エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round19!!

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885W支援Drei・ゆうなサイド1/4
傾きかけては、引き戻され。双方の支援を見るたびに揺らぎます、心が。
タイムリミットまで、5時間を切りましたか。とにもかくにも、W支援第三弾、参る。

>>741-743&>>746-748>>822-826から続き。

透矢君達と別れ、僕とゆうなちゃんは控え室に向かった。
「すずらんちゃんって、げんきだよね〜…ゆうな、まいなちゃんよりげんきな子って
 はじめてみたよぉ…」
「ははは…確かにそうかも。あの明るさは、なかなか持てない美徳だね」
「びとく?」
「いい所、って意味かな…」
「そうだねぇ…ゆうながないてたときも、わらわせてくれたしね…」
「ゆうなちゃんをあっさり泣き止ませたのは、多分あの子が最初だよ…僕でも
 なかなかああはできない」
あの時は正直、ちょっとショックだったな…あんな小さい子にできる事が僕には
できないのかと考えると、自分がまだまだだって思い知らされる。
「えへへ…おにいちゃんは、ゆうながないてたらいやなの?」
「そりゃ、ね…好きな女の子が泣いていて喜ぶ男なんていないよ」
「でも、ゆうなは…おにいちゃんといっしょのときはいっぱいなきたいなぁ…」
「へぇ…どうして?」
僕の疑問に、つっかえつっかえゆうなちゃんが答える。
「んと、んとねぇ…ゆうな、ほかのひとのまえでは、あんまりなけないんだぁ…
 『なきむしさん』ってわらわれちゃうから」
「うーん…なるほど。それもそうかもしれないね」
「でもぉ…おにいちゃんは、わらわないでしょ? いつも、『きがすむまでないて
 いいよ』っていってくれるよね?」
「大人になると、なかなか大声では泣けないからね…」
もう大声で泣けなくなってしまった僕には、今でも大声で泣けるゆうなちゃんや
まいなちゃんがうらやましく思える。そして、いつかは泣けなくなると知っている
からこそ、せめて僕の前では二人には安心して泣いてほしい。
886W支援Drei・ゆうなサイド2/4:03/01/13 18:49 ID:i4aX3xOA
「だから、ゆうなはおにいちゃんのまえでしかなかないんだぁ…おにいちゃんだったら、
 だいじょうぶだから」
「大丈夫、か…」
色々な意味に取れる言葉だ。でも、根っこにあるゆうなちゃんの気持ちは一つ。
僕は、ゆうなちゃんに心から信頼されている。
「…っと、控え室に着いたよ、ゆうなちゃん?」
長話をしているうちに、いつの間にか控え室に着いていた。僕達はゆうなちゃんの
控え室に入ると、投票開始まで一休みする事にした。
「さて…考えてみたら、何もする事がないね…」
「うーん…とりあえず、おちゃのもうか、おにいちゃん?」
「そうだね…日本茶がいいかな?」
「はーい…」
ゆうなちゃんが可愛い返事を上げ、すぐに準備に取り掛かる。程なくして
お茶とお煎餅が用意され、僕たちの目の前に並べられた。
「いただきます…ずずず…」
「いただきま〜す…ぱり…」
お茶をすする僕と、お煎餅にかぶりつくゆうなちゃん…うーん、まったりとした
一時だ。こういうのが一番だよね…。
「ああ、おいしいお茶だね…ゆうなちゃん、これどうしたの?」
「『どうしたの?』って…んと、ふつうにおいたあったおちゃをつかっただけだよ?」
「そうなの? それじゃよっぽどいいお茶っ葉なのかな…」
お茶っ葉の入った缶を手に取り、しげしげと眺める。
「…普通のお茶、だね」
というより、はっきりいってこれは安物だ。まあ、こんな所で玉露とかが置いてある
なんて事はありえないだろうけど…じゃあ、何でこんなに美味しいんだ?
「ん〜…ゆうなちゃん、何か特別な淹れ方をしてる?」
「そんなことないよぉ…ふつうにいれただけだよ?」
「でも、お茶っ葉が普通の物である以上、淹れ方に違いがあるとしか思えない
 から…ちょっともう一杯淹れてみてくれる?」
ぐっ、と自分の分のお茶を飲み干し、僕はゆうなちゃんにお願いした。
887W支援Drei・ゆうなサイド3/4:03/01/13 18:49 ID:i4aX3xOA
「うん…じゃあ、やってみるね?」
急須に残っていたさっきのお茶っ葉をゴミ箱に捨て、ゆうなちゃんが新しいお茶を
淹れる準備を始めた。
「さいしょはね、おゆをおちゃわんときゅうすにいれておくの…」
こぽこぽとポットから茶碗と急須にお湯を注ぎ、コトンとその場に置く。
「茶碗が温まってた方が美味しいの?」
「んとねぇ、それもそうだけど…もうひとつあるの。あついおゆでおちゃを
 つくると、にがくなっちゃうんだって」
「へぇ…」
「すこしさましたおゆでつくると、ちゃんとあまくなるんだよ? 70どくらいが
 ちょうどいいんだってママがいってた」
ふむふむ…なるほど。それでさっきのお茶は渋みが少なくて甘かったのか。
「そう言えば、昔飲んだ玉露は甘かったっけ…あれも、少し冷ましたお湯で
 作ってたのかな?」
「そうだとおもうよ…あ、そろそろいいかな?」
急須のお湯を流しに捨てて、ゆうなちゃんがお茶っ葉の缶を手にする。
「ひとり3グラム…このくらいかなぁ?」
スプーン一杯くらいの葉っぱを急須に入れ、すぐに茶碗で冷ましていたお湯を注ぐ。
「これで、ちょっとまつの…」
「お湯を入れてから少し待つのは、紅茶と一緒だね…」
「そうだね〜…ここでちゃんとまたないと、うすいおちゃになっちゃうんだぁ」
そう言いながら、ゆうなちゃんは時々急須を振って具合を確かめる。
「そろそろかな? おにいちゃん、おちゃわんとって?」
「うん…はい、ゆうなちゃん」
僕の茶碗に、ほどよく緑色に染まったお茶が注がれていく。
「さっきはゆうなのぶんとおにいちゃんのぶんがあったから、すこしずつわけて
 いれたんだけど…こんどはおにいちゃんのぶんだけだから、いっきにいれるよ?」
「ふんふん…二人以上に淹れる時は、少しずつ均等に注ぐ、と…」
「それでね、さいごのいってきまでちゃんとそそぐの。…はい、できたよ?」
にこっと笑って、ゆうなちゃんが手を止めた。
888W支援Drei・ゆうなサイド4/4:03/01/13 18:49 ID:i4aX3xOA
「はい、おにいちゃん。めしあがれ」
「いただきます…ずずず…おお、さっきのお茶だ」
甘味と渋味が絶妙のバランスで混じって、完璧なハーモニーを醸し出している。
これが安物のお茶っ葉で淹れたものだとは信じられないな、正直…。
「よし、ゆうなちゃん。僕もこのレベルのお茶が淹れられるように特訓する!」
「え、ええ!? ど、どうして、おにいちゃん?」
実はいつもいつもからかわれていたんだ…病院に来る常連患者のお年寄り連中に。
せっかくサービスのつもりでお茶を出しても『ここのお茶はいつ飲んでも
いまいちじゃのう』と軽くあしらわれる日々…ああ、思い出すだけで腹が立つ。
「ゆうなちゃんのコーチで美味しいお茶を淹れられるようになって、あのにっくき
 じいさんばあさんを見返してやるんだ!」
「お、おにいちゃん…?」
「早速始めよう! まずは、急須と茶碗にお湯を注いで…」
「ふにぃ…どうしよぉ…」
困り果てたゆうなちゃんの顔が目に入るが、一度燃えてしまった僕の心は
止まらない。ひたすら自分の舌を実験台に、僕はゆうなちゃんのお茶を
再現するべく奮闘するのだった…。