【プロローグ】
主人公はキモメン高校生。クラスメイトからもキモがられており、自己評価も極めて低い。
何かにつけ罵詈雑言を浴びせられる日々を過ごしている。
ある日、見知らぬ少女が車に轢かれそうになる瞬間に遭遇し、
咄嗟に「自分の人生よりこの女の子の人生の方がずっと価値がある」と考えてしまった主人公は
少女を庇うために身を投げ出す。結果、少女はかすり傷程度で済んだが、主人公は死亡。
霊体?となった主人公の前に、神様とやらが現れる。
何でも、最高の自己犠牲(捨身:しゃしん)を払った主人公の行いを称え、
生まれ変わらせてくれるとか何とか。
【フツメン編】
朝、いつものベッドで目覚める主人公。ところが顔を洗おうとしてビックリ。
神様の力でフツメンに生まれ変わっていたのだ。
クラスメイトの態度も今までとは雲泥の差。
(実際はごく普通に接しているだけである。それだけ今までの待遇が悪すぎたということ)
始めからフツメンとして生まれてきたかの如く、歴史も人間関係も塗り替えられていた。
ここから暫く、普通の恋愛物エロゲのようなストーリーが展開される。
クラスメイト数人(サブキャラ)のシナリオをクリアすると、フツメン編真ルートが出現。
真ルートは推理サスペンス調?で、主人公達は何らかの陰謀に巻き込まれる。
波乱万丈、紆余曲折の展開を経た後、主人公は自らを犠牲にして仲間全員を生還させる。
主人公一人だけ死亡するが、またまた神様が登場して転生させてくれる。
【イケメン編】
朝目覚めると、超絶美形に生まれ変わっている。
半生の歴史も、幼少期からモテまくり人生&学園でも女生徒の憧れの的、に書き換え済み。
登校すれば、校門前で目を潤ませた下級生に迫られたり、
靴箱には毎日手紙の山、クラスメイトも主人公にぞっこんで親衛隊を結成していたりする。
そんな天国のような状況に置かれた主人公は、クラスメイト数人(親衛隊、サブキャラ)を
喰ってみたり、後輩喰ってみたり(処女、Hできるが非攻略キャラ)、
ハーレム作ってみたりと人生を謳歌する。
一通りエンディングを見るとイケメン編真ルートが出現。
実はクラスの中に二人だけ、キモメン時代からイケメン時代まで、主人公に対する態度が変わらず、
また主人公がかつてキモメンであったことを記憶している女の子がいる(高飛車お嬢様と幼馴染)。
真ルートの序盤で、どちらの女の子を選んだかによってそれぞれのルートに分岐する。
【イケメン編真ルート:高飛車お嬢様ルートその@】
入れ食い状態、無限据え膳状態になった主人公は、超自信家になり、
かつて散々自分を見下してくれた高飛車お嬢様を落としに掛かる。
ところがこのお嬢様だけは、ずっとツンのまま。モテモテの主人公に対して、
むしろキモメン時代よりも毒を含んだ言葉を投げつけてくる。
ムキになった主人公は、どうにかしてお嬢様を落としてやろうと彼女をつけまわし、
執拗にアプローチを仕掛ける。当然ウザがるお嬢様は、思わず
「随分とつまらない男に成り下がったものね。これならまだ昔の方が……」
と口走ってしまい、あわてて取り繕う。
この時点で主人公は、お嬢様だけは自分の過去を知っている特別な存在なのだと気付き、
ここから本当の意味でお嬢様に惹かれ始める。
以前とは異なる、気持ちの入ったアプローチの結果、二人の距離は徐々に縮まる。
しかし相変わらずツン。
やっとの思いで恋人同士になるが、未だにツンのままで、自分の方が上だとの態度を決して崩さない。
デートしても並んで歩くものの、手を繋ぐことも許さないしデレることもない。
だが、部屋の中など、完全に他人の目から遮断された状況になると少しだけ変化が。
ツンだけど、主人公のお願いは何でも聞いてくれるのだ(Hとか。勿論文句は言うが逆らうことはない)
てな感じて、外ではパーフェクトツン、人目がなければツンだけど従順、なお嬢様との、
肉体関係は有り・人間関係は珍妙、な恋人関係がしばらく継続される。
【高飛車お嬢様ルートそのA】
外ではともかく、部屋の中では結局色々とやらせてもらえるので、概ね幸せな日々を過ごす主人公。
だが二人の関係が学園内に知れ渡るにつれ、騒動が勃発。
みんなの憧れであった主人公がお嬢様に取られたことで、学園内でのお嬢様の立場が最悪なものになり、
全女生徒 vs お嬢様、のような構図が出来上がる。
露骨な嫌がらせを受けたり、時には辛辣な悪口を浴びせられたりするお嬢様。
果てには襲撃騒ぎまで発生。
一方、主人公の方は、お嬢様から遠ざけて取り返そうとする親衛隊達に囲まれ、
これまで以上にちやほやされる。中には抜け駆けして半裸でせまってくる女生徒も。
そんな状況にイラつくお嬢様。
困り果てた主人公の下に神様が現れ、
「祈りの力が弱っており、自分(神様)の力も弱っている。このままでは……」
と告げる。聞き返した主人公に、
「主人公の捨身だけで生まれ変われたのではない、二人の敬虔な女性の祈りの力が合わさることによって
奇跡を起こす力が生まれたのだ……」
と言い残してフェードアウトする。
翌朝目覚めると、キモメンに戻っていることを知り絶句する主人公。
またあの生き地獄に戻されるのか、特にお嬢様の前には絶対出られない、
と思った主人公は、学園に登校できなくなってしまう。
【高飛車お嬢様ルートそのB】
数日引きこもっていると、見知らぬ怪しい人物=完璧に変装したお嬢様、が自宅に尋ねてくる。
驚く主人公に対し、お嬢様は真相を語り始める。
お嬢様の父親は醜男(ぶおとこ)だったが、一代で身を起こして巨大企業グループを築き上げ、
容姿の醜悪さとは裏腹に、財界人としての優秀さ・人の上に立つ者の器量に優れた
「マイナスからの出発で成功を掴んだ男」として経済界でも有名な男だった。
母親は美人で、夫婦仲は悪くなかったが、夫のことは愛していなかった。
実際は金と地位と名声に目が眩んで結婚しただけなのだ。
しかも、夫の容姿が子供に遺伝するのを嫌い、排卵日を偽って秘かにイケメンに種付けさせた上で
夫と交わり、夫の子と称してお嬢様(イケメンの子)を生んだのだ。
当の夫は、それに気付いていながらも妻子に愛情を注ぎ、妻に先立たれた後も
娘(お嬢様)を変わりなく可愛がって育て上げた。
傍目には何不自由無いように育ったかに見えるお嬢様だったが、その心の中は
自分の美貌と能力への自負、美しかった亡き母への思慕と憎悪、父への愛情・感謝と後ろめたさと嫌悪
(愛情一杯に育ててくれたのには感謝しているが、やっぱり容姿が醜いのは嫌だと思っていたり)、
それぞれが複雑に渦巻いていたのだった。
【高飛車お嬢様ルートそのC】
最初はクラスメイトと同様に、キモメンの主人公を馬鹿にしていたお嬢様だったが、
次第に父親に良く似た容姿の主人公のことが気になり始めた。
しかし自分とは全く釣り合わない主人公に気が有る、などと認めることは自らのプライドが許さず、
一方で容姿を理由にして、自分の心にふたをすることについては、父親に対する後ろめたさも感じていた。
「コイツがもう少しましな顔ならば、並んで歩いてあげてもいいのに」
そう思ったお嬢様は、苛立ちから主人公を罵倒し続けるのだった。
中学までミッション系の有名校に通っていたお嬢様は、神を信じており、
どうしようもない心の乱れを、日々の祈りによって沈めるようになっていった。
願ったのは自らの救済。ついでに無理だと分かっていながら願ったのは主人公の容姿の改善。
やがてあるとき神様とやらが現れた……
その後主人公はキモメン→フツメン→イケメンとレベルアップ。
連れ歩いても自分と引けを取らない容姿になり、一応恋仲にもなれたことで一時喜ぶお嬢様。
だが主人公がイケメン化したことで先述のように諸問題が発生。
全校の女生徒と険悪になり、主人公も独占できず、願いが叶っても救われなかったお嬢様は、
こんなことなら邪な願いなどするべきでなかった、と思い始める。
そして祈りの力は薄れていき、主人公は元のキモメンに戻ってしまったのだ。
【高飛車お嬢様ルートそのD】
このようなことを主人公の部屋で語った後、お嬢様は、
「私のことを本当に好きなのか、私のどこが好きなのか、
冷静に考えていれば私は容姿が優れているだけで性格が可愛い訳ではない、
単に私の見た目に惹かれているだけではないのか」
などと運命の質問を投げかける。
選択に失敗すればお嬢様は帰ってしまいバッドエンドへ。成功すれば、
「心から好きだと想ってくれているなら、自分もその想いに答えよう、容姿なんて関係ない」
などのような展開になりHへ。
【高飛車お嬢様ルート エピローグ】
キモメンに戻ったが登校できるようになった主人公。相変わらず罵倒されるが以前ほど辛くはない。
お嬢様は学校で主人公を連れまわすが、並んで歩くことを決して許さず、
いつも三歩以上下がって後ろから付いてくることを命じる。
学校での主人公の扱いは、お嬢様のお気に入りの下僕&荷物持ち、というポジションで落ち着く。
デートのときも並ぶことを許さず荷物持ち扱い。
でも二人きりになれば、ツンながら従順なのも相変わらず。これまで以上のHとかもさせてくれる。
「お父様のように立派な男になりなさい。そうしたら並んで歩いてあげる」
そう言いながらも主人公を父親に紹介しようとするところでエンディング。
【イケメン編真ルート:幼馴染ルートその@】
※幼馴染(女)。顔立ちはまあ普通(勿論CGでは可愛く描かれている)。
子供時代からキモメン時代まで、唯一主人公を罵倒しなかったのがこの幼馴染だった。
(見慣れているのが罵倒しない主な理由であって、別に特別な好意を抱いているわけではない)
幼馴染は、主人公には元々良い所が一杯あるのに、容姿のせいで罵倒され続けた結果、
主人公がすっかり萎縮して自信喪失してしまったことを常に気にかけていた。
ことあるごとに主人公を励ましてはいたが、いじけている主人公の心には届かない。
信心深い彼女は、
主人公が幸せになれるように、自信を取り戻すように、容姿のせいで自信を失うことがないように
と日々祈りを捧げていたのだ。そしてある日神様とやらが現れた……
一方、あれ程自分を悩ませていた容姿の問題から開放されたばかりか、モテモテ&入れ食い人生へと
転生を果たした主人公。しばらく幸福の絶頂期を味わうが、次第に虚しさを覚えるようになる。
女の子達は、皆、今の自分の容姿の良さに釣られているだけではないのか。
誰一人、自分の内面を見ようとする者、理解しようとする者はいないのではないか。
同じ容姿の赤の他人がいれば、やはり同じように惚れるのではないか。
【幼馴染ルートそのA】
どこか虚しいハーレム。クラスメイトが自分に熱を上げる中で、幼馴染だけは
昔と態度が変わらないことに気付く主人公。
(性格にはお嬢様も変わらない&むしろ険悪化、なのだがこのルートでは目に入っていない)
不思議に思い、理由を尋ねてみると、
「今の自分に自信ある? そう?それならよかったわ。」
などと意味深なことを述べる。更に聞くと、
昔キモメンだったことを知っている、今の○○君は昔と違って自信に満ち溢れていて輝いている、
それはイケメンだからではなく、主人公が自信を取り戻したことによって、
本来主人公が持っていたものが表に出てきたのだ、と話す。
それからも非攻略キャラ達とのHを繰り返す主人公。彼女達が自分の容姿を褒め称える中、
幼馴染だけが只一人、昔から自分の内面を見てくれていたこと、
自分を理解し肯定してくれていたことに思い当たり、彼女を意識し始める。
試しにデートに誘ってみる主人公。だが応じない幼馴染。
(親衛隊とかの手前)幼馴染のよしみで、幼馴染特別枠で、などの大義名分付きでもいいから、
と誘ってみても駄目。
>>29の三行目、性格→正確だったorz
【幼馴染ルートそのB】
その後も色々と幼馴染を追い掛け回し、幾つかのイベントをこなした結果、
幼馴染の良さを改めて認識した主人公は、彼女に正式に交際を申し込む。
だが幼馴染は、今の○○君は自分に自信が持てて幸せそうだから、今の自分とは釣り合わないから、
それに人と争うことが嫌いなので、親衛隊の女の子達とかと喧嘩になるのも嫌だし、と身を引く。
この調子では、彼女が告白を受け入れることはありそうにない、と感じた主人公は、
立ち去ろうとする幼馴染を追いかけていき、押しの一手で強引に関係を持ってしまう。
そして二人は隠れるように付き合い始める。
親衛隊達の目を逃れながら、暫くの間、幸せな時間を過ごす二人。
だが神様が現れ、祈りの力が弱まったと告げる。
(幼馴染:主人公が自信を取り戻した=願いが叶った=祈りによって願う必要性が薄れた
お嬢様:願いが叶いイケメンになった→でも振り向いてもらえなかった→祈りに身が入らなくなった)
結局キモメンに戻ってしまい、数日間不登校になる主人公。
家に幼馴染が尋ねてきて、(お嬢様ルートと同じように)祈りのこと、神様のことを話す。
「(キモメンに戻っちゃったけど)自信を失わないで。何もかも駄目だと思わないで。
○○君は良い所一杯あるんだから。」
と励ます。
【幼馴染ルートそのC&エピローグ】
主人公は
「今まで気付かなかったけど、君の素晴らしい点を幾つも見付けることができた。
元に戻ってしまったけれど、できればこれからもそばに居て欲しい。でも同情から付き合いを
続けるつもりならば、いっそきっぱりと分かれてほしい。その方がお互いの為だ。」
と訴える。対する幼馴染は、
「お互いのいい所を理解しているのなら、この先も良い関係が築けるはず。」
と、関係継続を宣言。そのままHへ。
終わったあとの主人公の台詞がこれ。
「俺は見ての通りの男だ。これからも色々と苦労するだろう。
でも君を幸せにしたい気持ちは誰にも負けはしない。
この先どんな理不尽な災いが降りかかろうとも、全て打ち勝ってみせる!」
無事登校できるようになった主人公。相変わらず学校ではキモメン扱いを受ける。
でも今ではその全てに耐えることが出来た。幼馴染の笑顔がそばにある限り。
そして数年後、逆境にめげず社会的に成功した主人公は、幼馴染と挙式する。
フラワーシャワー時に職場の同僚から「美女と野獣」とちゃかされているシーンでエンディング。
【このゲームのテーマ】
@キモメン→フツメン→イケメン時における、同じ女の子の態度の違いを楽しむ
Aキモメンでも腐らず、人生を投げず、前向きに生きていればきっと人生は開ける、
そういった励ましのメッセージを込めた作品
まあAが主題だってことで。
以上、長文&悪文の連投スマソでした。