朝起きたら妹に、その2

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8165/5 ◆GYhzO8OFh6
 って、ちがぁ〜〜うっ!!
 疲れる。
 マジで、疲れる。
 この妹、本気で誰かどうにかしてくれよ(涙)
「そういえば、ここってどこだよ?」
 綾乃ちゃんに殴られたショックで物思いにふけ込んでしまっていた俺は、いまさらなが
ら、自分のいる場所に注意を向けた。
 柔らかな日差しを浴びる新緑の木々。その間を抜ける遊歩道。そして、木陰には木製
のベンチ。
 どこかの公園みたいなところだけど、いくら物思いにふけていたとはいえ、そんなに遠
くまで歩いた気はしない。それに振り返ると、すぐ後ろには校舎がそびえ立っている。
「うふふ。たまには気分を変えて、お外でランチをと思いまして」
 気分を変えるのには異論は無い。まあ、外でランチにするのも悪くない。
 だけど、ここは……。
 ものすごい勢いで視線を周囲に走らせる。
 すると、さっきは見落としていたけど、ほとんどの遊歩道のベンチは男女が一組ずつ
腰を下ろしてお弁当を食べている。それに、木陰では同じく男女が肩を寄せ合い、何だ
か別世界を形成しているようです。そして、極めつけはどういうわけか茂みが激しく動い
ています! って、今一瞬だけど女性の生足が宙をかいていましたよ、ママン!!
「なあ、ここってまさか……」
「ええ。学校の中庭ですわよ、お兄様」
 中庭って、あの校内のバカップルの聖地じゃありませんかぁ!!
 ごめんなさい、綾乃ちゃん。君と一緒に前に、妹と来ちゃいました(涙)。