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しょうがないわ、話しましょう。シーザーがなぜあんなにも異常なほど葉鍵のゲームを誇りにするのかの秘密を……
高橋と水無月、そして久弥……彼等は突然葉鍵を捨てました。
それまでシーザーは葉鍵こそがエロゲ界一のすばらしいメーカーであり、
弱小メーカー上がりらしいファンを大切にする頼り甲斐のあるメーカーだと信じきっていました。
いたる絵にも慣れてきたし、葉鍵こそシーザーの理想のエロゲだったのです。
その製作チームの主要メンバーが、締切り破りや上司とのトラブルで退社し、
よりによってリアライズなんて作ってしまったのです。そのあんまりな出来にファンは大きなショックを受けました。
そのうえ残された製作スタッフが酷い(顔の)女で、鍵は新作を全然出さず、Leafの新作はワゴンで100円以下。
シーザーは葉鍵を呪いました。
「どうせ智代アフターや天使のいない12月みたいな鬱ゲーしか出せないんだろ!! 13cmやアトリエかぐやで抜きまくってやる!!」
そして――プレミア価格の暴落した葉鍵グッズを売り払ったシーザーは、抜きゲーを買い漁りました。
シーザーははわわ〜とうぐぅを捨てたやけっぱちの獰猛さで、抜きゲーマニアとなったのです。
鬼畜、ロリ、人妻、調教、痴漢、ショタ……やってないジャンルはガッツシリーズだけ。
1日中部屋の中に引き篭もり、ゴミの収集員もシーザーのイカ臭いゴミ袋を恐れました。
「こぞう! きさま、シーザーと言ったな。好きな原画家はなんなんだ?」
「好きな原画家なんてねぇ!」
「ハハンてめー、さては型月信者だな。型月信者は原画を塗りで誤魔化す事を誇りにする」
「…………」
自分の前に立ちはだかるエロゲマニアと喧嘩する時、シーザーは容赦しなかった。
まずライアーのゲームをインストールさせる。これで確実に相手のパソコンは使い物にならなくなるのだが……
その後に超空間の一撃! これが恐れられた!
モニターが壊れたような独特の色彩感覚があり、プレイした者は確実にバカゲーマニアとなる。
「エロゲネタ師の才能」の片鱗だったのだが、この時本人はまだ知らない。
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2/2:2005/11/29(火) 20:50:34 ID:hazyZYPT0
ダメ人間街道一直線の青春――そしてシーザーは、ついに青紫を見つけたのです。
「あ…あの野郎〜〜〜〜〜間違いねぇ、あいつが誰彼なんて作りやがったのか」
その時かすかに「俺は青紫を殺すな……」シーザーはそう思いました。
「後をつけて、あいつがどれだけ軽蔑に値するヤツか確認してから……ブッ殺してくれる!」
しかし意外、青紫は特に新作に関わることもなく、葉鍵板でネタにされているだけではないか!
「な、なんの仕事をしているんだヤツは……ん? こ、これはLOVERSの予約券!?」
キョロキョロ……スッ
「あぶない小僧! そこで何をしているッ! くらげの予約をするんじゃない!」
「なに!? きさま!!」
キキ―ッ! ドグシャア!!
トラックに轢かれて宙を舞う青紫……
シーザーは何が何だかさっぱりわからなかった。
「よ、予約するな! これはワナなんだ! 信者に延々とグッズを買わせるためのワナなんだ!
わ、若者よ……頼みがある……私の死を葉鍵板に伝えてくれ……
それをネタにすれば、再び葉鍵板住民は活気付くかもしれない……
葉鍵滅亡を食い止めるには、信者にソフトを買ってもらうしかない。お、お願いだ……早く!早く!」
シーザーは理解した。青紫は本当に葉鍵を愛していたのだ。
たとえ自分がネタにされても、それでファンが喜べばそれでいい……だから青紫は葉鍵板で道化役に甘んじていたのだ。
ファンを大切にするスタッフは、ちゃんといたんだ……
「せ、先生……超先生!!……うう…うお…お……ああああ……あ……」
シーザーの葉鍵への憎しみの深さは、そのまま誇りの高さとなったのです。
そして、シーザーはToHeart2XRATEDを予約しました……