エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round21!!

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697香坂アリス支援Zwei1/4
さて…支援再開と行きますか。香坂アリス支援第二弾、参る。

>>558-561から続き。

「ふぁ…ねむ…」
「…ちょっと、透矢」
…眠りの世界に落ちようとしたら、アリスが僕の頬を引っぱってきた。
「ひてててて…な、何、アリス?」
「『何』じゃないわよ…眠いのかもしれないけど、寝ないの! 私は透矢の
 体調が悪いから膝枕してあげてるんだから、体調よくなったらさっさと
 起きる!」
「厳しいよ、アリス…そんなに僕に膝枕するのが嫌なの?」
「い、嫌ってわけじゃないけど…恥ずかしいじゃない…」
「大丈夫、マリアちゃんは出かけたんだし、誰も見てないよ。例えばほら、
 こんな事したって…」
膝枕に寝転んだまま手を伸ばし、アリスの頭に手を回して顔を近付けさせる。
僕に覆い被さるようにして体を折り曲げたアリスの唇に、僕は軽いキスをした。
「ん…」
「ほら…大丈夫」
「…変態」
唇を離したアリスは、耳まで真っ赤にして僕をにらんでいた。照れているのか、
本気で怒ってるのか…まあ、膝から僕を放り出さないって事は前者だろう。
「『変態』って…傷つくなぁ…僕はアリスに愛情を表現してるだけだよ?」
「その方法が問題なのよ…すぐエッチな事に結び付けようとするあなたの癖、
 何とかならないの?」
「あれ…アリス、もしかして嫌だった?」
「い、嫌じゃないけどさ…」
ぶつぶつとつぶやきながら、アリスが僕の頭をかき回す。髪がくしゃくしゃに
なりそうだな、このままだと。
698香坂アリス支援Zwei2/4:03/01/24 18:16 ID:VI3FEbt3
「うーん、誰でもそうだけど、僕は僕の方法でやるしかないからね…誰かの
 愛情表現を真似してもいいけど、それじゃ借り物になって、気持ちを込めても
 伝えきれない気がするし…」
「…もういいわよ。マリアと一緒にあなたを選んだ時点で、私はあなたと一緒に
 やっていくって決めたんだから。だから、あなたはあなたの方法で私達を大切に
 して。私達もせいいっぱいあなたを大切にするわ」
「そうだね…」
二人きりの雰囲気が、お互いに恥ずかしいセリフを口にする抵抗をやわらげてくれた。
いつもは言葉以外で確かめ合っている事だけど、たまにはこうして口にしてみるのも
いいな…。言葉で伝えられないものがあるのと同じくらい、言葉にしないと伝わらない
ものもあるはずだから。
「さ、さて…そろそろ本当に起きてよ、透矢。足がしびれてきちゃった」
「こらえ性がないよね、アリスって…」
「仕方ないじゃない、ずっと椅子に座る生活をしてきたんだから…」
「はいはい…じゃあ、起きるよ」
体を起こして、僕はコタツに肘をついた。しびれた足をさすりながら、アリスも
コタツに入り直す。
「はぁ…あったかい…」
「アリス…顔、とろけてるよ?」
「いいじゃない、あなたと私なんだから…」

「それにしても、マリア達って元気よね…」
とりとめもなく話をしているうちに、僕達の話題はでかけていったマリアちゃんと
鈴蘭ちゃんの話になった。
「雪の日に外で遊ぶなんて、私は絶対に嫌よ」
「寒いの嫌いなんだ、アリスは」
「見て分かるでしょ…そうでなかったらコタツにこもってないわよ」
「確かに…でも、それじゃ雪遊びをした事もないの?」
「そうね…」
遠い目をして、アリスが記憶を辿る。…思い出さなければいけないほど、最後に
雪遊びをしたのが昔なんだ…。
699香坂アリス支援Zwei3/4:03/01/24 18:17 ID:VI3FEbt3
「ああ、何年か前に遊んだっきりね。あの時は雪合戦でマリアをいじめてたわ…」
「ひどいよ、それは…」
「まあ、とろいあの子が悪いのよ。私が5発投げる間に2発も投げられないんだからね…
 負けて当たり前だわ」
その後泣いたマリアをなだめるのに一苦労してね…と、アリスが苦笑いを浮かべる。
ちゃんとフォローしてるあたり、アリスはやっぱりいいお姉ちゃんだと思う。
「他には何かして遊ばなかったの?」
「うーん…あの時はあまり積もらなかったから、小さな雪玉を作るので精一杯
 だったのよ。すぐ溶けちゃったし」
「そう…それじゃ、雪だるまとか作った事ないんだ?」
「ないわね…。 ? どこ行くの、透矢?」
「せっかくだし、雪だるまでも作らない?」
「嫌よ、外に出るのは。寒いもん…」
「別に、僕は外に出ようとは言ってないよ。アリスは、台所からお皿を持ってきて
 くれないかな? 冷凍庫に入れられるくらいで、できるだけ大きいやつを」
「冷凍庫? …ははぁ、なるほどね…分かったわ」
僕の考えを理解したアリスが、にこりと笑ってコタツから出る。
「じゃあ、頑張ってね、透矢」
「うん…バケツ一杯くらいあれば十分かな?」
「そうね…きれいな所から持ってくるのよ?」

「ただいま…持ってきたよ、アリス」
物置から出してきたバケツを持って庭に降り、できるだけきれいな雪を集めて
僕は居間に戻ってきた。居間の空気に当たるとすぐに溶けてしまいそうなので、
少し迷って廊下にバケツを置く。ここなら寒いし、すぐには溶けないだろう。
「お帰り、透矢…準備できてるわよ?」
コタツの上に置いてある2枚のお皿を指差し、アリスが微笑む。
「ふふ、何だか楽しみ…子供みたいよね、私」
「たまには童心に返るのもいいと思うよ…さ、作ろうか?」
「うん!」
700香坂アリス支援Zwei4/4:03/01/24 18:17 ID:VI3FEbt3
「…っと、こんなものかな?」
僕が作っているのは、雪うさぎだ。バケツから取り出した雪をドーム状に盛って、
庭から取ってきたナンテンの実と適当な葉っぱをつけて…うん、できた。
「うーん、こんな感じかしら? でも何か違うのよね…」
アリスは小さな雪だるまをいくつか作っている。真ん中にやや大きめのを1つ、
その脇に小さめのを2つ、並べて…もしかしてこれ、僕ら三人の姿だろうか?
聞いてみたい気がしたけど、やめた。照れ屋のアリスの事だ、僕が指摘しても
認めないだろう。本人の口から話す気になるまで、気長に待ってみよう…。
「よし、まあこんなものでしょ…って、透矢、何じろじろ見てるのよ?」
「あ、ああ、ほら、僕のはもうできたからさ…」
「ふーん…なかなか可愛いうさぎじゃないの。でも、私の自信作には敵わないわよ?」
得意げに自分のお皿を指差すアリス。
「ちなみに、この作品のタイトルは?」
「そうね…敢えて『無題』にしておくわ。名前を付けるのは何だか恥ずかしいし」
「ふーん…」
まあ、アリスが何を言いたいかは3つの雪だるまを見ればよく分かる。真ん中に立つ
大き目の雪だるまと、それを挟むようにくっつく2つの小さな雪だるま…あ、片方は
ちゃんと髪型までそれらしく作ってある。手が込んでるな…。
「…で? ニヤニヤ笑ってないで、感想を言いなさいよ、感想を」
「微笑んでただけなのに…そうだね、感想は…『いい物を見られたな』かな?」
「またずいぶんと曖昧な感想ね…もっと何かないの?」
「言葉にするのは、何だか恥ずかしいからね…」
「それ、さっきの私の真似じゃない…まあいいわ、私の言いたい事は分かってくれた
 みたいだしね」
「うん…そうだね。それじゃ、冷凍庫にしまっておこう。マリアちゃんが帰ってきたら、
 見せて喜ばせてあげようよ」
「賛成。じゃあ、持っていきましょ?」
それぞれの作品を持ち、僕達は冷蔵庫のある台所へ歩き出した…。