Studio e.go!出張所

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368名無しさん@初回限定:2006/05/19(金) 07:52:07 ID:G9oRf+9l0
するーするー
369名無しさん@初回限定:2006/05/24(水) 11:32:51 ID:c7HCuMB00
保守
370名無しさん@初回限定:2006/05/26(金) 19:57:52 ID:o1+D4fqW0
暇つぶしに作ったエゴゲ系統樹
どうせ半ば過疎スレだし、一部かなり適当。誰か補完ヨロ
ベイグラの系統をもう少し出て欲しいな

  CF ─ CF2 ┬ PYTHIAN ┬─CF2R─夏神楽─継承者─鬼神楽─IZUMO零
   │      │       │                   └雀神楽─IZUMO雀
   │       │       └紅涙─MAW─MAW2─IZUMO─MAW3─IZUMO2─MAW4(仮)
   │      │                                     │
   │      └─CF3─┬─CF3R┬CF4(仮)                     │
   │             │     └ベイグラ┬                  │
   │             └MFA─エーベン  └ルイン┬           │ 
   │                    └魔王の娘     └天神楽     │
   │                                              ├─狂想曲
   └──────────────TW─WD─てんあく─ がくパラ──┘
371名無しさん@初回限定:2006/05/26(金) 20:16:36 ID:2ORJCVhJ0
ルインは新しい系統じゃないか?
372名無しさん@初回限定:2006/05/27(土) 01:05:06 ID:DYPsyGW60
乙ー
373名無しさん@初回限定:2006/05/29(月) 02:20:27 ID:kgieSgNt0
てすと
374名無しさん@初回限定:2006/06/01(木) 17:40:11 ID:OaRhUdc80
干す
375名無しさん@初回限定:2006/06/21(水) 01:16:52 ID:Pov+ueIi0
保守
376名無しさん@初回限定:2006/07/01(土) 17:25:43 ID:1Lax87iy0
保守
377名無しさん@初回限定:2006/07/16(日) 16:29:06 ID:rkdmeK230
保守
378名無しさん@初回限定:2006/07/20(木) 16:01:23 ID:/zrkonpe0
エーベンブルグの風DVD版でシャルロットの着替えCGと
ロザリーのメイド服CGが取れません。
セーブデータでCG埋めてみたけど
なにか後味悪く思うので以上のCGの取り方を教えてください。
379名無しさん@初回限定:2006/08/01(火) 19:17:59 ID:2trXlbrk0
保守
380名無しさん@初回限定:2006/08/15(火) 14:51:04 ID:RFgQQhuf0
381名無しさん@初回限定:2006/09/01(金) 22:52:32 ID:s6toWrpz0
メンアットワーク!4結構おもしろいじゃん。
というか未だにリゼッタさんが仲間に加わらない。どこにいるんだろう?
382名無しさん@初回限定:2006/09/02(土) 00:22:42 ID:6MK+flMw0
本スレから転載しておくね

303 名前:名無したちの午後[sage] 投稿日:2006/09/01(金) 10:47:54 ID:K6NXHNnb0
昼間図書館に通って夜の大浴場だそうだ
383妄想リィナルート 1:2006/09/07(木) 09:36:53 ID:XuT0kEAk0
メン4のシナリオのやっつけっぷりに補完&妄想で
書いてみた代物。


 「そこも違ってます。その魔法の公式は本来……」
 「あうう……」
  呆れたように――しかし見捨てることなくリィナの教えは続く。夕暮れの日差しが
 差し込むカールの部屋で、彼は本日行われた黒魔法の講義の復習を行っていた。
  だが、端から見る者が居れば自主的な復習というよりは徹底したスパルタ授業に見
 えただろう。カール自身の成績は決して悪くはない。実際、授業の内容を理解してい
 ない訳ではない。単に――教える者が優秀すぎた故に、その雑さが目についた、それ
 だけなのである。
 「前々から思っていましたが、カールさんは少し我流が過ぎます。基本を無視してい
  ない点は評価できますが」
 「うーん……こっちに来る前の癖がついてるのかな」
 「下地が出来上がって居るんですから、術式を組み立てる手順をもっと整然として、
  スムーズに魔法を行使するべきだと思います」
  とまあ、こういう事である。
  リィナの厳しい指摘に苦笑いしつつ、カールは教えられた問題に取り組んだ。しば
 しペンを走らせる音だけが室内に響く。カールの部屋がある学園寮は学園から少し離
 れた位置にある。
  未だ、残って訓練に精を出しているだろう生徒や、談笑しあう人々の喧噪も部屋の
 中までは届かない。
 (よし、これならいいんじゃないかな)
  会心の出来、とまでは流石に自負しないがそれでもリィナの指摘された部分は直せ
 ただろう、そう思ったカールは確認して貰うためにリィナに声をかけようと顔を上げ
 た。
384妄想リィナルート 2:2006/09/07(木) 09:37:52 ID:XuT0kEAk0
 「リィ…」
  そしてその名を呼ぼうとして思わず口をつぐんだ。リィナが窓の向こうに視線を向
 けたまま、心ここにあらずといった表情でいたからだ。落ちかけた夕日が彼女の銀髪
 を照らす。その美しさにカールは見惚れた。触れれば崩れてしまいそうな、或いは触
 れてはいけない水晶の細工のような、繊細な美しさがそこにある。
  それとも――それは燃え尽きる前の蝋燭のような輝きだとでも思ったのか。カール
 は胸によぎった焦燥に思わず立ち上がろうとして――思い切り膝を机にぶつけた。
 「いってええええ!?」
 「……!?」
  木製の机がガツンと音を立てる。その振動で筆立てが倒れ中身が散らばり、突然の
 物音に一気に現実に戻されたリィナの顔には、わずかに動揺の表情が浮かんでいた。
 彼女自身、考え事に耽っていたのだから、驚くことは想像に難くない。
 「くぅー……いたた」
 「……一体何事ですか。突然奇声を上げたりして」
  だが、それも束の間のこと。わずか数秒で落ち着きを取り戻したリィナの冷たい視
 線にカールは射抜かれることになる。正直な話、膝の痛みより彼女の視線の方が何倍
 も痛いと、背筋を震わせた。
385妄想リィナルート 3:2006/09/07(木) 09:39:11 ID:XuT0kEAk0
 「いや……その」
  君に見惚れていた、などと口に出すことも出来ずカールは答えを言うのを戸惑った。
 「そ、それより、リィナ! 問題解けたんだけど、これでどうだろう」
 「勢いで誤魔化すのは感心しませんが……まあ、いいでしょう」
  そう言いつつ、リィナはカールが慌てて突きつけたノートに目を走らせる。一瞬、
 そこには今までカールが見たこともない彼女の表情があった。
  僅かな微笑。少し困ったような、それでいて少し嬉しそうな、少なくとも学園に来
 てからの数ヶ月の間、一度も見たことがない彼女の笑顔だった。
 「リィナ……笑ってる?」
 「……!」
  不思議そうに覗き込んだカールの顔に、リィナは一瞬驚いたが、すぐに平静を取り
 繕った。
 「き、気のせいじゃないですか。私が笑う理由なんて何処にもありません」
  平然と言うが明らかに口調には焦りの感情が出てしまっている。しかし、カールに
 そこまで複雑な女性の感情を読み取れるはずもなく、
 「そうかな…?」
  と、疑問を抱く。流してしまえばいいものを気になる素振りを見せたために、さら
 にリィナは口調荒くカールに突っかかる。
 「わ、私がそうだと言っているのだからそうなんです! それよりカールさん、この
  問題はいいですが次の……」
 「は、はいはい!」
  こんな感じで、少し空気の変わった勉強会は日が暮れるまで続く。
  二人は気づいているのだろうか。カタチは違えど、その二人の立場が少しずつ、昔
 のそれに近づいていることを。

  ロレンツとウィルヘルムの来訪より二日。
  明らかになった様々な事実は、二人の知らぬところで、しかし二人に揺さぶりをか
 けている。それは両天秤のように交互に揺れ――二人を悪意の渦へと誘っていく。

386妄想リィナルート 4:2006/09/07(木) 17:03:56 ID:XuT0kEAk0
 「むむぅ……」
 「静穂? そんなところで何してるんだ?」
  戦闘術の講義中、模擬戦を一戦終えた静穂は、何故かあさっての方向を向いたまま
 唸っていた。その視線の先にはリィナがいる。そのことが気になってカールは声をか
 けた。
 「あ、カールさん。いえ、実はちょっとだけ気になることがありまして」
 「何かあったのかい」
 「うーん、うまく言えないんですが最近リィナさんの態度が柔らかくなったと思いま
  せんか?」
  静穂がそう思うのも無理はなかった。入学当初から全く他人を寄せ付けなかったリ
 ィナが、最近――具体的に言えばカール達のパーティに参加してから――は、言葉こ
 そ少なめだが、拒絶するような意志を示すことは滅多になくなった。
  纏っている雰囲気も随分と緩和し、触れるだけで斬れてしまいそうな冷たい雰囲気
 は今のリィナには微塵もなかった。
 「僕の場合は、柔らかくなったと言うより、だんだん昔のリィナに戻ってきているの
  かなって思ったけど」
 「ふーむ、今のリィナさんからは昔のリィナさんというのが想像できませんねぇ」
  何処か含むものがあるような声で静穂は言った。その視線がどこか悪戯心を含んだ
 ものに見えてカールは悪寒を感じた。
 「でもカールさん。大丈夫なんですか?」
 「何がだい?」
 「この間の――ベルナルド先生とあの人の会話ですよ」
 「ああ……その事なら大丈夫だよ」
  静穂が言っているのは、先日の夜に見かけたハンター協会の会長ウィルヘルムとベ
 ルナルドの会話だった。内容こそリィナの身を案じているように聞こえたが、何処か
 不安を抱かせる内容でもあった。
387妄想リィナルート 4:2006/09/07(木) 17:04:34 ID:XuT0kEAk0
  カールは事の真偽を確かめ、ベルナルドが信頼に足る人物だと判断している。
 「ボクはまだちょっと不安なんですけどね。ベルナルド先生はともかく、あのウィル
  ヘルムって人はちょっと怖かったですし」
 「うん、それは僕も感じた。通り過ぎるときに感じた悪寒はあの人がハンターとして
  の強者なのかわからなかった」
  だから警戒すべきはむしろ彼だろうとカールは言った。未来のハンターを目指す者
 が協会の会長を疑うなど恐れ多いかも知れないが、そんな事は彼にとっては些末な事
 だった。
  カールが案じるのはリィナの身である。それこそ、レイナと共に10年という月日
 の間、揺るぐことの無かった目標である。それは思わぬ形で宙ぶらりんのようになっ
 てしまったが、リィナが未だクライトン家の宿命に縛られているというのなら、自分
 にはまだやるべきことがある。
 「そこの二人」
 「は、はいっ!?」
 「えっ!?」
  少し突き刺すような口調で声をかけられた。見れば、少々不機嫌そうな顔のリィナ
 が二人の前に立っている。
 「いつまで休憩しているつもりですか? まだ模擬戦の時間は終わっていませんよ?」
 「あ、あははー、そ、そうですね。それじゃカールさん、ボクはこれで! あっ、ね
  えねえ、エステル! 次ボクにつきあってー!」
  すかさず、手の空いている生徒を見つけた静穂は、リィナの追求から逃れるように
 風のごとき速さで修練場の奥へと向かった。この切り替えの速さ、そして自らに迫る
 危機を逃れるための手段を選ばぬ潔さ。その手腕の良さはハンターとして褒められる
 べき才能である。
  カールはその為に逃げるタイミングを逃したわけだが。
 「あのーリィナ?」
 「さあ、カールさん立ってください。お暇のようですから、私の相手をしてもらいま
  す。休憩を十分とったようですから」
 「いや、でも、リィナさっきまで」
 「私の方は問題ありません。つべこべ言わずに立ってください」
 「は、はい……」
  結局、この後講義が終了するまでカールは延々とリィナと打ち合う事になった。
388妄想リィナルート 5:2006/09/07(木) 17:05:38 ID:XuT0kEAk0
  こうして、少しずつリィナを取り巻く環境は変わっていった。それに伴ってリィナ
 もまた少しずつ変わっていった。この調子で少しずつ何かが良くなっていけばいいと
 カールは本気で思っていた。
  けれど、悪意はそんな平穏を許さずただ残酷な真実のみを二人に突きつける。
 「これは授業ではない。命をかけた真剣勝負だ」
 「ベルナルド先生!」
  水路で見かけたウィルヘルムとベルナルドの密会。
  明かされる事実、ベルナルドの裏切り。
  突然、足下を崩されたような真実にリィナは呆然として動くことは出来なかった。
 だが、迫り来る剣は無情だ。ベルナルドは――普段と変わらぬ無表情のまま、カール
 達に向けて剣を振るう。両刃の剣はその重量もさることながら、魔力を伴ってさらに
 強化されている。剣を振るう――そんな生やさしいものではない。重さと速さで、鉄
 すら瞬時に切り裂ける熟練された技だった。白魔法の使い手は総じて近接戦闘を苦手
 とするハンターが多い中、ベルナルドの剣技はその定説を覆す程の代物だった。
 「くうっ!」
 「どうした、君がここで学んだことはその程度か」
  一太刀、二太刀と続けざまに叩き込まれる斬撃は徐々にカールを追いつめていく。
 長混を振るい、斬撃を受けるだけで精一杯だった。疾風怒濤――まさに言葉通りの剣
 戟が生み出す乱舞は、まるで刃の嵐である。一撃は受けるだけでカールの手から力を
 奪い、体力を消耗させていく。受け流すことすら出来ぬ重い一撃はそれだけでカール
 から選択肢を奪う。
389妄想リィナルート 6:2006/09/07(木) 17:15:56 ID:XuT0kEAk0
「ベルナルド先生……本気なんですか!? 本気でリィナを…!」
 「言ったはずだ。私の目的はそうだと。その為に必要なことをしたまで。偽りなどな
  い」
 「嘘だ! あんな…あんなに他人を心から心配するなんて、打算や目的意識だけで出
  来るはずがない!」
 「それは君の勘違いだな。他者の感情など推し量れるものではない。だからこそ、君
  たちもリィナ君の態度の真意を知ることが出来なかった。表面上の行動などどうと
  でも繕える」
 「そんな…!」
 「まさか、私が今も君たちに手心を加えるなどと思ってはいまいな? そんな考えで
  いると今ではなくともハンターを目指す内に必ず死ぬぞ。悪意というのは、二重、
  三重の仮面で覆い隠せるものだからな」
  ベルナルドの切り上げが、カールの長混を弾く。手元からこぼすことはなかったが、
 上体が大きく反らされ、完全にがら空きになってしまった。その隙を逃すベルナルド
 ではない。
  無言に、無表情に、手首を返して剣を振り下ろす。
 「うわっ!!」
  反射的に後ろに下がるも、カールは左肩から腹部にかけてうっすらと制服を切り裂
 かれていた。切り口からは血がにじみ始めている。浅い傷ではあるが、半歩下がるの
 が遅れていればその刃は心臓に達していただろう。その事実にカールは恐怖を実感す
 る。それと同時に、ベルナルドの敵意が本物であることも。
390妄想リィナルート 7:2006/09/07(木) 17:17:03 ID:XuT0kEAk0
 「それでも、リィナは貴方のことを信じていたのに……! 信頼していたのに!」
 「当然だ。そうなるように私が動いたのだから」
 「リィナの気持ちはどうなるんですか!」
 「言っただろう、その気持ちを裏切ることこそが最大の鍵だったのだと。だから私は
  そうなるよう動いたまでだ」
 「本当に……リィナの気持ちを利用することしか頭になかったと……そう言うんです
  か……?」
 「無論だ」
  一際重い斬撃が、三日月の軌跡を描いてカールに迫る。剣先が左腕を掠めていく。
 皮膚が裂け、軽く血が噴き出すが、痛みを感じることはなかった。
  痛むのは心。
  こんな事実を突きつけられたリィナを思うカールの心の方こそその痛みに悲鳴を上
 げている。だからこそ、ここでベルナルドの思惑通りにさせてしまうつもりはなかっ
 た。冷静さを努めて取り戻そうとし、状況を打開することを考える。
 (何とか打開しないと……! このままじゃ押し切られてしまう!)
  相手が現役のハンターである、そんなことは言い訳にすらならない。追いつめられ
 ながらもカールの目は死んでいなかった。その背に、打ち拉がれ膝を折った妹分がい
 るのだ。ここで立ちふさがることが出来ずに、幼い日の誓いなど守れはしない。
  足りない技量、経験を、カールは気迫一つで補うつもりだった。元より手持ちの技
 量と仲間達以外に、カールの武器はない。だからこそ、心で屈するわけにはいかなか
 ったのだ。
 「ぬっ!?」
  そこでベルナルドの剣の流れが変わった。何かを弾くためにカールとは別の方向に
 向けて剣を振るったのだ。リゼッタの放った一矢が、剣舞の嵐を一時的にだが食い止
 めた。
391妄想リィナルート 8:2006/09/07(木) 17:31:38 ID:XuT0kEAk0
 「カールさん! 今です!」
 「ボクも手伝いますよ! ヘイスト!」
  リゼッタの声を合図に、カールはそこから一歩踏み込んだ。さらに静穂が自然魔法
 の一つ、ヘイストでカールの瞬発力を強化する。風の力を取り込み、全身が驚くほど
 軽くなったカールは、無我夢中で長混を渾身の力を込めて振るう。
 「うああああああっ!!」
  基本動作の二連撃、突きから払い、遠心力を乗せてフルスイングで打つ、それによ
 ってがら空きになった腹部に強烈な蹴りを放ち、身体をくの字に折り曲げたベルナル
 ドの顎を長混の先端で穿つ。
  それでも足りないと実感した。自分のごとき未熟者がどれだけ一撃を叩き込もうと
 それだけでベルナルドを封じることなど出来ない。

 『もっときちんとした術式で……』

  瞬間、リィナの声がカールの脳裏に蘇る。打撃だけでは足りない。ならば、魔力で
 さらに強化するのみ。屈するな、走り続けろ。止まれば、きっと相手の剣が自分の首
 を飛ばす。その敗北のイメージを壊すように、カールは魔法を紡いだ。
 「サンダー!」
  雷撃を放つ黒魔法は、カールの魔力を糧に具現化する。紫電の雷光はカールの右手
 から放たれ鞭のようにベルナルドの身体を打つ。羽織っていたマントは焼け焦げるよ
 うに切り裂かれ、その電撃は間違いなくベルナルドの身体に浸透した。
  そしてカールの左手の雷光は、まるで帯電するように長混に走っている。両手で構
 えなおした長混は紫の光を帯び輝く。
392妄想リィナルート 9:2006/09/07(木) 17:33:06 ID:XuT0kEAk0
 「ベルナルド先生! 貴方は――!」
  雷光で強化された長混でカールは再び乱打を放つ。
  突く、叩く、払う。
  突く、叩く、払う。
  突く、叩く、払う。
  足りないモノは手数で補う。まるでカールの気迫がそのまま現れたのか、突きは閃
 光の如き一閃でベルナルドの身体を穿ち、振り下ろしと振り上げを織り交ぜた打撃は、
 火花のように炸裂し、弧線を描く薙ぎ払いは、身体を両断せんとばかりに軌跡を描い
 て敵を打つ。
  確かに力量という点では及ばないだろう。だが、使えるモノを駆使し、味方の助力
 を得て一気に流れを変えたカールの行動力は賞賛に足るものだった。
 「く……見事だ。さすが私の教え子……だが!」
  それでもまだ、ベルナルドは止まらなかった。雷撃混じりの打撃によって、身体の
 皮膚が所々裂けて出血し、内部まで伝わった衝撃は全身の至る所に激痛を起こしてい
 る。それでも彼は止まらない。カールを尻目に走り抜け向かうその先には、リィナが
 いた。放心状態で座り込んだリィナは未だ動けずにいた。迫り来る驚異から、妹を守
 ろうと、レイナはその間に立ちふさがる。
 「くっ、この!」
 「少し大人しくしていて貰おう」
  ベルナルドはレイナに向けて左手を掲げ、重力場を生み出す魔法を放った。自らと
 ほぼ同じ体重を乗せられ、レイナは完全に動きを封じられた。
 「うっ……身体が動かない…」
  レイナを押しのけ、走り込んだその先には動けずにいるリィナがいた。剣を引いて
 突き刺そうとするその姿を、リィナは信じられないものを見るような目で見ていた。
393妄想リィナルート 10:2006/09/07(木) 21:02:58 ID:XuT0kEAk0
 「ベルナルド先生……?」
 「――これが私の果たすべき事だ」
  どうして? とリィナが問う。
  目の前にある光景が答えだと、声なき声が言う。
  信じていたものが幻だったと。
  信じられるものは何一つないのだと。
  自分には孤独と闇しかないのだと。
  そう、思いこんでしまいそうな瞬間、リィナの視界は何かに遮られた。
 「リィナーーーッ!!」
  そして生暖かい何かがリィナの顔に降り注いだ。
 「え……?」
 「なんだと……!?」
  驚愕は二人同時。
  そして仲間達は言葉もない。
  深々と突き刺さった剣は、カールの脇腹を貫いていた。カールの表情は変わらない。
 離された距離を瞬時に詰められたのは、無我夢中だったからだろう。本来ならば腹部を
 深々と突き刺すはずだった剣が、脇腹を捕らえたのは、カールが反射的に混で軌道を反
 らしたからだ。
  それが出来たのは――リィナが同じような攻撃をよく使っていたから。
  レイピアを操る彼女は突きを起点とした斬撃を繰る。パーティの一員になってから、
 偶に模擬戦を行っていたカールは、その経験から反射的に刺突を反らすに至ったのだ。
  その背中をリィナはただ見上げていた。
394妄想リィナルート 11:2006/09/07(木) 21:03:48 ID:XuT0kEAk0
  自分を庇い傷ついたその背を。その背に、リィナは何を思ったのか。
  カールは、その両手に最後の力を込めた。正面の敵を見据える表情は苦痛に歪むこ
 ともなく、ただ、怒りと悲しみの混ざったような複雑な表情のままだった。振り上げ
 た長混をベルナルドの肩に叩き付ける。右肩を粉砕せんとばかりに振り下ろされた鉄
 塊の如き一撃。
 「自らの身体を使ってまで彼女を守るか……」
  小さく呟いたベルナルドの手から剣が落ちた。剣は自らの自重に従い、カールの脇
 腹から抜け、通路に転がった。
  無言で最後の気力を振り絞ったカールの一撃は、ようやくベルナルドの手から剣を
 奪うことに成功した。
 「ふん、とんだ茶番だな、ベルナルド」
  そこへ、先ほどからずっと沈黙を保っていた男が口を開いた。非常に退屈だったと
 顔で物語っている。その表情を見るだけで、カールは怒りがこみ上げてくるのを感じ
 た。
  こいつの所為で10年前に自分たち家族は引き裂かれた。
  こいつの所為でリィナは10年間を無為に苦しまされた。
  全ての元凶は、目の前の慇懃無礼な男にあったのだと理解したからだ。
 「ウィル……ヘルム…!」
  脇腹からの出血は止まらないというのにカールは必死に立ち上がり、怒気を込めて
 その名を呼んだ。
 「その身体で私ともやり合う気か? やめておけ、元から相手にもならんというのに
  それでは準備運動にすらならない」
 「ふざ……けるな……! お前だけは……っ……お前だけは絶対に……!」
 「その気迫は買うがな、一介の学生が粋がったところでどうにもならん。それに、こ
  のような場所で立ち回るほど無粋なことは好みではない。この場は引いてやろう。
  学生の身で、現役のハンターを退けたご褒美という奴だ」
  そう言いながらウィルヘルムは背を向けて水路の方に消えようとする。まだ追うこ
 とは出来るだろうが、もはやそんな余裕は何処にもなかった。
395妄想リィナルート 12:2006/09/07(木) 21:04:55 ID:XuT0kEAk0
  カールが、支えを無くし通路に倒れたからだった。
 「カールさんっ!?」
 「カール!?」
  リゼッタとレイナが慌てて駆け寄るが、カールの返事はなかった。
  カールの意識すでになく、先ほどまで勇ましく長混を握っていた腕にも力はない。
 倒れた通路は、カールの脇から溢れる血で瞬く間に赤く染まり、まるで失われていく
 命を見せつけられるようだった。
 「レイナさん! 誰か先生を呼んできてください! 私はその間にカールさんの傷を
  塞ぎます!」
 「う、うん! お願いね、リゼッタさん!」
  一瞬自分も残ると、言いたかったレイナだったが、回復魔法もろくに使えない自分
 が残ってどうなると思い返し、一目散に学園に向かって走った。静穂は手持ちの道具
 袋から薬を取り出しリゼッタの手伝いをし、リィナはただ呆然とそれを見守っていた。
 「お兄……ちゃん……?」
  10年ぶりにその名を呼んだ。あまりにも突然すぎて何が起こったのか、まだ理解
 が追いつかない。
  ベルナルドに裏切られた事実。
  そのベルナルドから自分を庇って倒れたカール。
  いっそ夢ならばいいのにと思いたくなる悪夢のような光景。
 「リィ……ナ……」
 「……!?」
  微かに聞こえた声。水路に流れる水流の音にかき消されそうなほど小さな呟きは、
 しっかりとリィナに届いた。側に駆け寄り、カールの顔を覗き込む。
396妄想リィナルート 13:2006/09/07(木) 21:11:24 ID:XuT0kEAk0
 「お兄ちゃん!?」
 「お兄ちゃん……ああ、僕の事か……あんまり懐かしくてわからなかったよ……」
  俯せに倒れ、それでも側に来たリィナに弱々しく笑みを向けた。
 「怪我……してない?」
 「わ……私よりお兄ちゃんの方がよっぽど!」
  リィナは少しだけ怒りを込めて言った。どうしてここまで人を気遣う。散々、酷い
 事を言って、どれだけ傷つけたかわからないというのに。
 「そっか……リィナ…は……無事か。よか…」
 「お兄ちゃん?」
  言葉は唐突に切れた。
  笑みを浮かべたまま、カールは目を閉じてしまい、その瞳にリィナを映すことはな
 い。リィナは握っていたカールの手が冷たくなっていくのを感じ、ガクガクと身体を
 震わせた。目に映る景色はモノクロに変わっていくように色を失っていく。
 「いや……いや……だよ……」
  必死にリゼッタがカールの名を叫びながら回復魔法を必死にかけている。
  静穂は賢明に血止めを施し、カールを呼びかけている。  
  けれど、リィナにはそんな声も音も届かない。
  そんな中、リィナの中で唐突にある光景がフラッシュバックする。
  幼い日、繋いだ手を引きはがされたあの日。
  左手は大好きな姉が。
  右手は密かに思いを寄せていた兄のような人が。
  けれど、繋いだままでいるには自分は無力で、二人は子供過ぎて。
  抗うことすら出来ずに、孤独の中へと放り込まれたあの日の風景が蘇る。
  まるで時が止まったような静寂の中、リィナは温もりが失われていくカールの手を、
 「いやああああああっ!! お兄ちゃーーーーんっ――!!」
  幼い日のように彼と繋いだ手を離されまいと強く握りしめながら叫ぶことしか出来
 なかった。
397妄想リィナルート 14:2006/09/10(日) 01:29:31 ID:r+CiEXEb0
 コチコチと時計だけが音を立てる部屋。
  静かな寝息を立てて眠るカールと、その側で虚ろな瞳をしたまま、しかしカールか
 ら目を離さぬリィナが座っている。
  既に日は落ち、室内は夜の闇に包まれている。正直な話、リィナはここに至るまで
 の道程をほぼ覚えていなかった。ただ、朧気に感情にまかせて叫び、皆を部屋から追
 い出した事くらいが頭に残っていた。
  そのきっかけは些細なことだ。
  ベルナルドの投獄。
  それに伴い施設に連れ戻されると思っていた自分の思わぬ処遇。
  予想だにしなかった父の言葉。
  ただでさえかき乱されたリィナの精神は、怒濤のごとく押し寄せた急展開について
 いける筈もなく、喜びと戸惑い、入り交じった複雑な感情だけが残された。
  微笑めればよかったのか。それとも激昂すればよかったのか。
  10年で身に付いてしまった鉄面皮は咄嗟に外れず、結局のところ時間が欲しいと
 いう懇願さえ、感情の赴くままに皆を追い出すという形でしか実現できなかった。
  正直、あのような大声を出してしまって、休んでいるカールに申し訳ないとさえ思
 った。
  結論から言えばカールは一命を取り留めた。
  出血こそ激しかったが、重要な臓器に損傷がなかったことが幸いした。回復魔法で、
 傷は何とか塞げたため、増血剤を打ち一日安静にすれば問題ないとのことだった。今
 は失血性のショックで意識が無いだけだというフィリスの説明に、リィナは心から安
 堵した。
398妄想リィナルート 15:2006/09/10(日) 01:30:22 ID:r+CiEXEb0
 他者のことをここまで案じたのはいつ以来だろうか、とリィナは思う。
  安らかな寝顔で休むカールの表情を覗き見る。振り返れば、再会以来カールには辛
 辣な態度しかとってこなかったのではないかと。普通ならば戸惑い、避けて当然だろ
 うにカールは懲りずに何度も自分にちょっかいを出してきた。
  表面上はどうあれ、リィナはそれが嬉しかったのだとようやく悟れた。あの白い部
 屋での生活で、過去の自分は何一つ無くなってしまったのだと思っていた。けれど、
 それは自分の勘違いで、望んだ人は変わらず側にいてくれる。
  カールとレイナの心配が、言葉だけの上っ面だけを繕った偽りの感情などではなか
 ったのだ。姉は自分のために傷つき髪を無くし、カールは命すら投げ打って自らを庇
 った。そんな二人に――自分はどれほど酷い言葉を吐いたか、そう考えリィナは自己
 嫌悪する。
  そしてそのどちらも――下手をすれば命を落としかけたのだ。後悔の念は強い。
  リィナは今の自分の気持ちが、カールとレイナのことしか無いことに驚いていた。
 あれだけ信頼していた、いや無条件にすがってすらいたベルナルドが自分を裏切り、
 投獄までされたというのに。
  ショックではないといえば嘘になる。くずおれそうになっていた自分を支えていた
 ベルナルドの裏切りは確かにリィナの心に影を落とした。
  もしも自分にそれしかない、たった一人だと常々言っていたとおりならば、自分は
 もう立ってさえ居られなかっただろう。けれど、まだリィナには自暴自棄にならずに
 すんでいる。まだ立ち上がり歩く気力が残っている。
  リィナは自分の髪をたぐり寄せ、その先に結んでいるリボンを手に取る。レイナと
 同じ年月を経て、しかし違う思い出を蓄積した心の支え。
  カールの手作りのリボン。
  改めて見つめていると、かつての感情が蘇る。否、蘇ったのではない。今も変わら
 ず抱き続け、けれど目を背けてきたもう一つの感情。
  愛憎。
  深い愛は転じて憎しみと化す。
  幼かったから、と。そんな言葉で片付けられるほどこの10年の孤独は生易しくな
 かった。音沙汰のない家族に向けられた救いの懇願は、いつしか自らを見捨てた憎し
 みへと変じた。
399妄想リィナルート 16:2006/09/10(日) 01:31:23 ID:r+CiEXEb0
  自分は他人が信頼できなかったのではない。ただ――憎かっただけだ。
  本当に助けて欲しい人に、本当に側にいて欲しかった人に見捨てられた事が。
  それがただ、他人という形に延長になっただけ。リィナが求めていたのはただもう
 一度家族と共に過ごせる時間。
  それが、もう目の前にあるんだと、カールの表情を見て思うリィナだった。
 「……お兄ちゃん」
  氷解した心が熱を持つ。
  浮かされた心が叫ぶ。
  目の前で傷つき倒れた人を思って、ただリィナは涙を流す。
  摩耗した願いは、少女の心を凍てつかせた。
  嗚咽をあげることすらなく、ただ静かにリィナはその瞳から大粒の涙をこぼした。
 「………う……」
  カールは頬に当たる感触で目が覚めた。
  痛みはほとんど無い。ただ、頭が少しはっきりしないだけだ。暗闇に目が慣れると
 そこがいつの間にか住み慣れた自分の部屋であることに気がついた。 
  そして、目の前にただ泣き続けるリィナがいることに。
 「リィナ……? どうしたの?」
 「……お兄ちゃん? 目が覚めたの?」
  カールは身体を起こす。違和感がないことを確認すると、カールはリィナの顔を見
 据えた。そこに残る涙の後が、彼女の感情を物語っている。
 「よかった……お兄ちゃんが…無事で」
  そこから先は言葉にならない。カールは、どうしたものかと考えあぐね、結局、リ
 ィナが泣きやむまでただ頭を撫で続けた。柔らかい髪の感触がカールの手をくすぐる。
  そうして落ち着いたリィナは少しずつ状況を説明し、カールはそこにいたってよう
 やく自分の置かれた状況を理解した。
400妄想リィナルート 17:2006/09/10(日) 01:38:22 ID:r+CiEXEb0
 「それじゃ、リィナがずっとついててくれたんだね。ありがとう」
 「ううん、だって…私の所為だから」
 「そんなことないよ。あれは僕が勝手にやったことだ」
 「違うの……それでも、私が動けたらあんなことにならなかった」
 「無理もないよ。あんな形で信じてた人に……」
  裏切られたら、という言葉をはっきり口にしたくなくて、カールは言葉を濁した。
 だがそれでも納得がいかないのか、リィナの表情は冴えない。そんな顔をさせておく
 のが忍びなく、カールはとにかく話し続ける。
 「ぼ、僕なら大丈夫だよ。もう痛みもないんだ。ちょっとぼーっとするけど、それは
  薬のせいだと思うし」
 「お兄ちゃん……」
  リィナのカールを見上げる瞳が潤む。そんなリィナの表情の変化に、カールはただ
 戸惑うばかり。
 「私ね、本当はお兄ちゃんとお姉ちゃんが憎かった。病気の私の事なんか忘れてしま
  ったんだって、そう思ったから」
 「それは……」
  そう思っても仕方がない。見舞いに行くことすら出来ず、手紙は届くことはなかっ
 た。幼い三人は互いに無力で、月日だけが残酷に過ぎ去っていったのだ。
 「だから、最初に二人にあっても嬉しくなかった。どんな言葉をかけられても嘘みた
  いに聞こえて……」
 「うん……」
  カールはリィナの言葉をただ黙って聞いている。ようやく、触れられる彼女の本音
 だ。例えどんな言葉であっても聞き逃すまい、そう思って集中する。
401妄想リィナルート 18:2006/09/10(日) 01:39:07 ID:r+CiEXEb0
 「でも……お姉ちゃんが私を庇って、あのリボンが大切だって……そう言った時、心
  の何処かでそれは間違いだったんじゃないかなって思ったの。でも、すぐには昔の
  自分に戻れなくて……お兄ちゃんにも随分冷たくしたよね」 
 「そう……だね」
 「本当は嬉しかったのね。素直に……二人にありがとうって言えればよかったのに。
  つまらない意地ばっかりはっちゃって……ごめんなさい……本当にごめんなさい」
  ぐすぐす、と鼻をすすりながら、それでもリィナは賢明にカールに伝えようとして
 いる。閉じこめていた、自身の感情を。
  突き放し遠ざけるための言葉ではなく、歩み寄り求めるための言葉を紡いでいく。
 「いろんな事が起こりすぎて……正直、自分の気持ちもわからなくなっちゃって……
  一度自分のことを振り返ってみたの。そしたらね、最後には……お兄ちゃんのこと
  しか思い浮かばなかった」
 「リィナ……それは」
 「ねえ、お兄ちゃん。今なら言っていいかな? 私に我が儘を言う資格あるかな?」
  それは懇願だ。カールには分かる。今更そんな都合の良いことを願って良いのかと、
 リィナはカールの言葉を待っている。
  悩むことも考えることもカールには不要だった。元より答えは一つ。如何なる理由
 があろうとそれが変わることはない。
 
 「僕は――リィナの願いならどんなことでも聞くよ」
 「ほんと?」
 「うん。だってその為に僕はここへ来たんだから」
  カールもまた、いつしか自分の気持ちが変化することに気がついていた。
  リィナの手を取れなかった無力感は、いつしかそうである自分への憤りに変わり、
 彼は魔法学園への進学を決意した。己の無力さを嘆いたのはレイナだけではない。
 「あんなに酷いことを一杯言ったのに? 冷たく当たったのに?」 
 「この10年、リィナの我が儘すら聞けなかった事に比べれば、小さな事だよ」
  リィナの小さな願いなど、カールにとっては我が儘にすらなりえない。だから、君
 の願いを聞かせてくれと、カールは微笑み次の言葉を待つ。
402妄想リィナルート 19:2006/09/10(日) 01:40:47 ID:r+CiEXEb0
 「私を……私をもう、ひとりぼっちにしないで……もう、さみしいのは嫌だよ……。
  お兄ちゃん……」
 「うん、分かった。約束する。僕だけじゃない、レイナも、みんなも一緒だ。もう誰
  もリィナをひとりぼっちになんてしないよ」
  カールはリィナの頭を自らの胸に抱き寄せ、耳元でささやいた。求めた温もりが側
 にある。その重み、その暖かさを胸に抱き、今度こそこの手で守り抜くと誓った。
 「うん……うん……」
  リィナは、安心したように微笑み、そして縋るようにまた涙をこぼした。先ほどと
 は違う。安堵と安らぎの涙だった。
  そうして二人で無言の時を過ごした。言葉はなくとも互いの温もりを感じ合う、穏
 やかな時間が過ぎた後、リィナは唐突に切り出した。
 「ねえ……お兄ちゃん」
 「うん?」
 「本当はね、自分の気持ちがよくわからなかったの。ベルナルド先生があんなことに
  なって、またひとりぼっちになるのかなって。そう思ったから……」
  そう思ったからこそ、自分はカールを求めた、そう思ったとリィナは告げた。
 「けどね、色々考えてみて、そうじゃないって思った。ずっとずっと、素直になれな
  かっただけで、お兄ちゃんに会えたことや、一緒に勉強したこと、助けて貰ったこ
  と全部嬉しかったんだって。この気持ちを…寂しさのせいにしたくないって思った」
  リィナはカールから目をそらさない。今から話すことは全部正直な気持ちだと、瞳
 が訴えている。カールはその思いに正面から応えようと思った。
 「だから……私は言うの。お兄ちゃんが大好きだって。小さな頃からずっとずっと想
  ってきた」
 「うん、僕もリィナのことが大好きだよ」
  あの日、去っていく小さな少女の手を取ることの出来ない自分を、何処までも無力
 に思ったのも、その思いがあればこそ。幼い少年の誓いは、生涯を賭けてたった一人
 の少女の為に、その身を投げ出すことすら厭わぬほどに、少年を強くした。
  カールは思う。この手に抱く少女を今度こそ護るのだと。
 「もう……一人にしないでね、お兄ちゃん」
 「ああ、約束だ。もう二度と一人になんかしないよ」
  これはその誓いだと、思いを込めてカールはリィナに口づけをした。
403妄想リィナルートプレイ中(w:2006/09/10(日) 08:21:07 ID:3qOR0xQi0
幸せそうなリィナ。
俺は期待に胸を膨らませて画面をクリックした。
画面が暗くなり・・あれ?なぜお城?・・・・

レイナ「見て、カール。城門よ」

・・・・・・・・・・・
404名無しさん@初回限定:2006/09/10(日) 10:36:30 ID:NUi9H1GN0
>>403
wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww
405名無しさん@初回限定:2006/09/10(日) 11:49:02 ID:LKNpdTuV0
>403
オチだけ秀逸過ぎw
406名無しさん@初回限定:2006/09/10(日) 13:40:46 ID:EWo/mg5M0
ねヴぁーえんでぃんぐw
407名無しさん@初回限定:2006/09/13(水) 23:28:48 ID:VJMgiXcV0
最新作『み・こ・こ・ん』・・・いいんだけどねw
キャッスルファンタジアシリーズの新作期待してたのにorz
408名無しさん@初回限定:2006/09/20(水) 06:15:06 ID:Qz94BCQ40
CF4は多分史上最大の駄作に終わり信者はegoを見限って終りさ。
409名無しさん@初回限定:2006/09/21(木) 08:36:36 ID:0vnoOEjDO
ファンが見限るんじゃなくて社員が自覚して自分で幕を降ろさないと
410名無しさん@初回限定:2006/09/27(水) 12:04:28 ID:Ky8nntynO
ソフトもCDも全部高い
それがエゴ
イベント価格でやっと市場でのファンディスク価格
それがエゴ
411名無しさん@初回限定:2006/10/05(木) 18:56:23 ID:1nH8V/FC0
リドルソフトが・・・w
412名無しさん@初回限定:2006/10/16(月) 23:18:21 ID:3h6zxrHB0
腹がへったので
リゼッタお姉さまのツバサをもいで、根元のお肉を手羽先にする。
BGMはお姉さまの絶叫、でもすこしうるさいなぁ。
よし、今度はタン塩にしよう。
ちょっと舌を引っこ抜くから大人しくしててね、
じゃ、いくよ・・お・ね・え・さ・ま♪(リゼッタ死す・・・
413名無しさん@初回限定 :2006/10/25(水) 21:01:07 ID:0PNRKnZA0
リドルなのになんでデボいるんだw

MAWもCFも神楽もIZUMOもいいんだが
もっとこう「意外だ!」と思わせる作品は出ないものか。
でもとりあえず月刊エゴはヤめたほうがいいんだがw
414名無しさん@初回限定:2006/10/25(水) 21:11:05 ID:UY70TP1P0
本スレに書いてくれw
415名無しさん@初回限定:2006/11/01(水) 10:20:40 ID:0Bo3EFoGO
>>413
残念ながら今年一杯は続くようだ
416名無しさん@初回限定:2006/11/05(日) 21:34:47 ID:Uv4RXv4e0
というか、実はもう危ないんじゃないか?
自転車操業状態ではないか。もしかしてつぶれる?
つぶれる前に歴代女性キャラの抱き枕セットを(ry
417名無しさん@初回限定
ねぇ、顔が同じでちんこ立たなくなっちゃったw