妹には、もちろん、なぜお兄ちゃんが二次キャラで抜くのか判らなかった。
従って、合理的には、それを善悪のいずれに片付けてよいか知らなかった。
しかし妹にとっては、この雨の夜に、この羅生門の上で、二次キャラで抜く
という事が、それだけですでに許すべからざる悪であった。
もちろん、妹はさっきまで自分が、お兄ちゃんのおよめさんになる気でいた事
なぞは、とうに忘れているのである。
そこで、妹は、両足に力を入れて、お兄ちゃんの前へ歩みよった。
お兄ちゃんが驚いたのは言うまでもない。
お兄ちゃんは、一目妹を見ると、まるで弩にでもはじかれたように、飛びあがった。
「おのれ、どこへ行く。」
妹は、お兄ちゃんがペットボトルにつまづきながら、あわてふためいて逃げようと
する行く手をふさいで、こう罵った。
関連スレ、ローカルルールは
>>2以降を参照