1 :
名無しさん@初回限定:
いも乙
おおお乙乙乙!
乙カレーっす!
クリティカル
>>1 __ ?
「,'´r==ミ、
くi イノノハ))) ((( )))
| l|| ゚ヮ゚ノl| o (´∀` ;)
j /ヽ y_7っ= 〜大 ( )
(7i__ノ卯! | | |
く/_|_リ (_(_)
1さん、乙!
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ))) \\
| l|| ゚ヮ゚ノl| | |
と( /y/ ̄)し | |
Y_/ノ 人
くσしレゞ < >_))∩
// ψ //. V`Д´)/
レ_フ彡 /
_ -───- _
, '´ `ヽ
/ \ 碧 光陰 (みどり こういん)
/ ヽ
/ __, ィ_,-ァ__,, ,,、 , 、,,__ -ァ-=彡ヘ ヽ マロリガン共和国のエトランジェ
' 「 ´ {ハi′ } l
| | | | 碧遠寺 (りょくおんじ) の住職の息子
| ! | |
| │ 〈 ! 外見とは裏腹に軽い性格
| |/ノ二__‐──ァ ヽニニ二二二ヾ } ,'⌒ヽ
/⌒!| =彳o。ト ̄ヽ '´ !o_シ`ヾ | i/ ヽ ! 年下の女の子が大好きで
! ハ!| ー─ ' i ! `' '' " ||ヽ l | 色目を使った事が今日子に
| | /ヽ! | |ヽ i ! バレる度、ハリセンの餌食になる
ヽ { | ! |ノ /
ヽ | _ ,、 ! , ′
\ ! '-゙ ‐ ゙ レ' ファンタズマゴリアに召喚され
`! / マロリガン共和国の
ヽ ゙  ̄  ̄ ` / | エトランジェとして戦う
|\ ー ─‐ , ′ !
| \ / | 永遠神剣・第6位
_ -‐┤ ゙、 \ / ! l |`ーr─- _『因果』 を持つ
_ -‐ '" / | ゙、 ヽ ____ '´ '│ ! | ゙''‐- 、,_
こちらで即死回避したら、前スレを使い切ってからこちらに移行しましょう
サルドバルトとの開戦を直後に控え、通常の訓練にも激しさが増すラキオススピリット隊。
その疲れから居間で悠人がぼんやりと椅子に体を預けていた。
これから夕食までは特に何もすることなく自由に過ごせるのだが
かといって何がしたいということも無く、明日の予定や夕食後の自由時間について
適当に考えをめぐらせる。と、ふとしたことで立てていた予定を思い出した。
自分の体調を省みて疲れ気味であることを自覚すると、
台所でお茶の準備をしていたエスペリアに声をかける。
「悪いけど、晩飯になったら呼んでくれないか。ちょっと部屋で休んでるから」
台所からわざわざ姿を現して、エスペリアは答えた。
「構いませんけれどユートさま、お疲れなのでしたら先にお風呂に入られてはいかがですか」
「いや、ついさっきアセリアが入りにいっちまったから駄目なんだ。
ぼんやりしている位だったらちゃんと休んでおいたほうがいいと思って」
「……わかりました、それでは夕食の用意が出来ましたらお呼び致します」
悠人の言葉を聞くと少し考え、そう答えた後、くすりとからかうような笑みを浮かべて、
「ですけれど、あまり根を詰めるのも良くありませんよ。お二人とも」
と付け足した。
「じゃ、じゃあ晩飯まで部屋にいるから」
「はい」
背中に送られる視線が妙にこそばゆい。悠人はそそくさと自室へと戻っていった。
変わってこちらは第二詰所。
「ヘリオン、ちょっとそこのリクェムを取ってちょうだい」
「はい、これですね……って、ヒミカさん、リクェム使うんですかぁ?」
「なに、あなたも駄目なの」
「いえ、わたしは平気ですけど、ネリーやシアーがあまり食べなくなるじゃないですか」
「でも使わないと無駄になるでしょ。……そうね、リクェムの肉詰めにしようかと思ったけれど、
細かく刻んで見えないようにしちゃいましょう」
「はい、じゃあ洗って刻んできますね」
台所では、本日の料理当番、ヒミカとヘリオンが全員分の夕食を用意している所だった。
第一詰所よりも人数が多いため下ごしらえなどにより多くの時間をとられてしまうのだ。
それにしても、とヒミカはツインテールをピコピコ揺らしてリクェムのみじん切りにかかっている
ヘリオンに視線をやり、ふっと頬を緩ませる。
やっと、誰に対してでも自然に振舞ってくれるようになった。
スピリット部隊に配属された当初からヒミカは年長者として後輩や年下の者の面倒をみていたのだが、
その頃のヘリオンは、よく言えば遠慮深く、悪く言えば引っ込み思案で、おどおどとしていた。むしろしすぎていた。
ヒミカにも原因は分かる。本人の永遠神剣の位に関して、ヘリオンは非常に劣等感を持ってしまっていた。
そんなことで他者を軽んじるスピリットはここ、ラキオスには勿論いない。しかし
当時に人間達に植え付けられたそれは簡単に消えるようなものではなく、
ヒミカのみならず、ネリーやシアーにも距離をとってしまうほどであった。
これも隊長、『求め』のユートの功績の一つだろう、とヒミカは感謝する。
彼との初顔合わせの時から、ヘリオンの顔つきが変わったように見受けられるのだから。
自分にとっては少々情けなさを感じさせたあの悠人の態度も、彼女にとっては
どれほどの力となったのだろうか。それに、ヒミカ自身においても
悠人が人とスピリットの間の壁を易々と打ち壊し、そんな事は関係ないと宣言した
あの時以来、彼に信を置くようになっていった。
一部の者にはまだ頼りなく思われてはいるが、それも時間の問題だろう。
ふと、何時の間にかヘリオンのことから悠人のことに思考がいってしまっている事に
ヒミカが気付いた時、ヘリオンから注意されてしまった。
「ヒミカさん、手が動いてませんよぅ。遅くなると、ネリーがお腹すいたって騒いじゃいます」
そう、もう今ではこんな物だ。ヒミカは微笑み、肉を叩いて潰す作業を再開する。
「ごめんなさい、なんだかご機嫌だから気になってしまってね。なにか良いことでもあった?」
「え?」
リクェムを運ぶ時も刻む時も、訓練の後とは思えないくらいの元気さで跳ね回っていた。
まあ、ヘリオンをここまで気分よくさせる理由など数えるくらいしかないが、あえて尋ねてみる。
「あの、その、あったというか、これからある、というか」
頬を染めてしどろもどろになるヘリオンを見て合点が行った。
以前に、ヘリオンの部屋で悠人とヘリオンが共に眠りについていた。と言う話を
ハリオンが、「ですからぁ〜、今夜はぁ、お赤飯かしらぁ〜」などと
多大な脚色を加えてまことしやかに吹聴していたことを思い出す。
ネリーやシアー、オルファにはさすがに聞かせてはいなかったとは言え
それは様々な意味で部隊内を震撼させたが、いくらなんでもあの二人が、という共通意見と、
ハリオンの言ってることだし、という信憑性の不確かさ、そして本人達の必死の弁明によって事態は収束した。
その時にヘリオンが夜中に抜け出して特訓を試みていた事、
悠人がこれからはそれに参加するつもりである事が明かされた。
隊長が夜中に部屋を抜け出すなど、と警備上の理由から悠人には回数の制限や
予定の報告がエスペリアによって義務付けられたが、以来、幾度か行われてきたようだ。
最も、いつ行われるのかはこんな風にバレバレだったが。
「ああ、そうなの、でもユート様も訓練でお疲れでしょうし、ほどほどにしておきなさいよ」
とヒミカが言うとヘリオンがぴたり、と動きを止めた。
「ほ、ほどほどにって、なんだか、いやらしい感じがします……」
「え」
顔を見合わせる二人。夜中に待ち合わせをして、疲れている相手と、ほどほどに。
顔を紅潮させているヘリオンを見ているうちに、ヒミカにも別の意味に思えてきた。
「わ、分かってますよ、訓練ですよねっ、訓練!」
「ええ、そうよ。訓練よ、訓練。決まっているでしょう」
つられて赤くなった顔を隠すように、ヒミカはヘリオンの運んできたリクェムを
潰した肉の中に混ぜいれ、力を込めてこね始めた。
第二詰所本日のメインディッシュは、ヒミカ特製手こねハンバーグ隠しピーマン(ハイペリア語名)。
好評を得て、時間は過ぎていった。
夜の訓練棟に風を切る音が響く。
重く低い、テンポの遅い音と、軽く高い、リズムの良い音。
昼間の訓練の内容を思い出しながらの素振り、剣技の型の復習が二人の特訓の大部分を占めていた。
そもそも、悠人とヘリオン、『求め』と『失望』は剣の形態からして全く違う。
刃は鈍く、その重さと無骨さで力任せに目標を叩き潰す『求め』と
黒スピリットらしい、刀身が微妙に反り、抜刀に適した速さと鋭さで目標を斬る『失望』。
如何ともし難い戦闘スタイルの違いは、互いに剣技を教えあう事を困難にしていた。
さらには、悠人自身に全く剣の心得が無く、ラキオス流の剣術を学んではいるものの
まだまだ我流の域を出ない。強力な『求め』の力にぶら下がっているだけと言ってしまわざるを得ない状態だ。
ヘリオンはヘリオンで、他人に充分な指導が出来るほど剣に熟達しているわけでは無い。
ただ、二人は愚直に向かい合って基本の型を繰り返すのみ。
それでも、ヘリオンが何かできることは無いかと考えた結果、一つの成果があった。
甲高い納刀の音と共にヘリオンの動きが止まる。残心を心がけながら、悠人の動きを見る。
瞬きもせずにじっと見て、一連の流れが途切れた所で声をかけた。
「あの、ユートさま。今の、ちょっとおかしくないですか」
「え、どこかな」
再び『求め』を振り上げかけた悠人も、動きを止めて尋ね返す。
ヘリオンは鞘から『失望』を抜き、悠人の動きで問題のあったところを繰り返した。
「ええっと、振り下ろした後から、切り返して払う所なんですけど
訓練士の方のお手本よりもぎこちなくなっちゃってるみたいです」
「ああ、何か昼間もそれ、言われっぱなしだった。言われてすぐは直るらしいんだけど
しばらくすると動きが途切れるってさ」
「たぶん、剣の重みと体の重心の移動がずれているんだと思います。
どうすれば直るかまで分かれば良いんですけど……」
『求め』との体勢のバランスまで見ただけで理解できるわけでは無い。
自分の限界を感じざるを得ず、申し訳無さそうに目を伏せた。
もちろん、悠人がそれをヘリオンの落ち度だと感じることは無い。明るく笑いかけて言う。
「大丈夫だよ、それは何とか覚えてる。何時ずれてるのか自分で気付けないのが悪いんだから、
こうして言ってくれるだけでも随分違うもんだ。
でも、やっぱりヘリオンはすごいな。訓練の時から、型が崩れてるって注意される事ないだろ」
そう、型を身につける事に関してはヘリオンは驚くほどに覚えがよかった。
また、その事から悠人の型も覚えてみて、違いを指摘する事ができるのだった。
ヘリオンはそれを聞くと、抜き放たれたままの『失望』を見つめて微笑んだ。
「ああ、それは、わたしがすごいって言うより『失望』のおかげ、ですね」
「『失望』の?」
そのまま、ヘリオンは『失望』の刀身に視線を這わせる。
その名を表す様に、刃に輝きは無く、触れれば斬れるという鋭さもない。
ただ鋼の色そのままに、刀身はヘリオンの目を映すことなく鈍くその視線を受けるのみ。
それでも、ヘリオンには自身の片割れとも言うべき剣。祈るように一瞬目を閉じると丁寧に鞘へと納めた。
まだ、悠人の聴き返した事に答えていない事に気付くと、分かりやすい言葉を探しながら答えた。
「えっと、一度正しい型を覚えると、剣を振る時に教えてくれるんです。
声がする訳じゃないんですけど、なんとなく。足の運びや体重の移動、力の入れ具合とかも」
ヘリオン自身その理由は良く分かっていない。感覚だけでわかる事を説明するのは骨が折れる。
困って説明に窮しているヘリオンを見て、悠人は何とか分かることを拾い上げて
『求め』との違いについて考えてみる。すると、一つの事に思い当たった。
「ずいぶん丁寧なんだな、こいつとは大違いだ。
こいつの場合、ぶった切る力は貸してやるから勝手にやれって感じだから、苦労だらけだ」
「でも、それはわたしもです。動き方は教えてくれるんですけど
実際に動くのはわたしだけで、剣から斬る力をもらえてると感じた事は無いんです。
ですから……その、ちょっと、試してみてもらえますか?」
と、ヘリオンは悠人から距離をとって、柄に手を添えて姿勢を低くした。
頭上にハイロゥが輝き、徐々に背中に、翼として再構成されていく。
打ち込みの訓練で攻撃準備を終えた段階の構えだ。悠人は『求め』を正面に構えなおすと、
「ああ、防御してればいいんだな」
衝撃に備えて腰を落とす。その動きを見て、ヘリオンが頷いた。
「それじゃあ、いきますっ……!」
ヘリオンが地を蹴り、ウイングハイロゥの推進力を得て即座に悠人との距離を詰める。
その間に鯉口を切り、剣の間合いに悠人を収めるとほぼ同時に『失望』を抜き放った。
正確に喉元を狙っての軌道。訓練といえど、いや訓練だからこそ悠人に対してでも容赦なく斬りつける。
悠人も、構えと顔つきからヘリオンの本気を見て取り全力で防御に心を傾ける。手を抜く事は互いに対して最大の無粋。
ヘリオンの一挙手一投足から目を離さずに斬撃の瞬間まで。ヘリオンと目が合ったかと思うほどに
互いの視線を絡ませあいながら、その攻撃が届く間際に悠人は気合を発して防御のオーラを展開する。
『失望』がそれに弾かれた瞬間、剣を納めたヘリオンが後ろに飛びのき再び疾駆する。
次の一合も同じく、悠人が発したオーラに阻まれて終わった。
だが、悠人の展開した防御障壁からだんだんと光が消え、空に融けるように消えた。
更なる一撃を、とヘリオンが構えを改めた瞬間、ヘリオンのウイングハイロゥもまた輝きを落としさらさらと散った。
肩で息をつき、呼吸を落ち着けるとヘリオンはぱたぱたと悠人に駆け寄った。
「どうでした?」
悠人が返すその評価も加減は無しだ。感じたままを率直に伝える。
「うん、狙いは正確だし、しっかり急所を目指して切り込んでる。
マナの力も乗せてる、と思う。でもこう言っちゃ何だけど、確かに軽い。
速さも力もあいつと比べたら、俺に見えてるってところで全然足りない」
その脳裏に、一人の黒スピリットの姿が描き出される。
それを聞いたヘリオンが溜め息を洩らした。本人が思っていた通りの弱点をしっかりと把握されてしまい、
自分の未熟さを思い知るだけのようだった。とはいえ、ここまで自分の斬撃から詳細を導けるほどに
真剣に受けてもらえたのだと思うと、無意識に頬が緩む。
訓練中だから、と気を引き締めなおすと悠人に反省点を報告した。
「そうなんですよね、『失望』の教えてくれてる動きに、わたしの体がついていってないんです。
ほんとはもっと疾く速くって思ってるんですけど。……って、あいつってもしかして、漆黒の翼、ですか!?」
と今さらながらにヘリオンは驚いた。まさか、比較対象が違いすぎる。
ヘリオンの動揺を知ってか知らずか、悠人は平然と言葉を続けていった。
「ああ、気がついたら斬られてるって事になりそうな迫力を感じたよ。
もしかしたら、斬られても気付かないかもしれない」
「い、いくらなんでも、あの人と比べたらどんなスピリットでも遅く感じちゃいますよぅ。
しかも、わたしなんてまだまだなんですから」
ヘリオンは目を丸くしてわたわたと慌てる。斬撃を打ち込んできた時の引き締まりの残らない
表情に、悠人の顔も自然と緩んだ。
「そんな事言ったら俺だって全然じゃないか。実際、ヘリオンがもう一回切り込んできたら
しっかり防げる自信、無かったんだから」
「今のわたしだったらまともに当たってもあんまり意味は無いです、
『失望』自体に切れ味があまり無いんですからもっと攻撃にスピードと力を乗せないと。
あと、もっといっぱい仕掛けられるような持久力も欲しいです」
お互いに顔を見合わせて同時に溜め息をついた。情けなかったが、なんだか可笑しくなった。
ふと、悠人が何かに気付いたように顔をあげる。
「でもさ、黙って素振りをしてるより自分の駄目な所がはっきりするような気がするなぁ」
「あ、そういえば、確かにそうです。打ち込み稽古用の標的もマナを乗せた攻撃じゃあ
周りの施設ごと壊しちゃいますから、本気でやると怒られちゃいますし」
「そうだなぁ、最後の仕上げに一回打ち込み合うって言うのは良いかもしれないな」
思い付きをそのまま口にする。それを聞いたヘリオンが攻防を繰り返す自分たちの姿を想像し、
顔を赤らめかけた直後に、一気に顔色を無くした。
「え、で、でも、わたしが受けたら、『失望』が折れちゃいますよぅっ」
悠人の頭にも、自分の力任せの一撃が細い剣をポッキリ折ってしまう映像が浮かび、
その先にまで想像が及ぶ前に頭を振って追い出した。
「……それもそうだ、そんな手加減できる腕前なんてまだ無い。
よし、じゃあヘリオンが打ち込んで、俺が受けるのはこれからもやっていこう。
マナのコントロールの練習にもなるし」
「そ、そうですね、それなら何とかなりそうです」
と言うヘリオンの頭の中には先ほどの攻防が再生されていた。
自分の攻撃に意識を集中していたものの、思い返すその映像は
互いの姿だけを視界に入れ、それ以外は全く意識の外にあった一瞬。
戦闘と言う観点から見ればそれは危険だと理解しているが、
訓練などではなく、普段からそのような時間が持てるのならと
夢想しかけたところで悠人の声にふっと我に返った。
「ヘリオン、やっぱり本気でマナを使って動いて疲れたんだろ?
何かぼーっとしてるから今日はもう終わりにしようか。だいたい時間もそんなもんだ」
「ぇあ、は、はいっ。ユ、ユートさまも、お疲れ様でしたっ」
何時の間にか近くによって心配そうに覗き込んでいた悠人を見て驚き、
その場でぴょこんと頭を下げる。お疲れ、と悠人も声をかけ、『求め』を腰に佩きなおした。
「さて、それじゃ帰ろう。第二詰所までは道が同じだからな」
「はいっ、よろしくお願いしますっ」
一度目の訓練の時に出来た決まりごと。終わったあとにヘリオンが悠人を第一詰所まで見送ると言ったところで
悠人が、ヘリオンに対してその必要性がある事に気付いた。
互いに一人で帰すのは悪いと譲らず、仕方なく訓練棟との位置関係での判断を試みた。
結果、やや第二詰所までの方が距離が長く、一人で歩く距離が少なくなるということを
理由に悠人が押し切り、ヘリオンを送ることとなった。
まるで、今からが訓練の本番のように緊張するヘリオンを見て
何時までも慣れない様子に悠人も気恥ずかしさを感じながら帰途につくのだった。
そして、その途中。夜道をほの薄く、エーテル光源が照らしている帰り道。
悠人はあまりに緊張しているヘリオンを見かねて
いつも適当に日常の事を話し掛けるのだが、今日の話題は少し違った方向へと向かった。
悠人から少し後方について歩いているヘリオンに向かい、振り向いて話を続ける。
「それにしても驚いたな、『失望』って随分優しいみたいじゃないか」
「え、優しい、ですか?」
自分の剣をそんな風に言われるのはもちろん初めての事。
ヘリオンは目をまたたかせて、思わずそのまま尋ね返してしまった。
「ああ、動き方を教えてくれるんだろ。このバカ剣が俺に何か言う時は
いっつも偉そうな口調なんだぞ」
と、『求め』の柄尻をぽんと叩いて悠人が苦笑する。
それを見て、ヘリオンもくすりと笑うと『失望』の柄に手をやり考えながら答えを探す。
「うーん、どうなんでしょう。声が聞こえるわけじゃないって言いましたよね。
だから、わたしが勝手にそう解釈してるだけでほんとは偉そうなのかもしれませんよ」
「そうか?でも声が聞こえなくても分かるもんなのかな、それ」
「ええ。何となくですけれど、剣が伝えてくるんです。でもわたしにわかるのは
ちょっとした意識みたいな物で、ユートさまのように……あ、いえ、その」
と、顔を曇らせ言葉を濁すヘリオン。悠人の目を見て、なんでもないですと飲み込んでしまった。
悠人はその様子を見て、何か自分に都合の悪い事だと察する事ができた。
だが、このようにヘリオンが黙ってしまう事など珍しい。つい、気になって促してしまった。
「いい。言ってくれよヘリオン。そこで止められたほうが気になっちまう」
目を泳がせて、息をついた。意を決して悠人の目をもう一度見る。
悠人も、その目を見て頷いた。ヘリオンの口が開く。
「あの、ですね。ユートさまみたいに危険がわかるような事もないんです」
「危険?……あの時、か」
昨年の末、イースペリアのマナ消失が起きた時の事を思い出して、悠人は顔をしかめた。
何時までも引きずる事は良くないとは分かっているが、一方で決して忘れてはいけないと思う
自らの手で起こす事になってしまった最悪の事態。
その時に、確かに『求め』の指示で部隊に撤退を言い渡した。
「そうだな、あれは確かにこいつのおかげだと思う。
まあ、単に俺に死なれたら困るっていうだけだろうなこいつの場合は。
それに、危険なのが分かったからって俺に出来た事なんて無かった」
自分で思うよりも、はるかに硬い声が出てしまっている。
これでは怖がらせてしまうじゃないかと思いつつも、思考はその時の風景を描き続ける。
マナ消失を止める事も出来ず、ただ自分たちの身を守っただけ。
思い出すたびに、押し寄せる爆風と神剣の悲鳴が心を揺さぶる。
重くなった気分を振り払うように足を踏み出すと、
少し後ろについてきていたヘリオンがいつのまにか悠人を追い越して
目の前でこちらを向いて立ち止まっていた。
つられて、悠人も足をとめてヘリオンを見る。
そんなに、自分はつらそうな顔をしてしまっていたのだろうか。
ヘリオンは口に出したことを後悔して目を伏せ、唇を震わせていたが
真っ直ぐに顔をあげて悠人の顔を見た。
「それでもっ、ユートさまは、わたし達を守ってくれました。ちゃんと言ってた通りに。
だから、わたしはユートさまに感謝してます。何も出来てないなんてそんな事無いですっ」
「そんな、あの場を切り抜けられたのは俺の力だけじゃない。みんなの力で何とかなっただけじゃないか」
「あの時はわたしも『失望』も、言われた事くらいしか出来ずに震えてただけです。
他のみなさんだって、ユートさまに励まされてたから諦めずに耐え切れたんですっ」
必死に、瞳を潤ませて悠人を弁護するヘリオン。自分のせいで、
その話題にいかざるを得なくなっただけのヘリオンに心の中で謝ると、
悠人はそっと近づき、ヘリオンの頭に、ぽん、と手を乗せた。ぴくり、と体を震わせ、悠人を見上げる。
「いいんだ、ヘリオン。言ってくれって言ったのは俺なんだからさ。
それに、忘れるわけにはいかない事なんだからたまにはこうやって考え直すのも必要なんだよ」
そのまま、くしゃりと悠人はヘリオンの頭を撫でた。でも、その悠人の顔はまだ晴れきってはいなかった。
それなのに、とヘリオンが悠人の顔を覗き、心を震わせる。こんなにも、優しい。
その心の震えのままに、ヘリオンの目から涙が溢れてきた。
「ごめ、な、さい、わた、わたし、考え無しに、ユートさまに、
嫌な思いさせちゃって、ほんとに、ごめん、なさい」
悠人から涙を隠すように俯き、それを止めようと手で目頭から鼻にかけてを覆い
嗚咽交じりに悠人に謝る。悠人はぎょっとしてあたりを見回して、そのまま、
ヘリオンの頭を撫で続けたまま言葉をかける。
「俺だって悪かった。ヘリオンは俺の事考えて言うのをやめてくれたのにさ。
聞かれたから、答えなきゃいけないって思っちまったんだよな?
それなら、俺だって考え無しだ。ヘリオンの気持ちも考えないで興味だけで
話を続けさせちまった。だから、俺も、ごめん」
話し掛けるうちに、自然とあやすようにヘリオンの背中をぽんぽんと、
頭を撫でているほうと逆の手で軽く叩いていた。
しばらく続けて、だんだんと落ち着いてきたヘリオンを見て、最後に悠人はこう付け足した。
「そうだな。別に聞かれたからって何でもかんでも答えれば良いってもんじゃないんだぞ。
言いたい事ははっきり言えば良いし、言いたくないならきちんとそう教えてくれればいいんだ。
俺だって、みんなに言えない事があるかもしれない。
だから、そうやってくのがお互いに対等なんじゃないかな」
そう言い、もう涙を止めていたヘリオンを見る。まだ目は赤かったが、
それ以上に頬が赤い。さらには、嗚咽も収まっているものの体は硬直してしまっている。
そこで、悠人はやっと自分の体勢に気がついた。
ヘリオンの頭に片手を乗せて撫で回し、背に手をあてて突っ立っている。
体は少し離れているため、抱きしめているというわけではなかったが限りなくそれに近い。
悠人の頭にも、何か懐かしいような感覚がしていた。しかし、それよりも恥ずかしさが先にたつ。
そして、それはヘリオンにおいても、
「あの、ユート、さま。ちょっと恥ずかしいです……わたし、子どもみたいじゃないですか」
と言わしめるくらいであった。
「ご、ごめん、泣いてる子の静め方なんてこんなのしか知らなくて。
いや、子って言ってもヘリオンが子どもってわけじゃないから」
あたふたと体を離し、悠人は言い訳を続ける。ヘリオンは俯いていた顔をあげて悠人の言葉を遮った。
「いえ、う、嬉しかったから、大丈夫ですっ。その、ありがとうございましたっ」
ぺこりと、深く悠人に頭を下げる。向かい合わせで、薄暗い中でも分かるほどに赤い顔を見合わせて
しばらく無言で見つめ合っていた。
やがて、どちらからとも無く足を動かして詰所の方向に歩き出す。
今度はどちらが前に立つことも無く、横に並んで進んで行った。
「それにしても、震えてた、って『失望』がか」
互いに落ち着いて話を再開させた時、悠人が気になったのはヘリオンの言葉の中の一言。
『求め』の事を思い出してもあの時には障壁を張る事に集中していて、よく分からない。
自分が覚えているのは神剣やマナの消える悲鳴だけだ。
「はい、あの時に打ち砕かれた剣や、引き裂かれたスピリットの悲鳴を聞いて。
まるで、泣いてるみたいに感じて、わたしも悲しくなっちゃって」
それを聞いて、悠人は、今は隣で顔を上気させて歩くヘリオンに微笑みかけた。
「剣が泣く、か。それならやっぱり、『失望』は優しいんだな。
あんな時に他人を思って泣くなんてなかなか出来ないよ」
「そう、ですね。そう思うと、『失望』もわたしを見守ってくれているような気がします」
ヘリオンは自らの剣を持ち、それを見つめる。
「うん、それにさ、『失望』が泣いてると思ったんなら、ヘリオンもすごく優しいと思う」
「え、わ、わたしがですかっ」
思わず、剣を取り落としそうになりながら悠人に向き直った。
「だって、そうだろ。剣が悲しむなんて、こいつからは全然そんな感じがしないし。
下手したら、ヘリオンを飲み込んじまうかもしれない神剣をそんな風に考えられるのって
結構すごい事だと思う。と、いつのまにか着いてたみたいだ」
気付くと、第二詰所の玄関前。二人は立ち止まって顔を見合わせた。
「あ、あれ、ほんとだっ。なんだか、あっという間でしたねっ」
「確かに話しながらだとすぐに感じるな。それじゃあ、風邪ひかないようにな
明日からも大変だからさ」
「え、あ、はい。でも、わたしユートさまに比べたら、全然……」
「それじゃ、お休み」
「あ、お、おやすみなさい、ユートさまっ」
そうして、悠人の影が見えなくなるまでヘリオンはその後姿を見送った。
その後、自分の頭にぽす、と手を置いてわしゃわしゃと撫で回して、ぽつりと
「言いたい事だけ言ってそのまま行くなんて、ユートさまの方が、全然対等なんかじゃないですよぅ」
と呟いた後、他の者を起こさない程度には静かに、ぱたぱたと中へと入っていった。
>>1 改めてスレ立て&保管庫建設、乙彼さまでした。
「施設が完成しました」 SS保管庫 Lv10 建設者 >1
と聞こえてくるようです。収録ありがとうございます。
あとがき
ヘリオン萌え分があふれ出て、続き物にしてしまいました。
少しずつではありますが続きもお付合い頂ければ幸いです。
今までのスレ内で挙げられた第二詰所の面々の特徴、性格に萌え転がり、
作品に盛り込ませて頂いている所があります。勉強になります。
アセリアでSSを書いてみたいという気を起こさせたのは前スレ487氏の書き込みでした。
続きを考える上で、インパクトが強すぎてアレしか神剣思いつかない……
前スレ埋めまたは即死回避のネタ振りに(どれくらいで回避できるよく知らないorz)
第二詰所の面々の神剣ってどんな形状・特徴があると思われますか?
『失望』については作中で触れたように、言ってしまえばなまくら刀に見えるイメージが。
>29氏
乙でした。
なんだかヘリオンがすっかり第二詰め所のメインヒロインになってしまいましたね。
神剣の形状・特長ですか…
ヘリオンの『失望』は確かに序盤は弱いけど、レベルが上がると雑魚スピ中最強といえるほどまでに成長するから、
『悠久』と同じように成長過程にある幼い剣なのかな…とか思ってみたり。
もしかしたら血を吸えば吸うほどに強くなる妖刀に近いものかも、とか妄想してみたり…
とりあえずハリオンの『大樹』は日本の遺跡などから出土する、祭器の矛っぽいイメージがあったりする。
>>29氏
乙&GJ! 健気でいい〜っ
即死判定は一定レス数以下and/or一定容量以下で板ごとに違うらしく、
具体的な数値は公になっていないような雰囲気です。
なんで、レス数と容量でブーストかけとく(主に容量)ぐらいの意味合いなんで、
別に内容に「即死回避用っぽい」とか特にないので無問題。thx!
新スレ乙です。
>>29さん
GJ!
今後も続くようで期待してます。
>>1さんスレ立て乙。
>>29氏超GJ!
思わず読みふけってしまいましたよ。
ヘリオンが技の型の覚えがいいってのは作中とリンクされててうまいなぁと感じました。
移行したことだし普通なら書きづらいネタを落としてみる。
4レスほど?
ゴメン、前スレと間違えたw
どさくさ紛れに
>>1もつかれ。
ヘリオンタン……ヒロインですな。
九位というのは最下位ではある。求めは神剣の位階は絶対みたいなこと言ってた様な気もする。
だが、順位付けだけですべてが決まるわけはない、運命は引き寄せる物だ。
ヘリオンに赤いマナの導きがあらん事を。
形状については、ネリシアは同型のブロードソードって感じ。ヒミカはフランベルジュが似合う?
ナナルゥの剣は小さめで。
ファーレーンはそのまんまかな?日本刀みたいな感じで、柄は黒。
ニムは…槍というよりも薙刀に近い感じかも。刺すも斬るも自由自在。
お姉ちゃんを慕う気持ちを剣に乗せて攻撃、でも空回りが多い。
ネリー&シアーは、ほぼ相似形なんだけど、ネリーは少し細身で動きやすさ重視。
シアーはサイズが大きめで扱いにくい代わりに、青属性マナを扱うのがちょっとだけ上手。
セリアは…至って普通なんだけど、柄の部分とかに要らん装飾がたくさんしてありそう。
…意外に難しいな、このネタ。
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
レスティーナとの運命の再開から数ヶ月経ったある日のこと…。
「なんてことだ…」
悠人くんは、ついにスピリット隊隊長時代に稼いだお金が底をついてしまいました。
高台に来るときには必ずヨフアルを買って来てくれた悠人くんが、今日に限って手ぶらで来た事を不審がったレムリアは、
小一時間悠人くんを問い詰めて、真相が発覚。
「この甲斐性無しの貧乏人!!」
と批難しながらも、愛しい悠人くんのために、レムリアはある職場を紹介します。
その職場は………
「オルファ!廊下は走るなって言ってるだろ!」
「こらネリー!教科書で紙飛行機を作るんじゃない!」
「シアー、もう五時間目だぞ?頼むからもっと早く給食を食べてくれ」
「ヘリオン。いい子だから授業中にエロ妄想小説なんか書くなよ…」
「そしてニムはさっさと起きろー!」
『王立スピリット学園』
教師陣
ヒミカ―熱血国語教師。有名な詩の中に、自分のつくった詩もこっそり混ぜて授業をおこなうお茶目なポエマー。
セリア―冷血算数教師。不必要なまでに理屈っぽい授業は、分かり易いけれどつまらないと評判。
ファーレーン―おっとり理科教師。優しく丁寧な授業で評判だが、ニムを心配するあまり、どの授業にも顔を出す困り者。
トキミ―不可思議社会科教師。なんでいるんだ?
ユート―あたふた保健体育教師。生徒たちに慕われながらも弄ばれる毎日。
ハリオン―のんびり学長。笑うか困る以外のことはしない。
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
追加教師陣
アセリア―ぼんやり図工教師。刃物を持つと人格が豹変する危険人物。
エスペリア―厳格家庭科教師。鉄壁と恐れられるが、魔法にゃとことん弱い。
ウルカ―体育会系掃除のおばちゃん。そのホウキ捌きは目にもとまらない。
ナナルゥ―謎のペット。ヒートフロアからイグニッションのコンボが得意なわんこ。
43 :
エロ大王:04/04/19 19:18 ID:S8Ybi69K
>29さん
激しくGJ!
ヘリオンたんは萌え担当というのは確定だのう・・・・
生徒より先生の方が多いのかw
城下町での買い物帰り、城門まで門をひとつ曲がるだけというところでヘリオンは、見慣れぬ女性が
細い路地を背にして佇んでいるのに気が付いた。
なんだか見たこと無い変な服。ほとんど白くて、紅い縁取りとスカート?でも……キレイな人。なんだ
かユート様に似ているような気がする。
その女性を気に掛けながら、ヘリオンは急ぎ足で過ぎ去ろうとした。早く帰らないとネリーがうるさい。
ヨフアル、ヨフアル、ヨフアルの三連呼だ。
「あなたが」
えっ?
女性の前を一歩分だけ過ぎたところで声が掛かった。
「あなたが、ヘリオンですね」
振り向くと、その女性はにこやかな顔で問いかけてきた。
「あ、あの私ですか?」
誰?私の名前を知っている?そんな人、詰め所と、女王陛下以外で存在するだろうか。不思議に思う。
「そう、あなた。失望のヘリオン。」
笑みを浮かべたまま、ヘリオンを無視するように言葉をつないでいく。
「あなた、人気ですね。でももうそれも終わり。正ヒロインとの統合が図られたからには、終わりなんで
す。あなたは、調子に乗りすぎました」
「えっえっ、あ、あのなにを」
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
城下町での買い物帰り、城門まで門をひとつ曲がるだけ。早く帰らないとネリーがうるさい。ヨフアル、
ヨフアル、ヨフアルの三連呼だ。細い路地の前を通り過ぎる。
あれ?ここに誰かいたような気が……一瞬疑問が浮かぶ。でもその疑問は泡と消え、ユートと一緒に
ヨフアルを食べることに思いは移っていった。
46 :
45:04/04/20 00:22 ID:OLFakehO
変なの書いちまったよ orz
ところで、ユートが"保健"体育というのは、女生徒onlyなのに……ほんとに
弄ばれるな。
で、甲斐性無しの貧乏人の下宿先部屋番号は5号室?w
そういえば正ヒロインなのにアセリアメインのSSとか見たことないな。
統合記念に、誰か書いてくれんかのうと他力本願。
>>46氏乙! 確かに変だけどw
>で、甲斐性無しの貧乏人の下宿先部屋番号は5号室?w
いや待て。庭付き一戸建ての宿舎かも知れない。
仕事が終わって家に戻ると「パパ、お帰り!」との声が。
「お、オルファ! なんでここに?!」
「オルファ、今日からここに住むことにしたから」
「なんだってー(ry」
そしてなし崩し的に5人の女生徒と同居する羽目に。
彼女らは揃いも揃って悪戯好きで、悠人は振り回される毎日。
そして悪いことに彼女たちは美少女揃いで、しかも誘惑の術にも長けていたのだった…
「なんてこった、俺には好きな人がいるって言うのに…」
先生達+町娘との純愛を貫くか…
それとも美少女達の誘惑に負けてしまうのか…
純愛vs誘惑アドベンチャー「すぴりっと+」 Xuse純米より今夏発売(嘘)
ふむ。
46氏のIDからいってやはり出迎えはオルファか(w
ユ「出てゆく出てゆく!」
へ「まぁまぁ、まってくださいよぉ」
ユ「離してくれ!!俺は佳織を助けに行くんだ!」
ヒ「うるさいね!朝っぱらからなに騒いでるの!」
ネ「だって、ユートさまが出て行くっていうんだよ?」
ナ「佳織様のためですか」
セ「どうせ無駄です」
ヒ「セリア!あなたには情けってものがないのっ!?」
エ「あの…あなたがユートさまですね?」
ユ「そうだけど…」
エ「私、このスピリットの館の管理人をしております、エスペリアと申します」
以下(ry
エスペリア、未亡人の管理人役がものすごく似合いそう。
殺伐としたファンタズマゴリアに救世主が!!
へ*__*へ
/ ヽ|・∀・|ノ. \
|__|
| |
ヘリオンマン参上!!
デビルマンレディーみたいなモノではないかとw
ただ一撃、それがすべてを突き崩す…
_
ヽー´, , ,ヽ
<彡ノノ从〉
彡)O 入(!|゚ -ノ|l へ*__*へ
, --‐/ナi_(こf^(=O / ヽ|・∀・|ノ \
`-ー―ナT /ゝ、` |__|
∠_ノ_'/乙ソ | |
___ _
>彡 /^ヽ、/
< イ从从)〉
へ*__*へ 入i|ー ‐ノ|l またつまらぬもの(羊羹)を斬ってしまった…
/ ヽ|・∀・|ノ \___ //f_/`’i)
 ̄ ̄ |__| ミ)O i/七]∀i〕 of彡
| | /_j|フノ|,ゝ
カサカサカサ
(( へ*__*へ ))
((/ ヽ|・∀・|ノ \))
黒いし飛ぶしすばしっこいし……
57 :
ヘリオン:04/04/20 16:51 ID:L+Q51i/J
ねんがんの ヒロインの座を てにいれたぞ!
ヽ
, ´/`'ヽ
i イ((()))
|!,| lゝ゚ -ノノ ノ`ヽ <……そう、かんけいない
i lヌ(介)(9_(uUJ
((U=(,)'/三ΞΞ)>
i(ソ‐ヾ_)ゝ
ヽ ゞγ´゚皿゚`ぐ
, ´ ̄ 〉ヽ k @ ノ
γ⌒ヽ ixil ノノハ))) `ー-‐'
( 宗 ) ノノi(リ ゚ヮ゚ノlヾ、 <ころしてでもうばいとっちゃうよ〜
`ー‐' ´ 〈_イ个(7っ `
i二iニ二jR{G}Ri二ニi二l
(_ノ ヽ)
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
なんかいきなりスレの雰囲気変わったな・・・
60 :
46:04/04/20 23:44 ID:DlbA/QKf
>>50 ネ「ユート先生さようならー」
バシィンッ。
ユ「いて。こらネリーなにするんだ」
ネ「へへーまた明日先生ぇー」
エ「あらあら、ユートさん早速……これ落ちるかしら」
ワイシャツには真っ赤なハートマーク。これから先管理人エスペリアさんは何本箒を
折ることか……ガクブル
ところでおまいら、
>46 に時深は正ヒロインじゃないだろってつっこんでくれよ(;´д⊂
へ*__*へ
. ( Z|・∀・|. )
|__|Z
くく
ふふっ……ユート様、誉めてくれるかなっ♪
時深お…ねいさんに下手なつっこみを入れると
えらい事(タイムアクセラレイト&タイムシフト)になるという経験から
つっこむにつっこめなかった香具師も結構いたのだろう
すまぬが漏れは怖気づいた(w
まあ彼女にまともに対抗できるのは
テムオリソかタキオスの兄貴ぐらいだろうからなぁ。
…時深&テムオリソのコンビは結構いいネタになりそうな気が。
前スレ、容量オーバーにて一巻のおしまいと相成りました。
dat落ちは時間の問題ですので、まだの方はログ取りをお急ぎください。
唐突だけど、スフィアハイロゥって、なんか喋りそうじゃないか?
しかもなんか口が悪そう。
ス「いよぉ〜王様!元気にヤってるかぁ〜!?」
ナ「……」
ユ「ちょっと待て。王様ってのは俺のことか?」
ス「はぁ?ハーレムの王様つったら、あんたしかいねーだろぉぉぉぉぉ!?」
ユ「だ、だれがハーレムの王様だ!っていうか、ナナルゥ、こいつは何だ?」
ス「スフィーちゃんを知らねーヤシがいるなんて信じらんねーYO!」
ユ「ス、スフィーちゃん?女なのか?」
ス「見て分かんねーのか呆けェ!スフィーッつっても魔法皇女じゃねーからなァ!うへへっへあへへ、ヘラヘラ」
ユ「………頭いたい」
ス「バファ△ン飲むか?半分はやさぐれで出来てんだけどなぁあ!」
ナナルゥ、こんなのといつも一緒。しかも仲良し。
前スレの最後はタイムシフトで終わるといいな。
>>66 タイムシフトで終わろうとしたんだけど、ギリギリアウトだったみたい・・・orz
「最近ユート殿が遅刻気味でのう・・・」
「え・・・あっ!す、すみません、わたくしが至らないばっかりに・・・」
「ああ、いやいや、エスペリア殿が頭を下げることはない。すまん、愚痴になってしもうたかの。」
「いえ、そんな・・・」
「さて、ワシはそろそろ指南に戻るかな・・・よっこいせ。お茶、ごちそうさん。」
「あ、はい、行ってらっしゃいませ、ガンダリオン様。宜しくお願い致します。」
ペコリ、と頭を下げて、エスペリアはガンダリオンを見送った。
「・・・・・・はぁ。」
テーブルの上のカップを片付けながら、エスペリアはそっと溜息をついた。
さっきの話−−最近悠人が訓練の集合時間によく遅れるというのだ−−を思い出して憂鬱になる。
エスペリアには原因に思い当たる事があった。ガンダリオンには言いそびれたが、
この頃悠人の寝坊癖が激しくなっているのだ。
「やっぱりわたくしが悪いのかしら・・・」
もっとも、エスペリアは以前と変わらずちゃんと定時に起こしに行ってはいる。
ただ、元々寝起きが壊滅的に良くない悠人はエスペリアの起こし方にも免疫が付いたのか、
最近はなかなかすんなりとは起きてくれないのだ。
「どうしたらいいのかしら・・・もっとこう、積極的にえぃって感じで・・・それともいっそ一緒に・・・
そ、そんな・・・そんな事、わたくしにはとても出来ません・・・・・・あ・・・」
1人で赤くなって悶えていたエスペリアがふと思いついた。
「そうだわ・・・。みんなの起こし方をこっそり見せてもらって参考にさせて頂くのがいいかも。」
で。
「という訳で、みなさん順番にユート様を起こして差し上げて下さい。」
「「「「えーーーーーーーーーーーーー(一部♪)」」」」
悠人「・・・いや、なにが「という訳で」なんだ、エスペリア・・・」悠人の呟きはその場の全員に黙殺された。
〜ネリー・シアー・ヘリオン・オルファリルの場合〜
ヘ「おじゃましま〜す・・・ユート様、まだ寝てらっしゃいますか〜・・・」
ネ「お〜いユート様〜!訓練の時間だよ〜お〜き〜ろ〜!!」
シ「オ〜キ〜ロ〜〜〜」
オ「パパ〜!起っこしに来たよ〜!!」(バフッ)
ヘ「わわ、みなさん何してるんですか〜〜っ。大声出したらダメですよ〜〜。」
ネ「えーーっ!だって起こすんでしょーー!大声出さなきゃダメじゃん、ねーー?」
シ「ねーーーっ」
ヘ「そ、そんな事言ってもいきなりじゃ心の準備が・・・///(何か想像してる)
ってオルファさ〜ん、そろそろ降りて上げないとなんかユート様苦しそうですよ〜っ。」
オ「へ?あ、あはは〜〜。パパったら白目剥いて、かっわいい〜〜♪」
ネ「ねえねえシアー、これ、なにかな〜?」
シ「なになに?何だろ。」つんつん。(ピクッ)「あっ動いた、面白〜い!」つんつん。(ピクピク・・・ムクッ)
ヘ「し、白目って、それって気絶してるんじゃ・・・って、え?え?」
オ「あ、それはね〜、パパにだけ付いてるんだよ〜。前にオルファ、お風呂で見たんだ〜。
・・・ん〜でもこれってなにか、パパ教えてくれないんだ〜。」つんつんつんつん。
ヘ「あ・・・あ・・・あ・・・」///
ネ「ん?ヘリオンちゃん、どうしたの?」
シ「たの〜〜?」
ヘ「い・・・」
オ「イ?イっていうの?これ。」つんつん。(ムクムクムクムク)「わぁ・・・すっっごくおっきいよ、これ♪」
ヘ「いやーー!!!!!ユート様のエッチーーーーーー♪♪♪♪」(ダダダダダダ・・・バタン!)
ネ「あっ!待ってよ、ヘリオンちゃーん!そっかわかった!競走だねっ!ネリー負けないよ!」(ダッ)
シ「シ、シアーもまけないもーーん・・・・」(タタタタタタ・・・)
オ「ほらほらこんなに・・・って誰も居ないね・・・。まいっか、オルファも訓練しに行こっと。
パパも早く起きないとエスペリアお姉ちゃんに怒られちゃうよ!じゃねっ!!」ぱたぱたぱた・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・だめじゃん
〜セリア・ヒミカ・ナナルゥ・アセリアの場合〜
ヒ「ユート様、失礼致します。」
ナ「・・・・・・失礼致します。」
セ「シツレイイタシマス。」
ヒ「(溜息)セリア、貴女ねぇ。そんなに嫌なら無理して来なくてもいいのよ。」
セ「・・・・・・任務だし、仕方ないでしょ。実際彼が来ないと訓練にも支障が出るし。」
ぷいっと横を向いてしまうセリア。しかしかすかに頬が染まっているのをヒミカは見逃さない。
ヒ「(クスッ)まぁいいけど。で、どうやってユート様を起こしましょうか。ナナルゥ、なんか意見ある?」
ナ「・・・先制攻撃。」
ヒ「それは戦いでの話しでしょうが・・・って貴女、また神剣に飲まれてるんじゃぁ・・・!」
ナ「・・・大丈夫。最近は干渉が弱まっているから。それよりあれ。」
ナナルゥが指差す先ではいつの間にか部屋にいたアセリアが悠人を揺り越そうとしていた。
ア「ユート、起きる。エスペリアが時間だと言っている、ユート。」(ユサユサ)
セ「アセリア、そんな事で起きるならエスペリアさんも苦労してないんじゃ?」
ヒ「う〜ん、なにか危険じゃない方法ですっきり目覚める方法がないかしら・・・」
悠「・・・・・・だからなんで・・・・・・」
全「??????」
腕組をして考え込んでしまった全員に突然悠人の呟きが聞こえてくる。
ア「ん?なにか言ったか、ユート。」
悠「だからなんでみんな俺がいるのに平気で入ってくるんだ・・・」
全「!!!!!」
どうやら風呂の一件でうなされている様だがそんなことはこの場の全員が知る由も無く、
生真面目なヒミカあたりは寝ぼけた悠人に早速頭を下げていた。
ヒ「も、申し訳ありません!失礼とは思いましたが、最近ユート様の寝起きが良くないとの事なので・・・」
セ「だ、だってしょうがないでしょう!なによ、せっかく人が起こしに来てあげたっていうのに・・・」
ナ「・・・・・・反省してます(ボソッ)」
ア「ユートは私が部屋に入るの、迷惑なのか・・・?」
謝ったりすねたりしょんぼりしたり訊ねたりする4人。しかし悠人の寝言は既に別のステージに移行していた。
悠「・・・うう〜んすまん佳織、あれはセクハラだった・・・・・・」
ピキッ
場が凍りついたのは一瞬だった。たちまちあたりに怒りのオーラが満ちていく。
意味は解らなくてもそこは女の勘の恐ろしさ、言葉のどこかに不穏なものを感じたらしい。
いきなりヒミカとナナルゥが呪文の詠唱に入る。
ヒ「マナよ、力となれ、敵の元へ進み・・・」
ナ「マナよ、怒りの炎となれ・・・」
ヒ「インシネレート!!!」
ナ「アポカリプス(U)!!」
何気に力をセーブしているヒミカに比べて自分でもよく解らない怒りに身を任せているナナルゥ。
ア「マナよ、凍てつく風を呼べ、・・・」
セ「手加減はしません、最強の技で葬り去るのみ。」
ア「サイレントフィールド!」
セ「いやぁーーーーーっ!!!」ペンペンペンペン!!!!
そしてアセリアが威力をサポートしたセリアの容赦ない平手打ちが規定攻撃回数分続いた。
黒こげになって寝て(?)いる悠人にはそれをかわせる訳もなかった。
「「「「・・・・・・・・・バカーーーッッッ!!!!」」」」 (ズンズンズンズン・・・・・・バタン!!)
・・・・・・合掌(藁)
〜ファーレーン・ニムントール・ハリオン・ウルカの場合〜
ウ「ユート殿、入ります。」
フ「失礼します。ユート様、おはようございます。」
ハ「お〜は〜よ〜う〜ご〜ざ〜い〜ま・・・」
ニ「ね〜お姉ちゃ〜ん、いいからユートなんて放っとこうよ〜・・・」
フ「こらニム、なんてこと言うの、ユート様に失礼でしょ?」
ニ「だって〜。なんでニムやお姉ちゃんがこんなことしなきゃなんないの〜・・・めんどくさい・・・」
フ「これはお仕事なんだから、ちゃんとしなさい。もぅ、しょうがないんだから・・・」
ウ「まぁまぁファーレーン殿。ここは手前1人でも充分間に合いますので。
もし宜しければニム殿と先に訓練に行かれては・・・」
フ「いえ、大丈夫です。(キッパリ)」
ウ「・・・・・・は?」
フ「い、いえ、なんでもないです(汗)。お気遣いなく。任務ですから(汗汗)」
ニ「(ジトーー)・・・・・・これだから目が離せないのよね・・・」
フ「なにか言った?ニム。」(ギロッ)
ニ「ううん、何も。もういいからさっさとユートを起こしちゃおうよ、お姉ちゃん。」
フ「もう、またこの子はユート様を呼び捨てで・・・まぁいいわ。ユート様、そろそろ・・・」
そう悠人に呼びかけようとしたファーレーンの動きがベッドの方を振り返って停止した。
フ「・・・あ・・・あ・・・」
ハ「すーーーーーすーーーーーすーーーーーーーーーーー」
そこでは起こしに来たはずのハリオンが悠人と一緒に寝息を立てていた。
もちろん同じベッドで。御丁寧に和みのオーラが二人を包んでいる。
ハ「すーーーーーすーーーーーすーーーーーー」(キラキラキラキラ)
ウ・フ・ニ「・・・・・・・・・・・・」
悠「う、う〜ん・・・(ガバッ)(スリスリスリ)」
ハ「あん♪だ〜め〜で〜す〜よ〜、も〜う。むにゃむにゃ・・・」
ウ・フ・ニ「!!!!!!!!!!」
何と勘違いしたのか、ヘリオンのふくよかな胸に顔を埋めだす悠人と幸せそうに悠人の頭を抱え出すハリオン。
それをプルプルと凝視していたファーレーンからなにかが切れる音がした。
ニ「え?なにかいった、お姉ちゃん?」
フ「・・・・・・私もする。」
ニ「は?」
フ「私もする!私もユート様と寝る!!寝るんだもん!!!寝るんだもん!!!!」
ニ「ちょ、ちょっとお姉ちゃん?何言って・・・」
フ「ヤダもん!!私もすりすりしてもらう!!だってハリオンだけなんてズルいズルいぃ!!!
わたしだってわたしだって・・・」じたばた。
ウ「ま、待て、ファーレーン殿、冷静に。二人とも起こせば済む事・・・」
ニ「わ、お姉ちゃん、ちょっと!」
完全に錯乱しているファーレーンをウルカとニムントールが懸命に抑える。
しかし暴走か日頃溜まったストレスかそれともこれが地なのか、激しく幼児化したファーレーンは
二人を引きづったままベッドににじり寄っていった。
ニ「・・・しょうがない、お姉ちゃん、ゴメンね!」
そういって咄嗟に呪文の詠唱を始めるニムントール。気付いたウルカが制止しようとするが、間に合わない。
ウ「な、待て、ニムントール殿、今それを使われては・・・」
ニ「ハーベストーーー(W)!!!」
(キラキラキラキラキラキラキラキラ・・・)
・・・・・・・・・
・・・・・・
フ「・・・・・・あ、あれ?私何を・・・ってニム?なんでしがみ付いてるの?」
ニ「・・・お姉ちゃん、落ち着いた?」
フ「え?なに?どうしたの、えっと?」
ニ「全く、しょうがないんだから・・・めんどくさい。」
そういいながら薄っすらと涙目のニムントールとよく解らないままでも妹の頭を撫でて慰めるファーレーン。
一見微笑ましい光景を横目にしながらウルカは小さく溜息を付いていた。
ウ「これでしばらくユート殿の目が覚める事はないでしょう・・・」
そう呟いてちらっとベッドの方を見る。
ハ「すやすやすや・・・」
悠「ぐーぐー・・・・・・」
そこにはニムントールの全体癒し魔法をもろに受けて爆睡している二人がいた。
ウ「・・・・・・・・・・・・・・はぁ。」
ちゃんちゃん。
その頃。
「・・・・・・・・・」
エスペリアは第一詰め所でひとり頭を抱えていた。
「・・・・・・だれも来んのぅ・・・・・・」
ガンダリオンは訓練場でひとり黄昏ていた。
……今度はヘリオンマジック?
スレ統合記念に書いてみました。お目汚しだったらすみませんorz
書き終わって初めて気付いたのですが、どうやらファーレーンがメインっぽいですw
生真面目&冷静そうなファーレーンの壊れっぷりを見たくなったというか、そんな感じです。
それと「統合記念」とかいってて全然第一詰め所の面々が生かされてません。
特に今読み返すとアセリアの扱いが・・・いたた・・・(汗
せっかく統合したのだからと最初は一人一人のパターンを考えていたのですが、
どうしても第一と第二でキャラが(ネタが)被っちゃうんですよね。
まぁ3チームにした所で結局スキル技でキャラ立てしているんですが、
しょせん勢いで素人が書いたものですのでその辺はご勘弁を(ペコリ)
誤字脱字ハリオンマジック等ありましたら御指摘ご鞭撻の程お願い致します。
あと
>>1さんスレ立てと保管庫設立と避難所設定乙でした。
何気にのらスピものが保管されていて嬉しかったり。ちゃんとタイトル付ければよかったな、とか。
その上冗談で書き込んだテンプレネタまで一部使われたり、もう言う事ありませんw
79 :
78:04/04/21 21:23 ID:j5mSPclW
>>77 うわ〜!あれだけ気をつけてたのにやっちまった〜_| ̄|○
すみませ〜ん(汗汗
壊れたファーレーン
が、もぅ! もぅ!
ファーレーンの太眉がすきだが、彼女の場合どこら辺に黒スピの特徴が現れるのだろう?
ハリオン「えっとー、そうですねー……一見折り目正しい人って、結構心の中ではー
何考えてるかー、わかりませんからね〜」
ニム「! お姉ちゃんのこと、腹黒いって言いたいわけっ!?」
ハリオン「あらあらー、私はそんなこと言ってませんよー? ファーレーンって、
お腹が黒いからー、ブラックスピリットなんですか〜?」
ニム「んなわけあるかーっ!」(バキッ
赤スピ=A型 青スピ=B型 緑スピ=O型 黒スピ=AB型
いや、適当なんだが…
よーするに
赤スピは経験重視で細かい性格
青スピは未来傾向が強くて自分勝手
緑スピはまとめ役で大雑把
黒スピは二面性があってワケワカラン
ってことか?
>>78氏
乙&GJ!
畜生!今までファーレーンは最ハァハァだけだったのに
最萌えまでファーレーンになっちまいそうだ!
>>78さん
乙カレーです
いや、ほんとにファーレーンがイイ!ですなぁ
……ここは第二のファンタズマゴリアになっていますな
赤スピは情熱的なのが多いって言ってなかったっけ?
たしかレムリアが言ってたと思うんだが
緑スピはエロい、積極的にエロい、とにかくエロい
色なんて飾りです。
偉い人にはそれがワカランのです。
そこで白スピの出番ですよ!
久しぶり(?)に中の人日記が来たわけだが…
「3」じゃないのはともかくとして、
> もっとも愛着がないキャラなんていませんが。
本 当 に 本 当 か ?
と雑魚スピ一同に代わって小一時間(ry
雑魚スピも中の人?
サブの人の担当だったりしないのだろうか。
>>92 たしかに、イビルルートはサブの人が書いてる可能性はあるか。
でも、「2」でヘリオンの設定に言及してるから少なくとも設定は中の人かと。
中の人の話が出たので聞きたいのですが、メダリオがベジータでミトセマールが今日子の中のひとだったりしますか?
95 :
81:04/04/23 00:15 ID:dhtlvfQn
結局、ファーレーンは腹黒いでFA?下の毛が……って意見が無いのが意外であります。
泣きぼくろとかあるとエロくていいかもなぁ。
あと、ヘリオンは、自分だけが悠人と同じ黒髪だと言うことに、内心嬉しくてたまらなさそう。
兜(?)かぶってる時にのぞく髪は黒く見えるわけで、
あれはカラスアゲハのような青みを帯びた黒なんだよ
と無理目でつまらんことを言ってみる…
要するに、ブラックスピリットとは黒魂。すなわち、腹黒い奴を指す言葉だったんだよ!
ファーレーンの腹黒なんて可愛いもんですよ
太古から悠人をつけねらい、赤ん坊の頃からストーキング
終いにはわたしはずっとあなたを見守っていたなどと自分を正当化し
実はあなたが好き、わたしとあなたは結ばれる運命
こうしなければ時の迷宮に行けないと無理やり行為したあげく
今のはレイプだ、責任取れと謝罪と賠償を(ryと要求するあの腹黒エターナル時
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
…やっぱ腹黒だな黒スピは
時に、ここでのネタやSSにおけるファーレーンの描写にはある共通認識が存在する。
深層心理に根ざした、悠人への凄まじい執着である。
およそ戦闘前に「皆さん、怪我をしないように頑張りましょうね」と仲間への気遣い
ばかり見せるような心根の彼女が、ひとたび悠人が絡んでくるとその大切な仲間で
さえ容赦なく打ちのめし蹴落として、また幼児返りを起こしてまで悠人を求めること
まことに切実なるものがある。
はたしてこの「悠人に関してはなりふり構わない」一連の描写こそが、ファーレーンの
腹黒疑惑の中核をなす共通認識であり、有力な傍証を示唆すると言えよう。
黒スピリットの二面性は、ヘリオンを見ても明らかなように彼女たちの本質であり、
いまにして思えば、彼女がその美しい素顔を無骨な兜で隠し人目に晒さないのも、
よこしまな己の本性を人目から憚るための武装であると考えれば腑に落ちるのである。
黒魔法少女サディスティック・ファーレーン
>>100 うむ。だがそれはファーレーンがSSに登場しなければ明らかにならなかったし、
また我々を萌え転がらせてくれる一面ともなっている。だから
いかに彼女が腹黒であろうともその全てを受け入れる覚悟ができている
ワタシの様なファーレーン萌え者には何ら問題ないことだと考えている。
ラキオスのスピリット達に新たな息吹を吹き込んでいく職人の方々の認識の
タイプに例えファーレーン=腹黒と刻み込まれようとも
より一層のファーレーン萌え分を補給できるとワタシは思っている。
>>100 >>102 たしかに、ファーレーンの二面性というのは激しく萌えるな。けど、
いつまでもファーレーンネタばかりだと流石に飽きる。
むしろ、これからの雑魚スピスレの発展には、美しく
しとやかで、長年の間一途に悠人のことを思い、彼が
ふさぎこんだ時には身をもって励ましてくれる、
トキミおねえさんの存在が必要なのではないだろうか。
ババァだろうが関係ない。
問題はい・く・つ・に・見・え・る・か・だ。
肉体年齢さえ少女のままならなーんも問題無い。
時深さんは俺が嫁にもらっとく。
確かに年は関係ないな。
単に性格が
時深おば…もとい、年齢高めの彼女の性格てそんな悪いんか…?
アセリア+の可能性が怖くて買って無いんだが。
1000歳越えてなお処女だったらしいとは聞いたが。
キレイなお……ねいさんは好きですか。
>108
雑魚スピ一絡げかよっ!
俺は性格は嫌いじゃないぞ。
別に1(ry歳で処女だろうと外見が老いなければ良し。
>>108 影響されてこんなものを作ってみる。
ガロ=リキュア・スピリッツ
1番 4 ネリー
2番 5 ファーレーン
3番 6 セリア
4番 2 ナナルゥ
5番 3 ハリオン
6番 9 ヘリオン
7番 7 ニムントール
8番 8 シアー
9番 1 ヒミカ
監督 エスペリア
オーナー レスティーナ
実況 ヨーティア
解説 オルファ
チームマスコット アセリア
ネリー:積極果敢な打撃と快速でかき回す。堪え性がないため出塁率がいまいちなのが欠点。
ファーレーン:チーム最年長のベテラン。安定感のあるプレイでチームを支える。
セリア:走・攻・守3拍子揃った選手。どんな打球も淡々と処理する様はまさに職人芸。
ナナルゥ:冷徹なリードで投手を支え、打っては最強の打撃力を発揮するチームの要。
ハリオン:普段は目立たないが、ここ一番で見せる一発は恐るべし。隠し球などのトリックプレーも得意とする。
ヘリオン:今後に期待の新人。随所に才能の片鱗を見せるものの、積極性が欠けるのが当面の課題か。
ニムントール:守備能力は一級品だが、好不調の波が大きいのが欠点。逆境での粘り強さは特筆に値する。
シアー:数字に表れないところでも手を抜かない努力家。波の大きい両翼をうまくサポートしている。
ヒミカ:冷静さと闘志を兼ね備えた豪腕投手。小手先の変化を捨て、球威とコントロールで勝負する本格派。
ナナルゥが強いのか(*´Д`)/ヽァ/ヽァ
ナナルゥは1番で先制攻撃を決めて欲しいな
コンニチハ(・∀・)
ボールにファイアエンチャントをかますヒミカを想像してワロタw
ダブルスイングが二段モーションを取られてボーク連発するヒミカ
俺的な感じでは、ヒミカはキャッチャーをやってそう。
んでピッチャーはヘリオン。開幕時にはへなちょこなんだけど、
経験と自信をつけるとぐんぐん成長していって、チームを優勝に導く…とか。
…なんだかよくある野球映画みたいになったな。
時深おば…は球団社長、オーナーとは外見上はともかく、内心反発しあってそうw
先生! 女子野球部に侍と学者と巫女さんがいるのは危険だと思います!
時深おばーたんは負けるとタイムシフトします。
タイムアクセラレートを使えば内野ゴロでもランニングホームラン。
…しかしホームでは絶対防禦を張り巡らせたタキオスが待ちかまえていたのであった。
ビジョンズも卑怯だ。
ミ「こるぁメダリオ!あたしのヨフアルはバナナ味だって言っただろぉ?脳みそ膿んでんのかい?」
メ「す、すいません、ミトセの姐御!それしかなかったんです!」
ミ「ミトセって言うなとも言ってるだろぉ!?まるで30代みたいじゃないか!」
メ「本当は30代どころか…あ、いえ!何でもありません!」
ン「ンギュル!ギュルギュルゥ〜〜!!」
メ「ヒッ!すいません。ントゥの旦那!なに言ってるか全然分かんないけどすいません!」
ミ「まったく、そんなだからあんたはいつまでたってもうだつが上がらないんだよ」
ン「ンギュリィー」
メ「はい。全くその通りですよね。ははっ」
ミ「笑ってんじゃないよ!ほんとにあんたは…ん?なんだいこれは?」
メ「ガロ=リキュア・スピリッツ?何かの球技団らしいですね」
ミ「へぇ、面白そうじゃないか。どれ、あたし達も参加してみようかね」
ン「ギュルギュルィ」
メ「え!?でも、ここの社長はあのカオスの奴ですよ?」
ミ「うるっさいねぇあんたはぁ!んなこたぁどーでもいいんだろ!大体このあたしが秩序なんて、柄じゃないんだよ」
メ「そ、そうですよね。全く似合いませんよね!」
ミ「あぁ!?そりゃどういう意味だい?」
メ「ひっ!それは、その、偉大な姐御は他の何かに縛られて生きるのは似合わないってことですよ!」
ミ「ふふっ、分かってるじゃないか。そうさ、あのテム婆にもいつか思い知らせてやるさ」
メ「そうですよ!あいつってば、姐御より年上な癖に若く見えるし、
ントゥの旦那の方がわけわかんないのに、旦那より強いし。ほんとに嫌な奴ですよね!」
ミ「やっぱりてめぇ、あたし等をバカにしてんだろぉ!?」
ン「ンギュギュギュギュルゥァ!!」
>123
テ「タキオース!そこを通してはなりませんわ!」
タ「はっ!」
テ「えいっ!これでダブルプレーですわ。ご覧になったかしら、トキミ。おほほほほ!」
ン&ミ&メ「へ?」
>>125 メダリオが横島風味で笑った。いい仕事だ。
127 :
名無しさん@初回限定:04/04/25 07:28 ID:EJXIGhRA
AlphaROM対応! CD 革命 /Virtual Ver.8
http://pc4.2ch.net/test/read.cgi/cdr/1074765755/ 32 名前:sasaq 投稿日:04/03/27 20:48 ID:eIOSd+DK
「永遠のアセリア」Disc3「2重化セクタを取得」にチェックを入れても
イメージ構築できないです。99%で無応答になるよ〜
「放課後」は出来たのに・・・
33 名前:名無しさん◎書き込み中 投稿日:04/03/28 01:02 ID:KpoCjQiR
>>32 やはりかんべ以下か・・・
(かんべはアセリアO.K.だった)
34 名前:名無しさん◎書き込み中 投稿日:04/03/28 08:33 ID:gI/gEbvf
永遠のアセリアDisc3仮想化できましたが2重化セクタの最後の1%の
読み込みが極端に遅かった。(全体で40分、その1%の部分で10分近く
かかった)
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
く/_|_リ
足がないとカワ(・∀・)イイ!!
>128
ジオング?
歳なんて飾りです、若いエターナルにはそれば分からんのですよ
必死だな。
暇なんでちょっとしたクイズ。
以下のカテゴリー分けの条件を推理してください。
アセリア、オルファ、ネリー、ウルカ、ナナルゥ、ハリオン
==============================
エスペリア、シアー、セリア、ヒミカ、ニムントール、ファーレーン、ヘリオン
134 :
毒男:04/04/26 02:19 ID:EqUndR83
ぱんつはいてる
アセリア、オルファ、ネリー、ウルカ、ナナルゥ、ハリオン
==============================
ぱんつはいてない
エスペリア、シアー、セリア、ヒミカ、ニムントール、ファーレーン、ヘリオン
135 :
毒男:04/04/26 02:22 ID:EqUndR83
あ、やっぱ逆かも
エッチシーンでニムとファーレーンははいてた気がする
ぱんつはいてない
アセリア、オルファ、ネリー、ウルカ、ナナルゥ、ハリオン
==============================
ぱんつはいてる
エスペリア、シアー、セリア、ヒミカ、ニムントール、ファーレーン、ヘリオン
そっちのケがある
アセリア、オルファ、ネリー、ウルカ、ナナルゥ、ハリオン
==============================
どっちでもイケる
エスペリア、シアー、セリア、ヒミカ、ニムントール、ファーレーン、ヘリオン
だな!?
サルドバルトの制圧に成功し、エトランジェ、『求め』のユートに一つの恩賞が与えられた。
ラキオス王によって、彼に対する人質として捕らえられていた義妹、佳織の解放である。
北方五国がラキオスによって統一された事により大陸の力関係は現在、やや膠着状態に有る。
したがって、大規模な戦闘が発生する事も無く、ここ一ヶ月の間、悠人や佳織たちは一時の平和を享受していた。
だが、その平和も破られる時が来る。迫り来るその時を露とも知らず、悠人と佳織は夕刻のお茶を飲みながら
話していた。その話題はと言えば、
「え、だ、誰かをお嫁さんに、だって?」
「うん、お兄ちゃん、エスペリアさんやアセリアさんたちだけじゃなくて、
ネリーやシアーがいる方の人たちとも仲がいいんだから選ぶのは大変だろうけど、ね?」
という物であった。
まさか、小鳥ならともかく佳織にこのような話題を振られる事になるとは。
やはり佳織も女の子だという事か。妙な感慨に耽りながらも悠人の頭にスピリットの面々や
レスティーナ王女の顔が浮かび上がる。その中の一人、ツインテールに小動物的な愛らしさを
備えた少女の姿が一際大きく描き出された。深く考えないまま、ぽろりと口から洩れた。
「うーん、……ヘリオン、かなぁ」
「えっと、ヘリオンさんって」
確か、オルファに連れられて第二詰所方面に遊びに行った時に会った事が有る。
初対面ではお互いに緊張しあって何度も頭を下げあった事が印象に残っている。
その時から、気が弱そうではあったけれども、悠人を心から尊敬しているという態度を示していて、
そこを他の人たちにからかわれていた所を目にしたこともあった。
一度城を通らなければ第二詰所には行けないために訪れる事に気が進まなかったため
それほど回数を重ねたわけでは無いけれども、会うたびに悠人を褒められるのは
なかなかに気分が良かった。けれども――
「よくお兄ちゃんと一緒に訓練に出かけるってオルファが羨ましがってた、ヘリオンさんの事?」
少々意外だという顔をして、佳織は尋ね返した。改めてそのような顔で聞かれると、
自分がそう口に出した理由を探さなければならないような気分になる。
「そりゃ、佳織が言うようにエスペリアやアセリアみたいにしっかりしてるかとか、
格好良いかとかって考えたらちょっと頼りなく思うかもしれないけど、実は結構気がつくし。
かといって、時々抜けてるんだけど、そこが気になって放っとけないというか」
ふらりと第二詰所に顔を出してみた時に会っても
悠人が面倒くさいと思ってしまう仕事を一生懸命にこなしているし、
もうほとんど秘密では無くなってしまった夜中の訓練でも、日々努力を重ねているのが良く分かる。
更には悠人自身の剣術の型のお手本として指導してもらってさえいる。
その割りに、と追加で悠人が思い描くのは、自分の見ている前で洗濯籠に蹴躓いたり、
花壇に水をやりすぎたり、打ち込み稽古の後に少しぽうっとしていたりする姿。
「ユート様の前だとぉ、緊張しちゃうんですよねぇ〜」
「普段はもっときちんと出来るでしょうに、ねぇ」
授業参観日の教師のノリで溜め息を漏らすハリオンやヒミカたちに促され
フォローに回るうちに、適当に自分から手伝うことも日常茶飯事になってきていた。
「お兄ちゃん?」
思い出した内容に頬を緩める悠人を佳織は不思議そうに見やる。
少し慌てて、考えていたことを言葉にまとめ直して告げる。
「ああ、うん。何か、お互いに抜けてるところを埋めあってるような気がしてほっとするんだ。
バランスがいいって言うか、支え合えてると思えるって言うか、そんな感じがする。
ほら、例えばエスペリアとかだったら頼りになりすぎて俺がだらしなくなっちまうと思うから、
張り合いがあっていいんじゃないかなって」
「そっか、きっと相性がいいんだよお兄ちゃんとヘリオンさん。
ヘリオンさんも、お兄ちゃんの事気になってるんじゃないかな?」
そういう佳織の顔は一見にこやかだ。だがその内心では寂しさが膨らんでいった。
だから、しばらく話をして、会話が途切れたときに口をついて出た。
「お兄ちゃん、まだ戦わなくちゃいけないのかな」
「ね、逃げちゃおうよ」
「私じゃ、ダメなの?」
言葉を聞くたび、悠人の顔が困惑に染まっていく。
自分の衝動的な欲求と、スピリットたちと交した約束。
その二つの葛藤に襲われ返答に戸惑っているその時。
鐘が鳴った。敵襲を告げる鐘が響き渡る。悠人は佳織を残し、王城へと駆けていった。
全速力で城に駆けつけた悠人が見た物は、人間の兵士の亡骸だった。
人を殺す事ができるスピリットなど悠人の知識の中には無かった。
スピリットに対する認識を改めながら、悠人は即座に敵と思しきスピリットの気配を
『求め』を通して探り始める。しかし、何故か詳細な位置が普段にも増してつかみづらい。
何とか、より多くの気配が感じられる謁見の間、そしてその向こうに有る第二詰所の
方向にあたりをつけて、再び駆け出していく。
第一詰所の皆は買出しに出て行ったという。異変を感じてすぐに戻ったとしても
まだしばらくの時間がかかってしまうのだろう、悠人が謁見の間に辿り着いた時もまだ、
誰とも合流を果たす事は無かった。
「敵にも出くわしてないのが幸いだったけど、この先はまずいな」
謁見の間の中には複数の神剣の気配。こちらが一人であることを考慮するとうかつな事は
出来ない。だが、この先には王族の寝所や、第二詰所などが存在する。
息を呑み、覚悟を決めると悠人は単身謁見の間に飛び込んだ。
悠人と時を同じくし、第二詰所方面に連なる扉から、一人のスピリットが現れた。
彼女は謁見の間の中にいるスピリットたちの姿を認めると、顔を蒼白にして
自ら閉めた扉を背にし、神剣を構えた。
「ヒ、ヒミカさんっ、もう、もう入り込まれちゃってますっ、
ど、どど、どうしましょうっ!?」
扉越しに叱咤が飛ぶ。カクカクと頷きながら落ち着きを取り戻そうと
呼吸を整えるその姿はヘリオンだ。
悠人が声を聞いて彼女に気付くのと、部屋の中のスピリットたちが二ヵ所から
挟撃する形で現れた悠人たちの姿に一瞬怯むのはほぼ同時の出来事だった。
ほとんど恐慌状態のヘリオンを一人で残したまま
各個に叩かれるよりは二人にまとまったほうが生き残りやすいと判断した悠人は
敵スピリットが怯んでいる隙に、ヘリオンの元へと回りこんでいく。
だが、それを許すほど襲撃者達も甘くは無い。扉のところで防御に徹するヘリオンを見やり、
後でどうにでもなると思ったか、牽制するように緑一体が残り、残りの数体が悠人へ攻撃を繰り出した。
それでも、移動と防御に『求め』の力を使う悠人を止めるには至らない。
撃ちかかって来た青と黒の斬撃を大きく振るった『求め』の一撃で切り払い、
牽制で飛んできた赤の火球を、移動速度の緩急を制御してかわし、
たいした怪我も無く、ヘリオンの元へと転がり込んだ。
「ゆ、ユートさま!」
「大丈夫か!?」
目を丸くし、何度も頷くヘリオン。悠人は彼女の横に並び、体勢を立て直してこちらに向き直る
敵スピリットを睨みやった。悠人はヘリオンの肩に手をおき話し掛ける。
「扉の向こうはヒミカ達が防いでるんだろ。それじゃあ、俺たちはこいつらの相手をしないとな。
ヘリオンはいつも通りサポートを頼む」
「は、はいっ任せてください!」
落ち着いて大きく頷いたヘリオンの目を見て、よし、と頷き返した悠人は
『求め』を構えて、一団へと飛び掛っていく。
部屋の中には、青スピリットが二人、緑が一人、赤が一人、黒が二人の計六人。
無言のままで、あるいは剣を構え、あるいは魔法の詠唱にかかるスピリットたち。
その統率の取れた動きに悠人は戦慄を覚えた。
攻撃をかけられる位置にいた、防御障壁を展開している青スピリットに狙いを定め、
『求め』を振り下ろそうとしたその時、標的となった青は詠唱を中断し、より強固な障壁を張った
緑が素早く割り込み、位置を入れ替わった。
「な――」
いや、防御担当のスピリットが二人いても人数では問題ない。だが、予想出来なかった動きに
悠人は対応できない。このまま、おそらく衝撃すら通さないであろう堅い障壁に剣を打ちつけ、
生じた隙に攻撃を叩き込まれるだろう。
攻撃を止められないまま、勢いに乗った『求め』の斬撃が繰り出された瞬間、
「神剣よ、我が求めに応えよ。恐怖にて、彼の者の心を縛れ!」
ヘリオンの声が響き渡った。
緑がふいにびくりと震え、詠唱の集中が途切れる。たちまち堅固だった障壁が薄れてゆく。
そのまま、脆くなった障壁ごと悠人の一撃が緑を切り裂き、返す刀でとどめをさすと、
一旦大きく跳び退りヘリオンの前に立ちふさがった。今度は気合を発して悠人が障壁を張る。
そこに音も無く跳び込んだ黒の斬撃が襲い掛かった。急ごしらえの物では全ての攻撃を防ぎきれず、
体の数ヵ所に傷ができていく。しかし、効果が薄いと見て取った相手も、また静かに速く離れていった。
大きく息をついたのもつかの間、ヘリオンの叫びで体を動かす。
「ユートさま、右へ!」
二人同時に右へ大きく転がり込む。一呼吸前まで二人がいた場所に火球が打ち込まれて
床が黒く焦げていた。体勢を立て直しながら、ほとんど本能的に再び障壁を展開する。
そこに、もう一人の青の攻撃が振り下ろされた。強力な衝撃が障壁を貫いて悠人の体を軋ませる。
「くぅぅっ!」
苦し紛れに『求め』を横薙ぎに振ったが、不意打ちに失敗した相手が退くのは更に速かった。
悠人とヘリオンが立ち上がり、もう一度、五人になったスピリットたちと対峙する。
黒二人が油断無く出入り口を警戒し、残りの青二人と赤が剣を構えている。
「くそ、相手はほとんど無傷か」
肩で荒く息をつく悠人。傷自体は深くは無かったが、連続したオーラの使用で疲労が激しい。
「ユートさま、攻撃と防御を一度にするなんて無茶です。せめてヒミカさん達がくるまで……」
「六人と同時に戦ってるんだからこれくらいの無茶はしなきゃ持ちこたえられやしないさ。
それに、今、扉から味方が入ってきたら間違いなく斬られちまう」
また攻撃をかけるべく、悠人が飛び込む体勢を作る。さらに、精神を集中し、詠唱を開始した。
「永遠神剣の主の名において命ずる……精霊光よ、光の楯となれ!」
悠人とヘリオンの周りに言葉どおりに光が具現し、身を守る楯と化し、
細かな傷もまとめて治癒されていく。
その勢いのまま青の一人に向かって切り込んでいった。ヘリオンもまた、補助魔法の詠唱に入る。
悠人とヘリオンの連携は確実に効果をあげ、不利な状況をかろうじてしのぎ続けていた。
黒の二人は増援を警戒しており、散発的に悠人やヘリオンに斬撃や魔法を繰り出すだけで
大きな障害にならなかった事が幸いしたのかもしれない。
悠人は防御を担当していた青を霧に還すと、勢いを殺さないまま、魔法を詠唱していた赤を
叩き伏せた。そこに残りの青が踊りかかる。悠人が倒れた赤に目をやると、既に全身からマナが
立ち上り始めている。それに背をむけ、障壁を張る時間の無いまま、がきりと剣を打ち合わせた。
押さえ込まれる前に悠人は力任せに剣を弾き返す。相手も、距離を離すことなく攻撃を続けた。
剣と剣がぶつかり合う音が謁見の間に響く。悠人は目の前の猛攻を防ぎ、反撃を試みながら
隙を見つけるために斬撃の合間を計ることに集中していた。いや、集中しすぎた。
それに気付いたのは攻撃を鈍らせるための魔法を準備していたヘリオン。
攻撃をしのぎ続ける悠人の背後で、全身からマナの霧を零しながら赤スピリットが立ち上がり、
今までに無い大火球を生み出し始めたのだ。背後に生まれた殺気に反応した悠人だが、
切り結んでいた相手は再び剣を打ち合わせ、悠人をその場に釘付けにする。
「何を……お前も巻き込まれるぞ!」
相変わらず、相手の顔は何の感情も浮かべてはいない。
ただ、鍔迫り合いを続けたまま悠人の動きを止める事だけに全力を傾けていた。
さらに、そこに黒スピリット二人が闇の槍を放ち、味方のはずの青ごと悠人を刺し貫いた。
「ぐあぁっ!」
「……!」
「ユートさまっ!?」
悠人の周りに張り巡らされた光が霧散する。魔法に対する抵抗力となっていたオーラが消え、
体勢も崩され、完全に無防備になってしまった。何よりも悠人の動きを鈍らせたのは、
いくら敵を倒すためとはいえ味方を巻き添えにするその戦闘方法。俄かには信じがたい
光景に我を忘れ、必死に押さえつけてくる青を、なんとか弾き飛ばそうとするがそれもかなわない。
「あ……」
かちゃり、と『失望』の柄を握り締める。
「……やらなきゃ」
黒の二人は魔法を放った直後で邪魔はされない。
青と、赤も悠人を標的にしている。動けるのは自分だけ。
「わたしが」
徐々に火球が形をなしていく。仮に自分が身を呈したとしても、あれでは防ぎ切れはしまい。
「わたしが、やらなきゃ」
腰を落とし、抜き打ちに最適の構えを訓練どおりにとる。
『失望』から、飛び込む速度、剣を抜く姿勢、狙う箇所、斬るタイミング、攻撃に必要な要素が
情報として流れ込んでくる。ただ一撃、あの瀕死の相手を倒すには、ただ一撃で事足りる。
ならば、できる。たった一撃なら、今の自分でも『失望』の教え通りに剣を振れるだろう。
だが。その後は?一撃を放った後に起こる事は?
「考えちゃ、ダメ。だって」
一撃を放たなかった時に確実に起こる結果を思い描き、首を振る。
それは当たり前のこと。戦いに身をおく自分達には生まれた時から約束された罪。
それを、先延ばしにできて来られた事が奇跡に近い。
いや、そもそも先延ばしにしたいなどと思った事は無かった。
恐れつつも、当然のことと受け入れていたつもりだった。
彼に、会うまでは。
「……いきますっ!」
だけど、それも終わり。他の皆はずっと前から戦っていた。敵とも、自らの神剣とも。
そもそも、自分が訓練を重ねてきたのは何のためか。まさに、この時のためじゃないか。
震える足に活を入れ、ただ彼が言うように、守るために剣をとる。
ウイングハイロゥを展開し、一直線に飛び出していった。
「ヘリオン――!?」
悠人の視界の端に、ウイングハイロゥをはばたかせて疾駆する少女の姿が映った。
その瞳は決意に満ちていたが、その奥に隠れる悲しみも悠人が読み取るには充分だった。
赤スピリットが詠唱を終え神剣を振り上げた瞬間、目の前に黒い影が舞い降りた。
火球が完成した直後の隙に正確無比の斬撃が抜き放たれる。
幾度も、幾度も悠人に打ち込んだ軌道のまま『失望』の切っ先は敵の喉笛に吸い込まれた。
ぱっくりと喉が割れ、裂け目からひゅうひゅうと息が洩れる。やがて、息と血の代わりに傷口から
金色の霧が上がり始め、今までに洩れ出ていた霧と見分けがつかなくなり、
そのスピリットの全てが霧と消えた。最期には、心を思い出したように驚愕に満ちた顔を残して。
自分の行為とその結果をしかと見届けて、ヘリオンは
へたり込みそうになるのを気を張って我慢し、震える腕で剣を鞘に納めた。
その刀身に付いたはずの血もマナの霧へと姿を変えて、何処へとも無く吸い込まれるように消えていた。
火球が消えた事を認めると、悠人を押さえ込んでいた青から不意に力が抜けた。
悠人との攻防と、黒からの魔法で傷ついた体に限界がきたのか。
しかし、ふらりと体勢を崩しながらなおも攻撃を続けようとする。
「ぅおおおっ!」
だが、力の乗らない一撃はあっさりと悠人に弾かれ、空いた胴体を『求め』で薙ぎ払った。
ざあ、と青が霧を撒きながら消滅した。
茫然と、脚を震わせながらかろうじて立っているように見えるヘリオンに駆け寄ろうとした時、
悠人は既に黒二人の姿が無い事に気付いた。人数の不利を悟ったか、
自分達を殺す事に失敗した者達を見捨てたのかは分からないが、
一旦戦闘が終わってくれた事はありがたいと思った。
悠人がヘリオンに近づき、とりあえずは敵の姿が消えた事を告げると、
彼女は糸が切れたようにその場に座り込んだ。顔を青くし、唇を戦慄かせながら
『失望』を胸にかき抱き悠人を見上げている。何かを口にしようとしているのは
悠人にも分かるが、自分からかけられる言葉は無い。
ただ、沈痛な面持ちで悠人もそっと床に跪き、
全身を震わせて声なくこちらを呆、と見続けるヘリオンを胸に抱きとめた。
「え……?」
よくやってくれた。ヘリオンのおかげで助かった。
そんな言葉はかけるべきではない。彼女は、彼女の意志で自らを血に汚した。
その葛藤と戦っている状態において、正当化を助長される事が一時的には良くても
後々に苦しみが増すのだと自分を省みる。
今でも、佳織のためだったと思うたび、言われるたびに仕方が無かったのだと思ってしまう自分が嫌になる。
だからせめて、無言のままでヘリオンを抱く腕に力を込める。自責と恐怖くらいは和らぐように。
「あ、ああ、ぅあ」
震えながらも、嗚咽が洩れる。ゆっくりと、ヘリオンの手が悠人の胸に置かれ、服をつかんだ。
大きな声が出ないように、悠人の胸に顔をうずめ、服を濡らしていく。
ぎゅっと、しばらくの間悠人はヘリオンを抱きしめ続けた。
ふと、夕刻の自分の台詞を思い出す。互いに、支えあっているのかもしれない、と。
ヘリオンを守っているのだと思っていたら、先ほどには助けられ、今はこうしている。
だから、それは本当だと思えて悠人は胸を高鳴らせた。
ひとしきり涙を流した後でも、互いに離れるのは何となく惜しまれて
悠人の腕の中に包まれたまま、
赤い目を腫らして言葉に詰まりながらもヘリオンが話し始める。
「ユート、さま。ごぶじ、でした、か?」
「ああ、大丈夫だ」
悠人が大きく頷くと、ヘリオンは、にこりと安心して微笑んだ。
「良かった、です。ちゃんと、わたしも、戦えて」
「ヘリオンは、その、大丈夫なのか?」
永遠神剣で敵を斬った時こそ、最も精神を喰われやすい瞬間になる。
悠人が知る限り、いや、本人の反応を見てもやはり今回が初めてだろう。
剣の扱いにある程度は慣れた今でも、連続して敵を屠った直後、例えば今も疲労を感じる。
ふっと、ヘリオンはその場で深呼吸をして言葉を落ち着かせる。
「はい、わたしたちが絶対に通らないといけない道、ですから」
瞳には、まだ迷いを残しながらも、真っ直ぐに悠人の目を見て応えた。
その表情に悠人が少し心配そうにしていると、さらに落ち着いて、言葉を重ねる。
「それに、『失望』に言われたからした事じゃないんです。
わたしが敵を斬ったのは、間違いなくわたしだけの意志でした。
だから、大丈夫です。『失望』が少し喜びすぎて驚いただけです」
スピリットを霧に変えた瞬間に震えを起こした『失望』から感じられた意識は、間違いなく歓喜。
だが、それは他者を殺した事による暗いものだけでは無いと、ヘリオンは感じ取った。
その面に対してはヘリオンも恐れを抱いたが、その奥でわずかばかりは
純粋に彼を守る事ができた事を祝福するような、あたたかい物もあるような気がするのだ。だから。
「『失望』の悪い心には、負けません。ユートさまが言ったように『失望』にも
優しい心がありますから大丈夫だと思います。敵を斬って痛むのも、みんなと一緒に戦えて嬉しいのも
全部、わたしだけの心なんですから、剣に渡したりするのなんか絶対に嫌です」
それに、ユートさまを守る事ができて幸せだという事も。とひそかに付け足した。
敵を斬る苦しみさえも自分の物と、そう言いきるヘリオンに悠人は衝撃を感じた。
「ヘリオンは強いんだな。戦いなんだから仕方がないって誤魔化してる俺とは大違いだ」
「そ、そんなこと全然無いですっ。ちょっとは余分に格好良いこと言わないと、
くじけちゃいそうだから言っただけで、実践できるなんて、とても」
「それでもそんな風に考えられるのがすごいと思う。うん、その気持ちを大切に持ってたら
絶対に神剣なんかには負けないでいられるよ、きっと」
悠人に褒められて赤くなったヘリオンを支えたまま、悠人はすっくと立ち上がった。
だが、ヘリオンはまだ自分で立てるほどには回復していないようだ。
そっと、恥ずかしがりながらも悠人に体重を預けて寄りかかっている。
「ヘリオン、やっぱりもうちょっと休んでるか?
ヒミカやエスペリアたちと合流するまでにまた戦闘になるかもしれないからな」
「い、いえ、早く一緒に行動できるようにしたほうが良いです。
すぐ、自分で立てるようになりますから」
と言いながら、ヘリオンは悠人の肩に頭を当てた。
今の気持ちを持っていれば。という悠人の言葉が蘇る。それはきっとその通りだ。
この想いを神剣なんかに奪われて平気なはずが無い。
だから絶対にわたしはわたしの心のままで彼を守ろう。
そう、心の中で宣言すると、『失望』からひとかけらの優しい震えが伝わった。
それに頷くと、ヘリオンはゆっくりと悠人から離れようとして――
「ヘリオン、大丈夫!?」
「こちらは何とかなりましたから、ご心配なく〜」
「ユートさま、やっと合流できました。お気をつけ下さい、帝国のスピリットたちです!」
「パパ、早くあいつらやっつけちゃおう!」
二ヵ所の扉から、ヒミカとハリオン、エスペリアとオルファが駆け込んできた。
二人の状態を見て、或いは見られて、ぴしりと、言葉も無く六人全員が固まった。
「あ、いえこれはっ……きゃあっ」
恥ずかしさのあまり、無理に離れようとしたヘリオンがバランスを崩して倒れかける。
形振り構わず、悠人はヘリオンを抱きとめた。
「あーっ、ヘリオンばっかりずっるーい!パパ、オルファもいいでしょ!?」
飛びついてくるオルファだったが、すぐに二人の傷に気がついた。
あわてて、エスペリアとハリオンに治療を頼みに戻る。
そして、治療を受けている間にヒミカやエスペリアたちと状況を確認しあった。
サーギオスのスピリットたちがこの襲撃を起こした事はわかったが、その目的もまだ不明だ。
話しているうちにアセリアがエーテル変換施設に向かう敵を排除して合流したため、ますます不可解になる。
「待て、じゃああの二人は何処に行ったんだ」
エスペリアに聞いてもヒミカに聞いても扉を抜けて来た者はいないという。
あと、ここからいける場所と言えば、
「王族の寝所です!」
オルファを除く全員の顔色が変わる。サーギオスの、殺人が可能であるように教育されているスピリットたち。
他に可能性がなくなった以上、それしか目的は無いと確信に至る。
素早く、陣形を整えて六人は王の寝所へと進んでいく。
走り出したその時、ヘリオンは悠人にそっと話し掛けた。
「ユートさま、わたし、絶対に今の心を持ち続けます。だから、ユートさまも剣に負けないで下さいね」
当然だとばかりに頷く悠人。そのまま、前を向いて皆を率いて駆け出していった。
……だが、その後に待つ過酷な出来事に対して、いまの言葉の意味を深く考えずに受け取ったのは
あまりにも不用意であった。いや、『求め』においては単なる勝ち負けで済まされる程度の
干渉では無いという事に、この時点ではまだ二人とも気付いてはいなかっただけなのかもしれない。
ただ、ファンタズマゴリアという舞台の裏側から、静かに糸を操るものの含み笑いが誰に聞かれる事も無く響いていた。
あとがき
ネタを振ったにもかかわらず返事もせずに時間が過ぎてしまいました。すみません。
全員分の神剣の形が出揃っていて、想像が刺激されました。
自分が考えた分の追加では、
ヒミカの『赤光』は、攻撃をかけるときに属性がかかり、赤い光に包まれていそうな事から
ほとんどダブルビームセイバーのような代物が振るわれているように思います。
ファーレーンの『月光』は刀身が黒塗りになっているような感じがします。
……このくらいしか駄目でしたorz
>保管庫管理人さん
乙です。
収録、タイトル番号訂正等ありがとうございます。
>30さん、>36さん
ネタを考えても何時の間にかヘリオンがでしゃばってしまうのです。
第二詰所に限らずみんな好きなのに……
>31さん
即死判定について、よくわかりました。後は少しずつでも伸ばしていくだけですね。
>32さん
ご期待にそえるよう、小分けになっても続けたいと思います。
>33さん
そのあたりこそ、スレ内の雑談から拾い上げたネタなのです。
住人のみなさんの想像のおかげだと感謝するばかりです。
>前スレ788氏
GJ!GJ!GJ!GJ!
神認定!
>37さん
細かい所に目をつけた神剣の想像、大変面白く読ませていただきました。
何となく思いついた事なので確かにこんなに想像しにくいとは自分でも予想外でした。
>43さん
ヘリオン、ハリオンとの絡みには悶えさせられました。
このまま続けていくと確実に立ちはだかるえちぃシーンをどうしようかと
考えている最中です。
>133さん
髪の毛が(腰よりも)長い(様に見える)
アセリア、オルファ、ネリー、ウルカ、ナナルゥ、ハリオン
==============================
髪の毛が↑よりは短め
エスペリア、シアー、セリア、ヒミカ、ニムントール、ファーレーン、ヘリオン
……普通すぎますね。
今思えば、前回、前々回とアンカーにさんづけ忘れてました。
後、なぜ連続でIDが変わってしまうのか……紛らわしくて申し訳ありません。
152 :
133:04/04/26 21:30 ID:8dow7wUm
前スレ788さんGJです、つーかもう漏れはヘリオンたんSS書けそうにないや、
こんなイイの見せられるとw
さて、我がしょーもないクイズ(?)の正解ですが、実は客観的な証拠に基づいた
ものではなく、私の独断と偏見によるカテゴライズですので、こんなもん
クイズでもなんでもなかったんですよね、スマソ。
というわけで「正解」は、「悠人と一緒に風呂入っても動じないか否か」でした。
アセリア、オルファ、ヘリオン以外は一緒に入る描写がないのに何やってんだか…orz
(エスペリアは、「一緒に入った」のとはちょっと違うということで)
げ、12レス目
>素早く、陣形を整えて六人は王の寝所へと進んでいく。
アセリアが合流したから「七人」の間違いでした。
必ずどこかにミスがある……
>150さん
ありがとうございます。ですが、そういう訳で、まだ道は険しそうです。
>152さん
そんな事は言わずにどうかネタがあればお書きになってください。
メチャクチャ読みたいですw
クイズは……
ウルカ:ユート殿、湯加減は如何ですか?
悠人 :な、なな、ウルカ!?
ウ:……ふむ、少々ぬるめですが、疲れを取るにはこの位が良いでしょう。
悠:(なんで、わざわざ隣に……)
(十数分後)
ウ:では、手前はそろそろ。ユート殿も、長湯は体に毒。
程ほどになされたほうが宜しいでしょう。では。
悠:……(ユデダコ状態)
等と答えを聞いた瞬間に広がってしまいました。
>前スレ788氏
乙です。&GJ!
自分がヘリオンタン好きだけど自分では書けない(書くとろくなことにならない)人だけに
ヘリオンタン分を補充させてくれるあなたは神です、ほんと。
特に今回の9/12はもう…イイ!ですな〜
敬称は別に略でもいいかと。2ch(系)ですし。
そういえば、前スレ落ちると当分html化が望み薄なことを考えると
どこかに置いておきたい気もするね。
ようやくアセリアコンプした
CG回収のためだけに凌辱ルートを見るのは辛かったよ
凌辱ルートだけで3ヶ月かかった…
もうこんな思いはしたくない
雑魚すぴルートを補完した完全版を求む
凌辱ルートはなくしていいです
HTMLだけならzip化してどこかに置いておけばいいんだろうけど
まとめサイトみたいな物ができるならそこに置いた方がいいような気がするなあ
ついでですから、どこかにスペース借りてうpしましょう。
保管庫は掲示板ですから、そこに「バックアップ」するのはちと無理ですので。
それと現在未収録のSSについては、連休中にバックアップする予定です。
作者さんから反応がありませんでしたので、「のらすぴっ!」等の収録範囲は
こちらで定義させて頂きますことをご容赦願います。
……もしお絵かき掲示板置くとしたら、描く人いますかね?
いえ、実際に置くかどうかは別ですけども。
>保管庫の中の人
仕事増やして申し訳ないですが、それではよろしくです。 < html
とりあえずデータだけ押さえておいて頂ければ建築はゆっくりでいいと思いますので。
もし、したらばで後から修正等が効かないとか難しかったりするようなら
SSの保管も掲示板よりサイトの方がいい可能性もあるかもしれないですね…
(いや、ハリオンマジックとか『絶望』とかミスする方が悪いんですが…orz)
とりあえず絵心無し その1
>もし、したらばで後から修正等が効かないとか難しかったりするようなら
>SSの保管も掲示板よりサイトの方がいい可能性もあるかもしれないですね…
datとかhtmlを直接うpできないというのが最大の理由です。
前スレのバックアップも手作業でやれんことはないんですが、
さすがに852回もコピペを繰り返すのは……orz
ちなみにSSのバックアップは原則的に「原文ママ」に徹してますが、
作者の方から誤字脱字等の校訂要請がありましたら、
>>8にあります連絡スレ
までご一報下されば対処します。
htmlによるバックアップでなく、2ch形式を選んだ理由は、お使いの2chブラウザ
に外部板として登録すれば、一覧形式で閲覧できるという、その利便性を採ったからです。
今はテスト運用中ですのでスレストをかけてありますが、そのうちそれを解除して、
感想を書き込めるようにすることも検討しています。
>>159 >感想を書き込めるようにすることも検討しています。
いっそMovable Typeとか導入して、コメント欄設けたりするのもいいんでしょうけど、
下手に発言の場を設けちゃうとスレの枯渇を招きかねないので、
やっぱり保管庫としてはログの保存のみに徹する方がいいとは思うんですよね。
>保管庫の中の人様
たしかに、そういう利点はありますね。 < したらば
やはり、それぞれの利点を取る形で併用、がベストですね。
あ、したらばって訂正かけられるんですか(無知
それじゃ…えーと、よく見直してから(汗
まぁ、ともあれ、言ってるだけの私じゃなく、
実際に作業される保管庫の中の人様の負荷見合いということで。
改めて乙です。
>>155氏
完全版が出るとしてもどうせ1年ぐらいは寝かされるでしょうから、
さぁ、今、あなたの望む話をあなたの手でっ!
(と、ネタ回帰誘導を試みてみる)
>>160 基本的には、過去スレ掲載分のSSに対する感想を扱うことになるでしょう。
SS投稿スレの保管庫にも感想掲示板はありますし、現行スレ以前のSSの感想を
現行スレにつけるのはスレ違いでしょうから、保管庫にて初めてSSを読んだケースに
対するケアと考えてくだされば幸いです。
ちなみに「発言の場」は保管庫の方に既に設置してご利用のアナウンスもしてますが
今のところ利用実績は0ですので、目的を限定した利用であれば「スレの枯渇」は
ご心配には及ばないと思われます。
……さて、これ以上保管庫のことをこちらで話すとアナウンスの範疇を越えてそれこそ
「スレ違い」になりかねませんので、過去ログ保管、お絵かき掲示板等、雑魚スピスレの
バックアップサイト(建設予定)に関するご意見ご要望は
>>8までお願いします。
お騒がせ失礼しました。
>>前スレ788氏
GJ!
ぜひ、このままへリオンエンドまでお願いします
ヘリオンは萌えキャラじゃなかった筈なのに
だんだん良くなってきちゃったYO・・・(最萌えはヒミカ)
オ「パパー」
ネ&シ「とと様〜」
ヘ「おとうさーん」
ニ「ちちうえ〜」
フ「お父様ぁ」
∧_∧! / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
__( ;´Д`)__< 夢かッ
| 〃( つ つ |\_______
|\ ⌒⌒⌒⌒⌒⌒\
| \ \
\ |⌒⌒⌒⌒⌒⌒ |
\ |_______|
ファーザープリンス
>>165 12人のファーザー((C)神聖モテモテ王国)がせまってくるのを想像しちまったじゃねえかよw
>>165 て言うか、164の夢の内容だったらドーター・スピリッツて感じじゃないか?
なら
スピリットメーカー
で。元ネタは……言うまでも無いね?
ガロ・リキュア軍スピリット隊長エンドにガロ・リキュア王立学園生徒エンド、
あるいはガロ・リキュア市民エンド、又はソーンリーム台地監視者エンド。
エターナルエンドは条件が厳しいけど、達成すればユート様と永遠の時を過ごせるのですね?
もちろんモラルを下げつつ色気、気品を育てれば……ぐあ、想像したら
そんな育て方は許せねぇと吼える一方で、んな店あったら即行逝って来るよ、漏れ!
という葛藤が……葛藤が……
_ト ̄│●<ヘリオンタンオネガイシマス……
前スレがバルガ・ロアーの深淵へと旅立っていったモヨリ。
前スレ? そんなのあったけ? 全然記憶にないんだが…
171氏はハイペリアから召喚されたばかりのエトランジェとか言ってみる。
前スレは時深お、お姉さんが降臨して終了したんじゃなかったかな?
永遠の巫女、エターナル時深補充スレッドの事ですね。>前スレ
おや? 何か違和感が・・・・
今日はみどりの日。ファンタズマゴリアでは緑属性が異常に高まってしまう日のことをみどりの日と呼ぶ。
その日、緑属性修正を受けやすいグリーンスピリットは身体が火照ってしまい、もういや〜状態になってしまう。
そんなみどりの日、ニムは疼きまくる身体をもてあまし、初めておにゃーにをしてしまう。
しかし途中で怖くなったので、イクところまではしなかったものの、パンツがなんだか分からないねばねばした液で汚れてしまった。
お姉ちゃんにも相談できないし、仕方がないので夜中にこっそりと洗濯をしに行くことに。
その途中、同じように発情してしまったハリオンの一人えてぃの声を聞き、お化けかと思って部屋を覗く。
正体はハリオンだと分かったものの、その場を離れるタイミングを逸して、結局ハリオンがイクまで覗いてしまう。
なんだか分からない感覚に動揺して物音を立ててしまうニム。そして捕獲。
そう〜、ニムちゃんは何も知らないのねぇ。じゃぁわたしが教えてあげる〜。
あふっ、ハリオン、怖いよぉ。大丈夫ぅ、わたしがついてるからぁ。―落花
同時刻、エスペリアは悠人と…
とかいう、時事イベントを考えていたのだが、仕事中にすることじゃなかったね。
_| ̄|○
>175
そうだ、仕事中にすることではない。考えるだけではなく、文章化までしてくださいませ。
ところで、ネット上のアセリアSSについてここで話すのはNGですよねやぱり。
>>175 力強くイ`。
>>176 エヴァとか葉鍵の二次創作も見てきた一人の意見としては、余所様のSSを
ここで云々するのは危険だと思います。サイト持ちの方のSSであれば、
そちらに直接感想送るのが筋でしょうね。
このスレでは、自給自足に徹した方がいいんじゃないですかね。
>>177 結構面白いのがあるんですよね。雑魚スピ分は皆無だけど。エヴァ板のSS関係はアセリアに
はまるまで常駐してたんで、危険性はわからんでもありません。
やはり自給自足ですか、「がんばりましょー」 っと。
テムオリンたんのAAないですか?
秋分の日は赤?
でも、一年の周期の中で各スピリットの属性が
上がったり下がったりする日があるんじゃないかな?
といっても、四季がハッキリしている日本とかじゃないと駄目か。
潮の満ち干きみたいに自然現象としての
マナの活・不活はあっても不思議はないかも。
マナ理論の研究が必要です、先生!
黒スピは月齢で能力が変わるとか。
黒スピは新月の時に最も(*´Д`)ハァハァするのか……
んじゃ全てのスピが能力下がる日は戦争も休戦か?
赤スピが魔法使えば自分が燃えて
青スピが空飛べば途中で落っこちて
黒スピが歩けば3歩でコケる
>>186の言う大活躍とは
「それでは任務に逝ってきます〜」
「ます〜」
と、いつものように飛び立ったのだが、城門を出る寸前で
「うわっ、うわわわわ〜〜〜」
「えっ、うまく飛べないよ〜」
「ネリー、シアー!」
空中から落っこちてくる二人を見つけたユートが間一髪助けに入る。
「いたたた〜」
「う〜、どうなってるの〜」
「シアー、した下!」
「え…?ユ、ユートさま」
「二人とも…大丈夫か?怪我とかないか?」
「は、はい」
「ありがとうございます、ユートさま」
「あっ、ユートさま、こんにちは〜」
「ヘリオン、今日は館での仕事か?」
「はい、ちょっとですね…、体調が悪くて…」
「大丈夫か?ハリオンに見てもらったのか?」
「え、え〜とですね、特に見てもらうこともないんですが
ブラックスピリットには月に何日か、体調が悪くなっちゃう日があるんですよ」
「そ、そうだったのか(なんか聞いちゃいけない事を聞いてしまったのか、俺は…)」
「緊急時には出られるので大丈夫ですよ」
「あまり無理はするなよ」
「はいっ!!、ありがとうございます」
「…(って大丈夫かな)」
「どうしました?」
「いや、それじゃ俺は訓練場にいるから、困った事があれば言うんだぞ」
「はい、では失礼します」
「(って、本当に大丈夫か…?ふらついているし、あっ、コケタ
おいおい、見てる場合じゃないだろう!)」
「ヘリオン!」
「ううぅ〜洗い直しですぅ〜〜」
「ヘリオン、何ともないか?」
「あっ、だ、大丈夫です。ちょっと転んだだけですよ」
「(ふぅ、見ていられないし…)」
「ユートさま、どうしました?」
「ほら」
「あ、ありがとうございます…」
「さ、行くぞ」
「え、え〜っ、いいですよユートさまは訓練に」
「いいから、今日はヘリオンを手伝うよ」
「そ、そ、そ、そんな、大丈夫ですよー!」
831 名前:名無したちの午後[sage] 投稿日:04/05/02 00:12 ID:r++jlFnL
>>749 総額表示しなきゃいけないのは販売店であり、
メーカーとかは別に書く義務はない
そいや、アセリアのノベル出るってさ(全3巻)
832 名前:名無したちの午後[sage] 投稿日:04/05/02 00:22 ID:QacxcWyk
雑魚スピスレ方面から毒電波が届きそうなニュースだなw
833 名前:名無したちの午後[sage] 投稿日:04/05/02 00:24 ID:HGXWKqws
期待しても泣くだけさ。
あのスレがあれば生きていけるよ。
>>189 良く解ってらっしゃるw
でもエロゲのノベル化ってあんまりいい印象ないんで多分買わないと思う。
結論:このスレで充分ヽ(´ー`)ノ
補完して欲しい内容と言えば
・今日子と今日子のかーちゃんの関係
・今日子と光陰の戦い(召喚からラキオスとの戦いまで)
・稲妻クォーリン話、その後
くらいかな、まあゲームをなぞるだけかもしれないが
やっぱり瞬っていらねえな。
稲妻のクォーリンは、どじっ子属性の緑スピだと言い張ってみるテスト
どうせなら、DVDアニメ化してほすい。ヨト語日本語切り替え可能で。当然字幕も。
エロは15禁くらいで、萌え燃えに作って欲しい。
SS投稿スレ何処行った?
ELOGINのアセリア小冊子入手。設定資料集の各キャラ挿話はこれに初出だったのね。
設定資料集の方はだいぶ付け足されてるけど、逆に文がおかしくなってるようなところもある。
その他は特に目を引くような物はないなぁ。ウルカの好物が渋いお茶と甘くない物、時深
の特技?が不測の事態ってくらいか。
本スレ
>>836 ハーヴェストか…禿しくクソな内容の悪寒、スルー確定だなぁ
俺ハーヴェストにはエロしか求めて無いからなぁ……
中途半端になりそうだ。
ハーベスト? ハリオンか?ハリオンのことか?ハリオンはエロいんか?
敵雑魚スピに愛は無いのか・・・
敵スピのセリフで泣きそうになる私は負け組でしょうか?特に いたい・・・いたいよう・・・。・゚・(ノД`)・゚・。
くひゃひゃははは。いい気分だ。
アクエリのアレとかランブリングエンジェルのアレとかに雑魚スピは……出ないよな。
敵スピにボクっ娘発見した時は倒すのが躊躇われる……
まぁ敵スピは雑魚スピ@ラキオス以上に設定ないからなぁ…名前があるのもクォーリンぐらいだし。
設定ないというのは制約が少ないという利点もあるけど、その分考えないといけないわけでもあり。
逆に、考えればいけるとも言える。
最初から自分でSS書ければそれに越すはないが、まずは
>>193のように少しずつ始めるのもいいんでない?
そうしているうちに自分の内に話が湧き出るかもしれないし、誰かの内に湧くかもしれない。
前スレはそうやって盛り上がったんではなかったか?
敵スピは雑魚スピよりも敷居が高いかもしれない。だが不可能ではないはずだ。
君がまだ、本当は諦めていなければ、ファンタズマゴリアに響き渡る、彼女たちの声が、聞こえるはずだ。
さぁ、妄想を広げるんだ、君が望む世界の!
…と無責任に煽ってみる自分はヒミカさん話が難航中だったり……orz
206に概ね同意だが、二次創作の世界は「オリキャラ」を毛嫌いする傾向があるから、
「これはあくまでネタなんだ」というポーズを取り続けないと荒れる可能性が無きにしも
あらずとか老婆心に思ってみる。
などと言った舌の根も乾かない打ちからクォーリンネタを引っ張ってみる。
どじっ子のくせに世話焼きで、しかも光陰よりお姉さん。
つまり、光陰のストライクゾーンからは外れている。
光陰「クォーリンよ。俺の身の回りの世話など焼く必要はない、一刻一秒でも
多く訓練に専心しろと、何度言えばわかるんだ?」
クォ「訓練なら、ちゃんとやってますよぅ。メニューをこなした上で光陰様の
お世話をするのなら、何も問題はないはずですっ」
光陰「……すまん、クォーリン。どうやら俺の言葉が足りなかったようだ」
クォ「あぅ、そ、そんな謝らないでください、光陰様。光陰様にお仕えするのは、
わたしの当然の勤めなんですからぁ」
光陰「いいか。俺が欲しいのは、便利なメイドのお前じゃなくて、冷徹かつ迅速に
敵を討ち滅ぼす、稲妻の戦士としてのお前なんだよっ!」
クォ「え……?」
光陰「わかったら、とっとと持ち場に……」
クォ「ややっ!? 光陰様のお布団、しまうの忘れてましたぁっ! やだ、
急いで取り込まないと、湿気ちゃう! ちょっと待ってて下さい、光陰様っ!
お夕飯の支度は、その後でちゃんとやりますから……らららっ!?」
(ドタドタドタドンガラガッシャーン!)
光陰「……『釈迦に説法』とはよく言ったものだな、まったく」
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>207 それを言えば雑魚スピもキャラ自体はあるものの設定がろくにない(不明)以上
半ば「オリキャラ」にならざるを得ないわけで。
このスレ的にはSS(類)も補充という目的のための手段のひとつで、
あまり創作のための創作にとらわれないで行きたいね、とか思ってみる。
例えば、シナリオ形式はSSスレ辺りではスルーされたり叩かれたりするわけだけど、
このスレ的には中身が良ければ問題ないわけだ。
どちらが悪いとかではなく、単に主眼の違いなんだろうな。
ま、ラキオスに「オリキャラ」スピを作ると微妙かもしれないけど(育成中で未配属という手はあるかもしれないが)、
敵スピはまぎれもなくそこに居るからね、名前もわからないとはいえ。
とりあえず、名前のあるクォーリンはその中ではまだ無難かもしれない。
敢えて挑む漢っぷりにGJと言わせてくれ。>208
光陰はいろんな方向に濃いから、クォーリン+光陰は話にしやすいかもしれないね。
可能性を見たかもしれない。…とラキオス雑魚スピ派の私が言うのも変かもしれないが。
ちなみに『釈迦に説法』というより『馬の耳に念仏』か?
前スレ初期を思い出してしまったせいか書き過ぎてるなと省みて餅つきにいくことにしよう…∧||∧
羨ましさのあまり光陰に殺意を覚えたのは俺だけでいい…
光陰は、自分好みの部隊編成でもしていそうだったんだけど
ネリシアヘリオンみたいな、まだまだ成長途中のちっちゃなスピリットを。
「いいかっ、今日からお前たちの訓練を行うことになった、エトランジュコウインだ
まず始めに言って置くことがある
俺を呼ぶ時は『オニイチャン』と呼ぶんだ、分かったか!」
とか暴走しててもハリセン突込みが無いからアホな事はしないだろうが。
今日子がまともな状況だったら、面白エピソードが出来そうなのに。
光陰も必死だったんで、しょうがないんだけど。
クォーリンは一応、オフィシャル設定資料集のSSで、ある程度の描写はなされているんだよな。
だから「オリキャラ」として描くと反発されるかもしれんぞ。
クォーリンについてわかっているところではこんなところか。
・マロリガンの秘密部隊「稲妻」の一員
・一人称は「私」
・「大地の祈り」という癒しの力を使えるところから、おそらく緑スピ
・ウルカと戦ったことがある
まあ、口調とか細かいところは実際に設定資料集見たほうがいいだろう。
ちなみに
>>208よ、残念ながらそんな口調じゃなかったぞ。
一命を取り留めた今日子をアースプライヤーで癒した緑スピ=クォーリン
という可能性もあるね、光陰もそのクォーリンに任せたと言って
クォーリンもアースプライヤーは使えると一応つじつまは合うし
まんま「大地の祈り」=Earth prayerでは。
どうでもいいけど光陰とクォーリンって響きが似てるとオモタ
216 :
208:04/05/03 19:25 ID:7LKn5GQy
>>213 設定資料集手に入れてないもんで、面目ねえ。
迂闊にオリキャラ投入するとろくな事にはならんという捨て石にはなったかな'`,、('∀`) '`,、
>>216 俺も持ってない
だからか、楽しめた
つーか萌
設定資料集必須にされると私は何もできないな…
既に踏んでる可能性も高いわけだが…
設定資料集と言っても、雑魚スピには一言もないので……。裏設定の一つや二つあってもおか
しくないだろうに。
そんなに気にしなくて良いんじゃない?
スレ独自の設定とかあっていいと思うし。
つーか萌えれば勝ち。
いきなりだが麻雀格闘倶楽部3に
「ねり〜」で登録している二段の香具師、名乗り出なさい。大好きだ。
, ´⌒⌒ヽ
/ ! ノノハ)))
レノ!リ `∀´ノリ、j <だぁぅ〜、それよりちょっと聞いてくださいよ〜♪
´ と)iÅi7っ `
/__,ゝ
し'ノ'
>>221 練馬かすがの可能性もあるので栗スレでも確認しとけ。
マロリガン共和国との戦いが始まり、スレギトを一時的に占拠したラキオス軍であったが
エーテル障壁に阻まれ撤退を余儀なくされた。現在、賢者ヨーティアにより障壁の解除方法の
研究が進められているため、前線拠点ランサの防衛が主な任務となっている。
その時にオルファに連れられ、砂漠にて消耗し倒れていた漆黒の翼ウルカを捕えたが、
帝国の内情には疎かった、いや疎くならざるを得なかったウルカからは有益な情報を得る事はできなかった。
だからといって無碍に扱う事をよしとはしないレスティーナ、そして悠人も彼女を客分として、
外面には捕虜と言う形で悠人の監視下に置く事で彼女の身柄を確保した。
佳織についての情報を充分に得る事もできなかったわけだが、悠人を悩ませる物はそれだけではない。
ハイペリア――元の世界での親友、碧光陰と岬今日子がエトランジェとしてマロリガンに協力している。
更には、今日子は神剣に意志を奪われ、光陰は自らの意志で悠人に刃を向けた。
戦っている間は体を動かす事で無理にでも辛さを忘れられたが、こうして敵の部隊の影が見えない時に
休暇を過ごすためにラキオスに戻るたびに葛藤がぶり返してくる。
自室で寝台に転がり、悠人が本日十数度目の溜め息を洩らす。
「さてと、どうするかな……」
ただじっとしているだけでは体は休めたとしても心が耐えられそうに無い。
体の動くままに身を起こしたが、もう一度大きく溜め息をつきそのままうなだれた。
「さっさと覚悟を決めて第二詰所に顔を出すか」
悠人が思い浮かべるのは、もうすっかりと馴染んでしまったヘリオンの姿。
だが、その表情は普段の物とは違っていた。悠人を悩ます更なる原因。
以前に王城に帝国の兵が侵入した事件。その時に悠人は佳織を攫おうとしたウルカに向かって
『求め』の力を暴発させた。何よりも信じられなかった事は、佳織を巻き込んでまで放った
オーラフォトンの激しい奔流。奇しくも、敵を倒すためなら味方をも犠牲にしたあのスピリットたちと
同様の事をしてしまったのだ。更にその直前にはヘリオンに剣に負けるなと釘をさされたばかり。
瞬に対しての殺意のままに『求め』の意志とあろうことか完全に同調しての行動だった。
意識が回復した瞬間に見た、おびえる佳織の表情が目に焼きついて離れない。
しかも、その後にはレスティーナに向けて醜態を晒し、彼女自身に諭される始末。
「いや、それよりも問題なのが、なぁ」
あれからというもの、面と向かってヘリオンに顔を合わせられない。
結果として、思い切りヘリオンの言葉を裏切る行為をとった事になってしまうのだから、
自己嫌悪に襲われてどうしてもよそよそしくなってしまうのだ。
ヘリオンの様子を見ていても、自分と同じような顔つきで沈み込んでいる。
きっと、彼女の場合は自分がかけた言葉が原因で傷つけたと思ってしまっているのだろう。
それが申し訳なくて、うまく話すことも出来ないという悪循環。
「単に、俺自身が弱かっただけなのに」
実際の作戦行動に支障をきたす事は無かったが、必要以上の事は話すことも無く、剣の特訓も出来ていない。
今悠人が思い浮かべる彼女の顔はかつての照れてはにかんだような笑みではなく、
心配そうにしている中に見える一欠片の不安と怯え。彼女が直にそれを見せる事などなかったと解ってはいるが
あの時の佳織の表情がだぶり、どうしてもそれが現れる。
着々と進行していったマロリガンとの戦争に忙殺されてゆっくり話をする機会も取れず、
きっかけを探していた所に降って湧いた新しい苦悶と休息。
光陰たちとの戦いが先延ばしになった今のうちに、出来る事なら一つでも問題を解決したい。
悠人は一つ頷いて立ち上がると、第二詰所に向かうために部屋を出て行った。
そして悠人が第二詰所の前に来た。だが、どうしても扉を開けて中に入る勇気が出ない。
しばらくその周りでぶらぶらしていると、建物の陰から一人の影が彼を手招きしていた。
気になって近寄ってみると、そこには口元に指をたてて当て、微笑んでいるハリオンの姿があった。
とりあえずそのサインは両世界共通らしく、静かにしろと言う意味だが。
さらにハリオンは居間にある窓を指差し壁に張り付けと指示を出す。
居間の窓は開いており、中の様子を聞くことも可能のようだ。そっと覗くとそこには――
「……はぁ〜」
居間でヘリオンが空のカップを前に何度も溜め息をついていた。
さらにお茶のポットをお盆に乗せてヒミカが台所から現れた。
一体何回溜め息をつけば気が済むのか。あまりにも沈んでいるヘリオンを見かねて
話を聞こうとお茶に誘ってからでも、顔を伏せて何かを考えている素振りを見せれば、最後には溜め息。
まあ、原因にはあの場にいたもの全員に察しがついていた。
「おかわり、要る?」
「あ、いただきます……」
ヘリオンはふと顔をあげて、カップを差し出した。こぽこぽと音を立てながら、湯気を立てるお茶が
カップを満たしていく。ヒミカはポットの傾きを戻してテーブルに置き、カップをヘリオンに返した。
これまでにも色々と聞いていた話を考慮すると、ここまでこじれている最大の要因は実に簡単に理解できた。
「要するに、あなたは自分が軽々しく『剣に負けるな』なんて言ったから
ユート様が余計に傷ついたんじゃないか、って引け目を感じるわけでしょう」
ヘリオンの隣の席につき、自分のカップを弄りながらヘリオンに確認を求める。
カップに口をつけ音も無くお茶をすすりながらヘリオンは頷いた。
そして、とヒミカはエスペリアから聞いた悠人の様子を思い出した。
あちらはあちらで、ヘリオンの信頼を裏切ってしまったのだと落ち込んでいるらしい。
さらに、ヘリオンが落ち込んでいる原因にも気がついているようだ。
互いに非のありどころを自分に置いて気遣いあっているだけ。
ヘリオンの方に関しても、と考えつつ答えのわかっている質問をぶつける。
「ところで、ユート様があなたに対してよそよそしい理由は考えた事、ある?」
「それは、その、たぶんですけど、わたしがああ言ったのに剣に飲まれかけてしまったって、
ユートさまは自分が悪いんだって思っちゃってるんだと思います。
わたしが、『求め』の強さも考えないで言った事なのに」
そう言いまた溜め息をついてカップを置いた。
それこそヒミカも溜め息をつきたい気分だったが、かわりにお茶を喉に流し込んで
タンッと音を立ててテーブルにカップを叩きつけた。
「あのね、どうしてそれが分かってるのに引っ込んだままなの。
お互いに相手の気持ちも充分察してるのに、二人して自分が悪い自分が悪いって
言ってるだけじゃ仲直りできる物もできないじゃないの」
ヒミカは横を向いてぴっとヘリオンに指を突きつけた。その勢いにたじろぎ、
ヘリオンもヒミカのほうに体をむけて目を丸くする。
「あの、お互いにっていうことはもしかして」
「ええ、ユート様も、あなたが沈んでるのはあなた自身のせいだと思ってるからだ、
って考えているそうよ。そこまで相手の事がわかってるんだったら
後はちょっとしたきっかけで普段どおりに戻れるだろうに不思議でしょうがないわ」
それを聞き、再びヘリオンは顔を曇らせる。確かに、それができればどんなに良いか。
「でも、そのきっかけって言うのがなかなか無くて、ユートさまともお話できないんです」
「だから、今なんじゃないの。せっかくの休暇なんだから話す機会なんていくらでも有るわ。
そうね、向こうが姿を見せないっていうのなら、ヘリオン、あなたが押しかけちゃいなさい」
そう言ってヒミカはヘリオンの両肩に手を置き、ヘリオンの顔を覗き込んだ。
ぴくりとその言葉に反応し、顔を赤らめる。自分から悠人の部屋を訪ねることなど、
確かにした事が無い。だからといってそれができる勇気が有るならいつまでもこうしてはいないと思う。
「えっ、そんな。お休みになってるんだからきっとユートさまもお疲れなんですっ」
「ああしてあなたの事を気にしてる方が疲れるわよ。一つずつでも気になる事を消していったほうが
良いに決まってるんだから行ってらっしゃい。あ、ハリオン、あなたからも言ってあげてちょうだい」
首を振って断ろうとしても、それはあっさりと切って捨てられた。しかも部屋を見回すといつのまにか
ハリオンが入り口の所に佇んでいる。ヒミカはヘリオンが彼女に何かを言う前にさっさとヒミカ側へと
引き込んでしまう気らしい。けれどもその顔を見てもいつも通りに微笑んでいるばかり。
なら、まだ二人がかりで悠人の部屋に送り込まれる事は避けられるのではないか、
そう思ってヘリオンが口を開きかけた時、ハリオンが喋りだした。
「え〜っとぉ、それじゃあ一つ、ヘリオンさんにお聞きしたいんですけれどもぉ〜」
「わ、わたしにですか」
タイミングをずらされて、思わず身構えてしまう。そのままのペースで彼女は言葉を続ける。
「はい〜。ユートさまと仲直り、したいかしたくないかどちらですか〜?」
あまりに直球の問いかけに一瞬、我を忘れてぽかんとしてしまう。
「し、したいに決まってるじゃないですかそんなのっ」
ヘリオンは赤くなる顔を隠しもせずに立ち上がる。
だったら、さっさと部屋に行ってしまいなさいとでも続ける気なのだろうか。
真っ直ぐにハリオンを見返して言葉の真意を読み取ろうとしたが、
更に笑みを深くしただけでそれ以外の変化も見られない。が、よく見れば
ハリオンは部屋の入り口から動いていない。さらに片手は部屋の外で何かをつかんでいるようだ。
何のつもりかと尋ねようとした時にも、先手をとられて部屋の外に出て行った。
そして、ぐい、と押されて部屋の中にあらわれた人影。さらにその背を押してヘリオンの前にまで運ぶハリオン。
彼女の目の前にいるのは、照れくさそうに頬を掻く悠人だった。
ただ、呆として彼の顔を見上げるばかりのヘリオン。悠人もその視線に耐えかねて
意味の無い呟きを繰り返すだけ。そこに、
「は〜い。そういう事だそうですよ〜、じゃ、今度はユートさまの番ですからね〜」
と言いながら、ハリオンが急な展開についていけずに目を丸くするヒミカに会釈して気を取り直させると、
ヘリオンと悠人の横に立った。
悠人は自分を見上げるヘリオンの目を見ながら咳払いを一つして口を開く。
「あー、うん、俺もヘリオンと仲直り、したい。でもやっぱり悪いのはお……」
俺だから、とさらに自分を責めようとする悠人の右手を、横に立っていたハリオンが掴む。
悠人が驚いている隙にヘリオンの右手も掴み、二人の手を繋がせてハリオン自身の両手で包み込んだ。
「はい。仲直りしたい人同士、どちらが悪いもありませんよ〜。
これで二人はまた仲良しさんですねぇ〜」
ハリオンが手を離した後も二人の手は繋がれたままで、二人が頬を染めながら彼女を見ても、
ただにこにこと微笑むばかりでからかわれているような気は微塵もしない、のだが。
「じゃああとは、仲直りのご挨拶ですねぇ、まずは、ヘリオンさんからどうぞ〜」
変わらぬ表情のままで告げる内容を聞き、二人は別の意味でも恥ずかしくなっていく。
慌ててヒミカのほうに助けを求め顔を向けた悠人だが、彼女はにやりと笑みを浮かべると
諦めろといわんばかりに首を振った。改めて顔を見合わせると、悠人に映るヘリオンの顔は
いつもの彼女らしい笑み。それを見て、一息に緊張がとけて悠人も顔を緩めた。
ヘリオンは深呼吸を一つすると、
「ユートさま、その、これからもよろしくお願いしますっ」
と言いつつ、ぺこりと頭を下げる。
悠人も、繋いだままの手にもう片方の手を添えてヘリオンの手を包むと、
「ああ、俺も、よろしく頼むよヘリオン。
次からは絶対に誰が相手でもこいつの殺意に振り回されたりしない様にする。
だからヘリオンにいつも見ていて欲しいんだ、そうならないように。
たぶん、いやきっと、それが歯止めになってくれるから」
そう言い、顔をあげたヘリオンに微笑みかけた。
彼女は少しの間その言葉を確かめるように動きをとめていたが、
悠人の手を更に自分の手でとって、そのまま胸元で手を組み、喜んで、と答え微笑みを返した。
しばらく見詰め合った後、二人は、はっと自分達に向けられた視線に気付く。
いつの間に移動したのか、ハリオンはヒミカの隣にいてにこにことし、
ヒミカはあからさまに手で顔を扇いでいる。
急激に鼓動が速まり、ヘリオンと悠人は慌てて手を離した。
「あら、もうお終い?わたし達なら気にしないから続けても良いわよ」
「な、なにをっ……」
「ヒミカさん、あんまりからかっちゃあいけませんよぉ〜。
えぇと、これでお二人とも、一件落着です〜」
変わらずに笑みを浮かべ続けるハリオンを見ていると、照れくさくはあったが怒る気は失せていった。
悠人は改めてハリオンに頭を下げた。
「ああ、ハリオンのおかげだな」
「い〜え、わたしはちょっと後押しをしただけですからぁ。
ユートさまが自分からここまで来られたから何かできないかなぁと思っただけですよぉ〜」
「そんなに謙遜する事無いよ、ほんとにありがたかったからさ」
顔の前でパタパタと手を振るハリオンにも笑いかけた悠人だが、服のすそを引っ張られる感触に
振り返るとヘリオンが悠人をじっと見ていた。背筋に冷やりとした物を感じて
悠人はさっとヘリオンに向き直った。
「えっと、何かなヘリオン?」
「いえ、なんでもないですっ。何だか、体が勝手にっ」
その様子を見て、ついにヒミカが大きく溜め息をついた。
その拍子にまたもや入り口に誰かの姿が有るのを発見する。なかなか見慣れない白い容姿、あれは。
「イオ様、どうなさいました?どうぞ、お入りください」
その声に、悠人たちもイオに注目する。イオは優雅に一礼すると、
「失礼します。ヒミカ様もそう畏まらずとも構いませんよ」
微笑みながら、部屋へと入ってきた。そして悠人を見つけ用件を伝える。
「先ほど自室に伺った所、こちらだと聞きましたので参りました。
ユート様、お取り込み中申し訳ありませんがヨーティア様がお呼びです」
「ああ、すぐに行くけどよっぽどの用事みたいだな。わざわざ探してまで呼びつけるなんて」
暇つぶしに呼ばれるような時は自室にいなければイオは引き返すという。
もっとも、次に呼ばれた時にはそれをネタにしてヨーティアに弄られるわけだが。
「ヘリオン、悪いけど長くなるかもしれないからまた今度な。
そうだな、次にゆっくりできるのは……」
「えっと、明日からまた前線に戻りますから、次の休暇まで少し間が開いちゃいますね。
でもそれなら、ゆっくりできるように頑張りましょう」
「ああ、それじゃまた明日から宜しくな」
そう言い、イオに連れられて悠人は部屋を出て行こうとした。そこにヘリオンが慌てて声をかけた。
「ユートさまっ、次の休暇の時には久しぶりに、一緒に訓練して下さいますか」
「もちろんだ。そんな事くらいならいくらでも付き合うよ」
振り向き片手をあげて返事をし、二人は第二詰所を辞した。
ほっと息をつくヘリオンに、ヒミカとハリオンが呆れた声をあげた。
「あなた、頼みごとならもっとマシなのが有るでしょうにどうしてそうまどろっこしい事を」
「ヘリオンさんらしいと言えばそうですけれどもぉ、
もっと積極的でもバチはあたらないと思うんですけれどねぇ〜」
「せ、積極的って、これ以上どうしろっていうんですかぁ」
その言葉に二人は顔を見合わせ、苦笑いを浮かべてほぼ同時に、
「一緒の部屋で寝てて何を今さら恥ずかしがってるの」
という意味の言葉を洩らした。もちろんヘリオンの頭にはそれ以上の光景が思い起こされる。
その瞬間にぽんっと音を立てるようにヘリオンの顔が朱に染まる。
しばらく硬直していたかと思うと、ふるふると身を震わせて、
「あ、あ、えと、し、失礼しますっ」
と言いながら脱兎の如く自室へと戻ろうとして居間を出て行った。
と思ったら顔だけをひょこりと覗かせて付け加える。
「ヒミカさんも、ハリオンさんも、今日はありがとうございましたっ。それじゃあっ」
今度こそ、ばたばたと音を立てて自分の部屋へと駆けていった。
それを見送る二人。足音が聞こえなくなった頃、ヒミカがハリオンに、
「全く、いつからユート様に聞かせてたのよ。全部あなたがいい所をもっていっちゃたじゃないの」
と文句をいいながら、新しくお茶を淹れて差し出した。ハリオンはにこにことお茶を受け取ってゆっくりとすすりながら、
「ですからぁ、わたしはきっかけを作ってあげただけですぅ。後はお二人の問題ですからねぇ〜」
とだけ答える。はいはい、と受け流しながらヒミカも自分のカップにお茶を注いで深く椅子に腰掛けた。
ハリオンの笑みに、心からあの二人を思いやる気持ちを汲み取って、
自分も同じ気持ちだと思って頷き、後はハリオンにならって静かにお茶を飲んだ。
一方その頃、ヨーティアの研究室に呼び出された悠人は彼女とイオから
十数枚の資料を受け取り、ある説明を受けていた。
曰く、永遠神剣の強さと持ち主が扱えるマナの量にはとある法則が成り立つはず。
永遠神剣の特性を考慮に入れても覆る可能性は限りなく低い、と。
「それで、この折れ線グラフが何を表しているんだ、ヨーティア?」
資料には一枚一枚に青、赤、緑、黒、そして黄色でジグザグに左から右へと進むように線が引かれている。
横軸にとられているのは時間、或いは日付らしいと言う事はなんとか読めたが、縦軸の数値が何かは分からない。
「あのな、さんざん今まで神剣とマナの関係について話してやっただろう。
なんでそれで察しがつかないんだか。
それは別に私の研究用に作ったものじゃないんだけどね、訓練士の連中が取った
ユート達のマナをコントロールする訓練の結果を示したデータさ。
縦軸には放出したマナの量、横軸には時間経過を示すようになっている。
日付が一番新しいのを渡したわけだけれども、ま、言ってしまえばただの成績表だね。
イオが訓練士も兼ねている都合で気になる事が有るから、と連中から渡されたんだが。
ユート、それがそれぞれ誰の物か、わかるかい?」
もう一度、資料に目を落とす。
そうして見ていくとやはり青色の線は青スピリットのもの、と言う事だろう。
説明の内容を考えてぺらぺらとページを繰っていく。
「少なくとも、俺のはこの黄色の線の奴だろ。色だけじゃなくても、
他の皆よりも格段に放出してるマナの量が多いし」
「ああ、それにコントロールの訓練のはずなのに、他の奴らよりも思い切りジグザグだね。
そういうのはだいたい波の真ん中あたりが安定したマナ放出の位置になるはずだよ。
まあ、そんな風に読み取っていったら大抵は分かるはずだ。さ、やってごらん」
いちいち悠人が気にしている事を指摘して続きを促す。
さっきの講義と何の関係が有るのかと思いながらも逆らう事は無駄だと考えて、悠人は素直に資料を調べていく。
まずは分かりやすい物から考えていくと、青では最もマナの量が多く、安定しているのがアセリアだろう。
そして最大値と最低値の幅が大きいのはきっとネリーだ。
赤に関しては、ネリーと同じく上下幅の大きい物がオルファ。
緑では、面倒くさがって力を抜いているためか放出量が少ないのがニムントール、
安定具合で、信じられない事にほぼ水平に保っているのがハリオン、
それには及ばないものの普通よりも遥かに穏やかな波となっているのがエスペリアだろうか。
後は、マナ放出量の上下で推測するしか無さそうだ。
おそらく、ヒミカとナナルゥ、セリアとシアー、ファーレーンとヘリオンでは経験の差で、
ヒミカ、セリア、ファーレーンに分が有るのだろうと思い、回答をまとめて告げた。
「なるほど、全問正解だ。なかなかどうして、隊長らしく隊員の事ならお見通しと言う事かな」
「理由を言えなんてことになったら、なんとなくで決めちまった所も有るから褒めなくていいよ。
それで、これが何だって言うんだ?」
それを聞き、ヨーティアは眉をしかめた。
「なんとなく、だと。こんな物、なりたてのヒヨッコ訓練士にだって理由なんて簡単にわかるぞ。
安定加減は確かに性格が関係するからユートが参考にするならそれだろうけどね。
マナ放出量に関しては実に単純。ただ神剣の位を当てはめてみればいい。
安定したマナを放出するためには自分の神剣に合った量が自然と選択されるんだ。
蛇足だとは思うが聞かれる前に言っておく。戦闘時に一時的に放出される最大量はスピリットによって
違う物だからな。でなければ、下位の神剣保持者が上位者を倒せるわけが無いからな」
そこでヨーティアは一息入れ、悠人の顔を見た。かろうじて話についてきている事を認めると
ここからが本題だ、と更に数枚の資料をイオから受け取った。まだ悠人には渡さずに告げる。
「まずは、そのヘリオンとファーレーンのグラフを見てみろ。
ユートの言ったとおりヘリオンのほうがマナ放出量は随分低い。
だけど、ちょっとそこにネリーやシアーのものを重ねてみるといい、
少しおかしな事に気がつくはずだ」
言われて、横にそれらのグラフを置きだいたいの放出量を比べる悠人。
そうしてみると、確かに違和感が有る。
「あれ、それほど変わってないんじゃないのかこれ。それどころか」
「ああ、二人の間にヘリオンが入っている。それにもかかわらず訓練士の話じゃ
いたって普通に訓練しただけで本人が意識して大量のマナを使っていたわけじゃないらしい」
「でも確か八位と九位の間の力の差は小さいとか言う話を
戦術の指導で聞いたんだけど、その範囲内なんじゃないのか」
「有り得ない事じゃないけど、根拠に乏しいな。もう一つ、これを見てみな」
ヨーティアはそれを耳にした時に、待ちかねたように手元の資料を悠人に差し出した。
それは数ヶ月前の日付のヘリオンたちのグラフだった。ネリー、シアーに関しては現在と比べて少し低めだが
成長としてみるならばそんなものだろう。それを確認しようとイオに尋ねると、彼女は首肯した。
「はい、そのお二人はマナの扱いに慣れていったという事が主な原因です。ですが」
確かに、ヘリオンのものはその二人よりもさらに低い。
悠人が疑問を発する前にさらにもう二枚、ヘリオンのグラフが渡された。
そこには数ヶ月前のものから少しだけ成長したものと現在と比べるとやや低いものが描かれている。
しかし、その日付は。
「サーギオスの襲撃の前と後って、その間にこんな急に変わるものなのか?」
驚きながら言いつつ、悠人には大きな変化を起こすような原因に一つ、思い当たる事があった。
その表情を見てヨーティアが続ける。
「話は聞いてる、その時にヘリオンが初めて……戦果をあげたってね。
ちなみにそれ以降も前線で戦果をあげるたびに成長を続けてるようだよ」
「そんなことがあるのか、スピリットを殺すたびに永遠神剣そのものが強くなるなんて」
「普通の奴らなら、あり得ないと切って捨てるだろうが私は違うさ。
スピリットが死ぬとマナに還るのは常識だ。だけどね、スピリットが倒れた時に放出されるマナ、
ちょっとそいつについて研究中なんだが、今は置いとこう。
実はその全てが空に消えるわけじゃない。いや、ユートなら実感として分かるかもしれないな、
スピリットを斬った神剣は、そのスピリットのマナを一部吸収しているはずだ。
他の皆の成長も、一部は剣の成長のせいかもしれない」
言われてみれば確かに、と悠人は『求め』の柄を握った。この剣でスピリットを斬るたびに
『求め』が力を取り戻すように強力になっていくように思う。
「だけど、ここまで急激に成長する理由なんて私にだってまだわかってない。
が、その段階でユートを呼んだのには理由があるぞ。神剣が強力になると言う事は、だ」
「剣からの声が強くなってしまうのか」
「そう、今までよりも剣の干渉が起こりやすくなるだろうな。
従って、このまま成長を続けた場合彼女に何が起こるか予測がし難い。
もっとも、それに対する手段はある」
ヨーティアの言葉に驚き、衝撃を受けるだけだった悠人の顔にぱっと期待が見える。
それを確かめてヨーティアはニヤリと唇を歪めた。
「剣の成長に耐えられるように精神面をしっかり支えてやれば良いだけさ。
それをやるのはユートが適任だからねぇ」
くく、と喉を鳴らして笑う。
悠人は単に隊長だから面倒を見ると言う次元での話ではないと気付き、顔を赤くして怒鳴った。
「ど、どういう意味だよ、それはっ」
「それが解らんほどバカじゃないだろう?
そんな顔色をして気付かれないと思ってるならそれこそボンクラだけどな」
声をあげて笑い出したヨーティアに悠人はぐうの音も出ずに黙り込んだ。
「なに、最近ヘリオンに対する様子が変だと耳に届いてね。
それじゃいかんと現状を伝えようとしたんだけど、どうなんだい」
悠人が何も答えられないうちに横に控えていたイオが微笑みながら報告した。
「ご心配なく。先ほど目にしましたが私たちがまだ見た事の無いようなあたたかい雰囲気でした」
そう言われて悠人は、この二人に会った時には仲たがいの最中だったと改めて気付いた。
だと言うのにヨーティアは情報を集めて自分に教えてくれたのか、と少しだけ感謝した。
「へぇ、そりゃ邪魔をしてしまったかな。悪かったね」
ちっとも悪いとは思っていなさそうな笑みを浮かべて謝る。だが、直後に顔を引き締めて言った。
「ま、知っといてもらったほうが良かったんだ。訓練士としてのイオの言葉では、
今の様子じゃちょっと危なっかしい所だっていうからね。せいぜい気にかけてやりな。
そうすりゃきっと大丈夫さ、根拠はこのあたしが言ったって事くらいだけどね」
最後には、自信に満ちた目で悠人を見やる。その視線を受けて、悠人も深く頷いた。
「ああ、ありがとうヨーティア、イオ。誰も犠牲にしたくないって言っといて、
身近な誰かを傷つけちまうかもしれなかったんだからさ。俺は絶対にヘリオンを
神剣に飲み込ませたりしないから。ヨーティアも……研究頑張ってくれよ」
「もちろんだ。ああそうそう、神剣に関して不安が有るようだったら
すぐに相談に乗ってやるんだぞ、これはユート達二人の問題になるんだからな」
部屋を出て行きかけた悠人に声をかける。わかった、とだけこちらを向いて返し、
悠人はそのまま自分の部屋へと戻っていった。
「やれやれ、まんざらでも無さそうなのが面白くない。もっと慌ててくれるものと思ってたんだがなぁ」
「ですが、ヨーティア様」
「ああ。全く、研究を頑張れとは誰に向かっての言葉だか。
進んで自分の首を絞めたがっているようだよ。ユートにだって支えが必要だろうにねぇ」
まあ、それも大丈夫か、と呟きながら、ヨーティアは悠人への説明で省略したこと、
倒れたスピリットからマナへの変換についての考察材料をあさり始めた。
そして、しばらくの時が流れ、ヘリオンが待ちに待っていた次の休暇。
なのだが、ヘリオンは素直に楽しむ気分にはなる事ができなかった。
再び前線に戻って、悠人たちと共にランサを防衛する日々を過ごす間に
ますます悠人の様子が張り詰めていったようだからだ。
攻めて来るマロリガンの稲妻部隊は撃退されるたびに強力になっていく。
このまま行けば、いつかはあちらのエトランジェたちが攻撃部隊として登場する事になるだろう。
今はまだその気配も無くラキオスに戻る事ができて、悠人もほっとした顔をしていたが、
いつかはマナ障壁も解除されて決戦を余儀なくされる事は間違いない。
それまでに、悠人は迷いを断ち切れるのだろうか、と思いかけたところで首を振った。
「それじゃあユートさまがあのお二人を斬っちゃう事になるじゃないですか。
そんなの、ぜったいダメです。約束だってしたんですから」
神剣が強要する殺意に屈しはしないと悠人は言い、自分がそれを抑えられると言ってくれた。
だから、彼が親友を斬るという結末など認められない。
彼の宣言には具体的な根拠などありはしない。単に気持ちの問題でしかないのは
互いによく分かっている。だけれども、いやだからこそ。
「神剣に打ち克つかどうかは持ち主の心次第だから、それが一番大事なこと」
ふと、無意識に口をついて出た言葉に、ヘリオンはあたりを見回した。
夜に備えて仮眠をとっている自室の寝台の上。そこから見える範囲には誰もいない。
いや枕もとに、有事の際にすぐに手に取れるように置いてある『失望』に視線が行き、
そこから伝わる意識に心を通わせてヘリオンは頷いた。
「そうですよね、『失望』。わたしだって、ぜったいに諦めたりしませんから」
悠人を想い剣を振るたび、『失望』からは何かあたたかい意識が流れてくる。
先日までのそれは自分を洗い流そうとする暗く不快な物だったのだが、
あの約束以来、それは影をひそめて全く表には出てこない。自己嫌悪という
負の感情に囚われていたあの時までと、現在との違いが『失望』からの意識にも
影響を与えているように思う。根拠は無い、けれど実感としてヘリオンには
『失望』には善悪二つの意識が有るように思えるのだ。そして、それは『求め』にも。
さらには、もしかしたら全ての神剣にも。
あの言葉を言われた時の気持ちを思い出し、考えを整理する。
一つだけ、儚い希望を心に留める事ができ、ヘリオンはただその時を待った。
深夜の訓練棟に剣戟の音が響く。
最後の仕上げとして行われるヘリオンから悠人への打ち込み稽古。
悠人の発した防御障壁の上から鋭い衝撃が悠人に伝わる。肌を傷つけることは無かったが
以前までとは比べ物にならない威力の上昇に、悠人はヨーティアから聞いた内容を実感した。
さらには、防御障壁が空に解け『求め』を盾にした悠人の目の前にもう一度へリオンが迫り、
「いやあぁぁっ!」
気合と共にもう一撃を抜き放つ。
『求め』と『失望』が打ち合わされる寸前に、ぴたり、とヘリオンはその手を止めた。
ウイングハイロゥを展開したまま飛び退き、剣を納める。ほう、と息をついて悠人の元に駆け寄った。
ヘリオンが声に出して問わずとも、もう悠人は講評に移りだしている。
その内容は感嘆と賛辞。けれども悠人は心中では穏やかではいられない。
神剣自体が急成長するという事態がどんな影響を及ぼすのかと不安になっているのだから。
「もうスピードじゃヘリオンには敵わないかもな、それじゃあ帰ろうか」
とヘリオンの横に並んで、促そうとする。しかし、その態度はヘリオンにとって
違和感を感じさせるには充分だった。悠人にとっては心配事が一つ増えた事に変わり無い。
それが、光陰たちの問題と重なって心の負担となり、
見るものが見れば分かるぎこちなさとして現れてしまうのだ。
「ユートさま」
歩き出してしばらく、いつもなら悠人が話し掛けてくれるのを待っていたヘリオンが
自分から足をとめて声をかけた。悠人も立ち止まってヘリオンを見る。
「今日はお疲れの所ありがとうございました」
内心の思いとは裏腹に、当り障りのないことが口から出てしまう。
しかし、何を言うのかと身構えかけた悠人の緊張をほぐす効果はあったようだ。
ふっと頬を緩めて言葉を返す。
「何言ってるんだよ、約束してた事じゃないか。ヘリオンこそ休暇だって言うのに
特訓しようだなんて、疲れるんじゃないか?」
「いえ、わたし、最近すっごく調子が良いんです。ユートさまだって驚いてたでしょう」
それを聞いて、悠人は動揺が表に出ないように努めた。しかし、ヘリオンの次の言葉は。
「ちょっと前までは『失望』がやなこと言ってきたんですけど、今は……ひゃっ」
あっさりと我慢の限界を突破して、言葉を続けようとしたヘリオンを遮り、悠人の両手がヘリオンの肩を掴んでいた。
「嫌な事って何なんだ、耳を貸したり飲み込まれてたり、してないよな?」
ヘリオンの細い肩を優しく、痛めないように持ちながら、その瞳を覗き込む。
ヘリオンが捉えた悠人の目は純粋に心配だという色を宿していた。
「あの、だから、今は大丈夫ですって言おうとしたんですけど」
至近距離から見つめられてしどろもどろになりながら、最後まで言い切った。
え、と目を丸くして硬直し、そのまま悠人は大きく安堵の溜め息をついた。
「そっか、それならいいんだ、悪い、驚かせちまって」
そっと手を外して頭を下げる。だが、ここまで来るとヘリオンの疑念は一気に形になった。
「ユートさま、何か、隠してませんか。この前から、わたしの剣の事になるとおかしいです」
「そ、そうかな」
「はい、わたしが敵を倒した後は必ず剣から何か言われないかって聞くようになりましたし、
そもそも、あまりわたしが敵を斬らないように気を配ってます。
ヒミカさんたちからは、過保護すぎるんじゃないかって言われてましたよ」
「よく、気がつくな」
「気付かないほうが変ですよぅ、それにユートさまが言ったんですよ、見てて欲しいって。
さあ、どうしてそんなに『失望』にこだわるんですか」
今度はヘリオンが悠人の目を正面から見据える。なんとか、誤魔化す事はできないかという
考えが頭をよぎったが全く思い浮かばない。むしろ逆効果だろう。
観念して、悠人はヨーティアから伝えられた事を説明した。
聞き終わって、大きく頷いたヘリオンが先に口を開く。
「それで、『失望』が話し掛けてくる事が多くなってたんですね。
急に『失望』がおしゃべりになったからびっくりしてたんですよ」
あまりにもあっさりとした様子に悠人が拍子抜けしてしまう。
慌てて、ヘリオンに確認を求めた。
「びっくりしたって、それだけなのか」
「はい、剣が強くなったかどうかなんていうのは良く分かりませんけど、
『失望』が前よりもよく意識を送ってくるのは自覚できましたから。
ユートさまと仲直りするまでは確かに敵を斬れとか、そういう意味のことを
言われてたんですけど、いまではあたたかく見守ってくれてるような感じしかしません。
だから、声がたくさん聞けて嬉しいんですよ、わたし」
「でも、このまま剣の声が強くなっていった時にまた干渉が起こったら」
「大丈夫です。ユートさまが心配してくれてるんだって思ってたら、
ぜったい言いなりになんかなりませんし、『失望』だって悪い事なんか考えません。
きっと、わたしたちが落ち込んでたりしたらそこに付けこんでくるけど、
しっかりと心を保っていたら助けてくれるんですよ、神剣って」
その言葉に、以前に自分が言った『失望』に関しての考えが思い返される。
あの時はただ優しいと評したが、それでは。
「そんな、それじゃまるで神剣にいい心と悪い心があるみたいじゃないか」
「ええ、わたしはそう思います。ユートさまの『求め』も、今まで何度もユートさまや
わたし達を助けてくれました。それは無償では無いのかもしれませんけど、
『求め』が本当に自分の事しか考えてないんだったら、もう力を貸すなんて事はしないで
ユートさまを乗っ取っちゃうんじゃないんでしょうか」
言われて、はたと気付いた。『求め』の力は確実に増している。
ならば、はじめに比べれば成長しているとは思うもののまだまだ迷いの晴れない自分など
あっさりとやられてしまうのではないかと。だが、納得するには判断材料が足りないのだ。
「それでも、今でも光陰たちに殺意剥き出しで色々言ってくるんだ。
それが悪い心だって言うんなら、いい心は何処にあるんだっていう感じなんだけど」
「そういわれると難しいですけど、ほら、『失望』は今、いい面しか見せてませんから。
でもですねユートさま、そう考えるとなんだか、何とかなりそうな気がしませんか」
と言われても、何の事か悠人にはさっぱり分からない。
突拍子もない意見に思えて混乱するばかりだった。
しかし、ヘリオンの心中は穏やかだ。先ほどからずっと、
自分の言葉を後押ししてくれる意識に助けられて、説明を続ける。
「神剣にはいい心と悪い心があって、悪い心に負けると神剣に飲み込まれちゃうんですけど、
いい心は、自分が心を強く持てばどんどん力を貸してくれるんです。だったら、
もし悪い心だけをやっつけちゃったらどうなると思いますか」
言いながら、ヘリオンは微笑みを浮かべた。それを見て、悠人も考えるだけ考えてみる。
「そりゃ、意志を飲み込む奴が無くなっちまうんだから、
まだ自分の意志が残ってるなら元に、え、もど、る?」
はい、と頷いて悠人を真っ直ぐに見つめる。視線を受けても、悠人は微動だにしない。
そんな事が、あるはず無い。けれどありえないという証拠もまた、無い。
「まさか、そんな都合の良い事」
「普通は無いと思います。でも、ユートさまたちのように強い剣ならその分、
いい心も悪い心も強いかもしれません。だから悪い心がなくなっても、
それを補う事ができるんじゃないかって思うんです」
ヘリオンの目は真剣だ。決して気休めや詭弁を言っているわけでは無いと悠人に感じさせるほどに。
きっと、そんな奇跡が起こると信じている。悠人が、親友を殺す事の無い奇跡を。
「ヘリオンは、なんでそんな事を信じられるんだ。俺だって信じたいけど、
本当にそうなるかなんて分からないじゃないか」
それに対してもヘリオンは頷き、少し悠人に近づいて言葉を紡ぐ。
「わたしの好きな言葉なんですけどね、
『真実は常に失望と共に有る』っていうことわざがあるんです。知ってますか?」
一瞬、何の関係が有るのだろうと思ったが、その諺の意味を考えて、悠人は目を伏せた。
「ああ、ヨーティアが初めて俺に会った時に言ったから。
でも、それって悪い意味なんじゃないか、真実なんてがっかりする事ばっかりだ、ってさ」
今の状況では、光陰たちと敵対しなければならないという悪い事態が真実であるという事。
そう言われて、ヘリオンは目をまたたかせて否定した。
「違いますよ、何でそんな意味の言葉を好きにならなくちゃいけないんですかっ。
きっと、ヨーティアさまもわざとそんな意味に取れるように言っちゃったんですね」
慌ててしまった事を誤魔化すように咳払いをして、いいですか、と続け出す。
悠人はその様子に普段のヘリオンの姿を垣間見て、自分にそれを信じさせようと、
信じて欲しいと思って懸命に言葉を投げかけてくれているのだと悟った。
「この言葉の本当の意味はですね、
『希望が尽きるまで諦めずにいた者が真実を得る事ができる』という事なんです。
だから、どんなに根拠がなくったってわたしは信じていられます、
それは、紛れもない希望なんですから」
その言葉に、今度は悠人が目を見開いた。その諺の通りだとすれば、それはどんなに前向きなのだろう。
彼女の剣の名も『失望』、その言葉を信じてきたからこそヘリオンは諦めずに努力を重ねてきたのか。
その考えにたつヘリオンの言葉を否定する事は、ヘリオンの努力をも否定する事になるじゃないかと、
悠人の心に衝撃が走る。確かに、それを信じられれば、真実となればどんなに自分は救われるのか。
近づいてきたヘリオンが、そっと両手で悠人の右手を包み込んだ。
どきりと、悠人の胸が大きく音を立てる。
その両手を、祈るように自らの胸元へと導き、目を閉じる。
「だから、ユートさまも諦めないで下さい。ユートさまの手も、
敵を斬るためだけに有るんじゃないんですから」
今日子を神剣の呪縛から解き放ち、光陰と戦う理由もなくなるただ一つの希望。
それを心から信じるヘリオンの態度は悠人の心に深く染みこんでいった。
胸元に組まれたヘリオンの手が、彼女自身の鼓動を感じて震えている。
それが自分の手にも伝わり、無意識に悠人の声も揺れていた。
ヘリオンの言葉を信じたい。その言葉を真実とするには信じる事が最初の一歩なのだから。
だから、あと少しだけ、後押しが欲しかった。
「ほんとに、俺にそんなことができるのかな、ヘリオン」
「はい、ぜったいにユートさまはお二人を殺せません。
だって、わたしがそうならないように、ユートさまを見てるんですから。
ユートさまが見ていてくれって言ったんですから、わたし、ずっと見てますよ。
何があっても、約束は必ず守ります。ずっと、一緒にいますから」
それを聞いて、更に悠人の顔が赤く染まっていく。
自分の発言をもう一度思い返してみると、確かにそれは、常に共に居ることを前提とした頼みだ。
それに、自分は望んであの言葉を紡いだ。だが、それではまるで。
「へ、ヘリオン、俺、そんな恥ずかしいこと言ったっけ」
思わず上ずってしまった悠人の声に、ヘリオンはいたって真面目に答えた。
「はい、すっごく嬉しかったです。ですから、わたしはそう言ってくださったユートさまを信じてます。
だから、ユートさまにもわたしを信じて欲しいです。神剣の、悪い心の思い通りにはならないように」
じっと、ヘリオンは悠人の目を潤んだ瞳で真っ直ぐに見上げて、返事を待っている。
その力強い瞳に見つめられて、悠人は頷いた。
「ああ、俺もヘリオンの言葉を信じてみる、いや信じるよ。絶対に、光陰も今日子も犠牲になんかしない。
マロリガンを倒して、あいつらも助けてラキオスに連れて帰るんだ」
その自分の言葉で、心を決めた。今の言葉を真実にするために前を向いて進むのだと。
そして、そこに向かう道を示してくれた彼女に対する想いも。
悠人の決意を確かめて、ヘリオンもまた心から笑って、はい、頑張りましょう、と返した。
悠人が歩みを再開させないなとヘリオンが思った時、
彼女は悠人の手を握ったままだという事に気付き、今さらながらに体を硬直させた。
悠人の顔を覗き見ると、彼もまた赤面して自分を見つめている。
今までの自分だったら、そこでぜったいに慌てて手を離してしまっただろう。
だがそこで、先日のヒミカやハリオンから受けた言葉を思い出す。
ヘリオンは『失望』にあと少しの間勇気を分けていて欲しいと願いながら、
その手をさらに自分に引き寄せて、そっと囁いた。
「あの、ユートさま、ほんとにわたし、ずっと一緒に居てもいいんですよね。
やっぱりダメだなんてこと、言いませんね?」
その今までに見た事のない縋るような表情に、さらに動悸を激しくさせながら悠人が答えた。
「も、もちろんだ、というより、その、俺が、ヘリオンと一緒にいたいから。
それであんな風に言ったんだから、そんなの気にする事はないと思う」
言葉を詰まらせながら、改めて自分の気持ちを口にする。
もしかしたら、この前にあの言葉を言った時からヘリオンには
その意味で伝わっていたのかもしれないと、悠人は今さらに思った。
悠人の動揺を受けて、ヘリオンの顔に悪戯っぽい笑みが浮かぶ。
けれどもその顔は悠人以上に赤く染まっていた。
自分が振り絞れるありったけの勇気、それを総動員して考えを実行に移す。
「あ、あの、ユートさま、それじゃ、ちょっとこちらを向いてくれますか?」
何かな、と悠人が言いかけてヘリオンのほうに向き直った瞬間。
悠人の視界一杯にヘリオンの顔が近づき、唇に柔らかい感触を覚えた。
悠人が自分の身に起きた事を把握する前に、ヘリオンは悠人の手を離して少しだけ後ろにさがり、
ちろりと舌を出して照れ笑いを浮かべた。
「これが、わたしのお返事です。ユートさま、これからもよろしくお願いしますね」
ようやくヘリオンの行動に思い当たり、体を硬直させる悠人。
無言のままでこくこくと縦に首を振っていたが、だんだんと思考を回復させて、
「あ、うん、俺もだ。これからも一緒に行こう、ヘリオン」
と声をかけて、右手を差し出した。
その差し出された腕のほうにヘリオンは自分の腕を絡めて歩き出す。
少しばかりぎこちなく足を進めながら、後は言葉を必要とせずに二人は詰所への道を進んでいった。
あとがき
やっと、ゲームでも後半に差し掛かる辺りまでこぎつけました。
ただ、>201さんの書き込みを読んで前回を見ると、確かに敵スピには損な役回りを与えています。
しかし、申し訳ありませんが、敵スピにはこのまま涙を飲んでもらう事になります。
次回には敵スピの扱いに関して注意書きを入れる必要がありそうですね。
設定資料集、アセリア本などを持っていないという事を差し引いても、
かなり設定を追加してしまったり、読み取りが足りないまま書いてしまっているだろう
ということには自分も不安だらけです。妄想ネタの一つとして受け取っていただけたらと思う次第であります。
長文にお付合いいただきありがとうございました。
GJとしかいいようがない。
ヘリオンエンドまで
続けていただきたく。
>>246 GJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJJ
いや、ホント設定資料集なんて必要ないですから。
脳内で温めた世界設定を存分に生かして下さい。
乙&GJです > 前スレ788氏
ヘリオンタンが幸せになれるならそれで(・∀・)イイ!!
さて、前スレ788氏ががんがってくれてるからヘリオンタンは安泰として。
他の子のネタ考えてあげないと…
好きだと確信できないうちに
あなたの心奪った 他のSpirit
Pinkの噂が二人を近づけて
Ah Ah 私は天然・弱気 また孤独
口笛吹いて マナの風にKiss
童話の本を一枚 破り
書いてみる「あなたが好きかもしれません」
意味がないね あなたに渡す勇気はないの
ウィングハイロゥ 心の翼が
ウィングハイロゥ 今 空をとぶ
私だけが 私の想い Ah未確認
何気ないあなたの一言で
詰所のみんなが いきなり料理の練習
とってもにぶいのね ハイペリアの男の人
Ah Ah 私は天然・弱気 まだ孤独
戦闘の時や 何かあればSupport
私はいつも 支援専門
笑顔で「シアー、さんきゅ、ありがと」
仕方ないね この性格 簡単に変わらない
ウィングハイロゥ 誰かがどこかで
ウィングハイロゥ 魔法 唱えてる
じっとしてる訳にいかない Ahバニッシャー
ウィングハイロゥ 心の翼を
ウィングハイロゥ すぐ使えても
私だけが 私の想い Ah未確認
ウィングハイロゥ ウィングハイロゥ
私だけが 私の想い Ah未確認
…というのも可哀想だしな(w
ユートってへタレ?
ヘタレではないと思うなら、是非論証してくだせいっ!ヽ(`Д´)ノ
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <ヘタレです!!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>255 あんたが一番実感してるわけかw
では、どーゆーじょーきょーでどんなことがあったのか言って下さい☆
そ、そんな恥ずかしいこと、言わせないでくださいっ!!
´∴ __ ゜ヾ´ ″´∴
# 「,'´r==ミ、―≡ ̄`:∵∧_∧´∴∵゛'
__くi イノノハ))≡―=',(((
>>256) ≡―=‥、 ∵゛、゜¨
, ≡ )| l|| ゚ヮ゚ノl|r⌒) _/ / ̄ =―≡― _
´∴'≡く / ∧ | y'⌒ ⌒ ヽ イノノハ))( ≡―=‥、,、
″″ \/〈(((ノ从| / | | ゚ヮ゚ノ`=―≡―∞
" ||( ゚ヮ゚ー' | |ヾノ //
=―≡ ̄`:, | , | ( ̄=―≒‥,,
" ,゛"=―≡―=',/ ノ )∵`=≡―=
″( ゚ヮ゚∴/´/ / | | , ゚ヮ゚ノ'ゞ ∵゛、 ゜ ¨
ヾ =―≡ ̄`:゛/ / \| |≡―=‥、,、 ヾ
,゛"=―≡―='( | ( |=―≡―∞=@ , 、∴
/ | | |\ \ ´ ∴ ヾ .
・ / / | | | ヽ/⌒〉
.... . ............ . .(_ 「 _) (_〈_/....... . .. . ....
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <キングオブヘタレです!!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>257 それではお約束ですが一言、
「そんな今さら恥ずかしがるトシでも」
たまには光陰主人公でも書こうかなあ・・・・。
『+』発売を信じてる俺は未だ買ってないわけだけども……
>>257-258 『勃たなかった』と妄想してみる。
それで時深さんが色々がんばっちゃう、と。ふふふ……妄想力は不滅だ。
雑魚スピより話題にされない雑魚人間の今日子。
前より住人が減ったような希ガス。
よって点呼してみる。
総合化により、各人アセリア登場キャラ全てに拡大して最萌えを申告せよ。
アセリアの無邪気な笑顔が一番さ!ヽ(`Д´)ノ<1>
昼は清楚に夜は情熱的に、エスペリアこそメイドの鑑!ヽ(`Д´)ノ<2>
超マイペースなお姉さんは大好きです、ハリオンヽ(`Д´)ノ<3>
健気な小動物と思わせつつ、隠れS疑惑あり?のヘリオン最萌えですヽ(`Д´)ノ<4>
腹黒いおば…きれいな時深お姉さんは大好きですヽ(`Д´)ノ<5>
綺麗な瞳のントゥシトラが大好きですヽ(`Д´)ノ<5>
エスペリアさんのお茶が飲みてー!ヽ(`Д´)ノ<7>
アセリアの無邪気な笑顔が一番さ!ヽ(`Д´)ノ<8>
風呂場イベントでの会話と制服姿でアセリアにやられた漏れはヽ(`Д´)ノ<9>
そのワッフルは俺がレムリアに持っていく!ヽ(`Д´)ノ<10>
273 :
エロ大王:04/05/06 22:47 ID:WuHwiGFB
理由など無い!ヘリオンタンすきじゃ〜〜〜〜〜!!<11>
それワッフルじゃないよ、ヨフアルだよ!
といいつつ制服ウルカ最萌え!ヽ(`Д´)ノ<12>
ヒミカの萌え度は世界一イィィィィィィィィィィ!!ヽ(`Д´)ノ<13>
ゆーくんとユーフィは漏れにまかせろ!
丹精こめて育ててやる!ヽ(`Д´)ノ<14>
いまでも没になったヘリオンタンのシーンこそ
雑魚スピルートの始まりだと信じてるぜッッヽ(`Д´)ノ<15>
何が『雑魚スピ』 だッ!!
俺の脳内ではヘリオンエンドが存在しておるわッッヽ(`Д´)ノ<16>
忘れ去られてる小鳥に萌えてあげよう(`・ω・´)b<17>
よくわかりませんが、今の内にファーレーンたんと飯食ってきますねヽ(・∀・)ノ<18>
デモムービーみて、ウルカに心惹かれたのでゲーム買ったのですが、ゲームしてるうちにアセリアにもってかれてしまいました。(1週目アセリア篇で、まだ2週目エスペリア篇途中ですが・・・)
281です。すみません入れ忘れました。<19>
時深おb・・・おねぃさんは永久に不滅です<20>
中間集計
アセリア 4票
ヘリオン 4票
エスペリア 2票
ハリオン
時深
ントゥシトラ
レムリア
ウルカ
ヒミカ
ユーフィ
ファーレーン
小鳥 以上各1票
主役の面目躍如か、アセリアがトップ。
しかし「雑魚スピスレは我が土俵」と言わんばかりにヘリオンも同率首位。
二人のデッドヒートがこのまま続くのか、はたまたまだ見ぬ伏兵が足下をすくうのか?
人気投票兼点呼合戦はあともうちょっとだけ続くんぢゃ!ヽ(`Д´)ノ
普段凛々しくて、そのくせMっ気があったりしちゃうウルカが俺的最萌えじゃ!ヽ(`Д´)ノ<21>
今なら言える!エスは俺のものだっ!育てさせろ!ヽ(`Д´)ノ<22>
ゲーム中はアセリアだったのに・・・
ナナルゥは誰にも渡さねぇヽ(`Д´)ノ<23>
ああ、貴方のウィークンが無ければイオ戦でハマるトコロでした(一周目)
というわけで命の恩人のヘリオン様に身も心も捧げますヽ(`Д´)ノ<24>
ヨーティア! リボン付きのふんどし!ヽ(`Д´)ノ<25>
>284
二十人目点呼終了時点で、時深は二票だよヽ(`Д´)ノ
>>290 レス書いてる段階では19人目だったんだよ!ヽ(`Д´)ノ
中盤以降の盛り上がりは流石にメインヒロインのアセリア。
ダンバインな展開がもう大好き<26>
自愛に満ちた太眉の君、ファーレーン!
浴衣が似合いそうだけど…それより是非白無垢を着せてやりたい!ヽ(`Д´)ノ<27>
シアータンのおしっこ飲みたい<28>
最萌…順にヒミカ・ネリー・イオ(禍根持ち)
サイレントフィールドU→ファイアエンチャントWのコンボはすばらすい<29>
こっちのディフェンダーも炎上必至だが…
296 :
295:04/05/07 07:34 ID:+cVkL2iW
っと、カウントする時は赤光のヒミカ・レッドスピリットでよろ。
誰も手を付けていない悠久のユーフォリアげっとぉぉぉぉーー=(っ。д。)っ!!! <30>
>>297は残念だが
>>276がすでに手を付けている。諦めろ
つーことで台詞量ぶっちぎって一番のエスペリアに一票ヽ(`Д´)ノ<31>
ヨフアル大好きお団子頭♪
レスティーナ様は俺が貰った!<32>
なんかスレ移行で住人も一気に世代交代したような気がしてきた…
存在そのものがマジカルなハリオンタンでノシ <33>
と、点呼に敢えて前スレ風に挙手をするも、その手はヨボヨボで力無く―――
本編では控えに回されやすいけどセリアタンこそ最萌えだ!ヽ(`Д´)ノ<34>
じゃぁウルカタンは貰っていきますね<35>
なぜ今日子ルートが無いんだぁ〜!<35>
最終集計
5票 アセリア ヘリオン
4票 エスペリア(エス)
3票 ウルカ
2票 ハリオン 時深 レスティーナ(レムリア) ヒミカ
ユーフィ ファーレーン
1票 小鳥 ントゥシトラ セリア シアー 今日子
ナナルゥ ヨーティア
唐突に点呼打ち切り。結局第一詰め所代表アセリアと、
第二詰め所代表ヘリオンが同着。以下、エスペリア、
ウルカと続くのはやはり攻略対象の面目躍如か。
前回の点呼の時より明らかに住人は増えていたようで。
要するに慢性的なネタ不足ってところでしょうか。
それはそうと、ントゥシトラにすら票が入ってるのに、
攻略対象のあの人ときたら……
305 :
南無:04/05/07 18:48 ID:ZBJ1BPQK
r‐-- -┐
/ /゙・ 皿・_ヽ<我が名は佳織、頭蓋骨の佳織!!」
レ'´从リ从!〉
l从○_○从
(リ(つと)
く/_|〉
(_ノヽ)
>>304 オルファのことかーーー!
(ロリ好きがエス+ユーフィーに流れたかな・・・?)
オルファはメインの中でナポリタンの次に好きだぜ。
ネタ不足か…
GWにはみんなをキャンプにでも連れて行ってやる予定だったのに…
⊂(。Д。⊂⌒`つ
俺に休みがないし。来週も休みないし!
それはともかく、前に点呼したときもなぜかネリーには票が入らなかったが
みんなネリーのこと嫌いか?
上位には入るが最萌ではない、
ネリーがいるのは、そんな位置。
前スレの点呼でネリシアお持ち帰りしたよ?
>>311 乙です。
唐突に思ったこと。
光陰ならヘタレ悠人とは違って館での出来事に
おいしく首を突っ込んでくれるだろうに勿体無い。
例えば悠人の風呂での事件を聞きつけて。
訓練の後の疲れを癒す一時、ゆっくりと湯船に浸かっていた悠人が、
後から入ってきた光陰を残して上がろうと脱衣所へと移動すると、
そこには有るべきはずのものが無かった。
キョロキョロと全ての衣服棚をチェックするが、どこにも見当たらない。
慌てて風呂場に戻り、中の人物に声をかける。
「おい光陰、まずい、何でか知らないけど俺たちの服が盗まれてる。
ご丁寧にバスタオルとかも全部だ」
体が冷えないようにもう一度湯船に戻り、そこで足を伸ばしている光陰に近寄った。
しかし、光陰はわざとらしく慌てて言葉を吐いた。
「なに、そりゃたいへんだ!ほかのみんながはいってきたら、はちあわせになっちまうじゃないか!
まいったな、はだかじゃでていくわけにもいかないぞ。こまったこまった」
その言葉だけで、いくら悠人といえどもこの男の阿呆さ加減に気がついた。
「待てこら、全然困って無さそうっていうか、お前の仕業か光陰!」
「何の事かな悠人。俺達は服を盗まれて泣く泣くのぼせる迄入るしかなくなった被害者だ。
今、まかり間違って誰もいないと思ってしまったオルファちゃんやネリーちゃん、シアーちゃんなんかが
入ってきちまってもそれは不可抗力なのだよ悠人くん」
くくく、と不敵に笑みを浮かべる光陰。馬鹿なことをと呆れて声をあげた。
「……今日子でも入ってきたらどうするんだ」
「それはあくまでも俺達が被害者である事を訴えかければ誤魔化しが効くという事にする。
それよりも他に考えておくべきパターンは無いのか」
「パターンって、なんだよ」
「うむ、ひそかに聞いたところによると、異性と風呂に入る事が全く気にならないという
天国のような状況を演出してくれる娘たちがここには溢れているというじゃないか!
まさにあれだな、殺人現場付近の温泉で探偵役の俳優が体験するという最高の状況だ!」
頭痛を感じて悠人は頭を抱えた。それに構わず光陰はさらに言葉を続ける。
「つまりだ、ここで問うべきは俺達の反応だ。もしも今日子ならば先ほど言った行動、
仮にパターンAとしておこう、それをとる。
それ以外にも、例えばオルファちゃんだった場合、きわめて紳士的に、
『すまないけれど、服が無くなってしまってるんだ。
俺達の事は気にしないでゆっくりしていって構わないよ』
などというパターンBが最良といえよう」
「つきあってられるか。さっさと俺の服を返せ」
「あのな悠人、ここまで来てそれは無いだろう。それに良いのか、お前だけ上がっても
結局は俺が誰かと鉢合わせになっちまうぞ。勿論、服の場所を教えるのが口止め料だ。
だったら、一蓮托生で美味しい思いをしてみようじゃないか。えぇ、悠人、お前誰が好みだ」
がしりと、光陰は悠人の首根っこを抱えて引き寄せた。
「な、何言ってんだ光陰、そんなこと聞いてどうしようっていうんだよ」
「もしその娘が来たらお前に先に見せてやるって話だよ。オルファちゃん達なら俺が先だがな」
「見る事前提で話をすすめてるんじゃない!いや、もうそれじゃ狙ってやってるってことじゃないか!」
「いいや、あくまでも偶然の産物だ。お前ばっかり良い思いしやがったらしいじゃないか、
俺にもそんなドッキリハプニングを体験させろこの野郎!」
ごろごりと、ヘッドロックの状態から悠人の頭に拳を押し付ける光陰。
さすがに我慢の限界がきたか、悠人は振りほどこうと暴れ出す。
「それが本音かよ!俺だって好きで風呂入ってるときに飛び込まれてるんじゃないんだぞ!
離せバカ!桶でも何でもいいから、それで隠してタオル持ってきてもらうからな!」
必死に立ち上がって湯船から上がろうとするがそう簡単にはいかなかった。
「させるか、いいから静かにしてろ、誰も入ってこないだろうが!」
光陰も立ち上がり、悠人を湯船に引きずり込もうと奮闘する。
「浴場は遊び場じゃないんですよ、何を騒いでいるんですか!!」
とそこに第三者の声が響き渡った。びくりと、光陰と悠人の動きが止まった。
深さの無い湯船から立ち上がり、硬直した二人の体は同じく目を点にしたエスペリアの目に
その全てをさらけ出していた。
「あ……、も、申し訳ありません、どうぞ、ごゆっくり!」
戸を開けた時と同様に、唐突にエスペリアは去っていってしまった。
「ま、待ってくれエスペリア、何か絶対思い違いしてるだろ!」
「くっ、まさか一方的に見られるパターンは想定外だった。
次回はさらに考えを深めておかないとな」
「そんなこと心配してる場合じゃないだろ、いいから服を返せこのバカ!」
悠人の叫びも虚しく、またしても悠人は心に傷を負い、
エスペリアは先ほどの光景に今までに植え付けられた知識に無い世界を垣間見、
光陰はさらなるイベントに向けて考えをめぐらせるばかりであった。
って、野郎しか出てないじゃないか……orz
全くもって申し訳ない。
マロリガン時代の光陰は、上のとは打って変わってストイックの塊だったと想像してみる。
スピリットは訓練のみを施してそれ以外には一切関わらず、好みのタイプのスピリットが
いても眼中にない感じで、今日子のみを献身的に支えている。
で、そこでクォーリンがなんとか光陰の凍った心を溶かそうと必死になってちょっかい
かけて、いろいろ失敗するんですよ、どじっ娘だから。
そーいう野郎ほど一度弾けると止まらなくなる。
例えるなら……そう、体育会系の人間がエロゲーにハマるみたいに。
スピリット隊というのもまあ体育会系ではあるね。
……エロゲにはまるスピかぁ。
801にハマるスピなら数人いそうだなあ……。
上のエスペリアとヘリオンは確定として、ファーレーンとかも
危険そうだな。
供給源は住職とハリオン。
針音は狙って広めそうな気がする…
俺の中で針音は月姫の琥珀さんとダブってるってのもあるんだろうが……
レスティーナもハマりそうな感じがすると言ってみる
光陰は、おそらく、マロリガンスピリット隊とは生活は別だったのではないかと妄想してみる。
悠人に「こんな美人と一つ屋根の下かよ」とかいってるし(今日子のセリフかも)クェドギンの
客間とかあてがわれてたんではないかなあ。
妖精趣味と衆道は、ファンタズマゴリアにおいてどっちが禁忌的なのだろうか。
獣姦≒妖精趣味か
リアルドール趣味≒妖精趣味
ってとこでしょ
戦車とか戦闘機にハァハァする人みたいに見られるんじゃないかな?
衆道は許容されてそうだね
ほら、ラキオス王とかそれっぽい顔s(ry
戦争してるしさ
戦時中、普通の兵士や騎士は欲求のはけ口を同姓で我慢してるのに
スピ隊隊長は人外とは言え美少女ハーレムで処理出来るから
妖精趣味=悪 の価値観が出来たんじゃないだろうか。(w
スピ達はそのまま国の軍事力なワケで、手荒に扱うのは国が許さないだろうし。
スピリットを見下したりしているのは
ハイペリア(地球)での肌の色の違いとか下らん理由での差別、もしくは劣等感でしょ?
ソーマはともかく、妖精趣味の団体(イオタンが酷い目にあってたトコとか)が
摘発されないのはどうしてなんだ、と疑問に思うのですが。
その価値観が広まったいきさつには、スピリットにハマりすぎた
隊長がみんな(外見ごと)ソーマみたいな奴になってしまって
各国の軍の品位が問われる事態が頻発してしまったため。
最強の兵を率いる隊長が全員腹を出したオサーンばっか。
331 :
330:04/05/10 00:37 ID:C5iTlpVt
リロード忘れ&連レススマソ
>>329 スピリットの容姿からして需要が尽きる事は無さそうだし、
摘発はされても新しく湧いてきているんじゃないかなぁ、残念だけど。
……供給の方法は、まさか野良スピなのだろうか。
のらすぴモノの続きが読みたくなったじゃねーか
ほんじゃ、ひとつ萌えない小話投入して
のらすぴの人が「萌えってのはこう書くんじゃーっ」と出てきてくれることを祈ってみるか…
>>329 あるいはその団体に政治的な有力者が含まれてたりな。
美少女しか居ないならな…人外ってのさえ気にしなければ。
連中にとっては生きたダッチワイフだろぅ。
……しかし、心を解き放てばハーレム万歳だ、スピ隊隊長。
五人ぐらいに全身嘗めまわさせたり、嘗める場所を一極集中させたり。
「ふむ、やっぱりこれも、か…」
居間で本を読んでいたヒミカは、読み終えてテーブルに置くと独りごちた。
読んでいたのは童話の本だ。前王時代から地理や戦術などの書物を読むことはできたが、戦いに役に立たない書物に触れる機会はまずなかった。
現女王が即位してから様々な書物を手に入れることができるようになり、ヒミカは様々な書物を手配して目を通してみたが、今では子供向けの童話に凝っている。
元々、広範に書を漁り始めた目的が、幼い者たちの心を守る手がかりを求めてであり、童話に最も可能性を見出したのだ。大人向けの物語は人間の日々の生活に根差し過ぎていて実感が湧かないというのもあったが。
体制が変わったとは言え戦時下でもあり、あらゆる書物が手に入るというわけでもない。女王の改革に対する根強い反感も残っている。
現に、これまで手に入れた書物も手続き上は「資料」という扱いになっている。それもあって、極力自室に持ち帰ることなく居間の書架に置くようにしていた。実際にはまずヒミカしか読まないであろうとしても。
ともあれ、それなりの量の童話を読んでみたが、未だ満足のいくものに出会っていなかった。可能性は感じるのだが、どれも何か違うのだ。
その違和感の正体というか何が問題なのかを検討するべく、ここしばらく再読を繰り返していたヒミカだったが、どうやらわかったような気がする。
童話はどれも神話や伝承を子供の興味を引くように描いたものだった。それはいい。だが、大人に都合がいいように子供をしつけようという意図が隠しようもなく鼻につくのだ。それ単独では忌避されがちなものを楽しませながら学ばせようという着想自体は有効だろう。
ふと、戦術の講義をふてくされて受けていたネリーが終了と共にはしゃいで遊びに行く様を思い浮かべて、口元に笑みが零れる。
だが、とヒミカは思う。
そこで押しつけるような真似はいただけない。むしろ却って性質が悪いと言ってもいいのではないだろうか。
これが読む者に考えることを自然に促すようなものなら…そして結論を押しつけたりせず、せいぜい例を示すぐらいであったら……
世界の全ての童話を読んだわけではないが、残念ながらそのような作品は期待できないと敷衍できそうだ。
「童話もだめ、か……」
ヒミカが落胆のため息をついていると、
「あれー、何してるのー?」
「の〜?」
ネリーとシアーが現われた。
「ん? あぁ、ちょっと本を…ね」
そう答えてテーブルに置いていた本を取り、表紙を見せる。
「あ、その本、シアーも読んだよ〜♪」
「あら、シアーも読んだんだ。で、どうだった?」
「うん、わくわくしたり楽しかったりするところもあるんだけど、え〜と、何て言うのかなぁ…違うっていうのか、変な感じがするところもあって…うまく言えないんだけど…」
「そう…わたしも同じ」
どうやらシアーも同じところに引っかかりを感じたようだ。その感性は頼もしい。将来が楽しみだ。
「うー、何だかわかんないよー。あ、読んで聞かせてよ、ヒミカ」
話題においていかれたネリーから抗議と解決案が出た。自分も読むというのではなく読んで聞かせてくれという辺りがネリーらしい。
「え、今? でも、シアーはもう読んじゃってるんだし…」
「じゃー、他の本でもいいよー」
「んー、他のも『何か違う』のは同じで、あんまりおすすめしかねるのよね…」
「あ、そうなんだ〜…シアー、ヒミカさんみたいに読むの速くないから、まだ2冊しか読んでないの〜」
「ブー……そうだ! 何だかわかんないけど、本の話が『違う』んだったら、ヒミカが『違わない』話を作ればいいんでしょ?」
「え!? そんな簡単に…だいたい、目的が変わってない?」
「いーの、いーの。さ、話、話ーっ」
「あのね、そんな…」
そんなこと自分にはできないと言おうとするヒミカだったが、
「…うん、それ、いいと思う。ヒミカさん、たくさん読んでるし、何が『違う』のかわかってるみたいだし、うん。ヒミカさんならできるよ、きっと〜♪」
と、シアーに先手を打たれてしまう。これは…負け、かな…。いつもネリーの思いつきの無茶なところを指摘する役回りのシアーが肯定しているということは、間違ってないんだろうな、きっと。それにしても今回はシアーの結論が出るのが早かった気がするが…。
まぁ、たしかに、無ければ作ればいい、というのは理屈としては正しい。問題はできるかどうか、だが…。
「はぁ。シアーまでそう言うんじゃ仕方ないか。やってみましょ。結果は保証できないけど」
「わーい、やったー♪」
「わ〜い♪」
手を打ち合わせ不思議な踊りをしてはしゃぐネリーとシアーを横目で見ながら、ヒミカはお話を考え始めるのだった。
とはいえ、目の前で待っている以上あまり時間をかけるわけにもいかない。ヒミカはその場の雰囲気と流れに任せることにした。
「あるところに、二人の女の子がいました」
「ね、ね、その女の子って、ネリーとシアーかなー?」
「かな〜?♪」
「さぁ、どうでしょうねぇ……うーん…それじゃ、とりあえずその子たちの名前は仮にネリーとシアーとしましょうか」
「わーいっ」
「わ〜い♪」
「あくまでも本当のあなたたちじゃないからね。このお話に登場する人物や場所などは実在のものとは一切関係ありません」
「それでそれで?」
「で〜?♪」
「その女の子たち…ネリーとシアー…は双子でした。
お姉さんのネリーは明るく活発な子でしたが、よく考えずに行動することの多いお調子者でした。対して妹のシアーは物事をよく考えることのできる聡明な子でしたが、じっくり考えるので素早く決断するのが苦手で人見知りをする子でした」
「…やっぱりシアーたちそっくりだね〜」
「ぶー。ネリー、お調子者じゃないもんー」
「だから、本当のあなたたちじゃないって言ったでしょうが」
「は〜い」
「ぶー」
ま、実際、即興ということで目の前のネリーとシアーをモデルにしてるんだけど、ね。
そんな二人はお互いを補い合うように生きてきました。引っ込み思案になりがちなシアーをネリーがリードし、ネリーの思慮が足りない時にはシアーがフォローする、とても理想的な関係でした。
しかし、いつまでもいつもいっしょでいられるかはわかりません。ある日、シアーがそのことを考えて言いました。
「シアーたち、もう少しひとりでも大丈夫なようになったほうがいいと思う」
「だーいじょうぶだよー、なんとかなるってー」
そう答えるネリーですが、その声にはいつもほどの自信はありません。と、思い出したように、
「それじゃ、他の世界から来たっていうえらい魔法使いにお願いに行こう」
と言いました。その魔法使いのことはシアーも話に聞いたことがあります。二人のいる国にある日突然異世界から現われたというその人は何でもすごい能力を持っているとか。その名をユートというそうです。
その世界には人間とスピリットという二つの種族がいて、国々の間で戦争が起きるとスピリットが戦うのでした。その異世界から来た魔法使いは今ではその国のスピリットを率いて戦う隊長でした。
スピリットである二人もやがては配属され、彼の元で戦うことが決まっていました。そんなわけで、未だ会ったことはありませんでしたが、話には聞いていたのです。
シアーはしばらく考えました。正直、まだ会ったことのないその人のことがちょっと恐かったのです。でも、いずれは会うことになる相手だし。そう結論を出してシアーは答えました。
「うん♪」
こうして、ネリーとシアーの思慮深さと行動力を求める旅が始まりました。
「そのまんまじゃんー」
とネリー。
「でもネリー、シアーたち、配属前にユートさまに会いに行ったりしなかったでしょ〜」
と、こちらはシアー。
「ま、世界とかが似てるのは勘弁して。時間かけて考えてるわけにもいかないんだから。あくまでこの世界じゃないけどね。そういうことにしておかないといろいろ問題があるし」
ヒミカはそう宥めます。ふと見ると、いつの間にか少し離れたところに座ってうっとりと目を閉じて聞き入っているヘリオンの姿が目に入りました。
「それでそれでー?」
「で〜?♪」
二人に急かされたヒミカは視線をヘリオンから二人に戻すと、
「はいはい」
そう言って先を続けることにします。
さて、大魔法使いユートに会うために都へ行くことにしたネリーとシアーでしたが、都は二人がいる街からあまり近いとは言えません。二人は配属へ向けて訓練所での育成期間中の身ですから、街から出るのも一苦労です。
「大丈夫かなぁ〜?」
「大丈夫だよー、なんとかなるってー」
「でも、あとで怒られるよ〜」
「ま、それも魔法使いになんとかしてもらえばいいってー」
「そんなことまでお願いしていいのかな〜?」
「いーんじゃない?」
夜になるのを待って、二人は訓練所をそっと抜け出し、街の人に見つからないように防壁まで辿り着きました。
「さぁってとー、いっくよ〜」
ウィングハイロゥを広げようとするネリーでしたが、
「ネリー、だめだよ〜」
シアーが引き止めます。
「見つかったら敵だと思われちゃうかもしれないよ〜大騒ぎになっちゃうよ〜」
「う゛ー、じゃー、門から堂々と行こう」
「え? 門番さんが通してくれないよ〜」
「だーいじょーぶ、なんとかなるってー」
シアーは不安でたまりませんが、ネリーはいたって気楽なものです。二人が門のところまでやって来ると、案の定、門番にいぶかしまれました。
「何だ? お前たちこんな時間に」
思ったとおりと、シアーはびくびくドキドキです。ところがネリーは平然と答えました。
「秘密の用があるって、都の大魔法使いに呼ばれたのー」
「何? そんな話は聞いてないな…」
「なんか、急な用みたいだよー」
「それを証明するものは?」
「これー」
と、ネリーは何やら封筒を差し出しました。
「軍の指令書か。ふん、まぁいいだろう、行け。そういうことなら何かあっても大魔法使いとやらの責任にできるしな。通さなかったことで後で問題になるよりは楽だろう」
門番は封筒の軍の印を見ただけで中身も見ずに返しました。
「ふーむ…それにしてもなんでお前らみたいな半人前に…」
「ぶー、ネリー、半人前なんかじゃ…」
「ん? 何か言ったか?」
シアーはとっさにネリーの口を両手でふさいで、
「あ、いえ、なんでもないです〜。それじゃ、行きます〜」
もがもがと文句を言おうとしているネリーの口を押さえたまま引きずるようにシアーは門をくぐりました。
門から充分離れたところまで来ると、シアーはネリーから手を離してへなへなと座り込みました。
「もぅ〜、門番さん怒らせたらだめだよぉ〜、ネリー」
「だって、ネリーたちのこと半人前とか言うんだもん。ぶー」
「それに『大魔法使いに呼ばれた』なんてウソ言って〜」
「だって、そうでも言わないと通してくれないでしょー。それに、ネリーが大魔法使いに会いに行くことを思いついたのは、きっと大魔法使いが呼んでるからなんだよー」
「…それってヘリクツにもなってないと思う〜」
「ま、とりあえず街から出られたんだから、気にしない気にしないー」
「それに、あの封筒は?」
「あー、前に訓練師のところに来た軍の指令書の封筒。なんかに使えるかなーと思ってもらっておいたの」
「盗んだんでしょ〜、ばれたら怒られるよ〜?」
「だーいじょーぶ、けっこう前のことだから。もー忘れてるでしょ」
「それに門番さんが中身見なかったからよかったけど、空っぽだってばれたらどうするつもりだったの〜?」
「だーいじょーぶだってー。中身、入れといたからー」
「え?」
ネリーが差し出す封筒を受け取って、シアーが中から紙を取り出して見てみると、
都
とだけ、下手くそな文字で書いてありました。
「…門番さんが中身を見なくてほんっとによかったぁ〜」
街から充分離れて街道が山にさしかかった辺りで、二人は少し森に入って睡眠を取りました。
「妖精たちよ…」
地面を震わせるかのように響いて聞こえる声に二人は目を覚ましました。辺りを見回しても声の主の姿は見当たりません。しかし、そう遠くないところに大きなマナの気配を感じます。
「ネリー、これって龍なのかな〜?」
「う、うーん、スピリットの気配じゃないよねー」
「こんなところで何をしている…?」
ヒミカはここで話を区切ると、
「さて、あなたたちならどうする?」
と、二人に問いかけました。
「やっつけちゃえー」
と、ネリー。予想しなかったわけではないが、この短絡さは将来に不安を覚えてしまうヒミカであった。
「でも〜、龍さん、別に悪いことしてないよぉ〜?」
そんなネリーをシアーが諌める。これまた予想の内だが、やはりほっとする。
「えー、いーじゃん、やっつけちゃおうよー」
「でも〜、龍さんってとっても強いんだよ〜」
「う゛ー」
「とりあえず、話してみようよ〜。龍さんだって話しかけてきたんだし〜」
「わかったよー」
「それじゃ、話してみるのね?」
「うん」
「は〜い♪」
「寝てたんだよー。起こされるまでは」
「って、ネリーぃ〜。あ、あの、シアーたちは、大魔法使いさまに会いに都に行く途中なんです〜」
「ふむ…異世界から来た人間…いや、この世界では人間と呼ぶのも違うか…あの者か…」
「大魔法使いさまを知ってるんですか〜?」
「我はここから動かぬ…あの者がここを訪れたことはない…従って会ったことも話したこともない…だが、この世界に現われたことは知っている…」
「へんなのー」
「我にはマナの動きでそれがわかったのだ…それでそなたらはあの者に会ってどうしようというのだ…」
「そんなのきまってるじゃーん」
「あ、いえ、その〜、ネリーとシアーに足りないものを下さいってお願いするんです〜」
「いつまでも二人がいっしょでいられますようにってゆーのでもいいのかもしれないなー」
「ふむ…あの者が願いをかなえてやれると良いな…それならば、そろそろ旅立った方が良いのではないか…もう陽が昇っているぞ…」
「はい〜♪ それじゃ〜失礼します〜」
「うむ…そなたらに幸いのあらんことを…人間よりも我らに近しき妖精たちよ…」
「龍さんも〜♪」
「あぁ…気をつけて行くが良い…このところ、そなたらとは様子の異なる妖精がこの辺りで動いているようだからな…」
「? はい〜?」
「あまり多くを教えてやることはできんのだ…我の立場上な…」
「なんかケチくさいのー」
「ネ、ネリーぃ〜。あ、あの、龍さん、ごめんなさい〜」
「よい、気にしておらぬ…」
こうして二人の旅は再開しました。街道へ戻ったところでシアーは森を振り返って思うのでした。また、帰りにお話しできたらいいな…。
「うむ…いずれまた話したいものだ…願わくば友として……ふ、このような妖精はいつ以来だろうか…幼さ故か…それとも……そなたらがそなたらのままであらんことを…」
シアーの思いに答えるようなその言葉はしかし、聞かせるためのものではなく、二人の耳にも心にも届くことはありませんでした。
「ぶー。シアーばっかりいいところ持ってってずるいよー」
「(照れ照れ)〜」
「こればっかりは日頃の行…もとい、そういう設定だからね」
「ぶーぶー」
「でもほら、門番をやり過ごしたのはネリーのアイデアだったし。(詰めが甘かったけど)」
「う゛ー」
「まぁ、そのうち活躍することもあるでしょ」
「そっかなー?」
二人が都までの半ば辺りにある街へ近づきました。しかし、その街からはただならぬ騒がしさが伝わってきます。
「!」
そして、戦闘態勢にまでマナが高まったスピリットの気配が四つ。
「シアー、行くよっ!」
「うん!」
二人はウィングハイロゥを広げて全速力で街へ向かいます。もう人目を気にしている場合ではありません。
街へ文字通り飛んで来た二人が目にしたのは、明らかに別の国の所属とわかる三人のスピリットと、二人と同じぐらいの歳と思われる自国のスピリット一人が対峙している光景でした。二人は彼女の側に降り立つと声をかけます。
「加勢するよーっ!」
「します〜♪」
「え、えっと、わたしはヘリオン。あなたたちは?」
「……えっ!? えぇ〜〜〜〜っ!?」
ネリーとシアーから少し離れたところで話に聞き入っていたヘリオンが、突然出てきた自分の名前に驚いて素っ頓狂な声を上げた。
「今度はヘリオンだー」
「だ〜♪」
歓声を上げる二人。
「あ、あのあのあのあのあのっ、わ、わたし、ですかっ!?」
わたわたと慌てるヘリオン。
「あのねぇ、聞いてたんでしょ、これはお話。あくまでも…」
「あっ、そうでした。いきなりだったんでびっくりしちゃいました」
「まぁ、そういうことだから、あなたもこっちにいらっしゃい」
「は、はぃ…」
まだ驚きが収まらないのか手を胸に当てたままヘリオンが側によって来たのを見届けると、ヒミカは問いかけた。
「さ、戦闘よ。あなたたちならどう戦う?」
「敵の編成はー?」
すかさず問い返したのはネリー。
「え? えーと…アタッカーとディフェンダーが緑スピリットで、サポーターが赤スピリット」
「あ、それじゃ、わたしがアタッカーになるのがいいですかね…こ、恐くなんかないですよ? ほんとですよ?」
「待って」
ディフェンダーが緑スピリットと聞いて定石どおりにアタッカーに名乗り出たヘリオンに待ったをかけて、ネリーはヒミカに尋ねる。
「敵のアタッカーの行動回数と最大値は?」
「え、えーと…3と10…」
そこまで考えてなかったヒミカはとっさにそれらしい値を考えて答えた。
「ってことはー、ネリーもシアーもディフェンダーに回ると不利だからー、ヘリオン、ディフェンダーやってねー」
「は、はい…いいですけど、それじゃ攻撃が不利になるんじゃないですか?」
「ふっふーん。ネリーにお任せっ!」
「あ、そうでした。ネリーさん、青スピリットにしては行動回数多いですもんね」
「そーゆーこと。とゆーことで、シアーはサポーターねー」
「は〜い♪」
活き活きとしたネリー。それはいい。いいんだが、それが戦闘というのはどうか…。いや、別に戦闘だけというわけではない。ネリーはいつでも明るい子だ。
活発なネリーのことだ、戦いも体を動かすことの一つとして楽しんでいるのだろう。今すぐ急には無理でも、いずれ相手の命を奪うということの意味を考えさせる必要があるだろうな…。
「ねー、ヒミカー、ヒミカってばー」
考え込んでしまっていたヒミカは自分を呼ぶネリーの声で引き戻された。
「え? あ、な、何?」
「決まったよー。続きはー?」
「わ〜?♪」
「あ、そ、そうね…えーと、どこまでだったっけ?」
「え、えっと、わたしはヘリオン。あなたたちは?」
「ネリーだよー」
「シアーです〜♪」
「さ、話はあと、あと。気合入れて、いっくよーっ!」
彼我の編成を見て取るとネリーは敵に切りかかりました。敵のディフェンダーは防御に優れる緑スピリット。定石なら攻撃回数の多い黒スピリットであるヘリオンがアタッカーになるところです。
ネリーは青スピリットでしたが、並みの黒スピリットには引けを取らないだけの攻撃スピードを持っていたのです。そして、ネリーもシアーも、防御のスピードはありません。
ネリーがアタッカーに回れば、敵のサポーターは赤スピリットですから、こちらのサポーターはアイスバニッシャーを使えるシアーになります。
ヘリオンがディフェンダーになりますが、黒スピリットはディフェンススキルの回数が多いので大丈夫でしょう。ネリーは瞬時にそう判断したのです。
「あ、えっと、それじゃ…(痛いのこわいけど…が、がんばらないとっ)…わたしがディフェンダーしますから、シアーさんはバニッシュお願いしますね」
「うん〜」
戦いはネリー・シアーとヘリオンの連合軍の圧倒的勝利に終わりました。
「改めまして、配属へ向けてこの街で訓練中のヘリオンです」
「ネリーたちも向こうの街で訓練中なんだよー」
「あれ? 都からの援軍の人じゃないんですか? …って、こんなに早く来れるはずないですね」
「ネリーたちは都へ行く途中なんだー」
「あ、あの…シアーたち、自分に足りないもの…ネリーは思慮深さ、シアーは積極性を身につけるにはどうすればいいか、大魔法使いさまに教えてもらいに行くんです〜」
「そうでしたか。この街には戦えるのがわたししかいなかったので、ほんとうに助かりました。ありがとうございます。…そうですか、大魔法使いさまに……あの〜、わたしもご一緒していいですか? わたしは勇気が欲しいんです」
「いーよー、ね、シアー?」
「うん♪」
「ありがとうございます。よろしくお願いしますね。今日はわたしの部屋に泊まってもらって、出発は明日でいいですか? 都へ行く許可を取らないといけませんから…」
「やったね。今日は野宿しなくてすむー」
「…許可、出るの〜?」
「緊急事態の連絡が既に行ってるはずですから、明日には増強部隊が来ると思いますし、事件の報告を伝える役ということでなら大丈夫だと思います」
その日はヘリオンの部屋に泊まって、翌日、無事に報告役を仰せつかったヘリオンと一緒に都へ向かって出発しました。
ヒミカが三人を見るとみんな目をしょぼつかせています。
「そろそろ寝る時間ね…続きは明日にしましょう」
「やーだー、最後まで聞くー」
「聞くの〜」
「聞きたいですぅ〜」
眠気のせいか、ヘリオンまで駄々っ子モードになっている。
「あー、もう、わかったわよ。終わったらすぐに寝るのよ?」
「はーい」
「は〜い」
「はい〜」
早く寝かせるべく、ヒミカは展開を急ぐことにした。
ヘリオンともすっかり打ち解けた二人は楽しく旅を続け、ついに都に辿り着きました。報告役のヘリオンがいますから、城門も何の問題もなく通り、大魔法使いの部屋へと通されました。
そこにいたのは、大魔法使いと呼ばれ一国の軍を指揮する者にしては若い男でした。地位の高い者にありがちな見下す感じや威圧感もなく、むしろどこか頼りなさすら感じさせます。三人が驚いたのも無理はありません。と、ヘリオンが我に返って来意を告げました。
「大魔法使いさま、敵の襲撃の件についての報告に参りましたヘリオンです。こちらが訓練師さまからの手紙です」
「『大魔法使いさま』…か……『ユート』でいいよ。君たちと歳もたいして変わらないんだし」
「いえ、そういうわけには…」
「うーん、じゃ、とりあえず『さま』は我慢しよう。だけど『大魔法使い』はやめてくれ。俺は魔法なんか使えないんだから」
「え?」
「えー? ユート、大魔法使いなのに魔法が使えないのー?」
「そうなんですか〜?」
「あぁ、神剣『魔法』を操る君たちの方がよっぽど『魔法使い』さ」
しょんぼりとしてしまった三人を見て、
「あぁ、君たちは神剣魔法ではできない何かがあるんだね。ま、一応、真実はどうあれ何故か『大魔法使い』と呼ばれる者として相談には乗ろう。だけど、まずは用件を済ませよう」
ユートはそう言うとヘリオンが渡した手紙を読み始めました。
「ふむ。これは警備防衛体勢を全般的に見直さないとだめだな…。それで、助けに現われた二人というのが?」
「ネリーだよー」
「…シアーです〜」
「二人はどうしてそこに?」
「都に向かってる途中で偶然だよー」
「あ、あの…シアーたち、大…ユートさまに会いに行こうと思って、その…街を抜け出して…その…」
「あー…それは今頃騒ぎになってるかもしれないねぇ…」
「うーん、たぶん大丈夫だと思うよー。うちの訓練師の人、けっこういーかげんだからー。……でも帰った時のこと考えるとちょっとねー」
「もう誰かに迷惑かけるようなことしちゃだめだよ。ま、今回はおかげで助かったところもあるから、俺が指示したことにしておくけど。…あーあ、『未来を知ってて手を打った』とか言われてまた『大魔法使い』の偽りの名声が上がっちまうなぁ…」
「やったー」
「ありがとうございます、です〜♪」
「さて、じゃ、取り急ぎ手を打ってくるから、ちょっと待ってて。これが終わったら君たちの相談に乗るから」
そう言い残すと、ユートは部屋を出て行きました。
「…なんだか、優しくていいひとですね」
ヘリオンが感想をもらしました。
「そーだねー。ネリーたちのことかばってくれるみたいだしー」
それを理由に挙げるのはどうかと思いますが、まぁ、ネリーなりに感謝してはいるのでしょう。
「あんまり偉い人って感じしないね〜♪」
「初めて会ったのにシアーがふつーにしゃべれるぐらいにはね。あははー」
「…うん♪」
三人ともユートの人柄に好印象を抱きました。
「それにしても、自分は魔法は使えない、って言ってましたね」
「そーだねー」
「…でも、それじゃ〜、どうして『大魔法使い』って呼ばれてるんだろうね〜?」
「そうですよねぇ」
「うーん」
考え込んでしまう三人でしたが、やがてシアーが、
「……きっと、『魔法』が違うんじゃないかな〜。神剣魔法とは違う魔法…もしかしたら魔法じゃないのかもしれないけど…なんとかしてしまう不思議な力を持ってるのかもしれない…。
シアーたちが都へ行こうと思い立って、そしたらヘリオンさんを助けることができて、この国も助かったんだよね…これもその不思議な力のおかげかもしれないね〜。だから、みんなのお願いもきっとなんとかしてくれるような気がする」
ゆっくりと、考えながら、そう言いました。
「ほぇ〜、シアーさん、すごいですねぇ。それこそなんだか『大魔法使い』みたいですよぉ」
「あぅ、そんなことないよ〜」
「あのねー、シアーの言うことはよく当たるんだよー」
「それなら安心ですね。わたしもシアーさんの言う通りのような気がしてきました」
それからも三人でユートの人物評で盛り上がっているうちに、やがてユートが戻って来ました。
「さて、それじゃ、君たちの相談に乗ろうか」
「あのねー、ネリーたち、シリョブカサとセッキョクセイとユーキが欲しいのー」
「ネリー、それじゃわからないよ〜」
説明になってないネリーの言葉に、シアーが説明を始めます。
ネリーとシアーがお互いを補い合うように生きてきたこと、いつまでもそうして生きていけるのか不安を感じたこと、大魔法使いならどうにかできると思ってお願いしようと思ったこと、あるいはどうすればいいのか知ってるなら教えてもらおうと思ったこと…。
「それで、わたしはどうしても戦うことが恐くて…戦わなくちゃいけないのに、でもやっぱり恐いんです。それで、どうしたら勇気が持てるのかと…」
シアーに続いてヘリオンが説明しました。
「うーん、それを聞いただけではなんともねぇ…何しろ君たちとはさっき出会ったばかりだからなぁ…。とりあえず、ここへ来るまでのことを聞かせてくれるかな?」
とのユートの言葉に、ネリーとシアーの二人が旅立ちから、ヘリオンと出会ってからを三人で、話して聞かせました。
「ふーん、なるほどねぇ…。まぁ、俺が思うに、君たちは欲しがってるものをもう持ってると思うよ?」
「えー!?」
「?」
「そんなことないですよぉっ」
ユートの言葉に三人は納得できません。
「まず、ネリー、君が欲しいのは『思慮深さ』だったかな。君は充分に考える力を持っているよ。敵のスピリットとの戦いでの君の判断がそれを示している。それに、まぁ悪知恵のようなものとはいえ、出発の時に門番を騙したのもそうだ。
あとは普段からそれを活かすだけさ。そう、君に本当に必要なのはむしろ、『落ち着き』じゃないかな。
次に、シアー、君が欲しいのは『積極性』だったね。ヘリオンとはすぐに友達になったんだろう? 初めて会った俺とも普通に話してる。それに、君は恐れることなく龍に話しかけたんだろう? 充分じゃないのかな。
そりゃあ、世の中イヤなヤツはいるし、そういうのを相手しなきゃならないこともある。でもさ、そんなのと友達にならなきゃいけないってことはないさ。ま、礼儀とかは別として、ね。
それでいいんだよ。君に必要なのはそう考えられるだけの『気楽さ』だと思うけどな。
最後に、ヘリオン、君は『勇気』が欲しいと言ったけど、それじゃあ、敵のスピリットと戦えたのはどうしてかな? ネリーとシアーが来なかったら逃げ出していたかい? 違うよね、二人が現われた時、君は独りで戦おうとしていた。それは勇気じゃないのかな?
それに、戦うことが恐いのは当たり前だよ。隊長なんかに祭り上げられて指揮している俺だって戦いは恐いさ。自分の命を失うかもしれないこと、相手の命を奪わなければならないこと、それを恐れるのは当然のことじゃないかな?
それとね、勝ち目がないのに戦うのは勇気とは言わないよ。それは『愚か』でしかないだろう。君に必要なのは、自分の力に対する正しい認識…過小評価の傾向があるようだから、『自信』だと思うけど、どうかな?」
三人はそれぞれ言われたことを考えています。
「…と言ったところで、求めるものが変わるだけで何の解決にもならないよなぁ、はは」
「でもー」
「…たしかに〜」
「あってる気がします、ねぇ」
「さて、それじゃ、呪文を唱えて全て解決とはいかないまでも、ちょっとした心ばかりの贈り物をしようかな。大魔法使いの『フリ』ってやつだね。ちょっと待っててね」
ユートはそう言うと部屋から出て行きました。残された三人はなおも考えています。
「さて、おまたせ」
さほどの時間もかからずに戻って来ると、ユートは机の上に宝石箱を置きました。
「それじゃ、最初はネリーから。おいで」
ネリーを呼ぶと宝石箱を開けてリボンを一本取り出して、ネリーの手首に巻きました。
「何かをする前に、何かを言う前に、まずはこれを見るようにしてごらん」
そのリボンには大きな親しみ易い文字で「あわてるな!」と書いてありました。
「あははははー」
ネリーは大爆笑です。
「さ、次はシアーだよ」
ユートは宝石箱から、紐のついた布製の小さな袋を取り出して、シアーの首にかけました。
「あとでネリーとヘリオンから髪の毛を一本ずつもらって入れておいてごらん。それで、誰かと話すのが恐い時や嫌な時は、これに手を当ててこう思うんだ、『大丈夫、わたしをわかってくれる人はいるんだから』ってね。
そして、これから友達になる相手に頼んで髪の毛をもらえたら、これに入れていってごらん。これに入らなくなる頃には、きっと、もうこれがなくても大丈夫になってるよ」
シアーはその袋に手を当ててみました。
「…あの〜、ユートさまの髪の毛ももらえますか〜?」
「ん? あぁ、いいよ」
「わ〜い♪」
「さて、最後にヘリオン、君には…」
ユートが取り出したのは、ペンダントでした。それをヘリオンの首にかけて言いました。
「これはね、ここがこうやって開くようになってるんだ」
そういって、ロケットになっているペンダントヘッドを開けてみせます。
「ここに、心から信じられる誰かを思い出せるものを何か入れておいてごらん。そして、自信がなくて勇気が欲しいと思った時は、これを握って三回こう呟くんだ、『大丈夫、あの人が信じてくれるんだから、わたしにはできるはずだ』ってね」
ヘリオンは試しにやってみました。まだ中身は空でしたが。
「はい、やってみます。…あ、ユートさま、肩にホコリが…」
そう言ってヘリオンはユートの肩のホコリを払うフリをし、さきほどシアーのために抜いて渡した時に落ちてた髪の毛を取ると、こっそりロケットに入れました。
「さて。部屋を用意しておいたから、今日は泊まって、明日ゆっくり帰るといいよ」
こうして、三人は眠りに就いたのでした。その手に小さな魔法を握り締めて―――
目を閉じて最後の贈り物のシーンを思い浮かべながらお話を語っていたヒミカが、語り終えて目を開けたときには三人は眠っていた。
三人とも手を軽く握って胸に当てているのを見て、微笑を浮かべると、ヒミカは三人をそれぞれの部屋へそっと運ぶ。
三人を送り届けるとヒミカは自分の部屋へ入り、ほどなく出て来てもう一度三人の部屋を巡った。
そして、物語りで渇いた喉を潤すべくお茶を飲もうと食堂へ向かう途中で、ふと立ち止まって振り返ると一言呟く。
「今宵、良い夢を…」
目覚めた時、彼女たちはその手に見つけることだろう…
ささやかで、だけどあたたかな、魔法を―――
ヒミカは食堂で椅子に座り、体も頭も背もたれに預けて天を仰ぐように、しかし目は閉じて、休んでいた。両腕をだらんと垂らして脱力だ。
考えるのは先程の物語りのことだ。即興であった上に何しろ初めてのことだ、決して満足のいく出来ではなかったが、手応えは感じた。
そう、「なければつくればいい」、ネリーの言う通りだ。満足のいくものができるかはわからない。だけど、やってみなければわからないし、結論はやってみてから出せばいい。
「わたしの方が教えられちゃったわね…」
ヒミカの口元に苦笑が浮かぶ。
つと、右の袖をつままれたのを感じて目を開けて見るとナナルゥだ。
「……お話」
と、今度は左だ。
「お話」
こちらはニムントールだった。枕を抱えて毛布を被って、だけどおめめはパッチリ。
いつも隙あらば眠ろうとするくせにどうして…というかいつもは夜どうしてるんだ? つい考え込んでしまいそうになるのを無理やり踏みとどまる。ハリオンといい、緑スピリットの謎は本気で考え始めるときりがない。
ニムントールの後ろにはファーレーン。
「…ファーレーン…あなた…」
「ニムの居る処、わたし在り、です」
「………」
窓辺に目を向けると、我関せずとばかりに独り外を眺めるセリアの姿。だが、その耳は明らかにこちらに……
「……わかった、わかったから、その前にお茶を飲ませて。ハリオン、お…」
「はい〜♪」
皆まで言う前にお茶が差し出される。にこにこハリオンの手で。こいつが一番話をさせる気満々のように感じるのは気のせい…じゃないよなぁ…きっと…
ゆっくりと時間をかけてお茶をすすりながら、ヒミカはめまぐるしくお話を考え始めるのだった。想いを込めて―――
これが、『真の童話を紡ぐ者』ヒミカがその道を歩み始めた契機であり、また、大陸の児童文学の転換点となったのだ。
このあと、ヒミカは理想の童話を追求して創作活動を開始するが、あくまで語りによるものであった。
ヒミカの童話の誕生に立会い最大のファンにして最大の理解者となるシアーの勧めと熱望に応えて、後に本として出版、これが子供たちの間で評判が次第に広がり、ついには大陸で最も人気の童話作家として広く知られるようになった。
この最初の物語も後に『ネリーとシアー の 魔法を求めて』として出版され、これも好評を博した。
今回紹介するにあたっては、現存する中で最も原本に近いとされる『ネリーとシアー の 魔法を求めて』エルスサーオ第二十一版を底本として使用し、
現存するシアーへのインタビュー記の中で最も正確とされる『シアーに聞く ヒミカその人となり』ラキオス第十八版を資料として、可能な限り正確な再構成を試みた。
ヒミカは自分や自作については多くを語らなかったため、我々がヒミカの人柄や創作姿勢を知ることができるのはシアー等関係者に拠るところが大きい。
常々、自作に献辞も後書きもつけなかったヒミカが、『ネリーとシアー の 魔法を求めて』にのみ献辞を設け、
「わたしに童話の可能性を教えてくれ、初めての聴衆の一人でもあった、ネリー、
初めての聴衆の一人にして、わたしの童話の最大の理解者でもある、シアー、
初めての聴衆の一人にして、その豊かな想像力でアイデアを与えてくれる、ヘリオン、
三人に、わたしの出発点であるこの作品を捧げる」
と告げていることを特筆しておこう。
やがて女王がその人気に目をつけたことで、児童文学の分野に限らず有名な『真の童話問答』が行われることになる。
『真の童話問答』については第四章で詳細に紹介・考察するが、ここではヒミカの言葉の内で最もその想いが強く現われている部分を先に紹介しておこう。
「たしかに女王様の御政策はわたしの理想とする世界を実現するでしょう。
この点ではわたしも女王様と同じ方向を向いていることは間違いありません。
わたしの拙い童話が幼き者たちに好評を得ているというのは、何とも光栄なことにどうやらそのようです。
その好評の理由を自ら愚考致しますに、わたしの童話と旧来のものとの唯一つの明らかなる差異、即ち、
読む者に主義・思想を押し付けない、ということに尽きると存じます。
従いまして、仮にわたしが女王様のお望みのような物語を書きましたとしても、
幼き者たちは旧来の童話と同様にこれを好まないでしょう。
そして、その者たちが後に女王様をどのように捉えるか、今一度御高察下さいますよう御願い申し上げます。
かつて、本質的解決のために敢えて苦難の道を選択なさった女王様ならば必ずや、
易きに流れず本道をお選び頂けるものと信じております」
この『真の童話問答』の後から、誰が始めたとも知れないが『真の童話を紡ぐ者』と冠せられるようになる。ヒミカ自身が自らそう名乗ることは生涯一度もなかったが。
以上、第一章ではヒミカの童話創作の始まりについて紹介した。
第二章ではその後のヒミカの創作の軌跡をその創作姿勢を中心に追いかけ考察する。
第三章では出版を機に人気が広がるその過程について分析・考察する。
第四章では前述の通り『真の童話問答』について、特に一章を割いて詳細に紹介・考察する。
第五章ではヒミカの各作品について詳細な分析・考察を行う。
第六章では総括として、ヒミカとその作品群が大陸文学、ことに大陸児童文学に与えた影響についての考察で締めとする予定だ。
『大陸児童文学論大系 第二巻 「真の童話を紡ぐ者」ヒミカ』大陸児童文学会編 第一章
362 :
寸劇の人:04/05/10 09:07 ID:tSXZFzWF
>>335-361 『StoryTellerHimika』をお届けしてみました。
前スレ720にインスパイアされて、即死回避の足しにでも、
と思って書き始めたものの間に合わず、回避祝いにも間に合わず、
前スレ追悼にも間に合わず…_| ̄|○
どうにも『ネリーとシアー の 魔法を求めて』部分が進まずに何度も挫折し、
(総合化で気が抜けていた面もありますが)
それでもどうにか終わらせてみました。やっつけ仕事になった感もありますが。
えーと、あいかわらず誰の話なんでしょうね…
あいかわらず萌えがあるのか疑わしいし…
ついに悠人いないし…(w
えーと、まぁ、その、何かの足しにでもなれば、と……
萌え書き手を召喚する捨て石としてでも……
>>362 寸劇の人さん、G.J.です。偶然リアルタイムで読ませていただきました。ってか、会社遅刻だ(汗
しっかりした設定、お見事です。萌えがないなんてとんでもない♪
ヒミカ童話、セリア編とか難しそうですが、ぜひ続きを読んでみたいです。
こういうのを読ませて頂くととてもいい刺激になりますね。ネリシアで何か書きたくなりました。
>>寸劇の人さん
乙でした。終わる間際にリアルタイムで遭遇してそのまま読みふけってしまいました。
ヒミカさんは、パパとしてだけじゃなくて、ママとしても皆を見守って育てていけるじゃないかと
そんなあたたかい気分にさせてもらいました。改めてGJです。
>>寸劇の人さん
おつかれさまです!
ヒミカの「自分」という物への考え方が
童話作家へとつながっていくのが
イイと思いました。
一ヒミカファンとしてG.J.!!
ありがとうございました。
GJ
とても暖かい気持ちになりました
ロッキングチェアに暖炉という組み合わせがもわもわっと浮んできますね
GJです!
あー、子供のころに見たオズの魔法使いを思い出すな〜
ところで、
| 俺、まだいるよ
\
. ̄ ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
∧_∧
( ´Д`)
____/ /
σ/∴∵/ |
( 野良の人 |
//|.| ̄| | ̄| |
// |.| | | | |
∪ ヽ>. | | | |
| | | |
ヽ) ヽ)
乙だよGJだよ神だよ寸劇の人!
俺の中で今ヒミカフェスティバルがブレイクしてるぜ!
……でも、「捨て石」とか言うのは勘弁な。_| ̄|○
あんたみたいにちゃんと書ける人に言われると、
カンペキに逆効果だよ・゜・(ノД`)・゜・。
確かにこれだけレス消費しといて捨て石はないよな
もっと堂々としてくれ
370 :
寸劇の人:04/05/10 17:07 ID:HQfUTa81
あぁ、ごめんなさい。
「捨て石」は言葉が悪かった&言葉足らずでしたね。
「素材」「呼び水」「レール」「繋ぎ」その辺で読み替えて下さい。
ちょっと今はきっちり書ける状況にないので、それは後でとして、取り急ぎ。
>>335 (童話は結構普通に読んでるけどな・・・)
(頭蓋骨とかユートの文字習得とか、オルファが読んでたりとか・・・)
(すまん、独り言)
ハァー ……脱帽。
いや、その、話が、設定が、その後も膨らんでいくような語り口にため息をつくしかありません。
拍手 パチパチパチ (;´Д`) 人
このスレ見てたら、3ヶ月ぶりにアセリアやりたくなってきたじゃないか、
どーしてくれるっヽ(`Д´)ノ
>>寸劇の人さん
GJです。
ヒミカさんの自分内株が急上昇した感じです。
こんなに母性、保護心のある人だったのですね。
雑魚スピたちのことを知るために、食わず嫌いしないでイービルルートやってくるかな…
374 :
寸劇の人:04/05/10 22:05 ID:RqHALyE0
>>371氏
別に堂々と疑義を呈しても良いかと。
ただ私が食材も軍への請求払いな状況で童話本を買えるかは怪しいと思っただけなので。
「エスペリアとお姉さまたち」のころはともかく。
佳織は完全にレスティーナ管轄だったからかなり融通はきいてたでしょうね。
オルファリルは…読んでた気もするけどあまり覚えてない…
エスペリアが昔のを持っていたのかもしれないし、エスペリア・レスティーナ地下同盟(wかもしれない。
それが第二にも及んでいたかというと私は疑問ですが。
悠人は音だけで文字は投げたんじゃなかったっけ?
まぁ、その辺は私の脳内設定と言えばそうですからね。
ただ、上述の様に余地はあるんではないかな、と。もっと決定的な物を見落してるかな?
それよりは「シアータンの天然分を返せゴルアッ」と言われる方が「ごめんなさい」だったりします。orz
>>373氏
いや、あの、雑魚スピの雑魚スピたる所以は設定もろくに…なので…
えーと、ここ(厳密には前スレ)はそういうところです(w
375 :
寸劇の人:04/05/10 22:12 ID:RqHALyE0
好評を頂いた方々にはありがとうございます。
私の書く話にも萌えに入る要素があるのかもしれませんが、
きっとそれは萌えの範囲としては周縁に位置するのではないかな、と思うのです。
他の方の作品の方が萌えの中心部にあるでしょう。
ことに「『失望』の道行」は「補充スレ」としては王道と言っていいかと。
残念ながら私には中心部な萌えやルートな話は書けそうにないのです。
(敢えてルートと言うなら「ほのぼの家族エンド」へのルートですか…
……ルートとして成立しないような気がしますが…)
かといって、まるっきり無意味というわけでもなく、
想いを膨らませるきっかけ、より強い萌えやルート想像への梯子、
そういった効果を持たせられれば、とは思います。
特に今回は題材が「お話」ということもあって、
かなりスレへのメッセージ性が強くなっていたりもします。
前スレの成長過程を知っている方には言うまでもないことでしょうが、
新しい人もいるように思われますし、これからも来るかもしれません。
そして今は前スレを見ることができません。見れる状態だったとして、
見てくれと言っても「古参ウゼー」と思われて見てくれない可能性もあるでしょうし。
将来、不幸にも設定厳守論に傾いた場合には「話中話」という迂回路の
サンプルとして役に立つかもしれないという側面もあります。
構成自体をそうせずとも「ヒミカ童話ということで」と断るという使い方もあるかもしれません。(w
それやこれやでいろいろと、土台・階段・梯子、その材料、その辺になればという想いです。
…というような解題を自らするのは無粋だし、ぐだぐだになるから避けようと
思ったんだけど結局やってしまった…_| ̄|...○
>>332氏
えーと、まぁ、とりあえず、のらすぴな人達の現存も確認されたことだし、
突き動かすようなネタを振ってみれば書いてくれるかもしれませんよ?
あ、もちろん自分で書いてみるのもそれはそれでありとして。
376 :
332:04/05/10 22:48 ID:Af58CqK1
いや、まあ……書いてみてはいるんですけどね、色々上手くいかないものでorz
童話を話のつかみに持ってくる話は考え中だったりする。ハードモード終わらしてからだなぁ。
なんにせよ……なんか雰囲気が戻ったような気がしないでもないですよ?
378 :
寸劇の人:04/05/11 01:23 ID:cctVSAt7
>>376(332)氏
あ、あなたはもしやっ、生き別れの…じゃなくて、無いけどある御方っ!!
…何だって私はこう……OTZ
って、我が「憧れのSS書き」(前スレ795参照)がどさくさまぎれに何ぶっこいてますか!(
>>368)
…いや、詰まって覗きに来た時スレが低調だと(´・ω・`)ショボーンなのはわかりますよ、
わかるようになりました、寸劇@書いて。私も今回えらい難産で何度退役を…
えーと、何と言うか…ゆっくりでも少しずつ…
…釈迦に説法を重ねてどうする、私orz
>>367氏
そのままというわけではないけどモチーフというかイメージというかとしては正解です。
>>377氏
私がじんわりした話を書いておいてグダグダなレスでぶち壊しにするのもいつものこと…です…ね…_| ̄|○
自戒も込めてあったのに私は何を……∧||∧ウスキネウスキネ...
ファンによるファンのためのアセリアファンディスク
作るしか!
>379
それじゃ、同人じゃんw
「くっ・・・援軍はまだなの?」
目の前で金色のマナに変わっていく敵スピリットを荒い息で確認しながら、
セリアは愚痴ともとれる一言を呟いた・・・・・・
ラキオスが誇る精鋭の一人、『理念のオルファリル・レッドスピリット』。
彼女の不在を狙ったかの様に、所属不明の敵がラースの街を襲撃して来ていた。
訓練所に残されていたスピリット達はまだ戦闘に耐えられる程ではなく、
兵ではスピリットに対して戦力にならない。
戦えるのはたまたま配属待ちだったセリアとナナルゥだけだった。
(敵の狙いは恐らくエーテル変換施設か研究所、もしくは両方。
こちらは二人しかいないのだから、両方は守れない。だけど・・・)
「しかたない、ナナルゥ、貴女は研究所に行って。私はエーテル変換施設に向かう。いい?」
ナナルゥは少しの間セリアを見つめ、こくり、と頷くと研究所に向かって走り去った。
(これでいい・・・)セリアは心の中で呟き、次の瞬間ハイロゥを展開させていた。
逃げ惑う人々。所々で立ち上がる火と煙。
ラースの街は混乱しきっていた。
「なんて酷いことを・・・」
訓練されたスピリット達にとって人を殺すのは卵を割るより容易い。
しかし通常、スピリットが人に手を出す事はないはずだ。
だが今眼下で繰り広げられている惨劇は、間違いなく正体不明の敵によるものだった。
「・・・・・・・くっ」
怒りと焦燥で唇をかみ締めながら、セリアはエーテル変換施設に全力で向かった。
それによって、たとえ辿り着いた時に戦うマナが残って無くてもそうせずにはいられなかった。
エーテル変換施設に降り立ったセリアを待っていたのは敵の猛烈な斬撃だった。
咄嗟に自分から倒れつつ、横にかわす。そのまま門の中に転がり込んだ。
(敵の襲撃はまだ始まったばかりのようね。数は・・・・・・6!)
立ち上がりながら状況をすばやく判断する。目の前には先ほど切り込んできた敵スピリットが迫っていた。
「・・・いやぁぁぁあ!」
流しつつ、残りのマナを全開にして横殴りに払う。カウンター気味の一撃は敵に致命傷を与えていた。
どさっと鈍い音がして、敵スピリットが倒れる。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・」
目の前で金色のマナに変わっていく敵スピリット。
それを目の当たりにして、セリアは初めて自分が初陣だった事を思い出した。とたん、体中を震えが走る。
(あ、あ・・・)何かが抜けていく感じ。
迎撃中は真っ白だった頭に今の絶望的な状況が蘇り、知らず剣を握り締め直す。
カタカタカタ・・・・・・
見ると、『熱病』がうっすらと輝いていた。喜びにうち震える様に。
「くっ、援軍はまだなの・・・・・・?」
セリアは自分を見失わないよう、懸命に強がりを呟いていた。
(どうやらまだ潜入はされていないようね・・・ならこのまま守りを固めて・・・)
混乱からやや立ち直ったセリアは入り口近くの草むらに潜んで敵の気配を探っていた。
どうやら囲まれているらしいが、敵もこちらの人数が判らないでいるのか、まだ動く気配はない。
それはありがたいのだが、しかしこちらから打って出る事もまた出来ない。
先程全力でハイロゥを展開したマナがまだ回復していないのだ。
持久戦は体力的に不利だが、しかし救援部隊を待つという意味では上策のように思えた。
(こちらの気配を悟られないようにしないと・・・。こちらが一人だと気付かれたらおしまいだわ・・・。)
そのときだった。
「ぅぉぉぉおおおおおお!!!!」ドドドドドドドドドド・・・
(な、なに?)
奇妙なアクセントの雄叫び?に思わず身を乗り出したセリアが見たものは、
物凄い勢いで長刀をかかげたまま突っ込んでくる男だった。
「!!!???」
混乱する頭で必死に考える。
(なに?なんなの、アレ?敵の増援?で、でも、それにしても・・・)
そう、それにしても、だった。
突撃してくるソレは、確かに迫力はあった。多分相当なマナの持ち主なのだろう。
だが、その剣技は稚拙そのものだったのだ。いや、剣技などと呼べるものではない。
ただ剣を振り回しているだけだ。あんなものを敵が増援として送りつけるだろうか?・・・・・・
一方、突然の襲撃者に驚いた敵部隊は、動揺して全員飛び出していた。
「そこかっ!!!!」
目標を確認した悠人はなにも考えずにその中に飛び込むと、力任せに剣を振り回した。
桁違いのオーラフォトン。その前では多少の剣技では太刀打ちできる訳も無く、
防ぎそこなった敵スピリットが二体金色の霧と化した。
「・・・すごい・・・・・・・・・っ!」
セリアは既に敵では無くなった男の正体に気付いていた。最近聞いた噂。異世界からの勇者。
(あのオーラフォトン・・・もしかして彼がハイペリアからのエトランジェ・・・
・・・ううん、だけどあの剣技は一体?まるで素人じゃないの・・・)
しかしその時動揺から立ち直った敵の赤スピリットが男に向けて何かを唱えているのが見えた。
剣を振り回すのに無我夢中の男はまるっきり気付く様子もない。
「あぶないっ!!」
思わず不覚にも男に見とれていたセリアは、それでも反射的に飛び出していた。
突然死角から出現したセリアに対して全く反応出来ない赤スピリットが驚いてこちらを向いたが、
完全に無防備だった彼女を倒すのはマナが殆ど残ってない状態でも簡単だった。
しかし、そこでさすがに膝から力が抜けていく。
(ああ・・・・・・)
心が抜けていくような、先ほど味わった感覚をまた感じながら、セリアは地面に倒れていった。
「おいっ、大丈夫か?しっかりしろ!」
体を軽く揺さぶられる感覚。心地よいその感覚に、セリアは意識を引き上げられた。
(・・・・・・ん・・・)
「おい、バカ剣、どうなんだこの娘・・・え?マナが極端に少なくなってるって?
なんとか回復する方法はないのか!あ?おい、こんな時だけ沈黙するな、バカ剣!
くっ、エスペリアもアセリアも研究所に向かっちまったから回復も移動もできない!」
怒鳴り声を訊きながら、セリアは自分が先ほどの男に抱きかかえられている事に気付いた。
(・・・・・・気持ちいい・・・)
先ほど敵を倒した時に抜け落ちていった何か。それが再び満たされていく様だった。
うっすらと目を開ける。男の顔が目の前に広がった。硬そうな髪の毛が印象的だった。
「おっ、気が付いたか?大丈夫?」
「・・・はい。問題ありません。もう少しで回復します。・・・貴方は?」
「ああ、俺は悠人、こっちじゃエトランジェって呼ばれてる。ラキオスからの援軍に来た。
もう大丈夫。研究所も今頃アセリア達が奪回しているだろう。」
(そうか、精鋭部隊が間に合ったんだ・・・良かった・・・)
アセリアの名を聞いてセリアはほっと溜息をついた。
『アセリア・ブルースピリット』、第七位神剣『存在』の使い手がいるラキオスきっての精鋭部隊。
彼女らが来てくれたのなら大丈夫だろう。
神剣の位は『熱病』と一緒だが、彼女と自分とでは実戦経験の差がはっきりしている。
ましてや彼女の部隊には攻撃魔法に長けた『理念のオルファリル・レッドスピリット』、
そして回復のエキスパート『献身のエスペリア・グリーンスピリット』までいるのだ。
そして今自分を抱いてくれている男。エトランジェと名乗っていた。噂は本当だったのだ。
ナナルゥもきっと無事だろう。本当に良かった。
そこまで考えて、ふと見ると悠人が心配そうな顔でのぞきこんでいた。
至近距離で初めて見る異性の顔。吸い込まれそうな純粋な黒い眸。
自分が置かれているシチュエーションに気付いたセリアは恥ずかしさに慌てて飛び起きようとしたが、
しかしやっぱりこのままじっとしている事にした。
先程から感じている心地よさをもう少し感じていたかったのだ。
(まだ充分にマナが回復した訳じゃないしね・・・)
顔に体中の血液が集まるのを感じながら、セリアはそんな言い訳を自分に言い聞かせていた。
「残りの敵は逃げていった。君がいて助かったよ、ありがとう。」
「私はセリアと申します、ラキオスの悠人様。こちらこそ助かりました。
・・・ところで、精鋭部隊の残りの方々は・・・?」
大分落ち着いたセリアはさっきから妙に静かな周囲を気にしながら素朴な疑問を口にしていた。
周りに人の気配が全くしないのだ。
「え?あぁ、皆で研究所に向かっている、多分大丈夫だろう、あいつら強いから。
それにしても俺が言った通りじゃないか、敵は少数だから二方面作戦なんてとりません!なんて
エスペリアは言い張ってたけど・・・」
「・・・・・・は?」
「え?いや、3人は研究所を優先するべきだ!って主張していたんだけどさ、
それじゃこっちが助けられないかもしれないだろ?だから研究所は3人に任せて・・・」
「・・・・・・任せ、て?」
「とりあえず俺一人でもって、飛び出して来ちまった。はは。」
「・・・・・・・・・・・・・・・」
そう言ってはにかむ悠人を、セリアは眩暈がする思いで見ていた。
(精鋭部隊は皆研究所に向かったっていうの?)
(え?じゃあこの人はたった一人でここへ来たの?)
(部隊を抜けてまで?ってちょっと待って、この人本当に精鋭部隊なの?)
(エトランジェっていうのに嘘は無いみたいだけど・・・)
(よく考えたら剣技はまるで素人だし・・・そりゃ凄いマナは秘めてそうだけど・・・
・・・あ、でも助けてもらったのは事実だし・・・ちょっとカッコ良かったっていうか・・・
・・・違う違う、問題はそこじゃないでしょ!とりあえず!)
一人で百面相をしていたセリアは急に立ち上がると、キッと悠人を睨みつけた。
ビックリして見上げたままの悠人にセリアの怒鳴り声が響く。
「たまたま上手くいったから良かったようなものの、もう少し考えて行動して下さい!
あなたはわが国の切り札的存在なんですよ?もしこんなつまらないオペレーションで失ってしまったら
どうするんですか!全く、その程度の腕で、一人で敵に突っ込んで行くなんて・・・!」
一度口火を切ってしまうと引っ込みが付かなくなったセリアは言わずもがなの事まで批難し始めた。
最初は呆然と聞いていた悠人もムッとして反撃を始める。
「なんだよ、その程度の腕で悪かったな!セリアだって見たところ一人じゃないか。俺の事どうこう言える
立場じゃないだろ?それに実際こっちも危なかったんだし、結果的に皆助かったんだからいいじゃないか。」
「私と貴方とは立場が違いますっ!私達はスピリットなんだから、幾らでも補充は利きます。
私一人とこのエーテル変換施設一つ、どちらが重要かなんて考えるまでもありません。でも貴方は・・・!」
「っ!人とかスピリットとか、そんなの関係あるかっ!!!」
「・・・・・・・・・・っ!」
「ごめん、怒鳴ったりして。無鉄砲だったのは謝る。でも、つまらないオペレーションなんて事、言うなよ。
誰かを助ける事が出来るのに、どっちか見捨てるなんてことは俺には出来ない。
それに人もスピリットも関係ない。命より大切な施設なんか、ない。」
訥々と説かれて今度はセリアが黙り込む。軽く唇を噛み締める。
(ちがう、そんなことが言いたいんじゃないのに・・・)
セリアは悔しいのか恥ずかしいのか、よく判らないまま後ろを向き、そのまま歩き出していた。
いたたまれなくてもうここには居られそうもなかった。
「おいっ!ちょっと待てよ!もう大丈夫なのか?・・・」
心配する悠人の一言も、しかしもうセリアには聞こえてなかった。
(バカバカバカバカバカバカ・・・・・)
これがセリアと悠人の出会いだった。
あの気まずい別れから数ヶ月。セリアは相変わらず配属待機状態のまま、
ラースの訓練所で特訓に明け暮れていた。
戦局は激しさの一途を辿っている。龍を倒してエーテルを確保したラキオスはバーンライトに宣戦布告していた。
サモドアに向かって進撃を開始したラキオスのスピリット部隊は
すでにリーザリオを陥落させ、リモドアに迫っている。そろそろ自分にも召集が来るだろう。
ある日ナナルゥが『あの男が部隊長として指揮を執っているらしい』と教えてくれた。
「・・・ふぅん、大丈夫なのかしら、あの腕で。多少は進歩したのかしらね。」
素振りをしながら関心が無い様に努めて振舞うセリカだったがやはり心中が穏やかではなかった。
(あの程度の腕で戦場に行くなんて・・・)
セリアは、それから悠人の戦いぶりを逐一チェックし始めた。
わざわざラキオスにいる予備隊のヒミカに頼み、その戦闘記録を送って貰ったほどだ。
結論からいって、こんなに危なっかしい戦い方は無かった。
龍との戦いはまぁ仕方が無いとして、それ以降の指揮の稚拙さといったらどうだ。
常に自分は危険なところに配置し、リーザリオ攻略にも自ら突っ込んで一度退却している。
細かく見ると敵スピリットの回復魔法を甘く見て、バニッシャーを使える青スピリットを配置していなかったらしい。
「全く、案の定これだから・・・。エスペリアさんももっと助言してあげればいいのに・・・
アセリアは・・・ああ、東の分岐で待機していたのね・・・こんな時に私がいってあげれてたら・・・」
自分ならバニッシャーも使えるし、もっと適切に助言出来るのに・・・とそこまで思ってハッとする。
「やだ、なに考えてるのかしら、私。あんな奴の部隊なんて、命が幾つあってもたりないわ・・・」
わざと大声でそう言った後、どっと地図の上に伏せ、溜息を一つ付いた。
(もぅ、心配ばかり掛けて・・・・・・)
リモドアが陥落し、いよいよサモドアに向けて進撃準備が整いつつある頃、
ラキオス本城からセリアとナナルゥに使いが来た。
当然召集命令だったのだが、その使いがなんと前線にいるはずのネリーとシアーだった。
「貴女達、どうしてラースに?それに戦況は?サモドアに向かったはずでしょ?」
サモドアに向けての進軍ルートはリモドアから直接南下する方法と
ラセリオからサモドア山道を抜けていく2ルートあるが、
リモドア陥落に主要部隊を殆ど投入していた以上、そこから南下するのが自然だ。
それにラセリオからのルートは現在塞がれているはずだし、わざわざラキオスを迂回してまで
使うメリットはどこにもない。
なのに主要部隊の一員であるネリーとシアーがラキオスにほど近いラースにいる事に
セリアが驚いたのも無理は無かった。
「あのね〜、実はね〜」
「ラセリオの道が開いちゃったんだよ!それで敵さんがそっちに来て、
ユートが守りに行くっていうから、ネリー達も付いてきたんだ!」
「そしたらね〜、ラキオスでね〜」
「お前達はラースに行ってセリアとナナルゥを呼んで来いっ!て言って
ラセリオの方へ走って」
「行っちゃったんだ〜〜。」
緩急が妙に利いた説明を聞きながら、セリアはいつぞやと同じ眩暈を感じていた。
「・・・・・・あのねぇ、ネリー、シアー、一応聞くけど。」
「「なに〜〜?」」
「・・・アセリア達はまだリモドアにいるのよね?」
「いるよ〜〜。皆元気だよ〜〜」
「あっ、それでね、それでね、ユートったらカッコいいんだ、あのね、アセリアの手をこう・・・」
「その話は後でね。それで、悠人・・・隊長は、一人で走っていったの?」
「そうだよ〜。先に行ってるって〜〜」
(ああ・・・・・・やっぱり・・・・・・)
セリアはラキオスの南、広大に広がる森を見下ろしながら、全力でウイング・ハイロゥを展開していた。
通常ちゃんとした道を使うとすると、ラキオス経由で南下するしかない。
空を飛べるブルースピリットのセリアだから出来るショートカットだが、それだけにマナを大量に消費する。
実際ネリーとシアー、それにナナルゥとは地上ルートから行くように指示して別れていた。
(でも多分、それじゃ間に合わない・・・もぅ!なんでいつもいつも無茶するのよ・・・・・・)
必死でラセリオに向かいつつ、セリアは悠人に対する苛立ちを隠せなかった。
なぜか『熱病』が共鳴してスピードが上がる。
(そのまま進軍してサモドアを陥とせばいいだけじゃない・・・
その後でラセリオなんかいつでも奪回できるでしょうに・・・)
そこまで考えて、ふとあの時の彼の言葉を思い出す。
『誰かを助ける事が出来るのに、どっちか見捨てるなんてことは俺には出来ない!』
(くっ・・・!大体貴方は一人じゃまだ誰かを助ける事が「出来ない」でしょうが・・・!)
きっとそれは正しい事なのだろう。もちろんセリアだって理想はそうあるべきだと思っている。
(でもそれは、自分達スピリットに対して命じるべき事であって、
決して隊長たる者、ましてやエトランジェ自らが危険を侵してまでするべき事じゃ、ない。)
それにネリーとシアーに先程聞かされた話。アセリアに言っていたという言葉。
『戦い以外の生きる意味』・・・そんな事は戦いが終わってから考えればいいじゃなぃ・・・
交錯した考えを振り払うようにそう呟くセリアの一言は、しかし語尾が微妙にかすれていた。
その頃悠人はラセリオの南、山間に続く道の手前で敵部隊の波状攻撃に晒されていた。
なんとかラセリオへの侵入は防いだものの、退却すれば一気になだれ込まれる。
かといって攻めようにもマナがもう残り少なかった。
「・・・・・・くっ!!」
ガキィィン!
初めて見る敵黒スピリットの攻撃は信じられないほど速くそして多く、みるみる防御力が削られる。
「まったくっ・・・!実はヘリオンって凄いんだな・・・・っとぅ!」
それでも一撃の重さにものを言わせ、なんとか黒スピリット達を倒したところに
赤スピリット達が殺到してくる。
(・・・・・・まずいな)
この無防備状態ではいくら悠人でも魔法を何発もくらえば危険すぎる。
「せめてアセリアかネリー、シアーあたりがいてくれたらなぁ・・・」
今更ながら自分の無鉄砲さに呆れてしまう。自分ひとりじゃ魔法の無効化ひとつ出来ないのだ。
これでは敵スピリットの詠唱が終わる瞬間、自分は間違いなく死ぬだろう。
(ごめんな、佳織・・・)
心の中で謝りながら、悠人は静かに目を閉じた。
・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・
(・・・・・・・・・・・・・・・・・・?)
いつまでたっても来ない敵の攻撃を不思議に思い、
目を開けた悠人が最初に見たのは蒼く揺れるポニーテールだった。
物凄いマナが殺到してくるのを懸命に防いで悠人の前に立ちはだかっている。
「・・・・・・・・・ぁれ?」
「大丈夫ですか、悠人様!まだ動けるのでしたら、今のうちに!!」
セリアは背中越しに悠人に呼びかけた。こんな状態が長く持つ訳が無い。
「え?お、おぅ!」
全力で駆けつけたセリアにはもはやろくにマナが残っていなかった。
さらに複数の攻撃に対するバニッシュなどは訓練でも行った事はない。
それでも火事場の馬鹿力か、必死に打ち消しているセリアの横を、気を取り直した悠人が駆け抜けていった。
「はぁ、はぁ、はぁ・・・・・・やった・・・か?」
全ての魔法を解除され、動揺して崩れた隊列に切り込んだのが結果的にはよかった。
大部隊の敗走は一部隊の恐慌からよく始まるもので、今回の戦いは絵に描いたような敵の撤退に終わったのだ。
疲労で倒れこみそうな体を必死で剣で支えながら、話しかける。
「ふぅ〜。ありがとう、君のおかげで助かっ・・・!」
「 な ん で い つ も 無 茶 を す る ん で す か 、 貴 方 は ! ! ! 」
「・・・・・・・・・・・・・へ?」
そこにはマナを使い切ってヘロヘロになりながらも仁王立ちしているセリアがいた。
「なんでいつもそう考えなしに行動するのですかっっ!!!
貴方が一人ラセリオに来たからってどうなるものでもないでしょう??
どうしてもっていうならネリーとシアーを連れて来ればこんな無茶な戦いにはならなかったはずですっ!!
魔法一つ無効化も出来ない半人前のくせに、一体どうするつもりだったのですか?!!
そもそも前にも言いましたが貴方はご自身の立場というものをもう少し、いえ、かなり考慮すべきですっ!!
いつまでもこんな幸運がそう続くとでも思っているほどノンビリ屋な訳じゃないでしょうっ!!!
全くわたしが間に合ったから良かったものの、なんかあったらどうするんですか!!!
もぅ、いつもいつもいつもいつもいつもいつも心配させて・・・・・・」
最後は半泣きになりつつ延々と続けようとするセリア。
「う、いや、ちょっと待って、いつもってあのさ・・・・・・」
「ハァ、ハァ、ハァ・・・・・・ぐすっ、なんですか・・・?」
鼻をすすり上げるセリアを(あ、ちょっと可愛いな)とか思いつつ、悠人は致命的な一言を口にした。
「ええっと・・・・・・いや助けてもらってなんだけど・・・君、誰?」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・(怒#
ぱしっ!
もうマナが残ってないはずのセリアが放った平手打ちは下手なヘブンズスウォードより強烈だった。
「本当に悪かったと思ってるよ、ごめん、この通りだ。スマン。」
ラセリオ防衛に成功した悠人達は本格的なサモドア攻略への準備を進めていた。
幸か不幸かバーンライト側がラセリオ南下ルートを開いてくれたお陰で、二方面作戦が可能になったのだ。
そこでリモドア方面からは待機しているアセリア達主力部隊が、
ラセリオからは新たに編成した新部隊が進軍することになっていた。
という訳で目下悠人の主な仕事は新部隊の編成のはずなのだが、何故か今はただ平謝りに謝っている。
もちろん目の前には仏頂面のセリア。
あの後怒って行ってしまったセリアが自分の新部隊の配下だったこと、
それになによりラースで助けられた女の子だった事をすっかり忘れていた事をナナルゥから聞かされた時、
悠人は血の気が引く思いだった。殴られて当然だろう。とりあえず謝るために隊長室に呼び出してみた。
そうはいってもラースの時も今回も喧嘩別れみたいな感じだったので呼び出しに応じてくれるか不安だったのだが、
セリアは案外あっさりと隊長室を訪れてくれた。しかしその反応は冷たいものだった。
「・・・いえ、あの事はこちらも怒鳴ってしまって申し訳ありませんでした。御無礼をお許しください、隊長。
それから、隊長がお忘れになっていてもご無理はありません。
あの時は一瞬でしたし、あれから数ヶ月も経っております。た か が 一 ス ピ リ ッ ト の事など
憶えておられる程の事でもないのでしょう。」
「・・・・・・本当にもう怒ってないのか?」
「・・・・・・・・・ ハ イ 。」
「・・・なんだ今の間は?ホントはまだ怒ってるんだろ、忘れてた事。」
「・・・しつこいですね。では一言だけ言わせていただけるなら、もう前回のようなことはお止めください。
私自身は貴方の指揮能力を 全 く 信用していませんが、隊長は隊長です。まして貴方はエトランジェ。
それを失う事の我が国における影響というものを少しは御考慮にいれてから行動して下さい。
御命令があれば、我々スピリットが参ります。
こ れ は 以 前 に も 御 忠 告 致 し ま し た が 。」
「・・・・・・やっぱり根に持ってるじゃないか。しかも一言じゃないし・・・」
( キッ!!! )
「イエ、ナンデモアリマセン。・・・うん、判った、セリアの言う通りにするよう善処する。これでいいだろ?」
「(ピクッ)・・・・・・御用はこれだけでしょうか?」
「いや、とりあえず仲直りがしたかったんだけど、
もう少しセリアと話がしてみたかったというか何と言うか・・・」
照れ隠しに横を向く悠人にセリアは冷たく言い放った。
「・・・・・・サリィセ、ハサキカナラス、ナ、マナケン。ハケサセイシス。」
「・・・・・・え?」
悠人が戸惑っている隙に、セリアはさっさと部屋を出て行った。
注:サリィセ、ハサキカナラス、ナ、マナケン。ハケサセイシス。
(それでは訓練に戻ります。失礼します。) 永遠のアセリア オフィシャル設定集より。
悠人が複雑なヨト語をまだ理解できない事は知っていた。
自分でも気付かないうちにそれを利用して逃げてきたセリアはしかし、
そんな事より今の自分の動揺を扉の向こうにいる人物に気付かれないよう出てくるのが精一杯だった。
(初めて名前で呼ばれた名前で呼ばれた名前で呼ばれた名前で呼ばれた・・・♪♪)
そのまま扉にもたれかかり、胸の前で手を合わせつつ目をつむり、幸せを反芻する。
ちょっと前まで忘れられていた事や、その事でヘコんでいたことなどどこへやら、意外と幸せな性格である。
(それはそれとして・・・)
持ち前の切り返しの速さを発揮して、考え込むセリア。
(指揮能力の欠如は確かだし、無鉄砲な所は危なっかしくて仕方が無い。
どうやら考えを改める気は無いようだし、彼の指揮を鵜呑みにしているのは危険ね・・・。)
いざというときは彼の指揮を離れてでも・・・そんな事を考えながら、セリアは今度は本当に訓練にむかった。
遂にサモドア攻略戦が始まった。ここを落とせばバーンライトは陥落し、
ダーツィ大公国への道が開ける。ラキオス王はまだ言明していなかったが、
王の狙いが龍の魂同盟制覇にある事はスピリット達の間ですら囁かれている公然の事実だった。
それゆえにダーツィ攻略もまた避けられないものであり、
そのための足がかりとしてこの攻略戦は大きな意味を持つものだったのである。
その為ラキオスはその持てるスピリット隊のほぼ全部隊を出撃させていた。
そしてその部隊を二手に分け、ラセリオ、リモドア両町から南下させていく。
ただ、同時に向かっては各個に対応されて苦戦してしまう。
四つに組んでしまえば篭城戦になるバーンライト側が数の上でも圧倒的に有利だからだ。
この後ダーツィとの戦いも控えているラキオスとしては、消耗戦を出来るだけ避けたい。
そこで悠人が考えたのは、ラセリオ方面に敵を引き付けるという作戦だった。
ラキオスの主力はリモドアにいる。つまりラセリア部隊はいわば予備隊なのだが、
これを利用して敵の大部隊を吊り出し、その隙にリモドアの主力が敵本陣を一気に突く、というものだ。
部隊全員に作戦の趣旨が言い渡された時、セリアは
(またそんな自分を囮にするような真似をして・・・)
と不満だったが、今度はまさか彼一人で囮になる訳でもなし、と考え直した。
「ネリー、アイスバニッシャー頼む!」
「オッケー♪ いくよ〜!」
「よし、隊列が崩れた、セリア、切り込め!」
「了解!」
ザシュッ!
どさっと音を立てて敵スピリットがマナに変わっていく。
セリフのやり取りとは裏腹に、敵の攻撃は熾烈だった。
どこにこんなに、と思うくらい次から次へと城から向かってくる。敵も必死なのだ。
最初の戦闘から3日目。すでにラセリアは敵大部隊に包囲されつつあった。
(主力は、まだなの?早く陥としてくれないと・・・!!)
ドォーーーン・・・・という音が時々サモドア方面から聞こえてくる。
しかしセリアには、それは事態の膠着としか思えなかった。
(・・・まだ当分はかかりそうね・・・くっっ!!)
森の中から飛び出てきた黒スピリットの斬り込みをかろうじてかわす。
渾身の攻撃を防がれた敵スピリットはそのままの体勢で、悠人のオーラフォトンに斬られていた。
「なにしてる!セリア、隊列を離れるな!」
「判ってます!今行きます!」
(元はと言えば、自分の作戦ミスのせいでしょ!)
セリアは知らず、呟いていた。
戦闘初期に、こちらのマナの消費を抑えようと、
必要最小限の防御&攻撃で敵を逐一撤退させてしのいでいたのが裏目に出ていた。
一旦撤退した敵スピリット部隊は、サモドアから戻ってくると倍に増えていたのだ。
最初はローテを組んで休憩を繰り返し、マナを回復しつつ戦っていたのだが、
こうなってはこちらもなけなしの戦力を全力出撃させざるを得なくなった。
そうして全力出撃からもう半日。皆のマナ残量を考えても、あと半日持てばいい方だろう。
その間にサモドアが陥落しなければ、こちらが先に潰れてしまう。
そうなってしまっては、戦力温存もなにもない。
「こうなったら、イチかバチか、仕掛けてみるか・・・」
悠人は周りを見回してみた。一番消耗が激しいのはナナルゥだ。
敵をまとめて倒せるのはナナルゥの魔法しかないのだが、その消耗もまた激しい。
シアーとネリーはやはりというか絶妙なコンビネーションで攻撃と補助を交代して行っている。
体力に不安はあるが、ある程度は持たせるだろう。
(あとはセリアか・・・う〜ん、でもなぁ・・・)
和解?の後何となく気になり出した彼女を、悠人は暇を見ては観察していた。
いつも冷たい印象しか与えない彼女が、実に判り難い態度で、
それでも人の事を常に気に掛けているのに気付いてからは、目が自然に追う様になった。
きつい事をいうのも彼女の優しさの裏返しなのだと、悠人はとっくに気付いている。
冷静な判断力を持つセリアはこの考えには適任なのだが、しかし・・・
(セリアにはやらせたくないな、こんな事。)
話せば自分が行くと言って訊かないだろう。だが、こんな危険を他人、ましてや気になる女の子に押し付けるのは嫌だった。
(それにセリアなら、俺がちょっと居ない間もうまく部隊をまとめてくれるだろうし。)
(言えば絶対怒って止めるだろうな・・・・・・)
そう思い黙って森の方へ駆け出そうとした悠人の前に、当のセリアが立ちふさがっていた。
「や、やぁセリア、どうしたんだ、こんなところで?」
「どちらへ行かれるんですか、隊長。そちらは敵正面ではありませんが。」
動揺した悠人のセリフを完全に無視してセリアは問い詰めた。
まさか考えを見透かしてるんじゃないだろうな、と思いながらとりあえず無難な所を答えてみる。
「いや〜、なんていうか、その、ちょっと用足しに・・・」
「なるほど、ずいぶん遠くまで行かれるんですね。そちらにはサモドアしかありませんが。」
「なっ!・・・バカ、別にアセリア達の陽動をなんて考えて・・・」
何とかごまかそうとした口はあっさりと滑らされてしまっていた。はっとして口をつむぐが、もう遅い。
「サモドア平原を抜けて単身敵の側面に切り込む。時機を見て森に逃げ込む。
自分が犠牲になって時間を稼ぐ間に主力がサモドア城に。これで何とかなるだろう。隊長の考えそうな事です。」
「うっ・・・・・・」
一言もない。というか、本当に考えを見透かされていた。とまどう悠人に、小さく溜息をついたセリアが続ける。
「・・・・・・私も同じことを考えていましたから。でも前にも何度も言いましたよね?
そういう事は隊長のすることじゃない。私たちスピリットの仕事です、って。また忘れちゃったんですか?」
そう言ったセリアは今までに見た事のない笑顔だった。しかし目はしっかりと悠人を見つめている。
思わず見とれて惚けてしまった悠人にもう一度「もう、しようが無い人ですね。」
そう言い残して、セリアは森の中へと飛び込んでいった。
ウイング・ハイロウは使えなかった。マナの消耗が激しいというのもあるけど、
展開して目立ちすぎ、山道を下ってくる敵に見つかっては元も子もないからだ。
平原中央に出るまでは駆け抜けるしかない。
もっとも草原はあまり深くなく、走りづらいという事はないけど。
今の場合、大切なのは2点。見つからない事、出来るだけ急ぐ事。
自分が抜けたことでラセリオの防御力が低下したことは間違いない。
草原を抜けるまで早くて3時間。サモドアを主力が攻略しきる時間を考えるとギリギリといえる。
そう状況判断を終えると、そっと剣を握る手に力を込める。
使えばマナと同時に精神をも奪われる事はもう知っていた。しかしセリアは迷わず剣に話しかけた。
「・・・・・・『熱病』、力を貸して!」
セリアは限界までスピードを上げて草原を駆け抜けていた。
「はぁ、はぁ、あれね・・・」
きっちり3時間後。セリアの眼前に、敵最終防衛ラインの黒スピリット達と主力部隊の混戦が一望できた。
抜けるような感覚が体中を覆っていたが、それでもどうやら間に合ったようだ。
「いくわよ、『熱病』。ヤァァァァァァ・・・・・」
斬り込むセリアの脳裏に、ふと頼りなさげな隊長・・・悠人の笑顔が浮かんでいた。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉお!頑張れ、皆、あと少しだ!」
言いながら正面に残った一部隊の真ん中に悠人は切り込んだ。
同時にマナを爆発的に開放する。
炸裂するオーラフォトン、それが敵スピリットどころか辺りの木々まで吹き飛ばす。
「はぁっ、はぁっ、はぁっ・・・・・・」
あの後思わずセリアを追いかけようとした自分を、ぐっと押しとどめた。
彼女が自分に託したのはそんなことじゃない。ならまず自分の為すべき事をやろう。一刻も早く。
もちろんセリアは追いかけたい。が、今はダメだ。目の前の敵を倒してからじゃないと・・・
そんな心の葛藤が神剣・『求め』の力を一時的に引き出している事にも今は気付かなかった。
とにかく敵を山道に押し戻す。そうすれば一部隊でもなんとか支えられるだろう。
その一念で押し切った。そして幸いにも悠人のその迫力に気圧されたのか、やがて敵は山道に消えていった。
「すご〜い悠人、敵さん全部やっつけた〜!」「すご〜い、っけた〜」「・・・・・・お見事でした。・・・」
ネリー、シアー、ナナルゥが驚きながら悠人を囲む。やや疲れてはいるが、皆まだまだ元気そうだ。
「・・・何時間、経った?」「え?時間?」「えっと〜なんの〜?」「・・・・・・4時間、です。」
察しのいいナナルゥが答える。セリアが別任務についてから、既に4時間が経過していたのだ。
「・・・・・・よし、まだ間に合う。ナナルゥ、まだやれるか?」
「・・・は?はぁ・・・・・・」
いきなりの質問に戸惑いつつも、ナナルゥは答えてみた。まだもなにも、この状況ではやれなくても戦うしかないだろう。
「・・・よし、ネリー、シアーは?」「ネリー、まだまだいけるよ〜!」「シ、シアーも・・・も〜!」
こちらは何も考えていなそうに答える。実際疲れてないかどうかは見れば判るのだが、
悠人は心遣いに感謝しつつ、頭を撫ぜてやった。
「よし、二人ともいい子だ。・・・・・・ナナルゥ、悪いが後、頼んでいいか?」
えへへ〜と喜んでいる二人を見つつ、ナナルゥに話しかける。
ちょっと悠人の目をのぞきこんだ後、察したナナルゥはコクリと頷いた。
「・・・・・・よしっ!じゃ、ちょっと行ってくる!」
そう叫ぶと悠人は山道に向かって駆け上がっていった。
(セリア、無事でいろよ!)そう呟きながら。
戦いは峠を越していた。不意に死角から現れたたった一体の青スピリットによって、
サモドア城の守備部隊はあっけないほどもろく崩れたのだ。
城の堅固さに攻めあぐんでいたラキオス主力部隊だったが、その動揺を見逃しはしなかった。
あっという間に城内に攻め込み、サモドアを陥としつつあったのである。バーンライトは最早風前の灯といえた。
「よかった・・・・・・これで・・・皆・・・助かる・・・」
一方その頃乱れきった呼吸を抑えて、セリアは一本の大樹にもたれかかっていた。
(ふふっ・・・ついでに、悠人様も・・・ね・・・)
敵に突入してからは無我夢中だった。ただ剣の声のままにそれを振るい、敵を切り崩した。
まるで自分の感覚ではなかった。それはまさに『熱病』に浮かされた様だった。
そして敵が総崩れになったと思われる頃、初めて我に返ったセリアは状況を確認すると、
敵部隊の引き付けつつ平原に逃げ込んだ。もちろんいつまでも平原にいては
自分の姿が丸見えだから、早々に森に入るつもりだった。しかし、異変はそこで起きた。
体が急に重くなったのだ。いや、正確に言うとマナが圧倒的に足りてなかった。
それが剣に身を任せて戦い抜いた代賞だと気づいた時、セリアは敵追撃部隊に囲まれていた。
どうやって囲みを抜けたかはもう憶えていない。
ただ、森に駆け込んだ時にはもはや立てそうもなかった。
サモドア平原の西に長く伸びる森の中。敵はもうすぐそこまで迫っていた。
(城はもう陥ちたと思うけど・・・しつこい連中ね・・・)
マナの消耗はもはや致命的なものかも知れなかった。うっかりすると意識が落ちそうになる。
「でも、もう、いいや・・・」
仲間の姿が順に思い浮かぶ。彼女達を守れた事が嬉しかった。満足だった。
「私の生きる意味・・・戦い以外ってのはなかったけど・・・見つけたし・・・」
誰にも言わなかったが、以前ネリーから聞かされた悠人の『戦い以外に生きる意味』というセリフ。
そのセリフの答えを、セリアは機会ある度に考え続けていた。そして見つけていたのだ。
それは皮肉な事に、ずっと否定していた悠人の言葉だった。
『人とかスピリットとか、そんなの関係あるかっ!!!』
そう、人とかスピリットとかは、問題じゃなかったのだ。
『誰かを助ける事が出来るのに、どっちか見捨てるなんてことは俺には出来ない。』
そう、人とかスピリットとかじゃなく、ただ「悠人」を守りたかったのだ。
ただ、不器用だったから、戦いでしかそれを行うことが出来なかっただけ。
ただ、不器用だったから、その想いをうまく伝えられなかっただけ。
(・・・それだけが、心残り、かなぁ・・・)
「・・・まぁ、伝えられたとして、何を期待する訳でもないけど。彼って節操ないし♪」
意識して「彼」と口にしてみる。気恥ずかしさと悠人の優柔不断っぷりを思い出し、セリアはクスッと微笑んだ。
(いいよね、今くらい少し幸せな気分に浸ってても・・・)
死を目前にして、セリアは不思議なほどの幸せに包まれていた。
セリアが幻聴を聞いたのは、その時だった。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉおおおおおおおお!!!!!!セーーーリーーーアーーーー!!!!!」
「・・・・・・え・・・・?」
ドカッ!バキッ!・・・・ズゥゥゥゥゥゥゥン・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・シーン・・・
(・・・・・・・・・・・?)
何が起きたのか、とセリアが考える間もなく、森の奥から悠人が飛び出してきていた。
「セリア、無事か!!!」
懐かしい声。たった数時間聞いていなかっただけなのに。
幻聴ではない証拠に、悠人はおもいっきり抱きしめてくれている。
「おい、大丈夫か、しっかりしろ、おい、セリア!!」
「・・・・・・・・・あ・・・・・・」
暖かいものが体中に流れ込んでくる。懐かしいマナ。そう、それはあの時ラースで感じたもの。
幸せの正体を、今改めてセリアは実感していた。
ゆっくりと目を開ける。ほら、やっぱり、ラースの時と同じだ・・・。
「馬鹿野郎!こんなになるまで・・・人がどんなに心配したかと・・・よかった・・・無事で・・・」
心配を全体で表しているような悠人の顔がいっぱいに広がる。相変わらず硬そうな髪の毛。
印象的だった眸はしかし気のせいか、泣いている様にも見えた。
「悠人・・・・・・様・・・どうし、て・・・?」
精一杯理性を動員して「様」を付ける。先程までの妄想?と現実を懸命に区別しつつ、セリアは訊ねた。
軽く赤くなった目を擦りつつ、悠人が答える。
「あ〜〜、あれからなぜか敵が山道に逃げ込んだんで、それを追っかけてきたら、たまたま、な・・・」
そっぽを向いてしまった悠人を優しく見つめつつ、セリアは経緯を理解した。
自然な嬉しさで体中が一杯に満たされていく。
(そっかぁ・・・追いかけてきてくれたんだぁ・・・ふふふっ・・・もぅっ・・・また無茶して・・・・・・え?無茶?)
経緯を理解したセリアはしかし、幸せな気分が長続きしなかった。或いは経緯を理解しすぎたのかもしれない。
急に真顔になったかと思うと、どこにそんな力がと思える勢いでセリアは立ち上がっていた。
そして振り向きざま、突然のセリアの異変に呆然としている悠人を睨みつける。
「・・・・・・それじゃあ悠人は部隊を放り出してきたの?あれ程言ったのに・・・」
ぷるぷる震え出すセリアに思わず腰が引けつつも、懸命に弁解しようとする悠人。
「いや、だってそれはだな・・・。いいから少し落ち着けセリア、なんだかタメ口になってるぞ。」
タメ口になっているセリアもセリアだが、
その言葉自体セリアは知らないだろうという事をすっかり失念している悠人も充分動揺していた。
「なんで来るのよ!!部隊長がその責務を放ったらかして、たかが一スピリットを助けに来るなんて!!
信じられない!!もしこれで指揮系統が乱れて部隊行動に影響が出てしまったらどうするんですか?!
ってこのセリフももう何回言ったか分らないわ!ねぇ悠人、私一体貴方に 何 回 言 っ た の か し ら !!」
すると聞く耳を持たないで矢継ぎ早に繰り出すセリアの言いたい放題に、悠人もついカっとなってしまった。
いきなりセリアの両肩を抱きしめると、驚くセリアに大声で怒鳴る。
「セリアがいつも自分より皆を優先して考えてる事は知ってるよ!!
自分を犠牲にしても、守ろうとしているのも知ってる!
でもそんな奴をほっとけるわけ、ないだろう!
人とかスピリットとか関係あるか!
そんな優しい娘を犠牲になんかしたくないんだよ!
そんな優しい女の子、ほっとけるわけ、な、い、だ、ろ・・・・・・う・・・・・・」
しーーーーーーん・・・・・・・
じーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー・・・・・・・・
(うっ・・・・・・)
怒りにまかせて洗いざらいぶちまけていた悠人が正気に戻ると、セリアにじっと見つめられていた。
(う、うわぁ〜〜〜、な、何言ってんだ、俺〜〜〜)
耳まで赤くなっているだろう。なんとなく首筋まで暑い気がする。
激しく後悔するがもう遅かった。やけくそでセリアに後ろを向き、歩き出す。
「じゃ、じゃぁな!言われた通り俺は部隊に戻る!すぐにハリオンをよこすから、じっとしてろよ!!」
数10分後たどり着いたハリオンが見つけたのは、茹ダコのまま硬直しているセリアだった。
バーンライトが陥落してから数日後。セリアは隊長室の前に立っていた。
「・・・・・・はぁ。」
あれから悠人とは一度も話す機会がなかった。
悠人はサモドアの町の混乱を収めたり、来るべきダーツィとの戦いに向けての準備で多忙を極めてたし、
セリアはハリオンのお陰で回復したとはいえ神剣に呑まれたマナの回復は、やはり容易ではなかった。
それでももう大丈夫だと思える程回復した今日、いきなり隊長室に呼び出しを受けたのだ。
セリアが伏せている間、悠人は一度も見舞いには現れなかった。
もちろん仕事が山積みなんだろうし、冷静に考えるといちいち部下の見舞いに行く義務は悠人にはないのだが、
なんとなくそれが拒絶の意思表示な気がしてセリアは寂しかった。
コンコン。そんな事を考えつつ、思い切ってノックしてみる。すぐに返事があった。
「どうぞ〜。開いてるよ。」
「失礼します。隊長、なにか御用でしょうか?」
緊張しつつ、用意してきたセリフを言う。よかった、つまづかないで言えたようだ。
「あ、ああセリア、話があるんだ。ちょっといいかな。そこに座って。」
「はぁ・・・・・・」
なんとなくボンヤリと悠人の顔を見ながら、大人しく座る。同じように座った悠人はあ〜、あのさぁ〜などと呟いていた。
なぜか彼も緊張しているようだ。どうやらなにか重要な事を話そうとしているらしい。
(なんだろう・・・・・・)
不思議に思ったセリアが自分から訊いてみようと口を開きかけた時、
いきなりこちらを向いた悠人が一気呵成に畳み掛けていた。
「単刀直入に言うぞ。俺は今までの考えを改めようとは思わない!
守りたいものは守る。でも自分を犠牲にしてなんてことはもう考えない!
自分も守る。部隊も守る。もちろんセリア、お前もだ!
で、俺一人じゃ全部はまだ守れない!だから、セリアにはいつも俺の部隊にいて欲しい!!
どうだ、なんか文句あるか!」
「・・・・・・・・・・・・」
言いたいことを言ってそっぽを向いてしまった悠人にあっけに取られながら、セリアは考えていた。
(ああ、この人も私と同じなんだ・・・・)
そう、同じ。だけどこの人は私も同じ考えだと知っていてなおその上を要求している。
「自分も」守る事。自分を守らなければ、例えばこの人はまた自分の命も顧みず、無茶をするだろう。
それが嫌ならば自分を守れ、そう言っているのだ・・・・・・
「ぷっっ!!くくく・・・・・・」
「えっ?お、おい・・・・・・・」
「ふふふふふふっ!ふふふふ・・・・・・・」
「おい!おいって!俺は真面目にだな・・・」
あまりにも子供っぽい要求。だがそれがいかにも悠人らしくてセリアには可笑しかった。
事態が飲み込めずおろおろしている悠人が愛しい。
そう、愛しい。ああ、そうなんだ、愛しいと死ぬわけにはいかないんだなぁ・・・
しかし、そこで思い直し、必死で真顔に戻る。そうだ、死ぬわけにはいかないのだから、
悠人にはもっとしっかりしてもらわなければ。今ここで折れて、甘い顔を見せる訳にはいかない。
想いを伝えるのは戦いが終わった後でも遅くはない・・・
「ソゥ、ユート!」
いきなり立ち上がってそう叫んだセリスに悠人も慌てて立ち上がる。
「え?え?なんだ?俺、また変な事言ったかな・・・?」
だから今は少しだけ。少しだけ伝えよう。あとはそっと胸にしまって。
「カミテク、・・・ヘリムカイシス・・・ルゥ。ソゥ、ユート♪」
にっこり笑って弾むように部屋を出て行くセリアを、悠人は呆然と見送るしかなかった。
ーあとがきー
スレ30余り使ってのこの拙作、いかがなものかと自分でも思いますが、セリアルートを、書いてみました。
感想・誤字脱字某マジック等、ご指摘が御座いましたら幸いです。
雑魚スピ的には最も影が薄(ry と思われるセリア嬢ですが、
実は感情豊かな娘なんじゃないかなぁとか思ったのがこのSSの発端でした。
そんな時偶然?イビルルートをプレイしていた時(いや、イビルとノーマルの分岐点を探していただけで
他意はないです、ホント。結局途中からどうしても悠人のマインドが上がらないことを確認しただけでした
が)セリアが悠人の指揮というか人格を全く信用していないことに気付き、
なんか嫌う理由があったはずだっ!と妄想を膨らませたのがこのSSです。
このSSはノーマルルートな訳で、なんだか微妙に話は矛盾してますが、要するに
「自分を犠牲にしてまで人を助けるのは自己満足だ」という一般論と
「人とスピリットに差別なんてない」というアセリア本編での悠人の持論?が
上手く融合して伝わってれば、なんてこと思ってます。
ヨト語についてですが、「永遠のアセリア・オフィシャル設定集」の用語集を見ながら
自分で作ったもので、英語もろくに出来ない自分としてはかなり怪しいものです(汗
こちらの方も間違い等御座いましたらご容赦願います。
あと、ラースにエーテル変換施設はありません。こちらは完全な創作ですが、
まさか敵が訓練所を襲うわけもないのであえて作りました、すみません(汗
それでは最後までお付き合いいただいた皆様、有難う御座いました。
注:カミテク、・・・ヘリムカイシス・・・ルゥ。 (少しだけ・・・・惚れ直しました♪)
410 :
エロ大王:04/05/11 23:29 ID:7KQqen9V
うおおおおおおおお!!!
激しくGJ!!感動した!!良く書いた!!!
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>前スレ561さん
GJ&乙でした!
何というものをリアルタイムで投下してくださったのでしょうか、
読みながら頬が緩み、固唾を飲み、また悶えると忙しいことこの上無かったです。
1時間半もよく頑張ったGJ!!(そっちかよ)
これから読んできます〜
本当にここはいい職人さんに支えられてるなあ
ええ話でした。セリアはじつは世話焼きタイプか……なんかいつもギャーギャー言い合って、
まわりが「やってられんわ」とかいいそうですな。仮面の下の脆さってやつも表現してくれると
さらにGJです。続き期待。なんか悋気丸出しになりそう。
正直すまんが、スピリットのセリフ内では、悠人→ユートですね。あとバーンライト王国首都
「サモドア」陥落時にあのイベントがあるわけでして――――それが >409あとがき の「矛盾」
ならクモノーナイスルス。
>前スレ561
すげえ……きちんと時系列で追いつづけて話を展開させるとは。
悠人とセリアの変化とか会話がとてもいい。
お疲れ様でした。大作にサンクス!!
早速の感想・御指摘有難う御座います。
それなりに試行錯誤した作品なので、読んで頂けるだけでも嬉しいのですが、
やはり反応があると励みになりますね♪
>>410>>412 褒めすぎです(汗
リアルタイムで読んで頂けて、有難う御座いました!雑魚スピ萌えの足しになれてたら幸いです。
>>413 実はテキストのコピペや連続投稿規制よりも改行制限の方が難敵でした。
V-11あたりはその辺のところ見え見えです(汗
>>414 感想有難う御座います。自分としては「ツンデレ」を表現しようとしたのですが、
どうも途中からセリア自身一人歩きを始めてしまってあんな感じになってしまいましたw
ファーレーンの時もそうでしたが、どうもキャラの壊れっぷりをどこかに入れないと気がすまないようです(笑
御指摘の「矛盾」ですが、まったくその通りです(爆 なので、デフラカナラスw
このSS後にイビルルートだと全く話が合わないので、あくまで「セリアルートの補完」と捕らえて頂ければ、と(汗
「悠人」ですが、これはあえてセリアにだけ本来の“アクセント”で言わせて見ました。
ヒロインという位置づけだけではなく、セリアは「ユート」ではなく「本名」を呼んでみたいのではないか、と。
自分が名前を呼ばれて浮かれた様に。上手くいえませんが、そんな感じです。
あと、続編ですが、今のとこムリです、すみません。実はもともとこのSS自体、三部作なんです。(バレバレ?)
実際この三倍強の容量があったのですが、自分が読み手だとしてもそんな長いの読む気がしないと思い、
縮めて発表しました。また、この後といっても多分セリアと悠人のバカップルぶりが発揮されるだけwで、
せいぜい悠人がエターナルになる決心を付けるところ以外ネタが思いつかないというのが正直な気持ちです。
>>415 有難う御座います。自分には過ぎるほど好意的なレスばかり頂いてホント恐縮ですが、
これもひとえに拙いSSを書き続けても温かく見守ってくれたこのスレ住人の皆様のお陰です(ペコリ)
あと個人的に、「会話がとてもいい」っていうのは最高の褒め言葉です!
寸劇の人、前スレ561氏、力作長編乙です。
ところで、2chへの分割投稿はやはり莫大な時間と手間がかかるようですね。
(連続投稿規制やら1レス2KBまで、etc…)
まあ、長編SSの投稿なんて頻繁にするものではないにしろ、それがまだ見ぬ
力作の投稿に二の足を踏ませることになってる可能性も……
で、どうでしょう、レスが20や30を超えるような長編は保管庫の方に投稿して
もらって、こちらにはSSのリンクを張れば済むように、という以前の提案の
繰り返しになりますけども。
あちらは1レス4KB使えますし、連続投稿規制も設定しない限りは心配無用です。
以前は「スレが寂れるかも」という指摘がありましたが、SS本編だけ保管庫に
置いて、感想はこっちのスレに書いてもらうようにすれば、スレの流れをそれほど
阻害することもないと思いますが……
P.S.
次のバックアップは5月下旬頃の予定ですので、もし誤字脱字の改訂等ありましたら、
保管庫の連絡スレまでご一報下さい>寸劇の人&前スレ561両氏
>>416 セリア最萌えの一人としてはバカップルぶりが激しく読みたいw
>>416 ネ申もつかれ。
程よいツンデレでGJですたよ。
願わくばこのままセリアエンドまで(ry
>>417 この手の議論はあんまりしたくないんだけど、やっぱりSSが投稿されてこそのSSスレだしねぇ。
家帰って、ギコナビ開いて新着レスが大量投下されてる瞬間が漏れの心を支えてるので、
職人さんに負担をかけるようで心苦しいけど、ここはやはりスレ内に投下していただきたい。
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| ●
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>417 保管庫管理乙です。第三、第四幕の収録ありがとうございました。
>保管庫に投稿
ネタ会話が交されている時に本スレにSSを投稿するのが躊躇われたり、
後ろに流したくない連絡がまわっている時には有効だとは思うのですが、
ふと本スレを開いた時にSSで、リアルタイムかそうでないかに関わらず、
すぐにスレが伸びているのを実感できるのは本当に活性化に繋がっていると思われます。
長編投稿をする手間に関して、私は気にする事が無かったために上記のように思うのですが、
確かに長編はバックアップにも大変な手間がかかってしまう事を失念している意見である事が挙げられます。
ですがそれを踏まえても、投稿を発見した時には活性化が進んでいると思っておりますので、
たぶん今の段階では、まだ直接投稿するほうがメリットが多いのではないでしょうか。
それでは失礼します。
あれ、リロードしたら
>419さんと似たような意見になっていましたが、
まあそう思う人は結構いるということでよろしくお願いします。
423 :
414:04/05/13 00:35 ID:dzrUH5LP
>>416 >>「悠人」ですが、これはあえてセリアにだけ本来の“アクセント”で言わせて見ました。
>>ヒロインという位置づけだけではなく、セリアは「ユート」ではなく「本名」を呼んでみたいのではないか、と。
おおぅっ!? そんな深謀があったとは……浅薄なオレには読みとれんかたよ _| ̄|○
「矛盾」は、そういえば、ゲーム内では本来あのイベント時点ですでにセリアは合流してるわけだし……また読
みとれんかたよ (ウトゥ
しかし本来3倍って……さらにツンデレセリア分が満載ッ? 今我々は帝国以上の脅威に直面――トマハスゥ。ミロセテン、ラ、コスカ。
>>保管庫様
SSの投下場所変えると、小ネタ系のSSとか一発ネタetc、
SSとして投下していいものか微妙な作品が行き場に困ると言う事態も起こりかねないので、
SS、ネタ、その他感想は全てSSスレへ、保管庫へ意見はの保管庫へ
って感じで住み分けはきちんとした方がいいと思うのです。
って、言ってる傍からここに書いてる時点で説得力無いんですがw
>>前スレ561様
GJ杉です。
激しく身悶えしますた。
同様にセリアエンド楽しみにしてます。
ところで昔意見出てたアセリア関連の壁紙、画像うぷ板。
まだ無いようだったら作りたいんですけどいいでつかね?
そろそろ視覚的な萌えも欲してきたのでw
425 :
424:04/05/13 00:44 ID:hiLz5ilF
おっと、書き込んでる間にスマソ。
セリアってツンデレ?
>>ところで昔意見出てたアセリア関連の壁紙、画像うぷ板。
>>まだ無いようだったら作りたいんですけどいいでつかね?
いいですね。
ここは賛否の分かれるところかもしれませんが個人的には賛成です。
画像板や壁紙を欲しがってた人は結構前からいるので(w
とりあえず賛成挙手 ノシ
ノ
ノノ
はーい
)ノシ
まぁ、いいんじゃない?
ノ
巻き添えアク禁から復帰〜。というわけで亀長だがスマヌ...
場所の話は結論付いたようで、それはそれでいいとして。一つだけ確認。
ここは「SSスレ」じゃないよね?
どうしても大ネタへ目が行きがちだけど、小ネタや雑談が大ネタを生み育ててる。
そう、小ネタのたった一言がお話を生むこともある…
ただの「アセリア専門SS投稿スレ」だったら今の姿はなかったんじゃないかな、と。
ま、言葉尻と言えばそうなんだけど、小ネタが死ぬのを恐れて過慎重。
>前スレ561氏
乙&GJ!
そのケはないのに ヘヴンズスォードより強烈な平手打ち くらってみたく…(w
キッツイ皮肉もイイ!…ってすっかりそっちのケじゃ…orz
ついにセリアにも神が現われましたな。(…そういやあの方はどうしてるんだろ?)
もう、この調子でネリシアもよろしく、と託して私は安心して退えk
>無いけどある方
またネタモードテンションでレス書いてしまって申し訳ない。
でも、あなたのアレがなければ私が今ここにいなかった可能性が高いのは本当なので。
何と言うか、ちょっと珍しい傾向に過剰に反応してるんじゃないかと思ったり。
いや、エロゲSS方面の傾向なんて知らないですが、憶測で。
<絵方面
とりあえず作ってみて問題が起きたらその時考える方向でいいかと。 ノシ
寸劇の人、信頼の人 乙です!
素晴らしい物語を読ませていただきました。
ありきたりな感想しかいえないけど、応援だけでもしたくて思わず書き込んじゃったよ!
ちょっと遅めかもしれませんが、画像板賛成です ノシ
…えーと、そろそろ結論に入っていいんでない?
多分、点呼と違ってそう人数出て来ないと思われるし…
437 :
424:04/05/15 03:59 ID:mMB/KTmI
>>436 え、、、まだ結論出てなかったのですか、、、!?
じつはもう用意済みだったりするのですがw
ま、反対意見もないようなのでこのまま強行しませうヽ( ´ー`)ノ
>>433様の言うとおりなんか起こったらそん時改めて考える方向で。
>>432 良さげな感じですけどいかんせん鯖が完全に落ちてるようでキャッシュしか拝めませんですた( ´・ω・`)
とりあえず軽めのPHP型を導入してみたんですが、現在過去ログが残せないというトラブルが発生してるので
公開はもう少々お待ちを。
438 :
424:04/05/15 04:51 ID:mMB/KTmI
439 :
424:04/05/15 04:53 ID:mMB/KTmI
>>439 _、_
( ,_ノ` ) n
 ̄ \ ( E) グッジョブ!!
フ /ヽ ヽ_//
ですが、bbs.datと、/pastlog/pastlog.datを設定で他のファイル名に変更してもらえませんか?
もしくは、不都合がなければパーミッションを変更してもかまわないなら
外部から読み取れないようにするとか
IPアドレスを他人に知られることを気にする人もいると思うんです
>>437 流れというか方向としては賛成方向になってたとは思うけど、
だれも、「じゃOKということで」と〆てないから空気が「挙手モード」のままだったかな、と。
で、〆るなら提案者の
>>424氏か挙手始めた
>>427氏辺りじゃないと変かな、
ということで、振ってみた。
ともあれ、乙です>424氏
>424さん
画像BBS設立乙でした。
さらに補充範囲が広がる事で楽しみを増やしましょう。
今回は『失望』の道行・幕間をお送りします。
それにあたり注意書きを少し。
・そろそろネタバレが激しくなってきています。
・本編の改変度合いも今までより増していますので、ご注意ください。
「キョーコさま、申し訳ありませんがただ今ユートさまはお部屋に居られません」
その声に、キョーコ、岬今日子は声の主に振り返った。その姿はエスペリア。
見つかった事を悔いるように、また恥じるように苦笑を浮かべる今日子を見て
エスペリアもまた、微笑みながら首をかしげた。
ラキオスがマロリガンを下した。その報せがラキオス中に広まったのはつい先日の事。
その報せの中で、国民には詳細に語られなかった事が有る。
マロリガンに与していた二人のエトランジェ、碧光陰と岬今日子がラキオスの軍門に下ったという事。
本人達の名も顔も知らされることなく、ただ新しく登用された者がいるという程度の認識が広がるだけだった。
王城内においても、本人達にラキオスと共に戦う意志がある事や、
現在ではラキオスの英雄として見られつつある悠人の願い、
戦力が増えるに越した事は無いという重鎮達の思惑とレスティーナの手腕によって、
諸々の処理は残るものの一応は表も裏も決着がついていた。
だが、それでも。岬今日子の心には、重く暗い想いが渦巻いていた。
『空虚』の今日子として神剣に意志を奪われたまま、高嶺悠人を傷つけ、苦しめた。
それだけではなく、『空虚』の言うままに数多くのスピリットや人間を屠ってきた。
苦悶に歪むスピリットの散り様を見る度に心が擦り切れ、そのまま自分の意志を封じ込めただ殺した。
その自分を彼は、悠人は助け、その罪を生きて償えと叫んだ。
彼もまた、意志とは裏腹に多くの敵を斬ってきたはずだ。にもかかわらず、
彼はその重みに耐えてきて、更には他人に助けの手をも差し伸べたのだ。
その強さは自分が持っていない物。そうでなければ剣に意志を飲み込まれる事も無かったはずだ。
それを背負う事も償いの一つなのだろうが、
償いの仕方も知らず、償いきれるかどうかも分からない事が怖い。
また、一番に償いをしなければならない相手が誰なのかも分かっているつもりだった。
しかしその相手の顔を思い浮かべる前に、この場所、悠人の部屋の前にやってきてしまった。
彼に対する償いだといって、さらに優しさに触れようとしただけなのか。
痛みが欲しいといって、その実彼を欲しているだけなのか。
疑問にせずとも、自分が卑怯者だという思いだけは膨らんでいく。
それを抱え込んだまま部屋に到着した。静かにノックをして、返事を待つ。
しかし、いつまでたっても反応が無い。もう一度、強めにドアを叩いた。
それでも悠人の声が返ってこない事を不審に思い、ドアノブを掴み回そうとした。
だが、ドアには鍵がかかり、部屋の主の不在を示していた。
今日子ははっとして、固く動かないドアノブを離す。
「なにしてんだろ、アタシ」
俯いて、少しだけ冷静になった頭で自分の行動を省みる。
安堵を感じている一方で、寂しさを覚えている事もまた事実だった。
また悠人に迷惑をかけてしまう所だったという後悔と、悠人を求めている思いが鬩ぎあって、
佇んだままでいた所にエスペリアが声をかけたのである。
それまでの今日子の思いつめた様子に察する物があったのか、エスペリアはそのまま今日子に続ける。
「もうしばらくすればお戻りになると思いますが、お待ちになりますか?
お茶くらいならお出しできますから」
今日子は自分がここに来た本当の理由を悟られるわけにもいかなかったし、
無碍に断る事もできなかったため、エスペリアの後について居間へと場所を移した。
静かに差し出されたカップを受け取り、今日子は中身を口に含んだ。
すうっと、頭が落ち着いていく香りが広がっていく。
言葉少なく半分ほどを飲み終えたところで、今日子はエスペリアに尋ねた。
「ところでエスペリア、悠は、っとと。悠人隊長はどこに行ったの」
形式上、彼女はスピリット隊の一員に過ぎないため、とりあえずは堅苦しい呼び方をせざるをえない。
けれども、エスペリアは微笑を浮かべて言った。
「今は誰もいませんから、お好きなように話されてかまいませんよ、キョーコさま」
ですが、とエスペリアは申し訳無さそうに続け、
「私用であるためにわたしの口からは申し上げられません」
とだけ言い頭を下げた。
今日子は、時間をおいて自分の行動を自覚した分冷静になったのか、
胸の中でもやもやとしていた暗い思考が少し落ち着き、
エスペリアの言葉に引っかかりを感じるほどには周りが見えるようになっていた。
「ねえエスペリア、知らないんじゃなくて、言えないってことなのあいつの用事って」
そう問われてエスペリアは一瞬、しまったという顔を浮かべてしまった。
悠人が不在の原因はもちろん恒例となったヘリオンとの特訓だ。
今日子の雷でボロボロになったにも関わらず、約束が有ると出て行った根性は認めたいが、
おかげで回復魔法を連発する羽目になったことが無意識に腹に据えかねていたのだろうか。
悠人からは、光陰と今日子から何を言われるか分かった物じゃないと、
出来る限りこの二人に内緒にしていてもらいたい旨を伝えられていたのだが、
とんだ不注意で勘付かれてしまった。その表情を見咎めた今日子が更に追求すると、
エスペリアは心の中で悠人に頭を下げて、ある考えを浮かべた。
「もうお帰りになられる頃ですから、宜しければユートさまからお確かめください」
それでは、出迎えに上がりますのでと今日子を残して玄関へと向かう。
事実、エスペリアは完全に傷が治っていないからと、早めに終わるよう忠告しておいたので
いつもよりは悠人の帰宅も早いはずだし、治療の続きをするために出迎えるとも言っておいた。
エスペリアの様子に疑問を抱きながらも、今日子はカップの中の残りに口をつけて時間をつぶした。
エスペリアの言葉どおりに、数分の後には悠人が第一詰所の扉を開いた。
「お帰りなさいませユートさま、お客さまが……あら?」
だが、その隣には一人の姿があった。悠人は扉を支えたまま、その人物を招き入れる。
「お、お邪魔しますっ」
エスペリアに向かってぺこりと頭を下げるのはヘリオンであった。
「え、あ、ようこそ、いらっしゃいませ」
予想外の事に、エスペリアも丁寧に頭を下げる。
その堅苦しい様子に悠人は溜め息をついて注意した。
「あのさ、二人とも。第一詰所も第二詰所もみんなの家なんだから、
そういうのは抜きで良いじゃないか。そんな言い方じゃ、ヘリオンがよその人みたいだ」
気分の問題だが、嫌な物は嫌だった。それを聞いてエスペリアは微笑んで頷き、
「そうですね、ええ、お帰りなさい、ヘリオン」
と改めて言い直した。ヘリオンは更に緊張して、
「ただいま、帰りました」
と小さく呟く。だがそこで、エスペリアははっとして悠人に向き直った。
「あの、ユートさま、どうしてお二人でお戻りに」
「ああ、言われたとおり早く上がりにして帰ってたんだけど、話してるうちに第二詰所を通り過ぎちまって。
今日は時間も早いしエスペリアもいるから、こっちでお茶でも飲もうって誘ったんだ」
照れて頬を掻きながら、悠人は答えた。エスペリアがヘリオンの顔をそっと覗くと、
こちらも頬を染めて俯いている。
普段なら、とエスペリアはあせって思考を巡らせる。普段なら喜んで迎える事は当然だ。
けれども何故今日、この時なのか。無意識に居間に視線を向けて、そこに居る人物を思い返す。
あそこまで思いつめた様子で夜に男性の部屋を訪れる。
それが何を意味するかは、知識の中に何となく有る。
しかし、彼女には悪いが目の前の二人の関係を知っているからこそ、
悠人と二人にはさせないように、自分が泥をかぶっても
出来る限り穏便に今日子にそれが伝わるように立ち回ろう、
と考えていたのだが、それも水の泡だ。
「ところでエスペリア、さっきお客さんがどうとかって言わなかったか」
「え、ええ、先ほどキョーコさまがお見えになりまして、居間でお待ちになっています」
聞いた瞬間、今度はヘリオンが表情を強張らせた。
無理もない、とエスペリアの胸中はさらにざわめく。
二人のエトランジェを助けた時から、今の今日子の行動まで。
今日子が悠人に好意を秘めているのは明らかだ。
「こんな時間に?なあ、もしかして俺がどこに居るとか、教えたのか」
「いえ、ですが絶対に尋ねられると思います。きちんとお答えになったほうが宜しいでしょう」
顔を引きつらせて苦笑いをしている悠人だが、きっと今どんな状況なのかは一番分かっていないだろう。
みんなの分のお茶を頼むと言い残して、ゆっくりと居間へと進んでいく。
その場に佇んでいるヘリオンの肩に両手を乗せて、エスペリアは静かに囁いた。
「ヘリオン、ここは正念場です。ずっと気を強く持ちなさい」
へ、とヘリオンは俯いていた顔をあげる。
「え、エスペリアさまっ、どうしてそんなこと」
きっと悠人と今日子は人間同士で、わたしたちはスピリットなのだからとか、
そういう風な事を言われてしまうのだとヘリオンは思っていた。
「ユートさまが望まないだろうからです。
それに、ユートさまだけではきちんとした説明にならないでしょう」
エスペリアはヘリオンの背をぽんと押した。
「わたしがお茶を用意しますから、座っていていいですよ。頑張りなさい」
ヘリオンはそれに礼をすると、悠人の後を追って居間へと入っていった。
さて、とエスペリアはいつもの癖で自分の腕を掴むポーズをとると、
こうなったら、ぶつかり合ったほうが上手くいくのかもしれないと希望を持って、
お茶を淹れるために台所へと進んでいった。
悠人がヘリオンと共に居間に現れた瞬間、今日子の目は大きく開かれた。
スピリットと会う事が用事だったというのか、しかも夜中に。
だが、今日子も自身の事を振り返り、首を横にふった。
あくまでも自然に見えるよう、悠人に尋ねる。
「お邪魔してるね、悠。ねえ、そっちの人は?」
「ああ、そっか、全員紹介する前に吹き飛ばされたんだった。この娘は……」
と、悠人がヘリオンを紹介しようと手を向けたとき、ヘリオンは先んじて一歩踏み出し、頭を下げた。
「ヘリオン・ブラックスピリットです。よろしくお願いします、キョーコさま」
だが、その声は緊張とはまた違った固さを含んでいた。
悠人が普段とかけ離れた雰囲気に硬直している間に、ヘリオンは頭をあげて悠人に着席を促す。
言われるままに座った席の隣にヘリオンが腰掛けた。今日子の視線が悠人に突き刺さる。
ヘリオンはヘリオンでじっと今日子を見て、時折悠人に視線をやっている。
一気にピリピリとした場に風穴を開けるように、エスペリアが入室してきた。しかし、
「お茶をお持ちしました。何かご用があれば、またお呼びください」
の言葉のままに、悠人がひそかに助けを求める念を送るのにも気付かないようにすぐに台所へ引っ込んでしまった。
仕方無しに悠人がお茶を口にした時に、今日子が口を開いた。
「あのさ、悠、ひょっとして何で自分が吹っ飛ばされたか覚えてないわけ」
かろうじて、悠人は口に含んだお茶を飲み下すとあわてて抗議する。
「だから、あれはアセリアが勝手にやった事で俺だって予想してなかったんだよ」
アセリアが悠人の頬についたクリームを舐め取った。
それに関しては、怪我をして稽古に現れた理由をヘリオンに尋ねられて、
吹き飛ばされた原因に話が及んだ時にも悠人は痛い目を見た。
仕上げの時に今までの何割増しかと思う勢いで斬撃を打ち込まれていたのだ。
そして今も、彼女はその雰囲気を振り撒いていると悠人は感じていた。
今日子はそのまま悠人の横で静かに座っているヘリオンを見やり言葉を続ける。
「じゃあ、今隣に座ってる娘の事はどういうつもりなの」
悠人は途端に言葉を詰まらせて、何とか顔が紅潮するのを押さえ込みながら答えた。
「へ、ヘリオンと会ってたのは、前からの約束で」
「キョーコさまやコウインさまの事が落ち着いた頃に、また剣の稽古をする約束だったんです」
しどろもどろになった悠人を助けるように、さっとヘリオンが言葉を続ける。
だが、悠人には肉食獣の前に背中を押されて突き出されたように感じられた。
その証拠に、更に目を鋭くさせた今日子が口を開く。
「またって、悠、どういう事」
今度こそ、赤くなる頬を止める事はできなくなって、悠人はヘリオンを見た。
ヘリオンはじっと悠人を見つめて言葉を促す。悠人は覚悟を決めて切り出した。
悠人がヘリオンとの剣の特訓をする事になったいきさつを説明している間、今日子はずっと無言だった。
時折混じる悠人のヘリオンへの感情をこめた言葉を敏感に感じ取り、そっとヘリオンに視線をやると、
彼女もまた、それに反応して表情を緩めていた。悠人の説明はたどたどしかったが、
その内容以上に、込められた思いは今日子の心の奥を刺激していた。
悠人の言葉が終わり、今日子の反応を静かに見ている。
それに対して今日子は深く頷き、悠がいなかった理由は良く分かったとだけ、答えた。
悠人があまりに今日子らしくない様子を不思議に感じたときに、
今日子は殊更明るく声を出した。
「じゃあ、今度はアタシがここに来た理由を言わなくちゃね。
ねえ、悠は何でアタシがここにきたか、分かる?」
今日子の言い方に、別の深い思いがあるような気がして、悠人はいくつかの可能性に考えが及んだが、
その中でもとりあえずは無難な、もっとも可能性がありそうなものを選んだ。
「何でって、自分で吹き飛ばしたんだから、責任もって見舞いにでも来ただけだろ」
ことさら軽く、今日子の持つ雰囲気を助けるように言う。
今日子はそれを聞いて、悠人らしい言葉だと思って苦笑を浮かべた。だが、
「そうだと、良かったんだろうけどね。確かに最初はそんな感じで、
まだ改めてお礼、言ってなかったし、謝ってもなかったなって思ったからなんだけど」
ぽつぽつと、急に普段とは全く違う態度で話し出す今日子に違和感を感じながらも、
悠人は思うままを伝える。
「お礼も謝るのも、俺はもういらないよ。光陰や今日子を助けるのに理由なんか要らないんだから」
「ううん、最初はって言ったでしょ。悠の部屋の前に着いたときにはね、全然違う事を考えてた。
あのね、悠とヘリオンにも聞きたいんだけど神剣で敵を斬った時、どんな気持ちになるの?」
すっと、今日子は二人から目をそらして問い掛けた。少しの間、二人が考える時間をとるように
間を空けていたが、答えが返ってくる前に再び今日子が話し始める。
「アタシは、『空虚』を振るうのが気持ちよかったの。終わったあとで、嫌な気持ちになるって
分かってるのに、剣から力が伝わってきて、何でも出来るような気になってた。
実際にできることなんて、相手を傷つけて、殺す事だけなのに」
だんだんと、今日子の声は震えていく。その告白は、懺悔の響きを持っていた。
「痛みを与える事が気持ちよくて、痛みを受ける事が嫌いな、こんなアタシが
生きて罪を償うなんて無理だって思えて、その前に、痛みが欲しかった。
本当に、悠に謝らなきゃいけないのはこの事。またアタシは、自分の都合だけで
悠の気持ちも考えないで取り返しのつかない事するところだった」
そこで今日子は言葉を切り、ヘリオンと悠人を静かに見る。
今日子の言う痛みが何を意味するのかは、二人にも察しがついてしまった。
けれど、それに言及する事は避け、それよりも言わなければならない事が有ると、
悠人もまた今日子に言葉をかけた。
「俺だって今日子たちに謝らなきゃいけない事、あるんだぞ」
ふっと、今日子とヘリオンが悠人のほうを向く。その視線を受けて、悠人は正直に心情を吐いた。
「今日子は、俺がスピリットたちを殺すのに耐えてきたとか、
神剣に逆らって助けてくれたって言うけど、俺はそんな出来たもんじゃない。
心のどこかで、スピリットを殺したからみんなを守れたんだって正当化してばっかりだし、
そう思うことで気分を良くしてる時まで有る。それも神剣の作用の一つなんじゃないかな。
そんなんだから俺だけの力じゃ神剣に逆らう事なんて出来なかった。
それに、二人を助けるのだって、俺だけじゃそんなの無理だって諦める所だったんだ」
そう言って悠人は静かにヘリオンに視線をやった。
今日子はその視線を追い、そこに含まれた感情を見て取ってしまった。
ヘリオンとの特訓を話す時にもひそかに浮かべていた喜び。
感謝の念だけではない、明らかな好意。彼が自分達や佳織、小鳥以外に
こんな表情を向けるときが来るとは予想さえしなかった。
悠人はゆっくりと今日子に向かって続ける。
「今日子は充分強いと思うよ、だって一番最後にしっかり神剣を追い払えたじゃないか、自分の力で」
「でも、それは悠が言葉を届けてくれたからでしょ」
今日子は自分に向けられた視線を読み取ろうと試みたが、その中に含まれる好意は、
友人に向ける以上のものでは無いように感じられた。
「いや、それなら、礼は光陰に言うべきだぞ。
今日子の意志が全部持っていかれないようにずっと見守ってたんだから。
そうでなけりゃ、『空虚』が遊びでも今日子を表に出す事自体なかったんだ」
それを悟って、今日子はすっと、強張っていた力を抜いた。
自分が言った痛みを受ける事はできないし、もうしたくない。
けれど、彼は確かに痛みをくれた。自分には、まだ痛みを感じる心がある。
「そうだね、たまにはアイツにも良いとこあるんだから。うん、そうする」
まだ、笑いに力はなかったが苦笑を浮かべる事くらいは出来た。
悠人の様子を見ても、とりあえずは安堵の表情を浮かべてくれたようだ。
今日子はこの後に自分がしなければならない事を心の中に思い浮かべて実行に移す。
「ね、悠」
「なんだよ」
「お茶、おかわり持ってきて」
「エスペリアを呼んだら持ってきてくれるぞ、そんなの」
すらりと、今日子はどこからともなく取り出したハリセンの柄を見せつけて、
「悠の淹れたのが飲みたいの!たっぷり時間をかけて味を出した奴をささっと淹れてくる!」
と命令し、ぱりぱりと静電気がハリセンに流れ始めた所で、
悠人はポットとカップを手にとり、居間から姿を消した。
そして、居間には今日子とヘリオンの二人が残った。
エスペリアの言葉を胸に、ヘリオンが静かに息を吸って身構えた所に、今日子が大きく頭を下げた。
「キョ、キョーコさまっ?」
そのまま肩を震わせて無言でいる今日子に驚き、ヘリオンは立ち上がって今日子の横に駆け寄った。
今日子は体をヘリオンのほうに向けて、頭を下げ続けている。
その場に跪いて、ヘリオンは今日子の肩に手を置いて、顔をあげてもらえるように頼んだ。
ヘリオンがさらに言葉を出す前に、今日子は謝罪を繰り返す。
それに対してヘリオンは首を横に振った。
「キョーコさまが謝る事なんて、ないです。だって実際には何もしてないじゃないですか。
わたしだって、キョーコさまがいないときに、ユートさまと出会って……」
「アタシは、別に悠とは何もなかったもの。
ほんとに、自分のためだけに悠を使おうとしただけで、
その後の悠の気持ちも、他のみんなの気持ちも考えないで我儘に巻き込む所だったから。
きっと、二人が出てなかったらアタシはそのまま我儘を通しちゃってた」
ヘリオンの言葉を遮り言葉を発するうちに声は震えて、
今日子の目に涙が浮かび始めた。揺れる雫を無視して、今日子は続ける。
「それにね、さっきまでの悠を見てたら分かるもの。あんなふうに嬉しそうにしてるの、
佳織くらいにしかなかったのに、ヘリオンのこと、それ以上に大切に想ってる目、してた。
だから、そんなことヘリオンが気にすることないよ」
今日子の言葉とは違う所に彼女の気持ちが有る。
でなければ、どうしてそんな細かい悠人の変化に気がつき、涙を浮かべる事があるだろうか。
だがヘリオンはそれを声には出せずに、
彼女の言葉を聞いたときに湧きあがった感情のままに今日子を見つめる。
今日子が見返したヘリオンの目からも、涙が溢れていた。
「な、何でヘリオンが泣く事あるのよ、悪いのはアタシ……」
驚いて声をあげかけた今日子に向かって、ヘリオンはふるふると首を振って、
「キョーコさまごめんなさい、わたしは、その言葉を嬉しいって、思っちゃいました。
他の人にもわかるくらい、ユートさまが、わたしの事を想ってくれてる事に、
嬉しいって、思っちゃったんです」
そのまま俯いてしまった。今日子はヘリオンの態度を受けて衝動的にヘリオンの肩に手をかけ、
「いいの、そんな風に思って謝る事なんて、ない。
ちゃんと自分の気持ちを言わなきゃ、アタシみたいなのには伝わらないんだからさ」
静かに引き寄せた。ヘリオンは一度頷き、そっと囁くように話した。
「わたしは、ユートさまが、好きです。だから、ユートさまもわたしを想ってくれることが、
すごく嬉しいんです。キョーコさまが、言った事がほんとにならなくてほっとしてます。
何もしなくて、ありがとう思ってます。だから、ごめんなさい」
しかし、言葉を発しながらぽろぽろと大粒の涙が零れ落ちていく。
今日子も、自らの頬を伝うものを隠さずに、何度も頷いた。
「いいんだよ、ちゃんと、二人は想い合ってるんじゃない。だから、いいの。
アタシはきちんと悠の親友で、二人にしっかり、おめでとうって言えるから」
今日子は自分からヘリオンの背に手を回し、抱きとめる。
「だから、ね。ヘリオンも、もう謝らなくていいよ。アタシがバカな事するの、
止めてくれたんだから、アタシからはありがとうと、おめでとう。もうそれだけ」
ヘリオンも、ゆっくりと今日子に抱きつきなおして、途切れ途切れに感謝を言い続けた。
二人の涙が出尽くした頃に、今日子がヘリオンに腫れた目で頼む。
「あのねヘリオン、そのキョーコさまっていうの、止めにして欲しいの。
親友の悠の彼女なんだから、アタシにとっても、友だちになれたらいいからさ。
それに、やっぱりそんな風に呼ばれて気分良くする趣味、アタシには分かんないから。いいかな」
悠の彼女、という言葉に反応して慌てつつ、確認を求めた。
「え、ええ、それじゃ、キョーコさんって呼んでも良いんでしょうか」
「うん、もちろん。悠の事でなんかあったら、じゃんじゃん言ってきなさい。
バカな事しでかしたら、速攻で吹っ飛ばしてやるから」
「だ、ダメですっ、キョーコさまのあれは強力すぎます。ユートさまがかわいそうですっ」
目を丸くして怒ってみせるヘリオンに、今日子は苦笑を浮かべて謝った。
二人がもう一度席についた頃に、エスペリアに促されて悠人がお茶を運んでいく。
あの中に入っていける度胸は元からなかったが、
再び入るタイミングも掴みかねていた悠人にはありがたかった。
「悠、お茶入れるのにどれだけかかってるのよ」
「キョーコさんですよ、時間をかけて淹れてくれって言ったの」
「ああ、しっかり淹れてきたから、ちゃんと味わって飲めよ。
何の葉を使ったのか当てられるようになったら一人前だ」
その雰囲気を陰から覗き見て、エスペリアもほっと、安堵の息を洩らしたのだった。
もう一人のエトランジェ、碧光陰が城で執り行われた聴取から戻ってきたのはその日の明け方。
自分の部屋の前に佇む人影を見つけて、ゆっくりと近寄っていった。
「どうした、今日子」
その声にすっと振り向き、今日子は光陰に向かって頬を掻き、力なく笑いかけた。
「別に、ちょっとお疲れさんって言いに来ただけ」
その様子に、少し違和感を感じながらも光陰はそのまま続けた。
「そうなのか?……部屋には入れんぞ、寝込みでも襲われたら敵わんからな」
「するかぁっ!」
稲妻を纏わぬハリセンで思い切り光陰の頭がはたかれる。
だが、光陰にはその感触にも軽さを感じて疑問を浮かべる。
「む、やっぱり何かあっただろ今日子。何だ今の甘いツッコミは。
ツッコミはいつでも全力で、がお前のモットーだろう、そんなんでどうするんだ。
雷撃の今日子の名が泣くぞ。もっとビシーッとやってくれなきゃこっちも拍子抜けだ」
「アンタ、本気でやったほうがいいって、そんな趣味でもあったの」
ジト目で光陰をにらんでいると、
「いや、いつもの怪力が発揮されない事が判明すれば、それはそれでいいがな。
そうなれば、ツッコミを恐れることなくスピリットの皆にしっかりと挨拶が出来そうだ」
光陰は神妙に頷き、頭に数人のスピリットたちの顔を思い浮かべにやけ出した。
「…………」
「あ、いや、待ってくれ、冗談、冗談に決まってるじゃないか、なあ、きょう」
瞳から色を消し、今度こそ雷撃を乗せて、今日子は光陰の後頭部にハリセンをフルスイングした。
轟音と共に、光陰の体が床に沈む。
ひくひくと痙攣する光陰を見下ろし、今日子は溜め息をつく。
「聞こえてるかどうかわかんないけど、一度しか言わないからよく聞いときなさい」
息を吸い込み、言葉をためて今日子は光陰に向けて言葉をかけた。
「アタシが『空虚』に乗っ取られてる間、色々面倒かけたみたいだから、一応言うわよ。
……ありがと。それだけだから、後は自分で何とかしなさい」
それじゃ、と今日子は光陰に見向きもせずに自室へと帰っていった。
ずるずると這いずりながら光陰は自分の寝台に到着し、かろうじて這い上がった。
そこで、光陰は部屋を覗いている気配を感じて聞こえるように呟いた。
「やれやれ、らしくねぇなあ今日子。
俺が今日子の面倒見るなんざ朝飯前なんだから礼なんかいらねぇっての」
「……いや、俺だけど。何でそう怒らせるんだよお前は」
光陰が視線を向けると、そこには悠人と、その隣にヘリオンがいた。
「お前の差し金か、悠人。わざわざ見せ付けてくれやがって」
「見せ付けるって、俺たちはそんなつもりは」
「何言ってんだ、俺とやり合ってる最中もずーっと見守っててもらっておいて」
寝台から身を起こし、悠人を軽くにらむ。
「それとも何か、譲ったようなつもりにでもなってやがるのか、おい」
「ば、馬鹿な事言うな、そんなことあるわけないだろ」
「ああ、分かってるよ、んなこと。
お前がそんな気を利かせることなんか思いつくはずねぇからな」
「だったら、何で」
それを聞いて光陰は盛大に溜め息を吐いた。それすらも分からないほど鈍いのか。
「お前なぁ、あの様子じゃあどう考えてもお前がふった直後じゃないか。
それなら余計に、んな時に泣きつかれたからって話に乗りゃあ俺の立場もなくなるだろうが」
「でも、キョーコさんほんとに怒ってますよ」
その呼び方に一瞬間が開いたが、光陰は気にせずにへらへらと笑いかける。
「いーのいーの。ヘリオンちゃんはそんなこと気にしないで」
それに言葉を返しかけたヘリオンを遮り、光陰は急に真面目な顔を作って呟いた。
「今日子は、こんな時に甘やかしたらすぐ腑抜けちまう。
ちょっと間をおいて落ち着いてから改めて、俺に惚れさせりゃ万事解決だ」
ぽかんと、悠人とヘリオンが顔を見合わせた。
よくもまあ、あれだけ今日子の神経を逆なでしておいて吐けた台詞だと、言葉も出ない。
「おいおい悠人、ここは『お前なら出来るさ、光陰』とか、
ヘリオンちゃんは『コウインさま素敵です』とか言ってくれるもんじゃないのか?」
律儀に光陰のほうに向き、口を開きかけたヘリオンを手で制し、悠人が呆れて言った。
「言わなくていいぞ、ヘリオン。光陰も、お前のノリにまだ慣れてない奴が多いんだから
皆を困らせるんじゃない。それこそ今日子のツッコミが飛んでくる」
そもそも、稲妻部隊を鍛え上げた『因果』のコウインの普段の姿がこんな物だと知った方が驚くだろう。
「もう大丈夫そうだから行くぞ、夕べから休み無しなんだからゆっくりしてろ」
「コウインさま、お大事に」
いともあっさりと、二人は部屋を出て行ってしまった。
仕方無しに目を閉じていると、さすがに徹夜で取調べを受けていた疲れが出たのか、
すぐに光陰に眠気が訪れた。落ちていく意識を繋ぎとめながら、
「ったく、これでやっとこさ一からスタートって所か」
そう呟き、今日子の姿を思い浮かべながら、耐え切れずそのまま深い眠りについていく。
その眠りの間に一度だけ、ずれた毛布を直した人影があった事を光陰は知らないままであった。
あとがき
以上です。かなり好き勝手をしてしまいましたが、
これはあのイベントに後味の悪さだけを感じてしまった者の足掻きです。
前回に救出フラグをたてておいて無視する事もできず、妄想ルートと言う事で
どうにか今日子、光陰をフォローする形になっていけばと書いていましたが、
ヘリオン分が少な目ということから、幕間を冠する事になりました。
次回は第五幕を投下できるようにと展開を考えていってますので。
それでは今回もお付合いいただいた皆さまに感謝します。
乙&GJ!!
すばらしい感動したマジで
光陰…カッコいい…
GJですた。
光陰良いですなー。
つかやっぱり本編の今日子がなぁ…
と久しぶりに思い出しちまいますた。
>>保管庫の中の人さん
遅レスすみません。いつもお疲れ様です。
SS投下の件ですが、あまりにも長いものやスレの流れを阻害しそうなタイミングの時は
直接保管庫の方へ投下する、という事ではどうでしょうか。
個人的には出来上がった作品をちまちまコピペするのもある意味楽しいのですが、
それがスレ自体の容量や保管庫管理人さんへの負担になるのは確かに心苦しいですので。
>>424さん
画像板設立、ご苦労様です。
ネリシアはどうしてもセットで考えられがちなので、個々でなにか出来たらなぁと思ってます。
>>434さん
「信頼の人」とかいわれると少し恥ずかしいですね(汗 でも嬉しいです。
応援ありがとうございます。
>>前スレ788さん
お疲れ様です、G.J.でした。
なんか月9観てる気分になれました。
>自分が言った痛みを受ける事はできないし、もうしたくない。
けれど、彼は確かに痛みをくれた。自分には、まだ痛みを感じる心がある。
ここ、凄く好きです。自分もあの展開はどうかと少し考えてたので
本編別フラグでこういうの欲しかったですね。
>前スレ788氏
おつかれさまです。
今日子&光陰でこう来ましたか…お見事な幕間です、GJ!
最後の一行にニヤリとさせられ、あぁやっぱり私はこういうの好きなんだな、と
改めて認識させてもらいました(w
第五幕も楽しみにしてます〜
>>前スレ788さん
乙カレーです。
今日子は嫌いなキャラじゃなかったけど
あのシーンがひっかかっていたんで
こういう「もしも」はうれしかったです。
次作も期待してます。
最近はSSと感想ばっかで、ネタスレの面目は丸つぶれだな。
特定の人間しか書かなくなってしまっては「発展」じゃなくて「衰退」にしかならん。
新たな書き手の萌えと可能性を喚起すべく、もっとだ、もっとネタを出していこうぜ、
おまいら!ヽ(`Д´)ノ
と、煽り気味に入ってネタを振る。
それはズバリ、「スピリットの幼生時代」
エスペリアにはラスクとの絡みで幼少のころのエピソードがあったが、
あんな感じで他の連中のちび時代を 妄 想 し な い か 。
まだ剣もロクに扱えずにぴーぴー泣いてばかりだったちびヒミカ、
ちびの頃から既に大物ぶりの片鱗を発揮していたちびハリオンetc・・・
瞬にインタビューしました。
Q1「あなたの名前はなんですか?」
A1「秋月瞬」
Q2「お仕事は?」
A2「学生・・・いや・・・皇帝代理?エトランジェでいいのかな。」
Q3「戦場には行ったことは?」
A3「赤スピに火傷負わされてから行ってない。実は泣いた。」
Q4「嫌いな人は誰ですか?」
A4「悠人」
Q5「本当ですか?」
A5「はい」
Q6「本当の事を言って下さい」
A6「タキオス」
Q7「それはどうしてですか?」
A7「機嫌が悪いと、俺の部屋を触手でベタベタにするから。」
Q8「それはどうしてですか?」
A8「たぶん嫌がらせ」
Q9「佳織さんをどう思いますか?」
A9 「声は可愛い」
Q10「テムオリンをどう思われますか?」
A10「頼むから自己紹介ちゃんとしてほしい。俺に。最初誰だがわからんかった。」
Q11「よくここであなたがホモ扱いされてますが?」
A11「意味わからん」
Q12「一番嫌いな人は?」
A12「ソーマ」
Q13「それはどうしてですか?」
A13「いや・・・誰でもあれは・・・ちょっと」
Q14「レスティーナ皇女に一言」
A14「ワープバグ使って入ってこないで下さい。」
Q15「いやな思いでとかありますか?」
A15「自国に訓練所建てられたから文句言いに行ったら訴えられた。」
Q16「誰にですか?」
A16「ソーマ」
Q17「それはどうしてですか?」
A17「たぶん嫌がらせ」
Q18「サーギオスのエトランジェになって嫌になったことは?」
A18「出番が全然無い」
Q19「逆に嬉しかったことは?」
A19「佳織を連れ戻した時。」
Q20「その時の感想は?」
A20「わかりやすく言うと・・・キタ━━━━━(゚∀゚)━━━━━!!!!」
Q21「エターナルになれた時は嬉しかったですか?」
A21「はい」
Q22「本当ですか?」
A22「はい」
Q23 「質問変わります『世界』はエトランジェの全ての神剣を取り込んで作られた
神剣ですよね?」
A23「はい」
Q24「本当ですか?」
A24「はい」
Q25「今日子さん達が生きてても普通に登場したとの報告がありますよ?」
A25「え!?」
ああ、タイミング遅かった……>466さんスミマセン
感想を下さった皆さま、どうもありがとうございます。
光陰が良い、と言われてとても嬉しいです。
あのシーンに引っかかりがある方が結構居られたんだなぁ、と知ったわけですが
無茶をしたのを好意的に受け止めてくださる方が居られて良かったです。
次回を待ってくださる方が居るのは励みになりますね、それでは。
>467-469
キャラの口調を再現すれば、もっと良くなる
と思うんだがどうか?
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <ぬるぽ
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
ファーレーンはハラグロ
ファーレーンはハラグロ
ファーレーンはオハグロ
いや、ちょうどこの話題が過ぎた頃書き込もうとして、アク規制食らって完全
にタイミングを失してしまったんだよ。
つーことでお歯黒ファーレーン萌えるよな。嘘ですスイマセン。
>466 ニムは、ファーレーンに出会うまで結構問題児だったかも。セリアの人間不信は幼少時のトラウマかな。小さいうちに
死んでしまうスピなんかもいるかもなあ。
>>472 , -‐‐- 、
/二二二\
ノ,ノノ^ソ从ゝ \\ ガッ!
ノ从リ ゚ ヮ゚ノ从 | |
と( /=/ ̄)し | |
Y_/ノ 人
くσしレゞ < > __
// //. V「,'´r==ミ、
(〈ψノノ_フ彡 くi イノノハ))) !?
| l||; ゚ヮ゚ノl|
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>475 GJ!!
つーかどうすんだよ、こんな辺鄙な空間で
2大お、おねえさんえたーなるが、どつきあって…
>475さん G J!!
えせ幼女VS時深おばさんの勝負の行方はどっちだ?w
2大おば、おねえさんえたーなるを止めるため
決死の覚悟を固めるユートとタキオス。
タ「この戦いが終わったならば、共に酒でも酌み交わそうぞ。」
ユ「ああ、その時は最高の酒を用意させてもらうぜ。」
不敵な笑みを交わし合い、互いの神剣を軽く打ち合わせるや、
死地を目指して一気に駆け出す二人の戦士。
二人の心には迷いも恐れもありはしない。
例えマナの塵と化そうとも、勝利を信じて突き進むのみ!
そして………二人は星になった。
おぉユート、タキオスよ
しんでしまうとはなさけない
, -‐‐- 、
/二二二\
ノ,ノノ^ソ从ゝ
ノ从リ ゚ ヮ゚ノ从 <また年深か…
( /ヽ 〒ゝ )
し i__ノ )」 ノ
く/_|__ノ
エセ幼女って物腰とかめちゃくちゃババアに感じないか?
おb(ryと言われるとブチギレの時深と比べて、
あっさり受け流すもんだから余計に達観してるように見えてくる。
そんなこと気にする事も無くなる位、年季重ねてきたんだろうなぁ。
それ以前に顔が住職並に崩れてますが。
顔なんて見てない。
腹しか見えない。
お、おまいら…と思いかけたが、総合化した以上正しい姿ではあるんだな…
ま、私はそっちではなく、
>>466>>474に反応しておこう。
年表では、生まれる→転送される→教育される、とさっくり流されてるが、
さすがに街のど真ん中にいきなり転送されることはないだろうと考えると、
森とかに転送されると考えるのが妥当な気がする。
そうすると、転送される→発見される→街へ移送される→教育される、だろう。
つまり、転送から発見までの間はまさに「野良」…
野良の期間も個別差があるのが自然だろうな…
ここでさらに妄想を逞しくしてみる。
長期の野良生活を経て生きる厳しさを知り野性を帯びたファーレーン…
ある日、まだ野良初心者なニムと出会う…
その時の「何か」がキッカケでファーレーンに懐くニム…
最初は相手にしないファーレーンであったが、ニムにかつての自分を見たか、親しみを覚え始める…
やがてファーレーンは気づく…
ニムの存在が己の心に癒しを与えていることに…
ニムを失いたくないと思っていることに…
それは、ファーレーンが姉を自覚した瞬間…
未だ姉という概念は知らなかったが……
う〜む、もう二捻りか三捻りぐらいすればお話ができそうな気もするが…
ファーレーンのストーリーというと、エンディングは
悠人との子供にニムントールと名前をつけて、ニム本人は青空笑顔
ってのが真っ先に思い浮かんだ俺_| ̄|○
悠人と一緒にならなかった場合は、保育園か孤児院とかで働いていそう。
>>485 > やがてファーレーンは気づく…
> ニムの存在が己の心に癒しを与えていることに…
> ニムを失いたくないと思っていることに…
> それは、ファーレーンが姉を自覚した瞬間…
次で百合フラグキタ――(゚∀゚)――と思ったヤツぁ挙手(゚∀゚)ノシ――――ッ!!!
ファ「神剣が曲がっていてよ、ニム」
ニム「お姉さま……(ぽ」
>>488 べこんべこんに曲げられた曙光……アワレ(涙
それをファーレンが素手でべきっと直すわけだ。
惚れてしまいそうだ(´Д`*)
ファーレーン「身だしなみはいつもきちんとね、トキミ様がみていらっしゃるわよ」
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| ニヤニヤ
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>466>>485 ネリー、シアーは同時期に生まれた上で、
同じ場所に転送されてきて野良生活、という事になるわけでしょうね。
始めは二人とも完全に『静寂』『孤独』の名を表すように似たような物静かな性格だったのだが、
野良生活を営む上で、活動上の役割分担以上に
性格面での分担も無ければ精神的に負担がかかってしまう。
二人で支え合って生きていくうちにそれが顕著になって行き
『静寂』はその名に似つかわしく無い人格を形成するに至り、
その影響で『孤独』と言えるほど他人を寄せ付けない性格では無くなっていった……
こんな感じでネリシアの関係ができていったのかな、と。
あの二大おばーたんって両方処女だったっけ?
腹ぽこの方は小鳥陵辱の時にガッツの触手挿れさせてたよ
ウルカ「これが向こう側を見たお前の力か!
だがまだ足りない! 足りないぞーー!
お前に足りないものはー! それは!
情熱、思想、理念、頭脳、気品、優雅さ、勤勉さ そして何よりもーー!
速さが足りない!! 」
>>495 スク○イド ネタかいっ!(w
クー○ーの兄貴は僕も好きだす。
ってかスクラ○ドは(・∀・)イイ!!
今でも一番好きなアニメなんだな。
497 :
エロ大王:04/05/19 15:46 ID:v6texxLm
聖ヨト暦1年ファンタスマゴリアはスピリットとエーテル技術を手に入れました。
しかし、それは長い戦いの始まりでもあったのです・・・・・
時は聖ヨト暦254年聖ヨト王国は分裂し争うようになり・・・・・・・
そして時は流れ聖ヨトt暦330年・・・・(そ〜ら〜を仰ぎ、ほし〜を見つめ・・・・
(内 明日へのブリリアントロードのイントロ)
ナレーション エスペリア
みたいな
フラッシュつくってくれないだろうか?といってみるテスト
はぐれエトランジェ
∧/|_
'´ ヘヘ/
ノ ソノ从ハ)ゝ
ヽ(リ_^ヮ゚ノリ <ひょっとしてわたし人気ない?
〔⊆!)甘)7つ=(j=====>
く/_|j〉
(ヲヲ
/|
/i |
| | |
| | | '´⌒ ヽ
|《]| | ゙「_~~_i
| ||| ヾ(!゚ ー゚ノ <とらすけ〜どぉ!!!
| |||⊂「[]! Y![]つ
| !メ ノ_!!人!ゝ
|/ /_ノ >_>
どこでもドアかと思ってしまった…
雑魚スピはまたスルーでつか・・・_| ̄|○
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <中出し上等!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
そういえば、続編が出たとして、だ。
トキミおばさんと妊婦は多分出るとして、まあユーフォリアあたりも出るかもしれない。
でもファンタズマゴリアの雑魚スピは出ないだろうな。
…が、新しい雑魚スピなんかが出るとしたら。
今度こそ、通常のステータス画面でも顔が出てほしいなあ。
ストーリーに絡まないのは承知の上だから。うん。
, -‐‐- 、
/二二二\
∠ノ,ノノ^ソ从ゝ <妊娠三周期ですわ!
∠从リ ゚ ヮ゚ノ从ゝ _
(( /ヽ 〒 !7つ==∋)
人( iニノ ) ノ人  ̄
く/_|__ノ II
続編が出るとかいう情報を読んでさっそく再インスコしてしまったけど、
よく読んだら時深と今日子ED追加ってこのスレ的には全く嬉しくない続編じゃないですか…
_| ̄|○
>>505 総合化した以上、このスレ的に嬉しい思いをしているのがこの俺だ。
ひゃっほーっ!!ヽ(・∀・)ノ
正直、時深EDはキタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!
だよw
巫女好きの俺にはタマラン。
追加CGが今現在の技量で…というだけでいいよなあ。
集合絵だけでもいいから、雑魚スピ達の新CGが見たいものよ。
正直ね、アセリアの追加ディスクがでるにしても
雑魚スピENDまでは期待してなかったからさ。
(いらない訳じゃない、むしろ欲しい)
今回のエキスパンションディスクの2つのEND追加については
文句はないけど、せめて雑魚スピにも顔グラと
新規のCGが欲しいYO……たとえばサーギオス城内に
突入する時の姫さん演説後に剣を打合せるシーンとかにさ、
雑魚スピ達のシーンがあったら素敵じゃね?
Xuseさんお願いしますよ……。
会員限定とか通販限定とかされた時点で脱落な俺…
そんな俺としては雑魚スピがスルーされてるのは
むしろ諦めがついて良かったのかもしれん。
で、時深ルート辺りで妙な設定が出かねないので、
エキスパンション出たら雑魚スピのお話も書けなくなる…
どうやら俺はXuseに死刑宣告されたようだ。
それまでにもう1本ぐらいはお話を書いておきたいところだが…
採用した出典の範囲を明示するなりして、免責しとけばいいじゃん。
公式の情報を全て網羅するのは「理想」であって「必須」じゃないと思うし、
そんなんでSS書いちゃいかんとかなったら、殆どの二次創作は瓦解すると思われ。
まあ達観するか悲観するかは本人次第だから、開き直るも筆を折るも本人の自由
ってことで。っつーか、もし限定販売だというなら、むしろ行き渡らない人の方が
多いんだから、そんなローカル情報無視しちまえばよござんすよ。
じゃあ時深EDは無視の方向で…
>>513 別にこのスレのロカルーにしようとか、そういう「仕切り」のつもりじゃありまへん。
エキスパンションで「SSが書けなくなる」とお悩みの方に「こう開き直ればいいん
でねーの?」ってエールを送ったつもりですよってに、悪しからず。
あぁ、ごめんなさい。荒れかねない種まいてしまったようで。
考えてみれば設定資料集なしで書いてたりもしたわけで、気にしないのもありですね。
初心に帰った気がします。ありがとう。
そう、そんなこと心配するより、ネタを考える方が先ですた…orz
ある日、私は森に迷ってしまった。
夜になりお腹も減ってきた。
そんな中、一軒のお店を見つけた。
「ここはとあるレストラン」
変な名前の店だ。
私は人気メニューの「ナポリタン」を注文する。
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。
・・・なんか変だ。しょっぱい。変にしょっぱい。頭が痛い。
私は苦情を言った。
店長:「すいません作り直します。御代も結構です。」
数分後、ナポリタンがくる。私は食べる。今度は平気みたいだ。
私は店をでる。
しばらくして、私は気づいてしまった・・・
ここはとあるレストラン・・・
人気メニューは・・・ナポリタン・・・
↑ようわからんけど犯人はアイツだ
流れをぶった切って、雑魚スピのエターナル時の上位神剣を考えないか?と言ってみる
盗人(ファーレーン)とか超越(ハリオン)とかw
E時の上位神剣と言えば今日子EDでは今日子はE化するんだろうか?
するとしたら空虚から・・・・迅雷とか?
できれば3人そろってE化してほしいなぁ…
悠人と光陰は4部で死にます。
>517
ちょっと待てなんでファーレーンが盗人なんだ!?(w
彼女はそうだなぁ 『贖罪』とか? もしくは『毒牙』?そんな感じがする。
ナナルゥは『自我』かな?ガッツの『無我』と対になっているとか妄想してみたり。
>>521 残念ながら「無我」は「聖賢」と対になっているという設定がある。
…あ、「聖賢」の双子剣と考えればいいか。
…これ、ネリシアが意外に難しい…
セリアは「孤高」とか。ニムは…「独善」?
…ニムは怒られそうだなw
何か一部に秩序の永遠者用の上位永遠神剣が混じってる悪寒。
>>521 あんだけニムの神剣パクッてるからなぁ…w
ついでにガッツの剣は永遠と対じゃないか?
ファーレーンはそのものズバリ『腹黒』の方k(月輪の太刀
すまん、永遠じゃなくて聖賢だったか_| ̄|○
ファーレーン ……朧
ハリオン ……豊穣
ナナルゥ ……誠実
ヒミカ ……赤心
誠実と赤心は意味に差がないか。誠実はヘリオンの方がいいかな。
某所BBSの同ネタ?は、なんだか苦笑い。
なんか最近流れが遅いと思ったらそうか
明日は憂にぃの発売日か。
Xuseはアセリアしかしてないから関係ないね。
ここの流れが遅いのは元からだヽ(`Д´)ノ
ヘリオンタンの新妻だいあり〜でつか?
と今更なネタをだ(r
うむ。意識的に加速させない限り決して速くはないよ、ここ。
…と、かつて意識的に試みた者として言ってみる(w
●インタビュー
Q「あなたにとって『誓い』とは何ですか?」
瞬「その質問は、ほんと、読者が知りたい質問?」
Q「そうです」
瞬「うそ言うなよ。あんたのオマンマのタネだからしてんだろ?
くだらない質問するな」
Q「尊敬している人はだれですか?」
瞬「父親
(この答えはウソ。彼は、自分以上にスゴイ人間などいないと思っている。
佳織以外は誰であろうと小バカにしている)」
●ファンレター
・瞬様は最高です。ますますガンバッテください。(妖精趣味男)
・遊び始めたらやめられない。『世界』ください。(ロリ法王)
・気持ち悪いよ、あんた!(ハリセン娘)
・毎週10回は迫られます。(頭蓋骨)
・見るだけでムカつく奴、とくに前髪が嫌いだ。(シスコン兄)
・『誓い』を壊せ、『誓い』を破壊しろ。(不明)
・メ、メイドに性処理だと? イイ気になってんじゃねーぞ、ボケ!(生臭坊主)
・ンギュルゥギュギュルゥァ!!(愛してます。結婚してください。)(不明)
瞬!
おまえはバカ丸出しだッ!
ジョジョスレでおまえが来るのを楽しみに待っててやるぞッ!
ヽ)/
∠´ ハ`ゝ <っと・・・・
彡//ノハハ〉 Ш
ゞ(リ ゚ -゚ノ! / ̄ ̄ ̄ ̄/ ‖ <契約者よ、脊椎反射もほどほどにな
j(!つ y つ/ 憂新妻 / 〈 〉
 ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
>526
ハリオンは『天然』を激しく希望する(w
>528
(・∀・)人(・∀・)ナカーマ。
折れもアセリアオンリーだ・・・・・フロとアルティメットハンターの体験版はやったが
ユートさま、天然のエヒグゥですよ〜養殖物じゃありませんよ〜今絞めちゃいますから、お湯沸かして下さい〜
パパーっ! ハリオンちゃんがハクゥテを食べちゃおうとしてるよ、
このままじゃ毛をむしられて削ぎ身にされて茹でられておろし醤油で
食べられちゃうよ、そんなのイヤだよ、助けてよぉ〜っ!!
待て、ハリオン殿! それは食べてはなりませんぞ! それは大切な………非常食ですから
538 :
小ネタ:04/05/22 11:53 ID:9X1MCyQ3
ネリー「これはネリーのハクゥテだもん!」
シアー「や〜〜っ!シアーの〜〜〜!」
ヒミカ「それではこうしましょう。ふたりでハクゥテを引っ張りあって先に手を放した方があきらめる。いいですね、二人とも。」
ファーレーン(つまり先に手を放した方がよりハクゥテの事を思っているという訳ですね・・・)
アセリア「・・・・・・大岡越前」
悠人「ネタバレすんなよ・・・ってか何故それを知っているアセリア・・・・・・」
「そう先に手を放した方があきらめる、負けませんよ!」
「そういうことでしたら〜わたしも負けませんわ〜〜」
「これはネリーのだもん」
「シアーのだもん」
「なにをくだらないことを…(さっさと手を放せっての)」
「わっ、わたしの命に代えても強奪します!」
「お姉ちゃ〜ん、そろそろ手を放したら?」
「ニム、スピリットには消滅しても譲れないものがあるのよ…」
「メイドであるわたしを差し置いてこのような蛮行は……この愛にかけて放しません!」
「……大岡越前」
「おっ、アセリア殿はなかなか渋いご見識がお有りのようだが、どうも手が放せませんな」
「うん、絶対放さない」
「だめ〜、これは絶対絶対オルファのものだよ〜〜〜〜!!!!!」
悠人「あ″あ″〜、やめろ〜シ○ッカー!!! ぶっとばすぞ〜!!!」
全員でユートのティンコを引っ張り合うわけだ(・∀・
>>528 アセリアをプレイしたあとにトーマスを買ってちょいとやったんだけど・・・
エ・・・エスがぁぁぁそんな・・・オm(ネイチャーフォース
だった(・∀・)
>>541 「ときどきシュガー」の芳生を絵柄そのまんまでエスペリアにしてもハァハァ
「ユートさま、これは残酷なようですが、命の大切さを知るためにもいい機会です。
心を鬼にして下さいませ」
(大切な苗をいくつ食べられたことかわかりません……これはまたとない機会です)
「オルファ……ハクゥテの、エヒグゥの足はハイペリアの幸運のお守り。ユートが言ってた。
だから、大丈夫」
なんとなく勢いでヘリオンのつもりで絵を描いてみた…こんなんヘリオンじゃねえよ orz
>544
画像板にうpキボン、せっかくあるんだし。
546 :
544:04/05/23 01:12 ID:SW2RF9ih
うpしてみたー
GJ!!
絵描ける人っていいなぁ……ヘリオンじゃねえっと言ったって、あんなアングルの一枚絵
しかないんだよ(;´д⊂ もっと補完して。
今更、アセリアエンドを見た。ハードの時深は使えんね。さすがに正ヒロイン?だけあって
扱いは多少違うのね。エスの時は不満だったところで一応会話がある。
後は、ちょっとずるしてオルファとレスティーナEDを見てきます。そしたら、たまったネタを
書こうかと思います。
前スレでナナルゥの話書いた人
あ、画像板にアセリアチラシ載っけるのはありかな。
>>546 萌えますなー
俺もシアータンの絵を描こうと思ったけど、資料が無さ過ぎて書きづらい
画像版どこー?(ノДT)ヘリオンどこー?
>>549 ちょっと上を読み返せば分かると思うんだが…
壁紙仕様ヘリオンタン頂きますね
552 :
424:04/05/23 12:53 ID:sW7smECG
>製作者の人
もつかれ様です。
作った画像はスレ内に直リンしちゃっても全然おっけーですよ。
それから今日中に展示スペース作って片っ端からはっつけてこうと思ってるので、、
もし貼るの勘弁してってのあったら遠慮なく仰ってくださいヽ(´ー`)ノ
553 :
名無しさん@初回限定:04/05/23 15:56 ID:sW7smECG
554 :
424:04/05/23 15:58 ID:sW7smECG
あぁ、、、sage忘れ、、、
皆様本当にごめんなさい、、、 orz
いつの間に・・・新スレが立っていたとは。
556 :
544:04/05/24 00:12 ID:jrqWeATC
また描いちまったよ
むこうにも書いたけど連張りスマソ
>424さん画像板移転乙です。
絵板見てたら気になった、絵に関する妄想案を。
シアーがお絵かき好きそうって言うのは出たけれど、
全員で(スピリットに限らず)悠人を写生することになったら一体どのような物が出来上がるのか?
あるいは、出来上がった絵に対する各自の反応はどうなってしまうのか……?
服を着ているにもかかわらず何故かヌードデッサンをしてしまえるハリオンや、
どんぐりの背比べでどちらが上手いか聞いて悠人を困らせるネリーにオルファ。
みたいなのがちょっと浮かんできたので振ってみます。
アセリアが一番うまいのかな。ヘリオンは思いっきり美化しそうですな。ネリーは椅子に座って絵を描く
落ち着きがなかったり。ニムは「はー、面倒」
ハリオンは……
「な、何描いてるのハリオンっ!?」
「あら〜ヒミカさんどうかしましたか〜?」
「なぜ、裸なのっ。ユ、ユートさまはちゃんと服を着てるでしょうっ!」
「え〜?、どこかおかしいですか〜。私ユートさまの裸見たことありますから〜、ちょっとしたお遊びですよ〜」
!!!
八方から、強烈なプレッシャーを受けるユート。求めは警戒発令。
その後、アセリアの絵が密かにレスティーナの部屋に掛けられることに……。ハリオンのも。
それを住職のナポリタンが食い破る
ハリオンのを譲り受けたファーレーン
深夜にお楽しみ
「ああ、ユートさまぁぁー、ユートさまぁーー、ハァハァ」
それを影から覗くニム
「おねえちゃん…バカァ…」
>>560 画像板のファーレーンとニム見てきたばっかりだから、
なんかリアルに想像しちまったよ色々……(;´Д`)ハァハァ
ニム「んー、面倒だから思いっきり単純化しちゃえ。 ……でーきたっと!」
で、完成した絵は
コレ→ _| ̄|○
ズドーン!!
「おわっ!」
「きゃっ」
エスペリアとのお茶を楽しんでいたとある昼下がり、突然ものすごい爆音が鳴り響いた。
(敵襲、にしては妙な感じだが…)
俺は注意深く周囲の様子を確認すると、どうやら第二詰め所で何かあったらしく、建物の一部から白い煙が立ち昇っている。
しかし未知の神剣の気配は感じられないので、敵襲ではないようだ。
「ユートさま…」
エスペリアも状況を計りかね、珍しく訝しげな表情をしている。
「ここは俺が様子を見てくる。エスペリアはもし何かあったときのために第一詰め所で待機していてくれ」
「…わかりました。お気をつけください」
こうして俺は第二詰め所へ向かった。
思えばこのときエスペリアに行ってもらっていればあんなことにはならなかったのに…。
後悔は前もってできないから後悔というのだと、俺は改めて学ぶことになるのだった。
―ラキオス第二詰め所 食堂(居間)―
「奴が出た!奴が出た!」
「ヒ、ヒミカさん、落ち着いて!」
「ごほっ、ちょっと、室内で神剣魔法なんて使ったのはだれですか!」
「げほっげほっ、いったいなんなの〜?」
「みなさんー、お茶がはいりましたよ〜?」
俺が辿り着いたときには、第二詰め所は混沌の最中にあった。
ヒミカが神剣を振り回し、ファーレーンがそれを抑え、セリアが怒鳴り、ヘリオンは気絶し、ニムは寝て、ハリオンはお茶を注ぐ…
(………状況がさっぱりわからん)
とにかく煙が上がっているのはヒミカとファーレーンがいる調理場の方のようだ。(居間とキッチンは続き部屋になっている)
そっちに行けば何かわかるかもしれないと、俺はとりあえず他の連中を居間で大人しくさせて、隣の調理場へと向かった。
そこでは未だに二人でなにやら騒ぎあっていた。
「こら、お前たちはいったい何をやってるんだ!」
俺だっていつもかつもヘタレ隊長ではない。怒るときは怒るんだぞとアピールするためにも、当社比2割増の威圧感で二人に怒鳴りかけた。
(エスペリアにも隊長らしくないと注意されたからな)
しかし、二人は地獄で仏にでも会ったような顔でこっちを見た後、
「ユート様っ!」−がばっ
と、猛然と抱きついてきた。
「おいちょっと!?」
そしてそれと同時に両腕に押し付けられるやわらかい感触。
佳織やオルファに風呂を襲撃されたり、抱きつかれたりしたことはあったが、こ、これは…
「おぉぅ」
(って違う!何をもだえているんだ悠人!お前はこんなことをしに来たんじゃないだろう!)
俺は反抗期を迎えつつある息子を、父権を最大限活用して押さえ込ませ、またそのような葛藤が家庭内で行われていると気付かせぬように、
努めて平静に二人に話を聞くことにした。
「どどどど、どぎゃんしたと?」
…我ながら演劇に出なくて本っ当によかったと思う。が、俺よりもさらに混乱状態にある二人はこちらの状態には気が付いていないようで、
俺の両腕にしがみつき、うっすらと涙を浮かべながら調理場の一点を指差して呟いた。
「奴が、褐色の魔王が…」
「はぁ?いったい何の………」
二人の話は要領を得なかったが、その指差す先に―俺は見た。
愛らしくピコピコ動く触角
つややかな光沢を持つ黒褐色の肌
スポーツカーを髣髴とさせる美しい曲線的なフォルム
まさしくそれは、親指サイズのパーフェクトインセクト
「…………」
予期せぬ邂逅に言葉を失い、呆然とそいつを見つめていると、奴はおもむろに羽を広げてこちらに飛び掛ってきた!
「うわぁぁぁぁぁ!!」
「きゃぁぁぁぁぁ!!」
あまりに雄雄しい姿にヒミカとファーレーンは完全にパニック状態だ。だが俺は、今までにないくらい深く神剣の意思と同調した!
『目の前の敵を砕け…!』
バカ剣に言われるまでもない!4つの柔らかな誘惑すら今の俺を妨げることはできやしない!
「マナよ、光の奔流となれ!うおぉぉぉ、オーラフォトンノv」
「って、詰め所ごと壊す気ですかっ!」―ゴスッ
すんでのところで正気を取り戻したファーレーンの正確な突っ込み(月光の柄)が俺の側頭部にヒットし、
詰め所崩壊の危機は回避された。が、その隙に奴は俺たちの間をすり抜けて、皆が囲っているテーブルの上へと…
「――――!?」
「うきゃぁぁぁぁ!」
「ぅひゃぁ!」
「あらあら〜〜〜〜」
「え、ええええええ!?」
「………先制攻撃、いk」
『いっちゃだめー!!』
神剣魔法の発動こそ抑えたものの、一時は落ち着きを取り戻した居間は、またしても混乱の渦中へと落ちていった…
………
「まったく、みんな何をやっているんだ!」
混乱は十分ほどで終結したが、皆の不甲斐なさに俺の説教が始まっていた。ただ、ナナルゥだけはいつのまにか居なくなっていたが。
「たかが虫一匹にちょっと慌てすぎじゃないか?」
「自分だってノヴァ撃とうとしたくせに…」
ヒミカがボソッと呟く。取り乱してしまったことを恥じてはいるが、一方的に説教されるのは納得がいかない様だ。しかし、それを言われると痛い。
「う、そ、それはすまなかった。し、しかし、流石はセリアだよな」
なんだか話の流れが危なくなりそうになったので、慌てて方向転換を試みる。
「ユート様ずるい…。でも確かにセリアさんは落ち着いていましたね」
そう、あの混乱の中で常態を維持したのはセリアだけだった。ハリオンですら笑顔を引きつらせていたのに、
彼女だけは顔色一つ変えずハリオンが入れたお茶の香りを楽しんでいた。そして今もカップを口元に近づけたまま香りを楽しんでいる。
(…え、今も?)
「もしかして、なんかおかしくないか?」
「あの、セリアお姉ちゃん?」
異変を感じたシアーがセリアの前で手をぷらぷらと振ってみるが、何の反応もない。
「気絶しているみたいですぅ…」
「セリアお姉ちゃん、虫が苦手だから…」
以前にも何かあったのだろう。ネリーがやれやれといった具合に肩をすくめる。つまりこれは…結局みんな“奴”が苦手というわけか。
「ん、そういえば、奴はどうしたんだ?」
「あれ、ユートさまが退治してくれたんじゃないの?」
聞き返してきたのはネリーだが、どうやらみんなそう思っていたようで、14個の瞳が一斉に俺を射抜く。
「いや、俺は知らないけど」
「じゃぁ、まだあの褐色の魔王はこの館の中に居るんですね?」
今度はヘリオンの言葉に皆が見詰め合う。
「…んじゃぁ、俺はこれで」――――がしっ!
俺は面倒な流れになる前に立ち去ろうとしたが、何時の間にか復活したセリアをあわせた全員から腕をつかまれた。
「ユートさまは私たちを見捨てるんですか!?」
「まさか私達の隊長ともあろう方がこんな人だったなんてね」
「ユート、最低」
「ユートさま、酷いです!」
そして集中砲火。
「大体ユート様は…」「ひどいですねー」「えー!ユートさまは探してくれないの?」「あうぅぅ〜」
(こ、これはたまらん…!)
「分かった分かった!俺も一緒に探すからっ!」
こうして俺は、エスペリアとの優雅なお茶会から一転して、第2詰め所の総力を挙げた家捜しに協力をする羽目になったのだった。
「ユート様、すいませんが食器棚のそちら側を抱えてもらえますか?」
「ああ」
そしてあれから1時間弱、俺たちは未だに奴を排除するどころか、その姿すら捕捉できないでいた。
しかし、と言おうか、だからと言おうか、最早虫探しというよりは大掃除の様相を呈しており、
ファーレーンなどは鼻歌を歌いながら先ほど動かした食器棚の裏をはたきかけている。
「私はメイド あなたのメイド 掃除 洗濯 お料理 フンフン♪」
(まったく、俺が残る必要はなかったんじゃないのか?)
俺は苦笑して他の所の手伝いに行こうとしたそのとき、ファーレーンの鼻歌がピタリと止んだ。
(どうかしたのか?)
不審に思った俺は踵を返してファーレーンに近づくと、彼女は振り向きざまに、どんっと、勢い良く俺の胸に飛び込んできた。
そしてそれと同時に胸に押し付けられるやわらかな…ってこのパターンは今日で2度目だ。ということは…?
「奴が出たのか?」
俺の問いに対してファーレーンは、俺の胸にしがみついたまま涙目で頷き、棚の裏の一点に目をやった。
(落ち着け、神剣の意思に呑まれてはだめだ)
俺は大きく深呼吸をして昂ぶった気を静める。今まで対峙してきたどの敵の時よりも強く、神剣が訴えかけてくるが、
胸の中で震えるファーレーンが俺に落ち着きを与えてくれた。
(今暴走しちまったら、みんなもただじゃ済まないからな………よし!)
ファーレーンを庇うように胸に抱き寄せながら、スリッパを強く握り締める。
ではいざ、決着の時…!
と思ったが、そこに奴は居らず、それっぽい染みがついているだけだった。
「ファーレーン、これは奴じゃなくてほら、ただの染みだ」
「え、あら、本当ですね。すいません私はつい…………あ〃」
正体が判明して緊張が解けたためか、ファーレーンは今頃になって自分のおかれている状況を理解した。
そして俺も、彼女が意識したことで改めて自分達の状態―ファーレーンを物陰に押し込んで抱き寄せている―に気が付いた。
「ご、ごめん」
「いえ…」
お互いにそれだけを言ったところで目が合う。そのことでまた離れるタイミングを失い、そのまま見詰め合うことに…
(ちょっと待て!何をやっているんだ俺!こんなところでこんなことをやっていたんじゃ、思いっきり誤解されるぞ!
あ、でもファーレーンっていうと凛々しいイメージがあったけど、こうして見ると寧ろ可愛い顔立ちをしているな)
それは、今の彼女の無防備な表情が余計にそう思わせているのかもしれない。
上気して薄紅に染まる頬、俺を真っ直ぐ見つめる潤んだ瞳、そして何かを待ち受けるかのように薄く開いた唇…。
いつもとはまったく違う、まるで恋する少女のようなその顔から、俺は目を離すことができなくなっていた。
「ユート様…」
時間の感覚は殆ど無くなっていたので正確なところはわからないが、自分の感覚では長い間見つめ合った後、
ファーレーンは俺の名前を呟いた。いや、実際に聞こえはしなかったが、確かにその唇は俺の名前を呟くようになぞり、
…そのままゆっくりと瞳を閉じた。
「ファーレーン…」
先ほどから俺の意識はその艶やかな唇に釘付けになっていたせいか、
二人の間の雰囲気があまりに自然すぎたせいか、それを合図に俺は彼女の唇をめがけてゆっくりと首を傾け、傾け…傾けて
―ゴキッ―
折れた。
「ぐぉげっ」
「お姉ちゃんに何してるの…」
「げほっ、なぁニム。ごほっ、いきなり首を反対方向に曲げるのは、ある種殺人未遂だと思わないか?」
こうしている間もまだ俺の後ろ髪を掴んでいる。もう少し身長差があったらヤバイ事になっていたかもしれない。
「うるさい、お姉ちゃんに変な事するな!あと、ニムって言うな!」
「こらニム、ユート様はまだ何もなさっていません。失礼ですよ」
「そうだ!俺はまだ何もやっていない!」
「まだ?“まだ”なんだ?へぇ〜、じゃぁこれから何かするつもりだったんだ?」
「そっ、それは…!」
(そうだ、俺はいったい何をするつもりだったんだ!危なかった…もう少しで状況に流されて
年を取ってから“俺も若いころは〜”なんて苦笑いをしながら語るフラグがたつところだった…)
ニムの突っ込みのおかげで冷静になって考えると、先ほどの自分の行動に対して今更ながら背中に冷たいものが走った。
「…ちっ」
(…え゛っ!?)
「ユート!舌打ちをするなんて、どういうつもり!?」
「ユート様、そんなになさりたい事があるなら言ってくれれば…」
「ちょっと待て!今舌打ちしたのは俺じゃなくてファーレーンだろ!?」
「お姉ちゃんがそんな事するはず無いし」
「ホント。何の事でしょうね?」
ファーレーンは少し頬を染めたままそう言って、ニムと顔を見合わせた。
(うわっ汚っ!)
「なるほど〜、ユートさまはぁ、潤んだ瞳での押しに弱いんですね〜」
「今度試してみようかしら…」
「あ〜あ、ニムってば、いいところで止めるんだから」
「げっ、みんな見てたのか?」
声の方を振り向いて見るとと、第二詰め所の全員が集合していた。ハリオンなどはお茶菓子持参だ。
(そういえばバカ剣のやつやたらと反応していたから、同じ館にいたのなら気付かないほうがおかしいよな…)
「え、え〜と、これは〜その〜」
ヒミカやハリオンに冷やかされながらしどろもどろの弁明をしていると、膨れっ面でそれを見ていたヘリオンは…
「………」←突然何かを思いついたように辺りをきょろきょろ
「………」←あからさまにコソコソして、床に落ちていたごみを拾う
「…ズリズリ……ポイッ」←摺足で俺の方に近づいてきて、近くにさっき拾ったごみを投げる
「きゃー奴がー(棒読み)」←今気付きましたよ、と言わんばかりの態度で驚き…
「ユートさまっ!」←俺の腰に抱きついてきた。
『 ………… 』
「という訳でみんな、残りの掃除と奴の殲滅をがんばろう」
「そうですね、このままではおちおち眠ることもできないし」「ネリーもう疲れたー」「が、頑張ろうよ」「ユートさま、それでは」「ふんっ」
そのまま皆は何事もなかったかのようにそれぞれの持ち場に散っていった。
ヘリオンだけは未だに俺の腰にへばりついたまま、困惑の色を浮かべている。
「んじゃぁ、ヘリオン」
「は、はいっ!なんですか、ユートさま!」
「ヘリオンは脱衣所の掃除をよろしく。俺は倉庫の整理をしてくるから」
「はい頑張ります!………え、あ、あれ?」
―そんなこんなで全員分のお約束を繰り返しつつ捜索を続けていると、いつの間にやら、夜。
アオーン
「結局見つからなかったわね」
「詰め所は〜綺麗になりましたけどね〜」
「うぅ、でもこんなに緊張感のある掃除なんてもうしたくないよぉ」
「シアーもー」
ほぼ半日で、壊れた調理場の修理から詰め所全体の掃除(捜索)まで一気にやったためか、
みんな随分とお疲れの様子だ。
「しょうがない、今日はもうここまでだな。じゃぁ俺は帰るから、みんな、おやすみ」
(ようやく長い一日が終わるか。あぁ、もうゆっくり眠りたい)
俺は安堵と伴に色々なものをこめて息を漏らしたが、そう易々と帰れるなら
今までここでこんな作業に追われてはいなかっただろう。
「ちょっと待ってください。まだ奴は見つかっていないんですよ?」
「このままだと寝ている間に、奴に体を蹂躙されるかもしれません…」
「明日には私のハイロゥが黒くなっているかもしれないわね」
去り行く俺の背中に向かって、みんな好き放題言ってくれる。が、同じパターンが何度も通じる俺ではない。
でも、このまま無視して帰ると後が怖いし…仕方がないので俺は最終手段を用いることにした。
「あのな、みんなが不安に思うのは分かるけど、見つかるまで俺が居るって訳にもいかないし、
それにほら、今回のことをエスペリアにも説明しておかないといけないだろ?」
「うぅ、それはそうですけど…」
流石はラキオスの緑壁。エスペリアの名前を出しただけでみんなの舌鋒がみるまに弱くなった。
みんなも本気で奴が怖くて俺に残ってくれと言っている訳でもなさそうだし(セリアはマジっぽいけど)、
後はエスペリアがうまく言い包めてくれればようやく俺もお役御免だ。
(まぁその場合はエスペリアからまた「隊長らしくない」だのなんだのと説教を受けることになるだろうな…)
とにかく、エスペリア効果でみんなも沈静化したらしいので、俺は悠々と帰路につこうとしたが、突然ついと袖をつかまれた。
「お待ちください」
「ナナルゥ?」
「エスペリア姉様には事情も含めて説明してあります。同時にユートさまの宿泊許可も取りました。問題ありません」
ナナルゥが長文を読んだことにも驚いたが、その言葉の内容を理解するのにたっぷり5秒はかかった。
「は?あのエスペリアがこんなことを許可するなんて、いったいどういう説明を?いや、それ以前に、いったい何時行ったんだ?
さっきまでずっと一緒に掃除していて…あ!もしかして、あの混乱期に居なくなったけどその時に?」
最終手段を潰されて慌てまくる俺に対してナナルゥは一言だけ、
「先制攻撃は得意です」
と言ってニヤソと笑った…ような気がした。正直ハリオンやファーレーンよりこういうタイプが一番怖いかもしれない。
「まぁまぁ、ユートさまも抑えて。せっかく初めてのお泊りなんですから♪」
「あれ、それでユートさまはどこで寝るのかしら?この第二詰め所には空き部屋はもうなかったはずだけど」
「そうなのか?だったら…」
「だったらネリーたちと寝よー♪」
「寝よー♪」
「何言ってるの。もともと狭いベッドに3人も寝たら窮屈でしょ。ユート様は私の部屋で寝てもらいましょう」
「でもヒミカさんは体が一番大きいのですから、ここはスレンダーな私と一夜を伴にするのがいいと思うのですが」
「ちょっとファーレーン、黙って聞いていれば私の事を太っているみたいに!私は身長が高いだけで太ってはいないわよ!」
「みなさんしかたがないですね〜。ここはぁ間をとってぇ、私と一緒に寝てもらうというのはどうでしょう〜?」
『どの辺に間を取っているのよ!?』
「あ、あの!体ならわたしが一番小さいです!わたし、頑張りますから一緒に寝ましょう!」
(何を頑張るんだ?)
お約束と言おうか、みんな俺の意見そっちのけで、喧喧囂囂たる議論に花を咲かせている。
今の内に勝手に帰ってやろうかとも思ったが、この場を治めたのは意外にもセリアだった。
「あの、居間のソファーを全部並べたらみんなで寝るくらいできるのでないですか?」
…ただ俺にとって最悪の形で、だが。
「それです!セリアさんナイスです!」
「べ、別に私はユートさまの事など、どうでもいいのですよ!?でもほら、こんな事でいつまでも不毛な議論をするなんてくだらないし
皆さんの精神的健康を考えて合理的な意見を述べさせていただいただけであり…」
「はいはい。何でもいいから準備するわよ」
「うぅ〜」
……
…
という訳で即席の巨大ベッドは完成したが、ここでまた新たな問題が紛糾した。
「みんなで寝るのはいいとして、誰がユートさまの隣で寝るんですか?」
『それはもちろんわたしが…』
「ちょっと」「なんですか」「えー!」「で、ですからっ!」
「もぉ、みなさん。ユートさまはみんなの共有財産なのですから、独り占めはいけませんよぉ?
ここはぁ、ユートさまの体を〜みんなで分け合うことにしましょう」
なんだかこのまま黙っていればとんでもない方向に話が進みそうだ。
ここはひとつ不本意ながらエスペリアに言われたように隊長として毅然とした態度で臨まなければ!
「みんな、いいかげんにしてくれ!俺は…」「エレメンタルブラスト」
「うぉっ!?」
抗議を行おうとした次の瞬間、俺はハリオンの神剣魔法を喰らってベッドに倒れこんでしまった。
痛みはほとんどないが、体がほとんど動かない。どうやらスイッチが入ったこいつらに俺の言葉は届かないようだ…
(もう勝手にしてくれ…あぁ、これが諦観ってやつか)
今更ながらに光陰のところで聞かされた説経が思い起こされた。
「さて、ユートさまもぉ、納得なされたようですし〜、誰がどこを使うかを決めましょうか〜?」
「そうね…ではやるわよっ!」
その言葉を合図に全員が一斉にハイロゥを展開する。
(こ、こいつらまさか!)
危険を感じた俺はみんなを止めるために立ち上がろうとするが、ピクリとしか動かない。
そんな俺を尻目にみんなは勢いよく拳を突き出した!
「最初はグー!」
(ってジャンケンかよ!)
脱力する俺の前でジャンケンは景気よく進み、何時の間にやら俺の左腕はファーレーンに、
そして左手はニムに占領されてしまった。
昼間の事があるため、ファーレーンに腕枕をして見詰め合うという今の状況は非常に照れくさい。
「すみませんユート様、こんなことになってしまって。でも…ぇへへへ、なんだか恋人みたいですね。
恥ずかしいですが、ちょっと楽しいです」
「おいおい、ファーレーンそんな…」
「―ギロッ(お姉ちゃんにちょっかい出さないで!)」
「ん、なんですかユート様♪」
(うぅ、いろんな意味で心臓に悪い)
モゾモゾ
俺たちがそんな三竦みをやっている間に、今度は右腕の方に誰かが入ってきた。
俺はこれ幸いとばかりに首を右方向へ反転させると、
そこには布団をひっぱって顔半分を隠して照れまくるセリアの姿が…。
「え、何でセリアまで!?」
俺は普段のセリアならまず敬遠するだろう事をやっている事実に対して驚愕しただけなのだが、
セリアは何か誤解したらしく、ものすごい剣幕で食って掛かってきた。
「その言い方はちょっと酷いじゃないですか!ふんっ、どうせ私は戦争と訓練しか知らないつまらない女ですよ!
家事も得意じゃないし体型も中途半端だし…こんな可愛くない女に隣に寝られたらそれは迷惑でしょうね!」
「ちょっと待て!俺はいつものセリアならこんなことは“くだらない”とか言って参加しないからちょっと驚いただけで、
別にセリアのことが嫌いだとか、可愛くないだとか言っている訳じゃないって!」
「嘘ですっ!自分でも分かっていますから、慰めは必要ありません!」
「嘘じゃないっ!」
「じゃぁ好きなんですかっ!?」
「……え?」
「…ぁ…ぅ、その、ですから、ユートさまは私と寝るのは、そのぅ、好きですか?嬉しいですか?(うわぁ〜何言ってるの私!〃)」
なんだか、またその場の勢いで危ないことになっている気がする。
(ちょっと節操がなさ過ぎる気がするぞ、俺)
とは思ってみても、16ビートで刻む鼓動は止められない。
普段とは違うしおらしいセリアに、左脇に感じる抓られるような痛みも気にならないほど緊張していた。
「あのユートさま、何か言っt…わぁ!?」「セリアお姉ちゃんもうちょっと詰めて。よーし!ユートさまの右手ゲット〜!」
俺たちが二人の世界を作っている間に右手の所有者が決まったらしく、ネリーがセリアを押しのけてベッドに入ってきた。
ただ、俺の右腕にいるセリアを押すということは、当然向かい合っている俺の方に急接近してくるわけで…
そのままチョンッと鼻先が触れ合った。
『――!!』
その途端俯き加減だったセリアが大きく目を見開き、本当に紅を落としたかのように顔が真っ赤に染まった。
そして金魚のように口をパクパクさせ、やたらと混乱している様がうかがえる。
「お、落ち着けセリア!鼻だ、鼻だからな!問題ないぞ!いや、ほんと、口じゃなくてよかったな。
あ!別に、決して嫌とか言っているわけではなく、って言うか寧ろ俺の方は嬉しいと思うけど、そうじゃなくて!…あぁ〜」
当然のことながら俺の方もかなり混乱気味だ。自分でも何を言っているのか分からない。
「もういいですからっあっち向いてください!」―グイッ
さっきからずっと鼻先を合わせっぱなしで、耐え切れなくなったセリアはとうとう俺の顔を反対の左側にひっくり返した。
しかしそっちには口を尖らせて拗ねているファーレーンが…!
「うわっ…んぐっ」
(なにやら口に柔らかな感触が…これは!?)
危険を察知した俺は瞬間的に距離をとって見ると、ファーレーンは唇を指でなぞりながら惚けた表情でこちらを見ていた。
(んげっ!いったい何なんだこの展開は!?)
「…ん?ユート、お姉ちゃんに何かした?」
「し、してないしてないしてない!仮に何かしたとしても事故だっ!そうだよなっファーレーン!?」
「ユート怪しすぎ。お姉ちゃん、ホントに何もなかったの?」
「事故…。今のは事故なんですか?」
「な、あ、当たり前だろ!いくらなんでもそんな―むぐっ!?」
「んん〜〜〜」
「お、お、お姉ちゃん!?」
(αθÅ♂♀¥?@#!)
「んはぁ…。ふふっ、これでもう事故じゃなくなりましたね♪ではお休みなさい、ユート様」
(…………………)
「お姉ちゃん!なんでユートなんかに―むぐっ!?」
「んんちゅ〜〜〜〜〜んはっ。くすっ、ニムもユート様と間接キス〜♪」
「んな!なななななななななな」
「ななかまど〜?」
「うわぁっ、ハリオン!」
「何ですか〜人の顔を見て驚くなんて〜」
「なな何でも無いったら何でも無い!」
「……なるほど〜。ユートさま〜」
「わ〜わ〜!!」
「………………」
「あら〜、ユートさまもうお休みですか〜?しかも目を開けたまま〜?もう少しオロオロさせたかったんですけど、残念です〜」
「ほっ」
………
……
…
ちちち ちゅんちゅん
「……はっ!」
俺が意識を取り戻したときにはもう日は昇り始めていた。いつもの起床時間よりやや遅くらいだろう。
しかし、まだみんなは夢の中。やはり昨日の出来事は心身ともに随分と負担をかけたようだ。
(もっとも、今現在一番負担がかかっているのは間違いなく俺だろうけど)
あれからジャンケンがどういう結果になったのかは、なぜか覚えていないがとりあえず今は、
みんながどこかしら俺に体を預けている。昨日あれだけ敵意を剥き出しにしていたニムもしっかりと手を握り締めている始末だ。
「やれやれ。これじゃみんなが起きるまで、俺も動けないな。
しかし、こんなところをエスペリアやレスティーナに見られたら、何を言われることやら…」
そう呟いてはみたものの、俺はもうしばらく朝のまどろみと皆のぬくもりに身を任せることにした。
…けっしてやましい気持ちからではないぞ。うん。
その頃
―ラキオス第二詰め所近く―
「何も陛下自らが爆発現場の視察などに来なくても…」
「建前です。こうでも言わなくてはなかなか城からは出してもらえませんから(それに大っぴらにユート君とも会えるし〜♪)」
二つの影が第二詰め所に接近していることにユートは気付いていなかった……。
中途半端な感じですが、ここでいいかげん終わっときます。
いや、実は職場の休憩室で仮眠を取っていたら、なんだか体がむずむずするので起きて見てみると、
俺の体の上をゴキブリが這い回っていた…
なんて事があったもんですから、やり場の無い怒りと嫌悪感をぶつけるために
勢いでこんなものを書かせてもらいましたが……人間勢いだけで何かするものじゃないですね〜
しかしどうせ書くんなら、うぶで可愛いファーレーンが書きたかったのに…なんでこんなことに
580 :
エロ大王:04/05/25 19:00 ID:1cOmwd+4
>563-579
GJです! 萌えましたwマジで
面白かったですよ。オツカレサマでした
581 :
信頼の人:04/05/25 20:34 ID:roVoYC/p
>>579さん お疲れ様です。
珍しく残業無しで直帰したらいいものを読ませて頂きました!
仕事の疲れが癒されますね〜こういう話は♪っていうか、ファーレーン充分可愛すぎますw
あと、ナナルゥの「先制攻撃、いk」には笑わせてもらいましたw
ただ、自分もよく失敗しない様に気をつけているんですが、
あまり長い文はこまめに改行した方がいいかと。
ブラウザによっては変なトコで文が改行されて読み辛くなってしまいます。
>>579グッジョブ
「奴」を光陰に脳内変換して楽しみました
>>579 イイ感じ。特にファーレーンがちょこっと黒かったり積極的なところがグー。
なにげに問答無用に話を進めるハリオンにも笑った。
途中の夜の場面ではユートが泊まるのではなく、「奴」がいる第二詰め所から
離れて、皆が第一詰め所に来るのかとふと予想してしまった。にぎやかに。
それはそれで新たな騒動になりそうな気もするけど(笑)
何にしろ、楽しいSSでしたー 乙。
,'^》フ⌒´ヽ》ヘ
( ノ i」」」」」〉))
ノノ(!リ゚ ヮ゚ノリ(( <わたしら雑魚スピ〜♪ 悠人様に〜ついて逝く〜♪
(( ⊂! |T|!つ リ
===く/|_|〉lj=
(フフ
本スレよりテイクアウト。
そ、その歌は!
その歌はファーレーンが歌うべきじゃない!
その歌はエスペ(ゴキィッ!!
**** このレスは、当スレの主旨にそぐわないため検閲・削除されました ****
>>579氏
乙&G.J!
いやいや、転んでもただでは起きない勢いで、これからもよろしく〜(w
対「奴」戦にはコンバットをお勧めしておいてみる。
587 :
奴!の人:04/05/26 03:54 ID:A737vHSe
おぉ、叩かれるかもとびくびくモノだったけど、ここの住人はホントやさしいなぁ。
>581
うぅ〜ん、改行には気を使っているつもりでしたが、
あくまで自分の環境基準でしたから…以後精進します。
>583
確かにそろそろ第一の連中も混ぜていろいろやってみたいですが、
それではちょっとした小ネタに収まりそうに無いんですよね。
今回の奴も本当は数レス程度で収めるつもりだったのに、
かなりの量を削っても15レスにもまたがってしまった…
お前らもっとおとなしくして下さい。w
そういえば、季節ネタをやろうとして思ったんですが、
ファンタズマゴリアの季節ってどうなっていたかな?
589 :
寸劇の人:04/05/26 04:29 ID:kXTziSY2
ふーむ、やはり小分けに改行した方がいいのかなぁ…
レス数が1.5倍〜2倍ぐらいになったとしても。。。
590 :
信頼の人:04/05/26 06:57 ID:wryvCprH
実際このスレ的には何文字位での改行が理想なんでしょうね?
自分は大体50〜55文字程度で分ける様にしているのですが、
それでも失敗していないかヒヤヒヤしてます。
ただあまり頻繁に改行してもレス数が増えるのは出来るだけ避けたいですし・・・
あまり気にしなくていいでしょう
むしろ、転載時に不自然な改行になってる方が気になるかと
フツーのレイアウトの世界では30字前後と言われていますな<見やすい改行
ただ2chはプロポーショナルフォントで見てるから、文字数にこだわると綺麗な改行にはならんしなぁ。
俺の個人的好みでいえば、段落変更以外に改行はイラネ。
これだと変なところで改行というのはありえんからな。
>奴の人
楽しませてもろーたよ。セリアはこうじゃなくちゃね!
593 :
544:04/05/26 09:13 ID:Ke3SddKs
遅れましたが>579氏、GJ!でした
セリアとファーレーンが素敵だw
今後とも期待しとります〜
文が書ける人はええ…
ここは雑魚スピへの愛がいっぱいですね
なんて素敵な場所なのでしょう
画像板のファーレーン描いた人って、ひょっとして・・・
もし健在なのでしたら、「はじめてのおつかい」の続きを是非とも_| ̄|○ズットマッテルヨー
待ってるヤツ+1 ノシ
話中話がネリシアだったのはそういうことだったり(w
ま、あれだけの話なので大変なのはわかってますから、
ゆっくりじっくりでいいのでひとつよろしく…
待ぁ〜つ〜わ〜(ry
しかし、絵もいけたとは…ネ申!
597 :
名無しさん@初回限定:04/05/26 23:19 ID:a3nctIo+
郷田版ザウスのプロデューサーのコラムで
「あらきまきも頑張ってます。彼は『なみだ橋』の原画もやってますから、かなり忙しいです。さらに『アセリア』関連の新規原画もやってますからね。」
と言っている。
期待していいのかな
期待しない方がダメージ少なくていいと思いますよ?(^∀^)y─┛~~
あらきまき「これくらいの期待ならっ」
正直、人丸に書いて欲しいが。
あと、「アセリア」のおかしいところは一掃するようにしてほしい>エクスパンション。役ただずのスキルとか。
最果てのイマの原画は秀逸なのに、何故アセリアはあんな事になってしまったんだろう、、、
俺は人丸のほうが好きだが>原画
立ち絵がヘボかったのは認めるけどw 設定資料見たら上手い人だなと思ったし
602 :
601:04/05/27 02:15 ID:o5KJplZp
あー、あらきまきの事か、失念してた出直そう…
全CG書き直しを要求する!
あらきまきの原画はゲームの出る1年位前の絵らしいからな。
以前なんかの雑誌で言ってたような気がする。
今はもっと上手くなってると思いたい。
雑魚スピの完全補完なんて絶対実現しないんだろうな・・・
だがそれがいい。
完全補完でなくても、せめて目ありの個別グラフィックくらい欲しいな。
いつまでもネリーとセリアが見分けつかないのはどうかと思う。
ここの住人なら、脳内で完璧に見分けつくがな。
鬼畜ルートのCGとテキストから読み解くと、どうもネリーはポニテではないような
気がしてならんのだが……はて?
むしろセリアとアセリアの区別がつかない
ヘリオンハリオンはまだいいとして
オープニングタイトルでアセリアの「ア」の字が
サラサラーって消えないものだろうか・・・
どうせならセリアの髪型は敵青スピの「く・・来るんですか」
な髪型でよかったのに
トレンドは絵になった気はする(絵師の皆さんGJ!)が、
文字部隊は文字部隊でがんがらないとなぁ…
このスレの最大の敵は実は圧縮かもしれんな。ま、当面発生しないだろうけど。
と、保守まがいな書き込みをしてみるテスト(w
メーカースレ、もうダメだな……。
アセリアの話題を出しただけでアセリア厨扱いだ。
連中はメーカースレを自分たちの所有物かなにかと勘違いしてるんじゃないのか?
オレもちょいとネタ振りしてみるか。
最初、悠人を介護するのがエスペリアじゃなかったら……どうなると思いますか。
ハリオン、ファーレーンあたりはそつなくこなしそうで、セリアは、ツンとしてあまり親
身になってないようで、悠人が動けるようになって思わず顔をほころばせたりして、
悠人に見られて赤面したまま無表情を装ったり、ヒミカは結構事務的なんだけど、
悠人が元気になるにつれて、ポロッと優しさを出したり、この先の悠人の運命を考えて
難しい顔になったり。
年少組は考えにくいな。
関係ないけど、仕事中考えた。アセリアシナリオで、ハイペリアでの一戦後、テムオリン達がハ
イペリアから転移した時、悠人も小鳥も今のこと忘れるんじゃないのか?時深のことは、
時深がハイペリアに転移した時、悠人がハイペリアに存在しないから忘却からは逃れられると思うけど。
既出だったらスマソ。
針音はハイペリア(地球)語を当たり前のように話してくれそうな気がす
>>612 まぁ、方向性の違うブランドであっても同メーカーとして1スレにまとめようという時点で
無理なり軋轢なりが出るのは当然と言えば当然ではあるね。
俺はアセリア最盛期にはメーカースレに居なかったからよく知らんが、
多かれ少なかれ逆もあったろうし。
ネタならこっちに来てもらえばいいけど、ネタだけじゃないしなぁ…
ネタバレ・攻略避難所が終わってしまっているのが悔やまれる…
このスレとしては以って他山の石とするぐらいしかできんかね…
>>613 ニムは単独ではやはり辛いからまぁファーレーンとセットだろうなぁ。
ネリシアも二人でセットだろう。
遊び相手が増えたぐらいにしか思ってないネリーのアバウトな行動で
却って危険にさらされる悠人、そんなネリーをわたわたと止める役回りに
なってシアーも人見知りしてる余裕がなく、いつしかすっかり仲の良い兄妹に…
尤も、シアーの天然が発揮された場合はネリーの行動による災難がそのまま
悠人に降り注ぐことになるのだが。
だが、それもまた、微笑ましい日常のひとコマ…
今日もまた聞こえてくる…
「それーっ!♪」
「お、おいっ、ネリーっ!」
「だめだよ〜ネリぃ〜っ(汗」
グワッシャーン!
一瞬の間。
やがて誰からともなく笑い出し、
青く高く、ネリーとシアーの髪のように澄んだ空にこだまする…
吹く風は苦笑するようでいてどこかあたたかだった―――
616 :
613:04/05/30 00:54 ID:khE5MzeE
間違い>613
>× 時深がハイペリアに転移した時、悠人がハイペリアに存在し……
>○ 時深がファンタズマゴリアに転移した時、悠人がハイペリア……
ハリオン
「さぁユートさま、ヌギヌギしましょうね〜恥ずかしくないですよ〜一番最初着替えさせたの私ですからね〜
全部見ちゃいましたよ〜」
「うぅ……俺は汚れちまった……汚れちまったんだ」
ニム
「お姉ちゃん、ずーとユートばっかり」
「あらあら、ニムはまだ子供ですね。ユートさまはまだこの世界に来て日が浅いんですから、不安が多いんですよ。
優しくお世話差し上げないといけません。ニム、わかりますね」
ふてくされたニムは、ファーレーンがいない隙に、悠人の部屋に忍び込み、悠人の寝顔を見る。時折うなされる悠人の
顔を見つめている内になんだか自分が恥ずかしくなっていく。
しかし本編では、ユートにえっちなおねだりしまくりのニムしか描写がないのに、
ここではカンペキにファーレーンを巡って悠人に冷徹な設定が鉄板になってるのが
おもしろいw
>617
うむ。それは俺も思っていた。ということで、
最初ユートを助けるのがニムだった場合、拾ってきた動物を育てる感覚で
かいがいしくユートを看護するニム。ほかの人が手を出そうとすると
「ユートの世話をするのはニムなんだから!」
とか言って怒り出す始末。しかし基本的に介護慣れしていないので
所々で杜撰さや間違いが出てしまい、ユートを困らせるが、その時はファーレーンがこっそりと手助けを。
しかし、それに気がつかないニムは
「どう、ユート?いまのちゃ〜んとできたでしょ?」
と得意顔で聞いてきたり。
んで、ユートが動けるようになると、詰め所のほかの連中とも触れ合う機会が増えるけれど、
それが気に入らなくて嫉妬しまくるニム。
「か、看護したのはニムなんだから!ユートは他のみんなとあんまり話したらだめなの!」
でもって、ついに兵士がユートを城に連れて行く頃になると…
あ〜、なんだかどこまでも妄想が続いていくぞ?いいかげん終わっとけ俺。
>>618 萌えたよ……萌え尽きた……真っ白にな……orz
>>618 そ、そうか、最初なら優位の余裕でそれもありかっ!…⊂⌒~⊃。Д。)⊃モエー
むしろ途中でエスペリアにとられて修羅場だろうなピリピリ
リヴァイブ――気高く純粋なスピリットだけが使用できる
ですぜ。当然ニムは、朝日のような神々しさをもって、
ユートを介護するに決まっている。
ユート「ニムが気高く純粋ぃっ??なんか間違いじゃないのか?最初、めちゃくちゃやられたぞ。
顔全体にぬれタオルとか」
ニム「むー、ユート文句あるの?全部ニムがやって挙げたんだから、ユートは素直にニムだけ
見てればいいの」
朝焼けの空は赤く染まり、ハイペリアもファンタズマゴリアも変わりはない。俺は、この永遠の時を
全てを照らし出す曙の光と共に歩んでいく……
ハリオンはリバヴァイブ使えないな……
>617
>ユートにえっちなおねだりしまくりのニムしか描写がないのに、
この一言でアセリアやりたくなったんですが。
調教してるとこが見たかったけどな。
>>624 > 調教してるとこが見たかったけどな。
ネリー、シアー、ナナルゥも見たいぞ。
そこでソーマのスピリット調教ガイドとか・・・・・・・(汗
エ「ユートさま、新しい調教師の方がいらっしゃいました。これにより器具責めが実行可能になりました」
エ「ユートさま、ネリーのレベルが上がりました。新たなスキルを習得しました」 騎上位U→騎上位V
なんでアセリアは世話しないんだ?
エスペリア
「アセリア、生き物をむやみに拾ってきたら駄目ですよ。
結局、私が世話をすることに(ry」
部屋から脱走を繰り返すユート
菜園の香草を食い荒らすユート
そしてライトニングハリセンをくらうユート
ハリオン「あらぁ、今日も楽しそうですね」
>>631 G.J.!!笑わせてもらいました!!っていうか、カワイイ!!
バーンライトが陥落してから数日後。セリアは隊長室の前に立っていた。
「・・・・・・はぁ。」
あれから悠人とは一度も話す機会がなかった。
悠人はサモドアの町の混乱を収めたり、来るべきダーツィとの戦いに向けての準備で多忙を極めてたし、
セリアはハリオンのお陰で回復したとはいえ神剣に呑まれたマナの回復は、やはり容易ではなかった。
それでももう大丈夫だと思える程回復した今日、いきなり隊長室に呼び出しを受けたのだ。
セリアが伏せている間、悠人は一度も見舞いには現れなかった。
もちろん仕事が山積みなんだろうし、冷静に考えるといちいち部下の見舞いに行く義務は悠人にはないのだが、
なんとなくそれが拒絶の意思表示な気がしてセリアは寂しかった。
コンコン。そんな事を考えつつ、思い切ってノックしてみる。すぐに返事があった。
「どうぞ〜。開いてるよ。」
「失礼します。隊長、なにか御用でしょうか?」
緊張しつつ、用意してきたセリフを言う。よかった、つまづかないで言えたようだ。
「あ、ああセリア、話があるんだ。ちょっといいかな。そこに座って。」
「はぁ・・・・・・」
なんとなくボンヤリと悠人の顔を見ながら、大人しく座る。同じように座った悠人はあ〜、あのさぁ〜などと呟いていた。
なぜか彼も緊張しているようだ。どうやらなにか重要な事を話そうとしているらしい。
(なんだろう・・・・・・)
不思議に思ったセリアが自分から訊いてみようと口を開きかけた時、
いきなりこちらを向いた悠人が一気呵成に畳み掛けていた。
すんません、バックアップ作業のミスです……orz
636 :
寸劇の人:04/05/31 01:41 ID:iDDsk6+/
>保管庫の中の人さま
おつかれさまです。
修正・差し替えありがとうございました。多謝です。
メーカースレのアセリアに対する態度が気に食わないんでこっちで
ヒミカFエンチャントW+ネリーSフィールドU
+敵スピのSフィールドU(これは重ねがけ可能?一回より威力あがった気がする)
+炎の祭壇10+砦10+元ある属性修正が加わった威力を知りたくて
自分の段階では60Kほどだしたんですが
どれくらいいくものなんでしょうかね?
最初の一文余計
火種持ってこないで
失礼
640 :
信頼の人:04/05/31 20:54 ID:SJ0LA/CI
>保管庫の中の人さん
いつもお疲れ様です。作品の保管、有難う御座いました。
これからも宜しくお願い致します。
>保管庫の中の人さん、お疲れ様です。
保管庫への収録、どうもありがとうございます。
次回もよろしくお願いします。
昨日に間に合わなかった為に収録直後という間が悪い事になってしまいましたが、
第五幕となります。まずはちょっと注意を。
注意書き
・敵スピにひどい仕打ちが与えられることに抵抗がある。
・まだ見ていないイベントがあるため本編のネタバレがありすぎると……。
という方がご覧になる場合は十分にご注意の上でお願いします。
ラキオスがマロリガンを下し、二人のエトランジェを新たに戦列に加えてから約二ヶ月。
サーギオス帝国を相手にした決戦の火蓋がついに落とされた。
帝国第一の防壁である「法王の壁」を攻略し、都市リエルラエルをその支配下においたラキオス王国に、
情報部から一つの報せが飛び込んだ。その内容は、
「リエルラエル奪還に向かう帝国部隊とは別に、ソーマ隊の動きがある」
というものだった。レスティーナからそれを撃破するよう命を受け、
館の居間に戻った悠人の脳裏に、苦い記憶が蘇る。
数ヶ月前にラキオスがマナ障壁を解除するためにスレギトへと侵攻を開始した時、
悠人たちはその男に出会った。サーギオスもまた、マロリガンへと戦を仕掛けて来たのだ。
マナの気配をじわじわと感じさせながら、こちらの気力を消耗させた時点での
広範囲魔法による不意打ち。目に付いた他国の部隊は全て敵であるという宣言の通り、
容赦のない苛烈な攻撃をかろうじて防ぎきった所に、ソーマは姿を現した。
周囲に、完全に神剣に心を飲み込まれたスピリットたちを引きつれ、
自分以外の全てを見下した目をして薄気味悪く笑いを浮かべている。
ただ一言、ソーマが呟いただけで一斉に強襲をかけるスピリットたち。
だが悠人はその姿よりも、むしろそのスピリットたちに強い印象を受けた。
言葉を発する事もなく、ただ命令のままに剣を振るう姿に必死に猛攻を防ぎながらも既視感を覚えたのだ。
再び、ソーマの声でずらりと元の位置で彼をかばうように整列する。
ソーマズフェアリーの名の通り、一糸乱さぬ従順さに、悠人は言葉に出来ない不快さを感じた。
こちらも、陣形を整えて対峙したが、ソーマはいやらしい笑みを深くすると、
悠人ではなく、その隣に立つヘリオンを見る。
「くく、成る程。今回は様子を見るだけのつもりだったのですが、
まさかこのお嬢さんがまたしても共に居るとは思いませんでしたよ。
報告では、あなたが居なければ作戦は完遂されたという事で大変興味が湧いていた所です。
気が変わりました。お前達、もう少し遊んであげなさい」
その声と共に、次には主な標的をヘリオンと定めスピリットたちが襲い掛かった。
咄嗟に悠人はヘリオンをかばおうと動く。
「あの時の、王都に襲撃をかけたスピリットたちはお前の仕業か!」
だが、悠人の足止めをするように、三体のスピリットが彼を取り囲みヘリオンへの道をふさぐ。
他の面々も、手出しが出来ないように数体ずつに攻撃を受けている。
ヘリオンの前には、一体の黒スピリット。その状況を作り出して何をしようというのか、
ソーマはただにやけた笑みを貼り付けて陶然と悠人の声に答えた。
「ええ、尤もわたしの部隊の数は少なかったですがね。雑魚どもの見張りにと着いて行かせました。
それにしても、折角の機会を逃すようでは帝国のスピリットといえども情けないという他ありません。
国王の殺害には成功したからまだ良いものの、勇者殿、あなたの暗殺には失敗したのですからねぇ」
その言葉に驚きながら、悠人は自分に向かって振るわれた刃を切り払う。
「俺を、暗殺だと」
「はい、わが国のエトランジェは少々扱い辛くて。
簡単には、邪魔なあなたを殺そうとさせていただけないのですよ。
あの時はちょうど良かったのですが、肝心な所で邪魔が入ったと帰ってきたものから聞きましてね」
言いつつ、ソーマはヘリオンと、彼女と切り結んでいる黒スピリットを眺めやった。
「あれが作った好機を、そのお嬢さんが潰したというのでどのような物かと期待していたのですが」
悠人に、その時の光景が蘇る。味方ごと自分を貫いた神剣魔法の槍、あれを放ったうちの一人が、あの黒スピリットだというのか。
「機会を作ったって、お前が、お前がスピリットに仲間を攻撃させたのか!」
悠人の激昂をさらりと流して、不敵に笑い言葉を返す。
「仲間?これは面白い事を仰る。我が隊の者どもも、帝国のスピリットも全て道具に過ぎません。
より高い成果を望むためなら一つや二つ使い捨てたところでなんだというのです。
それに、報告にあった隊列であなたに攻撃をかけた時点で、その行動は作戦通りなのですから、
何を思う事がありましょうか。まあ、それを実行したにもかかわらず生き残った勇者殿の悪運には
恐れ入りますがねぇ」
口の端をゆがめて含み笑いを響かせる。これ以上話を聞くと自分がどうなるかわからないと悠人は思い、
一刻も早くヘリオンを援護しようと包囲を抜け出すために剣を構えた。
「ほう、これはなかなかどうして、か細い剣の割には頑張るじゃありませんか。
勇者殿もご覧になっては如何です」
耳障りな男の声が悠人の心を揺さぶる。
攻撃の隙間を縫って、悠人もヘリオンの様子を覗き見る。いや、見られるように攻撃の手を緩めさせたのか。
だが、ソーマの言葉とは裏腹に、ヘリオンは完全に防戦一方だった。
強くなったといっても、それもまだ以前と比べての話なのだ。
どんなに隙を消そうと構えていても、ソーマの黒スピリットの攻撃は確実にヘリオンの隙を見つけ、
的確に傷をつけていく。だが、遊んでやれとの言葉どおりに決して致命傷は作らない。
じわじわと、力の差を見せ付けて屈辱を与えるように責めたてていく。
「ぅあっ、っつぅ、くぅぅっ」
ヘリオンが苦悶の声をあげるたびに、ソーマの顔が愉悦に歪む。
それに気付いた悠人は一時我を忘れかけ飛び出そうとしたが、
一瞬自分に向けられたソーマの冷酷な目線にかろうじて踏みとどまった。奴の狙いはこれだ。
指先一つでも全てのスピリットを自分の周りに呼びつけられるだろうソーマに、
単身でのの突撃は意味がない。それよりも先ずは。
「どけえええぇぇっ」
魔法で自らの筋力を増幅し、悠人は周囲のスピリットたちを打ち払い弾丸のように、
ヘリオンと黒スピリットの間に割り込んだ。
悠人が背にかばったヘリオンは肩で息をし、ふらついた足でかろうじて立っている。
対峙していた黒スピリットは悠人が飛び込んだ時点で距離を取っていた。
「やれやれ、これからが面白いところでしたのに邪魔をするとは。
勇者殿は興というものが分かっていらっしゃらないようですねぇ」
そう嘯き、ソーマはまたスピリットたちを呼び寄せた。自分が打ち払った者の他はほぼ無傷。
ヘリオン以外のこちらの被害も殆どない。
ソーマの思惑通りに、ただ一方的な見せ物に邪魔が入らぬように加減されていたという事か。
怒りに満ちた目で睨む悠人の視線を無視し、
ソーマは悠人に支えられているヘリオンの全身を舐めるように眺めて言い放った。
「次にお会いする時にはもう少し先まで楽しませてもらう事にしますよ、
まあ、その貧相な剣でどこまで耐えられるのかはわかりませんがねぇ」
びくりと、悠人の腕にヘリオンの震えが伝わる。
邪な視線に晒された不快感と、恐怖、そして怒りがない混ぜになってヘリオンの顔から色がひいていた。
思い出したようにソーマが悠人に向き直り囀り続ける。
「そうそう、勇者殿にも邪魔をしてくれた御礼に面白いものを用意して差し上げないといけません、
それまでは、かつての同胞になど殺されないで戴きたいものです。
尤もそれは勇者殿がかつての友を手にかけるという事ですが」
あくまでも慇懃に、悠人の心の怒りの種を植え付けてソーマ隊は去っていこうとする。
その彼らの背中に、途切れ途切れの声が浴びせられた。
「ユートさまをっ、バカに、しないでくださいっ。
ぜったいに、ユートさまが殺される事なんて、ないですっ、それに、
親友を殺すなんて事、ユートさまはしませんっ」
悠人の支えをそっと抜け出し、自分の足で立ち怒りに顔を染めてヘリオンが叫ぶ。
ソーマだけが顔をこちらに向けて唇を嘲笑に歪め、
「ほう、勇者殿の言葉は自分の周りには届いているようですな。
仲間を思う、ですか。いや、それ以外にも教えた物があるようですがねぇ」
更に悠人を揶揄し今度こそ姿を消した。
それが見えなくなった頃、ついにヘリオンがふらりと体を傾かせた。
慌てて悠人が彼女を抱きとめ、駆け寄ったハリオンが治療魔法をかける。
傷は見た目ほど深くはなかったが、それが余計に精神的な疲労をヘリオンに強いていた。
「ユートさま、あんな人の言う事、気にすることありません。
そんな怖い顔してたら、エトランジェのお二人がびっくりしちゃいますよ」
それでも、悠人の心を落ち着けようと微笑むヘリオンに促され、
悠人は頭を埋めるソーマへの怒りをなんとか押さえ込んだ。
ぎり、と悠人は歯を噛み締める。あの笑みとヘリオンへの行為が脳裏に浮かぶたびに虫唾が走る。
あれ以降、マナ障壁が解除されてからは帝国の部隊は表には現れず、
ラキオスとマロリガンが攻防を繰り広げている間、力を蓄え続けていたようだ。
そして今、再び目の前に現れようとしているその相手に、悠人は思考を巡らせた。
スピリットを完全に道具、作品として扱い、敵のスピリットでも自分の作品の遊び道具とする
ソーマの行動に、悠人は純粋な怒りと、配下のスピリットたちへの哀れみを覚える。
「ユートさま、また怖い顔しちゃってますよ」
その声に、はっと俯いていた顔をあげるとそこには何時の間にかヘリオンの姿があった。
彼女の言葉の通り、こわばっていた顔を手でほぐしながら、悠人はヘリオンに向き直った。
「そうかな、いつも通りだと思ってたんだけど」
悠人の言葉に、ヘリオンは思わず苦笑してしまった。
「ユートさまが普段からその顔じゃあ、みんなもっとピリピリしちゃいますよぅ」
「そっか、俺が気の抜けた顔してるからみんなもリラックスしてるって事か」
「そんなぁ、気が抜けてるなんて、そこまでひどい事言ってませんよ」
慌てて手を振り、大げさに否定の仕草をするヘリオンを見ているうちに、
ようやく悠人の顔から緊張が取れた。
「うん、さんきゅ、ヘリオン。ちょっとは落ち着いたから、大丈夫だと思う」
「ちょっとだけ、ですか」
悠人の隣に腰をおろし、小さく息をついてしまうヘリオンに悠人は自らも溜め息を洩らし、
「相手が相手だからな、強敵だって事以上にあいつが許せない。
ソーマがスピリットたちにしてる仕打ちも、ヘリオンにした事も。
そう思うと、どうしても落ち着いてなんかいられなくってさ」
と言葉を返した。それにヘリオンは照れを浮かべかけたが、
すぐに表情を引き締め、決意を込めて悠人に向かった。
「でも、そんな気持ちじゃ危ないです。きっと罠が有るに決まってますから。ですから」
「ああ、だからさ。そうだな、ヘリオンは、自分であれから強くなったって思うか」
ヘリオンの言葉を止め、悠人も真正面からヘリオンと向き合い尋ねる。
意表を突かれて目を瞬かせたヘリオンだが、自らの胸に手を当て、思うところを正直に答えた。
「え、それはまあ、また『失望』も強くなったみたいですし、わたしだって訓練してますから」
実際の所、それは悠人も分かっている。
マロリガン、サーギオスとの戦いを経て、ヘリオンは格段に成長を遂げている。
いまだ原因は不明である事が不安ではあったが、
神剣に飲まれる事も無くスピリット隊の一員として誇らしい働きを見せていた。
あくまでも確認のために聞いただけの事だが、それでも少しは安心する足しになる。
「だったら、頼みが有るんだ。また、俺と一緒に来て欲しい。
今度は絶対に戦わなくちゃいけないけど、必要以上に怒りに流されちゃきっとソーマの思う壺だろうから」
「ユートさま、その、わたしも連れて行ってくださいって言おうとしてたんですけど、
ほんとに良いんですか。足手まといだから危ないって怒られちゃうと思ったのに」
「危険な目にあわせる事になるっていうのは分かってる。
でもそれ以上に、ヘリオンが一緒にいたほうが安心して戦えるんだ。
出来る限り俺もヘリオンを援護するから、その分、俺を支えてて欲しい」
聞いているうちに、顔を真っ赤に染めて俯いてしまったヘリオンの様子を見て、
自分にもこみ上げてきた恥ずかしさを誤魔化すように、悠人は軽い調子でヘリオンに声をかける。
「それにさ、ヘリオンだってあれだけバカにされたんだから、ちょっとはやり返さないと気がすまないだろ?」
ふっと微笑みを浮かべて、ヘリオンは顔をあげた。
「わたしが気に入らないのは、ユートさまが侮辱されたからなんですけどね。
わかりました、わたしも全力でユートさまをお助けします。一緒に頑張りましょう」
今度は悠人がその表情に顔を赤らめて、頷いた後はヘリオンを見つめたまま黙ってしまった。
「なあお前ら、そういうのは自分の部屋でやってくれんか。
報告に来たのにそれじゃいつ始めりゃ良いのか分からんからな」
光陰の声に見つめ合っていた顔をその方向にやると、それに加えて今日子がいた。
光陰、今日子はリエルラエル防衛の指揮をとることが任務となっていた。
それに関しての部隊の運用案を提出しに来たという。
悠人は慌てて真面目な顔を作りそれを受け取った。
「リエルラエルには正規部隊が押し寄せてきてやがる。
こっちはやたらと数を揃えていやがるから、悪いが本当に二人で行ってもらわなきゃならねぇが、いいんだな」
「ああ、そっちは任せた。光陰と今日子が率いてくれるんなら安心だからな」
「うん、大船に乗ったつもりでいなさい、絶対被害なんか出さないから!」
「むしろ、本当に心配なのはヘリオンちゃんよりも悠人、お前なんだぜ」
光陰は頭を掻いて、役に立つかどうかは分からんが、と前置きして言葉を続けた。
「奴さん、中身はアレだが立てる作戦に関しては残念な事に最悪だ。
それもこっちの弱みを確実に突いてきやがる。きっとこんなに早く情報を掴ませたのも、
悠人が動ける間にソーマ隊におびき寄せたかったからだろう」
息をついて、光陰が悠人を見据える。
「言っとくぞ。ソーマズフェアリーたちに同情してる暇なんざ無ぇ。
ソーマを先に倒すなんてのも不可能だ、奴がそれを許すはずもない。
まず、フェアリーたちを倒しきってから、ソーマにとどめをさす。
俺が戦うならその線で行く。奴も、お前の甘さを念頭に置いて攻めてくるはずだ」
「分かってる、そもそもあのスピリットたち相手に手加減なんかしてる余裕は無いじゃないか。
それに、あそこまで心を飲み込まれたスピリットたちを今日子の時みたいに助ける事はできない。
残念だけど、それくらいは分かってるよ」
ならいいんだがな、と光陰は溜め息をついた。しかし心の中では何か拭いきれない不安がある。
確かに悠人はそれくらいの覚悟なら今までの戦いで培ってきただろう。
たとえ無理やりにそう思い込むというものだとしても。
ただ、その程度で悠人の弱みをつく事になるかという観点ではまだ弱いと光陰には感じられるのだ。
そして何よりも、悠人と、自分と今日子には決定的な違いがある。殊に人を相手取るというのなら。
「いいヘリオン、悠が無茶しないように面倒みてやるのよ」
「はい、キョーコさんもコウインさまもご無事でいてくださいね」
本当に、どちらが守られる事になるのか分からないなと、
悠人はひそかに微笑みを浮かべてヘリオンたちを見やっていた。
その様子を光陰は厳しい目で見続ける。最後まで、その不安を口にする事は無く、
出立の時刻や侵攻の道筋などを確認して四人は解散した。
空は曇天。垂れ込める雲の下、悠人とヘリオンはソーマのいる本隊を目指しリエルラエル南西の森を疾駆する。
『求め』が敏感に感じ取る神剣の気配を追って進むうちに、既に幾度かの交戦をも行っていた。
確かに、ソーマズフェアリーは強敵だったが小隊単位での行動中に遭遇した事と、
悠人とヘリオンの息の合った連携が効果的に働いている事で、個別撃破に成功している。
とはいえ気の抜けない戦闘が続いている事に変わりはなく、
二人には肉体的、精神的にも疲労が見え始めていた。
近くに敵の気配がないことを確認した悠人が隣を走るヘリオンを留める。
「よし、ここで最後の休憩にしよう。終わったら一気に本隊へ突っ込むぞ」
ヘリオンは頷き、悠人に尋ねた。
「本隊にはあとどれくらい、残っているんでしょうか」
「まだ距離があるけど、大体ならわかる。ざっと七、八人くらいだ。それに、ソーマもいるだろう」
その名を出した瞬間、悠人の顔に陰が落ちた。首を振って、それを振り払う。
そのまま、悠人は黙って木の幹に背を預け体力の回復に努める。
それを見るヘリオンは何も言えずに、ただ悠人の左手を握り彼の肩に頭を預けた。
暫くして、ヘリオンは頭にぽんと悠人の手が置かれたのを感じた。
何時の間にか閉じていた目を開けると、目の前にはヘリオンを見つめている悠人の顔があった。
「あ、す、すいませんっ出発ですねっ。わたしったら、ぼーっとしちゃって」
「いや、まだもう少しいいんだけどな。何か安心して寄りかかられてるとこうしたくなって」
くしゃくしゃとヘリオンの頭が撫でられる。
「ユートさま、緊張感が無いですよぅ」
「そんなこと無いよ。ヘリオンがくっついてくれてるから落ち着けてるだけなんだ」
悠人は最後に一度、ヘリオンの頭をぽんと叩くと、そろそろ行こうかと切り出した。
ヘリオンは深く呼吸をして心拍を落ち着けて頷いた。
「はい。わたしも、平気です。さ、ユートさま行きましょう」
ヘリオンの言葉に悠人も頷き、二人は再び、ソーマが待つ本隊に向かって動き始めた。
『求め』が感じる気配のままに歩を進め、森の中でも少し開けた場所に陣取る本隊を発見し、
二人はゆっくりとその場へと足を踏み入れた。先ほどからは相手の神剣の気配もまるで見せ付けるように
強く感じ取れていたため、こちらの場所も割れている事は分かっていた。
向こうから動く事は無く、ただ待ち受けていたソーマにどんな手が隠されているのか。
悠人とヘリオンは警戒を強めながら対峙した。
「予想よりも随分と早かったものですね、やはりあれでは物足りなかったのですかな」
以前と同じく、周囲にスピリットを配置してソーマは悠然と立っていた。
スピリットの数は三人。黒スピリット二人と青スピリットが一人。その誰もが無表情にソーマの命令を待っている。
感じ取った人数よりも少ない事に気付き、更に周囲を注意深く探ろうとする悠人に、
ソーマはゆっくりと言葉を続ける。
「いやはや、ラキオスの勇者殿の武勇は我が方のエトランジェにも届きましたよ、
まさか、マロリガンのエトランジェとの和解を成功させるとは、とね。
確かに、勇者殿の言葉は正しかったわけです。仲間を思うという言葉は」
芝居がかった調子で台詞を吐き続けるソーマに向かい、腹の底を探られるような不快感を覚えながら、
悠人はソーマたちに剣を向けた。
「思ってもいない褒め言葉なんか要らない。俺達はお前を倒しに来たんだ、ソーマ」
「いえいえ、思っていないなどという事はありませんよ。事実、私もそれを確認した所ですのでね。
……御出でなさい、お前達」
その言葉を言った時に、ソーマの背後の茂みから新たに四人のスピリットが現れた。
青スピリットが二人に赤スピリット、緑スピリットが一人ずつ。
彼女達は他の三人と同じ様にソーマの前に、壁となるように並ぶ。
だが、それを見て悠人とヘリオンは一瞬、驚きに目を見開いた。
その姿は元からソーマの側にいた者達とは大きく違っていたからだ。
頭上に輝くハイロゥは限りなく黒に近いが灰色に保たれ、その瞳には灯火とも言えるほどの小さな光。
そして、残った光が宿す物は明らかな怯えだった。
「まさか、まだ意志が残ってるんですか」
「ええ、以前に少々手に入れる事が出来ましてね。普段なら即座に私に忠実なようにしてしまうのですが、
勇者殿にはこちらの方が好みに合うと思いましたので。お気に召されましたかな」
「ふざけるな!」
ソーマの言葉にヘリオンが思考をやるよりも早く、悠人が吼えた。
悠人の一喝に『求め』からも強力なオーラが噴き出し、その圧力に四人のスピリットは大きく震え上がった。
「やれやれ、やはり神剣に格差が有るときには恐怖が先にたちますか。
酷いとは思いませんか勇者殿、あなたのせいでこんなに怯えてしまって」
そう嘯きながらソーマは背後から一人の頬に手を這わせた。ぴくりと、恐怖とは違った嫌悪に身を震わせたのを
悠人もヘリオンも見逃す事は無かった。そのまま、ソーマは四人に囁く。
「まあ、それもこれまででしょうがね。お前達、あれがラキオスの勇者、ユートです。
その残った心のままに、お行きなさい」
そう悠人を指差すと、そのスピリットたちの動きが変わった。
即座に神剣を構え、一斉に飛び掛かり、または詠唱を始める。
先ほどの震えを微塵も感じさせること無く、悠人に向かい攻撃を加えた。
先ずは青スピリットの強烈な斬撃、それを悠人が受け止めたときに目が合った。
その瞳に残る物は殺意でも敵意でもなく、純粋な憎しみ。
そして緑スピリットの刺突、切り払った剣から伝わる物があった。
衝撃でもマナのオーラでもなく、純粋な憎しみ。
更にもう一人の青スピリットから斬りつけられる。かする程度に回避した悠人がその表情に気付く。
かわされた悔しさで無く、傷つけた嬉しさで無く、純粋な憎しみ。
最後に、赤スピリットが火球を叫びと共に放つ。ヘリオンと分断されるように跳び退いた悠人の耳に声が響く。
必殺の気合でもなく、自己への鼓舞でもなく、純粋な憎しみ。
火球が飛び去った後のヘリオンの視界には悠人に向かうスピリットたちの姿が映った。
「ユートさまっ」
離れた悠人に駆け寄って背中を守ろうとしたヘリオンに、二つの影が忍び寄った。
「お嬢さんの相手はこちらです、また私を楽しませてください。
ああ、ご安心を。勇者殿とは違って殺せとは命じられておりませんので、命までとろうとは思いません。
まぁ、彼が死ぬ所を見せて差し上げた後にゆっくりと可愛がってあげますよ」
下卑た笑いを浮かべるソーマをできる限り無視し、ヘリオンは目の前の二人に神経を集中させる。
絡みつく視線を感じながら、やはり弄ぶように剣を打ち付けるスピリットたちを相手取り、
「邪魔をしないでください、わたしはユートさまの所に行くんですっ」
突破口を開く事を考えながらヘリオンは剣を振った。
起き上がった悠人が周囲を確認すると、既に四人のスピリットに囲まれていた。
ヘリオンには元からいた三人のうち、黒スピリットと青スピリット一人ずつが斬りかかっている。
またしてもソーマは遊んでいるつもりか、まだ本気で相手をさせていない様に見える。
(援護するって言っておいてこの様かよ、情けない)
当のソーマは一人離れた所で見物を決め込んでいるようだ。
悠人の視線に気付き、ソーマは大仰に笑みを浮かべる。
「どうしました勇者殿、その子たちの思いには気付いたでしょう。
どうか、叶えさせてやってはくれませんか。そうすればその思いからは解放されるのですから」
「ぬけぬけと、お前がそう仕向けたんだろう!」
「いいえ、その子たちの感情は元からあなたに対して向けられていた物です。
私はそれをあなたにぶつけられるように育てて、舞台を用意してやったに過ぎません」
ソーマの言葉が終わらぬうちに、再び悠人にスピリットたちが襲い掛かる。
その攻撃は、ソーマズフェアリーにしてはまだ凌ぎ易かった。
しかし実際の攻撃以上に、込められた憎悪が悠人の動きを鈍らせる。
そして、ひしひしと伝わる感情に紛れ悠人の背後から更なる一撃が加えられた。
「何っ――」
咄嗟に身を捻って直撃は避けられたが、浅く切り裂かれた左腕からは血が流れ出している。
ソーマズフェアリー最後の一人が、殺気も感情も無く、黒スピリットらしい静けさで襲い掛かってきたのだ。
(黒スピリットが本命で、後はその気配を隠すための囮ってことか)
ならば、と悠人が先に黒スピリットを相手取るために『求め』を構えなおした時、
四人の表情が驚きに変化し、黒スピリットを守るように移動する。
「言ったでしょう、その子達は仲間思いなんですよ。何しろ彼女がその子達に残された最後の仲間なのですからね」
戸惑う悠人に嘲る声がかかる。その反応を楽しむように一呼吸置き、
「分かりませんか、先ほどからあなた方が殺してきたスピリットの大半が彼女達と共に私の下に来た仲間だったのですよ。
数が減るのを感じる度に勇者殿への憎しみは一段と強くなった。最後の仕上げはあなたがもたらしたのです」
ソーマは声を上げて笑う。
口内が乾くのを感じながら、もう一度悠人は四人のスピリットを見た。
仲間をかばおうというよりは、奪おうとする相手への憎しみという意志が覗く。
だが紛れもない意志の光に、悠人は無意識のうちに躊躇いを覚える。
「ヘリオンを助けに行くには、やるしかないじゃないか。誰が相手だって!」
だが言葉とは裏腹に『求め』から立ち上るオーラは鳴りを潜め、その剣先はかすかに震えていた。
悠人の様子を視界に納め、ソーマは自分の作戦が的中した事をほくそえんだ。
命令で戦わされているわけでも、心を失ったまま戦わされているのでもなく、
自らの意志で自分を殺そうとする相手。悠人はそういう敵を相手にした経験が殆ど無い。
その数少ない相手は今は味方についている。つまりは、その相手を悠人が殺した事は無い。
殊に帝国のスピリット相手では予想外の出来事だろう。ならば、きっと迷う。
そのために趣味には合わないが、そう調整を施したスピリットを用意した。
目的に合うように成功したのは四体だが、あの様子では十分だろう。
それに囲まれて防戦に徹している悠人をちらりと見て時間の問題と判断する。
後はもう一体の方だ。この戦に残っている第九位とはどのような味なのか。
腹の底に暗い情欲を込めて、ソーマはもう片方の戦場へと視線を移した。
その目が、驚愕に固まる。
「馬鹿な」
ヘリオンの剣は、ソーマズフェアリー二人の動きを見切り、受け流していた。
命令どおり、いまだ弄ぶように二人がかりで攻撃をかけているが、その全てが効果を上げていない。
いや、それどころか。
「いやあああぁっ!」
ヘリオンは気の抜けた攻撃の隙を見て反撃を繰り返していた。
体についた傷の具合では遥かにソーマズフェアリーが不利のようだった。
それでも、悠人の下へと急ごうとするヘリオンを止める事が第一の目的となっている
二人を退ける事は出来ていなかったのだが。
ソーマがそれを見て二人に罵声を交えて行動の変更を伝えた。
遊びを止めて動けないように痛めつけろ。要約するとそのような意味。
それを聞いてヘリオンは更に気を引き締める。同時に、『失望』に向かって意志を紡いだ。
「ぜったいに、ユートさまをお助けするんです、もっと力を貸して、『失望』っ!」
ヘリオンの視界の向こうには四人のスピリットに動きを封じられ、黒スピリットに一撃を加えられていく悠人の姿。
決意を込めると、更なる力が『失望』から流れ込んでくる。
ただ、自分からも流れ出ていこうとするものを感じて、ヘリオンはそれを繋ぎとめるのにも神経を使った。
「……っ。大丈夫、しばらくならこのまま戦えます」
相手は定石どおり、黒スピリットが防御を担当し、青スピリットが攻撃にあたろうとしている。
それなら、とヘリオンは剣を持つ手に力を込める。
定石を守る事なら『失望』に勝る物は無い。そして、それに対抗するやり方も自分に教えてくれる。
ウイングハイロゥを展開して飛び掛ってくる青スピリットを見据え、
ヘリオンは鞘に納めた剣を抜き放つ準備を整えた。
「くぁっ、はぁ、はぁ、は」
悠人は、新たに脚を傷つけられた。致命傷だけは避け続けているものの体力の消耗が激しい。
また、それ以上に気力がごっそりと削られていく。
どうしても、反撃を加える事ができても決定打を与える事が出来ない。
「グウゥゥ……」
戦闘を続けるにしたがいその間も精神を食われ続けているのだろう、もうその顔は苦悶と憎悪に歪むだけ。
だが、悠人が直接憎む相手はソーマだけだ。彼女たちをこうしたのも奴なのだから。
【何を迷う、何故戦わぬ。敵を殺せ、マナを奪え、我を振るえ契約者よ……】
「こんな時くらい黙ってろ、このバカ剣……!」
そしてまた、悠人の憎しみに反応してそれを全ての敵へと増幅させようとする『求め』にも抗わなければならなかった。
スピリットたちを振り切れないまま悠人が『求め』を構えなおした時、離れた場所で大きなマナの動きがあった。
何事かと意識を向けると、ヘリオンに向かった敵の様子も変わっているし、
それに反応するようにヘリオンの放つ気配が激しくなってしまっている。
どう考えても通常ではありえないほどのマナを剣に纏わせているのだ。
その動揺を突くように、悠人に向かいスピリット達が飛び込んでいく。
「くそっ、お前たちの相手をしてる場合じゃないんだ!」
気配の薄い一撃を警戒しながら、悠人は剣と槍の連携を打ち払った。
【契約者よ、何を迷う。この妖精たちは『誓い』の眷属。戦うのがこの場になったというだけではないか】
「言われなくても、そんな事は解ってる!」
ただ溢れる憎悪のままに剣を振り魔法を放つスピリットたちに囲まれながらも、悠人は静かにヘリオンに意識をやり続けた。
ヘリオンは自分に向かって飛んでくる青スピリットを凝視する。
数ヶ月前の経験と先ほどからの攻防で剣も、自分も学ぶ事があった。
ソーマズフェアリーは確かに強い。
防御している者でも気付かない隙を的確に見つけ、そこを突くように教育され尽くしている。
けれども、実はそれだけだ。弱点をつくのを好むソーマのやり口か、
先ほどからもずっと、一番弱い所にしか狙いを定めなかった。
手を抜いた攻撃に対してわざと一ヶ所だけ隙を残すよう『失望』に言われ、その通りに構えた。
そこに合わせて反撃を試みると確かに凌ぎきれていた。
今度もきっとソーマによる命令であるからこそ、その通りの動きしか出来ないと確信し、
全ての神経を集中して敵の攻撃に備える。
まだ殺す気ではないというソーマの意志は明らかだ、だから隙を作るところは命に関わる頭部。
ヘリオンの狙いを相手が感じたのかは表情からは読み取れない。
しかし、頭を狙うという本能と、殺すなという命令に逆らえない体がぶつかり合い、
青スピリットが一瞬戸惑ったことをヘリオンは見逃さなかった。その一瞬を反撃を試みる時間に変える事は
黒スピリットである自分の得意技だ。狙いを定めきれないまま振り下ろされる剣を身を捻ってかわしながら、
その動きすら勢いに変えて『失望』を抜き放つ。ヘリオンが再び剣を納めたときには、
着地し損ねた青スピリットがだんだんとマナへと還るところだった。
「あと、もう一人……っ」
自分の命を囮にする事と、普段より遥かに威力の高い一撃を見舞う事。
思った以上に消耗が激しい事を自覚し、ヘリオンは黒スピリットに向かって剣を構える。
その後の事にも思いをめぐらせ、一つ息をついた。
(ユートさまに、嫌な思いなんかして欲しくないから、だから、わたしがやらないとっ)
もう一度『失望』に力を込めて、ヘリオンは相手に斬りかかっていった。
支援
赤スピリットの魔法を跳んでかわし、悠人はまたスピリットたちとの距離をとる。
ヘリオンは先ほどから黒スピリットと切り結びを演じて、その趨勢も押し気味だ。
信じられない事に『失望』の力はソーマズフェアリーすら一時的にとはいえ圧倒しているようだ。
けれど、悠人にはヘリオンが無理をしているようにしか感じられない。
(なにせ、剣の力は増していても、ヘリオン自身があんなに苦しそうなんだ)
そこまでしてヘリオンが剣を振るう理由など、一つしかないのは分かっている。
自分がいつまでも情けない姿を見せてしまっているからだ。
あんなに黒スピリットとの決着を急いでいるのもきっと。
「俺に、こいつらにとどめを刺させるわけにはいかないってことだろ、ヘリオン」
でもそれは間違いだ。直接関係の無いヘリオンが手を下す事などしてはいけない。
直に感情をぶつけられている自分が、決着をつけるべきなのだ。
悠人の脳裏に、何時かのヘリオンの言葉が浮かんだ。
「敵を斬る痛みも全部自分の心、だったよな」
目の前のスピリットたちを斬るというやりきれなさとその後の悔いも、
彼女達を操るソーマに対する怒りと殺意も、神剣によってもたらされる物でなく、その負の感情も自らの中にあるものだ。
それを誤魔化して、ヘリオンに押し付ける事の方が耐えられそうに無い。
悠人は自分を睨み続けるスピリットたちを静かに見返した。
「確かに、お前たちから仲間を奪ったのは俺たちだ。
だけど、俺もここでヘリオンと離れる訳にはいかないんだ。
だから、お前たちの思いを全部ぶつけて来い。俺は、もう誤魔化さないで全部受け止めてやる」
伝わるかどうかは関係ない、宣言する事で自分に喝を入れたかっただけかもしれない。
けれども、言葉の中にヘリオンへの想いを込めると、不思議と力が湧いた。
悠人が『求め』を強く握り締める。
足元にオーラフォトンの魔方陣が浮かび上がった。
抑圧から解放された反動か、『求め』から立ち上るオーラは
殺意の塊となって悠人を取り込むかのようなの勢いで噴き出した。
その様子にその場全ての者の動きが止まる。
スピリットたちはそのとてつもない圧力に巻き込まれて。
ソーマ自身は悠人から叩きつけられる殺気に恐怖して。
ヘリオンはその禍々しいオーラに既視感を覚えて。
「ユートさまっ、その力はダメですっ!また『求め』に飲み込まれちゃいますよぅ!」
悠人の耳にヘリオンの声が届く。静かにヘリオンに視線をやって、悠人は笑みを浮かべた。
ヘリオンは、はっきり見えたかどうかは分からないその笑みが、
その奥に哀しげな決意が込められているけれど、いつもの悠人の優しい笑みだと確信できた。
立ち上るオーラの中にいる悠人が『求め』を握り心を落ち着けてゆく。
(お前の殺意に俺が振り回されるんじゃない。俺が、お前の力を使って剣を振らなきゃいけないんだ!)
ゆっくりと、暴発していたオーラの奔流が『求め』の刀身に収束していく。
「そうか、ヘリオンがやってた事はこれだけの事なのか」
ヘリオンを想い、自身の心に真っ直ぐに向かい合う。それだけで、剣の力は完全に落ち着いていた。
嵐のようだった凄まじいオーラが静かに刀身に纏いついているのを自覚し、悠人はスピリットたちに剣を向けた。
ソーマが突撃を命じる。それに従い、攻撃をかけるスピリットたち。
その顔には、やはり憎しみしか残っていなかった。
既に連携を取ることも無く一斉に斬りつけてくる相手を、悠人は大きく横に薙ぎ払って吹き飛ばした。
オーラフォトンを直に乗せた攻撃は、傷ついた相手を動けなくするには十分で、
四人のスピリットは一所に固まり倒れ臥した。
最後に残った黒スピリットが静かに悠人に迫る。
迸るオーラはそれだけで障壁の役目を果たし、斬撃の殆どを弾き返した。
四人が霧を立ち上らせながら倒れているのも意に介さず、
攻撃を続けるそのスピリットに悠人は一撃を加えたが、傷に怯む事も無くさらに攻撃に力を込める。
その動きは完全にソーマズフェアリーと化していた。
最期まで剣を振り続け、糸が切れたように急速にマナへと還る、その散り際まで。
悠人が戦っていたスピリットたちが倒れるのを呆然と見ていたソーマは、
取り乱して地に倒れた四人のスピリットを悠人との間に挟むように回り込み、足元の彼女たちに罵声を浴びせる。
「やめろ、そいつらはもう戦える状態じゃないんだ!」
悠人はビタリと、ソーマに向けて『求め』の切っ先を向けた。
ソーマは恐怖に駆られたまま叫ぶ。
「何を、たかだか第九位にてこずっているのです!そのようなクズ剣、放っておいて私を守りなさい!
お前たちも、思い通り動かないのなら壁にでもなるのです!
誰が行き場の無いお前たちを拾ったと思っているのですか!」
その声に応え、傷ついた黒スピリットがソーマの元へと移動しようとウイングハイロゥを展開する。
その急激な行動の変化に生まれた隙を見逃すことなく間合いを詰めて、
ヘリオンは最後の一撃を加え、その勢いのまま悠人の元に飛んで戻った。
ふらつきながらも剣を構えたままソーマを見据えるヘリオンに気付き、ソーマは顔を引きつらせた。
「く……さあ、立ちなさい!逃げる時間くらい稼げないのですかクズ共が!
そんなだから、隊長も、仲間も、奪われるのですよ!」
怒鳴り声にスピリットたちがぴくりと反応を示し、徐々に起き上がろうとする。
悠人はその言葉に身を震わせて、歯ぎしりして剣を構えなおす。
そのハイロゥは、ついに漆黒に染まろうとしていた。
「あなたがっ、あなたがそんな事をいう資格、無いですっ」
「何とでも言うがいい。ほら、仲間などもうお前たちにはいないのですよ。
皆、お前たちが役立たずだから死んでしまったのです!」
四人が、ゆっくりと立ち上がった。瞳には光も無く、漆黒のハイロゥを浮かべて剣を静かに構えた。
「何て事を……」
ヘリオンが震える切っ先をソーマズフェアリーたちに向けた。
ソーマに向けて振るいたいという怒りはあったが、ラキオスのスピリットであるヘリオンには出来なかった。
その刀身を、峯に手を当てて悠人がゆっくりと下ろす。
そっと悠人を見上げるヘリオンに、静かに首を横に振って答えた。
支援
物言わぬ悠人にヘリオンが疑問をあげかけたその時、目の前から悠人の姿が消えた。
直前に、静かな怒りを秘めた瞳をヘリオンの目に焼き付けて。
「さあ、後は任せましたよ、残りの命を全てかけてでも二人を止めるのです!」
ソーマがスピリットたちを壁にして下がろうとした瞬間、四人の全身から金色に輝く霧が立ち上った。
「な……に」
見る見るうちに空中へと霧が融け、スピリットたちは消滅した。
ソーマの目の前に残る物は敵意をもって対峙する一対の瞳。
今度こそ自らを守るものを全て失い、信じられないといった表情で自分の剣を抜こうとするソーマに、
悠人は『求め』を横に振り切った勢いのまま腰溜めに構え詰め寄った。
「うぉぉぉぉぉぉぉぉぉっっ!!」
ソーマの動きはエトランジェである悠人には遅すぎる物だった。
ずぶり、と肉に異物が突き込まれる音を立てて、悠人とソーマの体が交差する。
剣を抜く暇すら与えず、悠人はソーマの胴に『求め』を潜り込ませていた。
「ぐ、くく、今回は、敵には容赦はしない、ということですか。全く、都合のいい、ことです、ね」
急速に顔色をなくしながら、ソーマは唇を歪ませた。ピクリと悠人の体が震える。
ひゅうひゅうと血臭の漂う息を吐き、その反応を楽しむように呟き続ける。
「どの……な、言葉で繕おう、とも……なたの成し……人を……したと……」
びく、とソーマの全身が痙攣した。その喉に絡みつくもので言葉が止まる。
「が――は」
びじゃ、と躊躇い無く悠人の顔に血を吐きかける。
それを最期に、ソーマの体から力が抜けた。
『求め』を引き抜き、ソーマを地に下ろす。
嘲笑をはり付かせたまま、ソーマは息絶えていた。
従えていたスピリットは全て空に融けて、ただ一人骸を地上に残して。
呪詛のようにいつまでも融ける事の無い、血臭を身に纏いながらその様を見続け、
袖でとりあえず返り血を拭った後、悠人はゆっくりと背を向けてヘリオンの元へと戻った。
「大丈夫かヘリオン、かなり無理したみたいだけど」
ラキオスへのエーテルジャンプ施設までの帰り道、
常に数歩の距離をとったまま、悠人がヘリオンに話し掛けた。
平静であると見せようとしているのが、ヘリオンにはありありと見えてしまう。
その顔色を見て、静かに体を悠人に向ける。
「ちょっと、疲れちゃいました……でも、無理をしたのはユートさまの方だと思います」
『失望』の力を引き出して戦っていたのは悠人にも分かったが、
その威力は神剣の位を考えれば、やはり信じられない程のものだ。
それに比べれば、と悠人は思って、今の姿勢のまま軽い口調で言い返す。
「そうかな、あれ位なら『求め』の力のうちだと思うけど」
ヘリオンの表情は暗く、悠人の頭にも、ヘリオンの言う「無理」の内容は思い当たった。
口を閉ざしてしまった悠人にヘリオンは答える。
「違います。剣のことじゃなくって、あの人たちのことです。
だって、ユートさまは、戦ってる間もあんなに辛そうにしてました。
わたしは結局何もお手伝いできなくて、一緒にいた意味、無かったじゃないですか」
戦闘時にヘリオンのとろうとしていた行動が思ったとおりだった事を感じて、
悠人は真っ直ぐにヘリオンの目を見る。
「ヘリオンがいた意味がないなんて、絶対にない。
あれは、俺の手で決着をつけなきゃいけないことだったんだ。
その決心がついたのは、ヘリオンが居たからだって俺は思ってる」
顔を静かに上げて悠人に視線を返すヘリオンに悠人は言った。
「あんなに思いをぶつけてくる相手と仕方ないからって考えで戦うなんて出来なかった。
ちゃんと、自分の意志だけでぶつかり合って戦わないと意味がないんだって、ヘリオンを見てたら分かったんだ。
だから、その結果で生きるか死ぬかが分かれただけだ」
悠人が本心からそう言っている事はヘリオンにも理解できた。
最後まで、顔に陰がかかっていたが。
支援
その表情を見逃さずに、ヘリオンは悠人に近づこうとする。
悠人は一瞬、体を強張らせて下がろうとしたが、その動きを止めるようにヘリオンが声をかけた。
「ソーマに、何か言われたんですか」
「別に特別な事じゃない、わかりきってる事を言われただけだ。
生き残るためにあいつらを斬って、あいつらをそんな風にしたソーマが許せなくて斬った。
結局はいつも通りに敵を倒したってだけなんだから」
それ以上ヘリオンを近寄らせないようにと、悠人は声を荒げて身を引こうとする。
だがヘリオンは意に介さず、素早く悠人の元に跳びこみその手を掴んだ。
「だったら、どうしてこんなに震えてるんですか。顔色だってすごく悪くて……」
離れていれば気付かれないとでも思っていたのか。
自分がそんなことで悠人の変化がわからなくなる事など無いのに。
悠人の顔が苦渋に歪みヘリオンから背けられた。無言で悠人の返答を待つうちに、
ツンと、ヘリオンの嗅覚に刺激が伝わった。紛れもない、血の臭い。
「あ……」
ぽたり、と地面に水滴が落ちる。垂れ込めた雲から、ぽたぽたと雫が漏れ出していた。
そのまま、暫く無言の間が生じた後に、
「ああ、そうだよな、ヘリオンに隠し通せるはずなんか無かった」
深い息とともに悠人がぽつりと洩らした。
「でも、あいつらの事に関しては本当にもういいんだ。
覚悟の上で斬ったのに後悔してちゃ、あいつらにも申し訳が立たないから」
黙って頷くヘリオンに、天からの雫を浴びながら悠人は話し続ける。
「ソーマに対してだって、今でも許す事なんか出来なくて、斬った事にも後悔なんて無いのに。
血の臭いだって、今までに何度も嗅いできてるのに、何で、こんな」
顔から色をなくしたまま、ヘリオンを見ずに自分の衣服についた血に視線を置き続ける。
きっと、それが人を斬るという事なのだろう。
またしても、悠人が自分には体験し得ない苦しみを負うというのか。
人を斬れない自分には分かち合えない物なのだろうか。
恐らく、そうではない。いや、彼がいつも言っている通りなら、決してそんなことは無いのだ。
支援
そっと背伸びをして、ヘリオンは悠人の頭を静かに自らの胸元に引き寄せる。
「何を――」
悠人の脚に力は無く、ヘリオンの体に体重がかかる。
そのままぎゅっと、自分がしてもらっていた時のように悠人をかき抱いた。
身をすくませて、悠人はヘリオンを押し返そうとした。
だが、思うように力が入らずにヘリオンの為すがままその腕に包み込まれる。
「よしてくれ、人もスピリットも同じだって言っといて、
全然感じてる事が違うのに、こんな風にされる資格、無いじゃないか」
悠人の耳にヘリオンの心音が響く。
「返り血だって、今までに何度も、浴びてるっていうのに」
鼻腔が柔らかい匂いにくすぐられ、纏った血臭を忘れそうになる。
「そんな俺がこんなに優しくされること、無い」
言葉とは裏腹に、体はあたたかい感触を求めていった。悠人の腕もヘリオンの背に回されて、すがり付いていく。
以前とは逆に、ヘリオンは何も言わずにただ悠人を抱きしめる。
悠人の言葉を受け止めて、自らを濡らす雨ではない雫を感じながら。
時間が経つにつれ、強張っていた悠人の体から力が抜けて、ヘリオンの腕に包まれたまま息を落ち着かせていく。
最後に一つ大きく息をつくと、静かにヘリオンの肩に手を置いて緩く押し返した。
ヘリオンがその顔を覗くと、色をなくしていた状態から血の気を取り戻していた。
「落ち着きましたか、ユートさま」
それよりは、少しばかり血が上りすぎているようでもあったが、悠人は静かに頷いた。
「もう、大丈夫だと思う。でも」
視線を今まで顔をうずめていた所にやると、ちょうど顔に残っていた血がそこに移ってしまっていた。
さらには、髪の毛についていた血もその頬に。
「ヘリオンがソーマの血で汚れる事になっちまったな。そんなのは絶対に嫌だったのに」
それに対して、ヘリオンは目を閉じて首を振り、
「人もスピリットも同じなんでしょう、ユートさま。この血が誰のものかなんて関係ありません」
続けてしっかりと悠人の目を至近距離から潤んだ瞳で見つめ返した。
「それに、消えない血の臭いをユートさまだけが一人で背負う事、ないです。
わたしだって、ほんとうは血に塗れてるんですから。わたしもユートさまと一緒にそれを背負います。
だからわたしにも、その臭いを下さい」
自分の言葉に、だんだんとヘリオンは頬を染め出した。
その言葉の奥にある意味に、かあっとさらに悠人の顔に血が上り、ヘリオンの肩に置いた手に力がこもる。
生まれでた衝動に抗いながらも、そのままヘリオンを抱き寄せ、頭を自らの胸にうずめさせた。
血と雨の臭い、そして何より悠人の匂いを感じながらも、ヘリオンは身をよじらせる。
「わた、わたし、本気なんですっ。これくらいじゃ、足りませんっ」
そっと、悠人はヘリオンの耳元に口を寄せる。
「駄目だ、そんな理由でなんて嫌だから。ヘリオンの気持ちは良く分かったけど、
血の臭いなんて、さっきまでのと今とで充分移ってる。だから」
ゆっくりとヘリオンを解放して、顔をあげさせる。
不思議そうに視線を返すヘリオンの頬についている血を
手を当てて親指で拭い、頬に手を添えたままその目を正面に見据えた。
「この先は、血なまぐさいこと抜きで、ヘリオンの温かさを感じたい」
今まで以上に顔に血が集まっていき、互いを見ているうちに鼓動は際限なく高まっていく。
返事をする代わりというように、もう一度ヘリオンは悠人の胸に飛び込んだ。
「ほんとに、ですか」
「ああ、本当だ。これも、もう血とかそんなのは関係ない」
徐々に勢いを増していく雨を受けながら、体を寄せ合う。
一度、緩やかに体を離してヘリオンが目を閉じ、少しだけつま先を上げ、
悠人もまた、ヘリオンの頬に手を添え軽く身を屈ませ唇を合わせた。
遥かに長く口付けを交わして、二人は静かに顔を離す。
「さ、帰ろう、ここに居たままじゃ、風邪ひいちまう」
呆とした頭を働かせ、ヘリオンが頷く。体を寄せたまま歩き出しながら一度、その体を見下ろした。
そこから漂う臭いは確かに望んだとおりに。だが、それ以上に感じられるものがある。
「ユート、さま」
「ん?」
「わたしも、もっとユートさまのぬくもりを感じたいです」
「……うん」
静かに、悠人がヘリオンの肩を抱き歩を進める。
「ユートさまにも、わたしをもっと感じて欲しいです。
そうしたら、ぜったいに苦しい事に押しつぶされる事なんか無くなります」
「俺だってそう思ってる。あのさ、だから」
「ですから、その」
互いの鼓動を敏感に感じ取りながら、同時に赤い顔を見合わせる。
言葉は要らずに、ゆっくりと頷き合って、二人は帰途についていった。
長編乙。
最後の支援
前後編に分けておいて後書きというのもちょっと変かと思いますが、とりあえずここで次回に続きます。
削っても削っても長くなる癖があるようで、ぱしっと纏められている文章には憧れます。
つか、それよりも何てところでぶつ切りにしてるんだって事が問題ですね……
後編もちまちま進めている所ですのでよろしければまたお付合いください。
途中で支援レスをいれてくださった方、ありがとうございます。
連投規制というわけではなかったのですが、
ちょっと回線の調子が良くなかったようでご迷惑をおかけしました。
それでは失礼致します。
戦闘のシリアスな雰囲気と最後の方の甘めの会話を大真面目に話しているあたりが
なんともいい雰囲気かな。後半に期待します。
支援は別のスレに書き込んでもらいたい
しりとりスレとか
>前スレ788氏
乙です。
うむ、自らを危険に晒して敵を斬る、黒の本道。
じゃなくて、いやぁ、ソーマの憎たらしいこと。
でもなくて、…後編お待ちしております ⊂⌒~⊃。Д。)⊃
前編〜乙であります!
スレにも限りはありますが、長編は好きですよ。
リアルに追っていっているので、まさにヘリオンルート佳境って感じですね
雑魚スピ分補充がいい感じで潤っています
これで暫くは「雑魚スピ分を寄こせ」と危ない症状も回避
後編も頑張ってください!
676 :
奴!の人:04/06/01 04:57 ID:bcZXWrAj
>保管庫の中の人氏
乙であります!たまにはミスもご愛嬌ということで。
>前スレ788氏
お疲れ様です。
自分はどうにもシリアスな話が書けませんから…うらやましいなと思ってみたり。
では、後編も頑張ってください。
前スレ788氏、毎度GJ&乙です。いよいよ「佳境」に差し掛かって、筆もノってきてますね。
後編も頑張ってください。
それから>674氏も御指摘のように、「リエルラエル」ではなくて「リレルラエル」が正解です。
ブリーフィングのときのエスペリアたんの舌っ足らずな発音が微笑ましかった覚えが……
次回バックアップ(6月中旬頃?)の際にこちらで訂正しておきます。
さて、スレ移行限界まで残り50KB切りましたので、ぼちぼち次スレテンプレの煽り文
等募集をかけたいと思います。前回とは違ってスレの趣旨変更等は特にありません
ので、我こそはと思う方は、投稿よろしく。
678 :
674:04/06/01 08:45 ID:IqI5FxhY
言いにくい or 覚えにくい or 間違え易い 固有名詞多いですよね…
と私が言っても言い訳にしかなりませんが…_| ̄|○
即死回避や埋めの検討も始めておいた方がいいかも?
ネリー!ネリー!ネタ!ネタ持ってこい!ネリーーー!
ネタナシ
(AAナシ
Sハードのわたし、全然成長しないわね…
_ ,へ
,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i 流石のお姉ちゃんも
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ> 寄る年波には勝てなかったみたい
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
\\\\_ ,へ
,´ /#: |ヽ
(⌒ ∠ <=====ゝ
\ ヽんヘ!」 ‐ノ」 ニィィィィムゥゥゥゥ〜〜〜〜〜!!!!
(mJ ⌒\
ノ ∩ / /
( | .| ⌒⌒ヽ わぁ〜、ウソ!ウソ! 冗談、お姉ちゃんまだ若い!
/\丿 | ( ) そうだ、リヴァイブかけようか? お肌が生き返るなんちゃって
(___へ_ノ ゝ<」_ノL>
さまざまな試行錯誤を繰り返しつつ、
ヒロイン達との合流も無事すんだ様な気がしないでもない第二ファンタズマゴリア。
どうやら雑魚スピ分の補完が無さげな追加ディスクの話題もそこそこに
更なる妄想が繰り広げるアセリアワールドには限界が無いのか?
「新たに絵描き職人さんが仲間に加わりました。」
発売から早半年近く。
最早誰がメインヒロインなのかわからなくなってきたここはアセリアネタ総合スレッド。
682 :
信頼の人:04/06/01 22:41 ID:+6YvrtdS
>前スレ788さん
お疲れ様です。おかげさまで仕事の疲れが癒されました♪
ソーマのラストのセリフが後編の布石でしょうか?気になります。
なにはともあれG.J.でした!
温かい感想、誠にありがとうございます。
>674…の中の御方
ご指摘ありがとうございました。危うく後編にも覚え違いしたまま使う所でした……
>675さん
イベントの残りも数えるほどになってきましたから佳境といえば佳境なのですが、
重要イベントばっかり残っています。冗長にはならないよう心がけていきたいと思います。
>奴!の人さん
遅くなりましたが「奴が出た!」、大変楽しく読ませていただきました。
読む分には明るくてほのぼのとギャグもある、そんなお話も大好きなのですが、
私が書くと何だか妙に重い雰囲気に見えてしまうという事になってしまいます。
ほのぼのとしたお話の勉強になります。
>保管庫の中の人さん
すみません、お手数をかけます。宜しくお願いいたします。
>信頼の人さん
そこは……ぶっちゃけると前編で回収した気でいた所です……
指摘を受けて使えそうかとも思いましたがちょっと思いつかないorz
精進したいと思います。
画像板の動画表示モード見て不覚にも感動してしまった。
なるほど、職人さんはこうやって絵を描いているのか。
>>681 >>679さんみたいなAA職人さんを忘れてはいけない。
>そうだ、リヴァイブかけようか? お肌が生き返るなんちゃって
ひどいな・・・既に死んでいるということか・・・
Sハードやってますが
光陰や今日子まで加わってしまうと
どうしてもファーレーンやセリアはブルペンになってしまうので
くやしいものです
メインキャラもブルペンいけたらいいのに・・・
あ、そうだとゲームオーバー条件じゃなくなるのか・・・(´・ω・‘)
ヘリオンたんは私のエターナルなので別として
フェンリルなヘリオンたんは強くてパパうれしいです
>>686 じゃあメインキャラでは誰をブルペン送りにしようか?
(できるとすればの話だけど)
ノーマルやハードではオルファだけど、Sハードだと…
…ライフ、抵抗で劣るエスペリア?ライフ、防御、抵抗のまずいウルカもありかな?
光陰や今日子をベンチ送りにするのは…ちょっと難しいかも。
ウルカって、なんであんな能力なんだろう。アセリアと双璧のアタッカーになると思ったのに。
演出上は強いのに。
絵の安定度とキャラの性能は反比例してるんだよ。不公平だから。
じゃあ最強はナポリタンか。結局オルファはSHでも使えない。
鬼畜ルートではエロくて好きなんだけどな
最強のアタッカーは今日子、最強のディフェンダーは光陰、最強のサポーターは時深。
悠人も第一第二の連中もぶっちゃけ雑魚。
今日のトリビア
例の長崎のアレに使われた(らしい)凶器は
……オルファカッター。
ヽ ゞγ´゚皿゚`ぐ
, ´ ̄ 〉ヽ k @ ノ
γ⌒ヽ ixil ノノハ))) `ー-‐'
( 宗 ) ノノi(リ ゚ヮ゚ノlヾ、 <ヨンダ?
`ー‐' ´ 〈_イ个(7っ `
i二iニ二jR{G}Ri二ニi二l
(_ノ ヽ)
>>690 アポカリプスのマインド制限が痛すぎるから…
せめてナナルゥと同じなら何とか使う気も起こるのだけど。
行動回数-1は大きいし。
>>691 この3人のパターン…マインド制限がやたら厳しい以外は自在やな。
悠人は聖賢者にならないと雑魚かも。
>>688 ウルカはいつかの修正プログラムでSHではアタッカーとしてそこそこ使えるようになったかと。
星火燎原の太刀Wに属性が付いたはず。
HP効果1000+属性、行動回数4と良い感じ。
>>694 オルファのアポカリプスの最大の敵はヒロインマインドボーナス。
SS狙っていくと確実に使えないよ(´・ω・`)
戦闘のバランスを再調整して欲しいね
ネリシアとニム使えなさすぎ
ついでに雑魚スピの顔グラフィック追加と
バランス云々よりも3行目が主目的
バランス調整…例えば何をいじる?
例えばネリーならフューリー習得可能に(青属性2回〜3回攻撃)とか。
シアーのバニッシュで青属性のダメージを与えるとか。
ユニットの性能を弄ったところで、根幹となるSLGのシステムがアレのままでは……
使えるキャラと使えないキャラ、両方いて普通だと思うけどね。
そうかなあ。
状況によって、でしょ。
ここのスレを読んで、アセリアをやり始めたんだが……
なんで、一週目でウルガルートなんだ。●| ̄|_
スレ違いでスマソ。
「新たなルートが発見されました」
「新たに仲間が加わりました」
・・・中の人も一箇所「ウルガ」と叫んでるからあながちry
「日々前進です」
使えんキャラが使えないのが問題だな。防衛戦があればよかったんだが
ターン終了後に各街で破壊工作イベントみたいなのがあって
残留部隊がそれを押さえるとか
そうすれば留守番部隊も役立つし防衛のために属性系の建物も使える
二方面作戦とかあれば、必然的に使うことに。実際マロリガン戦に全兵力投入ってのはどうよ?
サーギオス帝国への備え無しは……
つーことで、三国志・信長風戦略級GAMEに衣替えは如何?
ヘリオン クラス スピリット Age 14
忠誠 100
知力 66
戦闘 74
政治 44
魅力 100
>708
そういうのって、そのキャラ好きなやつが作るから、
全キャラ魅力100になんないか……?
やるならやるで、そこにも客観性が欲しいな。
……とか、ネタにツッコミを入れてみる。
「ジャンプを行います」
いしのなかにいる!
>>708 14歳なのかよ!!w
それはともかく2方面作戦は面白いかも。例えば…
Sハード限定ミッション Mission16’
【ケムセラウトを防衛しつつ、マロリガン首都を制圧せよ】
一度全部隊ラキオスに戻ってスタート。
6部隊(うちオールラウンダー2、誰でもOK)編成可能にして(全スピリット参加可能にするため)
ケムセラウトに飛ばす防衛部隊、スレギトに飛ばす攻撃部隊を編成。
(スレギトにはEジャンプクライアントを建設し、さらに防衛を困難に)
ケムセラウトでは、リレルラエルから無限に襲ってくるサーギオス上級兵を迎撃。(1ターンで最高8〜10部隊連続で戦闘に)
ランサ防衛戦とは違い、オールラウンダー、連続戦闘など多種多様。
その中でマロリガンを制圧する。
また、次のイオ・ホワイトと戦えるのはデオドガン以西にいるメンバーのみに。
勝利条件:ケムセラウトの防衛、マロリガン首都制圧
敗北条件:ランサorケムセラウトの陥落、メインキャラクターの死亡
ランクは
SS:〜45ターン S:46〜55 A:56〜70 B:71〜80 C:81〜
ただしミエーユ、デオドガンのどちらも占領していない場合
SS:〜30ターン S:31〜40 A:41〜50 B:51〜60 C:61〜
Sハードならこれくらいのミッションも欲しかったところ。
三国志風…どうやるんだろうかw 誰かネタぷりーず。
謀反やだなぁ・・・
むしろ妹が帰ってきた時点ですぐに謀反をおこしてもいいかと思うが……
>>713 大作ですし、ゆっくり微速前進3歩進んでお茶飲んで、ぐらいの勢いで(w
こちらはハリオンタン級にマターリ待ちますので。
…
ネリー:「ヒミカー、お話マーダー(AAry」
シアー:「ネリぃー〜、お話ってそんなにすぐにはできないよぉ〜。ネリーは行動速いけど、いくらネリーでもヘヴンズスォードXを32連続なんてできないでしょ〜。それと同じことだよぉ〜」
ネリー:「う゛ー、32回かー…」
ハリオン:「そうですよ〜、ほら、お茶でも飲んでゆっくり待ちましょう〜」
ニム:「…お話とヘヴンズスォードが同じ? そもそもヘヴンズスォードXを31回も耐える敵ってどんなよ?(ボソッ (…恐い考えになってしまった orz)」
ハリオン:「それにしても〜、ずいぶん実感こもってませんでしたか〜、シアーちゃん?」
シアー:「うん、シアーもヒミカさんみたいにお話できたらいいなぁと思って考えてみたの〜。でも、ヒミカさんみたいにはいかなかったんだ〜」
ハリオン:「あら〜、そうなの〜」
第二詰所は今日もマターリです。
…
一方その頃、某所では…
時深:「ふっふっふ…長かった…ほんとうに永かった…『時詠の時深』でこそないものの、ついに『時深ルート』キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !! これでようやくわたしの時代が来るのですね」
今日子:「そうはいかないわよっ!」
時深:「ハッ、あなたはっ! …何故ここにっ!?」
今日子:「『今日子ルート』を忘れてもらっては困るわね。そう、天下をとるのはこのアタシ」
時深と今日子の視線がぶつかり火花が散る。
…
悠人:「店頭売りもない上にまだ出てもいないのに…」
雑魚スピファンタズマゴリア滅亡まで、あとxx日?
…やっぱハリオンタン級は無理かもしれないのでシアータン級で(w
スマソ > 時深萌え者・今日子萌え者
すいません・・・クェド・ギンに燃え&萌えでもある私は
どうすればよいでしょうか・・・
>>717 大塚明夫の写真を枕元に入れて寝る。
まぁギンジローは明夫じゃないけどな
>>717 や ら な い か?
ヾ'ベ^7^フ7
ミミ「_~~_i/
ミ(!゚ _ ゚/
∠ λ|介|イゝ
<》])===∩「 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄¶
く_Αリ_||Αゝ !==========================================リ
三国志風かぁ…
とりあえず、俺のエロゲキャラで埋め尽くされた三国志8にはアセリア組みも登場させているが、
顔のない雑魚スピはやっぱり出番なし。_| ̄|○
エチシーンのCGを使うわけにもいかんしなぁ…
>>719 ヾ'ベ^ベヘ7^フ77
| |
| |ミ、、_ ii _彡| 「そんなことより や(ry 」
N|‐-■^{■lリ
ト.i ,__''_ !
/i/ l\ ー .イ|、
,.、-  ̄/ | l  ̄ / | |` ┬-、
/ ヽ. / ト-` 、ノ- | l l ヽ.
>>719 凄く・・・・・・大きいです・・・・・・
>>715 時詠の時深なら、この事態は既にお見通しのはずっ!!
「ふふ。わかっているのに黙っているのもつまらない物ですね。真打ちは後から登場する物ですよ。
他の皆さんには一時の夢を見ていただいただけです。悠人さんには、奥ゆかしい大和撫子が、お・に・あ・い」
生まれる前からストークするのが奥ゆかしいというならそうかもなw
時深さんにならストークされてもいいな、俺…
(⌒⌒)
l l
__ ,、
「,'´r==ミ、 ^
くi イノノハ)))o 、
| l||."□ノl|ノO ヽ
j /ヽ y_7 ニ〇 )
(7i__ノ卯! ヽO ノ
く/_|_リ .゚´
この時深おば(r おねえさんに萌えてしまって
追加分を買おうか迷っています…
助けてネリーシアー
__ ,、 ←心霊AA!?
「,'´r==ミ、 ^
くi イノノハ)))o 、
怒りマークだと思うよ、思うよ。
「イグニッション!」
「エーテルシンク!」
さわやかな朝の掛け合いが澄みきった青空にこだまする
レスティーナ皇女の統治するこの国で、今日も天使のような笑顔の雑魚スピ達が訓練に励んでいる
穢れを知らないハイロウとともに構える神剣。
長い髪が落ちないぐらい素早く。攻撃と防御、交互に剣を繰り出すのが戦闘での礼儀
もちろん、時間を操り動かない相手を徹底的に殴りまくる、はしたないババアなど存在していようはずも無い
ラキオス王国第2宿舎
聖ヨト暦259年に誕生した王国の一角にあるこの建物は、
軍事拡大のため、雑魚スピに宛がわれた伝統も何も無い宿舎である
ロードザリア大陸最北端の自然の豊かなこの地方で、
エトランジェ光陰に見守られ、読み書きから夜の営みまで一貫教育が受けられる妖精の園
時代が移り変わり、国名がガロ・リキュアと改まった今日でさえ
温室育ちの妖精が神剣付きで出荷されるという仕組みが未だに残っている貴重な国である
マリみてかw
って、ちょっと待て、光陰に見守られて果たして本当に温室育ちなのか?
それ以前に夜の営みが教育内容に入ってるってw
てか、最初元ネタわかんなかったよ。
END後って雑魚スピたちにもちゃんと苗字ついたんだろうか…
>>733 そりゃ 生 き 残 っ た スピリットには全員ついただろ
ネリー・ミドリ、シアー・ミドリ、ヒミカ・ミドリ、ハリオン・ミドリ、セリカ・ミドリ、ナナルゥ・ミドリ、
ファーレーン・ミドリ・ニムントール・ミドリ、ヘリオン・ミドリ
>>735 ファーレーンとニムはエーテルジャンプ事故で融合したのか?(w
ミドリの日々
光陰の右手に(ry
むしろ光陰が右手に(ry
じゃないのか、そのタイトルの法則性からいくと…
確かにそうだなw
「なぁ、セリア、ちょっと頼みがあるんだが」
俺は、廊下を往くセリアを呼び止めた。セリアは、俺を冷たく一瞥し、
「なんですか。私はこれから訓練ですが」
くだらないことで呼び止めるなオーラを漂わせている。
だが計画のためには、やるしかないんだっ。
「セリア、ツインテールにしてくれないか」
「……ツインテール? なんですかそれは」
訝しげに、眉根を寄せるセリア。
「オルファとか、ヘリオンみたいな髪型だよ。あんな感じにしてくれないか?」
「理由はあるのですか」
目を細めて、アイスバニッシャーのごとき冷気を俺に突き刺す。いきなり否定しないのはセリア
も自分を抑えてのことだろうか。
「ネリーと間違えやすいんだ。ほら二人とも髪を一つに束ねてるし色も長さもそっくりだし」
「なら、ネリーに言って下さい」
プイと身を翻し、遅れて長く青い髪が続く。そのままキビキビした歩調で去っていった。
こうして俺の「セリアツンデレツインテール化計画」は、一瞬で砂の器の如く崩れ去った。
こういう小ネタを絵板の絵師さんがビジュアル化してくれると、
向こうとこっちが有機的に結合できるんじゃないかなーとか言ってみる。
今気づいたんだが光陰がファンタ妻に残った理由は
単に妖精趣味に走ってスピリットハーレム化計画を…
えっ、気づくの遅すぎ?w
>740
性格的には、ネリーのが似合いそうですが
そこでセリアがポイントなのですね
即興絵ですが740さんの小話をラクガキしてみました
へたれで申し訳ない_| ̄|○
744 :
741:04/06/08 06:47 ID:D9ibR/7I
うぉっ、ジト目のセリアが可愛ぇぇ・・・
>>742 そしてレスティーナ様に氷の侮蔑を受け、今日子にライトニングハリセンを食らう光陰
アネキとかはるぴーとか
>>743 (・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)(・∀・)
激 し く グ ッ ド ジ ョ ブ
749 :
740:04/06/08 23:41 ID:j+JgA6si
あああぁぁぁぁ〜〜。あんな馬鹿話に み さんありがとう!! GJ! セリアの表情が良すぎますっ。
741さんも、振ってくれてありがとう!!
このスレの名SS群に挿絵入らないかな〜って思ってたら、まさかこんな僥倖が……思えば
ここ2,3年、彩雲を三回もみたのに何もいいことなかったのはこのためだったのか。
オルファED見たばっかで書いた小話でした。
∧*'・
| |
;;*:' | | ドス!!
, -‐‐- 、 旦(_`| |ヽ 旦_/ヽ
/二二二\ | || ~;,∴ /;,、∴*
∠ノ,ノノ^ソ从ゝ <『秩序』 /( __、A,)⊃ <750
∠从リ ゚ ヮ゚ノ从ゝ _ し∨| 日'、/*'・’'*
(( /ヽ 〒 !7つ==∋) | |..;* ;; | |
人( iニノ ) ノ人  ̄ V V
く/_|__ノ II
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
753 :
エロ大王:04/06/09 03:38 ID:8kkVfVmM
↑
恐怖!!おばさん連合の攻撃!!w
>750は、このスレのSS群の多くが、なにげない「小ネタ」からインスパイアされて
誕生してきた歴史を知らないモグリだな。
「もっとだ……もっと萌えを引き出せ! 俺たちの萌えはこんなんじゃないぞっ!」
ヽ)/
∠´ ハ`ゝ <インスパイアっと・・・・
彡//ノハハ〉 Ш
ゞ(リ ゚ -゚ノ! / ̄ ̄ ̄ ̄/ ‖ スキルが間違っているぞ契約者よ。
j(!つ y つ/ 総鉄屑 / 〈 〉
 ̄ ̄ ̄ ̄\/____/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
古い人間の戯言だが。
俺は絵と文章の間にジャンルの優劣は存在しないと信じる。
優劣ではなく差異はあるかもしれないけどね。
絵は視覚的に理解できるが故により多くの者に印象を与えやすい。
文章は受け手の読解力・想像力に依存するが故に大きく印象に残ったりまったく理解されなかったりする。
平均効果量は同じようなものかもしれないが。
小ネタ・SS・絵も優劣ではなく差異だろう。
お互いに刺激を与え補完しあう、そんな関係がこのスレ的にはベストだろ?
「小ネタスレッド」でもなく「SSスレッド」でもなく「絵スレッド」でもなく、「分補充スレッド」。
小ネタもSSも絵も目的ではない。目的への段階であり手段だ。つまりはそういうことだよな。
というわけで、G.J.! > 740氏・743氏
その歴史を愛してやまない者ではあるが、
過去ログ見れない状況で過去を知らない者を責めるような物言いはどうかとも思う。
歴史を知らずとも感じ取って活躍している人はいると信じる。>754氏
|
ぱくっ|
/V\
/◎__ヽ
レ'´iミ(ノハソ
_ l !ik(i|゚ ヮ゚ハ そんな餌じゃネリーみたいにくーるな女は釣れないんだから!
ヽツ.(ノリ:::::::.::::.:..|)
ヾソ::::::::::::::::.:ノ
` ー U'"U'
>>740 を読んでから、ずーっと気になっていることがある。
ヘリオンの髪型って、左右の尻尾のほかにうなじの辺りからも生えてないか?
そう見えるのは俺の気のせいかなぁ……
>757
ネリークール
>>727 「助けて」って言われても
\どうすればいいのかなー?/
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 / もきゅもきゅ
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 / もきゅもきゅ
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 / < とりあえず〜、「こんにちわ〜」とか〜?
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
767 名前:シアーです〜♪◆SiarBlueSp[sage] 投稿日:04/06/11 01:33 ID:MiscSprt
>>727さん
\こんにちわ〜♪ /
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 / もきゅもきゅ
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚ 从 / もきゅもきゅ
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i D⊂ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚;从 / …
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,べV _
/ 〃  ̄ ヾ; / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|゚ ヮ゚ハ パヮ゚;;从/ < どうしてネリーがシアーのトリップ知ってるの〜?
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
< きゃははー♪
< ネリぃ〜〜っ!?
/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
あらあら〜。シアーちゃんたら〜
\ハンドル記憶させたままです〜 /
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〃  ̄ ヾ;
|`_(ノハソ
> | ゚ ヮ゚|
<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
769 名前:ネリーだよー♪◆NeryBlueSp[sage] 投稿日:04/06/11 01:43 ID:MiscSprt
>>767 \ほんとはネリーなんだよー♪ /
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〃  ̄ ヾ;
|`_(ノハソ
> | ゚ ヮ゚|
<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
,、
\ ?! …シアーっ!? ^ /
 ̄ ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
,べV ,、 _
/ 〃  ̄ ヾ; ^ / \
! i ミ(ノハソ ( ノハ\ i
!ik(i|;;゚ ペハ ハ;-;从/ < シ、シアーじゃないよぅ〜〜
<(つ/ ̄ ̄ ̄/ /i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄ ' '' '''
>>770 ハリオンなんだけど、既存がなくて無理やりなので見えないですかね…orz
AA職人じゃないんで組み合わせとちょっとだけ改変しかできないもので…
もし雑魚スピがハイペリア(現代世界の日本)にいたら
練 紫亜 針音 火魅香 七瑠 芹亜 迩夢 不破恋 緑音
やっぱりラストバトルはハイペリアがよかったと。
東京タワーを背景に
悠人とウルカの立ち回り、憎しみのマナが大きくなって…
>>773 練とか最悪だとオモフ…
 ̄ ̄ ̄∨ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
〃  ̄ ヾ;
|`_(ノハソ
> | ゚ ヮ゚|
<(つ/ ̄ ̄ ̄/
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ̄ ̄ ̄
そして最後のみどりおんは釣餌なの…?
|
ぱくっ|
/V\
/◎__ヽ
レ'´iミ(ノハソ
_ l !ik(i|゚ ヮ゚ハ 縁へり
ヽツ.(ノリ:::::::.::::.:..|)
ヾソ::::::::::::::::.:ノ
` ー U'"U'
778 :
名無しさん@初回限定:04/06/11 19:27 ID:wb2hyfSy
さっき永遠神剣第一位「真実」拾いました^^
779 :
名無しさん@初回限定:04/06/12 00:00 ID:0f4daLUE
音梨 此阿 葉理温 日美夏 奈々琉 芹亜 丹夢 麩羽蓮 縁遠
漏れのイメージではこういう当て字になりますた
雑魚スピの中で一番エロいのはヒミカだと思う。
ぶっちぎりでハリオンたんだろ
聞いてくれ
マナを吸い取るとか触手さえなければ
もっと皆ノリノリになると思ったんだ
ヒミカはエロエロだったろうし
セリアなんかは見事なツンデレっぷりを…
,.. -──- ..,_
/ \_
/`'ー─-、-─'''二二__ヽ
|´ _ニ-‐´ ̄ __ |
|´ __ニ二..,,,,__ ̄ ̄}
ヽ`'ニ-、_レ' ̄ ____,,,,,ノ ,!、,___ ̄ヽ{_,.-‐'´/
`l `ヽ'‐ ´.,ニ。=, ,=。ニ、 / /! / ハァ
`l, <.| ´ ̄´ノ i` ̄`` // /
`l、 ヽ| . ´ / } ./ | /
`l_| ノ. ^,;^.ヽ /_,.‐'´ ̄`\
_,.-''´ヘ l'、 ,-三-、 /´-‐__,..-‐ 丶.
/´  ̄ ̄\L\ ' "" .-‐´ ̄ ̄ ヽ
/ / ̄  ̄ ̄ ̄ ̄\
>、 // ,..-‐'
ナナルゥは当て字次第で荒れそうな悪寒w
突然ですが訓練士のミュラー・セフィスたんを
妄想してみませんか? ずっと10代のまま・・・ハアハア(;´Д`)
10代と言っても10歳から19歳まであるんだぞッッ!
>>785 それでは14歳という事で妄想を進めてみましょう
レ○リア インパクトV
, ' ⌒ヽ
(@)ノノ)))リ)
§(リ゚ ヮ゚ノ§ 〜♪
⊂!) 英i7つ
くイ__ 〉
(_/ヽ_)
(#) (#)
(#) 彡 彡
ミ 彡 (#)
ミ , ' ⌒ヽ 彡 (#)
从 (ヽ,ヘ,(@)ノノ)))リ) ドベシ! 彡
Θ ⊂〈_(_(つ///ノつ
チーーーーーーーン
煤@, ' ⌒ヽ
(@)ノノ)))リ)
§(リTロTノ§ )) )) )) )) ))
/ i _i ノン (( (( (( (( ((
とくイ_U )U (#) (#) (#) (#) (#)
ヨファルが〜〜〜〜〜(w
手榴弾だよ
「あ、シアー丁度良かった、ネリー知らないか?」
「え?わたしネリーだよ〜!ユート、ネリー分らないの〜!」
「え?あれ?お前、ネリーか?髪どうしたんだ?」
「これはね〜、暑いから切ったんだよ〜。えへへ、どう?似合う?似合う?」
「似合うっていうか・・・お前本当にネリーか?シアーじゃなくて?」
「どうゆう意味だよ〜!どっからみてもネリーはネリーじゃん!しっつれいだな〜!」
「いやだって・・・それじゃ顔グラ同じ・・・」
「も〜おこった〜!てりゃ〜っ!」
「わーーー!すまん、悪かったって、うわーーーっ!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「あー酷い目にあった・・・髪切られるとホント分らんな・・・
あ、おーい、シアー、さっきネリーに会ったんだけど・・・」
「・・・私はセリアですが、何か?」
「・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・」
「・・・ツンデレにショートカットは似合わないぞ、セリア。」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「なぜボロボロなんだ?ユート。」
「アセリアか・・・お前、髪切る予定とかないか・・・?」
「・・・・・・?なぜそんなことを聞く?」
「いや、無いならいいんだ、無いなら・・・」
「・・・ユートはわたしが髪切るのが嫌なのか?」
「そう言うわけじゃないんだが、顔グラが・・・いや、アセリアはいいのか・・・?」
「・・・つまりユートは何が言いたい?」
「あーーー、ユート様だーーー」
「・・・あ、シアー。」
「・・・・・・シアー、その髪はどうした?」
「うんーー、今日起きたら凄く伸びてたんだよーー、なんでだろうーー?」
「俺に聞くな・・・っていうか、アセリアの横に並ばないでくれ・・・頭痛がする・・・」
792 :
信頼の人:04/06/12 15:04 ID:Pq2s1rOR
740さん、743さんに触発されて少し書いてみました。
乙です、ちょっと噴きだしました。
が、髪型を変えたくらいで顔の見分けがつかなくなる事など無いッ!
と思ってしまった漏れの頭と目はいく所までいってるらしいです……
「・・・ツンデレにショートカットは似合わないぞ、セリア。」
やはりツインテールが基本かw
>>793 元々見分けがつくような顔が無いもんな'`,、('∀`) '`,、
……orz
>>795 えちシーンにはちゃんと顔があるじゃないか
と、気休めを言ってみる
ソーマがちょとうらやましい。
顔グラありのスピといるしー
798 :
名無しさん@初回限定:04/06/13 00:38 ID:fyov4fk7
Fairy'acを着メロに加工してみた。なかなかいけますな、これ。
ああ、それにしても時深や今日子ルートなんていらないから雑魚スピルートが欲しい。
いや、そんな大それたものじゃなくてもいいから、せめて雑魚スピが出てきて
普通に会話するイベントを追加してほしい。
陵辱イベントが存在するんだから、普通のイベントだって挿入できるはずなのに
本編では台詞どころか立ち絵の表示すらされなかったのが残念だった。
それは皆が思ってることです。
多分誰か即死回避(の足し)になるSS書いてあるんじゃないかと思うので
そういう人は名乗り出てくれると安心できていいな、とか。
無いなら無いで乙祭り後すぐ点呼突入なりが要るかもしれないし。
(道行の人が後編を書き上げて次スレを待ってると予想してみる(w)
てか脊髄反射で立ててしまったのですが、トリガーが475kだったのですね。。。orz
スレの流れをろくに読まずに申し訳ない( ´・ω・`)
……いや、まあ立ってしまったモノはしょうがないとして乙彼さまでした。
で、問題はこのスレを481KBに持って行かないとdat落ちせずに、
幽霊船のごとくさまよい続ける可能性がありますので……
(SS投稿スレの#6は、次スレ移行後5ヶ月も生き残った例アリ)
取りあえず、このスレを使い切ってから次スレに移行するようにしてください>おおる
SS投稿予定の方も、むしろこちらの方がいいですかね、バックアップはしますから。
……いや、長編とかの場合だとやっぱまずいですね、容量的に残り34KBだと微妙……
SS投稿は、新スレの方へお願いします。
809 :
寸劇の人:04/06/13 03:26 ID:pIsfP00p
こっちを埋めていって向こうが即死する、という事態の方が、幽霊船より恐ろしいですしね。
ま、いざとなったら私が「寸隙の人」として何かでっちあげて481KBまで持って行きます(w
>>792 そう、オレも「信頼」を読んでいたからこそあの駄文に繋がったんですよ。ま、>750さんの言うことは正鵠を射
てると思うがね……(´・ω・`) 精進せねば。ナンキム。
で、髪の毛といえば……
「パパー、パパー、ねえパパってさらさらストレートロングヘアが好きなの?」
「な、なんだよオルファ。いきなり」
「えーコウインが言ってたんだよ。パパは綺麗な長い髪に弱いって」
ここは第二詰め所居間兼食堂。皆おもいおもいにくつろいでいるはず……なのだが今のオルファの言葉で、
一気に雰囲気が変わった。
平たく言えば、
「勝ち組」
「負け組」
「パパッ、オルファ髪ほどくよ?惚れ直していいよー」
オルファは俺に抱きついて、無邪気なことを言っている。この後、この場は、阿鼻叫喚の修羅場と化すだ
ろう。俺は生きて第一詰め所へ帰れるのだろうか。そして帰り着いたところで、最強の敵が待つだろう。佳
織……すまない……。
いやはや、寸劇の人氏の読み勝ちでしたねw おみそれしました。
さて、いったん流れが向こうに移った以上は、「こっちを使い切ってから」なんて
建前言っても始まらんですよね。
どうしましょう、ここはいっそ人気投票でもやってみますか?
812 :
エロ大王:04/06/13 11:09 ID:wxSMhjDX
_ ,へ らしいな・・・・・・
,´ /:::: |ヽ , ⌒⌒ヽ
∠ <=====ゝ (((゙^)) ) i
んヘ!」 ‐ノ」| L!、ー゚| i)イ> 人気投票だって?お姉ちゃん
<(つ/ ̄ ̄ ̄//i l i/ ヽ
 ̄ ̄ ̄ヽ/SpiNet/ ̄ ̄(l[_ソ ̄ ̄ ̄
813 :
エロ大王:04/06/13 11:14 ID:wxSMhjDX
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <わたくしが最強です!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
814 :
エロ大王:04/06/13 11:15 ID:wxSMhjDX
__
「,'´r==ミ、
くiイノノノハ)))
_|l||☆ヮ☆ノl|_ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/:\.____\ / あんたはそもそもスピリットじゃないでしょが・・・・・
|: ̄\(∩( ;゚∀゚) < 出たがりなエターナルですね
|: |: ̄ ̄ ̄∪:| \ 時深おb・・・・ハッ!?
\___________
"
´∴ __ ゜ヾ´ ″´∴
「,'´r==ミ、―≡ ̄`:∵∧_∧´∴∵゛'
__くi イノノハ))≡―=',((( )≡―=‥、 ∵゛、゜¨
, ≡ )| l|| ゚ヮ゚ノl|r⌒) _/ / ̄ =―≡― _
´∴'≡く / ∧ | y'⌒ ⌒ ヽ イノノハ))( ≡―=‥、,、
″″ \/〈(((ノ从| / | | ゚ヮ゚ノ`=―≡―∞
" ||( ゚ヮ゚ー' | |ヾノ //
=―≡ ̄`:, | , | ( ̄=―≒‥,,
" ,゛"=―≡―=',/ ノ )∵`=≡―=
″( ゚ヮ゚∴/´/ / | | , ゚ヮ゚ノ'ゞ ∵゛、 ゜ ¨
ヾ =―≡ ̄`:゛/ / \| |≡―=‥、,、 ヾ
,゛"=―≡―='( | ( |=―≡―∞=@ , 、∴
/ | | |\ \ ´ ∴ ヾ .
・ / / | | | ヽ/⌒〉
.... . ............ . .(_ 「 _) (_〈_/....... . .. . .... . . .
↑漏れ
815 :
エロ大王:04/06/13 11:17 ID:wxSMhjDX
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
>>812-815 というわけで埋め立て支援してみたw
ああ・・・・時深おばさんの一撃でマナが・・・・・さ・さらばです・・・・・
>エロ大王氏
乙です。次スレの方もよろしく(w
と、SS専門と違って小ネタが使えるので、
ネタ師がいる限りここでは幽霊船の心配はあまり深刻ではないかもですね。
他には、
志亜(しあ)もあるな…
第二詰所、ファーレーンの部屋の中程。溶け合うようにひとつとなった二人の人影が立っていた。片方がもう一方に覆いかぶさるような体勢だ。
バンッ!
突然、扉が開いたかと思うと、
ザシュッ!
高速で飛来する物体。と、覆いかかられていた側の影が相手を引きつけ、そのままもつれるように二人で倒れ込む。飛行物体は引っ張られた影がそれまであった空間を通り抜けて床に突き刺さった。
突然引き倒されて混乱していた悠人は床に刺さっている矛型の神剣を見て己が命を救われたことを悟り、扉へ目を向けた。
「お、おまえは…ツンデレラー ニム!」
「お姉ちゃんに不埒な行いをするやつは、たとえお姉ちゃんが許しても、このニムが許さないんだから! 曙光を浴びて灰になりなさい!」
びしっ、と何やらポーズを決めるニムントール。
「…って、何やらすのよ! てゆーか、ニムってゆーなーっ!!」
我に返って叫びながら部屋に駆け入って悠人を叩く。ポカポカポカポカポカ…
「お姉ちゃんもお姉ちゃんよ! どうして、どうしてこんなやつ…」
今度はファーレーンを叩く。ドスドスドスドスドス…
「ニム? 何を言っているのですか?」
「何って、何って、今、二人で抱き合って…」
「新しい剣の型を考えるのに付き合って頂いていただけですよ?」
「へ?」
しばし場が凍りつく。やがてニムントールの頬が上気していく。
「まぎらわしいっ!!」
いつの間にか床から引き抜いた『曙光』の柄で悠人の頭を打ち据えると、ニムントールは部屋から駆け出して行った。
「…やれやれ。ユート様にはもう一仕事して頂きませんとね」
そう独り呟くと落ち着き払って悠人の介抱を始めるファーレーンであった。
中庭の木の根元に(ry
悠人が中庭を訪れると(ry
しばらくしてニムントールが目を覚ますとそこは自分の部屋だった。
(ry
「…はぁ、起きるの面倒」
そう呟くが、その顔には(ry
妹がいつも履いているオーバーニーソックスを失敬してきて履いてみました
タンスの中にあったオーバーニーソックスの中で
1番長そうなナイロンの白いオーバーニーソックスを選びました
履いて思いっきり伸ばすとおチンチンの横まで伸びるんです
僕より背の低い妹なら普通に伸ばしても脚を全部包むんじゃない
なんだかいやらしいよこのオーバーニーソックスってやつは
履いたままオナニーしちゃった
射精して冷静になると「僕は妹のオーバーニーソックスでなに興奮しているんだ」と自己嫌悪になった
それでも履いたままでいるとまた興奮してきた
ニムがいつも履いているオーバーニーソックスを失敬してきて履いてみました
タンスの中にあったオーバーニーソックスの中で
1番長そうなラキオス生地の緑のオーバーニーソックスを選びました
履いて思いっきり伸ばすとお股のところまで伸びるんです
わたしより背の低いニムなら普通に伸ばしても脚を全部包むんじゃないかしら
なんだかいやらしいですねこのオーバーニーソックスというものは
履いたままつい手がいけないところに
気をやって冷静になると「わたしはニムのオーバーニーソックスでなに興奮しているの」と自己嫌悪に
それでも履いたままでいるとまた興奮してきてしまいました
オルファちゃんがいつも履いているオーバーニーソックスを失敬してきて履いてみた
タンスの中にあったオーバーニーソックスの中で
1番長そうなラキオス生地の赤のオーバーニーソックスを選んだ
履いて思いっきり伸ばすとおチンチンの横まで伸びるんだ
俺より背の低い住職ちゃんなら普通に伸ばしても脚を全部包むんじゃないだろうか、今日子は駄目だな
なんだかいやらしいなこのオーバーニーソックスってやつは
履いたままオナニーしてしまった
射精して冷静になると「今日子のヤツが戻ってくる前にもう一度堪能しておこう」と
>>823 もう一度達しそうになりながら、俺は気づいた
オルファちゃんのオーバーニーソックスは白だ
「ちぇっ…しくじったなぁ……これは誰のなんだよ_| ̄|○ 」
妹がいつも履いているオーバーニーソックスを失敬してきて履いてみました
タンスの中にあったオーバーニーソックスの中で
1番長そうなナイロンの白いオーバーニーソックスを選びました
履いて思いっきり伸ばすと頭蓋骨まで伸びるんです
僕より背の低い妹なら普通に伸ばしてもナポリタンの中身を全部埋めつくすんじゃない
なんだか怖いよこのオーバーニーソックスってやつは
履いたまま鏡見たら失禁しちゃった
失禁して冷静になると「僕は妹のオーバーニーソックスでなに失禁しているんだ」と自己嫌悪になった
それでも履いたままでいるとまた頭蓋骨が伸びてきた
あちこちにニーソねたがあるんだが、祭でもやってるのか?
コピペのマルチポストの模様。削除入ったところもあるようですな。
ネタスレ的には使えなきゃスルーだし、使えればネタ化するまでのこと(w
洗濯時、中庭に各色のニーソが翻ってたりするんでしょうか。
いい眺め?
戦闘すると、簡単に穴空くよな?
ハァハァ
|
|
|
|
/V\ ,J
/◎__ヽ ジー
レ'´iミ(ノハソ
_ l !ik(i|;;゚ヮ゚ハ < つ、釣られないんだから…
ヽツ.(ノリ:::::::.::::.:..|) ネリーは…くーる…な…女…なんだ…もん……ゴクッ
ヾソ::::::::::::::::.:ノ
` ー U'"U'
__ ゝ(ノ
「,'´r==ミ、 /´ハ``゛>
くi イノノハ))) 〈ハハヽヾ゛ミ
| l|| ゚ヮ゚ノl| o | ゚- ゚ ゞ)゙
j /ヽ y_7っ= 彡大 くilY ii`>
(7i__ノ卯! >iiT |U
く/_|_リ <_トj_ヽ>
__ ゝ(ノ
「,'´r==ミ、 o /´ハ``゛>
くi イノノハ))) 〜大 〈ハハヽヾ゛ミ
| l|| ゚ヮ゚ノl| | ゚- ゚ ゞ)゙
j /ヽ y_7っ くilY ii`>
(7i__ノ卯! >iiT |U
く/_|_リ <_トj_ヽ>
o
〜大
__ ゝ(ノ
「,'´r==ミ、 /´ハ``゛>
くi イノノハ))) _ 〈ハハヽヾ゛ミ
| l||;'ヮ'ノl| く | ゚- ゚ ゞ)゙
j /ヽ y_7っ ̄ くilY ii`>
(7i__ノ卯! >iiT |U
く/_|_リ <_トj_ヽ>
「ボツAA」じゃなくて「ボツAAネタ」だ… orz
もひとつ懺悔。
>>757 は、乗らない方が良いであろうと思いつつ流れに乗ってしまう自分を蔑む意味で
「釣られ」と言うはずだったのに、各氏を釣り師呼ばわりしてるように読めるよね…スマン。
目指してたのは、流れを受けつつネタへ転換、だったのに…_| ̄|○
さらに。
>>768-769 の とてもそうは見えないハリオン…誰かまともなのおながいします… OTZ
しっかし、逆向きって難しいなぁ…
時深おばry、殴りAAのお陰ですっかり暴力キャラだな
836 :
エロ大王:04/06/17 12:53 ID:ZSJmVlw0
" コンナワタシニダレガシタノヨ・・・・
´∴ __ ゜ヾ´ ″´∴
「,'´r==ミ、―≡ ̄`:∵∧_∧´∴∵゛'
__くi イノノハ))≡―=',((( )≡―=‥、 ∵゛、゜¨
, ≡ )| l|| ゚ヮ゚ノl|r⌒) _/ / ̄ =―≡― _
´∴'≡く / ∧ | y'⌒ ⌒ ヽ イノノハ))( ≡―=‥、,、
″″ \/〈(((ノ从| / | | ゚ヮ゚ノ`=―≡―∞
" ||( ゚ヮ゚ー' | |ヾノ //
=―≡ ̄`:, | , | ( ̄=―≒‥,,
" ,゛"=―≡―=',/ ノ )∵`=≡―=
″( ゚ヮ゚∴/´/ / | | , ゚ヮ゚ノ'ゞ ∵゛、 ゜ ¨
ヾ =―≡ ̄`:゛/ / \| |≡―=‥、,、 ヾ
,゛"=―≡―='( | ( |=―≡―∞=@ , 、∴
/ | | |\ \ ´ ∴ ヾ .
・ / / | | | ヽ/⌒〉
.... . ............ . .(_ 「 _) (_〈_/....... . .. . .... . . .
↑
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <悠人さんがヘタレだからです!!
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
そんな事より今日子よ、ちょいと聞いてくれよ。話題とあんま関係ないけどさ。
このあいだ、近所の第二詰所覗きに行ったんです。第二詰所。
そしたらなんかこの悠人のヤローがスピリットたちに囲まれてるんです。
で、よく見たらなんかみんなパジャマ姿で、パジャマパーティー、とか言ってるんです。
もうね、アホかと。馬鹿かと。
悠人な、パジャマパーティー如きで普段来てない第二詰所に来てんじゃねーよ、ボケが。
パジャマパーティーだよ、パジャマパーティー。
なんか第二詰所の面子全員いるし。詰所総出でパジャマパーティーか。おめでてーな。
よーしネリーぱじゃま脱いじゃうぞー、とか言ってるの。もう目が釘付け。
悠人よ、おまえの『求め』とこの自己主張しない『因果』を換えてやるからその役換われと。
パジャマパーティーってのはな、もっと萌え萌えとしてるべきなんだよ。
Uの字テーブルの隣に座った子といつキスが始まってもおかしくない、
踏み出すか留まるか、そんな雰囲気がいいんじゃねーか。
女の子の気持ちにも気づいてあげられないヘタレは、すっこんでろ。
で、やっと座ったかと思ったら、隣のヘリオンちゃんが、ユートさまハァハァ、とか悶えてるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのな、ここまでされて応えてやらない奴なんてきょうびいるかよ。ボケが。
鼻の下のばして何が、熱でもあるのか、だ。
お前は本当にヘリオンちゃんのためを思ってるのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
お前、一人に絞れないだけちゃうんかと。
ヘリオンちゃんもいいが第二詰所通の俺から言わせてもらえば今、
第二詰所通の間での最新流行はやっぱり、ニムントールちゃん、これだね。
ツンデレのニムントールちゃん。これが通の選択。
ツンデレってのは二人きりの時には思いっきりデレデレ。そん代わり人前ではツンツン。これ。
で、それにニムントールちゃんならきっとやきもち妬きだ。これ最強。
しかしちょっとでも妬かせ過ぎると期限を直すのに二週間はかかるという危険も伴う、諸刃の剣。
素人にはお薦め出来ない。
まあお前、悠人は、第一詰所に帰ってエスペリアさんに慰めてもらいなさいってこった。
おっと、慰める側か?
と、初心に返って吉野家ベースで。
おまけでこの後の惨劇を実況byネリー?で。
アタッカー大きく振りかぶって第一本、打ったっ、当たったっ、
これは痛い、痛い、倒れるか?倒れるか? 倒れた━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!
アタッカー キョーコ、敗者コーインを見下ろし悠々とハリセンの血を払います
そして今、ゆっくりと振り返り、大きなモーションで振りかぶって、
第二本、打ち下ろしたっ、当たったっ、
ユートこらえる、こらえる、まだこらえる、しのぐか、しのぐかっ、
倒れた━(゚∀゚)━( ゚∀)━( ゚)━( )━(゚ )━(∀゚ )━(゚∀゚)━!!!!
今、キョーコ、ハリセンを高々と天に掲げ、勝利宣言ですっ!
481KBを越えたところで、次スレ誘導のリマインド。
永遠のアセリア&雑魚スピ分補充スレッド 3
http://pie.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1087062026/l50 もう放置でも落ちるはずですが、ネタで埋めていくようなら
最後の方でまた誘導かけておくと良いと思われます。
なお、前スレの落ち方から見て、書けなくなる512キロの判定は
512KB(K=1024->524288byte)ではなく、512kB(k=1000->512000byte)で
行われるようです。(datファイルのサイズ)
専用ブラウザの表示は K=1024 で計算されている場合もありますので、
最後狙いのネタを展開する方はお気をつけを。
そんなことより、聞いてくださいよユートさん。
二周期ほど前、ハイペリア行ったんです。ハイペリア。
そしたらなんか雑魚スピスレとか立ってて大盛り上がりなんです。
で、よく聞いたらなんか荒い息遣いが聞こえてきて、ネリーたん(;´Д`)ハァハァ、とか言ってるんです。
もうですね、アホかと。馬鹿かと。
顔グラごときで普段来てないXuseスレで文句言うんじゃありません、アセリア厨ですか。
顔グラですよ、顔グラ。
なんかHシーンは顔があるからねとか言ってるし。脳内補完ですか。おめでたいですね。
よーしパパ雑魚スピエターナル化しちゃうぞー、とか言ってるんです。もう聞いてられません。
エトランジェ方ね、テムリオンとちょっと一戦交えるからその場所空けてくださいと。
エターナルというのは、もっと殺伐としてるべきなんですよ。
学校で向こうからぶつかってくるDQNといつ頭蓋骨の争奪戦が始まってもおかしくない、
食うか食われるか、そんな雰囲気がいいんじゃないですか。呑気な雑魚スピ萌えは、すっこんでてください。
で、ひとまず静かになったかと思ったらXuseが、その代わり今日子と時深EDを追加したエキスパンションディスク(仮)
、とか言ってるんです。
そこでまたぶち切れですよ。
あのですね、幼馴染なんてきょうび流行らないんですよ。めっ。
清純そうな顔して何が、これは罰だから気にしないで、ですか。
あなたは本当に悠人さんを好きなのかと問いたい。問い詰めたい。小1時間問い詰めたい。
あなた、自分が気持ち良くなりたいだけでしょうと。
ユートさん通のわたしから言わせてもらえば今、ユートさん通の間での最新流行はやっぱり、
ヘタレプレイ、これですね。
最初はユートさんにリードさせておいて、十分ヘタレさせる。これが通の愛し方。
ヘタレというのはなかなか手を出さない。その代わりその気にさせたら一直線。これ。
で、そのあと逆切れして襲ってさしあげる。これ最強。
しかしこれをするには1000年ユートさんをストーキングし続けるという危険も伴う、諸刃の剣。
一学生にはお薦め出来ません。
まあ今日子さん、呑気な幼馴染は、一人で元彼のとこへ帰ってなさいってことです。
>>838 あんた昔葉鍵版でリレー小説に参加してなかったか?
843 :
838:04/06/18 08:50 ID:Ni9OjsoV
>>842 いいえ全然。
葉鍵板は一度も見たこともないです。
似た人でもいましたか?
844 :
842:04/06/18 16:25 ID:h8kUHp2M
>>844 なるほど。偶然ですねぇ…。
まぁ、吉野家には「大いに語る」という表現が似合うということで(w
このスレの趣旨とは少々ずれるが、今日子と光陰の夜の生活が気になる。
夜になると今日子はうってかわってしおらしくなるのか、
それとも「昼間怒らせた分しっかり奉仕しやがれ」
とばかりにさらに高飛車になるのか。
そういう状況だと光陰が押すな。
ほす
そろそろ時深オバさんが
誰か時深おばさん退治するテムリンのAAとかないー?
それじゃあこのスレでは容量が足りないせいで
もう時深おばあさんのタイムシフトは発動できないってことですか?
__
「,'´r==ミ、
くi イノノハ)))
| l|| ゚ヮ゚ノl| <タイムシフト
j /ヽ y_7っ=
(7i__ノ卯!
く/_|_リ
________
|: ̄\ \ <ーポルヌポルヌ!!
|: |: ̄ ̄ ̄ ̄:|
ッンタバ!!
_____ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/:\.____\ / ぽるぬぽるぬぽるぬ!るぎす璧完。はははははふ、いなか開かしらか中は箱。
|: ̄\(∩( ;゚∀゚) < るきで理処でムテスシ密秘も物泄排。るあ分生一も料食も素酸。夫丈大もで開空宙宇。
|: |: ̄ ̄ ̄∪:| \ いなも事ぬ死が間人の中で撃衝のらか部外。いなし屈もに力圧。
\___________
_____ / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
/:\.____\ / 夫丈大もでん込っ突に陽太、様仕寒耐熱耐。
|: ̄\(∩( ;゚∀゚) < 能可不はのるすりたしば飛げ投りたげ上ち持でのい重。
|: |: ̄ ̄ ̄∪:| \ 始開トステのスクッボるぬ能性高超用ッガ対!
\___________
'r==メヽ7
_____ ガッ!! ((ハ从ノ i>
/:\.____\ |i、ヮ゚|i) |
|: ̄\((∩(`Д((( ☆⊂/i y ハ8
|: |: ̄ ̄ ̄∪:| L卯 メ__iリ
〈/」_i ゝ
こういうのなんていうんだっけ?
計画犯行?
やる前に罰すみたいな
とうとうヘリオンタンルートが保管されました
もう感涙、エンディングも素晴らしかったし
時深お、ねえさんも最後は色々面倒見てくれたりと…
あの格好で役所に行って住民票やら婚姻届を取りに行ったのだろうか…
役所職員A「今の巫女さん?ハァハァ」
役所職員B「ええ、転入と婚姻届を取りに」
A「神社の外じゃ珍しいよな。趣味のコスプレ?(w」
B「ダンナがうらやましい…」
『私と悠人さんの婚姻届なら良かったのに(泣)』とか思いながら役所を出て『門』をくぐる時深
A「何の話、してだんだっけ?」
B「…さあ?」
857 :
エロ大王:04/07/07 15:28 ID:+4xTskwO
>>856 かくして時深はエターナルの間で『行かず後家の時深』から『行けず後家の時深』となったそーな・・・・・
めでたしめでたし??
「すみません、住民票と婚姻届を提出したいのですが。」
「はい、お預かりします、高嶺悠人さん、と、えっと・・・・・・
すみません、失礼ですが、奥様の名前はなんと発音されますでしょうか?」
「・・・・・・ヘリオン」
「え、ああ、外国の方でしたか、ヘリオン、縁音、っと。
でも珍しいですね、どうして外国の方が巫女をおやりに?日本は長いのですか?」
「・・・・・・・・・千年ほど。」
「は?あーでもいいですねー♪新婚さんですか?やっぱり巫女はお辞めになるんですか?」
「・・・・・・・・・辞めません、絶 対 に」
「実は私も、結婚したい彼女がいましてねー。もうそろそろプロポーズしようかなっなんて思ってr」
「 あ の 、 は や く し て も ら え ま す ? 」
「・・・・・・少々お待ちください」
その後、哀れな市役所員の記憶からは「結婚」の2文字がきれいさっぱり消え去っていたといふ。