製作者は作品内容に関係なくアートであると宣言することは可能。
それが受け手(消費者)に対しての宣伝効果としてプラスに作用するかどうかは、
受け手側がその作品がアートであるいう主張の正当性を期待できるかどうかで変動する。
エロゲメーカーが芸術を謳って作品をリリースしたとすると、ユーザーが期待するのは本格感と格調の高さ。
これらが従来のエロゲと一線を画すものならユーザーは芸術として受け入れる。
もしこれが実現できればエロゲの販売戦略として芸術としての付加価値を見込めるかもしれない。
だが宣伝効果としての芸術につきまとう「格調の高さ」という足かせが、エロゲの表現の幅を狭めることになる。
芸術というのは受け手側の嗜好をもろに突いてはいけない。
エロゲはこれを至上目的としているために、受け手が高尚さを感じることが出来ない。
エロゲの作品性は誇れる部分も多く、定義によっては紛れもないアートだ。
だが芸術としての付加価値は一般に認知されないだろうし必要も無い。