『――大いなる力、なんて言葉に心が動くのは、僕が弱いからだ……』
富士見ファンタジア文庫『ザンヤルマの剣士』シリーズ。
眼鏡で気弱な猫背少年のまっすぐな理想と、それを打ち壊す現実。
人間がどんなに腐っているかを知っても、誰もがただ普通の明日を
迎えられるよう戦い続けた一人の高校生の物語。
『僕は、ザンヤルマの剣を持っていたってマーちゃんに及ばない、弱い人間だよ』
『違う、遼は強いよ。遼は、剣を持っているから強いんじゃない。剣を持つことが出来るくらいに強いんだよ』
――僕は、強いって言われたいわけじゃないんだ。いや、弱いままでいたいんだ……。