いままでにないエロゲー会社を作りたい

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76名無しさん@初回限定
ちょっとつらつらと書いてみる。

新規や売れてないメーカーは初回本数が少ない=安く買われる。

この時点で資金は少ない。新規ならまず1000万は出ない。
(150万とかで作ったと言う話も聞いた事がある)

となると安い賃金でやってくれる人材(それも各職種1人ずつ位のみ)と
短い開発期間でソフトを作らないといけない。
サークルである程度開発経験(ちゃんと最後まで作っていること)があることが望ましい。

それも何とか確保したとしよう。
声も歌も入れる事は出来ず、広告も雑誌1冊に1ページ出せるか出せないか程度。
広告は皆が思っている以上にお金がかかるので注意。
でもそれで皆に知られるなら安いもんである。
77名無しさん@初回限定:03/06/28 17:26 ID:0ugPmtZO
じゃあさっそく企画をという事になるのだが

まずここで、企画>プロット>仕様書 までしっかり作れる企画屋が必要。
これはエロゲー業界だけではなくコンシューマでもそうなのだが
これがキチンと出来る人間は意外と少ない。

特にいきなり仕様書・シナリオから書き始めて原画家は指示どおり書いて塗り屋は塗っていき、
プログラマはまず基本的な部分から作り始めざるをえず、
で、突然企画方針が変わったりシナリオ書き直すことになって原画もCGも没になったり
仕様が変わってプログラムを1から書き直さざるをえなくなったり。
プログラマ以外から見ればちょっとした変更でも根本的に書き直さないといけない
という事があったり。

本当なら企画プロット仕様が固まってからシナリオ・プログラムを書き始めて、
シナリオの最終調整に入った段階で背景・原画・音楽を指定出来ればいいのだが
最初に書いたとおり、少ない開発期間では難しい。
78名無しさん@初回限定:03/06/28 17:27 ID:0ugPmtZO
このように基本的な流れが出来ていない新規会社が多い。
無駄が多いという事はそれだけ時間がかかり、お金が無駄に消えていくという事になる。
外注に出す金なんてそもそも無いから、しわよせは原画や塗り屋にのしかかってくる。
原画や塗れるCGにも限界が出てくるから必ず大幅な枚数削減が行われる。
仕様書に抜けが多々あったりするとプログラマにも負担が大きくなってくる。
色々なシステムがあったにもかかわらずただのノベルになる事もある。
理由はデバッグ期間が取れないため、あまり色々なシステムを入れるわけにはいかないから。
それでも強行に開発するとバグだらけになり、そこで全てが台無しになるからである。

んじゃ最初の企画屋さえしっかりしていればいいということを思うかもしれないが、
企画は企画で大変なところがある。
最初に企画会議をした時にスタッフ全員があまり考えずにOKを出したりとか、ツッコミがない場合。
これが厄介。

この時点で全員の意思統一が出来ていないという事になるので
あとからあとから各人のズレが起きはじめる。
この意思統一が出来てないというのは共同で物を作るという仕事においては致命的。
恐ろしい事に中堅どころや大手でもチームによってはこの意思統一が出来てない場合がある。

他にも代表が開発に食い込んでいる場合はわがままで作り直しとかいうこともある。
それでもその分ちゃんとお金と期間を工面できる人間ならまだマシだが。
79名無しさん@初回限定:03/06/28 17:27 ID:0ugPmtZO
営業。
大事である。
開発が始まった瞬間から雑誌社に営業をかけにいく。
開発が終わっても終わる間際くらいから次の作品の営業をかけにいかなくてはいけない。
最も体力があり、人当たりがよく、人望が厚く、酒に強いことが望ましい。
あと大事なのは勢いと信念(自分のところの作品が好きである、面白いとハッキリいえること)
開発本拠が東京で無い場合、交通費も開発資金から出す事になる。
初めは夜行バスの日帰りとかで経費を浮かすこと。

サポート。
ダブルクリックとは何か、インストールって何かと聞かれて
丁寧に出来るまで優しい口調で教える事が出来る事。
信じられないような話だがパソコン使ってたらあたりまえだろうと思うようなことを
聞いてくる人が結構いる。画面のプロパティってなんですかとか。
書庫ファイルの解凍とか。
でも怒ってはいけない。
初めてパソコンとエロゲーを買ってきた人もいるのだから。
これで怒るような人はサポートは出来ない。
だいたいサポートと事務と広報(さらに営業)を1人でするので
体力と丈夫な胃と冷静さが必要。
80名無しさん@初回限定:03/06/28 17:30 ID:0ugPmtZO
最後にデバッグ。
実はエロゲーにバグが多いのはこの期間が取れないことが多いからである。
AT互換機はそれこそほぼ無限にハード・ドライバの組み合わせがあるため
家庭用ゲーム機のような固定化されたハードのように完璧なデバッグは不可能。
エロゲーユーザーはハードの買い替えやOSの乗換えに慎重すぎるので
OSは95でグラボはDirectX3世代だとか最悪の場合ノートPCとかオンボードチップだとか。
よくわからないジャンクなサウンドカードだったりとか。

デバッグは納品2時間前からなんていうこともある。
これではプログラマ・スクリプターは可哀想である。
デバッグもさせてもらえずにバグの無い製品なんて作れるはずが無い。
プログラマ以外デバッグ期間の事を考えてる人間がいないという事が新規では多い。
81名無しさん@初回限定:03/06/28 17:31 ID:0ugPmtZO
簡単にまとめると、新規で会社を興すようにするためには

1.全員に収入が無くても食っていける貯金がある。

 初めは開発資金が少ないため自力で生き残れる体力がいる。
 最低でも1年は食っていける貯金をしよう。
 300万くらいは貯めておくこと。
 半年かけてソフトが売れなかった場合、ほぼ同じ資金で次を開発せざるをえないので。
 開発部屋を借りるのであればその経費も含めて貯金する。
 声や歌を入れたいのなら自腹を切る覚悟で。

2.企画>プロット>仕様書をきっちり固める。

 これは企画屋のみでなく全員の意思統一が必須。
 会議で遠慮は無用、本気で意見はどんどん言う。
 不穏な空気になっても会議が終わったあとでいつも通りに戻れないような
 チームならば共同で開発なんてまず無理。
 良いものを創ろうという共通の目的があるのだから
 本気でぶつかる事が出来なければ意思統一はまず無理。

3.デバッグ期間を考慮して開発をする。

 新規なら最低でも2週間は欲しい。
 もちろんその段階でプログラマ・スクリプタ以外は仕事が終わっている事が前提。
 デバッグは全員参加が望ましい。
 1ヶ月取れれば演出の調整が出来る。
 つじつまが合わない個所(シナリオ/CGなど)の修正もきく。
 しかし現実はますたアップ前の2ヶ月くらい前から睡眠3時間土日休みなし
 という生活が続く。
 こうならないためにも1と2は重要である。
82名無しさん@初回限定:03/06/28 17:32 ID:0ugPmtZO
あと大体1ヵ月半前位の時期に体験版を作ったりする。
新規ならこの時点でよほどデバッグが済んでない限り体験版は作らないほうがいい。

漏れの経験や聞いた話から簡単に書いてみたが例えエロゲーといえど
覚悟は相当なものが必要であることを考えてそれでも作りたいのならば会社を作る。
少なくとも1000万以上の借金を背負う覚悟は必要。
それでも今までに無いエロゲー会社を作りたいのならがんばって。
と、ネタスレにマジレスしてみる。