武田騎馬軍団VSエロゲキャラ4

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1冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2
このスレは、武田勝頼が主人公の選択型SSの続きです。
基本的にsageでお願いします。

前スレ
武田騎馬軍団VSエロゲキャラ3
http://www2.bbspink.com/test/read.cgi/erog/1043065401/

以前のスレ
武田騎馬軍団VSエロゲキャラ2
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1025/10258/1025872852.html
武田騎馬軍団VSエロゲキャラ
http://www2.bbspink.com/erog/kako/1000/10004/1000476619.html

武田騎馬軍団本スレ
こんな武田騎馬軍団は御免蒙る
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1045566471/

関連サイト、及びキリバン用旗テンプレは>>2-10ぐらいに。
2冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:01 ID:lfRgLr8P
●関連サイト
武田騎馬軍団仮設WebSite
http://www.kansuke.tk/
武田騎馬軍団vsリンク集
http://www.hara.tk/
武田騎馬軍団たんのHOME PAGE
http://www.geocities.co.jp/Playtown-King/6698/
武田騎馬軍団板
http://huurinkazan.tk/
3冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:02 ID:lfRgLr8P
キリバン用の旗テンプレ
武田騎馬スレでは、通常のキリバンの他に
88(馬場)247(仁科)等もキリバンに入ります。

┏━━┓
┃掠疾┃   番制圧!
┃如如┃  
┃火風┃   御旗楯無、御照覧あれ!!
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛

┃ 三国志・戦国時代板 : http://hobby.2ch.net/warhis/
┃ エロゲネタ&業界板 : http://www2.bbspink.com/erog/index.html
4冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:34 ID:FdxrCaSh
 亀井が用意した援軍というのは、速瀬の後輩に当たる女性、涼宮茜。
 速瀬と涼宮の2人は、昔は仲が良かったのだが、男を寝取った一件で険悪な関係に。
 その男というのが茜の姉、涼宮遙と付き合っていた。
 姉の愛した男を寝取った速瀬が許せないそうだ…。
 「 あの人の相手は……、私にやらせてくれませんか……。 」
 電話に出た、押し殺したような低い声で話す茜。
 一瞬、俺の背筋に寒気が走ったぐらい、言葉に怒気があふれていた。
 っつうか、男にも問題あるだろうが…、と思ったりするが、さすがに口には出せない。
 亀井が替わって電話に出ると言った。
 「 武田社長、この娘達に関係がある男の資料を送っておいた。
   目を通しておいてくれ。
   事実を知ったら驚くゾ。 」
 電話の後、しばらくしてFAXが届く。
 魚連会議室でそれを受け取り、俺と諏訪で確認をする。
 「 尼子開発の亀井部長からです。 」
 深夜もまだ起きていた純一、眠たい目をこすりながら議長席に座っている。
 純一より受け取った俺は、すかさず紙に目を通す。
 書面に書かれていたのは、速瀬水月が寝取った男に関する経歴だった。
 「 なになに…、問題の速瀬とは、学生時代の同期で友達…。
   速瀬の紹介で涼宮遙と付き合うが、交通事故で彼女が昏睡状態に陥ると速瀬と付き合い始める。
   まあ、何と言うか…、あえて言えば、涼宮は運の無い女だな。 」
 「 よくある事ですね…。
   提督の決断でいうなら、艦運が一桁っぽい所でしょう。 」
 諏訪の例えはよく分からなかったが、とにかく気にせず続きを読む。
 議長席では、純一が座ったまま眠っていた。
5冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:35 ID:FdxrCaSh
 「 男の名は鳴海孝之…。
   どっかで聞いた事無いか? 」
 「 さあ…? 」
 「 まあいいか。
   その鳴海は、バイト先の"すかいてんぷる"が移転した際に、店と共に移動。
   この時に速瀬とも別れてしまっている。
   で、その後、すかいてんぷるがMilkywayに買収されるが、店にはそのまま踏みとどまる。
   今年の3月9日に兵としての出撃の際、上司である崎山の盾となって名誉の戦死。
   生前は、地方に赴任した独身警官と懇意の仲だったとも。 」
 「 なるほど…。
   女の扱いはアレですが、男としてはそれなりの勇士ですな。 」
 「 ……………。 」
 「 …………………。 」
 俺と諏訪は、しばらく見詰め合う。
 何か腑に落ちないところがあった。
 「 若…。 」
 先に口を開いたのは諏訪。
 「 もしかして…、崎山の盾になった時というのは…。 」
 「 ああ、日付から言って、諏訪が狙撃したときだろう。 」
 「 あの時にはずして、間違って当たったのが鳴海だと…? 」
 「 そういう事になるな…。 」
 「 これはまた…、完全秘密にしなければいけませんね。 」
 「 ああ、ばれたら厄介だ。
   しかし、これが運命だとしたら、皮肉なものだな。
   鳴海孝之戦死の時に限って日付まで正確にある。 」
 「 誤魔化しようがありませんからね。 」
 「 涼宮と速瀬にばれた場合、覚悟がいるな。 」
 「 はい…。 」
6冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:38 ID:FdxrCaSh
 そろそろ眠ろうかと、会議室を離れようとしたとき、魚連の夜勤の者達が数名血相を変えて
飛び込んでくる。
 眠ったままの純一をさくらが起し、応対させる。
 しかし、さくらは今までどこにいたんだ…?
 「 報告します。
   織田方の滝川一益が速瀬水月の後詰として若狭湾西方面に出現。
   現在移動中。 」
 「 尼子開発の亀井部長がヘリ四機で来援。四時間後に来ます。 」
 「 鳥羽の九鬼水軍の出現を衛星で確認。
   下関に集結している模様。 」
 一番目の報告が一番厄介だったが、純一にとっては三番目の方が厄介なのだろう。
 すっと立ち上がった純一が俺に問う。
 「 何故、太平洋側の水軍が山口にいるのでしょう? 」
 「 恐らく、大内が…。
   反尼子の大内が、織田の要請に応えたのでしょう。 」
 「 くっ、ただでさえ船舶の数が足りないと言うのに…。 」
 最近は韓国籍の船の暗躍もあり、福井魚連の船舶数は減っていく一方だった。
 平時でも赤字になりやすい状況で、戦争などやってしまうものなら、それこそ魚連の崩壊
に繋がる。
 頭を抱えて座り込む純一。
 この様子では、増援が無かったら朝倉は簡単に織田方に転がってしまったかもしれない。
 報告が途切れると、俺と諏訪は背を向けて退出する。
 今日はよく眠って明日に備えよう。
7冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:41 ID:FdxrCaSh
 亀井のとっつぁんに朝っぱらから叩き起こされたりと、あまり縁起が良くない朝だったが、
昼過ぎには北条水軍が到着。
 久しぶりの幻庵じいさんとの対面を果たし、今後どうするかを話し合う。
 一条や進藤は、船舶に頼らない陸地を進み、一気に織田方の母港を破壊してしまおうと強気。
 だが、涼宮茜を擁する亀井は、速瀬自身が出てくるのを待つという意見。
 隣を見れば、氏直がやる気あるのか、口笛を吹いてヨソを見ていた。
 さてどう動くか…。

 1 速瀬が動くのを待つ。そして奴は23:00頃に夜襲を仕掛けてきた。
   「 報告、我等が母港沖に、織田方の水軍多数!
     40以上の船舶が沖合いで港を封鎖しています! 」

 2 「 報告します、後詰の滝川はスクール水着を着用しているとの事! 」
   どうやら、奴も喰ったらしい。おめでたい奴だ。
   「 滝川が混乱していれば、速瀬の統制もきかないかもしれない。出撃だ! 」

 3 母港の施設を破壊する。
   重油タンクや修理施設、さらに監視塔等を爆破する。
   九鬼と合流しようと撤退する、士気の下がった速瀬を攻める。

 4 前に戻る
8冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 19:43 ID:FdxrCaSh
艦運
昔の光栄ゲーム、提督の決断にあったステータス。
これが低いと、弾を喰らって撃沈される率が向上。
ゲーム開始時で不変に決まっているので、低いのはどうしようもない。

今更だけど。
涼宮遙及び茜 出自 君が望む永遠
妹の方は単独でゲームにもなったが、age会員にならないと手に入らない。

滝川一益 出自 織田信長家臣
戦場ではすこぶる有能だが、それ以外ではあまり期待できない御仁。
9冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:34 ID:FdxrCaSh
9 高山右近 ◆iwJUSteEEE sage 03/09/27 11:11 ID:9+LXR6Yi
一益がスク水……一益が…スク水……!?
インパクトだけで2.を選択させてください。

           /\
          /掠 \
         /如 疾/
        /火 如/    新スレ祝い! (&即死防止)
       /不 風/
      /動 除/
     /如 如/       御旗盾無、ご照覧あれ!
    /山 林/
   /\ 侵/
  /    \/
 /
10冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:37 ID:FdxrCaSh
10 名無しさん@初回限定 sage 03/09/27 12:59 ID:QadXAg5t
  ___
  |風 |
  |林 | \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ,,|火 | / \〇ノゝ∩ < 即死回避ついでに10getだ!!ゴルァ!!,,、,、,,,
  |山 |/三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,        __
  ,,  ̄ | /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,    |風|                  ,,、|風|
      |⊂ (:::::::::::)  ,,、,、,,,     __..  |林|\オーーーーーーーッ!!/. |林|
     , //三/|三|\     ∧_|風|∧__|火| ∧_∧∧_∧|風|_∧∧_∧ |火|
      ∪  ∪       .(   |林|   |山|(   |風|  .. .|林|    )   )|山|
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧. |火|_∧∧_∧.. |林|_∧ |火|_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )|山|   (    ) |火|..  (|山|   )    (    )
                      ̄|        ..|山|     ̄.|
                                 ̄.|
11冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:40 ID:FdxrCaSh
11 諸葛尚 ◆JPMago6xGo sage 03/09/27 16:15 ID:ilkeqKoq
新スレおめでとうございます、4スレ目ですか、このスレも長いですねぇ
楽しみにしていますのでこれからも頑張ってください。
12冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:43 ID:FdxrCaSh
12 名無しさん@初回限定 sage即死回避 03/09/27 22:45 ID:RUgFEkqH
  ___ l ヽ            ┌┬ _l_  ┌─┬‐  ┌───┐
 ー─―┼‐   ┌─┬─┐.├┼ / \. ├─┼‐    ―┼─   ┌──‐┐
  l  |__ |..   ├─┼─┤.├┼  ̄ ̄| ̄ ├─┼‐    .l二|二l     .| ー┼ |
  |   |  |    └─┴─┘.└┴┐□ |   └─┴┐   |_|_|     .| ヽ _|  |
  ┴‐┴ ∨          ハヽヽノ  J   ハ ヽ ヽノ   .─┼─..   └──‐┘
13冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:44 ID:FdxrCaSh
13 冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 sage@即死は勘弁 03/09/28 09:44 ID:/RC/VxH1
ちょいとお待ちを。
14冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:46 ID:FdxrCaSh
14 名無しさん@初回限定 sage 03/09/28 11:29 ID:hGYKRvbQ
張飛に続いて滝川一益まで…(w
15冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/09/30 23:48 ID:FdxrCaSh
復元完了…。
16高山右近 ◆iwJUSteEEE :03/10/01 04:11 ID:Uyu6oHin
お疲れ様に御座ります。歴史あるスレながら連続の即死…次こそはっ!
記念と保守の為、強引に旗でも立てて参ります。

┏━━┓
┃掠疾┃   戦国16世紀制圧!
┃如如┃  
┃火風┃   御旗楯無、御照覧あれ!!
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛

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17武田騎馬軍団:03/10/01 05:23 ID:DLwtFc2g
とりあえず、旗も立てておこう。
 ___
│掠疾│
│如如│
│火風│
│不徐│
│動如│
│如林│
│山侵│
│――




18冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 20:55 ID:uhB137O0
 援軍と言うものは、すでに前線にいるものにとっては救いの主であり、敵方にとっては
面倒以上の相手になる事もしばしばある。
 ただし、一度援軍が来ると思った兵卒は、その援護力に多大な期待を持つ。
 そうした士気上昇や波状攻撃が出来る等の効果もあり、戦場での援軍や後詰とかいった部隊
はどこの軍でも必要不可欠のものだった。
 ただし、そうした背後の援軍が来ると言って来なかった場合は、返って逆効果になる。
 一旦は士気が上がっいても、その時の士気低下は尋常ではない。
 兵卒の中には、「見捨てられた」、「捨て駒にされた」と思う者も出る。
 そして、その考えの中心にあるのは、「この戦いでは勝てない。俺達は時間稼ぎだ」というもの。
 こうなった軍が、敵に攻められて勝った試しはほとんど無い。
 鬼の滝川が援軍として出撃すると聞かされたものの、土壇場になって来れなくなったと聞かされた
速瀬は、余程不運な女というべきか…。
  「 報告します、後詰の滝川はスクール水着を着用しているとの事!
    従兄弟の益重親子と幕僚で祭り状態となっています! 」
 報告内容は驚くべきものだった。
 後詰として出撃準備にいる滝川が、何故かスクール水着で幕僚達と踊っているらしい。
 「 これは驚きだな…。
   滝川にも犬を食べる習慣があったか。 」
 さすがに俺も言う事がそれしかない。
 「 その滝川って人はウリナラの人? 」
 あずさお姉ちゃんが横目で、嫌そうに俺を見て言った。
 「 いや違う。滋賀の人だと思ったが…。
   生粋の日本人だと思うがな。
   とにかく、これは攻撃のチャンスだな。 」
 俺の言葉に幻庵じいさん、張飛達がうなづく。
 「 よし、出撃用意だ! 」
19冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 21:00 ID:uhB137O0
 「 まず、目標だが。これは俺達がとっつかまったビルで行こう。
   これには武田衆と魚連で当たろうと思う。
   北条水軍は時間を合わせて湾内に突入、監視塔を粉砕して欲しい。
   亀井部長の隊は、ヘリでビル屋上から攻めていただきたい。
   速瀬と、その…涼宮さんだったか…。彼女を突入させよう。 」
 「 うむ、さすがは武田の若大将だな。
   打つ手が速いが、一つ見忘れてものがある。 」
 「 ん? 」
 俺をはじめ、一同が亀井のとっつぁんを見る。
 「 滝川だな。
   奴の醜態ぶりをカメラで収めて、写真をばらまけば敵兵は満足に戦う事も無かろう。
   問題は屋上からどうやって侵入するかだが、それは尼子の腕の見せ時だ。
   うまくやって見せよう。 」
 「 そうか…、滝川の醜態ぶりか…。 」
 議長席に座る純一が、ふと考えるしぐさをとる。
 そして、使いの者を呼び出すと、こう伝えた。
 「 堀江に伝えてくれ。
   音夢の入浴を盗撮した罪を免除するから、滝川の醜態を盗撮してくるように。
   二時間以内に現像を終え、大量に刷って攻撃部隊本体に手渡すように。
   渡す方法は追って伝える。 」
 伝え終わると、純一は亀井に向き直って言う。
 「 なんというか、盗撮野郎がうちの魚連の中にいたおかげで、なんとかなりそうです。
   奴はプロだから、滝川の醜態は確実に撮って来ますよ。 」
 「 そうか、よろしく頼むぞ。
   ついでに、その堀江に合わせてはくれまいか? 」
 「 ああ、俺も会いたい!
   会って資料を見たい。どうせ入浴だけじゃないんだろう? 」
 亀井に続いて、興奮した口調でまくしたてる氏直。
 だが、爛々と目が輝く氏直の顔面に、音夢の肘打ちが入ると、黙って沈んだ。
 「 まったくもう…。そんなモノは、もうありませんよっ! 」
20冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 21:08 ID:uhB137O0
 福井と滋賀の県境にある、織田方の前線基地になっている小さなホテルでは、大広間の一室を使って、滝川一益
達が饗宴をしていた。
 なにも、滝川は犬が食したかったわけではない。
 松村の残した犬を喰らってやる事が、裏切り者に対しての態度を見せる、いい機会だととらえただけだった。
 断腸犬を掴みあげた滝川は言った。
 「 気持ち悪い声で鳴きやがって…。
   スクミズイイヨー…か、くそったれめっ! 」
 身長160センチ半ばの小柄な体の滝川。
 しかし、鍛え上げられた体は、腕や胸板を見ても、鋼を張ったかのような強靭さをもっていた。
 多分にあふれる力で断腸犬を地に叩きつけると、滝川は部下に断腸犬を集めさせた。
 滝川領内に溢れかえっていた断腸犬を集めさせると、滝川は出撃の前祝いだと、部下に大犬鍋を作らせる。
 完成はしたが、気持ち悪がって最初は誰も箸をつけなかった。
 だが、滝川軍の豪傑、前田利益が皿に大量の断腸犬肉を盛り、一気に食べほして、
 「 うまいっ!! お前も食ってみろ! 」
 と言うと、誰もが食べ始めた。
 実際に食べると美味しかった。そして、魚連や武田の者達のように、だんだんとおかしくなっていった…。
 明くる朝、出撃の時間を迎えると、益重は朝一ですくみずを買いに行き、一益は目を醒ました時点ですくみずを
着用していた。
 小柄の体にあったすくみずがあって良かったと喜ぶ一益に、利益は、親父たちのペットの犬にすくみずを着せて
闘犬をやらせたりして場を盛り上げた。
 「 滝川様、速瀬殿が苦戦を強いられそうになっておるのですが…。 」
 すっかり祭りになっていた中で、速瀬の与力になっていた後藤が遠まわしに出撃するように言う。
 「 何を馬鹿な事を。
   武田に朝倉に尼子ごとき阿呆の集いなど、どうってことないわ。
   聞けば、馬場や経久、教景が前線にいるわけじゃない。速瀬だけで十分♪ 」
 「 しかし、このままでは滝川軍は木曾谷に続いて敗北をする事にもなりかねますが…? 」
 後藤は、滝川軍内部ではタブーだった一件まで持ち出す。必死の覚悟だ。
 「 だが、それがいい。 」
 犬の相手をしていた利益が、横からそう言ってきた。
 こう言われては仕方が無い。後藤はうなだれながら速瀬の元に帰っていった。
21冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 21:10 ID:uhB137O0
 滝川軍動かず!
 この報告に、軍議中の速瀬はさすがにうろたえた。
 普通、指揮官はその事を表に出してはいけない。
 その点、まだ速瀬は指揮官としてはまだまだだったと言えよう。
 他の報告では、速瀬やその副官、平の知り合いを尼子の亀井が連れてきていると言う。
 「 恐らく涼宮だろう…。いいのか速瀬? 」
 「 いいも悪いも無いわ。
   敵として来る以上、ただでは返さないだけよ。
   みんなも、私の知り合いだからといって、容赦はしなくていいわ。
   自分の手柄にしてくれて結構……よ…。 」
 いまいち士気の上がらない速瀬隊だった。
 軍議が終わり、速瀬と平は屋上で2人で話し合う。
 生暖かい風が肌にまとわりつく、表に出ても気の晴れそうに無い速瀬だった。
 「 なあ速瀬、涼宮が目の前に現れて、本当に撃てるのか?
   いや、撃っちゃあいけないんだよな……。なんとか…。 」
 「 話し合いは結構よ。
   もう、後には戻れないのよ…、私達。
   孝之はどこか遠くにいっちゃったし、今更、昔の事で遙が何か言うとでも思う?
   私たちの敵が来た。だから戦う。それ以上のそれ以下でもないわ。 」
 平の言葉をさえぎるように、速瀬は早口でまくしたてた。
 敵の狙いが軍壊滅ではなく、総指揮官速瀬水月に対する精神攻撃にあると読んだ平は、この戦いにかなりの
率で負けそうに思えた。
 武田や北条は指揮官が戦死した場合も戦闘続行できるような組織になっていると聞くが、織田産業の手勢では、
指揮官権限が十分に取れすぎている分、万が一の場合は大混乱になって壊走する率が非常に高い。
 特に、織田方の兵装を真似た結城倫が、総指揮官をピンポイントで執拗に狙う武田勝頼の戦法に、あっさり負
けている。
 「 分かった速瀬。これだけは言っておく。
   何があっても俺が速瀬を守る。孝之に代わって、俺がすべてを守る。 」
 「 うん…、ありがとう……慎二君…。 」
 何かに浸かれたように、暗い表情を見せる速瀬だった。
22冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 21:15 ID:uhB137O0
 俺達は出撃から三十分後に、見事に盗撮された写真300枚を受け取る。
 すでに深夜になっていたが、まだ滝川は遊んでいるらしい。
 密使は堀江の部下で、教景さんが誇るお孫さんの着替え写真すら撮って見せた強者で、魚連の人材とは不思議な
者が多いと痛感した。
 さて、ここは漁港に入る手前の町の十字路。
 武田衆と朝倉衆でビルをめがけて突入するのだが、どうしようか…。

 1 この十字路をまっすぐ行けば、あのビルに到着できる。
   真一文字に強行突入する。
   皆の者、遅れをとるな!

 2 包囲しよう。
   絶対に速瀬を逃がさない為、朝倉隊に右側より、一条隊には左側より。
   大回りで進藤に手前より奥を進ませ、完全にビルを封鎖する。

 3 尼子のヘリが近づいてくるまで待つ。
   ヘリに向かって撃つ奴を皆で狙い撃て!
   突入は尼子と同時に行う。

 4 前に戻る
23冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/01 21:21 ID:uhB137O0
>16 高山殿
>17 武田騎馬軍団殿

旗立て保守乙デス。
容量確保のために、折れも旗を立てます。

 ___
│掠疾│
│如如│
│火風│
│不徐│
│動如│
│如林│
│山侵│
│――






ついでに読み。
一益(かずます) 益重(ますしげ) 利益(とします)
24諸葛尚 ◆JPMago6xGo :03/10/02 01:03 ID:8JmOwAwb
>>22
三国志5では包囲して鶴翼の陣の「一斉攻撃」で殲滅すると楽ですた
というわけで2の包囲を選びます。
┏━━┓
┃掠疾┃ 
┃如如┃  
┃火風┃   
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛




私も旗を立てておきます、2度目の即死はなんとしても防がねば
25武田騎馬軍団:03/10/02 02:28 ID:W9GyFMRK
  ◆◇軍師助言◇◆
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|||   ____     勘助 曰く     |||
|||  /     ヽ    / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|||  \jノ,==∞=;    |  
|||    _ミ,,._´Д`)  <  保守するとよいでしょう
|||  ノ=ノ」:|_V」lヾ_,  | 
|||   (乃ノ ):::::| /つ \________
|||||||||||||||||||||||||||||||| HIT ANY KEY |||
26高山右近 ◆iwJUSteEEE :03/10/02 03:27 ID:dkvaiSZ9
◇◆武将発言◆◇
|||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
|||   .__          他家客将曰く
|||   |  |       /|
|||   |††| .____,   |」   / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
|||   | ノ:::\∧'/,,  ||   |  是にて20KB
|||   <;;;;ノ_ ゚Д゚) > || .<  あと一息ですな
|||  ノ:: ノ」:|_V」lヾ,._ ||   |  
|||   ( jつ;:::(†)::|j /.つ  \________
||||||||||||||||||||||||||||||||| HIT ANY KEY ||||||
27冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/02 19:31 ID:yqkIzCL4
ネタがまとまってないですが。保守旗。

 ___
│掠疾│
│如如│
│火風│
│不徐│
│動如│
│如林│
│山侵│
│――




28呉班:03/10/03 00:02 ID:umZPGnj4
せっかくなので、それがしも旗を立てていきまする。
┏━━┓
┃掠疾┃ 
┃如如┃  
┃火風┃   
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛




利益殿に合うサイズは流石にありませんでしたか(w
うちのボスとキモイ格好の豪傑対決にならずによかったよかった。
29冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/03 21:32 ID:D3IVcR1B
 ここは包囲してじわじわと攻め込んでみるか…。
 速瀬を逃がさないように戦うには、それが一番良さそうだ。
 「攻撃をかけた際に、速瀬は滝川と合流するために退避する可能性がある。
  絶対に逃がすわけにはいかないので、完全に封鎖をしよう。
  さくらは朝倉隊主力を率いて北側を封鎖してほしい。
  続いて西側には、進藤隊が大回りをして封鎖。
  南には一条隊が廻ってくれ。
  俺は東側を封鎖する。
  進藤が西側を封鎖した報告をしてから攻撃に移る。 」
 「了解だ。
  速瀬側は打って出て来る可能性もあるが、その時は交戦して構わないな?」
 「ああ構わない。
  せっかく結城倫から買い取った機関銃がある。一連射してなぎ倒してやれ。」
 戦いたくて仕方の無い一条。
 交戦許可が下るとニヤリとする。
 「ただし、敵兵なら逃がしても結構だ。
  あまり沢山の数が事務所に篭ると厄介だからな。」
 「目標はあくまで速瀬か。 」
 「そういうことだ。」
 話しが決まると、各隊は散開しつつ、隠密に動いていく。
 速瀬が撤退に踏み切ったとき、おそらく東か南側に向けて兵を動かすだろうから、俺か一条の隊が一番苦戦する事
になるだろう。
 問題があるとすれば、速瀬側の士気がどれほど下がっているのかがイマイチ分からない所だった。
 ヤケを起されたりしたら、兵数で下回るこちらには負傷者が続出する事になる。
30冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/03 21:34 ID:D3IVcR1B
 暗夜の海を粛々と進む北条水軍。
 灯火管制を敷き、陸地に沿って移動し、湾内への侵入を目指す。
 先頭を進むのは氏直クルーザー率いる北条水軍で、後方には音夢の水軍が続いている。
 当初は腰が引けていた氏直も、自身の最新鋭船に乗り、船長氏秀の勧める酒を飲んでからは強気の姿勢でいた。
 「幻庵、奴らに一発お見舞いしてやろうかと思うがどうだ?
  自慢の艦砲射撃を監視塔にくれてやらないか?」
 白い海軍用の第二種軍服に身を包んだ氏直が言う。
 氏直の意見を幻庵は考えてはみるが、この案は派手な音を立てるだけであまり効果があるとは思えなかった。
 確かに射程内には入っていたが、もう少し接近して対地ロケット弾で破壊した方がてっとり早いのと、たった一門の
艦砲射撃では命中させるのが困難至極なためだ。
 「社長、それは無理な相談ですな。
  予定通りに対地ロケット弾を使いましょう。
  艦砲射撃など始めれば近隣の民衆に何事かと思われますし、音夢様も気が気でないはず。」
 幻庵の出した結論は、作戦通りに事を運ぶというもの。
 ここにきて予定変更は朝倉軍にも影響が出る。
 だが、氏直には分からない。
 「何を言うか幻庵。
  相手をびびらすには最高の兵器だぞアレは。
  ぶっ放せ、あんな監視塔は初弾命中で粉砕だ!」
 「そうだなー。
  今は亡き東郷閣下も、百発百中の砲一門は、百発一中の砲百門に勝るとおおせられていた。
  好機到来とみてぶっ放すのも悪くないな。」
 万事、景気の良さそうなものを好む氏秀は、ここに至って氏直の肩を持つ。
 「駄目じゃ駄目じゃ…。
  攻撃は陸軍と同時に始めねばならん。今は武田殿の連絡を待つべきです。」
 あくまで慎重な幻庵は止めるが…。
 「よし、箱根殿の許可が降りた。
  総員砲撃戦用意、目標は監視塔だ!!」
 と、氏秀は砲撃戦の準備を始める。
 「だ、誰が許可を出したんじゃ、この阿呆が!」
 「 いけいけっ! やっちまえ!」
 吼える幻庵の後ろで、氏直は楽しそうに興奮していた。
31冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/03 21:41 ID:D3IVcR1B
 包囲は順調に進んでいた。
 戦闘らしきものが発生したのはさくら隊の方で、進藤も一連射した模様だ。
 さくら隊の方は速瀬と港に挟まれる位置にあるので、斥候等とぶつかる事が予想されていた。
 手数があまり多くない進藤は封鎖作業に忙殺され、またさくらの方も完全封鎖にはあと少し時間がかかると言う。
 「十分後には攻撃できる態勢になるよ。
  その時には亀井のおじちゃんも発進だね。」
 一番遅れているさくらの報告だが、あと十分は封鎖作業がかかるようだ。
 狭い道が沢山あるので、この辺から逃げられてはかなわない。
 とくにあっちは港に通じるからな…。
 速瀬の篭っているビルから二百メートル離れた状態で、俺達は包囲体勢を築いていた。
 今ごろ速瀬は、突撃して打ち破るかあくまで立て篭もるかの判断で悩んでいるのだろう。
 無線傍受班の報告は何も無い。
 速瀬はろくに動いていない証明でもあった。
 「OK、OK…。もうすぐ完了するよ〜♪」
 頻繁に連絡を入れてくるさくら。
 そんな報告より、さっさと作業を終わらせてもらいたいのだが…。
 俺の隣で、張飛があくびをした時、沖合いのほうであたりに響き渡るような発砲音が鳴った。
 続けて数発鳴り、港のほうに火柱が何本も立ち、水柱も高々とあがる。
 「何だ!?」
 「若、北条水軍が敵と交戦を始めた可能性があります。
  ひょっとしたら、速瀬は船の上で指揮を取っているのでは……。」
 「だとしたら、何の為に包囲を敷いているのか分からんぞ…。
  あずさ、氏直と大至急連絡を!」
 「了解!」
 あずさお姉ちゃんが無線で氏直を呼び出す。
 聞こえてくるのは、陽気な氏直の声。
 「大戦果だ。監視塔は五発目でバラバラになったぞ!
  このまま湾内に踏み込む!」
 「馬鹿野郎、共闘作戦で独断進行するな!」
 予定通りに動かない氏直に腹を立てる俺。
 が、犀は投げられた。この状態でやるしかない。
32冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/03 21:46 ID:D3IVcR1B
 「こちら一条、速瀬だか分からんが、ビルから手勢がわらわら出てきた。
  港に向かう模様!」
 「まだ(封鎖陣地構築が)終わってないのにこっちに来たよっ!」
 「おお、湾内に敵艦発見、いざ撃沈だ!!!」
 無線からは状況の変化を表す事が次々と報告されてくる。
 速瀬はなにゆえ出てきたのか…。アレは囮か…それとも本気で船を守りに行ったのか………。
 「若、朝倉勢が押されてます!」
 諏訪はさくらを援護に行くべきだという目を俺に送る。

 1 さくらを援護しに行く。
   包囲は続行する。俺が抜けた東には一条勢を半数廻す。
   尼子のヘリは強行突入を開始だ。それと一条は迫撃砲をぶっ放せ!

 2 「さくら、速瀬以外の雑魚は見送ってしまえ。北条に始末させよう。」
   「二十人以上出てきているのに、速瀬水月だけを見つけるのは難しいよ?」
   恐らく、速瀬は出てきていないだろう。雑魚兵ごとき見逃しても構わない。

 3 「全軍、もう百メートル前進だ。敵の面をよく確認しろっ!」
   構築された封鎖陣地は置いて、白兵戦用の体勢で前進する。
   無理はするなよ…。速瀬が出たかのかどうかが確認できればいい。

 4 前に戻る。
33冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/03 21:48 ID:D3IVcR1B
みなさま、保守活動ご苦労様です。
さすがに30kを超えれば大丈夫だと思いますが…。
心配なので旗立て。
 ___
│掠疾│
│如如│
│火風│
│不徐│
│動如│
│如林│
│山侵│
│――




34高山右近 ◆iwJUSteEEE :03/10/04 19:03 ID:19eOyuoT
さすが氏直……やってくれますな。
せっかくの包囲作戦、続行させたく1.を選択致します。

そろそろ、通常のレスでも安全圏でしょうか…?
と言いつつ旗。
 ___
│掠疾│
│如如│
│火風│
│不徐│
│動如│
│如林│
│山侵│
│――




35呉班:03/10/04 22:30 ID:/tc0L7HU
もはや氏直殿は、裏の主役でござるな(w

25K超えれば大丈夫説と30kになった説が有るようなので、一応旗。
┏━━┓
┃掠疾┃ 
┃如如┃  
┃火風┃   
┃不徐┃
┃動如┃
┃如林┃
┃山侵┃
┣━━┛



36名無しさん@初回限定:03/10/05 22:27 ID:OZYAaOHV
  ┏━━┓
  ┃掠疾┃ (⊂⊃).    :|:
  ┃如如┃ , -―-、.  :‖:
  ┃火風 γ y ノ  、 λ :‖:
  ┃不徐│l ノ,/lノl/ Wリ| :‖:  < 冷泉殿、応援しています。
  ┃動如,、i レ |┃ ┃〈|  ||     ____
  ┃如. / iノiノ、"_ワ"/.从╋  /      \
  ┃山/,,、とl⌒ヽ∀フ⌒lつ ./     ●  ● |
  ┗━━┛ ~|  只 |~   |Y  Y         \
          /    | /|   |         ▼ |
   / ̄ ̄ ̄'/"/´ ̄ ̄'  \/        _人_|
  /      (二)                   _/
  |                        |
 |                        |
 |                    |  /

エロゲでも武田ゆかりのキャラでもないですが、
何となく合成してみたので貼ってみよう。
(灰羽連盟のラッカです。ああ、名前まで武人には嫌われる名だ。)
又、ROMに戻ります。
37冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/06 17:24 ID:m+Tv3W9x
ちょいとお待ちを…
38武田騎馬軍団:03/10/07 20:33 ID:rjfi19j4
保守である。
39冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/07 21:54 ID:LIgi9zbz
 飛び出してきた敵の目標は、恐らく、包囲の為に港側と事務所を遮断させる場にいるさくら隊だろう。
 ここでさくら隊に敗走されたら、せっかくの包囲も台無しになる。
 俺は援護に向かう事を決めた。
 「俺はさくらを援護する。
  一条はこちらに半数を割き、東の防衛も行ってくれ。
  あと、迫撃砲の用意を頼む。」
 「承知した。
  東には逸見を送ろう。
  迫撃砲はどこに向けておけばいい?」
 「さくら隊の敵に対して放つので、その方向だ。」
 「了解。
  位置報告はしっかり頼むぞ。
  芳野殿にブチ当たっては武田の面目丸つぶれだ。」
 「任せておけ。」
 一条と交信を終えると、俺は皆に言う。
 「聞いての通りだ。
  今からさくらの援護に向かう。」
 「ようやく暴れられるな。」
 不敵な笑みを見せる張飛。
 「若、尼子のヘリには急いでもらいましょう。」
 「そうだな、亀井のとっつぁんに頑張ってもらうか。」
 諏訪に促され、尼子勢に出動を伝える。
 そして、次は俺達の番だ。
 俺の隊は数こそ少ないが、質なら他の隊に劣らないはずだ。
 すぐさま戦闘準備を整えると、装甲張飛を先頭に、俺達はさくらの隊に急ぐ。
40冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/07 21:59 ID:LIgi9zbz
 さくらの隊の位置は、事務所方向から続く大通りがある。
 そこは港との関係上、完全封鎖が厳しいので臨時ガードマンで交通規制をかけていた。
 警察の上部には話しがついている。
 何もしていないのに交通規制をかけているガードマンを、とがめに来る警官はいない。
 事務所から出てきた敵方は、その大通りの東側に迂回し、勝頼側の鼻先をすれ違うようにして港を目指していた。
 そこは一種の路地で、さくらが完全封鎖に間に合わなかった地点でもあった。
 狭い道が幾重にも張り巡らされ、車では一方通行ばかりの道だ。
 また、ここは民家の集合地でもあり、戦闘は極めて静かに行わなければならない。
 「大通りは危ないと思って迂回したのだろうが、これでは一般人を巻き込む危険性が高いぞ…。」
 急いだ俺達の前方に、数名の者達が民家の壁を頼りにさくら側と睨みあっていた。
 距離は近く、15M程度しか離れていない。
 散発的な射撃は試みられていたが、一方は簡易バリケードがあり、もう一方はすぐに壁に隠れた。
 もっとも、壁に隠れてはいても、俺達はその者達の背後にいるのでなんの意味も無い。
 俺は無線を取り出す。
 「さくら、俺達の前方に三人の若い男がそちらに狙って発砲しているが、他の敵はどうなっている?
  数と位置が把握できるか?」
 「敵は港に急いでいるみたいだねぇ〜。
  数は20から30。
  いずれもかなり近い距離で対峙中。
  あ、あとね、何名かが港に行っちゃったよ。
  その中に速瀬水月がいないって確信はあるけど。」
 「そうか………。
  行かれてしまったのは仕方がない。
  速瀬が逃げていないのが幸とみなそうか。」
 「うん…ごめんね……。」
 「なあに、敵もなかなか手ごわいと言う事さ。
  今からさくらを援護する。合流しよう。」
 「了解。待ってるよ♪」
 通信を切り、諏訪の持つ小型受信機のモニターに映る、さくら本体の位置を確認する。
 「では、さっさと合流しようか。」
 目の前で背を向けている敵に、俺は銃の照準を合わせる。
41冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/07 22:10 ID:LIgi9zbz
 「若狭湾沖で滅茶苦茶にされた宇山の敵討ちだ。
  勇んで行くぞ!」
 突入を迎えたヘリポートでは、亀井が1人で張り切っていた。
 何も、他の者の士気が低いわけではない。
 増援の少女から漂う殺気に押されていただけだった。
 その少女の名は涼宮茜。
 普段は屈託無く笑い、他人とも打ち解けやすい、大人しい涼宮遙の自慢の妹だったと聞く。
 その彼女は、ヘリに乗り込む前から、ずっと西の方向を睨みつけている。
 元々が釣り目だということもあるのだろうが、とにかく、今は目つきがキツかった。
 ややアゴを引き、うつむきかげんで遥かかなたを睨みつけるサマは、周囲の者を引かせるに十分だった。
 「茜〜、出撃するよ。」
 そんな妹に、姉の遙が優しく声をかける。
 妹に比べて、かなり華奢な部類に入る姉を見て、亀井は思った。
 (やはり、兄弟と言うのは上のほうが小さく見えるものなんだろうな…。
  しかし、スタイルの面で遅れをとる姉というのは不憫に思えるのう……)
 決して口に出せない事であった。
 無言の圧力を持つ茜が最後に乗り込み、ヘリは発進する。
 このヘリは2人乗りで、空挺隊でも使われるタイプだという。
 旧ソ連崩壊後に安く買い叩いた代物で年代モノでもあった。
 後部にある、開かれっぱなしになっていた昇降口を閉めると、茜は低い声で遙に言った。
 「姉さん、あの人が目の前に出たら、私に好きにさせてもらうけど…いいよね?」
 「………………、あまり…水月を攻めないであげて…。」
 「ここにきて姉さんは、まだあの人をかばうって言うの?
  大事な人が取られて……何故………?」
 「茜、孝之君って…、もう水月の所にいないんだってね…。」
 「そんな事は関係ないっ!
  私は…あの人が許せない…!!」
 強い態度をあくまで崩さない茜を、遙は悲しそうな目で見ていた…。
 やがて目を逸らすと、茜も遙より目を逸らした。
42冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/07 22:14 ID:LIgi9zbz
 ヘリが事務所上空まで飛んでくる。
 速瀬側はビルより散発的な発砲を試みてはいるが、ヘリには何の異常も出ていない。
 「若、いよいよ来ましたね…。」
 「うん。俺達もそろそろ行くべきかな…?」
 「突入だね、イイヨイイヨー♪」
 一条の迫撃砲の支援射撃二発と強襲で、さくら隊に群がっていた敵は事務所に戻っていった。
 敵兵の一部は降伏しており、初戦の戦果としては悪くない。
 問題はこれからだ。

 1 ヘリの支援として、包囲軍は間を縮め、事務所に接近。
   援護射撃を繰り返し、尼子の突入を成功させる。
   この時、ヘリより滝川写真を使用したビラをばら撒く。

 2 後は尼子に任せよう。
   港に向かった敵が気になる。
   一応、港まで残存兵を掃討しに行く。

 3 ヘリと同時に突入する。
   屋上へ着地しても、そこには出入り口が無いのでロープを使う事になる。
   牽制の為に、俺達は正面玄関より踏み込む。

 4 前に戻る。
43冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/07 22:20 ID:LIgi9zbz
選択すべてには書かれてませんが、この選択すべてで問題の滝川写真を使用します。

皆様、保守ご苦労様です。
そろそろ大丈夫だと思います。

>36殿
どうもです。
灰羽連盟のラッカですか。
ttp://i-cat-web.hp.infoseek.co.jp/gallery_rakka_2002_11_30.htm
これですな。
と、人様のページを貼るのは良くないことですが。
しかも、背景がMilkyway2…。
よく見たらWitchのファンの方でした。

こういうアニメがあるのを知らなかった冷泉。
近年見たアニメと言えば、深夜ダメーポのみ……。
私、踊らされているよ…、きっと断腸に踊らされているよ…。


積まれたARを崩すのはいつの日になるのだろうか………。
44諸葛尚 ◆JPMago6xGo :03/10/10 00:58 ID:3EfYoPGN
ビラ撒きに一票というわけで1を選びます

日付も変わって今日ついにLOVERSの発売ですねぇ
永久に出ないものと思っておりました、SNOWの時もそう思ってましたし・・・
なんにせよ明日ショップに行ってまいります。
45武田騎馬軍団:03/10/13 00:28 ID:MJ2cp27I
風林火山
46冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/13 20:48 ID:98G1DkP6
 敵は事務所に引き上げ、その周辺には数名のみが警戒で立っているだけの状況になった。
 最早、動いて接近や突撃を試みるような敵はいない。
 迫撃砲の威力は絶大だった。
 そのおかげか、着弾した周辺の民家に、一斉に灯りがついた。
 やはり迫撃砲など、使うべきではなかったか。
 戒厳令でも出されているのか、灯りの付いた民家から人が出てくることは無かった。
 おかげで、灯りのついた箇所には、織田もさくらも近づかなくなる。
 まるで、住民が包囲に参加しているかのような形になった。
 後はもう、突入しかないだろう。
 俺は亀井のとっつぁんに電話を入れ、強行突入及び、ビラのばら撒きを頼む。
 ビラには、"降伏しろ、貴隊等の援軍はこのように遊び呆けている"等、他にも敵方の士気低下に繋がるような事が記載されている。
 突発的にビラを作って、よく間に合ったものだ…。
 俺の連絡を受けて、尼子隊はヘリ3台でこちら向かっている。
 はっきり言って、あとは地上の援軍さえあれば、一時間後には陥落させれるだろう。
 そう軽く考え、俺は指示を出す。
 「全軍はゆるやかに前進。
  事務所に近づいて、尼子のヘリを援護する」
 灯りの付いた家はなるべく避けるようにして、事務所まで徐々に詰めていく。
 やがて、爆音と共にヘリが近づいてきた。
 静かに行動するのは、もうあきらめた方がいいな……。
47冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/13 20:58 ID:98G1DkP6
 「屋上につけろ!
  他の機は援護射撃!」
 亀井の指示でヘリが散開する。
 隊長機はそのまま事務所屋上を目指し、他の機は高度を思いっきり下げてていく。
 高度の下がった機体は、地表すれすれを移動するかのように進み、事務所に近づくと、ためらいもなく窓ガラスなどに向けて
機関銃を発射。
 窓や非常階段から狙撃を試みようとしていた兵を叩いてゆく。
 進藤隊からの報告では、そちらに逃亡した兵8名が進藤隊による攻撃を受け降伏。
 一条隊では、堂々と降伏を申し出た兵4名がいた。
 ビラの効果か、余程速瀬が信頼されていないか…。
 いずれにせよ、作戦はうまく展開されている。
 陸上部隊が事務所を目の前に確認できる位置に出ると、すでに一戦を終えられた後だった。
 ビラは撒かれており、そこら中に散らばっている。敵兵の姿は視界内には無い。
 「こりゃ圧勝かのぅ…」
 張飛がいう。
 口調からは、何か物足りないという感情が読み取れた。
 確かに、今回は航空兵力という敵に無い絶対的な戦力があり、数の不足を完全に埋め切っている。
 ただし油断は出来ない。
 いつもは路上に多く出回る、死傷者の数が少なすぎる。
 ヘリの搭載している固定機銃ならば、まだ損害は出ているはずなのだが…。
 とにかく、予想できる数の損害は与えてはいないが、進行具合は予想を上回っている。
 ここは成功を期待して作戦を進めよう。
 亀井のヘリが屋上で兵と姉妹を降ろし、他の機も同様の作業を繰り返す。十分もせずに尼子方の兵は屋上に展開された。
 ヘリが事務所付近を飛びまわっていると、初めて組織的な速瀬の反抗が始まった。
 四階、尼子方がロープを伝って飛び込む目標から、一斉にショットガンが乱射された。
 数は多く、20丁近く使われたようだ。
 目標はヘリだった。
48冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/13 21:04 ID:98G1DkP6
 四階の敵は二箇所に別れて射撃を開始、方向は南側と東側に別れ、丁度一条の担当区域だった。
 兵が二手に別れていた一条は、それでも兵を前進させてショットガン兵の掃討を始める。
 だが、成果がなかなか上がらない。
 主機部分に被弾したヘリは、煙を吐き出しながら無理やり四階の前に機体を持っていき、四階内部の詳細報告を無線で送ってくる。
 「敵兵は四階に集結している模様。数は30〜40。
  我、被弾して自力機体制御困難。不時着します」
 煙をあげながらヘリが事務所の隣に落ちるように不時着した。
 乗組員が脱出して、我々の陣地に逃げ込む間に、副操縦士が倒れ、機体も炎上した。
 「若、速瀬は篭城戦に踏み切ったようですね。
  我々も突入して敵兵の拡散に努めましょう」
 尼子のパイロットを救うと、諏訪は突入案を出してきた。
 敵が四階に兵力を集めているのなら、それを分散させてやれば、亀井も仕事がやり易かろう…。
 「問題がある、諏訪。
  我々が事務所に突入するとして、それはそれでいいのだが…。
  肝心の突破口が無いように見える。
  あの狭い通路は危険すぎるぞ。手榴弾一つでみんなオダブツだ」
 「しかし、あそこからじゃないと二階三階へは行けませんよ。
  他に道を作るって考えですかね?」
 諏訪はニヤリとして言う。
 「でも、あの尼子のオジサンは気負っている節があるから、あまり時間がかかっていると、単独で動かないかしら…?
  ここは盾を前面に押し出して、正面の通路から行った方が早いんじゃないの?」
 と、あずさお姉ちゃんは言う。
 彼女はあの狭さを知らないからなぁ…。
 だが、その案に張飛は賛同する。
 「さっさと突入出来れば、そのぶん尼子の損害も減ろうというもんじゃろ。
  無茶をするのが武田商事!」
 まあ、確かに今まで無理ばかりしてきたのは間違いないが…。
49冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/13 21:12 ID:98G1DkP6
 亀井から緊急電が飛び込んでくる。
 "地上部隊トノ連携ハ困難。
  我等ハ雲州男児ノ底力ヲ見セル為、十分後ニ強行突入ヲ仕掛ケル。
  ソレデモ援護ヨロ"
 尼子兵は、やはりロープを垂らして、四階に強行突入という手を使うようだ。
 さてどうする…?

 1 尼子への援護射撃を重視して、陸上部隊による事務所突入は囮程度で済ます。
   「窓から見える奴には、鉛弾で体重を増やしてやれ!
    間違っても味方には当てるなよ!」

 2 敵の注意をこちらに引き付けろ!
   あの狭い場所に突入を開始、尼子への援護はさくらと一条に任せる。
   先陣は盾を持った張飛、後詰に進藤隊。勇んで進め、俺も行く!

 3 勝頼隊とさくら隊で、事務所一階に突入。
   無関係の場所なのだが、ここから天井をぶち破って行き、強引に上る
   爆破工作は任せたぞ諏訪。

 4 前に戻る。
50冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/13 21:17 ID:98G1DkP6
>44 諸葛尚殿
私も、LOVERSは出ない物だと思っておりました。
連れに対して、
「ああ、10/10に延期だって? あのなぁ、アレは今年中に出るわけ無いよ。
 来年来年、下手すりゃ再来年だろ。あきらめてお兄ちゃんやめて2を買え」
と言ったものですハイ。

評価は散々のようですね。
ラブエスカレーターを知らない世代には問題が無さそうです…。
が、ミニゲームが禿しくしつこいようで……。
忌憚の無い意見をお待ちしています。
51高山右近 ◆iwJUSteEEE :03/10/16 17:02 ID:kQzA8t9F
誰も選ばれてないようですので、選択させていただきます…(ひょっとして最近選びすぎ?)

では、そろそろミスター燕人に活躍して頂きたい頃なので(笑)、
2.でお願い致します。 さぁ、ゆくのだ張飛!

今更になって、嵐世記を始めました。
戦国っぽい雰囲気を出すことには大成功だと思います。
…が、少し合戦システムに馴染めない……。
52冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/19 13:22 ID:LdhrW7tG
明日には書きまする…。
しばしお待ちを。
53冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:02 ID:sLwX4EEO
 援護射撃程度では、尼子を完全に援護するのは厳しいだろう。
 やってやれない事は無いだろうが、肝心の涼宮姉妹が撃たれることになれば、
それだけで作戦は失敗になる。
 速瀬の篭る兵を引き付ける必要があるだろう。
 「よし、俺達も突入と行こう。
  うまくいけば、半数以上の兵を引き付ける事が可能になる。
  そうなれば、尼子の兵も仕事がやりやすかろう」
 「なるほど………。
  でも、あの狭い通路は格好の的になりますよ。」
 諏訪が言う通り、あの三階などへ通じる階段は、普通に上って行っては撃たれるだけだろう。
 だが、この陣には、そういった強引な突入策を成功に導ける男がいる。
 皆の視線を受けて、一人の男がほくそえんだ。
 「ようやくワシの出番が来たようだな」
 張飛は立ち上がり、万が一の強行突入策に備えて用意してあった盾を持つ。
 この盾は機動隊で使われるタイプのものを、もう5m程厚くしており、余程のことでもない限り
破られる事が無い。
 普通の人間では重過ぎる為に使われないが、張飛なら何とでもなった。
 「張飛を先頭に突撃を開始する。
  新藤は我が隊の援護をする為に正面入り口前に向かえ。
  一条、さくら隊は引き続き、尼子の支援を頼む」
 指示を終えると、俺達は急いで正面入り口に向かう。
54冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:08 ID:sLwX4EEO
 「正面に敵多数接近、階段を上ってきます!!」
 浮き足立っていた速瀬に、若い衆が報告に上がる。
 ただでさえビラのせいで士気はガクリと落ちていたところで、唯一の退避口であった正面
入り口に敵が来たという事で、隊内に降伏という言葉がチラホラ出てきた。
 「ボヤボヤしている暇があったら、俺に続いて階段を押さえに来い!」
 こんな時でも、速瀬水月を支える為に、彼女の副官であり、学生時代の同期でもある平慎二は
軽機関銃を持ち、階段に向かって部屋を飛び出していく。
 士気喪失の速瀬隊の中で、彼の奮戦が隊そのものを支えているといっても過言ではなかった。
 平に続く者は8名。
 いずれも剽悍と名高い者達ばかりだった。
 平が階段へと向かうと、速瀬側の本陣三階は人が少なくなる。
 四階及び三階は、ヘリの射撃でかなりのバリケードが損壊していた。
 速瀬は通信士や参謀に囲まれる中、特に指示を出す事もなく、ただ苦悩の表情を浮かべて
手に持つ一つの物を睨むように見つめていた。
 それは一枚のカラー写真であった。
 学生時代の折に、仲の良かった親友達と撮ったもの。
 階段部分で奮闘しているであろう平、どこからか進入を狙っているのであろう遙が写っている。
 そして、目が一人の男の部分で止まる。
 (孝之…、今…、どこにいるのよ………)
 速瀬水月は、鳴海孝之戦死を知らず、未だに彼が帰ってくるのを待っていた。
 こうしている間にも、戦況は変わっていく一方だった。
55冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:14 ID:sLwX4EEO
 「何だあいつはっ!」
 軽機関銃を乱射する平も、さすがにおびえの色が出て引く。
 弾倉を交換して、新たな弾を補充するも、その弾すべてを撃ちつくしたところで奴の足を
止めれるとは思えなかった。
 ゆっくりと階段を上ってくる一行の先頭に立つ大柄な男、張飛。
 体を覆った甲冑はもとより、その正面に突き出された盾はあらゆる弾をはじき返していた。
 その盾の後ろからは、遠慮なく射撃を繰り返してくる。
 張飛の背後にいる新藤さつきと兵一名が軽機関銃を持って後に続いている。
 勝頼隊はその後ろにいた。
 新藤隊主力を率いるむつきは勝頼隊の後ろにいたが、そこまで弾が飛んでくることも無く、
監視に力を入れているだけだった。
 「平さん、アレは止められませんっ!」
 「馬鹿野郎!
  何が何でも止めるんだよ!
  アレを全部持って来い、ボーリングの玉だ」
 盾を変えること四度。
 ゆっくりと上ってくる張飛の不気味さにおびえきった部下を激励しつつ交戦する平。
 弾丸が役に立たないと分かると、さらに大きな玉を投下する事を考える。
 「平さん、もって来ましたっ!」
 部下が滑車つきの台を押してくる。
 それには、隊内の慰安旅行の際、ボーリング場で使われた玉が十数個乗せられていた。
 「こいつを食らってただで済むと思うなっ!」
 平は階段から避け、台を蹴落とす。
 大量のボーリングボールが勢いよく転がっていき、張飛の盾に当たり数がたまっていく。
 盾を避けた玉はその後方の者に命中したようだったが、張飛を何とかしたい平には関係なかった。
 張飛は盾から手を出して玉を掴むと、平に向かってドッチボールのように投げた。
 「なんて奴だ、下がれっ!」
 室内に戻っていく平。
 ボーリングボールを投げ終わると、張飛はゆっくりと上りだした。
56冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:19 ID:sLwX4EEO
 「四階が占拠されました……」
 通信士の報告を受け、速瀬はわずかにうなづいた。
 四階側には、涼宮姉妹の姿が確認されたという。
 間もなくこの三階も攻められ陥落するだろう。
 すべて滝川の阿呆が来なかったせいだと言ってやりたいぐらいだった。
 だが、安易な降伏は許されない。
 「速瀬、もうここは駄目だ。
  脱出して滝川と合流しよう」
 と、平が言うも速瀬は承知しない。
 「私は遙や茜とケリをつけるのよ。
  慎二君は兵を連れて後退。これは指揮官命令だから、そこんところよろしく」
 「速瀬……!」
 「さあ、行きましょう平さん」
 覚悟を決めた速瀬は、落ち着いた普段の表情を見せる。
 平は自分も残ると言おうとしたが、指揮官命令に従う兵に連れられ、緊急退避用のエレベーターに乗せられる。
 それは一階から三階までで使われていたもので、地下駐車場に繋がっていた。
 (増設された四階にエレベーターが通じていれば気づかれるだろうけど、今なら大丈夫よ。
  慎二君、生きて帰ってね………)
 室内に一人残った速瀬は、大仰な机につくと、両肘を突いて突入してくる者達を待つ。
57冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:22 ID:sLwX4EEO
 「邪魔なボールだっ!」
 転がってきたボーリングの玉を投げ飛ばしながら、張飛が進んでいく。
 意外な抵抗を片付けて、三階まで上がることに成功した俺達だった。

 1 「さあ、鳴海さんを返してもらいますよ…!」
   「退院以来、久しぶりに会ったというのに、アンタはまだそんな事を言っているのね。フッ…」
   すでに尼子勢が敵本陣に乗り込んでいた。

 2 三階に飛び込むと、そこで尼子兵に囲まれている中、茜と速瀬が拳銃を向かい合っていた。
   「茜、撃ちなさい!」
   「死ぬ事で、すべてが解決するとでも思っているのですか?」

 3 「張益徳見参! 速瀬水月よ、ワシの拳を受けるがいいわ!」
   「ちょっとどいてよオジサン!」
   速瀬の部屋に飛び込む張飛だが、その背後で後から来た茜が、どかそうとその背中を押す。

 4 前に戻る。
58冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/20 21:40 ID:sLwX4EEO
>51 高山殿
嵐世記ですか…。
ある程度やると慣れます。
あと、合戦時の視界範囲は常にすべてを見られるようにしていないと、話になりません。
が、飽きるのも速い困ったゲームです……。
冷泉はエロゲ武将投下で無理やり起動させていました。

ちなみに、昔あげた"羽瀬川朱美"は戦死率が高くて困ったものでした。


桜ヶ丘学園に税金が投入されるという件に署名しろと連れに言われて、困る冷泉でした。
59名無し三等兵:03/10/23 18:11 ID:w7e4mC1u
鳴海孝之を……孝之を……!



てへっ♪ 殺っちゃってた♪

ttp://hobby3.2ch.net/test/read.cgi/army/1053681825/

 泥沼を! インパールのような泥沼をっ! というわけで
1を選ばせていただきたく……。
 ……他意はないですよ? ええ、そんな間抜けな修羅場を
期待だなんて。
60冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:05 ID:2dBnBQNr
 意外なほど静かだった。
 階段付近では思わぬ不覚を取りそうになったぐらいなので、この先はさらなる苦戦
が待っているものだと思われた。
 が、兵達の駆ける振動や発砲音も無い。
 階段を上り、三階へたどり着いた時に聞いた音は、張飛の投げたボールが壁に当たってどこぞに
転がって行く音だけだった。
 三階の通路を進むと、奥のほうから女性の声が聞こえる。
 「そうか、涼宮姉妹と直接対決になったか…」
 俺はすべてを察すると、部下には余計な口は挟まぬ様にと釘をさしておき、尼子勢の待つ部屋に
入った。
 そこで見たものは、部屋の中の周りに尼子勢がぐるりと中心を囲む様に待機し、中央付近でふんぞ
り返る涼宮茜の姿。
 その背後で申し訳なさそうに立っている、姉の遙。
 対峙している速瀬は立っている茜と違い、椅子に座っている。
 大きな机に両肘をついて、口もとで両手を絡めて茜を見ている。
 その目は、何か哀れんでいるかのようでもあった。
 「つまらない言い訳はしないでくれませんか?
  あなたが鳴海さんを手放すはずがありませんよ。
  さあ、どこに行ったのか、どこに隠しているのか、答えてくれませんか?
  会って、姉さんを選ぶのかあなたを選ぶのか、はっきりと決着をつけるんです!」
 背後でおどおどしている遙を気にせず、茜は速瀬に大声で言いつづけていた。
 速瀬の返答は一貫して、
 「私のそばにはいない。ずっと前からいなくなった」
 「どこに行ったのかは分からない」
 「バイト先の店舗が移転して、それに従ったことは分かるけど、そこから先は知らない」
 「移転先の場所なんて知らない」
 の繰り返しだった。
61冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:15 ID:2dBnBQNr
 「そうやって、いつまでも私達から逃げつづけて…、あなたは本当に汚い女ですね!」
 「茜ッ!!」
 汚い女とまで言われ、ついにしびれを切らしたのか、速瀬は立ちあがり、茜に怒鳴る。
 それでひるむような茜なら、最初っからそのような言い方はしていない。
 「何か機嫌を損ねるような事でも言いましたか?
  その程度の言葉ぐらいは言われて当然かと思いますが。
  姉さんが背負ってきた苦痛に比べれば、そんな言葉の一つや二つ……」
 「茜ッ!
  いなくなった人は、本当にいなくなったのよ!!
  アンタだって探したんでしょ!? 孝之に事!」
 「探しました。
  散々探して、どこにもいないと分かった結果、あなたのそばにいるのだろうと結論を出しました」
 「そんな勝手な理屈が通じるとでも思ってるの!?」
 「通じさせて見せますよ。
  その為にここに来たんです」
 茜の口調が冷ややかのものに変わる。
 だが、いくらものを言い続けても結論は出ない。
 何しろ、当人である鳴海孝之がとっくの昔にくたばっている以上、解決するはずが無い。
 「諏訪…ちょっと…。
  亀井部長も……」
 俺は小声で2人を呼ぶと、通路に出て扉を閉める。
 別の部屋までわざわざ行き、そこでようやく口を開く。
62冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:29 ID:2dBnBQNr
 「このままでは埒があかないでしょう。
  何か名案はありませんかね?」
 「名案も何も、そろそろネタばらしの時なだけだと思うが…」
 と、俺に言う亀井。
 「しかし、言えば言ったでカドが立つのは免れませんな。
  知っていて利用したと言う事になります」
 諏訪に言われ、亀井は唸る。
 「そうか…、それでは尼子の名折れだ…。
  でもなぁ…、この事務所はもう陥落している。
  そろそろ帰るべきなのは間違い無かろう」
 「では、あの問答の続きは松江の方で再開すると言う事で撤退しますか…」
 いささか身勝手な要望だが、これに亀井は頷いた。
 「そうだろうな、松江まで連れて行くか。
  後の事は、この亀井に任せろ」
 「期待していますよ、亀井部長」
 腹の中ではあまり期待していなかったが、とりあえず言う事は言っておく。
 話が決まって部屋に戻ろうとした時、緊急の無線が入る。
 「……ピッ……、ザーー…、もうだめぽ……、ぶくぶく……」
 その一言で無線が切れた。
 「氏直っぽいなぁ…」
 「ですね」
 「あの馬鹿殿様に何かあったというのか?」
63冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:37 ID:2dBnBQNr
 続いて音夢からの緊急連絡が入る。
 かなり修羅場のようだ。
 「先頭を進む、新型クルーザーがいきなり沈みました!
  高い水柱が上がった事と、爆発音の関係で、恐らく魚雷と思われます!
  撤退します…って、あ………、きゃーー!! 
  わ、私の船が……、…がぼがぼ…」
 通信はすぐに切れた。
 「轟沈だな…」
 「ですね」
 「あの漁船じゃあ、魚雷を食らったら助からんぞ…」
 俺は壁をたたきつける。
 「くそっ、沿岸沿いに魚雷発射装置でも仕掛けていたのか奴等は…!」
 「幻庵さん、大丈夫ですかね…?」
 諏訪は一番体力の無さそうな男を心配する。
 確かに、それは一番気になる所だが、爆風に飲まれてなければ大丈夫だろう。
 「勝頼社長、もしかしたら、俺等は罠に嵌ったのかもしれんぞ!?」
 「罠だって……?」
 俺と諏訪は亀井の顔を見る。
 「うむ、こうしている合間にも……」
 「こちら一条。どこからか出てきた連中が芳乃隊を襲っている。
  隊を挙げて援護する。
  勝頼、早く速瀬に戦闘停止命令を出させろ!!!」
 「うたまるが血だらけだよ〜〜!!!」
 外で戦闘が再発したらしく、一条、さくらの隊がやや混乱気味になったようだ。
 しかし、敵の攻撃がバラバラで、何を考えているのか分からん……。
64冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:44 ID:2dBnBQNr
 (速瀬は逃げろと言ったが、このまま下がれるか……。
  港の連中と合流さえすれば、事務所奪還はできる!)
 長い付き合いのある友人を守る為か、それとも芽生えた愛か。
 平慎二はやる気の無くなった部下を激励し、再攻撃を開始していた。
 「平さん、ようやく魚雷が撃てたようです。
  敵の水上戦力は半数が使用不能。
  残りは逃げて行きました」
 「そうか、では合流して、あの魚連幹部の手勢を叩こう。
  敵は奇襲でひるんでいる。
  一気に押し出せ!!」
 「はっ!」
 部下が港の方に向かっていた隊と、無線で連絡を取る。
 慎二は事務所の三階に目を移した。
 (茜ちゃんは……、俺が撃つしか無いらしいな……。
  こんな事になったお互いの身を、呪い合うとしようか茜ちゃん…)
 弾倉を再確認し、合流を待つ。
65冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:46 ID:2dBnBQNr
 「どうする!?」
 「若、ここは引きましょう。
  速瀬は連れだし、事務所は放棄」
 「何を言うか、占領したここを手放すなど論外だ!」
 と、諏訪の意見に、一番乗りの亀井が反対する。
 して、どうするか……。

 1 芳乃隊の援護に進藤も向かわせる。
   速瀬は拿捕してしまい。涼宮姉妹と一緒に松江まで行かせる。
   敵残存戦力から事務所を守る

 2 事務所は見捨てて全員が表に出る。
   敵残存戦力が分かるまでは、情報収集に専念して対峙する。
   芳乃隊の援護をなによりも最優先するが、速瀬の身柄確保も同様に重要。

 3 敵は戦力を集めなおしているのかもしれない。
   思いきって、水軍にもう一度突入させ、上陸させる。
   事務所側と水軍で挟み撃ちだ。

 4 前に戻る
66冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/26 22:52 ID:2dBnBQNr
>59
扶桑ですか。
スリガオ海峡海戦は、逆立ちしても勝てないのであきらめるしかないです。
っつう事で吉野家でも投下しときますた。


天下早世のスレでも見ておこうと思って、三戦とPCゲー板を見ています。
で、三戦でみかけたスレ…。

[お兄さん]朝倉音夢[大将軍]
http://hobby.2ch.net/test/read.cgi/warhis/1067055644/

即死の予感…。
67名無しさん@初回限定:03/10/26 23:49 ID:G6YzLQ7M
3を選びますよ、挟み撃ちですよっと。
68冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/29 21:38 ID:6GdFJMiH
 敵の動きは散発的というか、どうもまとまりが見えなかった。
 港側の敵と、芳乃隊を攻撃している敵はバラバラで動いているようだ。
 だが、敵とていつまでもバラバラで動くとは思えない。
 残存船団が海域を離れれば、港側の敵は芳乃隊を攻撃している者と合流するだろう。
 「残存船団に連絡だ。
  十分後に強襲上陸を敢行して、敵の背後を突いてもらおう」
 「なるほど、敵の裏をかくというわけですな」
 諏訪がうなづく。
 「そうたいしたものじゃないさ。
  早くしなければ、夜が明ける。急いでいるだけだ。
  敵の残存兵力がどの程度か分かればやりやすいのだが…」
 戦闘中の芳乃隊は、予期しなかった敵の襲撃を受けて隊が乱れていた。
 指揮官が混乱し、喚いていては敵の思う壺だろうが…。
 俺は、一条と新藤にさくらの援護を任せる事を伝え、敵の様子を見る。
 敵はこのまま、芳乃隊を押しつぶして事務所に来るのを狙うのか、それとも、他にも部隊を
持っているのか…。
 滝川が動かないし、戦場離脱した者もいるので、数自体は少ないはずだ………。
69冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/29 21:43 ID:6GdFJMiH
 夜の海に投げ出された氏秀や音夢は行方が知れず、彼等はしばらくの間、冷たい海水を
飲む羽目になった。
 運が良かったのは、幻庵や氏直。
 北条のクルーザーが撃沈すると、音夢がすかさず救助用ボートを降ろしたおかげで、すぐに
救助されていた。
 指示を出した音夢自身がまだ海を彷徨っていた。
 救助活動は難航を極めていた。ライト点灯をせずに、肉眼で行っているせいもある。
 小型ボートが、船団と魚雷を撃たれた海域を何度も行き来をしている。
 残存した主力船団は、さすがに岸から離れていた。
 「危うく死ぬかと思ったわ……。
  それにしても、ワシはまだまだ死ねぬように出来とるらしいのぅ」
 救助され、漁連の船舶に乗ると、幻庵はそう言って苦笑いを浮かべた。
 幻庵の隣で、氏直は震えて座り込んでいる。
 よほど荒海が怖かったのだろうか。
 指揮を執っていた船長が幻庵のそばまで来る。
 「長綱さん。
  武田社長より、敵前上陸の催促が着てますが…」
 「何だと…?
  勝頼社長がか……?」
 「正直に言って、無謀すぎます。
  次に魚雷攻撃を受けたら、今度こそ、すべての者が海を泳ぐ事になります」
 「何か考えがあるのじゃろうて…。
  みすみす、仲間を見殺しにするような男じゃなかろう」
 「では…?」
 「やろう。
  一隻はここに残す。
  残りは突撃。敵の魚雷発射装置を艦載機関砲で粉砕して強行上陸じゃな。
  魚雷が来たら、それも機関砲で蹴散らせ」
 「……………」
 唇を噛み締め、目をそむけて沈黙した船長だったが、幻庵に向き直り頷くと、前進命令を出した。
70冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/29 21:50 ID:6GdFJMiH
 「あのクソ馬鹿共は逃がすな!
  全部殺せっ!
  俺の船を沈めたクソ馬鹿は生かしておかん!!!」
 船団のほうで幻庵が、兄の後を追う事になるな、と自嘲気に呟いていた時、陸地の方では激戦が展開されていた。
 氏直クルーザー、通称氏直船の船長北条氏秀は、洋上で乗組員を見つけると、集合をかけて、陸地の方に泳ぎだした。
 魚雷発射装置よりわずかに離れたところに上陸した氏秀は、着いてきた配下五名と突撃のタイミングを見計らっていた。
 周囲は海岸で、発射装置は堤防にある。
 隠れるところはあまり無い。
 強いてあげるのなら、上陸した所の正面にあった林ぐらいだった。
 これを抜けて町のほうに出て、あの堤防を襲えば敵は浮き足立つはず。
 移動を開始しようとした氏秀達に、同じように泳いできた音夢も加わる。
 これは二名を連れていた。
 「よくぞ服装の乱れなく、装備も保有している状態で泳ぎきった!
  貴様等こそ真の海軍魂を持っている猛者だ!」
 突入を始める前に、氏秀が言った。
 猛者と言われて、音夢は素直に喜べなかったが。
 いざ林の中に飛び込もうとしたら、魚雷発射装置に張り付いていた連中がわれ先へと動き出し、町の方に駆け出した。
 それを見た氏秀、
 「許せん。俺の裏をかこうとは、社長が許してもこの俺が許さん!!」
 「ああ、アレは敵の本体と合流しようとしてるんじゃないんですか?
  って言うか、こっちには気づいていませんよ?」
 と、音夢が言うも空しく、氏秀は走り出した。
 「俺に続けぇっ!
  馬鹿共を蹴散らせ!!!」
 「へいっ、船長!!」
 後に続いて走り出す氏秀の配下。
 「ああ…もう……!」
 音夢も仕方なく走り出す。
 戦法はただひとつ、撃たれる前に撃つ。これしかなかった。
71冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/29 21:55 ID:6GdFJMiH
 海岸部の制圧に成功したと知らせが入る。
 幻庵が上陸したときには、すでに海岸部の敵は一掃されていたという。
 芳乃隊を攻めていた敵兵は、一条隊の攻撃を受けると、即座に兵を引いた。
 対峙する事になるのかと思えば、今度は逃げていく一方だった。
 そして、一条やさくらの視界から消えた。
 俺達は未だに事務所にとどまっているだが…。奴等に対し、どう動いたらいいだろうか。
 夜明けまであと三時間。急ぎたい…。
 
 1 「敵の狙いが不明確ですが、ここは予定通り挟撃する為に、港を目指して進軍といきましょう」
   諏訪の進言どおり、港に向かう。そして、港の味方にも前進してもらう。

 2 「ここは占拠できた事だし、朝まで待っていようか」
   亀井の言うとおりに、朝まで待つ。朝には、占領地を維持する為の兵隊を純一に出してもらう。

 3 「いや、ここはあくまで正攻法で行こう」
   二人の進言を止め、斥候を出して敵の位置を確認。総攻撃をかける。

 4 前に戻る。
72冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/10/29 21:58 ID:6GdFJMiH
最近はエロゲもやってないので、エネルギー切れをおこしてます。
マブラヴの彩峰シナリオでもおっぱじめるかなぁ………。
73名無しさん@初回限定:03/10/30 11:06 ID:+I0bD1Hj
困った時は正攻法でしょう

と言う訳で3番
74冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/02 14:14 ID:U/RCQUHr
すんません。
現在の冷泉は、桜丘学園関係者から脅迫を受け取っている状態でして、
身辺がかなり殺伐としてます。
ちょいとお待ちください。
75高山右近 ◆iwJUSteEEE :03/11/04 03:27 ID:DK6bm2tI
殺伐イクナイ! 色々と大変ですな……頑張ってください...Amen


  ___
  |風 |
  |林 | \∧_ヘ     / ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
  ,,|火 | / \〇ノゝ∩ < 冷泉殿への応援だ、鬨の声を上げよ!!       ,,、,、,,,
  |山 |/三√ ゚Д゚) /   \____________  ,,、,、,,,        __
  ,,  ̄ | /三/| ゚U゚|\      ,,、,、,,,    |風|                  ,,、|風|
      |⊂ (:::::::::::)  ,,、,、,,,     __..  |林|\オーーーーーーーッ!!/. |林|
     , //三/|三|\     ∧_|風|∧__|火| ∧_∧∧_∧|風|_∧∧_∧ |火|
      ∪  ∪       .(   |林|   |山|(   |風|  .. .|林|    )   )|山|
 ,,、,、,,,       ,,、,、,,,  ∧_∧. |火|_∧∧_∧.. |林|_∧ |火|_∧∧_∧∧_∧
      ,,、,、,,,       (    )|山|   (    ) |火|..  (|山|   )    (    )
                      ̄|        ..|山|     ̄.|
                                 ̄.|
76冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/06 21:57 ID:OHUwa1gk
 「いや、ここは一旦味方を揃え、敵の動向を探ろう。
  どこにいるのか分からんのでは手が打てないだろう。斥候を出す。
  日野森姉妹はここから東側へ、一条は南東、さくらには北側へ斥候を放ってもらおう」
 今は下手に動いては危険かもしれない。
 相手はよく分からないが、この状況下で再戦を考えるぐらいだ。
 かなり必死な姿勢で構えているのかもしれない。
 斥候が放たれている間、俺は各隊に召集をかけ、敵に備える事にした。
 海岸のほうは間に合わないかもしれないが、それでもバラバラにいるよりかはマシだ。
 「ある程度の勝敗が決まったら、織田勢は引くと聞いていた。
  実際に我らが優勢になってみると、思いのほか、奴らは粘るようだ」
 亀井が言った。
 すでに勝敗は決まったと思っているのか、たいした警戒も取らずにのん気に構えている。
 「良かったですね。2人目の男が助けに来てくれるそうですよ。
  女冥利に尽きるとは、こういう事ですか?」
 事務所内から出てきて、俺や亀井のそばにいる茜は、ロープで拘束されている速瀬に嫌味を言い続けていた。
 余程、頭にきているというのか、怨念のようなものでも混じっているのか…。
 万が一、俺の隊が鳴海を撃った事がばれた日には、この罵声がこっちに来る。
 これでは、本当の事は話す気には永久になれない。
 一条とさくらの隊が俺の隊のそばまで寄って来た時、斥候より報告が入った。
 「こちら日野森、敵の位置は事務所より東150メートル。数は12ないし13。
  装備は拳銃の他、軽機関銃2」
 「近いな!」
 敵は目の前まで来ていたようだ。
 奇襲するつもりでいたのかもしれない。
 「わっ、撃ってきた!!」
 「お姉ちゃん逃げて〜〜!」
 しかも、敵に日野森が見つかった。
 あずさはそそっかしいからな……。斥候という任務には向かないのかもしれない。
77冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/06 21:59 ID:OHUwa1gk
 脱兎のごとく走ってくる日野森の後ろを、敵が走って追ってくる。
 逃げる日野森姉妹は必死だが、それは敵も同じだった。
 「このまま踏み込めぇ!」
 敵さんの先頭に走っているのは、事務所の階段で見かけた男だった。
 「アレか、速瀬の二号って奴は」
 「そうです。
  まあ、飛んで火にいる夏の虫って奴ですか」
 必死の形相を浮かべている男を、冷めた目で見る茜。
 一人目の男を戦場で無くし、2人目も同じように消えるか…。
 よくよく考えると、速瀬という女もツキがないというべきか……。
 「伏せろ日野森!
  他の者は撃ちまくれ!」
 何であろうが、容赦は出来ない。
 一斉射撃を命じ、俺も愛銃を構えて射撃を開始する。
 一人、また一人と倒れるも、織田勢は突撃を緩めない。
 40メートル先まで近づかれるが、つに先頭の男も撃ちぬかれた。
 先頭を走る男が一発撃ちこまれると、倒れ際に何かを取り出し、投げる。
 「武田勝頼、お前も一緒に来てもらうぞ!」
 投げられた物を見て、諏訪が叫ぶ。
 「手榴弾だっ!!」
 「何!? 伏せるんだぁ!」
 と、叫んだところで、その手榴弾は俺にめがけて降りてくる。
 (こんな所で……)
 だが、その手榴弾は俺に到達する前に爆発した。
 諏訪が撃ちぬいた様だ。
 ただし、爆風は防ぎようも無くも浴び、俺は突き倒されるように地面に転がった。
78冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/06 22:02 ID:OHUwa1gk
 「カンパーイ!!」
 ちゃぶ台を2人で囲み、俺は朱美さんとカンパイし、久しぶりのビールを飲む。
 思えば、最近は妙な男ばかりいて、こんな時は無かったな…。
 などと思ったが、朱美さんが福井まで来ている筈が無い。
 (夢か…。しかし、こういう夢なら悪くないな…)
 いつの間にかそばに寄っていた朱美さんは、カラになった俺のジョッキにビールを注ぐ。
 「今日はせっかくの休みだから、飲んで飲んで♪
  勝頼君が危なくなったら、ちゃんと介抱してあげるから」
 そっと首に手を廻してくる朱美さん。
 俺は朱美さんの腰に手を廻し、さらに引き寄せる。
 「せっかくだから、朱美さんが口移しで飲ませてよ」
 「もう…、ビールはそんな風に飲んでも美味しくないわよ」
 と言いながらも、朱美さんは少量のビールを含むと、目を閉じる。
 俺は朱美さんの頭に手を沿え置き、同じように目をつぶる。
 お互いの吐息が重なり合ったとき、朱美さんがいきなり暴れ始めた。
 「ちょっと待って、ちょっと待ってってばっ!!」
 「な、何だぁ?」
79冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/06 22:06 ID:OHUwa1gk
 目を開けると、俺の視界いっぱいにひろがる、さくらの顔面。
 余程慌てているのか、かなり取り乱していた。
 「さくらか、俺の朱美さんはどこ行った?」
 「俺の朱美さんじゃないでしょ…。
  若、とにかく、おはようございます…」
 さくらの隣で、苦笑いしながら諏訪が立っていた。
 「ちっ…。あのままやっちゃえば良かったのに……」
 小さく舌打ちしたのは音夢。
 「音夢ちゃん、何か言った?」
 「いえいえ、何も何も……オホホホホ…」
 きつい目を向けるさくらに、音夢はしらばっくれる。
 どうでもいいが、音夢の声は十分に聞こえていた。
 「それにしても、目が覚めて良かった…」
 音夢の隣に立っていた、純一が言った。
 「迷惑をかけていたようですね…」
 俺は一礼し、布団より起き上がる。
 ここは漁連事務所にある、俺にあてがわれていた部屋のようだ。
 詳しい話を聞くと、俺は爆風を浴びたあと、2日ほど眠っていたらしい。
 その間に亀井のとっつぁんは帰国。速瀬とその二号(生きていたらしい)に涼宮姉妹を連れて行ったとの事。
 領土奪還に成功した漁連は、織田方の残存船舶も奪って、それなりに復旧できそうだという。
 ただ、赤字なのは変わらないそうだが…。
 これは余談だが、援軍が間に合わせれなかった滝川は、信長に呼び出されて、散々に殴られたようだ。
 証拠の写真が信長の手に渡っていたのは、滝川にとっては最大の不幸だったに違いない。
80冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2 :03/11/06 22:08 ID:OHUwa1gk
 俺が目を覚ました後、すぐに北条水軍は撤退に移る。
 この便で氏直も神奈川に帰るそうだ。
 彼らを見送った後、俺達もこの後をどうするか決める。

 1 「一度、八王子に帰りますか?」
   「そうだな…。何か、白河がどうとか言ってたな…」
   八王子に帰る。一条と日野森は本社に帰す。

 2 「まずは、馬場に報告を入れておこう」
   「そうですね。面倒ですけど、やっておきましょう」
   馬場に会いに行く。

 3 「若、トンでもない人が帰ってきました!」
   「誰だよ、まったく…。ハッ…、これはいかん!!」
   行方不明になっていたジジィが帰ってきた。山梨に入れるなぁっ!

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81冷泉隆豊 ◆j8VI8uRzK2
>75 高山殿
いや、何と言いますか、そうたいした事ではないのですが、相手が相手なので
かなり殺伐としてました。


>58であげた、桜丘学園への署名の件で、
「今時、南京大虐殺の写真展示なんぞやってるような糞学校に、何で税金を入れるんだ?アホか。
 中国から貰え。っつうか、貰ってるだろ」
と、署名しろと糞うるさい香具師に言ったのがきっかけ。
署名するにあたって、「家族の名前も全部書け」、「赤ん坊の名前でもいいから書け」とか唾を飛ばすように
言って来るので、いいかげん頭に来た冷泉が、ひっそりとやってる自分のページでこの件の事を愚痴ったら、
真っ赤な色で長文のメールが送られてきた。
要約すると、「ホームページ上の桜丘関係の記述は消せ。
消さないとどうなるか。自分でも分かっているだろう」。
十年来付き合いのあった男だが、
http://ueno.cool.ne.jp/saku_tan/index.html
のページに出てる"桜丘信者【さくらしんじゃ】"だったらしい。
あの駄目学校が2chで有名だったとは知らなかった。

そら、金を貰えば信者にもなるワナ。
結局はページを移転するハメになったし、散々ですた。