エロゲ業界人の愚痴 その25

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269195に捧ぐ
もう何日目かと数えるのにも疲れた深夜1時。
デスマーチ、とか嬉しそうに言いやがって、あのプログラマ野郎。
結局今日もマスターアップを迎えることなく、お泊まり決定だ。
隣の机に座る同僚、乙は、もう自分の仕事を終えているはずなのにやはり居残っている。
「おい195。腹減らないか?」
「ああ。夕飯、ちゃんと食ったから」
「なんだ、俺、何か買ってきてやろうかと思ったのに」
「いや、食うと眠くなっちゃうから……俺はいいからお前、一人で食ってこいよ」
正直、枕を用意されればすぐに爆睡できるくらい疲れ切っている。
だからこそ、ここで眠るわけにいかないんだ。
……お前が、そこにいるからには。

けれど、何日も布団に横たえていない体には、とっくに限界が近づいていたのだ。
いつ瞳を閉じたのかすら覚えていない。
ある者は机の下で仮眠を、ある者はタクシーで帰宅したらしく、室内にさざめく声も
ほとんど聞こえない静寂に包まれた開発室。
俺は机に突っ伏して、眠っていたらしい。
最初は、下腹部に違和感を覚えた程度だった。
(あー……疲れてるからな……こんなとこで夢精だけは勘弁……)
いやらしい夢を見ていた記憶もない。
けれどそれは明らかな快感を伴って、俺の体に昂ぶりを与えてきた。
(……ん……なんだ……?)
朦朧とした意識を必死に振り起こし、俺は薄目を開けた。
「……っ!!」
背後から抱きかかえるように、誰かが股間に手を伸ばしていた。
俺は眠ってしまった己の失敗を悔いた。頭の奥で、警戒をしていたはずだったのに。
荒い息を耳元で吐き続ける男。それは……乙だった。