてくれてアリガd&お疲れ様です。
ふきふきの方はあっさりし過ぎかな、とは思いましたが、
プレイというより、あくまで事後処理ということですかね。

浴衣クリスを想像してメロメロですよ。
男装ヒロインを女装させてデート、プリワル本編で期待していたものです。
浴衣脱がずにヤっちゃうのは鉄板ですね。
357名無しさん@初回限定:2006/05/25(木) 22:27:31 ID:9k8duGUo0
>>355
これだぁ・・・
コレが俺の見たかったクリスと新なんだぁ・・・ なぜ本編では・・・
ともあれ、乙です!
358名無しさん@初回限定:2006/05/26(金) 00:10:58 ID:Oe9ulBK/0
>>355

乙です!!
ひさしぶりに時間をわすれ、ハァハァするくらいにひきこまれてしまいました。


もし、次回作でネタでお困りのようでしたなら、ぜひリリアーナとイーリスをお願いしまつ。
359名無しさん@初回限定:2006/05/27(土) 00:16:47 ID:0QBCfQrP0
>>355
こういうシーンがあれば人気投票もすこしはちがったろうにw
いや、クリス好きとしては楽しませてもらいました
次もクリスがいいなぁ・・・ ここくらいでしか楽しめない Orz
360はぴねす!温泉の人:2006/05/27(土) 18:45:38 ID:S62BQb+c0
最近プリワルのクリスの方もいらして、いい具合に盛り上がってきましたね。
こっちは毎回エロじゃ頭が爛れちゃうんで、たまには非エロでもw

てなわけで今回はUMAの話で。
本編で語られなかったUMAの過去について、私なりに妄想してみました。

何気に結構鬱になれる話があるかも。
あと基本的にツッコミどころ満載なので、頭空っぽにして読むのが吉。
(何しろ本編に殆ど推測材料がない状態なので、多少の矛盾点は勘弁してちょ)

では行きます。
「はぴねす!」より「しあわせの意味」
361しあわせの意味(1/11):2006/05/27(土) 18:49:10 ID:S62BQb+c0
「……まったく、聞いておりますの御薙さん?」
……また、あの時の夢だ。
思い返すたびに俺の胸をぎゅっと縛りつける、嫌な夢。
「子供に向かって魔法を撃たせるだなんて、
 お宅は子供にどんな教育をしているんですか!?」
「そうですよ!! うちの子なんかあれ以来、
 怖がってあの公園に近づこうともしなくなったんですよ!?」
「ふぇぇん、怖かったよぉママ……」
「あーら大丈夫よたーくん……ママが今悪い子をこらしめてあげまちゅからねー♪」
いじめっ子たちの甘えた声が、ものすごく勘に障る。
ひとりじゃ何にもできないくせに、こんな時だけ自分のママを頼って、
俺のかーさんをいじめに来るんだ。
大体、悪いのはそっちじゃないか!
女の子をいじめて喜ぶだなんて、悪い子のすることに決まってる……
「ほら……うちの子も一歩間違えば、
 ああなってた可能性もあるってわけじゃありませんか!!」
「まぁ魔法使いの家ですからね……おおかた情操教育と銘打って、
 子供にテロリズムの勉強でもさせてるんじゃないかしら?」
「本当に怖いわね……こういった子供が、将来恐喝だの強姦だのやって、世間を騒がせるんだわ」
難しい言葉ばかり言って、俺のかーさんを更にいじめまくる2人。
そして、何より自分をむかつかせたのは。
「申し訳ありません……息子にはもう、重々言い聞かせておりますので」
あいつらの言うことに全く言い返さず、ずーっとあいつらにあやまりっぱなしのかーさん。
かーさんはもう、あやまる必要ないだろ!?
悪いのはあいつらで、かーさんじゃないのに……
かーさんは、何も悪くないのに……
それなのに……何で……
362しあわせの意味(2/11):2006/05/27(土) 18:50:05 ID:S62BQb+c0
「何であいつらに言い返さなかったんだよ!! かーさん!!」
「……」
「悪いのは……悪いのはあいつらなんだぞ!?
 小さな女の子をいじめて楽しんでいたあいつらが悪いんだぞ!?」
「……」
「なのに……何でなんだよ、かーさん……」
「……雄真」
ずっと黙っていたかーさんが、やっとこちらを向いた。
「雄真は……優しい子なのね……」
「そりゃまー……かーさんの子供だかんね」
「うん、雄真は優しい。そして、女の子をいじめっ子から護りたいと思った気持ち、
 それってすごく大事だと思う」
「だったら、何で……」
「あなたが……『魔法』を使ったからよ」
「まほう……」
363しあわせの意味(3/11):2006/05/27(土) 18:50:49 ID:S62BQb+c0
かーさんから教わった、大事な力。
その気になれば、悪者を誰でも追い返せてしまう、すっごくステキな力。
俺はこの力を使えることが、すっごく自慢だったし、
そんなすっごい力を教えてくれたかーさんのことが、とっても大好きだった。
「魔法……確かに便利なもの。
 その気になれば、世界をいくらでも自分の好きに変えられてしまう、とても強い力。
 だけど、それ故に危うい……人を思いのまま傷つけてしまえる、とても危険な諸刃の剣」
かーさんの言うことは、むずかしすぎて、俺にはちっともわかんなかった。
「私は……この力で誰かが苦しむ様を、もう嫌という程見てきたわ……
 この上あなたにまで、あんな辛い思いはさせたくない……
 だから、約束して、雄真。この力は、誰かを幸せにするためだけに使いなさい。
 決して、誰かを傷つけるためなんかに使わないで……母さんからの、一番のお願い」
「誰かを……しあわせに……」
よかれと思って使ったつもりだった。
俺の魔法で、誰かが笑ってくれるなら、それが最高だと思っていた。
でも……わかんない。
かーさんの言うことが、全然わかんないよ……
364しあわせの意味(4/11):2006/05/27(土) 18:56:08 ID:S62BQb+c0
次の日。

「おはよー、みんな……」
「!!!!」
軽くあいさつして教室に入った俺を、クラスのみんなが驚いたような目で迎えた。
しゅんと、これまでにぎやかだった教室が凍りつく瞬間。
直後、先ほどと毛色がまったく違うざわめきが、教室内を覆った。
「お、おい、ゆーまだぞ、あれ……」
「2組のタケヒトをまほーでふっとばした、あいつ……?」
「やだ……こわいよ……あんなのがいっしょのクラスにいたなんて……」
世界で俺だけが、拒絶される感覚。
昨日まで仲の良かった友達までもが、手のひらを返したかのように怯えて近づいて来ようとしない。
「みんな……」
昨日まで、みんなあんなに仲良かったのに。
どうしちゃったんだよ、みんな……

授業を受けるのも、ひとり。
休み時間に遊ぶのも、ひとり。
給食を食べるのも、ひとり。
こちらから近づこうとすれば、一気に逃げ出していってしまうクラスのみんな。
担任の先生は、口では雄真くんと仲良くしろとみんなに言ってくれるが、
ひとりとして耳を貸す奴はいない。
まるで空気になってしまったかのような自分の存在感に、俺は軽い吐き気を覚えていた。
365しあわせの意味(5/11):2006/05/27(土) 18:58:04 ID:S62BQb+c0
そんな孤独な学校生活が、5日ほど続いたある日の休み時間。
いつものように友達と一緒に遊ぶのを断られた俺は、
手持ち無沙汰に学校の校庭をぶらぶら歩いていた。
ふと、校庭の一角を見つめる。
「みんなーー!! 聞いたかーー!? 1組の○○は、△△と付き合ってるんだってー!!」
「や、やめてよ、お願い」
「アツイですねー、○○さぁん……ケッコン式はいつ挙げるんですかー?」
「聞ーいちゃった、聞いちゃった♪ せーんせーに言うてやろー♪ ひゅーひゅー」
「ふ、ふぇぇぇぇん」
あの時と同じだった。
複数の男の子が、よってたかってひとりの女の子をいじめている図。
(……もしかしたら)
俺の中に、よくない考えがひしひしと浮かんでくるのがわかった。
ここでまた、俺が彼女を助けてあげたら、またみんな褒めてくれるかもしれない。
俺の魔法で、また誰かをしあわせにできるかも知れない……
思えばすごく独善的で、反吐を催すくらい下卑た考え方だった。
「エル・アムダルト・リ・エルス・ディ・ルテ……」
集中し、言葉を紡ぐ。
かーさんが、俺に教えてくれた魔法の言葉……
誰かをしあわせにするために、必死で覚えた大事な言葉……
その力は白き魔法の輝きとなって、俺の手のひらに集結する。

「……エル・アダファルス!!!」
366しあわせの意味(6/11):2006/05/27(土) 18:58:49 ID:S62BQb+c0
ゴォォォォォォォ!!!!

俺の紡いだ言葉は巨大な魔力の奔流となって、いじめっ子たちに襲い掛かった。
「え……これって……」
「まさか……雄真のやつの……」
「「うわぁぁぁぁあぁぁぁああぁぁああああっ!!!!」」

ドゴォォォォォォォ!!!!

その魔法が見事いじめっ子たちに命中するのを見て、俺は思わずガッツポーズをとった。
やった……俺はやったんだ……
また……俺の魔法で……誰かをしあわせにできたんだ……!!
きっとその時の俺は、ものすごく醜い顔をしていたんだと思う。
「大丈夫? キミ……ケガとかない?」
息を切らしながら、女の子のもとへと駆け寄ってゆく俺。
しかし。
「あ、あ……ああああ……」
「? もう大丈夫だよ? いじめっ子たちはみんないなくなったから」
「あ、ああああ、い、い……」
何をおびえているのか、歯をがちがち鳴らし、青ざめた表情でこちらを見る彼女。
俺が近づくにつれ、彼女の震えはどんどん強くなってゆく。
「ね、もうだいじょ」
「いやあああああああああああああああっ!!!!」
ものすごい勢いで、その場を去ってゆく少女。
一瞬、理解できなかった。
俺は確かに、彼女を助けたはずなのだ。
それなのに、なぜ……

………………
367しあわせの意味(7/11):2006/05/27(土) 19:01:25 ID:S62BQb+c0
「!!!!!」

やっと俺は、事態を把握した。

めり込んだ床。
砕け散った校舎の壁。
そして……
かつて「加害者」だったはずの、男の子たちの傷つき倒れている姿。

「あ、あぁ……」

唐突に、俺の全身を拭いようのない後悔が襲った。

俺の放った魔法の、その強大さに気づき……
俺がしでかしたことの、その意味を知り……

……俺は、きっと叫んでいたんだと思う。



「うああああああああああああああああああ!!!!」


368しあわせの意味(8/11):2006/05/27(土) 19:04:19 ID:S62BQb+c0
──全治1週間──
それが、医師が彼らに与えた診断だった。

あの後、俺はどうしたか覚えてない。
母さんがやって来て、泣きながらその男の子たちに謝って……
まだ授業が残っているにも関わらず、俺は無理矢理家に連れ戻され……

そして俺は……学校に行くのをやめた。

今思えば……この事件のせいで、
俺たちはこの街に住む権利を失ってしまったと言う方が正しいのかも知れない。

そして……それから後、俺は鈴莉母さんと共に暮らした記憶がない。

俺に残っているのは……音羽かーさんが、嬉しそうに俺を迎えてくれたこと。
音羽かーさんとすももと、新しい家族になったこと。

新しい家族との生活は、とても平和で、とても慌ただしくて……
いつしか俺は、鈴莉母さんと過ごしていた日々を、すっかり忘れ去っていた。

そして……

俺はそれから二度と、魔法の言葉を口にすることはなくなっていた。
369しあわせの意味(9/11):2006/05/27(土) 19:05:33 ID:S62BQb+c0
「デート中に考え事……かな?」
「え? あ……」
春姫の言葉に、我を取り戻す俺。
「フフ……雄真くん。何だか今日は、ずっと上の空だね」
「た、確かにそうだな……悪ぃ……」
春姫はそんな俺のことを気遣いながら、俺にそっと声をかける。
「まだ……迷ってるんでしょ? 御薙先生から言われたこと」
「……」
御薙先生が、俺に提案したこと。
魔法科へ編入し、今よりもっと本格的に魔法を勉強すること。
本気で魔法を学びたいのなら、それくらいの覚悟は最低限持って挑んでほしい。
中途半端な気持ちだったら、あの時の想いをもう一度繰り返すことになる……
そう、御薙先生は俺に言った。
でも、俺は……一度は魔法を捨てた身……
今更俺なんかがのこのこ入ってきていい世界ではないことは、
この数日間で嫌という程思い知らされてきたはずだ。
なのに……
まだ、迷っている自分がいる。
一般人としての自分と、魔法使いとしての自分との間で、揺れ動いている自分がいる。
俺は……本当に魔法を学びたいのか……それとも、ただ春姫といっしょにいたいだけなのか……
370しあわせの意味(10/11):2006/05/27(土) 19:08:42 ID:S62BQb+c0
「雄真くん……私はね……」
ゆっくりと、口を開く春姫。
「私は……雄真くんに、もう一度魔法を目指してほしい」
「……」
春姫は俺の手を取り、かつて共に魔法を使ったときと同じように、それを空にすかしてみせる。
「雄真くんの手……私が魔法を目指すきっかけをくれた、大切な手……
 その手が……今、魔法の道を失って、宙ぶらりんになってる……
 それが……すごく嫌なんだ。私」
春姫の気持ちが、俺に痛いほど伝わってくる。
「私は……もう一度この手といっしょに魔法を目指してみたい。
 雄真くんといっしょに、同じ夢を見続けていたいんだ……」
切なそうに響く、春姫の声。
──魔法を捨てる道を選んだ俺。
──魔法を志す道を選んだ春姫。
俺たちの運命は、一体どこですれ違っちまったんだろうな?
「やっぱり……ダメなのかな……
 雄真くんといっしょに、魔法を勉強したい。ただ、それだけなのに……」
「……っ」
耐え切れなくなり、春姫から目を逸らす俺。
371しあわせの意味(11/11):2006/05/27(土) 19:10:59 ID:S62BQb+c0
……と。
目の前を駆けてゆく、ひと組の小さなカップル。
「あ……」
春姫があの時、想いを伝える手助けをした女の子。
「よかった……あの時の想いは、ちゃんと伝えたい人に伝わってたんだね」
「……」
ふと俺は、あの時の春姫の優しさに満ち溢れた魔法のことを思い出していた。
誰かを幸せにするために、春姫が使ったただひとつの魔法。
(……春姫……)
今までずっと理解できずにいた、しあわせという言葉の意味。
あの時の春姫の魔法が、俺にその意味の欠片を教えてくれたのは、間違いなかった。
ちょうど……俺の魔法が、かつて春姫にそうしたのと同じように。
『この力は、誰かを幸せにするためだけに使いなさい』
あの時は理解できなかった、母さんの言葉。
でも……今なら。
人の痛みと、胸いっぱいのしあわせを知った、今なら。
「春姫……」
俺の意志に、もう曇りはなかった。
「俺、もう一度魔法を目指してみるよ。春姫といっしょに」
「雄真くん……」
俺はその決意を揺るがせぬべく、春姫の手を堅く握りしめていた。

(終わり)
372はぴねす!温泉の人:2006/05/27(土) 19:12:57 ID:S62BQb+c0
はぁはぁ・・・ギコナビでカキコできんのがこんなキツイとは・・・orz

とりあえず以上です>>361-371
・・・とまぁ、本編でもこのくらいのことはしっかり書いてくれと。
春姫ルートなんか、まさに本作のメインヒロインルートと言っても差し支えないのに、
肝心のイベントの中身薄すぎ・・・

あと最後のアレは春姫ルート最終日のつもりなんですが、
自分の中でいろいろ考えがあって、中身ごっそり書き換えちゃいました。
正直言って、今でもその判断が正しかったのかどうか、ちょっと迷ってます。
何かご意見ありましたら、遠慮なく言っていただけたら幸いです。

ではまたノシ
373名無しさん@初回限定:2006/05/27(土) 20:43:29 ID:M+iyi4Do0
GJ!
確かに本編ってイベントの中身が薄いですよね。
雄真もそんなに魔法について触れてさえいないし。

もっと葛藤が欲しかったのでこういうのが見れてよかったです。
374名無しさん@初回限定:2006/05/28(日) 10:00:20 ID:6QesPq2U0
>>361-371
乙。
375はぴねす!温泉の人:2006/05/31(水) 16:43:52 ID:5rmc0eeE0
今はぴりら親子丼イベント追加記念に1本えろいの書いてるんだけど、
音羽かーさんとのそういうシーンってこのスレ的に需要ある?

・・・あと、一晩に6回もの射精はUMAに可能でしょうか?w
(今書いてる地点でもう4回出してる;)
376名無しさん@初回限定:2006/05/31(水) 17:19:19 ID:EZlhezhv0
UMAだもん、大丈夫でしょ。あれだけの汁を出せるんだからw
かーさんは個人的には欲しいもんです。

それと、いつもおつです!読ませて頂いてますよ。
377名無しさん@初回限定:2006/05/31(水) 21:20:14 ID:ZNAF048/0
音羽さんのキャラクターを生かしてくだされ
378はぴねす!温泉の人:2006/05/31(水) 22:15:34 ID:fk5R0/NA0
音羽さんのキャラ、か・・・
正直本編に全くそういうシーンないから、完璧想像だけで書いてるw

今回はすもも→かーさん→???と続く大ボリュームで、エロさにも私なりにかなり力入れております。
その分執筆には今しばらくかかりそうなので、あまり期待せずにお待ち下さいませノシ
379名無しさん@初回限定:2006/06/01(木) 13:28:42 ID:laL2fNX00
俺なら自分宛の荷物を勝手に空けられて見られて親父に殴られ、
さらにそこそこ高価なエロゲ粉砕されたなら、逆ギレしてでも親父殴るね

「運動部の部活で体鍛えてて良かった・・・」
などと思いながら
380名無しさん@初回限定:2006/06/01(木) 13:29:49 ID:laL2fNX00
誤爆スマソorz・・・
381名無しさん@初回限定:2006/06/01(木) 16:26:27 ID:Jeg/0vmu0
>>379
確かにいくらしょうもなく映っても壊すのは大人気ないな<父親
100歩譲って息子殴るのはよいが、その後真剣に諭してやるのが大人のやり方

と誤爆にマジレス返してみる
382名無しさん@初回限定:2006/06/01(木) 23:10:36 ID:+HkFRj7E0
うちのパパンは若いころスモウファイターだったから
筋肉が凄いので勝てる気しねえorz

でも「オ、オヤジもエロ本ぐらい読むだろ!」で解決しないか?
383名無しさん@初回限定:2006/06/02(金) 18:21:43 ID:HlpTywzV0
>382
エロ本とエロゲの間には、深くて広い溝があると思われ。
384はぴねす!温泉の人:2006/06/07(水) 15:06:13 ID:8KyggoCn0
1日1回はぴでいかけてはwktkしてる俺が来ましたよノシ
何あのステキ電波ソング・・・w

さて予告してたエロSS。
小日向家の騒がしくもHな入浴事情を、ちょっとだけ垣間見ちゃいましょう。
名づけて「小日向家、おふろの事情。」

まずはすももちゃんとのらぶらぶ入浴シーンからどうぞ。
第1話「すもものどきどき入浴タイム♪(前編)」
週末の夜。
自宅の居間に、ひとり残された俺。
『Oasis』のメンバーと飲み会とのことで、真夜中まで帰ってこないかーさん。
そして……
風呂場からは、楽しそうに響くすももの鼻歌。
「……完璧だ」
そう、まさに完璧だった。
すももとひとりの女の子として付き合い始めてから、ずっと頭の中で思い描いていた秘密の計画。
今こそまさに、この計画を実行に移す時……!!
俺はそっと、部屋の時計を見やる。
すももがお風呂に入ってから、約10分。
お兄様の長年の勘からすると、ちょうどすももが湯船につかってまったりしている頃合だろう。
「……そろそろだな」
俺はゆっくりと立ち上がると、服を脱ぎ、すももの大事なアヒルを手に構えた。
「すももー!! 元気に風呂入ってるかー?」
「きゃっ!!」
腰にタオルだけ巻きつけ、かけ声を響かせながら、意気揚々風呂の扉を開ける俺。
途端にすももが、湯船の中でがばっと体を隠しだす。
「な、何するんですか兄さん!!」
おうおう、なかなか嬉しいリアクション返してくれるねぇわが妹よ。
「何って、すももといっしょに風呂入ろうと思っただけだけど」
「に、ににに兄さんといっしょにお風呂に入れるのはそのっ、嬉しいですけどっ、
 だけどまだ心の準備がっていうか体の準備がっていうかーーー!!?」
面白いくらい慌てふためくすももに、思わず吹き出しそうになるのを懸命に堪える。
「落ち着けすもも。風呂くらい昔何度もいっしょに入ったろ?
 俺はただ、あの時と同じように、いっしょに風呂入ろうって言ってるだけだ」
「そ、そっ、そーですよね……いくら兄さんでも、さすがにお風呂の中でまで」
「ただし、それも俺の心持ち次第だけどな」
「はぅぅっ!!! は、はわわわ……」
俺のとどめの一言に、すっかり上の空になってしまったすもも。
さすがにいじめてやるのは、この辺で勘弁してやるとするかな……
「んじゃ、ちょいと邪魔させてもらうぜ」
「は、はいっ! よろしくお願いしますっ!!」
俺の言葉に、すももも妙にかしこまった態度で答えるのだった。
「狭いな、こりゃ」
「フフ。ホントですね、兄さん」
ひとり分しかない家の湯船に、ふたり向き合って入る俺たち。
ずっと前にいっしょに入ったときは、ふたりで入っても大きすぎるくらいだったのに……
いつの間にか俺たち、こんなに成長してたんだな……
「何だかこうしてると、ホントに昔に戻ったような気がしますね」
「そうだな……何だか、もう随分昔のことのように思えるけど」
俺とすももとの間に、確かに存在していたいっしょの時。
過ぎ去った時の長さを思い、俺たちは互いに笑みを交わした。
「あ! 兄さん……それ、わたしのアヒルさん」
やがてすももが、俺の手にあるアヒルの存在に気づく。
「お、これか」
そういやさっき、すももを喜ばせてやろうと、必死になって探し出したんだっけ……
「せっかくすももといっしょに風呂入るんだからな。
 たまにはこいつも交えて、3人仲良く親睦を深めようと」
「なるほど……なかなかいい心がけです、兄さん!」
さっそく嬉しそうに、そのアヒルを手に構えるすもも。
「ガァ! ガァガァ!!」
「……悪ぃすもも。アヒル語初心者の俺には、その挨拶はきつすぎる」
「フフ。まだまだですね兄さん。
 今のはアヒル語の初歩の挨拶で『よろしくね、雄真お兄ちゃん』ですよ♪」
「な、何だって!?」
あんな2、3言の鳴き声の中に、そんな固有名詞も含んだ高度な挨拶が含まれていたとは……
やはり、アヒル語、侮りがたし!
388はぴねす!温泉の人:2006/06/07(水) 15:27:50 ID:8KyggoCn0
連投制限厳しすぎる・・・orz
今勤務形態が変則的だから、この時間しかうpできんのよね。

ここまで投稿しといて申し訳ないけど、続きは週末まで待った方がいいかなぁ?
(それ過ぎれば昼勤務に戻るんで、いつも通り夜にうpできるんだけど)
389はぴねす!温泉の人:2006/06/07(水) 15:28:59 ID:8KyggoCn0
ありゃ、ageたつもりだったのに・・・
もっかいage
390名無しさん@初回限定:2006/06/07(水) 16:53:08 ID:UfoCfHxn0
ゴールデンタイムに入ったら他の書き込み増えるから、
連投も楽になると思うぞ。その時間なら支援者もいるだろうし。
391はぴねす!温泉の人:2006/06/10(土) 21:59:42 ID:jyX8D1Ux0
先日はあんな途中で中断しちゃってすみません・・・
今だったら人いるよね(゚д゚≡゚д゚)キョロキョロ

んじゃさっそくすももの話の続きをば↓
「ガァ、ガァガァガァ、ガァガァ?」
すももは更に、妙なイントネーションをつけ、更に高度なアヒル語を操りだす。
……すももにアヒルを持ってきてやったのは、俺のほうだ。
ここでひるんだら、俺の計画が丸つぶれだ!!
「ガァガァガァ、ガァ」
とりあえず俺は、ちょうどすももがやってたように、鳴き声だけ適当に真似して返してやる。
「ガァ。ガァガァガァガァ?」
「ガァガァガァガァ、ガァ」
我ながら、とても頭の痛くなる会話内容だ。
すももにアヒルを与えてやったのは、ちょっと失敗だったか……?
……と。
「うわぁ、兄さんったら、何てこと言っちゃうんですか!?」
「はぁ? 一体何だ急に」
すももがまたしても、理解不能な言動を繰り出す。
「何って……たった今アヒル語で言ったじゃないですか!
 すももちゃんのきれいな体を、いっぱい撫で回したいなー……なんて」
ナンテコトイイダシマスカコノヒトハ。
「ちょ、ちょっと待てすもも!! 今の会話のどこをどう解釈したらそうなるんだ」
「ふふっ、ごまかしたって無駄ですよー!
 兄さんがどうしようもないスケベさんってことは、今ので十分わかっちゃいましたから」
「これは侮辱だ!! 直ちに最高裁への控訴を要求する!!!」
「残念でしたー♪ 雄真被告の訴えは、既に却下されております♪」
「ぐっ……」
いいのか……これでいいのか、小日向雄真!!
このまま、すももの言いなりのままで、終わる俺ではない!!!
「おらっ、こっち来い!! すもも!!」
「きゃっ!! に、兄さん!?」
俺はすももの腕をぐいっと引っ張り、自分の胸元にすももを抱きとめる。
「い、いきなり何するんですか兄さん!!」
「残念だったなすもも。俺はスケベ怪人UMAとして生まれ変わったのだ。
 優しかったお前の兄さんは、もうどこにもいない!!」
「あ、ひゃあん!! ちょっと、兄さん……」
俺はそのまますももの背中に手を回し、隙だらけなすもものお尻を望みどおりそっと撫でてやる。
「あ、やだ、兄さん……ひゃうっ」
お尻に伝わる掌の絶妙なタッチに、顔を真っ赤にしてひくひく反応するすもも。
その様が、何とも言えず愛らしい。
「うぅ……に、兄さぁん……」
ようやく、すももも観念したようだ。
瞳を涙でじっとり潤ませ、訴えかけるように俺を見つめるすもも。
「ふっふっふ……兄さんの恐ろしさ、とくと思い知ったか」
「……兄さん……」
ふとすももが、体をもじもじさせ、もどかしそうに俺の脚に腰をすりつけてくる。
ったく……人のこと散々スケベ呼ばわりしておいて、自分はこうだもんな……
「そろそろ欲しくなってきた頃かな? すももちゃん」
「うぅ……それは……兄さんが悪いんですよ……?
 兄さんが急に、あんなことするから……わたし……」
まったく、ホントにしょうがない奴だな、こいつは。
「んじゃま、さっそく……」
「あ、待ってください、兄さん!」
さっそくすももを抱きかかえようとした俺を、すももが急に制止する。
「? 何だ、すもも」
「あの……ずっと前から一度、やってみたかったことがあるんです……」
「前からずっと、してみたかったこと……?」
「とにかく、そこの椅子にかけてみて下さい……」
俺は言われたとおり、湯船の外の洗い場に置いてある椅子に腰をかけた。
俺の背後では、すももが楽しそうに、スポンジにかけたボディソープを泡立てたりしている。
「何やってんだ、すもも」
「何って……兄さんのお背中を流す準備です」
俺の背中を流したいとは、随分急な話だな……
まぁ別段、悪い話でもないんだけど。
やがて俺の背中に、泡立ったスポンジのやわらかい感触がそっと伝わってきた。
「どうです? 気持ちいいですか、兄さん」
「あぁ……なかなか……気持ちいいぞ」
「フフ……喜んでもらえて、とっても嬉しいです」
とても嬉しそうに、俺の背中をスポンジでこするすもも。
何だか普通にまったり和んじゃってるけど……いいのか? これ。
「兄さんの背中……広くてあったかい……」
後ろから、陶酔に満ちたすももの声が届く。
俺の背中を優しく撫でるスポンジの感触に、俺も何だか頭の中がぽわーっとしてくる。
「このくらいでいいかな……んじゃ、えいっ!!」
「!!!!!」
頭の中のぽわーっは、一瞬で醒めた。
すももが何と、泡だらけの俺の背中に抱きついてきたのだ。
「す……すもも……何を……///」
「すもも流背中流しのひとつ、泡踊りの術です!!」
「い、いきなり何言って……あ!! ふぁっ……」
すももは抱きついたまま、その体をくにゅくにゅとこすりつけてきた。
(あ……うぁ……///)
すももの体のふたつのふくらみと、つんと突き出た先端の感触が、直接肌にすりついてきて……
やばいくらいに、気持ちいい。
「んしょ、んしょ……どうですか……兄さん……」
「あ、あぁ……」
言葉を返そうとするも、すももの体のあまりの気持ちよさに、まともな言葉も返すことができない。
「んんっ……兄さん……ん、んんっ」
すももは更に夢中になって、その体を俺の背中に摺り寄せてきた。
ボディソープの泡が程よい潤滑を与え、どうしようもない心地よさを俺に与えてゆく。
「あ……はぁ……」
脳までとろけてゆくようなその気持ちよさに、もはやまともな思考すらおぼつかない。
「フフフ……気持ちいいんですね、兄さん」
「あぁ……気持ちいいぞ……すげぇ、やばいくらい……」
すももの体って……こんなに、気持ちよかったっけ……?
これまですももといっぱい触れ合ってきた俺でさえ、それは初めて味わう快感だった。
「それじゃ、ちょっとオプションも追加しときますね……」
「!!??」
すももは更に、手を前方に回し、俺の股間へと手を回してきた。
泡だらけのすももの小さな手が、俺のものをそっと握り締める。
「なっ……す、すもも……?」
「兄さんの一番大事なここも、ちゃんと洗ってあげませんと……」
そう言うと、すももは泡でぬるつく両手で、俺のものを扱きあげ始めた。
ぬちゅぬちゅと、えっちな響きが狭い風呂場を駆け巡る。
(うぁ……これ……やばすぎ……)
俺の局部の上でにゅるにゅると滑る、すももの手の感触。
ただ泡だらけの手で擦られてるだけなのに……それが、こんなに気持ちいいなんて……
「んしょ、んしょ……んんっ、なかなかきれいになりませんね……これ」
体を執拗に背中に擦りつけながら、なおも俺のものを必死に扱きあげるすもも。
「ちょ……すもも……それ以上、擦られたら……っ」
頭の中を、真っ白な気持ちよさが支配してゆく感触。
まるですももと2人して、真っ白な泡になって融けていってしまうようだ。
「んく……ん……っ、やっぱり兄さん……すごく……いやらしいです」
「い……いやらしいって……何だよ……すもも」
「だって……こんなに……硬くして……ひくひく動かして……
 そんなに……気に入ったんですか……これ……」
「そ……それは……」
だってそれは……仕方ねーだろ……?
こんなかわいいすももに……泡まみれで……こんなに……絡みつかれたら……
「やっぱり男の人は……こういうの、好きなんですね……少し、がっかりです」
「う……うぅ……///」
すももの言葉を即座に否定できない自分が、すごくもどかしい。
「んふ……ん……ん、んあっ……はぁ……硬い……兄さんの……」
欲望に張り詰めた俺のあそこの感触に、すももも半ば陶酔しきった表情で呟く。
すももにいいように扱かれた俺のそこは、もう寸分の我慢も効かない状態だった。
このまま一気に……すももの手の中で……果ててしまいたい……!!
……だが。
「んん、ん……っ、ここは、このくらいで……」
「あ……」
今まさに達さんと腰を浮かせかけたその時、すももが急に俺のものから手を離した。
急に寂しくなったあそこの感触に、俺も思わず情けない声を上げる。
「す……すもも……? どうして……」
「何って……わたしの仕事は、兄さんの全身を洗ってあげることですよ?
 そんな体の一部ばっかり洗ってても、仕方ないじゃないですか」
「そ、そんな……あ、はぁっ……」
すももはそのまま、俺の体の前面を掌でそっと撫で始めた。
乳首の先端を擦るすももの手の感触に、思わず身震いする俺。
「あぁ……兄さんの体……あったかい……はぁ……」
俺の体に手を這わせながら、なおも感嘆のため息を漏らすすもも。
俺の全身を襲うすももの手の感触は、確かにすごく心地よい。
しかし……こうやってじらされればじらされるほど……
虚しく外気に晒されてる俺のそこが……どんどんやるせなくなるばかりで……
「な、なぁ……すもも……俺……」
我慢できなくなった俺は、思わずすももに懇願していた。
「……何か文句でもあるんですか? 兄さん……」
「な……何かって……その……俺……」
「ダメですよ。さっきわたしにいたずらした罰です。しばらくこうやって、反省して下さいね」
「そ……そんな……す……すももぉ……」
すももの残酷な一言に、どんどん涙声になってゆく俺。
もはやそこに、兄としての威厳などかけらも残されていなかった。
「……すもも……なぁ……頼むよ……俺……」
「? 何ですか、兄さん」
これから自分は、かつて妹として慈しんできた存在に、ものすごく醜い要求を出そうとしている……
そう思うと、思わず死にそうになるくらいの自己嫌悪が自分を襲うのがわかった。
だけど……もう、こうでもしないと……
この気持ちは……もう、抑えられそうにない……
「もう一度、その……してくれよ……すももの、手で……」
「……これからわたしにしてもらおうとしてる人が、そんな態度でいいんですか……?」
「え……あの、すもも……」
「ちゃんと頼んでください。我慢できないから、抜いてください、すももさんって……
 でないと、もう……二度と触ってあげませんよ」
「……う、うぅっ……」
思わず泣き出してしまいそうな羞恥に耐え、俺は蚊の鳴くような声を捻り出していた。
「す……すももさん……」
「……? 兄さん……?」
「その……して、下さい……
 俺の汚いあそこを……すももさんの手で……いっぱい、扱いて……ください……」
あぁ……何てこと言ってるんだよ俺……
そこまでして……すももの手で……イキたいのか? 俺……
「……そこまでして……わたしに……抜いてほしいんですか……?
 ……本当に、しょうがない兄さんですね……」
「……うぅ……」
すももの蔑むような言葉に、全身に果てない自己嫌悪が重くのしかかるのがわかる。
……生まれてきて、本当にスミマセン。すももさん。
「……今回は特別ですよ……兄さん」
そう言いつつ、すももはもう一度俺のそこに手をかけた。
「ぅ……はぁ……」
待ち焦がれたすももの滑らかな手の感触に、思わず歓喜のため息をつく俺。
「んしょ、んしょ……どうですか……? わたしの……手……」
「あぁ……すもも……すごく……いい……いいよ……」
あんまり長くじらされてたせいで、思わず感涙に咽ぶほどの快感が股間を襲う。
すももにこうして、大事に愛でてもらえる悦び……
胸の奥をじんわり熱くする歓喜に、俺は思わず涙を滲ませていた。
「んはぁ……すもも……俺……イク……イキそう……」
感情の昂ぶりに、1オクターブも声を上ずらせ喘ぐ俺。
「んふぅっ……兄さん……イッて……ください……わたしの、手で……!!」
すももは夢中になって、更に強烈なストロークを俺にかける。
「はぁぁ……っ、あっ……すもも……イ……ク……!!!」
視界全てが、泡のような紗に覆われてゆく感覚。
まるで女の子みたいに、俺は歓喜の絶叫をあげ……
びゅくっ、びゅく、びゅくっ……!!!
「ぁはぁぁっ、あっ、すもも……ぉっ……!!!」
脳天を揺るがす快感に、俺はすももの存在を求め叫んだ。
俺のあそこが、待ち焦がれた射精の快感に震え、びくびくとしきりに脈を打つ。
びくっ、びゅくびゅくっ、びゅく……
俺の欲望で、どんどん無彩色に染め上がってゆく眼前の光景。
痙攣の度に、俺の全身からどんどん力が失われてゆくのがわかる。
「ぁあっ……はぁ……っはぁ……」
俺は肩で息をしつつ、目の前の景色を呆然と眺めていた。
鏡も、床も、壁も……全て純白に塗りつけられた浴室の景色。
それがまるで、俺の今の意識の状態を……象徴しているかのようで……
「……すごいです、兄さん……今日も……いっぱい出ました……」
俺の背中になおも体を擦り寄りながら、忽然とした顔で呟くすもも。
その情景は……あまりにも刺激的で、官能に満ち溢れていて……

ぷつっ

俺の中で、何かがはじけるのがわかった。
400はぴねす!温泉の人:2006/06/10(土) 22:12:08 ID:jyX8D1Ux0
(暗転)
「・・・はい兄さん。今日はここまでですよ」
「えぇぇっ!? ちょ、ちょっと待てよすもも・・・本番はまだまだこれからだろ?」
「ダメですよ兄さん。人間誰しも辛抱が大切です!」
「くぅ・・・どうすればいいんだ・・・俺のこのやり場のない気持ちは・・・」
「大丈夫ですよ。おとなしく待ってさえいれば、いつか必ず続きが読めるはずですから!」

・・・とまぁ、某体験版のヒキよろしく締めてみる今回。
次回後編はまたすぐにでもうpしますんで、今しばらくお待ちくださいませノシ

# 前編後編に分けるのUzeeeとか言わないでね;
# ついでに変な会話入れるなーとか(ry
401名無しさん@初回限定:2006/06/10(土) 22:16:13 ID:7Kb2A90C0
GJ、最高だ!!パソコンの前で正座して後編待ってるぞ

(*´Д`)    シュッ
 Σ⊂彡_,,..i'"':
     |\`、: i'、
     \\`_',..-i
       \|_,..-┘
402名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 09:20:14 ID:6tKyW6OJ0
GJ
403名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 12:53:34 ID:U3WjkZoEO
GJ!!
・・・だけどなにがどうなってるのかよくわからない・・・
本当にヤッたのか?説明が欲しい・・・
404はぴねす!温泉の人:2006/06/11(日) 13:07:08 ID:Gpxom25j0
>>403
昔とあるゲームの体験版で、Hシーンで発射直前になって突然暗幕がかかり
相手ヒロインが「はい、今回はここまでですよー」って締めるヤツがあったの。
それを>>400でちょっとパクっただけです・・・混乱招いてしまったみたいでスミマセン。
ちなみに本編は>>399までです。ちゃんとやってることになってますんで、ご安心下さいませ。

後編はまた今日中にでもノシ
405名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 13:44:06 ID:+tUU1WLt0
>>404

GJ!
その体験版って包茎の?
406名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 14:02:31 ID:U3WjkZoEO
すももルートならではのヘタレ雄真かwww
407名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 22:13:41 ID:+mDl43fK0
そろそろダカーポ2で ここ がななかに向かって
「この泥棒猫」
とかいうSS希望
408はぴねす!温泉の人:2006/06/11(日) 22:32:49 ID:w9ri1EP+0
>>405
正解! あの見事なおあずけっぷりが大好きw

>>406
今回の話読んだら印象変わる・・・かも?

ではそろそろ続きをば。
第2話「すもものどきどき入浴タイム♪(後編)」
「ひゃあっ!! に、兄さん……!?」
気づけば俺は、すももを後ろから抱き寄せ、鏡の方にその大股を広げさせていた。
未だおさまりきらぬわが愚息を、すももの尻の谷間にしきりに擦りつけながら。
「に、兄さぁん……こ、こんな……格好……」
「……うるせ……お前は……黙ってろ……くぅっ」
欲情に思わず自我を失ってしまいそうになるを必死に堪え、俺はすもものそこを乱暴にこじ開けた。
「ひゃ、やぁぁっ!! そんなとこ、広げないで……っ」
「いいからほら……見えるだろ……? お前の……情けねぇ姿……」
そう言いながら、俺は精液にまみれた目前の鏡に、一気に湯をぶっかけた。
子宮丸見えの情けない格好で、俺に体をあずけているすももの画が、目前に広がる。
「ひ、ぁぁ……いやぁぁぁっ!!!」
羞恥に絶叫するすももを無視し、俺はすももの赤く腫れた膣口をぐちゅぐちゅとかき回した。
「あぁっ、あっ、ぃやあ……あぁっ、あっ、あぁぁっ」
涙にまみれた声で、すももが歓喜の喘ぎ声を上げる。
「ぁぁっ、いやっ、あっ、はぁぁっ……あぁっ、ぁ、はぁぁっ……」
膣口を襲う快感に、必死に目を閉じ抗おうとするすもも。
さしずめあまりの気持ちよさに、自分が信じられないといったところだろう。
だが……俺はこの程度で、すももを赦してやるつもりなどない。
「……ここは……どうだ? すもも……」
「!!?? ひ、ぃああっ!!!!」
すももの膣の入り口の上部分……通称Gスポットと呼ばれるそのふくらんだ部分を、
俺は指の腹でぐりぐりといじってみる。
「はぁっ、あぁっ、ダメ……ですぅ、兄さん……は、あぅうっ!!」
すももがびくびくと体を震わせ抗うのに合わせ、俺は更にその部分に指先の力を入れる。
「はぅぅっ!!? ぁ、やぁっ!! ぁ、は、はぅぅっ……」
指がそこに圧迫されるたび、すももの体が面白いようにびくびく反応する。
俺の指をぎゅうぎゅうと押しつける、すももの膣肉の熱さ。
それをじっくり堪能しつつ、俺は更にもう片方の手で、小陰唇の上側をそっとまさぐってみた。
「やぁっ……だめ、そこは……」
俺の指先に、くにゅりと沈み込むような感覚が伝わる。
ここが、すももの……一番汚いところ……
その事実に妙に興奮し、俺はその部分を指でそっと撫で回した。
「やぁぁ……ダメ、だって……言ってる、のにぃ……ゃ、あぁっ……」
さすがにおしっこの出る器官なので、乱暴に擦ったりしないよう慎重にまさぐるが、
それでも、いじられて敏感になったすももの体には、十分すぎるほどの刺激のようだった。
「ゃぁ、ぁぁあぁ……だめ……兄さん……何か、来るのぉ……っっ!」
「もう……イキそう……なのか? すもも……」
「ち、違うの……何だか……むずむずして……ガマン、できなく、てぇっ……!!」
まさに、理想の反応だった。
女の子のものを、特定の手法でうまく愛撫してやると、徐々に排尿時のような感覚が昇ってきて……
やがて、おしっこにもよく似た透明な液が、ぴゅるっと排出されると……
いわゆる、潮吹きと呼ばれるテクニックだ。
……普段の俺だったら、すもも相手に、そんなバカげた実験などやらないところだが……
残念ながら、そんな冷静な判断力は、今の俺には残されていなかった。
「そうか……なら、これはどうだ……?」
「あ、兄さん……ひゃ、うぅぅっ!!!」
俺はすももの尿道をいじるのをやめ、包皮の上からすももの秘豆をそっとつまんだ。
「やぁ……やめてよ……兄さん……ひゃ、ぅっ、やぁぁぁっ!!!」
更に包皮を指先で退け、真っ赤に腫れ上がったその部分を、直接ぐりぐりと揉みしだいてやる。
「あぅぅっ……そんなこと、されたら……ぁぁっ、わたし……ガマン……できなくなっちゃうぅ……」
クリトリスと膣の裏側……両面から襲う快感に、身をよじらせ喘ぐすもも。
そんなすももに、俺は耳元でそっと囁いた。
「ガマンせずに……出しても、いいんだぞ……? すもも……」
「だ、出すって……何を……ですか……? 兄さん……」
「わかってるだろ……お前が一番……出したいものだよ……ほら」
「!!! ふぇぇっ!!?」
俺はもう一度、すももの尿道口を指先でそっと擦ってやった。
すももの排尿を促すがごとく、その部分を優しく撫で回す俺。
「お、おしっこ……なんて……出したく、なんか……ひゃ!! あああっ……」
俺は更に、裏面からすももの尿道をまさぐるが如く、中に入れた指をくにくにと動かした。
「ふぁ、ぁう、ぅうっ、はぅっ、ぁ、ぁあうっ……」
中から外から、同じ箇所を執拗に攻められ、お腹を震わせながら快感に耐え忍ぶすもも。
「ぃゃっ、あはぁ……っ、だ、ダメ……兄さん……そんな……まさぐられ……たら……」
徐々にすももの体に、異変が起こりつつあるのがわかった。
しきりに腰を浮かせ、何かに耐え忍ぶかのように腰をぷるぷる震わせるすもも。
「すもも……かわいいよ、すもも……うぅっ」
俺はそんなすももに異常なまでの情欲を抱き、震えるすももの尻におのが怒張を押し当てた。
自らの絶頂を誘うべく、床オナニーの要領で、すももの滑らかな尻肉におのがペニスを擦りつける俺。
「あぁぁっ、兄さん……おしり……熱いよぉ……っ、ぁ、やぁっ……」
前後から絶え間なく襲う俺の熱に、涙声で耐え忍ぶすもも。
だがどうやら、ガマンするのも、限界に達しているようだった。
「いやぁぁ……ダメ……出ちゃう……兄さん……おしっこ、漏れちゃう……よぉ……!!」
「……遠慮せずに、出しちまえよ……すもも……」
「あぁ……わたし……出しちゃう……あぁ……」
もはや正常な判断もつかなくなった頭で、
自分の身にこれから起ころうとしていることを呆然と見つめるすもも。
俺はすももの奥底から、中に秘められた想いを掻き出すかのように指を動かし……
「ああぁっ、やぁ……兄さん……兄さん……っ!!!!」
ぷちゅ、ぴゅるるるっ……
ふと指を離した刹那、すももの尿道から、透明な液が勢いよく放たれるのがわかった。
射精ほど止め処なくびゅくびゅく出るわけじゃないけど、勢いはそれに勝るとも劣らない。
「あぁっ……ぁぁ……出しちゃった……わたし……」
自らの股間から放たれたそれを、呆然とした表情で眺めるすもも。
自分の体があり得ぬ反応を起こしたことが、未だ信じられないといった表情だ。
「……出したばっかで悪ぃが……俺はまだ……満足してねぇぞ……」
「え? あ、ひゃあっ……」
俺は潮を吹いたばかりで脱力しているすももの腰を持ち上げ、ふたつの尻肉の間におのがペニスを挟み込んだ。
自らの肉棒を、先程よりも更に激しく、すもものお尻に擦りつける俺。
「やっ……兄さん……そんな、お尻で……やぁっ」
尻に伝わる感触に、すももがわずかに抗議の声を上げる。
とても白くてすべすべな、すもものかわいいお尻。
俺は片方の手ですももの腰を支えながら、もう片方の手で、夢中になってそのお尻を撫でくり回した。
「やぁ……ぁっ、兄さん……あ、はぁ……っ」
掌にじんわり伝わる、尻肉のぷにぷにとしたやわらかさ。
その感触をあそこでも感じようと、俺はすもものお尻を両手でペニスにぐいぐい押しつけた。
すもものお尻の中でどんどん高められてゆく、俺の煮えたぎる想い。
その想いに耐え切れず、俺は……
びゅくっ、びゅくっ……!!
すももの背中目がけて、その想いを存分に吐き出していた。
「あっ、あぁん……にぃ……さぁん……っ!!」
びゅく、びゅくびゅくびゅくっ、びゅくっ……
俺の醜い欲望で染め上げられてゆく、すももの真っ白なお尻。
その光景に絶え間ない欲情を与えられつつ、俺は限界までその想いを吐きかけるのだった。
「ぅぅ……兄さん……」
すももが、抗議に満ちた目線を俺に送る。
その声に、俺もふと我に帰った。
「わ……悪ぃ……調子に乗りすぎた……すまん」
「もう……兄さんったらひどいです……
 わたしがこんなに……いっぱい、抗議してたのに……」
涙目になって、しきりに俺のことを責めたてるすもも。
……我ながら、何てことしてしまったんだろうって思う。
嫌がるすももに無理矢理潮を吹かせた挙句、お尻で自分勝手に逝ってしまうだなんて……
ホント、恋人失格だな、俺。
「……女の子は……男の人と違って……出しても気持ちよくならないんですよ……?
 それなのに……ひどいです……兄さん」
「……あぁ。本当にすまない……すもも」
すももの抗議の声に、情けなく平謝りする俺。
「……そんな悪い兄さんには……少し……反省してもらいますね」
すももはそう言うと、いきなり俺を床の上に仰向けに寝転がせた。
そのまま俺の上にまたがり、股間の割れ目に俺の裏筋をあてがうすもも。
「え? あの、すもも……?」
「おしおき、ですよ……兄さん……んっ」
そう言うと、すももはおのが秘裂に俺のペニスをこすりつけ始めた。
俺のそこを使って、どうやらオナニーでも始めるつもりのようだ。
「これは……罰ですからね……動いたらダメですよ……兄さん……」
「ば、罰って……お前」
「わたしがちゃんと、気持ちよくなるまで……喋るのは禁止です……んふ、んんっ……」
あそこに当たる俺の熱を堪能するがごとく、なおも執拗に俺のものにあそこをこすりつけるすもも。
……て言うかこれ、全然罰になってないんですけど。
裏筋に当たるすももの濡れそぼったあそこの感触、むちゃくちゃ気持ちいいし。
「んあぁ……はぁ……ぁぁ……兄さんの……ぁっ、はぁ……っ」
だらしなく涎など垂らしつつ、夢中になって快感を貪るすもも。
……まるですももと、騎乗位でつながっているかのようだ。
股間を襲うあまりの気持ちよさに、俺も思わず腰が動いてしまう。
「……兄さん……また、勝手に動いてます……」
「だ……だって……すもものが……あんまり気持ちよくて……」
「忘れたんですか? これは罰ですよ……
 どんなに気持ちよくったって、兄さんは、絶対動いちゃいけません……」
すももの言葉に、ようやくすももの言う罰という言葉の意味が理解できた。
確かに……こんな気持ちよさの中ずっと耐え続けるのは、罰と呼ぶにふさわしいかも。
「ああっ、はぁ……兄さんの……ぁつぅい……ん、ぁふ……っ」
すももはなおも俺のものを使って、迫り来る快感を楽しんでいるかのようだった。
……それにしてもこの状況、どうにももどかしくてたまらん。
すももの中に入れられそうで入れられないのが、こんなにもどかしいだなんて……
「ああん、んふっ、ん、んん……っ、あ、あは……っ」
迫り来る快楽に、我を忘れて喘ぐすもも。
……正直言って、もう限界だ。
すももは罰とか何とか言ってたけど、そんなこと、もう知ったことか。
「すもも……悪ぃが……もう、動くぞ……!」
「え、兄さん……? ちょ、ちょっと待っ……」
すももの言葉を無視し、俺はすももの腰を両手でぐっと押さえつけた。
そのまま俺の先端をすももの秘裂にあてがい、じわじわと中に入れてゆく。
「あぁっ……そんな、勝手に……ひゃあああっ」
膣内をぐいぐい押し分けられる感覚に、思わず歓喜の声を上げるすもも。
「お前も……擦るだけじゃ……満足できないだろ……?
 どうせなら、さ……ふたり、一緒に……」
「ぁっ……もぉ……わがままなんですから……兄さん……」
不平をこぼしつつも、すももの方に別段抗う様子は見られない。
「最後は……ちゃんと……優しくしてくださいよ……? 兄さん……」
「あぁ。善処する」
そう言うと、俺はゆっくりとすももの体を突き上げ始めた。
すももの体がゆさゆさと、上下に揺れ動き始める。
「ぁはぁっ……はぁ……あ、あん……っ、あっ、ふぁ……」
目をつむり、唇を半開きにして、股間を伝う快楽に身を任せるすもも。
その体に寂しく取り残された胸の片方に、俺はそっと手を伸ばす。
「あ……兄さん……そこ……」
「抜き打ち検査だ……すもも……どんだけ成長したか、俺が見てやる」
「……兄さん……」
俺はそっと、すももの胸に触れるおのが手をくにゅくにゅと動かし始めた。
「ぁん……はぁ……兄さん……」
胸に伝わる刺激に、すももがかすかに甘い声を漏らす。
掌にすっぽり収まってしまうほどの、すももの控えめな乳房。
だけどその柔らかさ、あったかさは、どんな胸にも劣らぬほどの魅力があって……
「合格だ……すもも……すげぇ、気持ちいい……」
「兄さん……ふふ、当然ですよ。
 ここには、兄さんへのだーい好きなキモチが、いっぱい詰まってるんですから」
はぁはぁと甘い息を漏らしつつも、すももが得意げに語ってみせる。
俺は更に夢中になって、両手ですももの乳房を突き上げ始めた。
「あぁん……兄さん……もっと、触って……ください……」
腰の動きに合わせ、リズミカルにすももの胸を弄ぶ俺。
それは揉むというよりも、押さえ込んで撫で回すような愛撫だったが、
それでも、俺のすももへのありったけの想いを込めて、丹念に愛撫してやる。
「あぁっ……はぁ……ゃぁ……あん……っ、ぁ、はぁん……」
ふたたび目を閉じ、俺のゆったりとしたピストンを楽しむすもも。
……そろそろ、いい頃合いかな。
俺はすももの胸に触れる手をぐいっと突き出し、すももの体をわずかに後ろへ仰け反らせた。
「んんっ、はぁ……兄……さん……?」
「このまま……一気に、行くぞ……すもも……」
「はい……来て、下さい……兄さん……」
俺は往復運動の周期を徐々に早めながら、あそこの先ですももの感じる場所をじっくり探る。
「あぁっ、はっ、ふぁぁっ……あ、はぁ……」
すももの反応を探りつつ、なおも慎重にすもものツボを探し続ける俺。
やがてすももの感じやすい一点を探り当てると、そこを重点的にぐいぐい攻め込んでやる。
「ひゃあああ……っ、兄さん……そこ……下さい……もっと……」
一番感じる場所をしつこく攻められ、夢中になって快感を貪るすもも。
「はぁぁぁ……っ……兄さん……いい……そこ、いいのぉ……っ!!」
歓声と共に、すももの膣内の締めつけがどんどん強まってゆくのがわかる。
……ふと俺は、自分の中にひとつの欲望が膨らんでゆくのを感じた。
とても美しくて清らかな、すももの肉体。
俺以外の誰にも染められたことのない、無垢そのものなすももの肉体……
この体を、俺の欲望で染め上げたら、一体どんな色に染め上がるのだろうか……?
「あぁん、ひゃ、はぁん、あぁ……兄さん……気持ち、いい……よぉ……!!」
涙声になりながら、なおも迫り来る快感に震えるすもも。
既にすももの後ろは、俺の欲望で汚しきったばかりだ。
このまま、前も後ろも……俺の欲望で……汚してやりたい……!!
「……行くぞ……すもも……お前の、体に……!!」
「ぁああっ、兄さん……来て……ください……っ、ぁ、はっ、やぁぁっ!!」
すももの体にかけるべく、すももの中で射精感を高める俺。
腰を突き上げる度、浴室中にぶちゅぶちゅと肉のぶつかり合う音が響き渡る。
「ああっ、やっ、兄さん……あ、ひゃあああああああっ……!!!!!」
すももが絶叫と共に、全身をびくりと仰け反らせた。
強烈な圧迫感と共に、ものすごい射精感が下半身を伝わるのがわかる。
やばい……
そう思った瞬間、俺は自身をすももの中から一気に抜き放ち……
びゅくんっ!!!
「あ、あぁっ……兄さん……」
力強い脈動と共に、白濁したものがすももの体目がけ飛びはぜった。
びゅく、びゅく、びゅくっ……
恍惚とした表情で、全身に俺の精液を浴びてゆくすもも。
何だか、夢の中にいるような感覚だ。
最後の一滴まですももの体にふりかけつつ、俺は目前の光景を呆然と見守っていた。
「……兄さん……」
どさっ!
やがて全身俺の欲望で染め上がったすももが、力なくして俺に負いかぶさってきた。
「お、おい……危ないだろ、すもも」
「エヘヘ……でも、急に力が抜けちゃいまして……」
「すもも……」
「大好き、です……兄さん……くぅ」
そのまま俺の耳元で、安らかな寝息が響き始めるのがわかった。
「ちょ、こらすもも……んなところで寝たら風邪引くぞ!!」
「んにゃ……だぁいじょぉぶれすよぉ……にーさん……
 そーなったら……ちゃあんとせきにん……とってもらいますから……ん……むにゃ」
「だから、頼むから起きてくれよすももー!!!」
もう既に手遅れだった。
俺が叫んでも叩いても、くぅくぅと幸せそうな寝息を絶やさないすもも。
まったく、ホントに幸せそうな顔してくれちゃって……
……ていうか……
俺は冷静になった頭で、浴室中を見渡す。
壁や鏡、床にまでこびりついた、俺の生臭い精液。
そして……全身精液まみれで幸せそうに眠るすもも……
(これ全部……俺が始末しなきゃならんのか……?)
自業自得とは言え、目前のあまりに絶望的な光景に、俺はひとしきりため息をつくのだった。
「……ふぅ」
ようやく全ての後始末を終え、安堵のため息をつく俺。
……正直、ここまでくるのは本気で大変だった。
とりあえず、眠りっぱなしのすももの体を落とさないよう慎重に抱き起こし、
シャワーと石鹸でひととおり全身の精液を洗い流す。
そして、きれいになったすももを風呂から上げた後、すももに下着とパジャマを着せつけ、
とりあえず居間のソファまで運んできたというわけである。
……物言わぬすももに下着着せるとき、ちょっとだけ興奮してしまったのは内緒だ。
また浴室中こびりついたふたりの体液を、洗剤とたわしで念入りにこそげ落とすのも忘れない。
……かけらたりとも、見落とすことは許されない。
1滴でも残ってるのがかーさんにバレたら、
それこそどんな追求受けるかわかったもんじゃないからな……ι
「ったく……兄さんにこんな苦労かけて……悪い妹だ、お前は」
俺はすももを起こさぬよう、すももに軽くデコピンをくれてやった。
……それにしても、今日はすっかり疲れてしまったな。
今日はもうかーさんを待たずに、即刻寝るとするか……
……と。
ガチャッ
「ただいまー♪」
どうにもバッドタイミングで帰ってくるものである。
顔を真っ赤にしたかーさんが、上機嫌で玄関に立っていた。
「おかえり、かーさん」
「あらぁ、雄真くん。今までずっと起きてたのー?」
息子はたった今寝ようとしてたところです。かーさん。
……それにしても、案外帰ってくるの早かったなかーさん……
既にあらかた後始末はつけてるとはいえ、正直どうにも気まずい。
「……あれぇ? 雄真くん……」
かーさんは居間に入るや否や、早速俺に問いかけてきた。
「な……何すか? かーさん」
「すももちゃんったら、何でこんなところで寝てるのー?」
ぎくっ!!!
かーさんの鋭い指摘に、思わず硬直する俺。
「そ……その……すももの奴……今日何か妙に疲れちゃったらしくてさ……」
「ふぅーん……そんなに疲れちゃったんだー、すももちゃん……んふふ」
「ゔ……ι」
……これは絶対見透かされてます。俺。
「うふふ……かーさん何だか、急にお風呂に入りたくなっちゃったー♪」
「どーぞどーぞ。今日はもうかーさんで終わりだから」
……風呂場はすみずみまで十分洗ったから、何もやましいことはないはずだ。
俺はこれ以上かーさんからいらぬ追及を受けぬよう、あくまで平静を装い答えた。
……しかし。
返って来たのは、そんな俺の予想を遥かに上回る一言だった。
「んふふ……ゆーまくん♪ 久しぶりにかーさんが、髪の毛洗ってあげよっかー?」
「はぁ!!??」
いきなり何を言い出しますかこの人は。
「ちょ、待ってくれよかーさん!! 髪くらいいい加減自分で洗えるから!!!
 てゆーかもう俺風呂入った後だし!!!」
「やーだー! ゆーまくんといっしょじゃなきゃ、かーさんお風呂入んないー!!」
さっきと言ってることが矛盾してますよ、かーさん。
てゆーか、どこの駄々っ子ですかあなたはι
……とはいえ、これだけ泥酔してるかーさんをひとりで風呂に入れるのは、正直不安だった。
この調子じゃ、いずれ湯船でのぼせ上がって、また俺が介抱する羽目に遭うのは目に見えてる。
(……さて、どうしたものかな……)

にア わかったよ……かーさん
    いや、やっぱりそれは出来ん!
421はぴねす!温泉の人:2006/06/11(日) 22:56:37 ID:w9ri1EP+0
というわけで、とりあえずすもも編は終了。
次回かーさん編をどうぞお楽しみに。

今回は私のエロSSの中でも1,2を争うマニアックなものになっちゃいました。
あえてエロさの追求のためにリアリティ無視してる部分もあるんで、あまりマジにとらないよーに;

ではではノシ
422名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 23:08:03 ID:CphbnmnsO
とりあえずGJ!!
次回もこれくらいのエロさでお願いします。
423名無しさん@初回限定:2006/06/11(日) 23:08:58 ID:GmzPtd4P0
GJ、そしてかーさんキタ━━━(゚∀゚)━━━!!!!!
出来たら鈴莉も入れちゃえこの野郎(`・ω・´)
いやマジでお願いします
424はぴねす!温泉の人:2006/06/11(日) 23:29:48 ID:w9ri1EP+0
>次回もこれくらいのエロさで
モウコレイジョウハムリポ・・・⊂⌒~⊃。Д。)⊃ピクピク

>出来たら鈴莉も(ry
ちょwwwww実母wwwwwwwwwwwww
やるとしても何らかの魔法の影響でUMAの意識が
励んでる最中の大義(かなぁ?鈴莉の相手)の意識にリンクとかになるけどいい?
(一応念押しとくけどやるかどうかは未定デスヨ;)
425名無しさん@初回限定:2006/06/12(月) 12:49:37 ID:3Cf9ZHM90
GJ!!
次はかーさんとも一緒にスキンシップしちゃえー
426名無しさん@初回限定:2006/06/12(月) 15:41:49 ID:W+JEQU9F0
GJです!
いやエロい。ニヤニヤが止まらんw
427名無しさん@初回限定:2006/06/12(月) 19:50:35 ID:t1MTCfYcO
かーさん!かーさん!

実母OKなのってメディ倫だけだっけ。
428名無しさん@初回限定:2006/06/12(月) 21:21:03 ID:M6ER6DtI0
ソフ倫も近親可じゃなかったか?
少なくとも主人公と叔母のえちは以前あったぞ。
429名無しさん@初回限定:2006/06/12(月) 21:30:44 ID:71Uh68fA0
>やるとしても何らかの魔法の影響でUMAの意識が
>励んでる最中の大義(かなぁ?鈴莉の相手)の意識にリンク
これはちょっと微妙だなあ……やるなら注意書き付けてくれ。

ソフ倫も近親相姦可になったけど、発売時におおっぴらに宣伝はできない。
430はぴねす!温泉の人:2006/06/16(金) 22:56:54 ID:gyYB4k9D0
続き物投稿してるくせに週末まで待たせちゃってスミマセン。

さて今回は、いよいよかーさん編ってことで。
義理とはいえ一応近親相姦にあたる表現が続くので、苦手な方はNG推奨です。
あとおbsn苦手な方も注意(・・・呼び鈴が鳴ったが俺は出ない)

ではでは。
第3話「音羽かーさん、オトナの色気?」
4313.音羽かーさん、オトナの色気?(1/12):2006/06/16(金) 22:58:23 ID:gyYB4k9D0
ピッ
にア わかったよ……かーさん

「わかったよかーさん……一緒に風呂入るぞ!!」
「いえーい♪ やっぱ雄真くんは話がわかるー♪」
俺の言葉に、かーさんは嬉しそうにぴょんと飛び跳ねた。
こうなったら最後、かーさんの奴、俺が折れてやるまで言うこと聞きゃしないんだからな……
ったく……これじゃ、どっちが親だかわかんねーぞ?
「んじゃ、さっそくお風呂場へレッツ・ゴー!」
「だから先に着替え用意しろって!!!」
もはや完璧に子供と化したかーさんをなだめつつ、俺は再び入浴の準備に取りかかるのだった。

ピッ
にア いや、やっぱりそれは出来ん!

(いやいやいやいや!!!)
俺はもう立派な大人だぞ!?
こんないい歳して、母親と風呂入る男がどこにいるってんだよ!!
「かーさん……やっぱここは1人で」
「うぅぅ……かわいそうな雄真くん……」
「はぁ?」
かーさんが急に自分の袖をくわえ、およよと泣き崩れだした。
「明日から雄真くんは、実の妹にソーププレイを強要した変態少年として、
 学校中からいらぬ謗りを受けることになるのね……およよ……かわいそうな雄真くん」
「入ります!!! いっしょに入りゃいいんでしょう!!!」
「うふふ……それでこそわたしの息子♪」
「実の息子を脅迫する親がどこにいますか……ι」
俺は観念して、再び入浴の準備に取りかかるのだった。

(分岐 ここまで)
4323.音羽かーさん、オトナの色気?(2/12):2006/06/16(金) 22:59:34 ID:gyYB4k9D0
「それにしても、すっかり立派になっちゃってー……」
俺の体をまじまじ観察しながら、しきりにため息つくかーさん。
「この家に来たばかりの頃は、まだこーんなにちっちゃかったのに、
 いつの間にかどこもかしこも、ぐーんと大きくなっちゃったのね……」
……これは立派なセクハラ行為だと思います。かーさん。
「それじゃ、雄真くん……目を閉じてね……」
「……はーい」
やる気のない返事を返しつつ、俺は静かに目を閉じうつむいた。
俺の頭に、ざーっと流れるシャワーの感触が伝わる。
「泡が目に入っちゃいけないから、ちゃんと目閉じてなさい」
「わかってるって」
かーさんはシャンプー液を適量手に取り、それを俺の頭にまぶした。
くしゅくしゅ……
俺の頭に、心地よい指の感触が伝わってくる。
先ほどの酔っ払ったかーさんの態度からは想像できないほど、しっかりとした手つき。
(何だかんだ言って……やっぱかーさんはかーさんだよな……)
かつてかーさんに頭を洗ってもらった時と変わらない、心地よいかーさんの指の感触。
その感触に、俺もだんだんと意識がとろんとしてくる。
「ふふ……何だか懐かしいわ……昔もこうやって、雄真くんの頭洗ってあげたっけ」
「かーさん……」
初めは赤の他人から始まった、奇妙な親子関係だけど。
音羽かーさんは間違いなく俺のかーさんなんだって、こういう時改めて気づかされる。
ザーーッ……
やがてかーさんが、俺の頭をシャワーで洗い流した。
ひとしきり頭をすすいだ後、俺は雨上がりの犬のごとくぶるぶると頭の水分を払い飛ばす。
「はい、おしまい! もう目、開けていいわよ」
「ありがとう、かーさん」
鏡に映るさっぱりとした自分の姿を見て、微笑ましさに口元を緩める俺。
4333.音羽かーさん、オトナの色気?(3/12):2006/06/16(金) 23:03:05 ID:gyYB4k9D0
「さてと……かーさん。たまには俺も、かーさんの髪洗ってやるよ」
「あらぁ、別に気を使わなくてもいいのよ? かーさんは自分で洗えるから」
「いーからいーから。たまには俺にも親孝行させろって」
さすがにかーさんにさせっ放しで終わっていい年頃じゃないからな、俺。
しかし、かーさんは俺の背中を見つめたまま、そこから動こうとしない。
「……どうしたんだよ、かーさん」
「んふふ♪ 雄真くんの背中、じっくり見てるの」
「は?」
俺の背中なんか見つめて、何が面白いって言うんだろう?
そう思いつつも、俺は何だか、かーさんのその行為をやめさせる気にはなれなかった。
……何でだろうか。
いつも強くて大らかなかーさんが、今日は何だか、とても小さく感じる。
「雄真くん……ホントに……おっきくなって……」
「……」
「肩の骨格も……立派になって……もうあの人と……変わらないくらい……」
「……かーさん……」
かーさんが俺に、俺の実の父親にして、かーさんの夫……
小日向大義の姿を重ねているのは、間違いなかった。
他の男の面影を重ねられるなんて……普通なら、嫌悪感を抱いてもおかしくないのに……
俺は何だか、今日はそれでもいいかなって思っていた。
4343.音羽かーさん、オトナの色気?(4/12):2006/06/16(金) 23:04:17 ID:gyYB4k9D0
……ちゅっ
「!!??」
肩に伝わる生暖かさに、俺は思わず振り返った。
かーさんの唇が何と、俺の肩に触れていたのだ。
「か、かーさん……何やって……」
「……雄真くん……」
ふと見ると、かーさんが瞳を潤ませ、紅潮した顔を俺に向けている。
今まで俺の見たことのない、かーさんの女としての表情。
同年代の女の子にはない不思議な魅力に、俺の胸がとくとくと高鳴ってゆくのがわかる。
「今日だけは……雄真くんのこと……雄真って、呼ばせてくれる?」
「……かーさん……」
……この一線を越えたら、俺たちはもう、後には引き返せない。
何より、俺の一番大事な人……すももの気持ちを、裏切ってしまうことになる……
そうしたら、俺は今後どんな顔して……この家にいればいい……?
「ダメだ、かーさん……かーさんには、父さんがいるだろ……?」
俺は震える声で、何とかかーさんの誘惑を退けようとした。
「うん……だから、ちゃんとケジメはつけておきたいの。
 今日……この時だけ、わたしを、ひとりの女として見てくれたらいいから」
頬をすり寄せながら、なおも俺に懇願するかーさん。
……きっと、かーさんの中にあるお酒のせいだ。
俺の鼻腔をくすぐるかーさんの匂いが、こんなにも俺の気持ちを狂わせるなんて。
「……今日だけだぞ……かーさん」
「うん……あと……今日はわたしのこと、かーさんって呼ぶのはやめて。
 音羽って……名前で……呼んでくれたらいいから」
「……かーさん……」
きっと父さんが、かつてその名前で、かーさんを愛したのだろう。
俺はあくまで俺で……父さんには、決してなれっこないけど……
だけどせめて……今日だけ俺は……かーさんの……
いや、「小日向音羽」の……恋人で……いてあげたい。
4353.音羽かーさん、オトナの色気?(5/12):2006/06/16(金) 23:06:02 ID:gyYB4k9D0
「じゃ、かーさ……いや、音羽……///」
……うわ、何かすげぇむずがゆいぞ、これ……///
「うん……雄真……じゃ、えいっ!」
「うわっ……っと」
かーさんは俺を床に仰向けに寝せ、おのが素肌を俺の体に押しつけてきた。
全身に、かーさんの小柄ながらも確かな重みが心地よく伝わってくる。
「ふふ……雄真くん、こういうのも、いいものでしょ?」
「かーさん……さっき俺のこと、雄真って呼ぶって言ってなかった?」
「それはそれ、これはこれ! いーでしょ、気持ちいいんだから♪」
おそらく、彼女なりの最後の虚勢なんだろう。
俺の中に映る父さんへの幻影を振り払うかのように、俺に擦り寄ってくるかーさん。
むにゅ、ぬちゅ……
すももの体よりも少しやわらかめな、かーさんのほどよく熟れた肉体。
その熱が直に俺に伝わってきて、俺もだんだん我慢が効かなくなってくる。
「あぁん……ふぅ……雄真の……いぃ……あ、はぁん……」
早くも我を失い、俺の乳首にねとつく胸の先端を絡ませてくるかーさん。
その艶めかしい動きは、すもものぎこちない動きとは、また違った魅力があって……
「……かーさん……すげぇ、気持ち……いい……」
「ほんと……ふふ、嬉しい……」
……何だか本当に、かーさんと恋人同士になったような気分だ。
心の奥底まで満たす幸福感に、俺はふとため息を漏らす。
……と同時に。
こんな妖艶な女を妻に持った、小日向大義という男の存在に、少しだけ妬ましさを感じる。
4363.音羽かーさん、オトナの色気?(6/12):2006/06/16(金) 23:09:49 ID:gyYB4k9D0
「んふっ……ねぇ……雄真くん……」
「? 何、かーさん……」
「こうやって……擦るだけじゃ……寂しいでしょ。
 たまにはかーさんも、雄真くんに、してあげよっか?」
「かーさん……」
今まで度々、すももにしてもらったことはあったけど。
酸いも甘いもたくさん噛み分けてきたかーさんの技は、いったいどんな味がするんだろうか……
俺はその妙技を、今すぐにでも試してほしくて、仕方のない気持ちになる。
「じゃ……かーさん……お願い……するよ」
「今日はかーさんって呼ぶの禁止! 今日はかわいく、音羽って呼んで」
「……わかったよ……お、おと……は///」
俺がぎこちなく名前を呼ぶのを合図に、かーさんがそっと、俺のものに指を絡ませてきた。
「わたしもまだまだ……すももちゃんには……負けないわよ……?」
そう言うと、かーさんは握り締めたその手をぬちゅぬちゅと上下し始めた。
俺の先端の弱い箇所に、まるでみみずのように的確に絡みついてくるかーさんの掌。
その感触に、俺の全身を泣きそうなほどの快感が巡ってゆく。
「ぁふ……雄真の……すごい……あつぅい……ぁ、ふぁ……」
掌に伝わる俺の熱に、かーさんもだんだん我慢がきかなくなってきたようだ。
しきりに喘ぎ声など出しながら、なおも俺のものを執拗に扱き上げるかーさん。
……このままかーさんの手で果ててしまえれば、どんなにか楽になるだろう……
しかし、そんな簡単にイカせてくれるほど、かーさんも優しい女ではなかった。
「……んと……この辺でやめて……っと」
俺が絶頂寸前に至る度に、かーさんは手を離し、俺の絶頂を遠ざけようとする。
それでいて、俺の感度は決して下げることのないよう、じわじわと優しく攻め立てるのだ。
「ぁ……ぅう……かぁ……さん……っ」
「また……約束……破ってる……ん、んんっ」
正直言って、もう我慢の限界だ。
早く精液……びゅくびゅく出して……満足したい……!
4373.音羽かーさん、オトナの色気?(7/12):2006/06/16(金) 23:11:56 ID:gyYB4k9D0
「……頼むよ……かーさん……早く……イカせて……」
「……もう少しくらい我慢しなさい。男の子なんでしょ?」
「そ……そうは言っても……俺……」
男の子だからこそ、我慢できないこともあるんです。かーさん。
「なぁ……お願いだから……かーさん……」
「ぶー。ちゃんと音羽って呼んでくれなきゃ、やだ」
「わ、わかったから……頼むよ……音羽……」
この呼び方するのはまだ照れがあるけど、この際もう構ってられるか。
「もう……雄真ったら……仕方、ないわね……」
かーさんはゆっくりと身を起こし、俺の先端をそっと口に含んだ。
このままかーさんの口の中で、俺を絶頂まで導く算段なのだろう。
「すぐには……イカせてあげないわよ? 雄真……」
「ぁ……ぅぅ……んふぅ……っ」
ゆったりと艶めかしい舌使いで、俺のものをじわじわと撫で上げるかーさん。
俺はもはや快感を貪る醜い獣となって、かーさんの舌技を堪能するのみだった。
「あぁ……かーさん……俺……気持ち……いいよぉ……」
「……当たり前でしょ……? この技で……大義も、落としたんだから……」
これ程までに心惑わす極意を、毎晩のように味わってきたであろう父さん。
気の狂いそうな気持ちよさの中、父さんへの嫉妬心が、俺の中に再び膨らみゆくのを感じた。
「あぁっ……ダメ……かーさん……イク……イクぅっ……」
「……雄真……ぁむっ、わたしが……ぜんぶ……うけとめたげるぅ……」
ちゅうちゅうと、射精を誘うがごとく俺のものを吸い上げるかーさん。
尿道をくすぐる熱さに、俺はかすかに声を漏らし……
4383.音羽かーさん、オトナの色気?(8/12):2006/06/16(金) 23:13:56 ID:gyYB4k9D0
びく、びゅくっ!!!
「あぁっ……かーさん……はぁ、あぁっ……」
かーさんの中で、俺のそこが次々と爆発するのがわかった。
びゅくびゅくっ、びく、びゅくっ……
溢れんばかりの俺の想いを、かーさんの口内に存分にぶちまける俺。
最後の一滴まで中に注ぎ込み、俺はぶるっと軽く身震いした。
「んん……雄真……こぽっ」
かーさんが俺のから口を離し、満足げに微笑む。
「な……何だよ……かーさん」
「はぁ……雄真くんも、もう立派な大人なのね……
 せーえきの味、もう大義と……ほとんど変わんないし」
「ぁ……ぁぅ……///」
妙なところで自分の成長具合をかーさんに見られ、思わず赤面する俺。
「……雄真……」
「……何すか……かーさん」
「今度は……わたしにも……してはくれないかしら?」
そう言うと、かーさんは湯船の縁に腰をかけ、おのが花弁にそっと手を差し入れた。
鮮やかな花弁をまるで挑発するかのように、俺の目の前で広げてみせるかーさん。
「……かー……さん……」
この美しい花びらを、これまでいったい何人もの業物が、くぐり抜けていったんだろう……
狂おしく誘うかーさんのそこに、俺はどうしようもなく興を惹かれる。
「ねぇ……早く来て……雄真……」
「あぁ、かーさ……いや、音羽……」
先ほどまでとは違い、今度は素直に音羽という言葉が出た。
きっと……俺の中に、音羽へのひとりの男としての感情が、芽生えつつある証拠なのだろう。
4393.音羽かーさん、オトナの色気?(9/12):2006/06/16(金) 23:15:15 ID:gyYB4k9D0
俺はそっと、音羽の股座に顔をうずめ、すーっと鼻からたっぷり息を吸った。
すももの甘ずっぱい匂いとは違った、生臭くもかぐわしい匂いが、俺の心を存分に満たす。
「また……匂い嗅いだりして……雄真くんはホントに悪い子ね」
「し、仕方ねーだろ……かーさんが……音羽が……あんまりキレイだから……」
「ふふ……まったく、女殺しなところは、あの人にそっくりなんだから」
満足げに微笑む、音羽の表情。
その顔をめいっぱい崩してやるべく、俺は音羽のそこにそっと口をつけた。
「あん……雄真……はぁ……」
唇にぬるぬるとこびりついてくる、音羽の愛のかたまり。
それら全てをほじくり返すべく、俺は音羽の中へそっと舌を挿し入れた。
「あぁ……雄真のが……中に、入って……、あ、はんっ……」
中をかき回される感覚に、俺の頭を押さえながら甘い声を上げる音羽。
親子ほどの歳の差をまるで感じさせない音羽の感度のよさに、
俺もじわじわと興奮が高まってゆく。
「……音羽の、ここ……すげぇ……おいしい……」
愛液で鼻先までべとべとになるのも構わず、音羽の口にディープキスをする要領で、
俺は無心に音羽のそこを貪る。
「雄真くん……そぉいう、んっ、下品なことは……言わない……のぉっ……」
興奮に耐え忍びながら、強がって俺に説教をくれる音羽。
だが、今日は……音羽のそんな仕草にさえ、いとおしさを感じる。
「はぁぁ、ぁっ、はん……あ、はぁっ……」
潤んだ瞳で俺を見下ろしながら、しきりに肩を上下させ、快感に喘ぐ音羽。
もっともっと、音羽の……かわいい声が聞きたい……!!
4403.音羽かーさん、オトナの色気?(10/12):2006/06/16(金) 23:17:13 ID:gyYB4k9D0
俺は音羽の割れ目の上部にそっと手を触れ、指先でそっとそこを拡げてみた。
すもものよりもちょっと大きめな、音羽の充血した突起。
同じ親子でもこうも違うのかと、俺は軽く感動を覚え……
ちゅっ
「!!! ひゃ、あぅっ!!!」
俺がそこに口づけした瞬間、音羽の体がびくりとかわいらしく反応する。
その仕草がとても愛らしく、俺は更に夢中になって音羽のそこにむしゃぶりついた。
「ひぃ、あっ、はぅぅぅっ……雄真……そんな、乱暴に、しないのぉ……っっ!!!!」
浴場に響く嬌声に、頭がおかしくなるのを必死で抑え、俺は更に舌先でそこをくりくり刺激した。
たまに強く吸い上げたり、唇で揉んだりする動きも加え、音羽のそこに夢中で刺激を与える。
「やあぁあっ、ぁっ、だめぇぇっ!!! そんなに、激しくしたら……」
体をびくびく震わせながら、音羽がほとんど涙声で俺に懇願する。
……そろそろ、いい頃合かな。
俺はそっと音羽のそこから口を遠ざけ、再び音羽の膣口に口をつけた。
舌先を子宮口まで届かせるつもりで、音羽の中を乱暴に愛撫する。
「あぅっ……雄真のが……ぐりぐり……動いて……やぁ、あぁぁん……」
音羽の充血した秘豆を、指先でぐりぐり弄んでやるのも忘れない。
「やぁぁ……ぁぅ、はぁぅぅっ……いい……いいよぉ……たいぎぃ……!!」
あまりの気持ちよさに、もはやまともな現実感すら損なわれてきたのだろう。
自ら愛してやまないその男の名前で、音羽が俺のことを必死に呼びかける。
音羽が……俺のことを愛する父さんと勘違いするくらい、俺の愛撫で感じてくれてる……
嬉しい……!!!
今まで感じたこともなかった、強烈な衝動だった。
俺は音羽の期待にもっと応えてやりたくなり、音羽の蜜壷を唇で強く吸い上げてやる。
「ああっ、ひゃあああああっ!!! だめぇ……大義……大義ぃぃぃぃっっ!!!!」
4413.音羽かーさん、オトナの色気?(11/12):2006/06/16(金) 23:18:54 ID:gyYB4k9D0
ぶしゅうぅっ!!!
直後、強烈な痙攣で収縮した音羽の蜜壷から、大量の粘液が顔目がけて押し出されるのがわかった。
音羽が俺の頭を強烈に押さえつけているため、まともに息をすることすらままならないのに……
俺はなぜだか、音羽のその愛の証を1滴も逃す気になれなかった。
「ん、んん……んくっ……」
俺の顔面に降り注ぐ音羽の愛を、夢中になって飲み続ける俺。
唇を動かす度、音羽の花びらがひくひくと痙攣するのがわかる。
「はぁっ……ぁぁっ……雄真……くん……」
やがて音羽が俺の頭から手を離し、俺に申し訳なさそうな顔を向けた。
「ごめんね……雄真くん……苦しかったでしょ?」
「別に……構わねーって……他でもない、音羽のものだから……」
「ふふ……そうやって強がるとこも、あの人そっくり」
音羽が、本当に嬉しそうににっこり微笑む。
そんな音羽の表情に、しばらく力尽きてた俺のそこが、再びむくむくと顔をもたげるのがわかった。
「……あのさ、音羽……」
「ふふ……雄真くん。ひょっとして、もう、欲しくなっちゃったのかな……?」
いつもと変わらない調子で、からかうような微笑みをくれる音羽。
「あぁ……来て、くれるか……? 音羽……」
「まったく、しょうがない子ね……んっしょ……っと」
音羽はけだるそうに腰を上げ、床に腰掛けた俺の膝の上にまたがってくる。
俺のものを右手でそっと握りこみ、おのが花弁へとあてがう音羽。
「……あぁ……音羽……嬉しいよ……俺……」
俺、音羽と……いよいよひとつになれるんだ……
胸の奥底を突き上げるような悦びに、俺は思わず歓喜の声を上げていた。
4423.音羽かーさん、オトナの色気?(12/12):2006/06/16(金) 23:20:03 ID:gyYB4k9D0
……と。
「……あれ? かーさん……」
目前の不測の事態に、俺は思わず素に戻って言った。
……俺は確か、かーさんと……いよいよひとつになれるはずだったのに……
かーさんは俺のそこが入るか入らないかのところで、俺のを手で優しくしごくのみだ。
「何やってんだよ……かーさん……早く……入れさせてよ……」
「だーめ。男の子なんだから、もう少し我慢しなさい」
「だ……だから……かーさん……ι」
男の子だからこそ、我慢できないものもあるんだってー!!!(本日2回目)
「頼むよ……なぁ……かーさん……早く……」
「まだまだ。ホントのお楽しみは、これからなんだから♪」
ホントのお楽しみって、一体何なんだよ……
あまりに理不尽なかーさんの行為に、だんだん苛立ちが募る俺。
……と、
「ほーら、来たわよ? 雄真くん……」
「え」
かーさんの言葉に、俺はふと顔を上げ……

「「!!!!!!」」

俺は……いや俺「たち」は、その場で硬直していた。
そこには……タオル1枚だけを体にまとったすももが、入り口で呆然と立ち尽くしていたのだ。
443はぴねす!温泉の人:2006/06/16(金) 23:22:49 ID:gyYB4k9D0
てなわけで次回皆さん待望(?)のどんぶり展開です。
皆さんどうぞお楽しみにノシ

毎回思うけど、音羽って誰よりも一番それらしさ出しにくくて扱いに困る・・・;
今回も音羽らしさがどれだけ出せたか、自分でもすげぇ不安。
その代わり、次回はそれなりに彼女のお茶目な部分が出せてると思うんで、
まぁ期待せず待ってて下さい;
444名無しさん@初回限定:2006/06/16(金) 23:41:04 ID:UMMRERms0
>443
GJ! 丼にも期待してます!

> 音羽らしさ
ゲーム中の音羽さんはお茶目なセリフが殆どですからね
「母親」としてのセリフはあっても、「女」としてのセリフを言う機会はない罠

あと、その選択肢の意味のなさはねこねこ並みですねw
445名無しさん@初回限定:2006/06/17(土) 16:10:40 ID:UbG7t6il0
>>443

GJです!

確かに、音羽さんはそれらしさを出すのが難しそうですね。りらっくすではどうなることやら。

あと親子丼とは云え、そこはかとなく修羅場臭を感じてしまうのは俺だけだろうかw
446名無しさん@初回限定:2006/06/17(土) 17:28:43 ID:UAPIc9zS0
GJ、親子丼期待してます

>「……当たり前でしょ……? この技で……大義も、落としたんだから……」
此処は鈴莉から寝取ったみたいでかーさんのキャラにあってない様な・・・
447はぴねす!温泉の人:2006/06/17(土) 18:39:21 ID:GoQxZKJt0
>>444
ねこねこってそんな意味ない選択肢連発するんだw
よくわかんないけど

>>445
>そこはかとなく修羅場臭・・・
ヒント:これは「あの」はぴねす!のSSですw

>>446
やっぱ寝取られ風味に取られますかね・・・難しい。
つか実際本編じゃどうなんだろ。音羽が鈴莉から大義を寝取った形なんかね?

第4話はもう少ししたらうpしますのでノシ
448名無しさん@初回限定:2006/06/17(土) 18:44:01 ID:9In6dt8XO
なんかUMAが喘いでちょっとうるさいかも?
AV男優じゃあるまいし・・・なんかカッコ悪い

最初の温泉に比べてちょっとな・・・


文章表現は上手いけど


まぁ、いち二次SS家としての個人の意見・感想です

ウザかったらスルーして下さい
449はぴねす!温泉の人:2006/06/17(土) 20:03:17 ID:GoQxZKJt0
>>448
最近ちょっと包茎意識しすぎたせいかも・・・(あれも主人公の喘ぎがウザかった)
うざく感じられたならばスミマセン。

さて本日も参ります。
第4話「小日向母娘、仁義なき闘い!?(勝負編)」
「す、すすすすすすもも!? な、何で……」
「に、兄さんこそ……お母さんと、何やってるんですか!!?」
「あ……こ、これは……」
かーさんとしっかり裸で抱き合ってる俺。
しかも俺のあそこはご丁寧にも、かーさんのしかるべき場所に当てられちゃってるし……
この状況で、この場をうまく言い逃れる方法があったら、誰か教えてください。
「あーらすももちゃん。随分遅かったじゃない♪」
「遅かったじゃない、じゃありません!!! お母さん、これはどういうことですか!!?」
怒り心頭、すももが手にした1枚の紙をバッとこちらに向ける。
かーさんの半ばよろけたような字で書かれた、そのメモ……
「ぶふぅ!!!!」
その内容に、俺は思わず吹き出していた。
『目さめたかな、すももちゃん? んじゃさっそく、お風呂に入ってきてちょうだい♪
 早くしないと、雄真くんはわたしがおいしくいただいちゃうぞー♪ みんなのかーさんより』
「やだぁすももちゃん……そんな簡単に種明かししちゃつまんなーい」
「あんたは何つーもの娘に書いてよこすんですか!!!!」
「いいじゃないの♪ 女を動かすには、嫉妬心が一番手っ取り早いんだから♪」
どんな理論ですか、かーさん。
つかその理論使った場合、一番被害被るのは俺だってちゃんと理解してる?
「いいからお母さんは、兄さんから早く離れてください!!!!」
「やーだー! すももちゃんには絶対渡したげなーい!」
「むむ……兄さんも兄さんです!!! 兄さんは、女の人だったら誰だっていいんですか!!?」
「そ……そんなことは……」
「んふふー♪ 雄真くん、気持ちよさそうだったもんねー♪ わたしにお口でされてたとき」
そう言いながら、すももを挑発かのように俺の体にしがみつくかーさん。
「だから煽るのはやめろってかーさん!!!!」
「煽ってなんかないもーん♪ すももちゃんが勝手に怒ってるだけだもーん」
「む……むむむ……」
かーさんの挑発に、もはや怒りも頂点に達したと言わんばかりのすもも。
やば……こりゃ俺……ホンキでヤバイかも……ι
が。
バサッ!!!!
「だったらわたしが、力づくで兄さんを取り返すだけです!!!!」
気合一閃バスタオルを脱ぎ捨て、素っ裸でかーさんに宣戦布告するすもも。
あぁ……うちの家族って……どうしてこうまともな奴がいないんだーーー!!!!
ふにっ!
すもものハリのある健康的な体が、俺の背中に当たる。
「……どうですか兄さん。兄さんのだーい好きなお背中アタックですよ」
「あ……あの……すももさん……ι」
さっきしてもらった時と違って、目が全然笑ってないんですが。
「むぅ……すももちゃんがそうくるなら、わたしだって」
そう言いながら、かーさんもむぎゅっと俺の前面に体を押しつけてくる。
(ど……どういう状況なんだ……これ)
前から後ろから、やーらかい女の体に挟まれ、擦られてるこの状況。
まるでふたりのやーらかい肉布団の中で、安らかに眠ってるかのようだ。
(はぁ……気持ちいい……ってそーじゃなくて!!!!)
この異常な状況下で、俺に一体どうしろって言うんだよ!!!!
「雄真くぅん……やっぱり雄真くんは、これくらい胸があった方がいいよね?」
そう言いながら、俺の体に当たる胸を寄せ上げ、俺に谷間を見せつけるかーさん。
「うぁ……///」
その光景に、俺は思わず見とれてしまう。
「いいえ!!! 兄さんはやっぱりピチピチの、若いお肌の方がいいはずです!!!!」
そんなかーさんに、すももも負けじと俺に肌を押し付けてくる。
「ぁぅっ!!! あ、はぁ……」
すももの体のあまりのやわらかさに、思わず声が出てしまう俺。
「ねーぇ、雄真くん……雄真くんは、どっちの体の方が好きぃ?」
「当然わたしの方に決まってますよね!! 兄さん!!!」
「あ……あの……ちょっと……」
そんなにふたりにぴったり体を寄せられたら……俺……俺……!!!!
「はぅ……ぅぅ……」
理性のタガが、強引に外されてしまったかのような感覚だ。
こんな状況で、どっちかひとり決められる奴がいたら、ぜひ1度会わせてください。
「……あら、雄真くん壊れちゃったみたい。これじゃ、第1ラウンドはノーゲームね」
「はぁ……だらしないですよ、兄さん」
「……お前ら……」
言葉を返そうとするも、ふたりのやわらかな感触の余韻に、一言も返すことができない。
「んふふ……じゃあ、第2ラウンドは、これね」
そう言うとかーさんは俺を床に寝せつけ、興奮にはちきれそうな俺のものを手に取った。
「ふぇっ!? お、お母さん!!?」
「オトコノコをちゃあんと気持ちよくしたげるのも、女の子の大事な役割だもんね♪」
「ちょ、ちょっとかーさん!!!!」
俺の反論も虚しく、かーさんが俺のものにそっと舌を這わせてきた。
(き、気持ちいい……)
って、何かーさんのペースに流されてんだ俺!!!!
「ねーぇ、雄真くん……このまま、わたしがイカせたげよっか……」
「だ、だめです!!! わ、わたしも……」
そう言うと、すももも慌てて俺のものに口をつけた。
(な、何だこれ……)
右から左から、やわらかい女の舌になぞり上げられる俺のあそこ。
1対1でしてもらうときからは想像できないほど絶妙な刺激が、俺のそこを襲う。
「ん……んふっ……どーれすか……にぃはん……」
「ね……きもひいいれしょ? わたしの……舌……」
「あ……あぅぅ……」
どこの勝負の世界に、敵味方こぞって審判を判定不能に追い込む選手がいるってんですか(泣)
(……ていうか……)
「あむ……んん……んふぅ……ぇろ……」
「ん……んふ……れろ……っ」
……何か2人とも、だんだん目つきが妖しくなってきてないか?
そう思った、その瞬間。
「ん……んちゅ……むちゅ……っ」
(!!!!)
目の前の光景に、俺は思わず目を疑っていた。
2人が何と、俺のものを互いの唇ではさんで、
そのままディープキスを交わす要領で互いの舌を絡ませ始めたのだ。
(う……うわぁ……)
俺のあそこを、強烈なねっとり感が襲いかかる。
目の前の女性2人が、互いを愛しながら俺自身をも愛してるというそのあまりに倒錯的な光景に、
俺も思わずうっとりとため息をつく。
「んちゅむ……むふ……兄さんの……すごい……ん……ふむぅ……はむ……」
「もう……こんなに……大きくして……はぁ、雄真くんはイケナイ子ね……」
右から左から、前から後ろから……
予想もつかぬ動きで、ぬるぬるの舌が俺のあそこをなぞりまくる。
(こ……これは……やばい……)
こんなむちゃくちゃ気持ちいいフェラが、今まであったっけ?
脳まで壊れてしまいそうな気持ちよさに、俺もだんだんと頭がくらくらしてくる。
「んふぅ……はぁ……そろそろ仕上げにかかるわね……すももちゃん」
「んはぁ……はい、お母さん……」
ふたりは俺のから少し口を離し、唾液をたっぷり絡ませた舌で俺のをねっとりと愛撫し始めた。
ふたりの唾液でてらてらと鈍く光る、俺の屹立した逸物。
自分のそこが、ふたりの女の舌で愛撫されてるという事実に、俺は軽く眩暈(めまい)を覚えた。
「んふ……雄真……んく、ぇれ……っ」
「来て……兄さん……んふっ、くちゅ……」
ふたりの舌が、俺の弱点を艶めかしくなぞり上げた瞬間。
抑えつけてた想いが、一気に炸裂し……
びくっ、びゅくっ……
俺はふたりの顔目がけ、本日5回目ともなる射精を放っていた。
全身を襲う、激しい虚脱感。
ともすれば純白の紗の中に溶け込んでしまいそうな感覚の中、
俺は精一杯その想いを振り絞るのだった。
「はぁっ……はぁっ……」
さすがに限界が近いのだろう。
俺は手を額にかけながら、はぁはぁと肩で息をする。
「すごいです……兄さん……まだ、こんなに出るなんて……」
「ふふ。何たって若いもんね、雄真くんは♪」
確かに若くなきゃ、これだけの射精には耐えられないと思います、自分。
「それで! 今の勝負、いったいどっちの勝ちだったのかしら?」
「わたしがここんとこぺろってなぞった瞬間でしたよね? 今の」
「違うわよぉ、すももちゃん! わたしが、雄真くんの頭んとここうやって」
「……もう引き分けでいいから、少し休ませて……」
てゆーか、もうさっきのこと思い出させないで……
そうしないと、ふたりの舌の感触思い出して、おちんちん痛くなっちゃうから。
「……はぁ。第2ラウンドもドロー、か」
「なかなか勝負つきませんね……お母さん」
……俺としては、勝負なんかほっといてさっさと寝かせてほしいんだけど。
「それじゃ、こういうのはどうかしら? すももちゃん」
「? 何ですか、お母さん……」
かーさんがすももに、何やらぼそぼそと耳打ちをする。
「……なるほど。それは名案ですね! やっぱりお母さんはすごいです!」
「フフ。でしょー? これなら、ちゃんと決着つくわよ♪」
すももとかーさんが互いに頷きあい、にやりと妙な笑顔をこっちに向ける。
……こういう時だけ妙に仲がいいのは何でですか? お2人さん。
「んじゃ、せーので行くわよ! すももちゃん」
「はい! 行きますよ、お母さん」
「んふふ……それじゃ、せぇ、のっ!!!」
バッ!!!
「!!?」
かけ声と共に、2人が湯船の縁に手をかけ、俺の目前にお尻を突き出した。
てらてらと濡れた2人の秘密の割れ目が、俺の目の前に晒される。
「こ……これは一体……」
「最終ラウンドですよ、兄さん。どっちの穴に挿れたいか、兄さんが選んでください」
「え、え……えええええっっ!!??」
「どっちも欲しいとか、どっちも勘弁とか、そーいうのはナシよ? 雄真くん♪」
「あ……あの……えと……」
この上更に、どっちかひとつ選んで挿れろとおっしゃいますか、お2人さん。
て言うか、これはかなり究極の選択だぞ……
とても綺麗で、きゅうきゅう締めつけてきそうな、すもものあそこ……
とても鮮やかで、ねっとり絡みついてきそうな、かーさんのあそこ……
それぞれちゃんと、お互いにはない魅力があって……
この中からひとつだけ選べなんて、俺には……
「……今日のところは、とりあえず保留ってわけには……」
「ダメです!!!」「絶対ダメ!!!」
「うぅっ……」
2人の気迫に押され、思わず沈黙する俺。
「どっちかちゃんと選んでくれるまで、帰しませんよ。兄さん」
「フフ……雄真くん。さっさと選んで楽になっちゃえ♪」
「……」
どうやら俺が、ちゃんとひとつに絞るまで、勝負は終わることはなさそうだ。

にア すももの中で……
    かーさんの中で……
456はぴねす!温泉の人:2006/06/17(土) 20:19:09 ID:GoQxZKJt0
・・・こういうのを親子丼って言えるのでしょうか・・・不安。
まともに親子丼イベント見たことない証拠っすね、自分。

てなわけで次回最終回なんですが・・・
正直なところ、選択肢制にしたの少し後悔したり。
すももに入れたい人、かーさんに入れたい人、双方のニーズに答えたいなぁと思ってこうしたんですが、
このままだと殆ど同じ展開のSSを2連続で入れることになってしまうわけで。

次回の展開について何かご意見ある方は、遠慮なくおっしゃって下さいませ。
ではまたノシ
457名無しさん@初回限定:2006/06/18(日) 08:15:50 ID:QFErAdA00
>456
ダブルフェラいいですね。GJ

オーソドックスな親子(双子・姉妹・親友 etc…)丼イベントは・・・
女の子二人が抱き合ってて、男は二つの穴を交互に行き来しつつピストン!ピストン!
最後、どちらに中出しするか選択肢が出る場合もありますね
その後すぐに復活してもう一人の方にも中出ししてあげると、三人とも満足〜♥
・・・な感じですかね

ちなみに、ういんどみるの『結い橋P・R・O』は「丼」満載です
458名無しさん@初回限定:2006/06/18(日) 10:31:24 ID:+Re8DS140
GJ
個人的にはかーさんメインきぼん
459名無しさん@初回限定:2006/06/23(金) 15:12:38 ID:KzGG1aGQO
文章表現は上手いけどよ、ネタはつまんね(゜凵K)

ドタバタストーリーねーじゃねーか
460はぴねす!温泉の人:2006/06/23(金) 20:57:13 ID:+/KzFQAj0
いろいろ考えましたが、結局書いたの外部リンクで両方うpします。
第5話「小日向母娘、仁義なき戦い!?(挿入編)」です。
ホントにどっちも全く同じ展開(台詞だけ違う)なんで、続けて読むと飽きるかも;

ピッ
にア すももの中で……
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000017576.txt

ピッ
にア かーさんの中で……
ttp://www.uploda.net/cgi/uploader2/index.php?dlpas_id=0000017577.txt

いずれもDLパスはメル欄-sage

↓続いてエピローグの方貼りたいと思います(どのルートも共通です)
461おふろの話・エピローグ(1/3):2006/06/23(金) 20:58:31 ID:+/KzFQAj0
チュン、チュン……
「!!?」
外から響くすずめの声に、思わずがばっと起き上がる俺。
「……あれ? ここは……」
ここは、紛れもなく俺の寝室だった。
木漏れ日漏れる、平日の朝。
いつもどおり寝巻きを着たまま、ベッドの中で身を起こしている俺。
(夢……だったのか?)
それにしては、随分と現実感溢れる夢だったけど……
(あ……///)
夢の内容を反芻し、思わず赤面する俺。
俺……夢とは言え……すももやかーさんと……あんなこと……
やべぇ……俺、今からふたりに……どんな顔して会えばいいんだよ……!!
ドンドン
「起きてますかー? 兄さん」
何も知らないすももが、どんどんとせわしなく部屋の扉を叩く。
「ま……待てすもも!!! 俺はまだ深ーい夢の中だ!!!」
「夢の中でそれだけ返事できれば十分ですよ! さ、早く起きてください♪」
「だからちょっと待ってくれよすももーーー!!!」
まだ2人と会うには、心の準備が必要なんだってー!!!
そんな俺の抵抗も虚しく、俺はすももに無理やり起こされる羽目に遭うのだった。
462おふろの話・エピローグ(2/3):2006/06/23(金) 20:59:16 ID:+/KzFQAj0
目前に広がる、いつもの朝の光景。
テーブルいっぱいに広がった、おいしそうな朝食の数々。
「お! 今日の料理当番はかーさんか」
「ふっふーん♪ 今日は久しぶりに、力いっぱい腕振るっちゃった♪」
「どれどれ……んじゃ早速、この煮魚から」
ぱくっ!
俺好みにしっかり味付けされた煮魚の風味が、お口いっぱいに広がる。
「ふぅ……やっぱ朝はこれに限るねー」
「こらこら。今の時分から、そんなオヤジみたいな言葉口にしないの!」
「それにしても、ホントにおいしいです……やっぱり、お母さんにはまだまだ敵いませんね」
「フフ……すももちゃん。今度、ちゃんとレシピ教えてあげるわね♪」
「ホントですか? わーい♪ 楽しみにしてますね、お母さん♪」
いつもと何ら変わることのない、平和な朝食の光景。
やっぱり、あれは夢だったんだよな……
そうだよな……いくら何でも、すももやかーさんと……あんなこと……
463おふろの話・エピローグ(3/3):2006/06/23(金) 21:02:50 ID:+/KzFQAj0
「あ、そうそう雄真くん」
と、食器を片付けようとした俺に、かーさんが顔を赤らめながらそっと耳打ちした。
「……何? かーさん」
「昨日は、どうもありがと♪ 雄真くん」
「!!?」
俺の顔が、一気に赤面するのがわかった。
ありがとうって……これは一体……どういう意味で……
「さぁて、今週もいっぱい頑張るわよー!! 雄真くん、すももちゃん、またOasisでね♪」
「はいっ!! 行ってらっしゃい、お母さん」
そのまま元気に、玄関を駆け出してゆくかーさん。
……ここで俺がかーさんに問い詰めていれば、
あの夜のことは真実だったのかどうか、知ることができたのかも知れない。
だけど……それは、できなかった。
かーさんに問い詰めて……あれは夢だったと思い知るのが、とても怖かったから。
そして……
かーさんはそれから二度と、あの夜のことについて言及することはなかった。

結局あの夜のことは、夢だったのか現実だったのか……
今となってはもう、それを確認する術は残されていない。
だけど……
あの時確かに感じた想いは、今もなお、俺の心を掴んで離さないでいる。

(終わり)
464はぴねす!温泉の人:2006/06/23(金) 21:03:38 ID:+/KzFQAj0
・・・という感じです。
ホントしょうもないオチですみません・・・orz

正直、かなり疲れました。自分。
義母セックス書くのも丼もの書くのも、ホント初めてだらけの経験だったからね。
至らない部分も多々ありましたが、ここまでお付き合いいただきありがとうございます。

ではまたノシ
465名無しさん@初回限定:2006/06/23(金) 21:19:28 ID:K7l8MnpX0
>464
DLしました。お疲れ様です。

雄真にも、連戦お疲れ様と言いたいw
466名無しさん@初回限定:2006/06/24(土) 11:47:43 ID:5S9JEoRS0
乙でした
467彼と彼女の夏 序章:2006/06/26(月) 23:41:29 ID:Yu6SXQHf0
6月末。
梅雨真っ盛り。
空には薄い雲がかかり、明るいながらも雨が降り続いている。
そんな中、ガレージの中で彼は作業していた。
やがて来る夏のために。
(プラグレンチ、プラグレンチっと)
工具箱をかき回す。
(焼け具合はどうかな)
スパークプラグを取り外す。
スパークプラグ先端はキツネ色に焼けていたが、若干黒くなっていた。
(悪くない…けど、ちょっと濃いな)
スパークプラグを元に戻すと、キャブレターの方を見た。
(下は調整できるけど、問題は上だな)
今のままでも動く事に関して問題は無い。
以前の夏ならそのままにしておいただろう。
しかし、今年は彼女が来る。
グズついているこのバイクを見たら笑うだろう。
性格が現れてるね、と。
だから、きちんとしなければならない。
完璧、は無理だが、できる限りの事はする。
そう決めていた。
再び作業に戻る。
チェーンの伸び具合、前後タイヤの空気圧、各レバーの遊び、摺動部のグリスアップ。
手馴れた手つきで作業を進めていく。
(今日は終了)
一通りの作業を終え、工具を片付け始める。
やがて、ガレージは以前の状態を取り戻した。
何とはなしに外を見ると、雨は止んでいた。
「よし」
バイクを外に出し、ヘルメットを被り、グローブを着ける。
太陽は雨が降っていたとは思えないような強い日差しを浴びせてくる。
夏はもうすぐだった。
468名無しさん@初回限定:2006/06/26(月) 23:45:44 ID:Yu6SXQHf0
>>467
ゲームはラムネです。
PS2版に出てくる美空ルート後なのですが、元がエロゲなのでこっちかなと。
ゲームを進めてる最中なので、続きはもうちょっと先になるかも知れません。
マニアックな内容になると思います。
それでも良ければ、続けようますがどうでしょうか。
469名無しさん@初回限定:2006/06/26(月) 23:54:40 ID:O7Ao6jv20
>468
元はエロゲでも、PS2版の追加キャラだから当該スレあるならそちらでも問題ないと思うけど
・・・でも、えちシーンも書くならここでも良いかなぁ・・・?

俺はPS2版プレイしてないのでスマヌ
他の意見もドゾ
470名無しさん@初回限定:2006/06/27(火) 14:54:46 ID:v3DEIvaI0
あまなつだけはガチ。
「……ねぇ、起きて……ジュン君……」
耳元に響く声に、俺はそっと目を細めた。
(……)
声の主は……健太郎だった。
俺の知らない間に、どこで特訓したのだろうか。
耳元で響く彼の声は、俺の寝ぼけた頭には、愛しい妙と紛うほどによく似ていて……
「もしかして、お目覚めのチューが欲しい? しょうがないなぁ〜」
俺の心を狂おしくかき乱す、健太郎の湿った声。
頭では健太郎の声だって、わかっているはずなのに……
そんな声で艶めかしく囁かれると、俺も……我慢がきかなくて……
「……妙……」
「!!?」
俺はそっと、俺の視界を覆う健太郎の首筋に手を伸ばした。
もう……何も考えられない。
何も……考えたくない。
今はただ……目前の熱き誘惑を……全て、俺のものにしたい……!

「ちょwww純wwwwwwまじwwwwwタンマwwwwwwwwwwww」
「好きだよ……妙……世界の誰よりも、ずっと……」
「だからもちつけ純wwwww相手俺だってwwwwwwwwア! アアアアアアッーーーーーー!!!!!」
ガシャン!
「ちょ……ジュン君……健太郎君……何やってるの?」
「ふむちゅ……じゅる……っ、妙……はむ……んちゅ……」
「……(lll゚ρ゚)ピクピク」
「あ……あぁ……いやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!!!」

こうして、俺と健太郎はめでたく結ばれましたとさ。
めでたしめでたし。

−BADEND
472はぴねす!温泉の人:2006/07/02(日) 10:36:36 ID:FilK1uo80
〜和音センセのワンポイントアドバイス〜
初めに起こしに来る相手は、幼馴染みの女の子と勝手に決め付けていませんでしたか?
そこで男の子が来る可能性を考えなかったのが、あなたの敗因です。
どんな時も、想定外の可能性があることを考え、行動しましょう。
そうすればきっと、今回のような想定外の状況にも、きちんと対応できるはずです。


・・・初SSがこんなんでホントにスミマセンorz
体験版、出だしからアレはかなりキツかったんでついw

ぶらばん!、個人的にはぴねす!に次いで創作意欲をそそられるタイトルですねw
ひょっとしたらいつかまたぶらばんで書かせていただくかも知れないんで、
その時はまぁ、生暖かく見守ってやって下さいませノシ
473名無しさん@初回限定:2006/07/02(日) 11:45:02 ID:e6q/wwSg0
ワロスwww

ぶらばんの体験版は微妙だった。妙出杉www
幼馴染だからってあそこまで始終一緒にいられてもウザク感じるだけだったorz
474へたれSS書き@保管サイト”管理”人:2006/07/03(月) 10:11:08 ID:WeJiuVUR0
http://yellow.ribbon.to/~savess/index.html

あー、存在を忘れている人もほとんどと思われる保管サイトですが、
ようやく更新〜
更新内容は……まあ、とりあえず前回から全部。だと思う。多分。
ということで、今後もボチボチ更新していきますんで〜

しかし、時期を逃した感もあるけど、戦闘シーンになると途端に虚淵節が
唸り出す「蠅声の王」はいいなぁ。時間があればなんか書くか
475名無しさん@初回限定:2006/07/03(月) 20:47:35 ID:qpjGkP+c0
>474
乙です
476名無しさん@初回限定:2006/07/06(木) 21:45:28 ID:dLTNWn2Q0
>474
お疲れ様です。私の拙作の保護、感謝してます。
477温泉の人:2006/07/10(月) 18:21:15 ID:IMiSnXMI0
>>474
遅ればせながら乙です!
自分の書いたSSをこうやって読みやすくまとめていただけるのは、本当に嬉しい限りですね。

あとHNに「はぴねす!」背負いながら他の作品ネタ書くのもアレなんで、「はぴねす!」はHNから外しました。
別にはぴねすのことも見捨てるわけじゃないんで(多分・・・;)今後ともよろしくお願いしますノシ
478名無しさん@初回限定:2006/07/17(月) 15:46:48 ID:S5FXxPuU0
age
479名無しさん@初回限定:2006/07/18(火) 00:29:22 ID:nQjE1YxF0
このスレも静かになったもんだ・・・
480名無しさん@初回限定:2006/07/18(火) 14:37:32 ID:c3LrNlus0
なあに、いつかきっと神が降臨するさ
481名無しさん@初回限定:2006/07/19(水) 09:53:34 ID:cqosaG2V0
「ゴドーを待ちながら」というわけか
482名無しさん@初回限定:2006/07/23(日) 05:13:03 ID:FafyHTdz0
一応予告。はぴねすのSSらしきものを現在書いてます。
但し、超絶に斜め上を錐揉み飛行な内容になっております。
お覚悟を…。
483名無しさん@初回限定:2006/07/23(日) 12:59:23 ID:giiiAStf0
メインは?
484温泉の人:2006/07/24(月) 15:46:46 ID:NoUlPvri0
ホントはもっと早く投稿したかったんですが、私的にいろいろ事情がありまして。
結局ぶらばん発売4日前というこんな半端な時期に投稿することになりました。スミマセン。

さて今回は、与えられた発売前の情報から、須美ルートのシナリオを俺なりに妄想してみました。

最初に断っておきますが、今回の話は本編のシナリオとは「全く」無関係です。
よって今回の話は、本編とは全く別物と割り切って読んで下さい。
(一応体験版の内容をある程度リスペクトした内容となっておりますが)
あと途中微妙に鬱な展開があるので、ネガティブな気分になりたくない方は断固スルー推奨。

↓では下のレスからドゾー
485須美ルート俺妄想(1/27):2006/07/24(月) 15:47:41 ID:NoUlPvri0
「またキミかね!! 御影くん!!」
音楽室に響き渡る、辛辣な一声。
平穏な校舎の片隅で、そこだけが、ひんやりと冷たい空気に晒されている。
「何度言えばわかるのかい? ここは楽曲全体の導入部として、
 キミが団員全体の士気を引っ張ってゆかねばならんと……」
「ご、ごめんなさい……先生」
「まったく……謝ることにかけては天下一品だね、キミは。
 そのくせ演奏内容に反省の色が全く伺えんのだから、なお始末が悪い」
「……すみません……先生……私……」
なおも続く先生の執拗な口撃に、自分の中の何かがいじけてゆくのがわかる。
何て……何て自分は無力なんだろう……
しんと静まり返る音楽室の中、思わず泣き出しそうになるのを必死で堪える。
「大体近頃のガキ共は皆そうだ……声高に権利ばかり主張して、
 肝心の実がなってない輩があまりにも多すぎる。
 ゆとり教育の影響だか何だか知らんがね……全くもって気に喰わんな。
 そうやってガキ共を甘やかしておるから、こういった甘えた子供が」
「……今は教育論の講釈を垂れる時間ではないのではなくて? 先生」
更に自分語りに入った先生を、ひとりの少女がきっぱりと止める。
軽やかなウェーブヘアにきれいな瑠璃色の瞳を湛える、高貴な気品を携えた少女。
彼女こそ、私たち円山学園ブラスバンド部の学生指揮にして部長、雲雀丘由貴先輩その人であった。
486須美ルート俺妄想(2/27):2006/07/24(月) 15:48:40 ID:NoUlPvri0
「フン。キミも同罪だよ、雲雀丘くん。
 そういった皮肉は、学生指揮としての責務をきちんと果たしてから言いたまえ。
 全く、どんな指導を行えばここまで落ちこぼれた演奏を行えるのか……」
「あら。お言葉ですが」
先生の口撃に身じろぐことなく、なお肩をすくめ反駁に徹する雲雀丘先輩。
「先生のお言葉を借りるなら、たまにしか部室にお越しにならないくせに、
 実のないご高説ばかりいただける先生の態度こそ、責められるべきではなくて?」
「フン……相変わらず口だけは達者だよ、キミは」
先輩の言葉に、先生は頭の生え際を掻きながら言葉をこぼした。
「何度も言うようだが、今回の勝負は我が円山の威信をかけた勝負だ!!
 赤城山の落ちこぼれどもを前に無様な姿を見せ、円山の名に泥を塗ることは許さん!!」
バン!!!
そのまま先生は、すこぶる不機嫌な様子で音楽室を後にして行った。
後に残された部員たちが、ほっと安堵のため息をつく。
「全く……結局守りたいのは自分自身の下らぬ威信でしょうに……」
先輩は頭を掻くと、こちらを振り返り、そっと笑顔を浮かべた。
「すまなかったわね、御影さん。もう一度、出だしからやり直しましょうか」
「……先輩……でも、私……」
「貴方は気にしなくてもよいのよ? あの男の言葉は、話半分に聞いていれば」
未だに練習を止めてしまった罪悪感から抜けきれない私に、先輩が更に励ましの言葉をくれる。
487須美ルート俺妄想(3/27):2006/07/24(月) 15:59:55 ID:NoUlPvri0
「部長……もうそんなのほっといて練習しましょうよ」
「そうですよ! 大体御影さんのおかげで、どれだけ練習が滞ってると思ってるんですか?」
「口を慎みなさい、あなた達!! 円山の貴重な仲間に対して、何たる態度です!!」
部員の中から沸き起こる不平の声を、きっぱりとした態度で諌める先輩。
そんな先輩の態度を見ているうち……私の中に、とある疑問が沸き起こるのがわかった。
先生から、仲間から……私のことをかばって下さる先輩の態度は、すごく嬉しい。
しかし、それも全ては……私が、きっちり演奏できないから。
出だしのティンパニを、私がうまく後へつなげてやれないから……
だから……本来一番責められるべきは、私であるべきなのに……
「……御影さん」
雲雀丘先輩はそっと身をかがめ、うつむく私に目線を合わせてくる。
「自分のミスで、周り全ての士気を奪ってしまう恐怖……
 それがどれほどのものか、わたくしには到底、理解できるものではないのでしょう」
「……」
「それほどのプレッシャーの中、なおも戦い続ける貴方を、わたくしは心から尊敬しますわ。
 だから……自信を持ちなさい、御影さん。
 貴方のその恵まれたリズム感は、その大役を果たすにふさわしいものと、わたくしは信じております」
「……先輩……」
度重なる先輩の優しさ、そして自らのふがいなさに……
私の心は、逆に深く悲しく、沈み込んでゆくのだった。

そんな私を変えたのは、とある人の存在。
本来私が元気をいただく立場にないはずの、あの人の存在……
488須美ルート俺妄想(4/27):2006/07/24(月) 16:01:21 ID:NoUlPvri0
「……あれ? 御影さん?」
「え、えと……香住……先輩?」
その人とは、昼休みや放課後など、こうやって声を掛け合うのが日課となっていた。
初めてお会いしたのは、放課後の川の土手。
練習が終わり一人黄昏にくれていた私に、香住先輩がそっと、声をかけてくれたのだ。
(あれ? キミ……確か……)
(ご、ごめんなさい!! こんな所に座ってたら、お邪魔でしたね……)
(ちょ、ちょっと待って! キミ確か、円山のブラスバンドの……)
(あ……)
(紹介が遅れてごめん。俺は香住純。赤城山の方の部長やってるんだけど……)
それから先輩は、私にいろんな話をしてくれた。
合併後急に、赤城山の部長に任命されちゃったこと。
大河原先生が赤城山の部室でやった、いろんな悪口の数々……
そうやって、いろんなお話を聞いてるうちに……
私はいつしか、先輩との間に安らぎのようなものを感じていることに気づいていた。
「どうしたんだ? 今日は随分と落ち込んでるみたいだけど」
「い、いえ!! そんなこと、ないです……」
先輩の言葉に、思わずその場を取り繕ってしまう私。
「……何もないわけねーだろ。んなとこでひとり座ってたら、嫌でも気になるって」
「……先輩……」
「また何か言われたのか? 大河原のヤツに」
笑顔をそっと浮かべ、私に優しく問いかけてくる先輩。
……甘えちゃダメだって、わかっているのに。
私の口は図らずも、先輩の優しさを求め言葉を紡いでしまう。
489須美ルート俺妄想(5/27):2006/07/24(月) 16:02:04 ID:NoUlPvri0
「……ティンパニの導入部が、うまく打てなくて……
 他のパートの人へ……演奏を……うまくつなげられないんです」
「ティンパニの導入部か……確かに、すごく大変そうだよな……」
「それで私……また皆さんの士気を下げてしまいまして……
 今日もまた……先生に……叱られてしまいました……」
「……」
怒るでも同情するでもなく、ただ黙って私の話に耳を傾ける先輩。
そんな先輩に話を聞いてもらうだけで、心が少しずつ楽になってゆくのがわかる。
「……私って、昔から不器用で……おっちょこちょいで……
 ブラスバンドに入ってからも……ずっと、みんなの足……引っ張りっ放しで……」
「……」
「何で私……こんななんでしょうか……
 皆さんにこれ以上……迷惑かけるつもりなんてないのに……」
「……御影さん……」
「あ……」
ひとしきり言葉を言い切った後、私はふと我に帰った。
私……また香住先輩に……いろいろ変なことを……
こんなこと先輩に言ったって……何とかなるわけないのに……
「ご、ごめんなさい、先輩……
 仮にも勝負相手の私に、こんなこと言われたって……ご迷惑なだけですよね……」
「……」
しばらく黙って私の話を聞いていた先輩が、ふと沈黙を破った。
「あんまり……迷惑なんて思う必要ないだろ」
「え? だけど……」
「俺は単純に御影さんのことが心配だから、相談に乗ってるだけだよ。
 だから……迷惑なんて思わないし、むしろ御影さんの悩みが聞けて、嬉しく思ってる」
「……先輩……」
490須美ルート俺妄想(6/27):2006/07/24(月) 16:09:30 ID:NoUlPvri0
……ダメ……
甘えちゃ、ダメ……
自らの胸をやるせなく締め付ける喜びに、私は思わずおのが体をぐっと抱え込む。
「……まぁ、俺にできることなんて、こうやって話聞いてやるくらいだけどさ。
 これからも何かあったら、遠慮なく何でも相談してくれよ。
 俺もできる限り、御影さんのために時間作っておくようにするから」
「……先輩……っ……ごめんなさいっ!!!」
先輩のふもとが、切ないくらい居心地がよくて。
私は思わず、甘い誘惑を振り切らんとその場を駆け出していた。
……甘えちゃ、いけない……
だって、先輩は……忌むべき赤城山の部長さんなんだから……
「はぁっ、はぁっ、はぁ……」
校門の近くまで駆け寄り、はぁはぁと肩で息をする私。
頭は既に、先輩のことでいっぱいだった。
いつも優しい笑顔で、私に微笑みかけてくれる先輩。
私の悩みに、何時間でも付き合ってくれる先輩……
「かすみ……せんぱいぃ……っ、んふっ、ふぇぇっ……」
ひとりでは抑えきれない、先輩への溢れんばかりの想いに。
私はひとり、胸を抱え、ひたすら泣きじゃくるのだった。

結局その後も、なかなか満足のゆく演奏こそできなかったものの……
先輩に話を聞いてもらうことで、少しずつ心が楽になってゆく私がいた。
そして……相変わらず居心地の悪い部活の雰囲気にも、少しずつ立ち向かえるようになっていった。

……しかし……
私たちの運命は、着実にその牙を剥く準備を整えていたのである。
491須美ルート俺妄想(7/27):2006/07/24(月) 16:11:10 ID:NoUlPvri0
「……どこへ行くの? 香住くん」
練習場所として割り当てられた屋上の一角を抜け出そうとした俺を、委員長が目ざとく制止する。
「いや、ちょっとその……食材の買い出しに」
「お買い物なら昨日いっしょに行ったじゃない、ジュン君……
 ほら、今日こそみなせちゃんの特訓に、ちゃんと付き合ってあげなきゃ……」
……妙の言うとおりだった。
俺はここんところずっと、みなせの特訓を無視して、
よりにもよって対戦相手の一員である御影さんに、こっそり会いに行っていたのだ。
……赤城山の部長として、忌むべき行為である。
「妙……悪ぃ、俺……」
「……今日はもう、逃がさないからね。ジュン君」
「あぁ……」
「せ〜んぱ〜いっ!! 早く来て下さいよ〜〜っ!!!」
「へぇへぇ、わーったよ。今行くから待ってろって」
向こうで大きく手を振るみなせのもと目がけ、俺はとぼとぼと歩み出した。
ぐいっ。
その手が、ふと押さえつけられた。
「……妙? 何やってんだよ……これじゃ、みなせんトコ行けねーだろ?」
「………対……」
「?」
「絶対……離さないから……」
見ると妙はうつむきながら、何やらぶつぶつと言葉をこぼしている。
「……おい、聞いてんのかよ妙」
「え? あ……ごめんねジュン君!! みなせちゃんの練習、邪魔しちゃ悪いもんね」
「……あぁ……」
何やら挙動不審な態度で、俺の袖から手を離す妙。
(どうしたっていうんだ……妙の奴……)
妙の妙な行動に戸惑いつつ、俺はみなせの練習に付き合うことになったのだった。
492須美ルート俺妄想(8/27):2006/07/24(月) 16:12:37 ID:NoUlPvri0
(先輩……今日も来なかった……)
もうすっかり日の落ちた教室の窓辺を眺め、深々とため息をつく私。
……何やってるんだろう、私……
先輩に頼りっきりじゃいけないって、わかってるはずなのに……
「……もう、帰らなきゃ……」
よろよろと立ち上がり、重くのしかかるバッグを手にする私。
……と。
「こんな時間まで、何をしていたのかね……? 御影くん」
「あ……」
声の正体は……大河原先生だった。
「いえ……少しその……考え事をしておりまして……」
「フン。こんな時間までひとり考え事とは……全く、けしからんな」
「……すみません……先生……」
先生の言葉に、思わず泣き出しそうになるのを必死で堪える。
……しかし、次に発せられた先生の言葉に、私は思わず驚愕していた。
「本当は考え事と称して、あの男を待っていたのであろう? 御影くん」
「!!!!」
その言葉に、思わず全身を硬直させる私。
493須美ルート俺妄想(9/27):2006/07/24(月) 16:18:42 ID:NoUlPvri0
「まぁったく……かよわそうな目つきをして、しっかりやるべき事はやっておったわけだ。
 それもよりによって、あんな知能の程度が知れた男に」
「ち……違います!! 先輩は……」
「大方ティンパニの奏法と称して、あの男に尺八の吹き方でも学んでおったのだろう?
 ガッハハハハハハ!! こりゃあ傑作だ!!!
 どおりでいつまで経っても、ティンパニの正しき奏法など身につかんわけだ!!!」
「ち……ちがうんです……わたし……ぁたし……」
自分の言葉に、どんどん涙が混じってゆくのがわかった。
これはきっと、先輩に多くのものを望んだ私への罰……
先生に何を言われても、仕方のないことをやってきた、私への当然の罰……
「……フン。全く、泣けばコトが済むと思っておるのか……
 最近のガキ共は、色気ばかり無駄に発達して、本当にどうしようもない」
「……すみません……すみません……」
廊下に崩れ落ち、うわ言のように謝罪を繰り返す私。
もはや……誰に向かって詫びてるのか、自分でもわからなかった。
自分が何をやっているのかすら……もう、理解できなかった。
「……これ以上、私を失望させないでくれたまえ、御影くん」
「ふぅ……ぅぅ……っ」
遠く、先生の足音が遠ざかるのが聞こえた。
だけど……私にはもう、何も考えられなかった。
自分は一体、何を信じてゆけばいいのか……もう、わかんなくなってしまっていた。
494須美ルート俺妄想(10/27):2006/07/24(月) 16:25:51 ID:NoUlPvri0
そして……
学内コンクールを1週間前に控えた、ある日のこと……

「いやぁぁあぁぁぁあぁぁぁぁああぁぁっ!!!!!」

講堂中に響き渡る、私の悲鳴。
その声に無残に引き裂かれる、円山の美しき演奏。
そして……
私の手から虚しくこぼれ落ちる、1対のマレット……

「ったく……正直ひくよな……あんな悲鳴あげられたら」
「もうすっかりやる気なくしちゃったわよ……誰かさんのせいで」
「もう1週間前だってのに……あんたのせいでうちが廃部になったら、どうしてくれるのよ」

せっかくのリハーサルを無残に打ち砕かれ、部員たちは口々に、私のことを罵ってゆく。

自分で、自分がわからなかった。
自分のことを、ここまで抑えることができないなんて、初めてのことだった。
ただ……演奏を前にして……今まで抑えつけていた想いが……一気に爆発して……
いつしか私の心は、耐えることを忘れてしまっていたのだった。

「………ごめんなさい………みんな………ごめんなさい……………」

ひとり残された講堂で、私は壊れた時計の如く、謝罪を繰り返すのだった。


――それからだった。
俺が学校で、須美の姿を見なくなったのは。

495須美ルート俺妄想(11/27):2006/07/24(月) 16:26:57 ID:NoUlPvri0
(あいつが学校に来なくなって……もう2日か……)
屋上の練習場で、俺はぼんやりと、須美のことを考えていた。
運命の学内コンクールまで、あとわずか5日。
それまでに何とかして、曲を完成させなければならないのに……
みなせの指導をしつつも、俺の頭からは、須美のことがずっと離れないでいる。
「……どーしたんですかセンパイ? 目がずーっと泳ぎっ放しですよ」
「あ……ごめん、みなせ」
「もぉ、しっかりして下さいよセンパイ!
 あたしたちみんな、センパイのこと頼りにしてるんですから」
みなせが頬をぷくっとふくらませながら、俺に抗議する。
だけど……正直、練習なんてしてる場合じゃない。
須美の身に何かあったのだとしたら……それこそ、勝負なんてしどきじゃないだろ?
がばっ
「!? センパイ?」
「ゴメンみなせ……ちょっと俺……出かけてくる」
「……」
おもむろにその場を立ち去ろうとする俺を、みなせがふと抗議の目で見つめだした。
いや……みなせだけじゃない。
そこにいる赤城山の部員たちが皆……俺のことを、じっと含みのある目で見つめている。
「また……あの人のトコ行くんですね、センパイ」
「……」
「センパイにとって、あの人とあたし達と、どっちが大事なんですか?」
「……みなせ……」
みなせの言うことは、至極もっともだった。
俺は赤城山の部長として……部員のみんなを、しっかり引っ張ってゆく責務がある。
今更俺の私情だけで、部員のみんなを見捨てることは、決して許されない……
496須美ルート俺妄想(12/27):2006/07/24(月) 16:27:29 ID:NoUlPvri0
「……ジュン君……」
折りしも妙が練習を中断し、俺の目の前へと歩いてくる。
「妙……悪ぃ、俺……」
「行かせないよ」
「妙……?」
むぎゅっ
俺がそれに気づいたのは、一瞬の後であった。
「ジュン君は……絶対……誰にも渡さないんだから……」
俺に抱きつきながら、懸命におのが想いを吐露する妙。
とてもやわらかくて温かな、妙の体温、そして匂い……
それら全てが俺の情動を突き動かし、どうしようもない官能を俺に与えてゆく。
「やめてくれよ、妙……俺は……」
「わかってる……こんなことしたって、どうにもならないって……
 だけど……嫌なの!! ジュン君がこのまま、わたしだけのものじゃなくなっちゃうなんて……」
「……妙……俺……俺は……」
「……何かと思えば、日も高いうちから堂々とラブロマンスか? 香住」
「!!!!」
後ろから響くその声に、俺たちは思わずくっついてた体を離す。
「……先生……」
「相変わらずいいご身分だな、香住」
俺たちの顧問……新開地和音先生が、呆れた顔でこちらに近づいてくる。
「先生……俺は……」
「気になるんだろ? 向こうのパーカッションの子のことが」
「……っ」
先生に的確に図星を刺され、思わず沈黙する俺。
497須美ルート俺妄想(13/27):2006/07/24(月) 16:35:27 ID:NoUlPvri0
「いいねいいねぇ♪ 敵と味方との叶わぬ恋! まさに最高なシチュエーションじゃないか」
「……からかうのはやめてください先生!! 俺は」
「アタシの方から言わせてもらえば、お前こそ笑わせるのはやめにしてくれって感じだがな」
「先生……」
先生の厳しい言葉に一喝され、俺はもはやぐぅの音も出ない。
「お前……あの子のことを護りたいっていうの、一体どのくらいの覚悟で言ってる?」
「そ、それは……」
「大方知らないんだろう? あの子が、大河原のハゲにどんなこと言われてるか……」
「……」
為す術もなく黙りこくる俺に、先生は肩をすくめながら淡々と事実を語ってゆく。
「ひどいもんだぜ? お前と数度いっしょにいたのを目撃しただけで、
 練習と称してお前に尺八かましたなど、好き放題言ってやがる」
「尺八って、先生……俺は」
「真実がどうだろうが、周囲がお前らをそういった目で見ているのは事実だ!!
 少し頭を冷やせ……香住……
 ひとりの女を護り通すっていうのは、つまりそういうことなんだ。
 お前はそういった周囲の目から……あの子を……護り通すことができるのか?」
「……」
俺は黙って、自らの想いをひととおり反芻していた。
俺は須美のことを、どの程度の気持ちで護ってやりたいと思ってたんだろうか……
少し頭を働かせれば、わかるようなことだった。
俺たちの関係が、周囲によからぬ印象を与えているってこと……
「今……お前の前には、ふたつの道が広がっている。
 ひとつはこのまま彼女のことを諦め、赤城山の部存続に命を賭けること。
 ひとつは赤城山の部長という立場を捨て、荒波の中あえて彼女といっしょにいること」
「ふたつに……ひとつ……」
「お前は……一体どうしたい?」
498須美ルート俺妄想(14/27):2006/07/24(月) 16:36:46 ID:NoUlPvri0
「……俺は……」
俺は拳を握りしめながら、きゅっと唇を噛みしめていた。
赤城山の部のことも、須美のことも……どちらも俺にとっては大事な存在なわけで……
どっちかと言われても……そんなの、俺には選びようがないわけで……
「ひとつだけ言っておくぞ……香住。
 お前がどっちを選ぼうが……選ばれなかった方は、必ず失意の憂き目に遭うことになる」
「……」
「よく考えて決めろ……これは、お前の人生なんだからな」
先生の言葉に、改めて俺は考えを巡らせていた。
よく考えたら……答えはもう、ひとつしかなかった。
俺は、部のことも……須美のことも……どちらも、失いたくない!!!
「先生……」
「ん? 何だ?」
「俺、今から……須美のところへ行ってきます。
 部の存続のことは……それから、精一杯考えたいと思います」
「ほほぅ……お前はこの部活よりも、大事な女のことを選ぶと」
「いいえ……俺は……須美のことも……部活のことも……決して、諦めるつもりはありません」
「ふっ……甘いな、香住」
先生がそっと、吐き捨てるように言葉を投げかける。
「どっちも失いたくないなんて……そんな戯言が、本気で通用するとでも思ってんのか?」
「通してみせますよ……俺の……香住純の名にかけて……!!!」
499須美ルート俺妄想(15/27):2006/07/24(月) 16:37:22 ID:NoUlPvri0
「……フッ」
それまで辛辣な表情を浮かべていた先生が、この時初めて、心からの笑顔を浮かべたのだった。
「よく言った香住。この期に及んで、どちらかひとつでも見捨てるような発言しようものなら、
 お前のその左の頬に、二度と消えんもみじ模様でも描いてやったところだ」
「……先生……」
「だがせめて……最後にけじめだけはつけてもらうからな」
「?」
「香住純……お前は今日この時をもって、赤城山ブラスバンドの部長職を解任する」
「!!?」
先生の意外な言葉に、妙が思わず目を見開いてこちらへ向かってきた。
「解任って、先生……そこまでしなくったって……」
「当然だろ? よりにもよって本番5日前というこの時期に、部より女を優先する男を、
 お前は部長と呼び慕うことができるのか?」
「そ……それは……その……」
先生の無情な一言に思わず黙りこくる妙の頭を、俺は励ますようにそっと撫でてやる。
「……大丈夫だよ妙。俺は……必ず戻ってくるから」
「でも……ジュン君……」
「それにな……これは……俺自身の問題でもあるんだ。
 ここで俺が須美のことを見捨てたら……俺はこれからずっと、それを引きずって生きてくことになる。
 だからここで……俺はちゃんと、自分の気持ちに決着をつけなきゃならない」
「ジュン君……やだよ……ジュン君……」
「だから、さ……ごめん!! 妙!!!」
ダッ……!!!
妙の悲痛な表情を見ていられなくなり、俺は思わずその場を駆け出して行ってしまった。
須美の顔に、笑顔を取り戻すために。
そして何より……俺自身が、笑顔でこの場へ戻って来るために。
500須美ルート俺妄想(16/27):2006/07/24(月) 16:43:26 ID:NoUlPvri0
「……ジュン君……」
屋上のドアの前で、ぽつんと立ち尽くすわたし。
そんなわたしのところに、馴染んだ顔の仲間が2人、そっと歩み寄ってくる。
「……いつまでそうしてるのよ。ほら妙、いっしょに練習始めよ?」
「そうだぜ妙。俺たちがヘマして部なくしちまったら、きっとあいつすげぇ悲しむぜ?」
とても優しくて温かな、ふたりの友達の声。
その声に、わたしは自分の気持ちを抑えきれなくなり……
「ん……んんっっ、うぇぇぇ……っっ……」
わたしは紀子ちゃんの胸の中で、ひたすら泣きじゃくった。
いつか来るとわかっていた、ジュン君とのお別れの時……
覚悟は決めてたはずなのに……それは想像以上に辛く、切なく……わたしの心を締め付けて……
「……大丈夫よ妙。あいつは……必ず戻って来るって」
「う……ぅうっ……ぃぐ……っ」
「だから今は……いっぱい……練習してさ……
 戻ってきたあいつが……わっと驚くくらい……うまくなってやろうじゃん」
「のりこ……ちゃぁん……んんっ、ふぇぇぇ……っ」
紀子ちゃんの制服が、涙でびしょびしょになるのも構わず。
わたしはずっと、ジュン君のことを想い……ひたすら、泣き続けていた。

こうして、円山の暮れなずむ屋上で、ひとつの恋が密かに終わったこと……
当時の俺はまだ、知る由もなかった。
501須美ルート俺妄想(17/27):2006/07/24(月) 16:44:04 ID:NoUlPvri0
――果たして須美は、自宅の部屋の奥に閉じこもっていた。
両親から聞くところによると……もうここんところずっと、居間にも顔を出さずにいるらしい。
コンコンコン
「須美……いるか? 俺……香住純だけど」
「……」
度重なる俺のノックにも、全く反応らしい反応を返さない須美。
……これは思ったより重症だな……
こんな状態の須美を、果たして俺が、ちゃんと救ってやることができるんだろうか?
(……いいや!!)
たった今、誓ったばかりだろ? 須美のことも部活のことも、どっちも護り通すって……
こうなったら、須美がうるさいと耳塞ぐまで、とことん声かけてやる!!!
ドンドンドン!!
「出て来いって、須美……ご両親もみんなも、お前のこと心配してるぞ」
「……」
「あくまでだんまり決め込むか……こうなったら、無理やりにでも」
「……先輩……」
須美が小一時間後にしてやっと、反応らしい反応を返してくれた。
「来てくれたんですね……先輩……」
「あぁ……来てやったぞ、須美」
「鍵……開けてますから……先輩だけ、そっと入って来て下さい……」
「……あぁ」
形はどうあれ……ようやく須美が、俺に機会を与えてくれたんだ。
この機会を……俺は無駄にするわけにはいかない……!!
カチャッ……
俺はそっと、その開かずの扉を開き……
502須美ルート俺妄想(18/27):2006/07/24(月) 16:44:56 ID:NoUlPvri0
「!!!?」

眼前のあまりの光景に、俺は思わず絶句していた。
制服姿のまま、肩を大きくはだけ、胸元に光る下着を見せびらかす須美。
その場に無造作に敷かれた布団とティッシュの箱が、俺に更なる劣情を掻き立てる。
「……どういうつもりなんだ……須美……」
「男の人は……こういったものが……お好きなんですよね……
 先輩も……やっぱり……ひとりの、男の人ですから……」
そう言いつつも、しきりに足を動かし、スカートの裾を艶めかしくひらめかせてみせる須美。
そのあまりに扇情的な光景に、俺の心が激しく高鳴ってゆくのがわかる。
「……須美……」
「あれからしばらく考えて……私……ちゃんと覚悟を決めました。
 先輩が望むことでしたら……私……何でも……」
「!!!!!!」

バシッ……!!!

乾いた音と共に、俺の指先がじりじりと熱く痺れるのがわかった。
自分の身に起こったことが把握できないまま、呆然とした表情で自らの頬を押さえる須美。
「見損なったよ……須美……お前が……そんなことする人間だったなんて」
「……先輩……」
「……お前が大河原の奴に何言われたか、知ったこっちゃねーけどな……
 そうやって自暴自棄になって、何かいいことがあんのかよ!!!」
「先輩……でも……私……」
「悔しくないのかよ……お前……見事に、大河原の思うがままになってんじゃねーか……」
503須美ルート俺妄想(19/27):2006/07/24(月) 16:52:20 ID:NoUlPvri0
腹のムカムカが、治まらない。
ひどく胸焼けがして、食ったもの全部、胃液ごとひっくり返りそうだ。
……何もわからない。須美のことが……
須美のヤツ……一体何のつもりで……こんなこと……
「……もう、見ていられねーよ……お前の、そんな姿……」
「……先輩……」
「頼むからもう……やめてくれよ……そうやって……自分のこと傷つけるの……」
「……」
俺の言葉に、胸元で手を握りしめ、そっとうつむく須美。
……やがて須美の声が、蚊の羽音よりも小さく響くのがわかった。
「……ごめんなさい、先輩……」
「須美……?」
シーツを固く握りしめながら、なおも必死に言葉をひねり出す須美。
「……先生に……先輩とのこと……指摘されたとき……
 私……すごく嫌で……我慢、できなくって……」
「須美……」
「でも……こうやって家の中で……じっとしてても……
 ずっとずっと……先輩のことばかり……頭に浮かんできて……」
「……」
「……罵られて……当然ですよね……こんなに、醜くて……猥らで……汚い私……」
……もう、限界だった。
目の前にたたずむ少女の姿が、あまりに小さく、頼りなく見えて……
このまま俺が捕まえてなきゃ、いつかふっとかき消えてしまいそうで……
504須美ルート俺妄想(20/27):2006/07/24(月) 16:54:50 ID:NoUlPvri0
「……須美……」
「先輩……? え……」
……考えるより先に、体が動いていた。
須美の細い体を、そっと抱きしめ……二度と離さぬよう、その腕を強く押さえ込む。
「……ごめんな……須美……俺、お前のこと……何もわかってなかった……」
「先輩……私……ぁたし……」
「辛かったよな……須美……大河原に……みんなに……いろいろ言われて……
 それなのに……俺……そんなこと……全然、気づいてやれなくて……」
「先輩……違う……違うのぉ……あたし……」
俺の腕の中で、須美がしきりに泣き咽ぶのも構わず。
俺はひたすら、自分に言い聞かせるかのように呟いていた。
「だけど……これからはもう……須美に……こんな想いはさせない……
 俺がずっと……お前のこと……護り続けてやる……!!!」
「……先輩……」
「好きだ……須美……他の誰よりも……ずっと……!!」
「ふぅぅ……っ、せんぱい……ぅ、ぇぐ……っ」
俺はそのまま、須美が泣きやむまでずっと、求愛の言葉を夢中で囁き続けていた。
お互いずっと埋められずにいた気持ちを、互いに、補い合うかのように……
505須美ルート俺妄想(21/27):2006/07/24(月) 16:55:51 ID:NoUlPvri0
「先輩……」
やがて須美は泣き止むと、涙で赤く腫れた目元を俺に向けた。
とても綺麗でまっすぐな、須美の琥珀色の瞳……
その目が俺に、何を求めているか……言わずとも、理解できた。
「本当に……いいのか? 須美……」
「はい……今度は……先生に言われたからとか……そんなんじゃなく……
 ちゃんと……先輩に……抱きしめてほしいです……」
「須美……」
「ください……先輩……先輩の勇気を、私に……」
「あぁ……」
もはや俺に、迷う理由はひとつもなかった。
そっと須美を抱き寄せ……須美の小さな唇に、熱い口づけを与える……


そして……
月明かり照らす小さな部屋で、俺と須美は結ばれた。

初めて抱く須美の体は、とろけるほどに甘く、温かくて……
狂おしく須美を求める俺に、須美もまた、優しい鳴き声で返すのだった。

まるで……夕山に澄み渡る、円山の金管の音色のように……

506須美ルート俺妄想(22/27):2006/07/24(月) 17:00:30 ID:NoUlPvri0
「……落ち着いたか? 須美……」
「……まだ……少しだけ……ドキドキしてます……」
わずかにすすけた布団の中で、裸のままそっと寄り添う俺たち。
須美の安らかな微笑みに、俺の心がとくとくとほぐれてゆくのがわかる。
「これで、ホントに……結ばれたんですね……私たち……」
「あぁ……何だか、あんま実感わかないけど」
「うぅ……先輩は……そうかも知れませんけど……」
あ……そうか。
須美……初めて挿れた時……すごく痛がってたもんな……
「……ごめん、須美。何か……全然無神経だよな……俺」
「フフ……ダメですよ先輩。
 ちゃんと気遣いのできる男にならなきゃ、大物にはなれないんですから」
「す……須美って……意外と、言いたいことズバッと言っちゃうタイプなんだな……ι」
「先輩のおかげですよ。先輩が、私を変えてくれたから……」
「……///」
全身何だか妙なむず痒さに襲われ、思わずうつむく俺。
507須美ルート俺妄想(23/27):2006/07/24(月) 17:01:20 ID:NoUlPvri0
「……先輩……」
やがて須美はむっくりと起き上がり、女の子座りの体勢でこっちを見下ろした。
月明かりに照らされる、須美の美しい裸身。
その姿に、俺は日本に伝わる暁の女神の艶姿を連想させる。
「私……今までずっと……自分に嘘をつき続けてました……
 私はどうせ不器用だから……何もできないから……そう言って、自分の可能性を閉ざして……
「須美……」
「だけどそれじゃ、いつまで経っても、何も変わらないから……」
「……」
「だから……先輩に甘えるのは、もう今日で終わり」
須美がふわっと、やわらかな笑顔を俺にくれた。
「見守っててくださいね……先輩……これから、私の歩む先を……」
「あぁ……」
須美がその細い体に、溢れんばかりの決意を秘めているのがわかった。
だとすれば……俺のやることは、もう決まっていた。
「学内コンクール……楽しみにしてるぜ、須美」
「えぇ……例え先輩が相手でも、私は一切手加減するつもりはありませんよ」
「あぁ……須美こそ、俺たちの演奏聞いて度肝抜くなよ」
俺と須美は、互いに微笑み合い……そして改めて、互いの闘志を確かめ合うのだった。
508須美ルート俺妄想(24/27):2006/07/24(月) 17:05:29 ID:NoUlPvri0
「フン。何を言い出すかと思えば……」
「……」
私の提案を鼻先で笑う先生と、それを毅然とした態度で受け止める私。
「何度言えばわかるのかね? キミのような落ちこぼれなど、我が部には必要ないと」
「その台詞は……私の演奏を、少しでも聴いてからおっしゃってください」
「ハッ……下らんな。全くもって下らん!!
 第一練習もそこそこに赤城山の生徒と下らん情事に溺れてた者に、今更何が出来ると」
「……もし私の演奏が、聴くに堪えないものでしたら……遠慮なく、私を退部にしてください。
 その時は、二度と吹奏楽の表舞台にも立たないと……そう、約束します」
「ほほう……大きく出たな、御影くん」
先生の口元が、にやりと嫌らしく曲がるのがわかる。
「特別措置だ……キミの演奏が見事私を満足させたら、円山のパーカッションの座は約束しよう。
 だが……キミの演奏に少しでも粗が見えたら、その時は……もう、わかっておるな」
「……はい」
確かな決意を胸に、私は先生に宣言した。
そっとマレットを取り……ぴんと張り詰めるティンパニのヘッドに、その先端部を触れさせる。
そして……すっと息を吸い……全身の感性を、そっと研ぎ澄ませ……
509須美ルート俺妄想(25/27):2006/07/24(月) 17:12:00 ID:NoUlPvri0
ドルル………ー……ドンッ!!!

楽器と私が、一体と化したのを感じた。
私の手は澱むことなく、すらすらと音の波を奏で続ける。
「……すげぇ……」
遠く響く、誰かの感心に満ちた声。
だが私は……それすらも流れに乗せ、ただ無心にマレットを振るい続ける。
「……ふぅ」
やがて私は演奏を終え、心に残った緊張をそっと吐き出した。
ワァ……!!!
音楽室全体が、歓声と拍手の渦に包まれていた。
私の演奏が、音楽室全体を……感動の虜にしていた証であった。
「よくやりましたわ、御影さん」
未だ鳴り止まぬ拍手の中、雲雀丘先輩が手を鳴らしながら、私の元へそっと歩み寄ってきた。
「やはり、円山のパーカッションを任せられるのは、御影さん……貴方しかおりませんわ」
「先輩……ありがとうございます!」
その後先輩は、そっと先生の方を振り向き、ふわりとしなを作ってみせた。
「これで文句はありませんわね……円山のパーカッションは、彼女に一任します」
「……フン!!! 勝手にしたまえ!!!」
すこぶる不機嫌な様子で、その場を去って行ってしまう大河原先生。
よかった……
私は今、自分の手で、自分の居場所を掴んだんだ……!!
胸の奥底からこみ上げる喜びに、私はそっと目尻を潤ませていた。
510須美ルート俺妄想(26/27):2006/07/24(月) 17:12:38 ID:NoUlPvri0
それからはもう、波乱の日々だった。

「やぁ、お帰り新部長!! じゃあさっそく、パート練習の指導よろしく!!!」
部に戻ってきた俺を出迎える先生の第一声がこれだった。
「ぶ、部長って……俺確か、ここの部長職クビになったはずじゃ……」
「いやーそれがさ……お前が去った後、まともに全体まとめられるヤツがいなくなっちゃってさ……
 大変だったんだぞ? 香住はまだか、香住はいつ戻るのかって……」
「……みんな……」
こうしてうやむやのうちに、俺は赤城山の部長の座に返り咲き……
そして部員の皆との2人3脚で、俺たち赤城山の音楽を懸命に作り上げていった。
そして、円山に戻った須美もまた……
その類稀なマレット捌きで、円山の美しき音色を、縁の下から支えてゆくのだった。

そして、俺たちは遂に、学内コンクールの日を迎え……

「……」
意外な結果に、俺たちは驚愕していた。
円山と赤城山、双方に与えられた票数は、いずれも同じ……
いや、それだけでなかった。
集まった票の殆どが……双方の部の存続を、心から望む声であったのだ。

(……認めん!! このような横暴、私は認めるわけにはいかん!!!)
結局最後まで、その結果に異議申し立てていた大河原先生だったが。
(それより大河原先生、少しお耳に入れたいことがあるのですが……)
新開地先生の鮮やかな切り返しにより、先生は沈黙することとなったのだった。
以前須美にはたらいたセクハラ発言の数々が、どうやら決め手となったようだ。
近々、大河原先生の処遇を巡り、学園内で大がかりな会合が開かれるらしい。
願わくば、あのハゲに厳格な処分が下されることを祈るばかりだ。

そして……
俺たち赤城山と円山のブラスバンドは、晴れてひとつの部として再結成することとなったのだ。
511須美ルート俺妄想(27/27):2006/07/24(月) 17:13:31 ID:NoUlPvri0
「今日からいよいよ、円山のみんなと練習ですね! センパイ」
「あぁ……みなせちゃん……それは嬉しいんだけど……」
みなせの一声に、健太郎が嫌そうな目を指揮台の方に向ける。
「そこ!! 演奏が止まってますわよ!! きっちり練習に励みなさい!!!」
視線の向こうには、円山から部長職を引き継いだ雲雀丘さんが、鋭い目で睨みを利かせている。
「はぁ……これだったら……純が部長だった時のがマシだったよ……」
「文句言うなって、健太郎。俺のアイアンクロー、食らうよりはマシだろ」
「だからアイアンクローはフリッツ・フォン・エリックの技であって、他の場合は」
「だったら代わりにそのブレーンクローとやらを食らわせてやってもいいけど」
「ひぃっ!! 嘘!! ごめんっ、純!!!!」
俺が指をぽきぽき鳴らすのを見て、健太郎がとっさに平謝りモードに入る。
ったく……そんなにオシオキされるのが嫌なら、素直に練習に励んでりゃいいのに……
「ほらみんな!! まだまだ目に真剣さが足りませんわ!!
 この調子では、夏の地区大会に間に合いませんわよ!!」
……そう。
俺たちは学内コンクールを終え、またひとつ大きな目標を得たのだ。
夏に開かれる県大会で見事金を勝ち取り、全国制覇を狙うこと。
その大きな目標に向け、俺たちは皆、懸命に練習に励んでいるのだ。
「……」
俺は汗を拭いながら、新緑芽吹く窓辺の木々を見つめていた。
暑い夏が、もうすぐやってくる。
去年よりもずっと熱い、俺たちの夏が……
「須美……」
俺はそっと、隣でマレットを握る大事な人の名を呼んでいた。
「先輩……」
「いっぱい……頑張って、いっしょに……全国へ行こうな!」
「はいっ! 先輩!!」
互いの決意を、確かめ合うように。
俺たちは互いに微笑み合い、また自分たちの練習に戻るのだった。

(終わり)
512温泉の人:2006/07/24(月) 17:16:56 ID:NoUlPvri0
>>485-511以上です。
どう頑張っても主人公がUMAっぽくなってしまう不思議orz
(妙は俺なりにちゃんと姫ちゃんとの差別化できたのに・・・何でだろね)

つか読み返してみると途方もないご都合主義展開の嵐・・・;
これでもかなり抑えてみた方なんですが・・・ダメですかね? やっぱ。

今回はルート予想というよりも、ぶらばんキャラ使った俺の完全創作ってことで。
従って、発売後になって本編にあるべき設定が活きてないーって文句言わないでね;;;

# ちなみに終盤須美が奏でていたのは、主題歌Beautiful Harmonyの出だしのロール音のつもりです。
# そう聞こえなかったとしたらスマソ
513名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 01:17:46 ID:175czAj30
  ☆○。o.:O∂οo
        。 ◇◎ .'´  `ヽ☆οo.
       。:゜ ◎:0j /rノハヽハ ☆。∂03 ゜
       /。○。 .イi(|^ヮ゚ノルO◇。☆
     /  ◎| ̄ ̄∪ ̄∪ ̄ ̄ ̄|:◎:
    /    ☆。|. Congratulations! ..|☆
  ▼       。○..io.。◇.☆____| 。.:
∠▲―――――☆ :∂io☆ ゜◎∂:

ついにこの時が…
おめでとう準にゃん
ありがとうういんどみる

準:日記 ↓

(注 専ブラ推奨です)
514はぴねす『準・日記』:2006/08/01(火) 02:00:47 ID:175czAj30
 フッと一息ついて私は椅子に座った。
自分の部屋。いまここには私しかいない。
机の引き出しを開いた。
そこには――
「日記つけなきゃね」
 たくさんの日記帳が丁寧に並べられていた。全部で七冊。
おもむろにそのひとつを手にとって開く。

 5/6 今日は学校帰りに、雄真と一緒に買い物に行った。とくに欲しいものは
     なかったけれど、すごく楽しかった

 6/12 最近の雄真は結構モテモテだ。嬉しいことだけど、ちょっと寂しい

 他愛もない日記。毎日の出来事が書いてあるだけの。
でも、とても大切な想い出の詰まった日記――

「なんて書けばいいのかな……」
 今日あったことを思い出す。

 けじめのつもりだった。口付け。初めて雄真の口に。
すごい勇気が必要だった。でも、私の為にしてくるている雄真がたまらなく愛おしかった。
 でも雄真が口にした台詞は嫌悪の言葉じゃなくて、
http://www.uploda.org/uporg465057.jpg
 私自身も気付かなかった思いを雄真が口にした。もう私は満足したはずだったから、
それなのに――
「あ、あれ?」
 日記が濡れた。いつのまにか目から涙が零れ落ちていた。

 それは私が創った夢の世界だった。雄真の幸せだけを望んだ世界。
そのはずなのに、雄真が苦しんでいた。私のせいで――
515名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 02:26:47 ID:175czAj30
「ね、ねえ、なんて書けばいいのかな……?」
 震える声が一人の部屋に響く。
それは夢に観る事さえ許されない出来事だった。絶対に越えてはいけない境界線。
その思いに自分が気付くことさえも許されなくて、雄真の幸せを願う世界で、
私は雄真と――
結ばれた
http://www.uploda.org/uporg465090.jpg
境界を越えて、雄真のほうから

 下半身にまだ残っている雄真の体温を感じる。
性別は変えられなくて、私はそれを越えられなくて、ずっと胸に抱き続けていた

「ありがとう……雄真」
 震える指先が、日記帳を文字で埋めようとするも、どんな風に書いていいのかわからない。
いつもはあっと言う間に書けるはずなのに……

 思い出す。あの世界は雄真の望みを叶える世界。たくさんの女の子達が雄真に好意を
持っていた。でも雄真は私を選んでくれて、学校に来てくれた。それがただ私を連れて帰るためだけだったとしても
私は凄く嬉しいかった。

 一緒の教室を夕日が照らしていた。懐かしい想い出。三人で学校が終ってからも遅くまで
残って話をしていた。そんな情景――
今ではそんな機会もなくなっていたから――

 
516名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 02:35:54 ID:2pZNMQik0
なぁ、もろネタバレだと思うんだけど
しかも自作じゃなくてキャプ画像をまんま貼るってのはどうかと思うよ
517名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 02:47:13 ID:175czAj30
 どうやら雄真はちゃんと私のことを見ていてくれていたらしい。
デートの時の光景。いつもより少しだけ強引な雄真に、胸が締め付けられた。

 あの時、私は雄真が望めば女の子になることだって出来た。
でも、それを選ばないでいたくれた。そこにはどんな想いがあったのだろう?
私にはわからない。

 窓を開ける。髪をなびかせる夜風が気持ちよかった。
http://www.uploda.org/uporg465106.jpg.html

「ねえ、雄真?好きって言ってくれた言葉……信じていいのかな?」
 星空に向かって問いかける。
その言葉が、仮にあの世界だけのものだとしても構わない。

でも――
もし少しでも――
私にもチャンスがあるなら――
「私も好きって言っていい?」
 それは辛いかもしれない。困難かもしれない。
それでも、あの時のことを忘れたくないから。
後悔したくないから。もし、私のことも見ていてくれるのならば、私は――

 パタンと日記を閉じた。
明日は学校だ。心配をかけたみんなに謝らなくちゃ。勿論、雄真にも。
日記の最後に一言付け加えた。

 7/28 今までのわたしはここで終わり
 7/29 新しい私 始めまして
518名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 03:06:29 ID:aQ6dYSRuO
新紙芝居方式SS?
補完的な感じのSSだね。
あれ?新婚初夜は?w
519名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 08:11:20 ID:175czAj30
幸せになったいま書ける「ことなんてもうないです

ありがとう
520名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 18:47:25 ID:LnWVd30x0
乙!
準ルート崩したら改めて読んでみるわノシ
521温泉の人:2006/08/15(火) 21:16:28 ID:tpXFP/4i0
保守ついでに予告。

現在「はぴりら」で伊吹アフターもどき書いてます(エロ有)
公開時期は未定ですが、どうぞよろしく。
522名無しさん@初回限定:2006/08/16(水) 00:18:01 ID:YNcHxJsL0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
523名無しさん@初回限定:2006/08/17(木) 01:51:53 ID:/a5cnDKy0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +


524名無しさん@初回限定:2006/08/17(木) 22:43:47 ID:Dg+g8lch0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   テカテカテカワク
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
525名無しさん@初回限定:2006/08/18(金) 13:59:00 ID:m//O+4bm0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   テカテカテカテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
526名無しさん@初回限定:2006/08/19(土) 16:48:02 ID:soQM9Fxy0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ワクワクヌルヌル
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
527名無しさん@初回限定:2006/08/20(日) 08:07:48 ID:EOIB3ZZu0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ヌルヌルヌルヌル
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
528名無しさん@初回限定:2006/08/21(月) 00:13:28 ID:WKoO/GM30
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   テカテカシコシコ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
529名無しさん@初回限定:2006/08/24(木) 16:37:40 ID:2z8wMGYt0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   ヌルヌルホヌルポ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
530名無しさん@初回限定:2006/08/24(木) 19:14:39 ID:QF6SFCW30
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   >529ガッ ワクテカ
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
531名無しさん@初回限定:2006/08/28(月) 16:59:58 ID:CwQGdz7FO
オワタ
532名無しさん@初回限定:2006/08/29(火) 11:11:02 ID:ZCaclDdI0
>531 ここの過疎ってのは、こんなもんじゃないぞぉ
533名無しさん@初回限定:2006/08/31(木) 01:42:43 ID:ZcALrhlE0
エロゲ全般となると広すぎて何を書いたものか……
やっぱりできるだけメジャーな作品で書いた方がいいでしょうか。
534名無しさん@初回限定:2006/08/31(木) 20:31:35 ID:sFy4L3Ko0
ウチが答えるのもなんだが……

マイナーでも投下したモン勝ちだと思う。
535温泉の人:2006/09/02(土) 22:35:10 ID:yFDgWY7a0
>>533
まずは自分の気に入った作品から書いてみるのが吉かと。
好きな作品のがキャラにも愛着湧くしねw


さて今回は、はぴりら世界である日伊吹の身に降りかかった災難を、FD本編のノリで書いてみました。
予告どおりエロ有なので閲覧注意!

ではでは。
「はぴねす!りらっくす」より「式守伊吹の災難〜コスプレ編〜」
536式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(1/28):2006/09/02(土) 22:36:06 ID:yFDgWY7a0
それは、ある日の昼休みのこと……

「し、しまったぁぁぁっ!!!!」
普通科の校舎内を、大急ぎで駆け抜ける私。
今日は屋上で……すももの作った弁当を……共に食す予定であったのに……
あろうことか私は……鈴莉の奴に急に無理難題を押し付けられたおかげで、
すっかり時間を食ってしもうて……
「ま……待っておれよすもも……今……今行くからな……っ!!!」
息も切れ切れに、屋上へと通じる階段を駆け抜け……
バンッ……!!
「あ……」
扉を開けたその姿勢のまま、凍りつく私。
「……すもも……」
そこにはもう、誰もいなかった。
真っ白にぼやけてゆく頭で、呆然と辺りを見渡してみるものの、
私を長らく待ち受けてくれていたであろう友の姿は……もうどこにもなく……
私は力なく、ぺたんとそこへ座り込む。
「……すまなかった……すもも……私……」
私との昼の語らいを、長らく楽しみにしていたであろうすもものことを思い……
そして、突然の急用とはいえ、大事な友との約束を破ってしまった自分自身を思い……
私はその場で、力なくうなだれるのだった。
537式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(2/28):2006/09/02(土) 22:36:44 ID:yFDgWY7a0
「……というわけなのだ……すまない……すもも」
「そんな、わたしはもう気にしてませんよ?」
放課後の教室で、ひたすら平謝りする私。
「だが……私がそなたとの約束を破ってしまったのは、他ならぬ事実で……」
「もぉ、考えすぎですよ伊吹ちゃん!
 人間誰しも都合というものがあるんですから、いちいち気にしてたら身が持ちませんよ」
「……すもも……」
すももはこういう時、一度たりとも私を責めることはない。
それどころか……伊吹ちゃんは悪くない、わたしは全然気にしないなど、私を気遣う言葉ばかり言うて……
そんなすももを見る度に、私はいつもどうしようもない自己嫌悪に陥るのだ。
「私は……私が自分がふがいないっ!!!
 すももはいつも、私のことを……かようにも……気にかけてくれておるというのに……
 何で……私は……いつもこう……」
「……」
すももはそんな私のことを、神妙な面持ちで眺めていたが。
「……それじゃ、ひとつ罰ゲームといきましょうか!」
「? ばつ……げーむ?」
すももが満面の笑顔で、私に提案してみせる。
「はい! わたしとの約束を忘れちゃった伊吹ちゃんに、わたしからの罰ゲームです!」
「ばつ……げーむ……」
それをすれば、私の今日の過ちは償えるということか?
だとすれば……そのくらい、お安い御用だ。
「……わかった。そなたの言うことなら、何でも聞こう……」
「それじゃあ、ですね……」
すももはそっと目を閉じ、次の言葉を紡ごうと口を閉ざす。
その様に、私は思わずきゅっと体を縮こませた。
538式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(3/28):2006/09/02(土) 22:40:32 ID:yFDgWY7a0
……しかし。
「今度の日曜、またいっしょにデートに行きましょうね! 伊吹ちゃん」
「え……?」
デートかどうかはともかく……週末すももと共に出かけるのは、今に始まった話ではなかろう?
それなのに、何を今更……
「それだけで、よいのか……? すもも……」
「んふふ……もちろん罰ゲームですから、それだけで済ますつもりはありませんよ♪」
「……すもも……」
そうやって変に微笑まれると、逆にバツが悪いぞ……ι
「……なぁすもも……そなた……一体何を企んでおるのだ……?」
「それは日曜までのおあずけです♪ 伊吹ちゃんも、楽しみにしていてくださいね!」
「……あぁ……」
何はともあれ、今日の過ちを償うには、日曜に共に遊びに行くほかなさそうだ。
(そう言えば……すももと休日にこうして遊ぶのも……随分慣れっこになってきたな……)
そして同時に、すももと過ごすそんな何気ない日々を、すごく楽しんでいる自分がいることも。
「それでは、楽しみにしておるぞ。すもも……」
この私に、普通の女の子としてのいろんな楽しみを与えてくれたすももに。
私は心より感謝しつつ、今度の日曜のことに、いろいろと思いを巡らせていた。

今思えば……私が迂闊であったのだ。
もっと早く……すももの企みに……気づいてさえおれば……!!!
539式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(4/28):2006/09/02(土) 22:41:20 ID:yFDgWY7a0
そして迎えた日曜日……

「な、なぁ……すももよ……」
「はい。何ですか伊吹ちゃん?」
「また……『こすぷれぷりくら』か? すもも……」
すももに連れてゆかれたのは、いつものゲームセンター。
その中の、いつも連れてゆかれる変な機械の前で、すももは楽しそうに微笑んでいる。
「はい! ここんところずっと、伊吹ちゃんのかわいい姿を撮ってませんでしたから……
 今日はいっぱい、かわいい格好、撮らせてもらいますね!」
「……なるほど……」
すももの言ってた「罰ゲーム」とやらは、このことか……
まぁ確かに、罰とするには、最もおあつらえ向きであるか……
「……まぁ私もそろそろ、すももの楽しみに少し付き合わねばならんと思うておったところだ。
 今日は1日、存分に楽しませてもらうぞ」
「ふふ……その意気ですよ、伊吹ちゃん!」
意気揚々、私は更衣室へと向かって行った。
540式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(5/28):2006/09/02(土) 22:42:16 ID:yFDgWY7a0
……実のところ、私はこの「こすぷれ」とやらに、妙な快感を覚えつつあった。
普段まず着ることのないいろいろな洋服に、身を包んでおると……
何だか……いつもとは違う自分に、出会えるような気がして……
普段暇な時など……沙耶たちに内緒で買ってしまった「めいど服」とやらに、
こっそり袖を通してみたりして……
な、何を言っておるのだ私は!!! と、ともかく……今のは誰にも他言するでないぞ!!!
「さて、今日は何を着てみるとするか……」
さっそく浮かれた気分で、いろんな衣装に手を出してみる。
ピンク色のひらひらがかわいいワンピースや……瑞穂坂の制服を模したセーラー服とスカート……
そして中には、ウサギを模したもこもこの着ぐるみまで……
(き、着てみたいぞ……これ……全部……)
はやる気持ちを抑えつつ、私は棚に架けられた衣装をひとつひとつ吟味してゆく。
……やがて私は、ひとつの衣装を手に取った。
純白のフリルが独特の清純さを醸し出す、上品なデザインのドレス。
以前から少し、目につけていた特上の品だ。
(ふむ……今日はまず、これで……)
私はそっと微笑をこぼすと、さっそく手に持ったドレスに身を包むのだった。
541式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(6/28):2006/09/02(土) 22:47:10 ID:yFDgWY7a0
「これで、よいか? すもも……」
さっそくそのドレス姿で、機械の前で待っているすももの元へ駆け寄る私。
「あ、伊吹ちゃん♪」
すもももすぐ私に気づき、笑顔でこちらに駆け寄ってくる。
すももが着ておるのは、垂れ下がった犬耳がかわいらしい、薄茶色の犬の着ぐるみ。
……こやつはもともと、どこか犬っぽいところがあるからな……
すももがその身にまとう着ぐるみは、何やら妙にすももに似合っている。
(しかし……)
これで一緒にプリクラを撮って終わりとは、罰ゲームとしてはいささか不足ではないか?
これでは、いつもすももとやっておるのと変わりないではないか……
「さ、早く撮りましょう! 伊吹ちゃん」
「あ、あぁ……」
妙に釈然とせぬまま、プリクラの台へと向かう私たち。
と、そこへ。
「……伊吹ちゃん……?」
「……?」
な、何だ……?
今後ろから、妙に聞き覚えのある声が聞こえたような……
そう思ったのも束の間。
「きゃああっ……ホントに伊吹ちゃんだぁ♥」
「ひゃ……ひゃああああっ!!?」
私は後ろから、急に抱きしめられていた。
背中に押しつけられる、妙に挑発的な2つのふくらみ。
まさか……こやつは……
542式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(7/28):2006/09/02(土) 22:48:21 ID:yFDgWY7a0
「あ、遅かったですね♪ 姫ちゃん♪」
「うん……ごめんねすももちゃん。ちょっと、お洋服選びに時間かかっちゃって……」
……間違いない。こやつは……
御薙鈴莉の愛弟子にして、すももの旧友のひとり……神坂春姫その人ではないか!!
「か、かかかかか神坂春姫!? そなた、何故ここに……」
「え? だって……ここに来たら、伊吹ちゃんのかわいい姿が見られるって……すももちゃんが……」
「……すもも……? これは一体……」
私は思わず、ジト目ですももを見つめていた。
「ふふ。そういうことですよ、伊吹ちゃん♪
 いつもわたしばっかり楽しんでちゃ、姫ちゃんがかわいそうですから」
「ふふ……伊吹ちゃん。今日はいっぱい、いろんなお洋服着てくれるんだよね……♥」
「た、謀ったなすももーーーーー!!!!」
だが、時は既に遅かった。
神坂の奴は私を抱きしめ、何が何でも離すまいとしがみついてくる。
「でも姫ちゃん……今日の伊吹ちゃんの格好は、少しインパクトに欠けるんです。
 ここは姫ちゃんの手で、何とかうまくコーディネートできませんか?」
「ふふ……任せてね、すももちゃん。
 さ、伊吹ちゃん……いっしょに、お洋服選ぼ……♥」
「だ、誰か……助けてくれーーーーーー!!!!」
すもも一人でも大変なのに、よりにもよってこんな目がらんらんと輝いた神坂春姫まで一緒とは……
あ、悪夢だーーーーーー!!!!
543式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(8/28):2006/09/02(土) 22:50:52 ID:yFDgWY7a0
それから小一時間後。
「ねね、伊吹ちゃん♥ 今度は、このお洋服着てみて♪」
神坂の奴に山と積まれた洋服を宛がわれ、思わず嘆息する私。
「……神坂春姫よ……まだ終わらぬのか……?」
「ダーメ。まだまだ着せたいお洋服、いーっぱいあるんだから♪」
「ダメですよ伊吹ちゃん。これは罰ゲームなんですから、最後まで付き合ってあげませんと」
「う……うぅ……」
それを言われたら、私も抗えないに決まっておろう……
結局私は、すももの一言に押されたまま、ふたりの言いなりになってしまう。
(というか……)
傍らに積まれた服の山を見て、げんなりと肩を落とす私。
そこに積まれているのが、もっとまともな衣装であれば、私も納得がゆくであろう。
しかし……神坂の奴が選んでくるのは、まるで幼稚園児が身にまとうようなスモックと黄色い帽子とか、
カッパや怪獣の姿を模した着ぐるみとか……その……子供の召し物みたいなものばかりで……
神坂の奴が嬉しそうにそれらを持ってくる度、私は心の底からげんなりした気分になるのだ。
「あ、そうだ! 今度は、これなんてどうかな?」
やがて神坂の奴は、服の山からひとつの衣装を取り出し、すももに評価を問うた。
神坂の奴がその手に持つ、その衣装……
「なっ……!!!!」
その衣装に、私は思わず絶句していた。
ま、まさか……よりにもよってそんな恥ずかしい衣装を、私に……!?
544式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(9/28):2006/09/02(土) 22:51:57 ID:yFDgWY7a0
「あ、なかなかいいチョイスですね、姫ちゃん!!」
「ふふ……伊吹ちゃんだったら、これ……ぜーったい似合うと思うんだ♥」
神坂春姫の手にした衣装を前に、早くもやる気満々なふたり。
まずい……このままこの場におったら、私は間違いなくこやつらの餌食に……
「す、すももよ!! 私は急に用事を思い立ったのだ!!!
 そなたと遊べなくなるのは残念だが、私はこれで……」
「そうですか……残念です。伊吹ちゃんとのデート、楽しみにしてましたのに……」
「ゔ……」
すももの切なげな声に少し良心が痛むが、もうそのようなことに構っている場合ではない。
私はそのまま、その場をそそくさと立ち去ろうとした。
しかし……
「それじゃ仕方ありませんね……今日は兄さんといっしょに、この写真見て楽しむことにしましょう」
「な……!!?」
な、何てことを言い出すのだこやつは!!?
「ふふ……この写真なんかきっと、兄さんは大喜びですね♪
 兄さんって意外と、こういうマニアックな衣装大好きですから♪」
「あ、私も……小日向くんと……伊吹ちゃんのいろんなお写真、とりかえっこしたいな♪」
「な……なっ……」
よりにもよって、あんな恥ずかしい写真を……小日向の奴に……!!?
「た……頼む!!! 頼むからこれは……小日向の奴には……」
「「ふふふ……(キラーン)」」
「……あ……」
ひょっとして私は……この2人のかけた罠に……きっちりはめられたと言うのか……?
「それじゃさっそく、お着替えタイムと行きましょう!」
「ね? 伊吹ちゃん……早く行こ……♥」
「……うぅι」
私はもはや半泣きになりながら、2人の所業に諾々と従うほかなかった。
545式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(10/28):2006/09/02(土) 22:56:37 ID:yFDgWY7a0
「きゃああああっ!! ホントにかわいーーーっ♥」
「むむ……わたしの姫ちゃんにここまで言わせちゃうなんて……強敵ですね、伊吹ちゃん」
「う……うぅ……///」
2人の選んだ衣装に身を包みながら、顔を真っ赤にしてうなだれる私。
「あぁんもぉ、お部屋に飾っておきたいよぉ! すももちゃん、これ、お持ち帰りできないかな?」
「ふふ……ダメですよ姫ちゃん。伊吹ちゃんはもう、わたしのものなんですから!」
「うぅ……いいもん! だったら代わりに、今日のお写真、いっぱい携帯に貼り付けちゃうから!」
「あ……あのな……」
早くも我を忘れはしゃぎまくる2人に、私はおずおずと問いかける。
「? 何ですか伊吹ちゃん」
「その……私はいつまで、こんな格好をしておらねばならんのだ?」
私がその身にまとうのは、水色のタオル生地でできた、ひらひらのフードと前掛けつきのツナギ……
平たく言えば……赤ん坊がその身を包むような……そんな屈辱的な衣装で……
おまけに私の右手には……赤ん坊をあやす時に使う、がらがらと鳴る筒状の玩具まで……
「もちろん、わたしたちがきっちり満足するまで、です!」
「そ、そんな……」
これだけ人を着せ替え人形にしておいて、まだ飽きぬと申すのか、すもも……?
というか……神坂春姫のあの目の輝き……
あれは、ちょっとやそっとじゃ満足などせぬという目だぞ……ι
「それよりも、伊吹ちゃん……まだまだひとつ……足りませんね……」
「す……すもも?」
まだまだ不満全開といった表情で、私の全身を舐めるように眺めるすもも。
……これ以上……何が不満と申すのか? すももよ……
546式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(11/28):2006/09/02(土) 22:57:43 ID:yFDgWY7a0
「あ! そうだ! やっぱり赤ちゃんには、これがありませんと!!」
そうやって、すももが懐から取り出したのは。
「なっ……」
それは……泣き止まぬ赤ん坊にくわえさせておとなしくさせる玩具……
俗に言う「おしゃぶり」ではないか!!!!
「たっ……頼むすもも!!! それだけは……それだけは……っ!!!」
「姫ちゃん……伊吹ちゃんのこと、しっかり押さえててください!!」
「うん、任せてすももちゃん! ね、伊吹ちゃん……いいこいいこ……♥」
「は、離せ神坂春姫!!! かような屈辱に耐えるなら、死んだ方がましだーーーー!!!」
「ふふ……さぁ……伊吹ちゃん……」
既に目が据わった状態で、私の口におしゃぶりを近づけるすもも。
「だ……誰か……助け……」
「……あれ? 伊吹……?」
「!!!!!!」
心臓が、ひっくり返るかと思った。
今一番出くわしたくない人の声が、今まさに私の背後で……
「ま……ま……まさか……」
私は青ざめた頭で、ぶるぶると震える顔を後ろに向ける。
「や〜ん、伊吹ちゃんかわい〜♪ 雄真について、ここまで来た甲斐があったわ♪」
「うぉぉぉっ、伊吹ちゃんの赤ちゃんコス!!! たまんねぇぜっ!!!!」
「あ……ぅあ……」
547式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(12/28):2006/09/02(土) 22:58:53 ID:yFDgWY7a0
もはや、疑いようもなかった。
小日向の奴といつも共におる、渡良瀬準と高溝八輔の2人が、今ここにおるということは……
誰よりも一番、この姿を見せたくない輩が、今まさに目の前におるということで……
「い……伊吹……?ι」
「ぁ……ぅ……ぁぅ……」
もはや私に、まともな思考回路は残されていなかった。
恥ずかしさと屈辱と……いろんな負の感情が、私の胸の中で渦巻いて……
「ぅ……ぅ……うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!!!!」
……気がつけば、私は駆け出していた。
ついに……ついに見られてしまったぞ……
こんな……屈辱的な格好を……小日向の奴に……
「ちょ、待てよ伊吹!! んな格好で暴れたら」
「うぅぅぅっ!!! 死んでやる!!! 死んでやるぅぅぅぅっっっ!!!!!」
休日の平和なゲームセンターを全力で駆け抜ける、大きな赤ん坊の姿……
我ながら、何と奇怪な光景に映ったことだろう。
「いいから、とにかく落ち着けって!! 伊吹!!!」
「つ……ついて来るな小日向!!! こんな格好を見られては、私はもう生きてなどゆけぬ……!!!!」
「だから人の話を聞けーーーーーーーー!!!!」
そのまま私たちは、追いかけっこの舞台を往来にまで移し、飽くなき逃走劇を繰り広げるのだった。
548式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(13/28):2006/09/02(土) 23:00:00 ID:yFDgWY7a0
「……落ち着いたか? 伊吹……」
「……あぁ」
静まり返った、小日向の自室。
そのベッドに赤ん坊衣装のまま腰掛け、しょんぼりうなだれる私。
「……しかしびっくりしたよ。準やハチの奴といっしょにゲーセン行ったら、
 お前らまでいっしょにいるんだもんな」
「……」
「しかしまぁ、神坂さんまでいっしょにいるのは意外だったけどな。
 神坂さん……あの手の遊びって、ちょっと苦手そうなイメージあったからさ」
「……」
当たり障りのない話題を選んでは、私に積極的に話しかけてくれる小日向雄真。
しかし……こう見えても、内心では私のこと……蔑んでいるに違いない……
まぁ……それはそうであろうな……
こんな面妖な格好した私のことを、一瞬でも褒める輩がおるわけがない……
「……見損なったであろう? 私のこと……」
「? 何でだ?」
小日向の一言に、私はぎゅっと唇を噛みしめる。
「……この格好のことだ!! 勿体ぶらずに、素直に申せばよかろう……
 格好悪いと……似合ってなどおらんと……」
……自分が、すごくみじめだった。
何で私は……こんなにも……格好つかぬのだろう……
これでは……小日向の奴に嫌われても……文句は言えんではないか……
「……伊吹……」
すごく神妙な面持ちで、私にそっと語りかける小日向。
「……小日向……」
「その……すごく……似合ってるぞ、伊吹」
「……今更、慰めなどよい……」
「いや……慰めとかじゃなくてさ……やばいくらいかわいいって! 伊吹……」
「……小日向……」
今更そんなこと言われても、私の心がより虚しくなるだけであろう……?
それなのに……何で今……そんなこと……
549式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(14/28):2006/09/02(土) 23:02:34 ID:yFDgWY7a0
「……伊吹……」
「あ……」
小日向の顔が、間近にあった。
冗談でも慰めでもなく、ただまっすぐに……私の瞳を捕らえている小日向の目……
その顔に、不覚にも自分の胸がとくとくときめいてゆくのがわかる。
ちゅっ
「っ……!」
小日向の軽い口づけに、私の全身がぴくりと反応するのがわかる。
「ずりぃよ……伊吹は……
 俺が抗えないってこと、知ってて……こんな、挑発的な表情、するんだもんな……」
「……小日向……」
「ごめん……けどやっぱ、俺……自分のこと、抑えられそうにねーや」
とさっ……!
私の体が、やわらかな布団に投げ出されるのがわかった。
視界いっぱいに広がる、小日向の熱を帯びた表情。
その顔に、私は否が応にも、その後の展開を期待させられてしまう。
ちゅっ、ちゅっ……
私の顔中を啄ばむように、しきりに口づけしてゆく小日向。
小日向の唇の触れた箇所が、じんじんと熱く痺れてゆく。
「んふ……ん……ぁ……こひな……た……」
「ん……伊吹……ん、んちゅ……」
唇に触れそうでなかなか触れてくれない小日向の態度が、とてももどかしくて。
私は自然と、小日向の顔を手で押さえていた。
「伊吹……?」
「何をやっておる……私の唇は、ここであろう……? ん……ぁむ……」
そのまま私は、小日向の顔を強引に近づけ、その唇を無理やり奪ってみる。
「ん……んむ……むちゅ……んふ……ん、んちゅ……」
ふたりして溶け合ってゆくかのような、情熱的な口づけ。
段々と頭がぽわーっとして、こんな恥ずかしい格好していることなど、忘却の彼方に消え去ってしまう。
550式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(2/28):2006/09/02(土) 23:03:46 ID:yFDgWY7a0
「ん……んは……っ」
小日向は唇を離し、改めて私の全身に目を通した。
「あ……あまり、見るな……恥ずかしいであろう……」
「ご、ごめん……でも何か、すごく倒錯的だなぁって思ってさ……」
頭の芯が痺れるような感覚の中、私はただぼんやりと、小日向の言葉に耳を傾ける。
「そうだよな……お前ってば、こんなにかわいいんだもんな……
 すももや神坂さんが、お前にこんな格好させたがる気持ち、俺……すっげぇわかる」
「小日向……」
「赤ちゃんみたいに白くてきれいな、お前の肌も……」
「ぁ……や……」
首筋から頬のところまで指先で優しく撫でられ、思わず声を漏らす私。
「こうやって艶っぽく囀(さえず)る、お前の大人っぽい吐息も……」
「あ……は……ぁあん……っ、ゃ……ぁ……こひなた……」
右手で私の首筋をなぞりつつ、左手で私の胸を掌で撫でる小日向。
敏感になった乳首が、服の生地にこすれて……すごく、気持ちがよい。
「全部……大好きだよ、伊吹……全部……俺のものにしたい……!!」
「んはっ、ぁあ……小日向……こひなた……ぁ」
服の上からなぞる小日向の手の感触が、すごくもどかしくて。
私は思わず、胸元のチャックを開け、小日向の手をそこに誘っていた。
「伊吹……?」
「その……小日向……服越しだけじゃなくて、その……」
「ん? どうしてほしいんだ、伊吹」
「うぅっ……こ、小日向よ……直接……触れては、くれぬか……?」
……自分でも、何を言うてるのだと思うた。
よりにもよって、こんなに猥らで恥ずかしい要求を、小日向に……
「……わかった」
小日向は頷くと、そっと残りのチャックを開け、私の胸元を大きくはだけさせた。
私の充血した先端が、惜しげもなく小日向の目の前に晒される。
551式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(16/28):2006/09/02(土) 23:04:44 ID:yFDgWY7a0
「……すまぬな、小日向よ……」
「? 何がだ、伊吹」
「その……かように薄い胸をしておるから……その……こんな格好させられるのであろうな……」
「……」
小日向は無言のまま、そっと掌で私の先端を直接刺激しだした。
「あぅぅっ!! あ、やぁっ!! ぁ……は……はぁぁ……っ」
「こんなに感じる乳首持っといて……今更、何言ってやがんだよ」
「ゃ……ぁ……だめ、小日向……ぁ……はぁ……ぁうっっ……」
更に小日向は、私の両の乳首を指先でくりくりこね始めた。
まるでそこの感触を味わうかのように、指先を擦らせ、指の腹で執拗に揉みしだく小日向。
その度ごとに、私の全身に甘痒い電流が駆け巡るのがわかる。
「ぁ……は……ぁああ……や……そんな、こね……回したら……」
「伊吹の、ここ……すげぇ……かわいい……」
「そ、そのようなことを言って……誤魔化し……あ!! はぅぅ……」
胸の先端に、温かな感触が走った。
未だ慣れぬ小日向のぬめった口の感触に、思わず身悶える私。
「こ……こひなた……そんな、舐めたら……ぁぅっ!! ぁ、はぁぁ……」
私の制止も聞かず、小日向は更に舌先で、私の先端をちろちろ刺激する。
「やぁ……ぁ……あぁ……っ、はぁ、ぁ、はぁん……っ」
時折強く吸い上げては、唇でぐにぐに揉みしだく動きも加え。
小日向は夢中になりながら、なおも執拗に私の乳首を攻め立てる。
「やだ……こ……こひなた……そんな、激し、すぎるっ……ぅ、あ、あぁっ!!」
口のついてない方の乳首は、乳房全体を覆うように、掌で広くまさぐる。
まるで乳房まるごと、小日向に包んでもらっているような感覚。
「あぁんっ……ぁあ……小日向……いい……とても……よすぎる……ぞぉ……っ!!!」
気持ちよさの奔流で、頭の一部が壊れてゆきそうな感覚。
私の全身は心地よさのあまりがくがく震え、私の秘所からは、
まるで粗相でもしてしまったかのようにぐちゅぐちゅと蜜が染み出してくる。
552式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(17/28):2006/09/02(土) 23:05:44 ID:yFDgWY7a0
「伊吹……もしかして、ここ……湿ってきた……?」
小日向はそんな私の秘所に手を忍ばせては、私の耳元で熱く囁く。
ま、まさか……も、漏らしてしまったと……勘違いされてしまったか……?
「うぐ……こ、子供扱いするでないぞ……これは、その……そういうものではなくて……」
「あ、いや……そんな風に思ってなんかないぞ……むしろ、その逆……かな……?」
小日向はそう言いながらも、私の秘裂を滑る指の動きを止めようとはしない。
「伊吹がこんなにも、感じやすい娘だったなんて……俺、すっげぇ嬉しい」
「はぅ……ぅ……あぁ……っ」
恥ずかしくて恥ずかしくて、頭の中が沸騰してしまいそうだ。
こんな……汚いところを……小日向の奴に……いいように……まさぐられておるなんて……
「あぁん、ぁ、ひゃあっ……や……は……ダメ……小日向……」
次第に、自分の意識が遠くなってゆくのを感じた。
世界の実感が薄れ、全てが、小日向で満たされてゆく……
「そろそろ……イキそう……なのか? 伊吹……」
「わ……わからぬ……で、でも……は、ゃ、はぁぁぁっ……」
全身が、ぴくりと跳ね上がるのを感じた。
息詰まりそうな快感の波に、私の腹が、足が、腕が……びくびくと激しく痙攣する。
「ぁ、や、あっ、あぁぁっ……私、イク……イッて……しまうぞぉ……っ!!!」
「伊吹……っ、はぁ……伊吹……!!」
小日向がとどめと言わんばかりに、乳首を吸う唇の動きに力を入れた。
全身がぐぐっと浮き上がってしまうほどの、強烈な刺激。
私は、その強烈な刺激に後押しされ……
553式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(18/28):2006/09/02(土) 23:08:30 ID:yFDgWY7a0
「ああぁっ、あ、ひゃああ……あっ、ああああああ……っっ!!!!」
私はそのまま、一気に絶頂を迎えていた。
全身が硬直し、呼吸することすらままならぬ程の、激しい痙攣。
その間も小日向はずっと、私の弱点を攻め続けるのを忘れない。
「あぁっ、ぁっ、あはぁっ……ぁ、はぁ……ぁあ……」
やがて絶頂の波が遠ざかり、私は力なく肩で息をする。
私の秘所は濃厚な蜜で潤い、全身からは暑さのあまり、じわりと汗が噴き出している。
「す……すごく……よかったぞ……小日向……」
「あぁ……伊吹こそ、すっげぇ……かわいかった」
小日向はにっこり笑うと、秘所に這わせていた指先をそっと退ける。
その瞬間。
「あ……ひゃあっ!!?」
小日向の指先が、おそらく私の一番弱いところをなぞってしまったのだろうか。
イッたばかりの私の体は、そんな微弱な刺激にも鋭敏に反応してしまい……
そして……
じゅわぁぁぁぁ……
「あ……あぁ……やだ……私……」
気づいた時には遅かった。
私の括約筋は力なくうなだれ、私の股間に、じわりと黒い染みを広げていってしまう。
「あ……伊吹……」
「み……見るな……見ないでくれ……小日向……///」
必死に止めようとするも、全身に思うように力が入らず……
結果……私は本物の赤ん坊のように、そこら一帯を生温い液で湿らせてゆく他なかった。
554式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(19/28):2006/09/02(土) 23:10:08 ID:yFDgWY7a0
「ん……ぐす……ぇぐ……っ」
股間を伝うあまりの気色悪さと、いい歳して粗相してしまったことへの羞恥に、ひたすら泣き咽ぶ私。
「あ……あんまり、気にすんなって……伊吹ι」
「だ……だが……こんなの……はしたのうて……私……」
「伊吹……」
小日向はそんな私を前に、にわかに考え込んでおったようだが。
「……それじゃ、伊吹のここ……俺がきれいにしてやらないとな」
「え……? あ……小日向……」
小日向はいたずらっぽく微笑むと、そっと私の服を脱がしにかかった。
そのまま私を下着一枚にすると、小日向はぐっと、私の両足を高く掲げてしまう。
「な……何をするつもりなのだ……小日向……」
「何って……お漏らししちゃったんだから……おしめ、交換しないとな。
 ついでに……おしっこで汚れちゃった伊吹のここも、俺が……」
「な……ざっ、戯言を申すな!! 私は……」
私の必死の反論も意に介さず、小日向は私の腰を浮かせ、私の下着をつつつっと器用に脱がしてゆく。
「すげぇ……もう、ぐしょぐしょだな……伊吹……」
「そ……そんなに……見ないでくれ……小日向……」
「こんなにいっぱい……漏らしちゃって……これは、きれいにするにも時間がかかるぞー」
そう言いながら、小日向は私の両足を大きく広げ、私の秘所をあらわにしてしまう。
「あ!! はぅぅっ……」
全身を襲うあまりの羞恥心に、私は思わず全身を縮こませた。
小日向とは、これまで何度か……体を重ねたことはあったが……
かようにまでそこをまじまじと見られるのは、さすがに初めてのことで……
555式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(20/28):2006/09/02(土) 23:13:07 ID:yFDgWY7a0
「すげ……綺麗だな、伊吹の……ここ……」
「うぅ……こ、小日向ぁ……///」
「綺麗なピンク色で……毛もホント、薄めだし……何度も俺とやってんのが、信じられねーくらい……」
「た……頼むから……もう、これ以上は……///」
いちいち私の恥ずかしい箇所を指摘しては、私に更なる羞恥を与えてゆく小日向。
あまりに恥ずかしくて……頭がぐるぐる回ってしまいそうだ。
「それじゃ、さっそく綺麗にしてやらなきゃな……んっ」
「!!! あ、はぅっ!!!」
小日向は私の股座に顔を入れたかと思うと、私のそこにそっと口づけてきた。
「ぁ……ゃ……ぁぅぅ……っ、や……やめて……小日向……」
そこはもう、私の汚い液でまみれておるというのに……
私の抵抗も意に介さず、小日向は更に、私の秘裂に舌を這わせてくる。
「そ……そんな……そこ、汚っ……ゃっ、あぁ……」
ぴちゃぴちゃと淫靡な水音を立てて、私のそこを愛撫する小日向。
気の狂いそうなほどの恥ずかしさと心地よさに、私はどんどん意識がかき乱されてゆく。
「伊吹のここ……ちょっと、しょっぱくて……何だか、いい匂いがする」
「こ、小日向……!?」
小日向の発言に、私は思わず面食らっていた。
まさか、小日向は……女性のそういったものの味と匂いが……好みと申すのか……?
「……今何か、妙な誤解しなかったか? 伊吹ι」
「ご、誤解と申すのは、その……」
「安心しろって。俺は伊吹の以外には興味ねーからさ」
そう言いながら、小日向はなおも私の秘裂を舌先でぺろぺろとなぞる。
「こんなかわいい伊吹に、ついてるものだからこそ……こんなに、愛しく思えるんだぞ? 俺は……」
「あぁっ、はっ、あぁん……こ、小日向……」
秘裂を指先で押し広げては、ざらつく舌先で中をぐぐっと押し分けてゆく小日向。
切ないほどに甘い快楽が、私のそこを絶え間なく襲ってゆく。
556式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(21/28):2006/09/02(土) 23:15:50 ID:yFDgWY7a0
「ひゃああ……っ、あぁっ、あぁ……き、気持ちよいぞ……小日向……」
徐々に恥ずかしさより、心地よさの方が勝ってきたのだろう。
絶え間なく襲う小日向の舌の感触に、我を忘れ喘ぐ私。
そんな私の様子を伺ってか、小日向は更に舌先で私の中をかき回し始めた。
舌のざらついた感触が私の襞をなぞる度、刺激の波がぞわぞわと私の全身を駆け巡ってゆく。
「あぁっ、あぁ、はぁぁ……小日向……ぁっ、ぁぁ……小日向……」
股間を際限なく襲う快感に、うわ言のように小日向の名を呼ぶ私。
次第に心地よさのあまり、頭がぽわーっと白くなってきて……
それと共に、私の中に、不安感にも似た感情が募ってゆくのがわかった。
「ぁはぁぁ、あっ、やぁ……やだ、小日向よ……ひとりに……ひとりに、しないでくれ……!!」
小日向にこうやって、ひとり絶頂に導かれるのも嫌いではないが。
それだとまるで……世界に私しかおらぬような気になって……すごく寂しくて……
どうせ逝くなら……小日向の腕の中で……いっしょに……昇り詰めたい……!!
「あぅ……い……逝くなら……小日向と、ふたりで……ぁっ、頼む……!!!」
「伊吹……あぁ、わかった」
そう言うと小日向は私の秘所から顔を遠ざけ、そのまま自らのズボンに手をかけた。
そのまま下着を下ろし……私の前に、期待に張り詰めたおのが逸物を晒す。
「あぁ……こ……こひなた……」
こんなに大きなものが……また、私の中に……
そう思うと、私のおなかが無意識のうちにきゅっと縮み上がるのがわかった。
「そんじゃ……痛かったら言えよ? 伊吹……」
「……あぁ……優しく……頼むぞ? 小日向……」
小日向は優しく微笑むと、そっとその先端部を私の秘裂にあてがった。
そのまま小日向のそこは、ほとんど抵抗ないまま、私の中へと飲み込まれてゆく。
557式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(22/28):2006/09/02(土) 23:17:11 ID:yFDgWY7a0
「あ……あっ、あぁっ……入って……おる……小日向の……」
おなかの中を圧迫する小日向の熱に、私は思わず身震いする。
小日向は更にゆっくりと腰を突き出し、じわじわとその場所を奥へとねじ込んで行った。
「はぁっ、ぁぁ、ぁ……小日向のが……いっぱい……」
「大丈夫か? 伊吹……」
「あ、あぁ……大丈夫だ……小日向……」
体格の差のせいか、小日向のそこを全て受け入れてやれぬのが少々悔しいが。
それでも……小日向の気持ちよさそうな表情を見るだけで、じんわり満たされてゆく私がいる。
「小日向……んく……いいぞ……そなたも……共に……気持ちよくなってくれ……」
「あぁ……それじゃ、遠慮なく」
そう言うと、小日向はゆっくりと股間のものを動かし始めた。
引き抜く度……私の襞が小日向の秘所に絡めとられ、すごく……気持ちがよい。
「小日向……あぁ、こひなた……はん、あぁん……」
私は涙目になりながら、小日向と結ばれた悦びに喘ぐ。
小日向は更にそこを私の奥深くに突き入れ、私の奥底をごりごり攻め始めた。
「あぁっ、ぁっ、あぁんっ!! は……激し……すぎるっ……あ、はぁぁっ!!!」
「伊吹……ここ、一番感じるもんな……ん、っく……」
「ああっ、はっ、あっ、ひゃああっ……いい……いいぞ……こひなた……!!!」
奥底をずんずん貫かれる感覚に、我を失い喘ぐ私。
膣壁は堪えかねたように絶えず収縮し、その度に私のそこは、小日向のそれをぐいぐい飲み込んでゆく。
「小日向……早く、欲しいのだ……あっ、そなたの……熱いものが……!!!」
「伊吹……っ、待ってろ……今……出してやる……からなっ……!!!」
私の期待に答えようと、必死になって私の膣内を攻める小日向。
「はぁぁっ、あっ、あうっ、あああぁっ……小日向……ぁっ、こひなたぁ……!!!」
「伊吹……っく、ぅぁ……っ、伊吹ぃ……っ!!!!」
気の遠くなるような感覚の中、私たちは互いを求め、名前を呼び合い……
558式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(23/28):2006/09/02(土) 23:19:10 ID:yFDgWY7a0
びゅくっ、びゅくっ……!!!
「あぁんっ、あっ、はぁあああぁぁ……っっ!!!!」
私たちはほぼ同時に、絶頂を迎えていた。
小日向のそこは絶頂の喜びに絶えず打ち震え、
私のそこは、吐き出される小日向の熱を絶えず飲み込み続ける。
どくっ、ぶちゅ、びゅるるるっ……
私の中では到底受け入れられない量の精液が、私の膣内から溢れ……
私のお尻の辺りに、熱い粘液の塊となって沈殿してゆく。
「あぁ……私の中……小日向ので……いっぱい……」
私は半ば陶酔したまま、中に吐き出される小日向の温かさに酔いしれていた。
「……伊吹……どうだった?」
額を汗で濡らしながら、小日向が私に問いかける。
「あ……あぁ……すごく……よかったぞ……小日向……」
「伊吹……」
私たちはそのまま寝床へと倒れ込み、絶頂後の余韻を楽しむべく、そっと口づけを交わしていた。
559式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(24/28):2006/09/02(土) 23:21:06 ID:yFDgWY7a0
「……あのな……小日向……」
「……何だ? 伊吹……」
ひととおりの後処理を終えた後、私は寝床の中で、そっと小日向に囁きかけていた。
「その……あんな身も世もなく求めてしまった身分で、こういうことを言うのも何だが……
 毎度毎度ああやって無神経に中に出すの、あまり褒められたものではないぞ」
「あ……ご……ごめん、伊吹ι」
「まぁ……私はよいのだがな?
 こうして続けておれば、そなたとの子を授かる日も、そう遠くはなかろうて」
「……」
おなかを擦りながらの私の発言に、半ば呆れたような表情を見せる小日向。
……何だ? こやつは……
よもやまさか……私が子を授かる様が、想像できぬとでも申すのか?
「……何か申したらどうだ? 小日向よ……」
「あ、いや……さっきまで伊吹のあんな格好見てたから……ちょっと、現実感湧かなくてさ」
「なっ……!!!」
そう言えば私は、先刻まであんな無様な姿を、小日向の奴に……!!!
「わ、忘れろ!!! 今日のことは即刻忘れるのだ!!!!」
「いや〜、あれはさすがに無理だな〜♪
 何しろアレは俺ん中で、ウサ耳巫女を越える強烈なヒットだったからな」
「い、いいから……そなたにあんな姿を見られたかと思うと、とても切なくなる……」
「何で?」
「そ、それは……その……」
小日向からのあまりに直球すぎる問いに、思わず口篭もる私。
560式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(25/28):2006/09/02(土) 23:22:01 ID:yFDgWY7a0
「いいんじゃないか? 伊吹の赤ちゃんコス、とってもかわいかったぞ。
 あんな格好が似合うのも、伊吹の立派な魅力だと思うけどな、俺」
「小日向……それは、まことか……?」
「あぁ……神坂さんや小雪さんあたりにやらせても……多分、あの味は出ないだろ。
 他でもない、伊吹が着るからこそ、あんなに……かわいく映るんじゃないか?」
「だが……それは……私に女としての魅力が欠けておるからであって……」
「逆に考えるんだよ、伊吹。
 自分には、他の人にできないこんな格好ができるんだぞー!! って」
「……」
小日向の言葉に、私はようやく自分の気持ちに思い当たった気がした。
思えば……私がこすぷれに抵抗を持っておったのは……
単に自分の格好が、周囲の目に奇異に映っておるのではないかと、恐れていたせいであって……
ああやって普段着ない衣装に袖を通すのは……その……むしろ好きな方であって……
「……なぁ……小日向よ……」
「? 何だ、伊吹」
「その……今度……共にぷりくらを撮りに行かぬか?
 そなたに見せたい格好が……まだまだ……いっぱいあるのだ……」
「何だ、そんなことか……いいぜ俺は。むしろ大歓迎!!」
「そうか……ふふ……また私に惚れ直しても知らぬぞ? 小日向……」
「あぁ……楽しみにしてるぜ、伊吹」
今度私は、どのような格好で小日向を惑わせてみようか……
私は笑顔もゆるみっ放しで、小日向とのデートのことをあれこれ想像していた。
561式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(26/28):2006/09/02(土) 23:23:10 ID:yFDgWY7a0
(エピローグ)

「な……な……なっ……」
「どうした小日向♪ そんなに驚いた顔をして」
目前に現れた伊吹の格好に、思わず面食らう俺。
伊吹の奴がとっておきの衣装を見せてやると言ってたから、少し楽しみに来てやったのだが……
そこに出てきたのは、俺の想像を遥か斜め上にかっ飛ばした格好で……
「お前……なっ、何て格好してんだーーーーーーー!!!!」
「何って……『ぼんてーじ』とか言う女性向けの皮製の衣装だ。
 この格好で体を鞭で打ってやれば、殿方は喜ぶのであろう? 小日向よ」
一体どこで覚えてきたんですか、そんな知識……
(つか……こ……これは……)
黒光りするその妖艶なレオタードと、伊吹の潔いまでのロリ体型が、見事なまでにミスマッチして……
あ、あかん……頭クラクラしてきた……
「と……とにかく……子供はそんな格好しちゃいけません!! ほら、行くぞ伊吹!!!」
「なっ……そなたまた、私のことを子供扱いして……」
「いいから来いって!! その格好は、さすがに俺の倫理的問題に関わる!!!」
そのまま無理矢理、伊吹を更衣室へ押し込もうとする俺だったが……
562式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(27/28):2006/09/02(土) 23:24:28 ID:yFDgWY7a0
「……小日向くん……?」
「どきぃっ!!!!」
後ろから急に聞こえたその声に、思わず跳ね上がる俺。
ま……まさか……今の声は……
「!!!!!」
そこには……今まさに声をかけられた神坂さんだけじゃなくて……
準に……ハチに……おまけに柊のヤツまで……
「うんうん、わかるぞ雄真……
 伊吹ちゃんみたいなちみっちゃい娘にいじめられたいというお前の気持ち」
「お……お前といっしょにするなハチ!!! これはだな」
「とか何とか言って、ホントは心の中でこういうの妄想してたくせに♪
 大丈夫よ雄真……雄真がどんなことを好きでも、それで雄真への気持ちが揺らぐことはないから」
「ぐっ……ば、馬鹿にしやがってこのオカマ……」
「これは本格的に接し方を考えなきゃいけないわね……
 雄真がまさか、そんな変態嗜好の持ち主だったなんて」
「こ……小日向くんも、人前ではほどほどにね……///」
「だ、だから……違うんだって〜〜〜〜〜!!!!」
俺はそれから小一時間かけて、神坂さん達の誤解を解く羽目に遭うのだった。
563式守伊吹の災難〜コスプレ編〜(28/28):2006/09/02(土) 23:25:49 ID:yFDgWY7a0
「ふぅ……今日は楽しかったぞ、小日向」
「あぁ……よかったな、伊吹」
夕暮れ時の公園を、ふたり歩く俺たち。
ちょっと前までは、ふたりでちょっと遊びに行くことすら、いっぱいいっぱいだったのに……
伊吹のヤツ、いつの間にか普通にデート楽しんじゃってるよな……
「……変わったよな、お前も」
「そなたが変えたのだ……そなたが私に、普通の女の子としての喜びを教えてくれたから……」
「それを言うなら、すももの方が俺より頑張ってるんじゃねーか?
 プリクラ遊びだって、すももが教えてくれなきゃ、きっと一生出会えなかっただろうし」
「それとこれとは別だ! そなたはそなたで……いろいろ……教えてくれておる……だから……」
「伊吹……」
夕日に映える伊吹の唇に、そっと口づける。
俺の伊吹への精一杯の気持ちを、伊吹に伝えるために。
「……ずっとこうやって、そなたと共におれたらよいのにな……」
「ずっといるさ……お前が、俺のことを好きでいてくれる限り」
「……あぁ……ずっと……一緒だ……小日向」
……本当は、ずっと気づいていた。
伊吹の耳に輝く、一粒のイヤリング。
この前のデートの時、俺が伊吹に買ってあげたとっておきの品だ。
(伊吹……)
俺の前で、どんどん女性としての美しさを磨いてゆく伊吹。
このまま時が経てば、彼女はどこまで魅力的な女性に育ってゆくのだろうか……
そんな伊吹のことが、とても羨ましく……そして、とてもこそばゆい。
「さて、今度の逢瀬はいつにしようか? そなたにはまだ、見せたい衣装がいっぱいあるのだ!」
「はは……今度はさすがに、ボンテージは勘弁な?」
「わかっておる……見ておれ! この次こそ、とっておきの衣装でそなたを悩殺してくれるわ!」
他愛もない会話を繰り広げながら、俺たちは一路、帰宅の途につくのだった。

(Ending Theme:佐藤ひろ美「with you...」)
564温泉の人:2006/09/02(土) 23:27:17 ID:yFDgWY7a0
>>536-563
とまぁ、こんな感じ。
前々から伊吹のSSは書きたいなぁって思ってたんで、まぁ念願叶ったかなって感じ。

つか今作、春姫さんの壊れ方が激しすぎ・・・w
イチゴパフェに買収されかかるわ、巨大イチゴとタマちゃんを間違うわ、伊吹のコスプレ姿妄想して壊れるわ・・・
個人的にはぴりらで一番株上がったキャラかも知れんw

次回はそんな春姫のえっちなお話でもひとつ。
ではではノシ
565名無しさん@初回限定:2006/09/03(日) 12:40:16 ID:3izXkzYa0
>>535
まだ読んでないけど先行GJ!!1
566名無しさん@初回限定:2006/09/04(月) 00:38:27 ID:nu7uYHom0
>>564

GJですよー!毎回読ませて頂いていますが、凄いですね!
春姫SSを書いている途中なんですが、温泉さんのを読んだ後だと自分のレベルの低さが嫌になりますねorz

そのうち投稿すると思いますが、皆様生暖かい目で見守ってやって下さい。
567名無しさん@初回限定:2006/09/08(金) 00:02:04 ID:0eMgwUXk0
566に期待GJ!!
568温泉の人:2006/09/09(土) 22:43:09 ID:JATweDIu0
前回予告してたとおり、春姫のえっちなお話いきます。

はぴりら春姫ルートで、思わずひとりでしてることを独白しちゃった春姫。
今回は、そんな春姫の淫らな私「性」活を、ソプラノ視点で覗いちゃいましょう。
・・・とか言ってますが、何気に温泉の話以前から温めてた話だったりw

ではでは。
「はぴねす!」本編より「春姫、ひとりの私「性」活。」
569春姫、ひとりの私「性」活。(1/10):2006/09/09(土) 22:44:26 ID:JATweDIu0
4月16日 日曜日:夜 春姫自室

カチャッ……
「ふぅ……ただいまー」
春姫が、ようやく雄真様とのデートから帰ってきたようです。
春姫のことですから、このまま雄真様と一晩添い遂げることがあっても
おかしくないと思っておりましたが……
どうやら、私の気の回しすぎだったようですね。
「……うふふっ」
……おや?
春姫が、何やら小さなものを大事そうに手にかかえているようですが……
まさかこの私……マジックワンドのソプラノよりも大事なものを、
その手に持ち帰ったという訳ではありませんよね?
「……雄真くんからの、初めてのプレゼント」
どうやらそれは……白いふくろうの置物のようですね。
恋に恋する年頃の少女に、このようなかわいらしい贈り物をするとは……
なかなか雄真様も、隅に置けない方のようです。
570春姫、ひとりの私「性」活。(2/10):2006/09/09(土) 22:45:18 ID:JATweDIu0
「お前の名前……何にしよっか……?」
楽しそうに鼻歌など流しながら、その置物の名前などを考えている春姫。
いつもなら、帰ってくれば真っ先に、この私に挨拶してくれるのですが……
……何だか見てて、少しだけ妬ましい気分になってしまいます。
……でも。
「……よし、決めた! お前の名前はね……ゆう君!
 雄真くんの名前からとって、ゆう君だよ!
 うふふっ、ゆう君……これからも、ずっとよろしくねっ♪」
春姫はそう言うと、まるで買ってきたばかりのペットにそうするかのように、
その置物に軽くキスしました。
「ゆう君、ゆう君……♪」
ベッドに横たわりながら、本当に嬉しそうにその置物を愛でる春姫。
まぁ、無理もありませんか……
あの時……雄真様と初めてお会いしたその日から、
春姫は雄真様のことをそれはそれは慕っておりましたから。
その雄真様からの贈り物とあれば、たとえ春姫でなくとも、あんな風になってしまうのは当然のこと。
ふふ……春姫のこんな表情をクラスの皆さんが知ったら、いったいどんな顔をされるんでしょうね……
571春姫、ひとりの私「性」活。(3/10):2006/09/09(土) 22:49:48 ID:JATweDIu0
「……ゆう君……」
ふと春姫は、物憂げな表情で、そのゆう君とやらに話しかけだしました。
「……私、雄真くんのこと、どう思ってるのかな……?」
新学期に入ってから、春姫の中に確実に育ちつつある、ひとつの想い。
その想いは、杖である私の心にも、切ないくらいひしひしと伝わってきます。
「雄真くん……とっても男っぽくて……私……びっくりしちゃった……
 準さんや高溝くんといっしょにいる時は、あんなに無邪気でかわいいのに……
 側にいると……思ったより背が高くて……とても熱っぽくて……大人の男の人の匂いがして……
 あの時の、私を助けてくれた男の子とは、全然……違うの」
一人の少女が初めて出会う、大人のときめき。
今まで私にも見せなかった、春姫の悩める表情に、私も少し、どきどきさせられてしまいます。
「でも……、笑った時の顔とか、とっても愛らしくて、優しくって……
 その微笑みを見てるだけで……とても安心できる自分がいるんだ」
雄真様に対する秘めた想いを、訥々とゆう君に打ち明ける春姫。
……その想いを、恋だと割り切ってしまえれば、どんなにか気が楽になることでしょう。
しかし……彼女には、どうしてもそうと割り切れないひとつの理由があって……
「私は一体……雄真くんのこと……どうしたいんだろ……
 あの時の男の子とは、全然違う……そう、頭では割り切ってるはずなのに……」
彼女の胸を締め付ける、ひとつの想い。
春姫が、魔法を真剣に目指すきっかけとなった、大切な男の子の想い出。
その男の子への想いと、雄真様への抑えきれぬ想いとが、心の中でぶつかり合って……
春姫の中に、強烈な葛藤を生み出しているのは、間違いありませんでした。
572春姫、ひとりの私「性」活。(4/10):2006/09/09(土) 22:50:26 ID:JATweDIu0
「……はぁ……どうしたらいいんだろ……ゆう君……」
ゆう君を胸に抱いたまま、ひときわ大きくため息をつく春姫。
……どうでもいいですけど、春姫……
先ほどから、その人形にばかりやたら話しかけまくってますけど、
何かひとつ、お忘れではありませんか……?
「……ねぇ、ゆう君……」
あくまで無視を貫きますか……えぇ。そっちがその気でしたら……
「……わがままかな……私、雄真くんに……ずっと触れていてほしいの……」
……おや?
「でも……雄真くんは今、ここにはいないから……」
……ちょっと、春姫……?
「だから……ゆう君。今日だけは……私の雄真くんでいて……」
……まさか、そんな硬い置物で、ねぇ……
「ね、ゆう君……んっ……」
どきどきと震える手で、ゆう君をそーっと、自らの秘密の場所へと誘う春姫。
……私の嫌な予感は、どうやら的中してしまったようです。
「ん……あ……んふっ……」
ゆう君を下着ごしにぐいぐいと、自らの股間に押し付ける春姫。
ゆう君の嘴がそこに当たるたびに、春姫は顔を紅潮させ、呻き声を上げます。
「……あ……ふ……あ、やぁぁ……っ、ぁ……はふ……んんっ……」
秘裂に当たるゆう君の感触に、身悶えしながら、なおも執拗に快感を貪り続ける春姫。
あぁ……瑞穂坂始まって以来の才媛と呼ばれた女が……こんな……はしたない……
573春姫、ひとりの私「性」活。(5/10):2006/09/09(土) 22:51:29 ID:JATweDIu0
「あふ……ゅ……ゆぅ……くぅん……」
春姫はうっすら涙を滲ませながら、そこにはいないはずの男の名前を呼びます。
まるで……愛する男の人から、直に愛でられているかのように。
……どうでもいいですが、一応……私もこの部屋にいるんですが……
「……ん……ねぇ……ゆう君……
 そんな……下着ごしじゃ……物足りないよぉっ」
はいはい独り言独り言。
勝手にパンツ脱ぐなり、何なりなさって下さい、春姫……
「あ、やだ……そんなとこ……見ないで……あ、はぅっ、やぁぁっ」
……私が指摘するまでもなく脱いでましたね、春姫。
あなたの行為を一言一言指摘できてしまう自分が、少し憎らしくなってきました。
そんな私の心境も意に介さず、春姫はゆう君を自らの一番敏感な場所にあてがいます。
「や、だめ、そこは……」
だめなら当てなければよいではありませんか、融通の利かない奴……
……私、今何か失言致しましたか?
「あ、ひゃあ、はぅっ、うぅぅっ……あっ、はぁぁっ……」
ゆう君のがそこに当たるたび、春姫の真っ赤に充血した肉芽が、ひくひくと震えるのがわかります。
……できれば生涯、わかりたくなんてありませんでしたが……(泣)
「はっ、ぁぅ……ゆう君……
 ゆう君の、これ……欲しいの……ね、早く……ちょうだい……」
そうですか。春姫はその小動物の小さなおち○ぽが欲しいとおっしゃるのですね。
雄真様のアレも、それくらいちっちゃくてかわいらしかったらいいですね。
574春姫、ひとりの私「性」活。(6/10):2006/09/09(土) 22:54:31 ID:JATweDIu0
「ゆう君……あっ!! あぁぁぁっ!!!!
 ゆう君の……おっきなの……入ってる……入ってるのぉ……っ」
……
まさかゆう君の頭でまるごとヘッドファックとは、姉さん一本とられちゃいました。
というか、そんなにぐいぐい押しつけて、春姫の純潔の証ははたして大丈夫なのでしょうか?
春姫の異常と思えるほどの乱れっぷりに、見てるだけのこっちが、逆に不安になってゆきます。
「あぁぁぁっ、やっ、だめぇぇぇっ!!
 ゆう君……ゆう君……ゆぅ……くぅん……!!」
数十分前とゆう君ゆう君の意味合いが変わっちゃってることについて、私はもう何も言いません。
「はぅぅぅっ、やぁっ、あっ、はぁぁっ……
 あはぁぁっ、やっ、あぁああぁぁぁぁぁっ!!!!」
絶叫と共に、ゆう君をあてがった春姫の蜜壷から、淫靡な液が一気にほとばしります。
どうやら春姫が、絶頂に達したようです。
「っはぁ……はぁ……ゆぅ……君……
 クス……ゆう君……大好き……」
無残に愛液まみれになってしまったそれを胸に抱きかかえながら、本当に幸せそうな顔で呟く春姫。
そして……そのまま……
「……すぅ……すぅ……」
……眠りについたようです。
きっと夢の中でも、雄真様の広い胸の中に抱かれている最中なのでしょう。
時折漏れてくる「雄真くん……」の寝言さえ聞けば、
杖である私にだって、そのくらいのことは悟れます。
575春姫、ひとりの私「性」活。(7/10):2006/09/09(土) 22:55:02 ID:JATweDIu0

………………

で、春姫……
確かあなたには、毎日日課としてやってたことがありましたよね……

いつか気づいてくれるだろうと思いながら、私、このかた1時間以上は待っていたんです。
春姫がバカみたいに嬌声を上げながら、そのゆう君とやらと大人の戯れに興じていた、
その間中ずっと……ね。

………………


「私の手入れは、いつして頂けるんでしょうか!?」

576春姫、ひとりの私「性」活。(8/10):2006/09/09(土) 22:56:35 ID:JATweDIu0
4月21日 金曜日:夜 春姫自室

「……あの時は、ホントにゴメンね。ソプラノ」
「いいえ。もう今更のことじゃない」
やわらかな不繊布に心地よく全身を撫でられながら、春姫の言葉にそっと受け答える私。
……多分、気のせいではないでしょう。
私の体を撫でる春姫の手つきは、心なしかとても優しく感じられて……
「……今日は随分と、気持ちが入ってるのね。春姫」
「そ、そうかな? 私は普通にやってるつもりなんだけど……」
軽く微笑みながら、そっと春姫をからかってみる私。
「……まるで、あの方とようやく結ばれた喜びが、直に伝わってくるみたい」
「ちょ、ちょっとソプラノ!? な、何言ってるの……?」
「フフ……可愛いわね春姫。その表情、是非雄真様にも見せてさしあげたいわ♪」
「んもぉ……ソプラノまで……変なコト言わないでよぉ……///」
私の手入れをする手も止め、顔を真っ赤にしながらうつむく春姫。
……本当は、すごく嬉しいのですよ。春姫。
私がマジックワンドとしてこの世に生を受けてからずっと、私はあなたの事を見てきました。
来る日も来る日も飽きる事なく、魔法の修練に明け暮れていたあなた。
優等生として他人からいかなるレッテルを貼られようと、ただ懸命に夢を追い続けたあなた……
そうまでして追い続けたあなたの夢が、ようやく叶ったのですから。
マジックワンドとして、これ以上の幸せは到底思いつきません。
577春姫、ひとりの私「性」活。(9/10):2006/09/09(土) 22:59:54 ID:JATweDIu0
「……ねぇ……ソプラノ……」
「?」
「覚えてる? 私たちが、初めて出会った時のこと……」
「……」
私はそっと押し黙り、春姫の言葉に静かに耳を傾けます。
「あの時のソプラノ……今よりもずっと冷たくて、素っ気なくて……
 こんな杖と、ホントにうまくやってけるのかなぁって、ちょっと不安になったっけ」
「……」
春姫と初めて出会ったときの事を思い、私は少しだけ、照れ臭い想いに駆られます。
「だけど……ホントはソプラノも、私のこと……ずっと見守っててくれたんだよね……」
「春姫……」
なおも胸を押さえ、切々とおのが想いを語ってゆく春姫。
「ずっと……ずっと追いかけてた。あの人のことを……
 周りに反対されても、お母さんたちに心配かけても、ずっとその人のことばかり、追いかけてて……
 いつの間にか、周りから真面目だ、優等生だって囃し立てられるようになっても……
 それでもなお、歩み続ける以外の道を、私は知らなくて……」
「……」
「そんな折に……雄真くんが、私の目の前に現れて……
 雄真くんが、あの時の男の子なんだって、初めて知って……
 すごく……すごく苦しかった。
 私の想いを、どこに向ければいいのか、全然……わかんなくなっちゃって……」
「……」
「だけど……あの時の痛みも、苦しみも……全部、この日のためにあったんだね……」
「春姫……」
本当に……本当に、長い時間でした。
側で見ているだけの私までもが、思わず見ていられなくなるほどの、切ないまでに長い時……
「ソプラノ……今私、すごく幸せなんだ……
 雄真くんのことを想うだけで……体中、幸せな気分に染まってゆくの……」
「春姫……」
578春姫、ひとりの私「性」活。(10/10):2006/09/09(土) 23:01:07 ID:JATweDIu0
私はこみ上げる思いを胸に、そっと春姫に声をかけていました。
「本当に……よかったわね……春姫」
「うん……本当に……ありがとう、ソプラノ……」
ようやく訪れた幸せの時を、互いに噛みしめるように。
私たちは静かに、その身を寄せ合うのでした。
「さて、そろそろ寝なきゃ……また明日ね、ソプラノ」
「えぇ。おやすみ、春姫」
春姫は私を戸棚に立てかけると、そっと照明を落としました。
そのまま春姫は、ベッドの中にそっと身を横たえ……
「……」
何やらそのまま、押し黙ってしまう春姫。
……何だか、少し様子がおかしいようですが……
「……まだ、残ってる……雄真くんの感触……」
何やらぐっと身をかがめ、その時の余韻を思い出しているようですが……
……何だか私、またしても嫌な予感がして参りました……
「……ホントに私、雄真くんと……しちゃったんだ……」
そのまま指を股間に導き、熱く火照る秘丘をくにくにを押さえつけ……
「んっ、ん……ゆぅま……くん……っ、ん……ふぁっ……」
やっぱり、今日も始めちゃうんですね……春姫……ι
(……まぁ、今日のところは大目に見てさしあげますか)
大好きな人にいつまでも抱かれていたいと願うその気持ち、私もわからなくはありませんから。

(でも……私もここにいるってこと、たまにでいいですから、思い出して下さいね……)

私は溜め息をつきながら、これから幾度も聞かされることになるであろう春姫の喘ぎ声に、
少しだけ頭を抱える羽目に遭うのでした。

(終わっちゃいます)
579温泉の人:2006/09/09(土) 23:03:15 ID:JATweDIu0
>>569-578
とまぁ、こんな感じ。
・・・春姫との初デートの時、ソプラノいっしょにいたっけ? 覚えてない・・・;

しかし書いてみて思ったけど・・・
あんなかわいい春姫にここまで想われてるなんて、羨ましいぞ!!UMA!!!w

それにしても、大好きなあの人を想い一人で・・・ってのも、なかなかいいもんですねぇ。
それではノシ
580名無しさん@初回限定:2006/09/10(日) 08:17:25 ID:QXRfzB3Y0
>温泉の人

 GJ!!

日曜日がそれじゃあ、翌日ソプラノにごちられるわなぁwwwww

581名無しさん@初回限定:2006/09/10(日) 10:19:27 ID:N830AanXO
>温泉の人
GJ!!
ワンドの中々切実なSSでしたね。
バカップルの甘甘というより、雄真にベタ惚れの春姫のデレデレを楽しめました。
特にあのデートの時には既に春姫は雄真のことが好きだったっていう設定が良かったです。
ところで・・・春姫の初自慰は一体いつなんでしょうね?

自分もはぴねす!のSS書いてますが、久々に他の人のを読めて楽しめました!
ただ・・・少し読点が多い様な部分もありました。

次回作にも期待してます。
582名無しさん@初回限定:2006/09/27(水) 23:56:58 ID:YFsS6R8t0 BE:240716939-2BP(256)
まぁ、気になったので保守。…420kBいってますが……
583名無しさん@初回限定:2006/10/06(金) 20:28:49 ID:Zvw4kYUT0
保守
584名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 16:45:43 ID:N99mnWxD0
kasoltuteruna
585名無しさん@初回限定:2006/10/17(火) 22:59:35 ID:EWGV9vgL0
3回目の定期保守。
>584さんへ、ココの過疎は何時もの事。
586名無しさん@初回限定:2006/10/24(火) 13:39:43 ID:/gi3XZjH0
 皆様のSSに惹かれて思わず書いてしまいました。
 新参者の拙い文ではありますが、どうか御笑覧下さい。
587はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 13:40:30 ID:/gi3XZjH0
 かくして『式守の秘宝』は再び封印された。
 伊吹も助かり、物語はハッピーエンドで幕を閉じたのだ。

 が、幕が閉じたのはこの一連の事件に関する話だけだ。
 彼等彼女等の物語は、まだまだ続く。




 さて、本編の主人公であり一応このSSの主人公でもある小日向雄真は、実母である鈴莉から自分が膨大な魔力を秘めていることを改めて教えられ、今後魔法を学ぶため魔法科に転科するかどうかの選択を迫られた。

 ……とういか、転科を強制されていた。

「今回のことで、魔力が活性化しちゃったのよ」

 秘宝を鎮めるため、そして伊吹を助けるために雄真の魔力は大回転を行い、どうやらすっかり『お目覚めになられた』らしい。

「まあ並の魔法使いの十人や二十人、軽く干からびる位の魔力を放出したのだから、当たり前と言えば当たり前よね?」

 ――などと、とんでもないことを口走る鈴莉。

「……御薙先生」

 そのトンでも無いお言葉に、一堂真っ青だ。
 が、鈴莉は平然と返す。

「大丈夫よ、この程度。何しろ雄真くんは私の息子!
 その証拠にこうしてピンピンしているでしょう?」
588はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 13:41:29 ID:/gi3XZjH0
 ……何気に親馬鹿な言葉だが、流石に皆苦笑しか出来ない。

 兎に角そういう訳で雄真の魔力が活性化してしまった為、ちゃんとした制御法を学ばないと危なっかしくてしょうがない――安全装置の無い爆弾の様なもの――らしい。

「制御具では駄目なのですか?」

「『無いよりはマシ』程度ね。暴走を抑えられない制御具なんて、意味無いでしょう?
 まあ暴走以前に、一寸興奮しただけで『すぐ限界』でしょうけどね?」

 春姫の言葉に、鈴莉は溜息を吐きつつ答える。

「そんなに凄いのですか? 雄真の魔力って?」

 『制御具も役に立たない程の魔力』と聞き、杏璃が身を乗り出す。

「凄いというより『凄まじい』と言った方が正確ね。
 秘宝を鎮めた時でさえ、無理矢理起こして寝ぼけてた様な状態よ。
 これで本調子になれば……」

 想像もつかない、と首を振る鈴莉。

 この女傑をして、ここまで言わせるとは。
 雄真の魔力、恐るべし。

「……お前、本当に人間か?」

「うるせー」

 ハチが呆れた様な突っ込みに、雄真は憮然と返す。
 流石に化け物扱いは面白くないのだ。
589はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 13:50:58 ID:/gi3XZjH0
「まあ、私が雄真くんの魔力を抑えておくから、制御具をつければ取り合えずは大丈夫。
 あっ、制御具は寝る時もちゃんと付けなさいよ?」

 雄真くん自身は本能的に防御するだろうから大丈夫だけど、部屋は崩壊するわよ?――と脅す。
 そのあんまりの言葉に、雄真は思わず一番望んでいたことを口走った。

「封印はしてくれないのですか?」

「あのねえ、生物の魔力――それも活性化状態の魔力――を永久封印するのはとても難しいことなの。
 ましてや雄真くん程の魔力を永久封印なんて、事実上不可能よ。
 雄真くんも『ある日突然封印が解けちゃいました』なんて嫌でしょう?」

 生物の魔力波長は常に変化する。波長の方向性も大小も、全て。
 そこに法則性は見られない。
 (一寸した体調や感情の変化にも左右されるからであろう、とは言われているが正確な所は不明である)
 故に、単調な波長である無生物の魔力に比べ、封印が著しく困難なのだ。
 それでもある程度までの魔力ならば力づくでどうにかなるのだが、それ以上は……

「それこそ、その生物の生命活動を完全に停止させるしかないわね」

 真顔で言う鈴莉に、一堂はようやく事態の深刻さを飲み込んだ。
 (今までは、どこか冗談めいた雰囲気があったのだ)


 ……雄真は、黙って俯いていた。一人激しく葛藤していたのだ。
590はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 13:52:18 ID:/gi3XZjH0
 『部屋が崩壊する』程の被害が出るということは、自分の近くにいた者も巻き込まれる筈だ。

 ――自分の魔力が、他人を傷つけるかもしれない。いや、その可能性が高い。

 その未来予想は、雄真の胸を激しく打った。
 自分は、あの時以上の間違いを起こすかも知れないのだ。
 
 ――俺は、また逃げ様としたのか? あの時と同じ選択しか出来ないのか?

 愕然とする。自分は、そんなにも臆病な人間だったのか。
 が、臆病だろうがなんだろうが、もう逃げられない。
 こうなった以上、正面から見据え、取り組まなければならないのだ。

 何より、自分の過去を克服するために。二度と同じ過ちを繰り返さないために。

 そう。だからこそ自分自身で魔力を制御出来る様にならないといけない。
 
「御薙先生! 俺、魔法科に転科します! 見事魔力を制御して見せます!」

「そう! 嬉しいわ! ……じゃあ、ここにサインを御願いね。
 後の手続きは、『親として』私が全部やっておくから♪」
 
 今までの真剣さは何処へやら、鈴莉は雄真にサインをさせると『気が変わらない内に』とばかりに学園へと向かう。

「鈴莉ちゃ〜ん! 待ちなさ〜い! 雄真くんの親はあたしよ〜!!」

 鈴莉の『親として』発言に反応し、叫びながら鈴莉を必死に追いかける音羽。
 ……他の者は鈴莉の余りの豹変振りに、ただただ呆気にとられることしか出来ないでいた。
591はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 13:53:28 ID:/gi3XZjH0
「……今までの御薙先生の言葉、もしかして嘘じゃあ?」

 だとしたら、俺の決意は一体?

 額に汗を浮かべつつ、雄真はそれだけの言葉をやっとの思いで口にする。

「う〜ん。嘘……じゃあ無いとは思うけど、少し大袈裟なお話だったのかもね。
 でも嬉しいな、雄真くんと一緒になれて」

 あの時の返事、待ってるからね――と春姫。
 ……何故だろう。あの時、返事を伸ばして貰って正解だった様な気がするのは?

「ふんっ! あんたもあたしのライバルに認定してあげるわ! 光栄に思いなさい!」

 一応歓迎してくれているのだろうか? 杏璃の言葉だ。

「小日向雄真、貴様は私が認めた男だ。下手な成績を出そうものなら……覚悟しろよ?」

 ……伊吹、脅すのは無しにしようぜ?

「兄さん、酷いですよ〜 せっかく一緒の校舎になれたのに、伊吹ちゃんと一緒に行っちゃうなんて〜」

 すももよ、いい加減少しは兄離れしなさい。兄はお前の将来が少し心配だぞ?

「ふふふ。雄真さん、不幸そうですね? 占って差し上げましょうか?」

 ……小雪さん。勘弁してください、マジで。
 最近、小雪さんの占いは『不幸を占う』と言うよりも、『不幸を呼び寄せる(増やす)』一種の呪いの様に思えてならないです。
 主に、俺限定の。
592はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 14:09:45 ID:/gi3XZjH0
「これも何かの縁。小日向殿、宜しくお頼み申す」

「小日向様、これからも宜しく御願い致します」

 有難う。なんか一番下心が無さそうな二人の言葉が、一番嬉しいよ。

「酷いわ、雄真! あたしを捨てて魔法科の子達を取るのね!?」

「畜生! 羨ましいぞ〜!!」

 半泣きの準と血の涙を流すハチ。
 あ〜、勘弁してくれよ。本当。

 まあそんな訳で……
 こうして俺は普通科から魔法科へと転科し、魔法使いへの道を歩み始めたのだ。




 ――新学期。

 俺は、魔法科へと転科した。
 春姫や杏璃、沙耶や信哉達と共に、新たな学園生活を送るために。
 新たな一歩の始まりだ。

 ……が

「あのう〜御薙先生? 何故俺は『中等部』にいるのでしょうか?」

「あら? だって魔法科に転科するんでしょう?」

 俺の心からの疑問に、御薙先生は不思議そうに問い返した。
593はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 14:11:48 ID:/gi3XZjH0
「俺、高等部の二年ですよ?」

 ……何故だろう。激しく嫌な予感がするのは。

 必死に嫌な予感を押さえつけ、一縷の望みをかけて主張してみる。

「……だって雄真くん、『魔法の単位を全然持って無い』じゃない」

「やっぱり〜!?」

 嫌な予感、的中。

 本来、この世界では初等部と中等部は義務教育であり、科が分かれるのは高等部に入ってからのこと。それまでは皆共通の課程をこなすのだ。
 ……魔法科を除いて。

 魔法科とは、特殊な才能と特殊な教育法を必要とする科だ。
 故に、初等部の内から教育していく必要がある。
 通常の義務教育に加え、魔法学というトンでもなく膨大な教育課程をこなさねばならないのだ。
 無論、高等部に入ってからも同様である。
 普通科と同等の教育課程――でなければ普通科と一緒に授業を受ける筈も無い――に加え、主要教科数個分のボリュームがある各種魔法学までこなす彼女等は、間違いなく『エリート』であった。

 この話を聞き、雄真は真っ青だ。
594はぴねす!SS『世の中そんなに甘くない』:2006/10/24(火) 14:13:53 ID:/gi3XZjH0
「聞いて無いですよ!?」

「だって聞かれて無いもの」

「クーリングオフを要求します!」

 俺の決意は儚く砕けた。そりゃあもう、呆気なく。

「……雄真くん? 初等部から始める?」

「……不肖、小日向雄真。中等部魔法科で粉骨砕身頑張らせて頂きます」

 ランドセルを背負った自分を想像し、俺は無条件降伏した。
 だって……なあ?

「がんばってね♪」

 御薙先生は、そりゃあもういい笑顔で笑った。


 こうして俺は普通科から魔法科へと転科し、魔法使いへの道を歩み始めた。
 ……瑞穂坂学園高等部普通科二年から、中等部魔法科一年として。

 どちくしょう!!





 終了です。
 俺設定、俺流解釈が多数散りばめられておりますが、どうか御容赦を。
595温泉の人:2006/10/24(火) 19:53:52 ID:K5fc1R070
確かはぴりらじゃUMAは普通に春姫たちと同じ教室で魔法勉強してた気が・・・
なーんて、野暮な突っ込みはなしにして。

ともあれ、久しぶりに他の方のSS読めて満足。
お疲れ様です!
596名無しさん@初回限定:2006/10/24(火) 21:31:22 ID:Q5caYJvT0
         / ̄ ̄ ̄フ\               _       ノ^)
       // ̄フ /   \            .//\     ./ /
      //  ∠/  ___\___  __//   \   / (___
    // ̄ ̄ ̄フ /_ .//_  //_  /      \./ (_(__)
   // ̄フ / ̄////////////         |  (_(__)
 /∠_/./ ./∠///∠///∠//      ∧ ∧ /) (_(__)
∠___,,,__/ .∠__/∠__/∠__/       (´ー` ( ( (_(___)
\    \ \/ ̄ ̄ ̄フ\ \ \_ \  _   /⌒ `´  人___ソ
  \    \ \フ / ̄\ \ .//\  //\ / 人 l  彡ノ     \
   \ _  \//___\/∠_  //   < Y ヽ ヽ (.       \
    //\///_  //_  ///     人├'"    ヽ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
   //  //.////////∠/      ヽ-i ヽ__  ヽ
 /∠_//./∠///∠// .\\       `リノ ヽ |\  ヽ
∠____/.∠__/∠__/∠フ\.\\      c;_,;....ノ ヾノヽ__ノ
597名無しさん@初回限定:2006/10/24(火) 23:03:08 ID:qhNiXPe00
157 :夢見る名無しさん :2006/07/10(月) 22:53:34 O
時々目にする「竹石圭佑」という奴をまとめてみました…

@両親が在日(中国人)。名古屋在中?
A顔が出目金or宇宙人そっくり。
B新成人だが、知能が小学生程度(理由は下記の事項より)。
C「自分より力の弱い」女子生徒や女子教師をイジメの格好の的としていた。
D意中の女子には例外なく「ちょっかい」を出して気を引こうとしていた。
E万引きで数回捕まり、長期停学を検討していた(らしい)校長や他職員に大声で泣きながら謝罪。廊下まで泣き声が響いたらしい。
F自分は一般人とは違うと思っており、異常なほどの目立ちたがり屋で注目される為なら何でもする。
Gあまりにも女子に相手にされないことから気が触れ(?)、後輩や仲の良い男子生徒にも手を出す。噂だが注意が必要。
…ちなみにこれらは竹石圭佑の一部にすぎないらしく、
詳しく知りたいならば本人に直接聞くのが一番手っ取り早いそうです。

598名無しさん@初回限定:2006/10/27(金) 02:38:16 ID:JtnKN8Dk0
甘くないの人のサイトに行こうと思ったらサーバーメンテナンスで行けねー
599はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:31:30 ID:jhNvT+Gz0
続編書いてみました。
600はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:32:30 ID:jhNvT+Gz0
「ふんふんふ〜ん、ふんふんふ〜ん♪」

 魔法科校舎の廊下に陽気な鼻歌が響く。

 余程機嫌が良いのであろう。
 その鼻歌を奏でる人物は周囲の目もものとせず、わが道を行く。

 そんな様子を周囲の者達は――
 ある者は我が目を疑い、
 ある者は我が耳を疑い、
 またある者など、『自分の脳に何か深刻な問題でもあるのではないか?』と懸念する有様だ。

 鼻歌だけで周囲を混乱させる程の人物、それが御薙鈴莉という存在なのだろう。

 が、そんな他人の様子など知ったことじゃあない。
 現在『幸せいっぱい夢いっぱい』状態の彼女は、普段のポーカーフェイスをかなぐり捨てて鼻歌を歌い続けている。


 ……しかし何故、彼女はこうも浮かれているのだろう?

 答えは簡単。『最愛の息子と再会出来た上、息子が魔法の道に復帰した』からだ。
 それは何よりも彼女が望んでいたことだった。




 ――鈴莉は魔法の研究の為、雄真を小日向家に預けた。

 これはある意味正しく、ある意味間違っている。
 何故ならば彼女は『雄真のために彼を小日向家に預け』、『雄真のために魔法の研究に没頭』したからだ。
601はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:33:28 ID:jhNvT+Gz0
 雄真は膨大な魔力を持って生まれてきた。
 それこそ、この国でも屈指の魔力を持つ鈴莉すら超越する程に。

 鈴莉は狂喜した。
 それこそ我がこと……いやそれ以上に。

 もしこれが他の者ならば、鈴莉の心に恐ろしいほどの対抗心が芽生えたことだろう。
 何せ鈴莉は負けん気が人一倍強い。特に己の最大の能力である魔法で差をつけられるなど、到底容認出来ない筈だ。
 が、彼女に湧き上がったのは純粋なる喜び。
 己を越える能力を持って生まれてきた息子への祝福の思いだけだった。
 自分より優れた魔法使いになることを彼女が喜べる唯一の存在、それが雄真(息子)だったのだ。

 鈴莉は雄真をこの国一の、いや史上最高の魔法使いにすべく、英才教育を始める。
 雄真は彼女の期待に答え、すぐにその優れた才能の片鱗を表した。
 それを無邪気に喜ぶ彼女。
 ……それは彼女の人生でも最良の時期であった。

 が、そんな幸せは長く続かなかった。
 突然雄真が『魔法をやめる』と言い出したのだ。

 鈴莉は狼狽した。
 雄真を史上最高の魔法使いにしようと目論んでいたから、では無い。
 『魔法をやめる』ということは、雄真自身の生命に直結する程の大問題だったからだ。

 雄真は膨大な魔力を持って生まれてきた。
 が、魔力は諸刃の剣。大きければ大きい程その反動も強くなる。
 それ故に、魔力を制御できなければ大変なことになる。
 その暴走は周囲を巻き込み大被害を与え、その刃は自分自身にすら向かうだろう。
 だからこそ鈴莉は、雄真を魔法使いにしようとしたのだ。
602はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:40:03 ID:jhNvT+Gz0
が、本人にやる気が無ければどうしようもない。かえって害になるだけだ。
 雄真の決意の固さを知ると、鈴莉は魔法をやめることに同意した。

 幸い当時の雄真はまだ魔法に目覚めたばかりであり、かつ鈴莉が常に管理していたため、何とか雄真の魔力を鎮め、休眠させることが出来た。
 彼女は雄真の魔力を鎮めると、魔法関係から一切遠ざけるため、断腸の思いで雄真を小日向家に預けた。
 ……その際に姓まで変えることに同意したのは、自分の未練を断ち切るため、そしてなにより雄真自身の幸せのためを考えた最後の親心だった。

 こうして鈴莉は泣く泣く泣く雄真を手放したのだ。

 以後鈴莉は魔法教育と魔力封印の研究に没頭する。
 もし雄真が再び魔法の道を目指した時、少しでも楽が出来るように。
 もし雄真の魔力が活性化しても、鎮めることが出来る様に。
 皮肉なことに、彼女の名声を不動のものとしたのは、これ等の研究の成果ゆえのことだ。

 『国屈指の魔法の使い手』としての鈴莉よりも、『世界的な魔法教育の権威』『世界的な封印研究の権威』としての彼女の方が何倍も評価されたのである。


 ……まあそんな過去の話はどうでも良い。
 そんなことよりも失った時間を取り戻すことの方が、現在の鈴莉にとっては遥かに重要なことなのだ。

 そう。彼女には野望がある。

 雄真を歴史に名を残す大魔法使いとすること。
 雄真に再び自分を母と呼ばせること。
 雄真と再び一緒に暮らすこと。

 その野望を叶えるため、鈴莉はこうして日夜裏工作を続けている。
603はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:41:36 ID:jhNvT+Gz0
「〜♪」

 幸せいっぱい、夢いっぱい。鈴莉の幸せ指数は急上昇、連日最高値を更新中だ。
 だからこそ、こうして鼻歌の一つや二つ出るのも当然だった。

 幸せ、足りすぎである。




――――高等部魔法科二年教室。

「〜♪」

 さて、ここにも『幸せいっぱい夢いっぱい』の人物が一人。
 誰であろう、御薙鈴莉の直弟子であり、瑞穂坂学園きっての才媛でもある神坂春姫その人だ。

「〜♪ 〜♪」

 やっぱり鼻歌なんか歌っちゃったりして、御機嫌そのものである。

 ……まあ想い人と10年越しの再開を果たし、その上同じクラス――魔法科は一学年一学級――になるという、まるで盆と正月が一緒に来たようなめでたさだ。浮かれるのも無理ないのかもしれないが。

 ――雄真くんと毎日一緒♪ 隣同士で一緒に授業を受けて、お昼も一緒に食べて、放課後は一緒に魔法の勉強♪

 そう。自分はクラスメートであり、雄真の実母である御薙先生の直弟子だ。おまけに幼馴染でもある。一緒にいても何ら不思議なことはない。
(幼馴染に関しては異議を挟みたい所ではあるが、彼女の脳内では既にそう設定されているらしい)
 既にクラス委員の特権をフルに利用し、雄真の席を自分の隣に確保してあるという周到さだ。
604はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:45:09 ID:jhNvT+Gz0
 ――帰りは一緒に帰って、お休みには一緒に買い物に行ったりなんかして♪

 今後の展開を想像し、恍惚となる。
 一世一代の告白は棚上げされたのは無念だが、断られた訳ではない。
 チャンスは幾らでもある。押して押して押しまくるのだ。

 ――あっ、転科したてで色々不慣れだろうから、色々世話をしてあげる必要もあるわね?

 どうやら、この調子で世話焼きも独占する積りの様だ。

 ……彼女もやっぱり、幸せが足りすぎていた。


「……春姫、やけに御機嫌ね?」

 杏璃が幾分引き気味に尋ねる。

「そう? わかる?」

「そりゃあ、わかるわよ。さっきから誰かに声をかけられても上の空、全然反応しないじゃない」

「え…… 全然気が付かなかった……」

 そう言って首を捻る春姫。
 常に周囲に気を配る、如才ない彼女にしては珍しいことだ。

「ま〜、浮かれるのはわかるけどさ、もっとシャッキリしなさいよ?
 春姫と雄真はあたしのライバルなんだから!」

 そう言う杏璃も雄真の転科に満更でも無さそうで、クラスメート達に雄真のことを色々教えている。
605はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:55:41 ID:jhNvT+Gz0
 ――曰く、『一寸意地悪だけど悪い奴じゃあない』

 ――曰く、『自分の新たなライバルだ』

 等々、杏璃にしてはかなりの高評価に、クラスメート達の期待も高まる。
 このため、クラスメート達の想像する最大公約数の雄真像は――

 あの御薙教授の一人息子で、
 杏璃がライバル視する程の魔法使いで、
 春姫と杏璃が高評価する程のいい男。←ここ重要。

 ――という『それ何処の完璧超人?』的な、過大評価もいいところの虚像となっていった。




 ――HR直前。

 皆の視線は、教室のドアに集中している。
 HRの大分前から、皆今か今かと転科生が来るのを待っているのだ。

 ガラガラ。

 ドアが開く。
 ……が、入ってきたのは担任の老教諭だけだった。

「??? え〜、HRを始めます」

 老教諭は皆の視線に多少戸惑いつつも、何事も無かったかの様にHRを始める。
 そのHRは全く普段通りで、転科生の『ての字』も無い。

「え〜、これでHRを終わります。皆さん、今日も一日がんばってください」
606はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 11:57:01 ID:jhNvT+Gz0
「まっ、待って下さい!」

「? 神坂さん、どうかしましたか?」

 老教諭は、普段の彼女らしからぬ慌て振りに、驚いた様に尋ねる。

「あの! 雄真くん……じゃなくて転科生が今日来る筈なのですが!?」

「はい? ……いいえ、聞いていませんよ? そんな話は?」

「そっそんな筈は無いです! 昨日の夜だって雄真くん、ちゃんと魔法科に転科するって!!」

 どうやら二人、休み中も結構マメに連絡を取り合っていた様だ。

「ああ、ああ、思い出しましたよ。そういえば今日、普通科から魔法科に御薙教授の御子息が転科してくると……」

「それです! それ!」

 余程切羽詰っているのだろうか? まだ老教諭が話し終えないうちに、続きを促すかの様に声を発する。
 ……本当、普段の彼女らしくない。

「でも、彼は確か中等部に転科するそうですよ?」

「「「「はい?」」」」

 春姫一人に止まらず、クラス全員が思わず聞き返す。……今、何と仰いました?

「彼は、魔法学関連の単位を一つも持っていませんからねえ〜 気の毒ですが、仕方が無いでしょう」
607はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:02:48 ID:jhNvT+Gz0
 その当たり前過ぎる老教諭の言葉に、『それはそうだよなあ』的な雰囲気がクラスに流れる。
 魔法学をここまで学んできた者達からすれば、それは嫌でも納得出来る言葉だったからだ。
(魔法科は、単位が足りなければ義務教育だろうがなんだろうが次に進めない、というスパルタ式教育なのだ)

 が、諦めきれない者がここに一人……いや二人。


「でっでも、雄真くんは天才なんです!」

「いや……神坂さん…… 天才だろうがなんだろうが、単位が無ければ……」

「そうよ! それに御薙先生がその気になれば、単位の百や二百どうにでもっ!」

「……柊さん。御願いですから、そういう不穏当な発言は謹んで下さい」

 老教諭は、二人の攻勢にたじたじだ。
 彼女達の勢いに押され、とうとう真実を口に出してしまう。

「第一、これは御薙教授がお決めになったことです! 
 あの人がこうと決められた以上、この決定は絶対です!」

 どうやら鈴莉はかなりの権力者らしい。

「ということは、御薙先生が高等科への編入を許可すれば、雄真くんはこのクラスに転科出来るのですね!?」

「そんなことは私の口から言えません!」

 老教諭は答えを拒否するが、その態度が雄弁に答えを物語っていた。
608はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:15:13 ID:jhNvT+Gz0
「こうしちゃいられないわ! 急いで御薙先生の所に行かないと!」

「あっ待ってよ! 春姫!」

 二人は窓から勢い良く飛んでいく。向かう先は恐らく御薙教授の所だろう。


「……………………」

 老教諭とクラスメートは、そんな二人を呆気に取られながら見送った。


「兄様、私達は如何いたしましょうか?」

「うむ、小日向殿のことは心配なれど、学生たる身で授業を放り投げる訳にもいくまい?」

「でも……」

「何、小日向殿のことなら心配いらぬ。きっと中等部でも上手くやっていかれるであろう」

 何せ伊吹様が認められた程の者だからな、と信哉。

「……それもそうですね。寂しいですが、仕方ありません」

「うむ」




――――御薙教授研究室。

「先生!」
609はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:16:13 ID:jhNvT+Gz0
「あら? 神坂さんに柊さんも。一体どうしたの?」

 二人の来訪にさしたる驚きも見せず、鈴莉は尋ねた。

「先生! 何故雄真くんは、高等部ではなく中等部に転科するのですか!?」

「だって単位が無いのだもの。しょうがないじゃない?」

「でも酷すぎます! 今頃どんなに心細い思いをしているか!」

 可哀想な雄真くん、と嘆く春姫。

「で、私にどうしろと?」

「今すぐ、雄真くんを私達のクラスに転科させて下さい」

「駄目よ」

 鈴莉はきっぱりと断る。

「! 『無理』じゃなくて『駄目』なのですね!
 やっぱり先生は、雄真くんを高等部に転科させることが出来るのですね!?」

「出来る出来ないを問われれば、勿論『出来る』わ。
 ……でも駄目。これは雄真くん自身のためなの」

 丁度いい機会だから貴方達にも教えてあげる、と鈴莉は話し始めた。


 雄真を魔法科高等部二年に転科させること自体は、さして難しいことでは無い。少なくとも彼女には。
 が、はたしてそれが本当に雄真のためになるだろうか?
610はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:22:57 ID:jhNvT+Gz0
「今まで10年以上、魔法から離れていたのよ? 魔法学だってろくに学んではいないわ。
 そんな状態では、たちまち落ちこぼれるわね。賭けても良いわよ?」

「そんなことさせません!」

「うんうん、私達は親友だものねえ。ちゃんと面倒見るわよ。ビシビシと」

「……そして瑞穂坂学園魔法科は、史上屈指の魔力の持ち主だけでなく、才媛二人までも失う訳ね」

 鈴莉は軽く溜息を吐いた。
 この二人――特に春姫の場合、本気で雄真と一緒にドロップアウトしかねない。
(仮に杏璃だけは残っても、春姫がいなくなれば杏璃もやる気を失うだろう)
 学園側としてそれだけは避けたいのだ。

「だから、中等部から始めるのが雄真くん本人のためだし、貴方達のためでもあるのよ」

 まあ中等部からでも大変でしょうけどね、と付け加える。

「「でも、頑張れば!」」

 尚も食い下がる春姫と杏璃。二人共、努力第一主義の徒なのだ。

「……神坂さんに柊さん? 学園はお勉強だけをする場所じゃあ無いわよ?」

「「え?」」

 突然の爆弾発言に、二人は目を丸くする。

「学園で皆と仲良くするのも勉強と同じくらい…… いえ、それ以上に重要なことよ。
 まあ貴方達には少し汚く聞こえるかもしれないけれど、『人脈作り』という奴ね」
611はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:24:04 ID:jhNvT+Gz0
 学生時代に育てた友人関係は、社会に出てから大きな財産になる。
 特に魔法使いという狭い業界では、一匹狼には生き難い。
 が、もし高等部二年から始めれば、雄真は勉強勉強に追われてとても友人どころの騒ぎでは無いだろう。
 第一、期間が短すぎる。

「でも……私達がいますし……」

 ……その貴方がいるから尚更なのよ。

 春姫の言葉に、鈴莉は内心で軽く溜息を吐いた。
(こうも雄真に対する執着心が強い少女が傍にいれば、他に親しい友人などとてもでは無いが望めない)

「兎に角、これは雄真くんの新しい人生、その第一歩なの。
 雄真くんは独力で勉強して、独力で親しい友人達を作る必要があるのよ。
 だから邪魔しては駄目よ? 今が一番大切な時なのだから」

「でも! 『親しい友人』って中等部の、それも女の子じゃないですか!?」

「あら? 全員が全員そうじゃあ無いでしょう?
 それに今は中等部生でも、高等部に入れば高等部生、大学に入れば大学生になるわよ?」

 4年の年の差なんて直ぐに埋まるわよ、と鈴莉。

 少し補足しておく必要がある。
 魔法科……というより魔法使いそのものに言えることだが、実は男性よりも圧倒的に女性の方が多いのだ。
 比率で言えば10対1にはなるだろう。
 だから確率論的に言えば、鈴莉の言う『親しい友人達』は『中等部一年の少女達』となる。
612はぴねす!SS『世の中やっぱり甘くない』:2006/10/28(土) 12:30:49 ID:jhNvT+Gz0
「うわあ…… 雄真、気の毒に……」

 話を聞いている内に、何だか雄真が『違う世界の人』になった様な気がし、杏璃は思わず合掌する。

「だから雄真くんが中等部に慣れるまで、邪魔しちゃあ駄目よ?
 少なくとも転校初日から10日は会っては駄目、最初が肝心なのだから」

 他の同級生と壁を作ることになりかねないため、厳に注意する。
(本当は10日でも少な過ぎるが、流石にそれ以上は我慢出来ないだろうと考え、鈴莉は現実的な数字を口にしたのだ)

「そんな!」

「い、い、わ、ね? ……もし破ったら、『雄真くんの母』として考えがあるわよ?」

「はい……」

 がっくりと項垂れながら返事をする春姫。
 こうして彼女の計画は頓挫し、大幅な修正を迫られることとなった。


 やっぱり世の中、そんなに甘くないのである。





SS投稿終了。
しかし、投稿に1時間もかかるとは……orz
613温泉の人:2006/10/28(土) 22:58:51 ID:vKxpNNS20
GJ! 鈴莉さんもなかなか厳しいお人のようでw

できればこっから春姫や杏璃が鈴莉の目を盗みつつ
UMAを無事高等部へ上げるべく奮闘する展開も見たいけど・・・
世の中そんなに甘くないっすよねw やっぱ。

ともあれ、お疲れ様ですノシ
614名無しさん@初回限定:2006/10/29(日) 00:12:52 ID:sU23VCi+O
久しぶりに来たけど温泉の人と新しい人GJです。
615『世の中甘くない』 の者です:2006/10/29(日) 12:20:38 ID:+EnNDcDc0
 温泉の人様、596様、614様、有難う御座います。

>確かはぴりらじゃUMAは普通に春姫たちと同じ教室で魔法勉強してた気が・・・
 自分の脳内世界でのお話なので(苦笑)
 でもUMA、授業ついていくのたいへんだろうなあ……
 文系の受験生に『ごめん、試験科目に数学もあるから』並か、それ以上の苦労だよ。

>鈴莉さんもなかなか厳しいお人のようでw
 全ては息子(と自分)の為ですよ〜

>できればこっから春姫や杏璃が鈴莉の目を盗みつつ
>UMAを無事高等部へ上げるべく奮闘する展開も
 今回は引き下がりましたが、まだ諦めてはいないでしょうね。
 10年以上の執着……もとい、想いはそう簡単には消えません。


 
616名無しさん@初回限定:2006/10/29(日) 17:08:57 ID:uM7MUzfG0
この年代で周りが4歳年下ばかりという環境はかなり過酷な気がする。
同じく魔法の素質がある準も同じクラスに転入すれば少しはマシになるかも。
準ならUMAのことを考えた立ち振る舞いができるだろうし。

要するに準の出番が欲しい!という個人的な願望です(w
617名無しさん@初回限定:2006/10/29(日) 18:01:46 ID:tPEEBF7A0
この間まで小学生だったような子供らに屈折した性癖を植え付ける恐れがある
ので却下
618名無しさん@初回限定:2006/10/29(日) 18:04:11 ID:FbdA5uSlO
面白い!
のだが最初に思い浮かんだ感想が、「UMA…ついに犯罪者か」という下世話なものだったり。
だって伊吹に手を出すんだぜ?
619『世の中甘くない』 の者です:2006/10/31(火) 22:46:47 ID:3xX99N1w0
>同じく魔法の素質がある準
 準って魔法の素質、あるのですか?
 知らなかった……

>準ならUMAのことを考えた立ち振る舞いができるだろうし。
 あ〜、確かに彼女(?)は一番気配りが出来てますよねえ。
 「もしこれで女性なら…… 女性ならっ!!」
 と、UMAとハチは何度も血涙を流したことでしょう。
620名無しさん@初回限定:2006/10/31(火) 23:17:33 ID:bvsrm+4B0
準にゃんは魔法の素質は無いと思う
UMAが魔法科に移ったとき、自分にも魔法の素養はないかと先生に問い詰めた結果が普通か残留だし
621616:2006/10/31(火) 23:56:02 ID:xO+riBxj0
>>619
ごめんなさい。
ぱちねすでは「マジックワンドをもらって魔法を使った」のであって
準自身の魔法のポテンシャルについては明記されてませんでした。
あのマジックワンドを使えば誰でも魔法が使える、という設定も
あり得ることを失念してました。
個人的には、準にポテンシャルがあったからあのマジックワンドの
魔法が発動されたと考えてました。
622『世の中甘くない』 の者です:2006/11/01(水) 18:36:41 ID:FoPi9Oi50
>>620
>>621
 なるほど。準に魔法の素質があるかどうかは不明だけど、多分無さそうということですね?
 ありがとうございました。

 さて次は誰をメインで書くかなあ。順当で行けば、やはり中等部教室のUMAかな?
 
623名無しさん@初回限定:2006/11/01(水) 21:31:37 ID:Q4IsIP6F0
>順当で行けば、やはり中等部教室のUMAかな?

色々な意味で大変そうなUMAを楽しみに待ってます(w
むしろ、開き直っているかな?
624温泉の人:2006/11/01(水) 23:09:07 ID:HM4He/LG0
さっそく>>613で自らキボンヌした内容で自己補完し始めた俺は負け組orz

UMAin中等部妄想すると・・・
・同世代にはないオトナの魅力溢れるオトコノコ、しかも御薙センセの息子というおまけつき
 ・・・ってことで早くも同学年の女子どもにモテ始めるUMA
・そのおかげで周囲の女子たちから無駄にちやほやされ逆春姫状態に。
 当然心から信頼できる「親しい友人達」などできるわけもなく
・またその異常なモテぶりから数少ない男子から反感買うUMA。
 4歳という年齢差の生むジェネレーションギャップも手伝い、次第に男子の中で孤立
・そして迎えた実習初日にUMAが本当はデキない子であることが発覚。
 期待外れで遠のく女子、逆に母性本能くすぐられ面倒見モードに入る女子と2派に分かれる

こんな感じでドタバタしつつも、とある実習中に女の子を魔法事故からかばったのがきっかけで
その女の子としっかりフラグ立てちゃうUMA・・・なんてのも見たい気はするw
625名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 10:00:23 ID:EgG63Nx20
四年上がいきなり中等部に来た訳だから、ど素人と言う事はすぐ分かるんじゃね?
UMAも平然と何も知らん・何も出来ん事を公言しそうだしw

金髪縦ロールが馬鹿にして、おしとやか系が中等部に来てまで勉強するその姿勢を
賞賛して、対立が生まれるようなベタな展開とか妄想ー
626名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 13:32:38 ID:FcO3IMC40
むしろ伊吹ならそのまま中等部に押しかけてきても外見上違和感がないkうわなにをすrやm
627名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 19:38:12 ID:E0h48tsl0
>626が羨ましいことになった模様です。
628名無しさん@初回限定:2006/11/02(木) 22:56:28 ID:RfgkNHRQ0
>>626
ラ・ディーエ乙
629名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 14:43:58 ID:7Qjk1KdX0
>626
逆転の発想で、伊吹が年齢詐称しているとか(w
で、わざとばらしてUMAのクラスへゴー
630名無しさん@初回限定:2006/11/03(金) 20:23:05 ID:dCyVd9kA0
一瞬はぴねすスレかとおもた
631『世の中甘くない』 の者です:2006/11/04(土) 13:56:45 ID:b0UR2BdD0
伊吹は実は飛び級してたとか……
――――中等部魔法科一年教室。

「大ニュース! 大ニュースだよ〜!」

 興奮した少女の声が教室に響き渡る。
 そんな少女の様子に、いかにも生真面目そうな少女が呆れた様に声をかけた。

「上杉さん。貴方ももう中等部生なのですから、もう少し慎みをお持ちになったらどうですか?」

「やだな〜明日香っち。ノリが悪いぞ?」

 が、少女はさして気にもせず、声をかけた少女――明日香というらしい――にお気楽そうな言葉を返す。
 明日香も慣れているのかそれ以上は追求しない。

「……貴方が元気過ぎるだけです。で、何です?」

 その代わりに続きを促す。
 ・・・・・・何だかんだ言っても、やはり気になるらしい。

「ほい?」

 明日香の言葉に、少女は僅かに首を傾げる。
 その仕草はまるで仔猫の様だ。

「貴方が『大ニュースだ』と仰ったのでしょう!」

「あ〜、あれね」

「全く、貴方と言う人は……」
 二人の会話に、クラスメート達も集まり始める。
 皆、大ニュースとやらが気になって集まったのだ。
 皆の注目を意識した少女は、コホンと咳払いを一つすると、大袈裟な身振り手振りで話し始める。

「な、なんと! 本日転校生がやって来るのですよ!」

 ……惜しい。転科生だ。

 『おお〜』とどよめきが起こる。

 変わり映えの無い学園生活において、転校生の登場は正に一大イベントである。
 特にここ瑞穂坂学園魔法科中等部においては、その大半が初等部からのエスカレーター組だ。
 故に皆、面白い様に食いついてくる。

 ――ふっふっふ〜 入れ食いだよ〜

 そんな様子に少女は内心ほくそ笑む。

 何せ、今回のニュースはとびっきりのとびっきりなのだ。
 ネタは何段階もある。
 皆の話題の的になること間違い無し、である。

 ――今日こそ必ずや、明日香っちの驚愕の顔を拝んでやるのだ♪
 
 そんなどうでも良い野望を胸に秘めた少女は、得意満面で話を続ける。

「全く…… 皆中等部にもなって、子供なのだから……」

 はしゃぐクラスメート達を見て、明日香は嘆く。
(『もう初等部生じゃあないのだから、いい加減もう少し大人になって欲しいものだ』と彼女は常々思っているのだ)
 ……が、そんな彼女に異議を挟む者が一人、にこやかに反論する。
「え〜、でも転校生ですよ? 期待の新人ですよ?」

「そうそう! 期待も期待、超ド級のニュ〜フェイスだ! 話が分かるね〜葵♪」

「……『期待の新人』って何ですか? 野球じゃああるまいし」

 どこかずれた調子で喜ぶ葵と、すかさず合いの手を入れる少女に、明日香は軽く溜息を吐いた。

「ふっ」

 ……そんな明日香を見、勝ち誇った様に笑う少女。

「……何ですか上杉さん。その笑いは」

「勝負だ! 明日香っち!」

「……またですか? いい加減諦めれば良いものを」

「もちろん諦めないよっ! 今日こそあたしのこと『彩音っち♪』って呼んでもらう♪ いざ尋常に勝負!」

 ちなみに勝負とは、少女――上杉彩音――のニュースに明日香が驚いたら明日香の負け、驚かなかったら勝ちという他愛も無いものだ。
 ……が、当人達にとってはそうでも無い。
 もはや意地の問題なのである。プライドとプライドのぶつかり合いという奴だ。
 しかも明日香が負けた場合、彩音のことを『彩音っち♪』と呼ばねばならぬ屈辱が待っているのである!
(ちなみに『明日香っち』と呼ばれることに関しては、初等部の六年間で既に諦めている)

「……いいでしょう。どうせまた私の勝ちでしょうが、乗ってあげます」
「よしっ! それでこそ女の中の女、明日香っち! 葵、審判頼むよ!」

「良いですよ?」

 審判を頼まれた葵は、にっこり笑って快諾した。
 その周りでは、級友達がどちらが勝つかで賭けを始める。
 ……まあ彩音に賭けるのは、大穴狙いのチャレンジャーだけであるが。


「ニュース第二弾! 転校生は、『特待生資格』を持っている!」

 再び『お〜』というどよめきが周囲から上がる。
 どうやら転校生は、かなりの才女の様だ。

「へえ、なかなかの方ですのね?」

 が、やはり同様に特待生資格を持つ明日香には余り効いていない様だ。

「どうどう? ライバル登場だよ、明日香っち?」

「良いライバルになって頂きたいものです」

「ちぇ〜素直じゃないな〜」

 そう言いつつも、彩音はあっさり引き下がった。
 何故ならネタはまだまだあるからだ。

「ニュース第三弾! 転校生の特待生資格は、ななんと『甲種』である!」

「なっ!?」
 流石の明日香も思わず聞き返す。
 それを見逃さず、葵はすかさず判定を下した。

「あ〜、驚きましたね? 『技有り』です〜」

 周囲のざわめきも凄い。
 『甲種特待生資格』とは、それ程のものなのだ。


 特待生資格とは『申請すれば無条件で特待生になれる』という資格であり、学園でも優秀な者にのみ与えられる資格だ。
 だから、特待生資格を持っている者全てが特待生として授業料等の減免措置を受けている訳では無い。
(裕福な子弟の多い瑞穂坂学園では、『学園に気を使うことになるから嫌だ』と申請しない家庭が少なくない)
 故にどちらかと言えば、優秀な者の証として扱われる場合が多い勲章的な資格である。
 が、私大三巨頭の一つである瑞穂坂大学を中核とするここ瑞穂坂学園で特待生資格を得るということは、全国屈指の優秀者と認められた様なもの、後々まで使える極めて実用的な勲章だ。

 特待生資格には甲乙丙の三種がある。

 丙種とは学年上位20%以内かそれに匹敵する生徒に与えられ、申請すれば授業料半減となる。
 乙種とは学年上位5%以内かそれに匹敵する生徒に与えられ、申請すれば授業料全額免除となる。
 ……そして甲種とは、学園がその才能を見込み、是非にと三顧の礼で迎える者にのみ与えられる資格だ。
 申請すれば授業料その他一切合財全て免除される上、寮暮らしならば寮費も只、おまけに小遣いまで貰えるという至れり尽くせりの資格である。
(無論、返還は不要)
 当然その判定も厳しく、具体的に魔法科で言えば丙種は各学年に7〜8人、乙種は1〜2人に確実に与えられるが、甲種の場合は十年に一人与えられるかどうかだ。
 幼稚舎から大学まで見渡して、魔法科に一人も存在しなかった時代すらある。それ程の資格だ。

 ちなみに現在の魔法科は三人もの甲種保持者が在籍するという『黄金時代』で、学園関係者は『瑞穂坂学園魔法科こそ全国一! 帝大魔法科何するものぞ!』と鼻息が荒い。
 彼女等の存在を梃子に、瑞穂坂学園は名実共に魔法教育の頂点になろうとすら目論んでいるのだ。

 その三人とは――
 高等部三年、高峰小雪
 高等部二年、神坂春姫
 高等部一年、式守伊吹
 ――の三人である。

 ……皆高等部なのは偶然だろうか?


「はっはっは。どうかね、明日香っち?」

「くっ、伊吹姉さまと同格の転校生ですってえ〜」

 どうやら明日香、かなり効いている様だ。
 何しろ敬愛する『伊吹姉さま』と同格の相手である。
 多少気後れするのも無理は無い。

「どうやら効いたようだね〜」

 得意満面の彩音に、明日香は唇を噛む。
 が――
「……ええ、効きましたよ上杉さん」

 ことここに至っては、明日香も負けを認めざるをえない。
 そう。式守明日香は誇り高き少女なのだ。

「えっ、あたしの勝ち!? やった!」

 六年以上の長きに渡る戦いの中、ようやく掴んだ初勝利。記念すべき瞬間だ。

「ええ。ですから約束どおり、『彩音っち♪』と呼んで差し上げます。一回だけ」

「さっ、詐欺だあ〜! あたしの六年間の苦労を返せ〜!」

 今呼びましたよね? と笑う明日香に彩音は手をばたつかせて抗議する。

「また驚いたら呼んで差し上げます。頑張って仕入れなさいな」

「無理! 無〜理〜! こんな大ニュースそうないって!? ……あ」

「?」

「ふふふ〜」

「??」

 彩音はMDを録音状態にすると、ニヤリと笑う。

「なっ、何ですか?」

「明日香っち敗れたり!」

「何をいきなり……」
「ニュース第四弾! 転校生は男の子だっ!」

「「「え〜!?」」」

 そのクラス中の驚きの声は、高等部にまで響いたという。


「う、嘘でしょう? 男子で甲種って?」

 クラスメートの一人が否定的な見解を示す。
 すると、次々に賛同の意見が噴出した。

「ガセネタ、じゃないの?」

「だよね〜 男子転校生がウチに来るだけでもレアなのに、その上甲種?
 ……それ、三毛猫の雄以上に有り得ないよ」

「皆酷いなあ〜あたしのニュースは正確だよ? 今までだってそうだったでしょう?
 それに三毛のオスだってちゃんといるんだから、甲種の男子だっているよ! ……多分、きっと」

 彩音もやはり自信が無くなってきたのか、最後の声は勢いが無い。

「そりゃあそうかもしれないけど、甲種の上に男子って…… 正直胡散臭いよ……」

 クラスの大半は否定的だ。
 ……まあ無理も無いが。

 前回でも話したが、魔法使いは圧倒的に女性が多い。
 魔法使いの男性など、全体の一割にも満たぬのだ。十数人の魔法使いを無作為抽出して、一人いるかどうかだろう。
 そして能力も女性の方が圧倒的に上で、男子の上位層ですら女性でいえば下の上程度のレベルでしかない。トップクラスでも中位層がやっとだ。
 だから『男子で甲種』など、確率的に有り得ないのだ。

「本当だよ! ちゃんと聞いたんだから!」

「なら、聞き間違えだよ」

 その一言に皆一様に頷くと、それぞれの席に戻り始める。
 慌てた彩音は、取り合えず間近にいた明日香に縋り付いた。

「ちょっちょっと待ってよ! 明日香っちいいの? メシア降臨だよ! ピンチだよ!?」

「何です、メシアって?」

 彩音に縋り付かれた明日香は、怪訝そうに返す。

「中等部魔法科一年。そこでは学年主席である式守明日香の独裁により、男子は塗炭の苦しみを受けていた。
 そこにメシアが降臨するっ! ……って展開だよ? 燃える世紀末救世主伝説だよ?」

「……貴方は漫画の読みすぎです。第一、私達の学年には男子はいません」

 そう。中等部魔法科一年に男子はいない。
 女子校、と言う訳ではない。単に男子の実力が足りないだけの話だ。
 
 先程も述べたが、男子の魔法レベルは女子のそれと比べて大きく劣る。
 故に、超一流である瑞穂坂学園魔法科に男子が入学出来る可能性は低い。限りなく低い。
 また合格できたとしても、実技でついていけないことはほぼ確実で、ならば相応の学校に始めから入学した方が賢明というものだろう。
 ……とはいえ、一般学力や座学系魔法学で非常に優れた成績の男子が一芸入試枠で入学してくる場合もあるし、中には上条信哉の様な高レベルの男子魔法使いだっているのだ。
(彼の場合、総合的には中の上レベル――それだって男子としては破格だ――の魔法使いだが、戦闘魔法に特化したそれはその体術と合わせて凶悪な戦闘能力を発揮する)

 故に、各学年には数人の男子が存在する。
 が、中等部一年には一人もいない。これも珍しい。
 ……まあ稀に起こる、確率論的な必然性による現象ではあるのだが。
(こうなると余計男子はこない。誰しも『男は自分だけ』なんて状況、御免被るからだ)


「う〜、皆ノリが悪いよ〜」

 皆からガセネタと断定された彩音は、がっくりと膝をつく。
 そんな彼女にクラスメートから容赦の無い一言。
 
「黙れ、狼少年ならぬ狼少女!」

「冤罪だ!?」
 
「……ま、その転校生とやらが来れば、事の真偽が判明するでしょう」

 明日香の一言で、一瞬足を止めたクラスメートも再び動き出した。
 そして各々の席へ。

「明日香っち……」
642名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 22:32:18 ID:+IGguqNY0
 
「あと上杉さん。もし先程のニュースが嘘、もしくは誇大広告だった場合、学級裁判を開きますからね。覚悟して下さい」

「あう〜」

 にっこり笑いながらキツイことを仰る明日香さんに、流石の彩音も言葉を失う。


「皆冷たい……」

 先程の興奮は何処へやら、すっかり熱気の冷めた教室で、何事も無かったかのように先生を待つ生徒達。
(どうやら転校生の件すら『無かったこと』にされている様だ)

 そんな中、項垂れる少女が一人と……

「甲種の男の子ですか〜 エリートさんなのですね〜」

 と期待に目を輝かせる少女が一人。
 仲良く机を並べて座っていた。





 SS投稿終了。
 470越えそうなんで分けました。続きは次スレで。
 まあウチDIONなんで、次いつ投稿出来るか不明ですけどね。
 ……しかしここで分割すると完全にオリだよなあ。
644温泉の人:2006/11/06(月) 22:44:33 ID:+htPiYVv0
もはやはぴねすSSじゃねぇwwwwだけど乙ノシ

このスレももうすぐ次スレか・・・
思えば温泉の話とか投稿してた頃はまだ9スレ目だったんだよな・・・懐カシス
645名無しさん@初回限定:2006/11/06(月) 23:31:10 ID:dwV0jgSB0
乙ですー
オリが中心になるのは致し方ないかと。
でも、男子がゼロと言う環境にする作者さんは、鬼(w
UMAは良く言えばまっすぐ悪く言えば単純なので、熱心に勉強したら吸収早そうですな。
血統としてもイイ訳だし。

んでは、続きを楽しみにしてますー
646世の中甘くないの者です:2006/11/07(火) 11:18:41 ID:wb6eXENn0
>>644
 温泉の人様、有難う御座います。

>もはやはぴねすSSじゃねぇ
 ですねえ。ヒロイン達も出来る限り話に絡ませるつもりですが、暫くは脇になってしまいます。
 主役はUMAだけど……

>>645
 645様、有難う御座います。

>でも、男子がゼロと言う環境にする作者さんは、鬼(w
 いっそ清清しいかと思いまして。

>UMAは良く言えばまっすぐ悪く言えば単純なので、熱心に勉強したら吸収早そうですな。
>血統としてもイイ訳だし。
 どうも原作中ではUMAは脇なんですよね。少なくとも事件解決では。
 ヒロインにばかり頼るのではなく、男なら!
 そんな訳で、きっと、多分、男らしいUMAが見られるかも……


<近況報告>
『.ppp.dion.ne.jp を全サーバで無期限規制。 』
 またかよ!の規制でもう直ぐ書き込めなくなりますorz
 しかし……無期限って何ですか!? 

647名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 15:12:43 ID:nqA9KXyv0
つ「バイダ乗り換え」
648名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 21:19:49 ID:BnKUjLhy0
UMA中等部ワロス(w それは予想しなかった。
他の教科に関しては楽勝だから、魔法学習に専念出来るんじゃね?
年下の女の子にケーキでも奢って教えてもらうUMAとかいい感じ(ww

>ppp.dion.ne.jp を全サーバで無期限規制。
DIONじゃないけど、うちも時々規制に引っかかるなー
退避場所とか決めた方がいいかも。
649名無しさん@初回限定:2006/11/07(火) 23:54:13 ID:EsKhINzM0
今日になってやっと丸の内OCN規制解除された俺が来ましたよ

サブでDC買った時に作ったISAO垢も持ってるので今回のケースに備えてプラン変更を考えるか・・・・・・
650はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 1/12:2006/11/09(木) 19:05:14 ID:mwAFCBMf0
瑞穂坂学園きっての才媛、神坂春姫は嘘の塊だった…と言ったら、誰か信じてくれるだろうか。

両親共に魔法と縁遠かった自分に魔法科で誇れるような魔力はなかった。
魔法科を望む私に遠まわしに反対した二人の為に必死で勉強をして、それでも主席で入学できたのは絶対に運だと思う。
トップで居続けられたのは独学で学んだ魔法が入学後に習う範囲まで進んでいたから。
そして私の呪文に興味を持った先生に師事する事が出来て…きっと先生の下でなら誰だって私以上に成長しただろう。
クラスで友人と呼べるのはたった一人だけだった私は、誰からも嫌われないようにするしかなくて。
姫なんて呼び名はとても自分に相応しいとは思えないのに、それを演じ続けた。

……このまま眠ってしわになった制服のまま学園に行けば、優等生なんて思われなくなるかな?

悪い方向にばかり考えが進むのは自信を持てないような姿で居るからだ。
そう思いながらも、とてもベッドから起き上がる気力はなかった。
逃げるように学園から戻って、そのまま横になって。時計の針はもう何周しただろう。

「ちゃんと勉強、しないとね。院の試験には落ちたくないもの…」
そんなの嘘。院で魔法を学ぶ事に元から興味なんてない。

「先生の期待も裏切れないし…」
そんなの嘘。先生が期待してるのはきっと私じゃなくて、彼。

「杏璃ちゃんも応援してくれてる…」
そんなの嘘。ただ彼と一緒に居たかっただけだ。そう、彼と。

「ダメ、考えちゃダメ…っ」
嘘。横になって考えたことは全部彼の事だった。

「頑張らなきゃ、頑張らないと…」

嘘。

私が魔法を学ぶ理由は もう、ない。
651はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 2/12:2006/11/09(木) 19:06:19 ID:mwAFCBMf0
学生にとって放課後に入る瞬間は最高に幸せな時間だと思う。
自室に戻れば授業以上に集中して勉強する事になる私でも、気分は軽くなる。

「雄真ー、今日は久しぶりに男二人の熱いゲーセンガチバトル!…といかないか?」

放課後は大人数で盛り上がるのを好む高溝君がわざわざ男二人なんて言うのは
きっと院へ入る為の試験に向けて毎日机と向かい合っている私を気遣ってくれているから。
申し訳ないようでいて、そんな風に考えてくれる友人の存在が本当に嬉しくて。

「……でよ、俺が代わりに鮮やかにクレーンを操作してでかいウサギを取って!
 もちろん彼女はもうメロメロ!そのまま今夜は熱い一時を過ごぶべらっ!」
「その手の動き、それだけでもう本当に犯罪だぞお前…」

あれさえなければ夢では終わらないと思うんだけど、ね

「んでゲーセンだけど、悪いけど今日は御薙先生に呼ばれてるんだ。また今度にしてくれ」
「御薙…って何の先生だ?」
「確か魔法科の先生でしょ?杏璃ちゃんの用事を待ってあげるのよ。
 もう、わかってきたじゃな〜い、雄真。これからの男はマメさが大事なんだからね」
「お前がマメなのは認めるが、女側から言ってるように聞こえるな…?」

いつものやり取りをさえぎったのは、元気な親友の声だった。
652はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 3/12:2006/11/09(木) 19:07:08 ID:mwAFCBMf0
「呼ばれてるのはあたしじゃないわ、雄真よ雄真。でも一緒に行ってあげるんだから、本当にマメよね〜あたし」
「え…小日向君が呼ばれているの?」
「ああ、何でか俺なんだよな。男手が要るとかそんな感じだと思うんだけど。」

思わず口を挟んでしまったのは最近の先生の忙しさを知っているから。
魔法科の校舎に結界を張る作業は大詰めを迎えていて、自分の研究にも手をつけられないと愚痴っていたくらいなのに。

「じゃああたし達はもう行くから、また明日ね。春姫も気晴らしならいつでも付き合うんだから、あんまり根詰めるんじゃないわよ〜」

考えている間に仲良く出て行った二人に、ほんの少しだけ胸が痛んだ。
子供みたいに初恋の人を追いかけている自分が、好きになれるかもしれないと思った人。
彼の隣に居るのが自分だったら……大切な親友の恋人なのに、そう考えたことは何度もあった。
それは今までの自分を否定するようで。そして考えれば考えるほど淡い思いは強くなって。

そんな中途半端な気持ちと試験のストレス。そして彼女の最後の言葉が私の好奇心を後押しした。

「折角だから私も先生に話て来ようかしら。聞きたいこともあったし…」

独り言のように告げて、マメな男について議論する二人に声をかけて教室を出た。
もし二人の用事が早く終わるようなら、一緒に帰ってからかってみるのもいいかもしれない、なんて。

自分勝手な嫉妬心でそんなことを考えていたから

一番知りたかった事を
一番知ってはいけなかった事を
知ってしまったのかもしれない

653はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 4/12:2006/11/09(木) 19:11:32 ID:mwAFCBMf0
二人とも、まだ居るかしら?

まだ塗料の香りの残る魔法科校舎の一室。見慣れたドアの前で、私は簡単に身なりを整えていた。
教室を出たところで担任の先生から声をかけられて院への編入についての書類を渡された。
説明にかかった時間は5分と少し。小日向くんの言うように力仕事なら丁度始まったところかな?

そしてノックをしようと腕を上げた、その瞬間。

「…それはね、小日向くん。あなたが私の息子だから、よ」

「…っ!?」

漏れ聞こえた声に全身が緊張して、入った力そのままに腕を叩きつけそうになった。
私が先生に師事した理由。先生の弟子として院に入る理由。
私の呪文の組み立てが、あの日の彼の呪文が、先生と余りにも似通っているから。
先生と親しくしていればきっと彼と会う機会がある、そんな希望にすがって。
離婚暦のある先生に直接家族の事は聞けなかったけれど、弟子が居ないことは何度も確認した。
呪文の組み立てから教えるような弟子は、居なくて。そして

  息子     同い年      妹をいじめっこから助けるような

視界が狭まる。世界が色をなくしていく。
遠ざかる現実の中で、その声だけがはっきりと聞こえた。

「エル・アムダルト・リ・エルス・ディ・ルテ…」

聞きなれた呪文が、聞きなれた声で唱えられる
少し緊張したその詠唱があの日の少年と重なって…


気づいた時には歩きなれた公園に居た。
無我夢中で歩いて来たはずなのに、背筋を伸ばしてまっすぐ歩いていた自分に…もう一度、目眩がした。
654はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 5/12:2006/11/09(木) 19:12:21 ID:mwAFCBMf0
結局朝まで起き上がることはなかったけれど、そのまま登校する勇気もなかった。
朝食をとる代わりに制服にアイロンをかけ、お弁当を作る代わりに笑顔の練習をして。
いつ眠ったのかも覚えていないけれど、幸い顔には出ていないと思う。

「聞いちゃったから…ちゃんと言わないと、ね」

それは立ち聞きをした事をか、それとも自分の想いをなのか。
昨晩ずっと考えていたはずなのにそんな事すら決められなかったけれど
教室で彼を目にすればもうこの気持ちは抑えられないと、本当はわかっていた。


「…ごめんなさい、私が聞くべきじゃないと思ったからすぐに離れたんだけど…」
「いや、別にいいって。むしろ入ってきてくれても良かったぐらいだよ。
 しかしかーさんに聞いたら本当だって言ってたし、まさか実の母親がこんなに近くに住んでたなんてなぁ」

二時間目が終わり実験に向かう途中、事情を聞いた小日向くんは少しも気にしなかった。
私が聞いていたことが気にならないのは、母親を知って混乱しているせい?
それとも…私になんて、興味がないから?
そんなこと考えたって、何にもならないのに…。

「二人とも…放課後に時間、あるかな?」
「俺は暇だけど杏璃は…」
「あたしは今日もOasisでバイトね。ど〜せ昨日の話しなんでしょう?雄真貸すから、好きにしちゃっていいわよ。
 終わったら部屋に行くから、こっちはその時でもいいでしょ?」
「うん、ありがとう杏璃ちゃん。小日向くん、いいかな?」
「貸すっておまえな…まぁ、いいけど」

やっぱり彼はぼんやりしていて。
それでも杏璃ちゃんのことはちゃんと見ていて…
二人に割り込むことなんてできない。割り込みたくなんて、ない。
それでも私も……ううん、私を、見て、欲しかった。
655はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 6/12:2006/11/09(木) 19:13:10 ID:mwAFCBMf0
「そう言われても…。半年で覚えこむなんて、無理だよなぁ。
 でも杏璃はやたらやる気で。来年も同じクラスだ〜、なんて言ってさ」

先生の話は、来年度から魔法科に編入してはどうか、という誘いだったらしい。
集中講義で半年で授業についていけるようにする…というのは確かに無茶だけど
私がこれからする話はもっと無茶かもしれない。

緊張で、後悔で、そして認めたくない期待で、脚が震える

「小日向くん…覚えてる?」
覚えてるはず、ない

「まだ魔法を使っていたころ、今はもうなくなった公園で…魔法を使って、女の子を助けたこと」
たとえ覚えていても、特別な想い出なんかじゃない

「すももちゃんが言ってたみたいに、昔はよくいじめっこと喧嘩したりしていたの」
実の母親を知った翌日にこんな事を言うなんて

「男の子が何人も居て。どうしようって、助けてって、そう思った時」
私の独りよがりな想いなのに

「…それは凄く暖かい光で。それに憧れて、私は魔法使いを目指したの」
彼は驚いて…でも、何かを思い出したようで

「それが、私の初恋」
私を真剣に見つめてくれて

「そしてずっと、今も、好きです」
だからこそ、答えはわかっていて

「…小日向くん、あなたが」
もう、脚は震えていなかった
656はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 7/12:2006/11/09(木) 19:14:13 ID:mwAFCBMf0
怒ってもいいはずなのに、先生は機嫌良く一枚の用紙を手渡した。

「見た通り、ね。悪くはないわ、決して。でも良くも…ない」

私の院編入試験。特に重点的に見られるのは魔法の技術全般。
当日は落ち着いていたと思う。十分に練習もして、詰め込めるだけの理論を詰め込んだ。
そして、その結果だった。

「全力じゃなかった…訳じゃないわね。問題があったというよりは、迷っていた、かしら?」
「…はい、迷っていた、かも……しれません」

あっさり見破られても動揺はしなかった。むしろ話す理由になる、そう思った。

「……………」

でも、言葉は出ない。
親友の彼に、あなたの息子に恋をしていて。
彼が魔法科への編入を決めたから、自分も魔法科に残ればせめて近くに居られる。
もしかしたら、まだチャンスだってあるかもしれない。
そんな不純な気持ちで期待を裏切ったなんて、口には出せなくて。

「……私の一番の親友、ね。音羽って言うの。ここでOasisって食堂をやってるんだけど…知っているかしら」
「…? はい、小日向くんのお母さん…っ、ごめんなさいっ」
「いいのよ、彼もそう言っていたし…彼なりに私に通じるものを感じてくれているから、それだけで十分。
 それよりもね、私と音羽は同級だったんだけど…」
657はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 8/12:2006/11/09(木) 19:16:37 ID:mwAFCBMf0
自分で言うのもどうかと思うけど、学生時代から魔法の才能は人一倍あったの。
天才だ、なんて言われる事も多かったけど…直接私に言った人は居なかったわ。
表面ではみんなと仲良しで。中を見れば誰とも仲良くなんてなくて。それでも、変える気もなかったわ。

でもね、音羽と出会ったの。
普通科で魔法と何の縁もなかった音羽だけど私の名前は知っていて。
その私名前を聞いて最初に言ったこと、今でも覚えてるわ。
「このコロッケパン、元に戻せない〜?お願い〜!」だって。
初対面の相手に何を、なんて欠片も思わなかったわ。
それは音羽の才能でもあったんだけど…私は嬉しかったの。
噂は聞いてるはずなのに、気を使って魔法使いの私から目をそらしたりしないで、友達みたいに頼んできて…。

それからね、音羽と一緒にあれこれするようになったの。
随分と無茶もしたわ。購買のパンを変えろって抗議運動したり、学食を作れって署名を集めたり。
今では自分で作ってるぐらいだもの、よほどこだわりがあるんでしょうけれど…。
とにかく、楽しくてね。魔法なんて捨てて普通科に移ろうかって思ったことも一度や二度じゃないわ。
結局編入はしなかったんだけど………ええ、そうよ。私にも来たわ、特待生の誘い。
察しはつくでしょうれど、蹴ったの。今はもっと大事なものがあるって、そう言って。
私はそれで後悔していないけれど…あなたはわからない。
迷うなら存分に迷いなさい。
この結果なら私の一存で合否を動かせるわ。
あるんでしょう?
もっと大事なものが、今のあなたには。
658はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 9/12:2006/11/09(木) 19:21:51 ID:mwAFCBMf0
「なるほどね〜、そんな仲だから、魔力を暴走させた雄真を音羽さんに預けた訳ね。
 はむふむはむ…もちろんそんな単純な話じゃないんだろうけど…」

その日の夜、私は寮の杏璃ちゃんの部屋を訪ねていた。
特待生の話は杏璃ちゃんにも関係がある。
そして、もっと大切な話もある。
わざわざケーキまで出してくれた親友に、私は、裏切りを告げる。

「で、その話を聞く限りだと〜……春姫はあたしと離れたくなくて魔法科に残る、ってことよね〜。
 も〜モテる女は大変ね、本当。でも悪いけど、あたしはゆ…ゆぅ…雄真一筋、だからね?」

まだ小日向くんに告白した事は話していない。
彼女の様子は普段どおりだったから、多分彼も話していない。
絶対に怒る。間違いなく悲しむ。きっと嫌われる。それでも。

「ううん、違うの。杏璃ちゃんも大事なお友達だけど…」
「だけど、だけど?」

「私は…」
「私は〜?」

…っ

「…小日向くんが、好きだから、魔法科に残るのっ」

「それはいいけど、雄真は絶っっっ対渡さないわよっ」

…え?
659はぴねす!(スレ650)杏璃ルート後/春姫 10/12:2006/11/09(木) 19:22:26 ID:mwAFCBMf0
「…大体、何で雄真があたしに隠すと思ったのよ。もっのすごい浮気フラグよね、それって」
「だって杏璃ちゃんの様子、どう見ても普段通りだったからっ」
「むしろあんたの様子がおかしかったのよ。あれだけどんよりおろおろされると怒る気も起きないわよ本当…」

杏璃ちゃんがケーキまで用意していたのは、残念賞だったらしい。
私は想像以上に参っていたみたいで、ここ数日は二人とも私の試験の心配ばかりしていたとか。
でも、軽く流されているからって、甘えるわけにはいかない。

「…ごめんね、杏璃ちゃん。やっぱり酷い裏切りだと思う。先に杏璃ちゃんに伝えるべきだってわかってたのに…」
「まあ、いい気分はしないけど…。でもね、ずーっと負けてきた春姫相手に1本取った訳だし。
 全然魔法と関係ないのが気に入らないけど、まぁこの勢いで今期トップはいただきねっ」

親友だからって、曖昧に許しあうなんてダメ

「そうよね、杏璃ちゃん、何度負けてもずーっと私を追いかけてきたのよね」
「追いかけるだけじゃないわよ、いつか必ず、絶対追い越すんだからねっ」

そう、甘えるわけにはいかない

「…でもね、杏璃ちゃん、追いかけられる方も大変なのよ?少しも手を抜いたりできないんだから」
「な〜に?限界だって言うならいつだって代わってあげるわよ?早いか遅いかの違いだしね」

だって、私だって

「ううん、違うわ。これから杏璃ちゃんも追われるっていう話よ、私に」
「…へ?」

杏璃ちゃんを甘やかすつもりなんて、ないんだから


「いつか必ず、絶対、小日向くんは私がもらうからっ!」
教室に注ぐ朝の光は穏やかで、開かれた窓からはやさしい風が踊る。
その上隣に大好きな人が居るなんて、本当に…幸せ。

「おはよう、小日向くん。魔法の勉強は進んでるの?」
「どんどんわけがわかんなくなってきて、その上からさら覚えさせようとするもんだから…
 本気で諦めようかと思ってきたよ、編入なんて」

そんな事を言いながらも鞄から魔法書を取り出す彼は少し楽しそう。

「大丈夫、一つ一つステップを踏んでいけば必ず理解できるから。
 私で良ければ出来るだけ力になるけど…昨日わからなかったのは、何処?」

隣から分厚い本を覗き込む私も、きっと笑顔になっていて。

「それはね、起動呪文と反発するからダメってそれだけで終わっちゃダメなの。
 わざわざ一編使っているのには理由があって…」

…ぁぁぁ

かすかに聞こえた声は、幸せな時間の終わりを知らせる鐘の音。

「…もう、時間切れなの?」
「ホームルームまでは10分近くあるぜ?」

…ぁぁぁぁぁぁあ

シンデレラの魔法は、思ったより早くとけるみたいね。

「すぐにわかるから、窓から離れて」
「…なんとなく、わかっ…うわっっっ」

「……ぁぁあああああああむふぇええええええええええええいぃ!!!!」
「杏璃ちゃん、窓から入ったら危ないって前にも言ったでしょう?」
「んなことより春姫ぃぃぃぃ!あんた、あたしの目覚ましの時間、遅らせたでしょう!」
「杏璃ちゃんが後1時間、って言ったから…」
「言うわけないでしょうがっ!」

もちろん本気で邪魔をしたことなんて一度もありません。

「雄真〜!あんたも何春姫相手にデレデレしてるのよっ」
「どんな言い掛かりだそれっ!」

でも、この気持ちは何もせずには抑えられなくて。

「頑張ってね、杏璃ちゃん」
「元凶はあんたでしょうが〜っ!」

わがままで、ちょっといじわるな私。
でも、それが本当だから。

「はぁ、はぁ……春姫、もうちょっと…控えめにならない?」
「限界なら、いつだって代わるわよ?」
「お・こ・と・わ・り・よっ!」


…やっぱり、迷惑?
 
662はぴねす!スレ650の人:2006/11/09(木) 19:28:25 ID:mwAFCBMf0
>>650-661

はぴねすスレ650でSS書いちゃったよなんて言った者です。
正直貼らなくていいよってスルーされると思っていたらスレまで教えてもらって
こんな所に載せるの初めてでビクビクです。

杏璃ルート後、初恋の人が雄真だと知った春姫の話ですが…
完全な春姫1人称だと鬱陶しくなるし、3人称もなぁという合間で微妙な具合になってしまいました

最初はやたらどんよりですが、春姫一人でダークしているだけで、周りはずっと暖かです。
優等生は嫌だとか言わなくても、はぴねす本編後は友達が居るじゃないかっていう。
ごめんなさい言い訳です、書いてて辛くなったので明るくしました。
特にEPは無理やりです。杏璃大好きな方は迷惑だよっって笑って終わってください。
何分素人なので生暖かい目で見てくださると幸いです。

ではお付き合いありがとうございました。
663名無しさん@初回限定:2006/11/09(木) 19:37:36 ID:dMcf7oHS0
>662
GJ!
8〜10が特に上手いですね
でも春姫(つД`)切ない
664温泉の人:2006/11/09(木) 20:35:36 ID:3IE9Jux/0
このまま杏璃の目盗んでUMAと既成事実作ったら神!!<春姫
だなんて不謹慎なこと考えた俺は負け組orz

だけど春姫の秘めたる恋心を、怒るどころかむしろ笑って受け入れてあげた杏璃を見て、
あぁ、2人は本当にいい親友同士なんだなぁって、ちょっとしみじみきちゃいました。

ともあれ、お疲れ様です〜ノシ
665名無しさん@初回限定:2006/11/09(木) 20:55:42 ID:sHnFRjV70
次スレ立てる?
何か変更点ある?
666名無しさん@初回限定:2006/11/09(木) 21:08:21 ID:2V/ejf7i0
>>662
GJです!
667温泉の人:2006/11/09(木) 21:33:41 ID:3IE9Jux/0
  ∧_∧  +
 (0゚・∀・)   新スレの到着をワクテカしつつ待ってみるテスト
 (0゚∪ ∪ +        
 と__)__) +
668名無しさん@初回限定:2006/11/09(木) 21:49:03 ID:sHnFRjV70
立てた。
SS投稿スレッド@エロネギ板 #11
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1163076407/
669名無しさん@初回限定:2006/11/09(木) 23:05:25 ID:yk542O110
>662
二人仲良く、とか思いついた自分は完全にエロゲに汚染されていると思ったorz
670名無しさん@初回限定:2006/11/10(金) 11:06:49 ID:kh+xnmyz0
>>650氏GJです!
ついでにこの続きとかすももVerもお願いしちゃっていいですか?
671名無しさん@初回限定:2006/11/16(木) 23:53:36 ID:munct1Ah0
>>650
GJ!
っていうか雄真にはこういう親友っていないよな〜・・・
672名無しさん@初回限定:2006/11/20(月) 16:52:20 ID:LMSoRwrt0
日本 「すまん。トイレ逝ってくる」
米露韓中北「いってらー」

中国  「(ヒソヒソ)日本を本気で怒らせてみたいが、難しい。潜水艦で領海に
      入っても怒らない」
韓国  「独島を占拠しても怒らない」
ロシア 「北方領土を返さなくても怒らない」
北朝鮮 「なら、おれが核ミサイルをぶち込んでみようか」
米国  「よせ、それはもうおれがやってみた」

米露韓中北  「一体どうすれば…(途方にくれる)」

中・韓  「俺らは日本人を怒らせようと犯罪者を大量に輸出してみたんだが、
      逆にビザ免除に動いてくれてるし‥」
北・露  「ふーむ…」

米国   「・・・あ、でも、牛肉に脊柱にいれたら、
       日本国民が激怒したな‥」
露韓中北 「それは、おまい怒るよ」

中国「野菜に毒(農薬?)盛ったら怒ったぞ?」
韓国「生ゴミ餃子も怒った」
米国「寄生虫の卵を食い物に入れて輸出しあってる奴はちょっと黙れ」

ロシア「あいつ、食い物以外じゃ怒らねーんじゃねーの?」

米韓中北 「あ!」
673名無しさん@初回限定:2006/11/20(月) 17:51:02 ID:hsRUiiFR0
>>671
前に見たときより進化してるwww
674名無しさん@初回限定:2006/11/20(月) 20:49:54 ID:EQ/pfhn60
……あー、愛知の時弁当も食い物がらみだな。
何だこの国のネタっぷりは。
675名無しさん@初回限定:2006/11/21(火) 01:32:38 ID:FINfGfL80
まあ食い物だと、お偉いさんはともかく国民が反応するから動かざるを得ないからね。
国民に知らされてないネタなら基本的に何やってもお上は動かないな。
676名無しさん@初回限定
>北朝鮮 「なら、おれが核ミサイルをぶち込んでみようか」
>米国  「よせ、それはもうおれがやってみた」

なんだこの会話www