バタン
「ただいま〜。」
玄関が閉まる音が聞こえ、俺は部屋を飛び出した。
ドンドンドンドンドンドン
半ば飛び越したような形で階段をかけ降りる。
「コラ、○○」
「何?お兄ちゃん」
こちらは怒っているというのに表情を一つも変えず、返答する弟。
その表情に俺は拍子抜けしてしまった。
「いや、あの、、、おかえり。」
「うん、ただいま。」
弟は少し不思議そうな顔をして、リビングの方へ向かって行った。
弟はリビング前のソファーへ座ってテレビを見ている。
「まあいいか、後でも。」
夕食後、俺は弟の部屋へ向かった。
トントン
「ん?」
「俺だけど」
「何?」
ドアを開けて、俺に尋ねる。
「ちょっといいか?」
「うん、散らかってるけど」
散らかっていると言った割には結構片づいている。
勿論、俺が部屋へ入った事も弟は気づいていない。
ベッドの方へ座り、俺は話しを切り出した。
「お前さ、俺の部屋から何か持って行ってないか?」
「えっ、、、」
弟の表情が少し曇ったように見えた。
間違いない、弟は俺の部屋からアレを持ち出してるのだ。
「何か、持って行ってないか。」
「・・・何も持って行ってないよ。」
明らかに嘘をついている、俺には判る。
「パソコン立ち上げてみろよ。」
「・・・」
「入ってるだろ、エロゲー。」
「・・・」
俺はエロゲを勝手に持っていた事には大して怒ってはいなかった
しかし、弟が自分に対して嘘をついた事に怒りがこみ上げてきた。
「お前な、、」
俺が弟を一喝しようとした、その時
「勝手に人の部屋入って、何してんのさ!!」
弟が俺に対して大声を出した。
いわゆる逆ギレというやつか、困ったモンだ。
「自分が人の部屋に勝手に入っておいて、何だ、その態度は。」
「俺が買ったもんだろうが、勝手に持って行くんじゃねぇよ。」
弟は泣きそうな顔をしていた。
その顔を見て、俺の中に意地悪な考えが浮かんだ。
「お前、オナニーした事あんの?」
「!!!」
弟の泣きそうな顔が紅潮して来た。
「人が買ってきた エ ロ ゲ ー で オ ナ ニ ーしてんの。」
弟は黙り込んでしまった。
「なぁ、答えろよ」
半分、小馬鹿にしたような感じで質問をする。
「か、関係ないだろ!!」
弟は俺に近付いてくると、俺の服の袖を引っ張り、ドアの方向へ引っ張る。
「出て行けよ!!」
精一杯の力で引っ張るが、体格では俺の方が勝っている。
華奢な弟では俺を動かす事なんて出来ない。
俺は逆に弟の胸ぐらを掴み、ベッドへと押し倒した。
「お前、全然反省してないな、小一時間、、、」