エロゲ最萌ロリトーナメント!! Round19!!
>804 より続
雅文(仮名)たちは、屋敷の二階、左手の部屋へと踏み入った。
「さて・・・、次は何が出る?」
油断なく部屋の中に視線を走らせながらも、次々に集い来てくれる「ゆうなちゃんへの票
と支援」に、心なしか歩調にも余裕がある。いける、みんなの ゆうなちゃんへの想いがあ
れば、必ずいける。雅文(仮名)の中に、そんな気持ちが育ち始める。
「・・・あ! あれ!」
と、雅文(仮名)の注意を、まいなの声が引き付けた。見ればそこそこ広い部屋の中央、
人の背丈ほどの中空に、白っぽく四角いものが浮かんでいた。間違いなく、あの張り紙
と同じものだ。
「 告
この部屋が、諸君の次なる『試練の間』だ。そろそろコツも掴んできただろうが。
言っておくが、次の試練にはそれなりの覚悟をもって望んで頂きたい。
少しばかり調子よく 投票・支援 が集まって来たからといって気負っているなら、
痛い目に遭うことになるだろう。忘れるな、諸君自身の ゆうなちゃん を想う萌え
の強さの戦いだ。
真に朝倉ゆうな嬢を助けたいと想い、先へ進もうとするなら、雅文(仮名)
おにいちゃん(たち)の、ゆうなちゃんへの 投票・支援で、そうだな、今度は・・・、
50萌え分ほどの萌え力を使用していただこうか。 今の諸君に、それだけの
萌え力がある、かな? 無ければ、諸君がゆうな嬢の笑顔を見ることは二度と
ない! それがここのルールだ。 炉利伊多仮面」
「くそっ! どこまで僕たちを・・・、?、!?」
雅文(仮名)の言葉が終わらないうちに、部屋の中に変化が起こった。ズズッ・・・バリッ。
見渡せば、かつてはリビングか客を招いた執務室のような部屋だったのか。かしこに、
かつての日常生活を窺わせる、日用品、事務用品、その他の生活の名残のような品々
が残骸となって散らばっている。今、雅文(仮名)たちの目の前で、日常生活の残滓とも
言うべきものたちが磁石に吸い付けられるように、あの紙を中心にして渦を巻き始めた。
「お、おお、こ、こいつは・・・!」
思わず声を上げる雅文(仮名)たちの前で、それは次第に邪悪な空気をまといながら、
一つの塊に成長していった。 ギシッジャリッビシャアッ・・・。残骸が他のかけらを食い、
別の屑に飲み込まれる。見る見る体積を増したそれは、やがて3メートルはあろうかと
いう人型を取り始めた。人間の、醜くゆがめられた悪意あるカリカッチュア。いや人の
中にこそ潜む、この世で最も醜い形。目を反らしたくなるような吐き気を催させるそれ
は、敵意をむき出しにして雅文(仮名)に迫ってきた。
「こ、こんなところで、退いてたまるか!僕たちは、ゆうなちゃんの所に行くんだ!邪魔
をするな化け物め!」
気合を入れ直し、本を まいなに託すと、左手に携えていた剣を正眼に構える。目で
少女たちに下がるように指示し、巨体を揺らす怪物に対峙した。と、その巨体からは
信じられないほどの勢いで、怪物の丸太のような右腕が振り出された。
「うわっ!?」
身を縮めて一撃をかわす。が、太く醜い腕が巻き起こした風圧に、思わず体制を崩さ
れる。そこへ、二度、三度と、怪物の攻撃が繰り出された。
「お兄ちゃん!!」
「「雅文(仮名)おにいちゃん! 負けないで!」
まいなと観月姉妹の悲痛な叫び。だが声援もむなしく、怪物の腕の先、爪の様に突き
出た金属片が、ついに雅文(仮名)の肩を捉えた。 ズァアアッ!
「!? ぅ、うわあああっ!」
衝撃と、脳天に走りぬける激痛に、雅文(仮名)の悲鳴があがり、その体がもんどり打
って床に転がる。そこへ容赦のない怪物の蹴りが入った。ドガッ!!
「っはぅ゛!」
まいなたちの目の前で、雅文(仮名の体が宙に浮き、壁に襤褸切れのように叩きつけ
られる。ドスッ・・・ず、ずずっ・・・。一瞬、壁に張り付いたように動きを止めた彼の体が、
崩折れるように床に向かって落ちていく。
「「「お、おにいちゃん!!!」」」