( そうだな…。
一応、武田騎馬軍団VS琴乃宮雪なんだから、合戦というか戦うところはいるわな…。
だけどなぁ…、雪さんと武田が戦うのは勘弁だな。
ちょいとタイトルに偽りアリだが、ここは織田や徳川方に悪役になってもらうか。 )
俺はペンを取ると、用紙に向かい思いついたままに書いてみる。
「 にゃー。 」
窓の方から猫の鳴き声が聞こえる。
( お前にやるエサは無いよ。 )
猫のほうには向かず、作業に集中する。
天正二年夏の頃。
普段は静寂に包まれた林の中を、一人の女性が必死に駆ける。
その後を追うのは、目の色の変わった雑兵達。
「 おい、逃げんなって!
俺たちが、ちゃぁんと家まで案内してやるからって! 」
楽しそうに雑兵達は追う。
それは、まだ雑兵達には余裕がある事のあらわれでもあった。
だんだんと女性と雑兵の差が狭まっていく。
女性は必死に逃げるも、慣れない林の中であり、足場も悪い。
そして、女性の特徴的な身なりもこの林の中では仇となった。
まったくこの時代とは合わない広がったスカートに、突き出ていた枝が刺さる。
「 きゃっ! 」
か細い声を放ち、女性は叩きつけられるように転倒する。
起き上がろうにも、スカートにひっかかった枝が離れない。
「 あ…ああ…っ…。 」
懸命にスカートをひっぱる女性に、雑兵が迫る。
「 おい作兵衛、押さえ込んじまえっ! 」
「 おおよっ、もう逃げられはせん。
とったぁぁぁっっっ! 」
先頭を走る雑兵が、倒れる女性に飛びかかろうとした時。
何かがその雑兵の額に当たる。
「 ぐぼっ! 」
妙なうめき声をあげ、雑兵が後ろに傾く。
「 だー、何やってんだ作兵衛! 」
作兵衛は真後ろにいた仲間を巻き込んで倒れた。
「 お前等、何やってるんですか!? 」
後から追いついた雑兵が、仕方なく作兵衛を起こそうとするが、彼に異変に気づく。
「 おい、作兵衛。しっかりしろ…おいっ…!
こいつ…死んでる……! 」
「 ああん?
死んでるだぁ…?誰が殺したんだよ! 」
作兵衛の下から雑兵が這い出てくる。
「 わけわかんねぇ事言ってねぇで、さっさとあのおん……。 」
女性のほうを向いた雑兵の口が止まる。
その方向に、雑兵達がどこかで見た事のある甲冑姿の武者がいた。
「 城の様子を見ておこうと廻っておったが。
このような場所に長忠の兵がうろついていたとはな…。 」
武者は雑兵を睨むと、いまだに苦戦していた女性を見下ろす。
「 大丈夫か?
今助けてやろう。 」
武者は脇差を抜くと、枝を瞬時にたたっ切る。
「 こいつ、ふざけた事言ってるんじゃねぇ!
その女は俺たちが頂戴するんだよ! 」
武者に対し、雑兵の一人が刀を抜き、突進する。
「 待て、権助っ! 」
作兵衛に巻き添えを食らって倒れた雑兵が制止を呼びかけるが、遅かった。
「 ぐえっ…。 」
その突進した雑兵は、数歩走っただけで地に倒れる。
「 余計な手間を取らすな。
今なら命は取らん、早々に退散しろっ。 」
武者は言いながら、甲冑の合間から石を取り出す。
「 喰らいたい奴から前に出ろ。
遠慮なく沈めてやる。 」
凄む武者に、雑兵の間に怯えが出る。
「 な…なんだよあいつは…。
あんな石っコロで権助と作兵衛が…。 」
留吉が震え、作兵衛の巻き添えを喰らった雑兵が呆然と言う。
「 間違いねぇ…。
あれは晴信の御曹司だ…。
三方原で見たことがある……。
おい、お前等逃げるぞ! 」
言うなり、その雑兵が背を向け走り出すと、その他も続いて走り去る。
武者は雑兵から目を離すと、地に腰をつけたまま震えている女性に手を差し伸べる。
「 大丈夫か。 」
ぶっきらぼうに差し出された手を握り、女性はようやく立ち上がる。
「 ところで、おヌシはバテレンから来たのか? 」
不思議そうに女性の服を見る武者に、女性は答えた。
「 いえ…日本人です…。
と言いますか…、ここはどこなのですか? 」
「 ん?日本人…?
どこの国かは知らぬが、言葉は通じるようだな。 」
林の奥から人を呼ぶ声が聞こえる。
「 若、どこに行ったんですか!?
落城したとはいえ、まだ危険なんですから、早く戻ってきてください!! 」
その声を聞き、武者は微笑する。
「 やれやれ、たまには一人にさせてもらいたいものだがな。
ところで、おヌシの名は? 」
「 雪…、琴乃宮雪といいます。
ここは…、どこなのでしょうか…。 」
何がどうなっているのか分かっていないのか、雪と名乗った女性は不安がっている。
やがて、林の向こうから武者の家臣たちが走ってくる。
家臣達の方に手を振ると、武者は雪の方に向きなおし言う。
「 ここは遠江高天神城。
我等の攻撃を受け、昨日には城主小笠原長忠は降伏していた。
我が名は武田勝頼。
あんまり部下がやかましいからな、たまには一人で散歩をしてみただけよ。
敗残兵がうろついているとは思わなかったがな。 」
「 これが上洛を目指す武田勝頼と、琴乃宮雪との運命的な出会いであった、と。 」
「 ふんふん、なるほどね〜。何気に電波多めだね♪ 」
「 この後、自分のいた世界とここが違うと理解した雪は、帰れるまでは武田勝頼の元に身をおく。
で、そうだなぁ…、透矢は織田側について戦ってしまうのもありかもな。
まあ何とか徳川を蹴散らし、馬場美濃守が戦死するなか、織田信長を安土城に追い詰める。 」
「 にゃ〜。 」
「 うにゃっ、駄目だよ"うたまる"! 」
「 何だぁ!? 」
作業に夢中になって気づかなかったが、いつの間にか目の前に芳乃がいて、あのこけしのような猫が
ちゃぶ台の上に座っていた。
しかも猫がちょろちょろ動き始め、人が書いていた原稿の上に正体不明な足跡を残してくれる。
( オーノー…。)
「 どうでもいいが、どうして芳乃と猫がここにいるんだ? 」
俺はひきつった顔を笑顔にするように懸命になりながら芳乃に聞く。
「 う〜ん、音夢ちゃんが亀井とかいう人と、協定に関して打ち合わせを始めたから暇になってね。 」
「 それで、どこから入ってきたんだ…。 」
「 そこだよ。 」
芳乃が指した方には、開きっぱなしになっている大きな窓。
窓の向こうには、そろそろ咲き始めるであろう桜の木が太い枝を延ばしていた。
どっと疲れた俺に、内線が鳴る。
つまんない
一階のファミレスにてまた騒動があったらしく、責任者を呼べということになったらしい。
そこで、朱美さんじゃなくて千尋が出て行ったら、それはそれでケンカになったらしく、
収集がつかなくなったので俺に出てきてくれと。
俺は勝手に書き足そうとする芳乃を連れて1階に下りる。
そこでは、人数不足だといって接客をさせた大空寺と、一人の少女がすさまじい口論をしていた。
だから俺は反対したんだ。大空寺は出すなと。
「 おお、マイブラザー。丁度いい所に来た。
今、我等が尖兵の大空寺が、強敵を攻め立てているところだ。
サクッと援護して、奴にトドメを刺そうではないか。 」
「 誰だ、あの大空寺と揉めてるのは。
攻撃を主張する以上は、相手の正体は分かっているんだろうな? 」
「 もちろんだ。
今度の夏コミにおける、我等が最大の強敵。
コミケの女王と呼ばれた大庭詠美嬢だ。
さー、マイブラザー。山盛りのパイをあの高慢な面に叩き込むのだっ! 」
「 あー、壁サークルの女か…。
俺は島ばっかりだからあまり興味は無いんだがな…。 」
( なあ大志よ、俺達が壁サークルになる日はかなり遠いと思うんだがな…。 )
俺は最後の言葉は脳内で言うと、大空寺と大庭の口論に目を向ける。
双方一歩も引かぬ攻防戦のように見えるが、大庭の方は目に涙を一杯に溜めていた。
それをせせら笑う大空寺。
すでに朱美さんは大空寺の隣で混乱しており、他に制止しようとする者がいない。
ちなみに、千尋は床に倒れて目を回していた。
どっちにやられたのかは知らないが…。
「 勝頼社長、何とか止めてやってくれませんか。
これでは店の影響もある。
それに、大空寺殿も少々言い過ぎておるんです。
もっとも、先に因縁ふっかけてきたのは向こうなんですがね…。 」
倉庫から飛んできた氏照。
氏照にまで頼まれては引けまい…。
1 「 大志、パイの用意を。 」
店内のミュージックを髭ダンスに変えると、俺は颯爽と大庭の顔面にパイを押し付ける。
2 「 大空寺、ここは俺が引き受ける。 」
大空寺をさげ、俺が丁重に対応する。
3 「 あのーすみません。サイン下さい。 」
泣きそうな大庭にサインをねだる。大空寺は放置する。
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>前スレ613 諸葛尚殿
とりあえず早朝に立ててみましたが。
全然下がらないので。夕方とかに立てたほうが良かったかもしれません…。
お互いマブラブには期待してましょう
>前スレ614 長宗我部殿
原画はやっぱり違うのですか…。
奈留氏のいない部分をシナリオで補え切れたわけでもなさそうですね。
次作品はどうなるんでしょうね…。
>前スレ616 高山殿
加賀乙彦氏ですか、うちには一冊も無いので何とも言えませんが。
最近になって買った本といえば、当方は年末に「北条氏康」(著 永岡慶之助)を買いましたね。
こっちは自分のコテとも関係ないス。
>10
そう言いたくなる気持ちは分かるが、
世の中にはつまらないものが沢山あるさ。
「おにいちゃんやめて」や、劇場版Pia3とか。
いいかげん寝ます。お休みなさい。
新スレおめでとうございます。
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┃\/\/┃ 御旗楯無、御照覧あれ!!
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>>12 1、パイ投げで 乱闘望む 太郎かな