エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round22!!

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106名無しnoゆうな応援1の1/3
「もうはじめてではない、日常のなかで・・・」 〜朝日の当たる部屋で〜

うっすらと明るさを感じていた。閉じている瞼の内側が、暖かいオレンジ色に満たされる。
「・・・い・・・ん。 お兄・・・・・ん! お兄ちゃん、朝よ、起きて!ねえ!」
僕は、聞き慣れた元気な声に、一気に目覚める。まぶしい朝の光の中。無理やり開いた
目が、まいなちゃんの悪戯っぽい微笑みを捉える。
「・・・おはよ、まいなちゃん。 ・・・ふぁああ〜。」
「もう、お兄ちゃん、お寝坊さんなんだから♪」
ばさっ! まいなちゃんが僕に飛び乗り、胸元の布団を引き剥がす。そのまま僕の胸へと
倒れこんで来た。彼女の、くりくりと表情を変える瞳が、濡れたような藍色を光らせて僕の
間近に迫る。
「おはよ、お兄ちゃん」
「おはよ、まいなちゃん」
ちゅっ、と音をさせて、僕たちは唇を重ね合わせる。朝の挨拶。いつからだろう、もう数え
切れないほどの朝。まいなちゃんと、そして ゆうなちゃんと。こうして彼女たちの甘い甘い
口づけで迎えた朝。
「さ、起きて、お兄ちゃん。朝ごはん、できてるわよ」
まいなちゃんに促されて、僕はようやく起き上がる。まいなちゃんが部屋着代わりに羽織
っているペパーミントグリーンのガウンが、目に優しい。
窓辺からさす朝日。また、僕たちの一日が始まる。
・・・・・・・・・
コトッ・・・、コポコポコポ・・・。
僕たちの病院に隣接している、僕たちの家。見慣れたキッチンも、ここしばらくで随分と
変わった。ゆうなちゃんと、まいなちゃんのおかげで。テーブルの上には、まいなちゃん
が言ったように朝食の用意が整っていた。僕が椅子に座ると、彼女がコーヒーカップを
出してくれる。心地よく深いコーヒーの香りが、わずかに残っていた眠気を吹き飛ばす。
107名無しnoゆうな応援1の2/3:03/01/28 01:18 ID:iIzLtRcU
テーブルの上には、僕と、まいなちゃんの分の食器。軽くトーストしたパン、サニーサイド
のベーコンエッグ、小皿に盛ったサラダ、オレンジジュース。絵に描いたような朝の食卓。
簡単に見えるけれど、まいなちゃんが僕よりも早く起きて用意してくれた朝食。いつから
だろう。冷え切ったこのキッチンで一人、固くなったパンと味気ない牛乳を流し込むだけ
の朝から解き放たれたのは。毎朝、ゆうなちゃんが、まいなちゃんが、はにかんだ笑み
と暖かな料理で僕を迎えてくれるようになったのは。
「はいっ、召し上がれ、お兄ちゃん♪」
「うん、いただきます・・・。今朝は、ゆうなちゃん、まだ来てないんだ?」
「んふふ♪ 寝不足だったみたいよ、ゆうなちゃん。一昨日の夜、そんなにハゲしかった
の お兄ちゃんたち? なんか、まいな、妬けちゃうわ♪」
「ぶっ! そ、そそそ、そんなことは・・・。ぼ、ぼぼぼ、僕はいつも、ゆうなちゃんも、まい
なちゃんも、おんなじように・・・!」
「冗談、冗談。・・・・・・ねね、どんなかっこうでしたの? きのう、まいなとしたときと同じ?
もっと気持ちよくなれるかっこうだった? ね、お兄ちゃん?」
「・・・。そんなに、違わなかったと思うけど。じゃあ、明日の晩、試してみる?」
「! もっちろんよ お兄ちゃん! なんか楽しみ〜♪」
僕は、思わず苦笑いする。朝食の席には似つかわしくない会話。いや、それでも嫌とも
思わずにこんな会話ができるのは、相手が ゆうなちゃんと、まいなちゃんだから。
まいなちゃんの「朝ごはん、冷たくなっちゃうわよお兄ちゃん」という言葉に促され、僕は
朝食にとりかかる。すっかり舌に馴染んだ、ゆうなちゃんと、まいなちゃんの料理の味。
カチャカチャと音を軽い立てて、まいなちゃんが食器を洗っている。僕は彼女に悪いと
思いながらもコーヒーをすすり、キッチンに立つ小さな後姿を眺めている。開けっ放しの
ドアの向こうから、かすかな音がして、間違いようのない足音が聞こえてくる。トテトテと。
「ふぇ、おにいちゃん、まいなちゃん、おはよーございます」
「おはよう、ゆうなちゃん」
「おはよー! はやかったね、ゆうなちゃん」
108名無しnoゆうな応援1の3/3:03/01/28 01:18 ID:iIzLtRcU
僕と まいなちゃんの声に迎えられて、ゆうなちゃんがキッチンに入ってきた。
いつもと変わらない、綿菓子のような微笑み。家から走ってきたのだろうか。水蜜桃の
ようなほっぺたをかすかに赤らめていた。軽く息をはずませて、えへへっと笑いながら
まいなちゃんの傍へいく。
「んと、ゆうなも、おてつだいするよ まいなちゃん?」
「ううん。今日は まいながする日なんだから、だいじょうぶよ、ゆうなちゃん。あ、まだ
コーヒーがあるから、飲む?」
「うん、じゃあ、ありがとう〜♪」
まいなちゃんから湯気を立てるカップを受け取り、両手で大事そうに持って僕のほうに
やってくる。そうっとこぼさないようにカップを置き、ゆうなちゃんは僕にふにっと微笑ん
だ。思わず、僕も微笑み返す。
「もう、二人でずるいわ お兄ちゃん、ゆうなちゃん!」
まいなちゃんが、見つめ合う僕たちに、ほっぺたをプッと膨らませて抗議する。その顔
に、僕も ゆうなちゃんも、まいなちゃんまでが釣られて笑い出す。
「さ、二人ともそろそろ支度してきて。僕も着替えてくるよ」
「は〜い♪」
「う〜ん♪」
口々に応えて、二人は更衣室に向かった。
やがて、僕が身支度を整えた頃。
「お兄ちゃん そろそろお玄関、開けていいかしら?」
「んとねぇ、今日はそろそろ ごよやくのかんじゃさんが来る時間だよ おにいちゃん」
「うん、そうだね。っと、診療時間が始まるなら、二人とも・・・」
「あ、いっけない。ごめんなさい、お兄ちゃ・・・じゃなくって・・・」
「「雅文(仮名)せんせ、今日も一日、よろしくおねがいしま〜す♪」」
「はい、じゃあ診察室に行こうか。ゆうな君、まいな君!」
そして僕たちの一日が、また当たり前のように始まる。さり気ない思いやりに包まれて。